今回はHIFIMAN HE-400seをレビューします。本機は平面駆動方式のヘッドホンとしては破格のコスパとオーディオファンで話題となっています。
HIFIMANには元々エントリーモデルのHE-400シリーズが販売されていましたが、2021年5月にHE-400seにモデルチェンジし、2-3万円だったHE400シリーズが16000円程になりかなりお買い得感が増しました。
HIFIMANは平面駆動のヘッドホンのブランドで、ブランド設立は2017年とオーディオ業界としてはかなり新興企業ですが、すでに一定数のファンを獲得しており、数十万円もするハイエンド機も存在するようなメーカです。
これははかなりコスパがよさそうと以前から目をつけていたのですが、今回入手したので詳細をレビューしたいと思います。
HIFIMAN HE-400se 製品スペック・外観レビュー
メーカ:HIFIMAN ハイファイマン
タイプ:ダイナミック開放型
重量:約390g
インピーダンス:25Ω
感度:91dB
コード長:1.5m両出しケーブル(3.5mm+6.3mm変換アダプター)
参考価格:16500円
側面はすべてパンチングになっており、開放型のヘッドホンです。開放型なので、周囲の音は聞こえますが、その分音漏れは激しいです。
外観は廉価版ということもあり装飾は必要最低限という感じです。ハウジングは金属製のようにも見えますがシルバー塗料で、外観はややのっぺりとした印象です。この価格で平面駆動ヘッドホンを入手できると思えば仕方なしです。
特徴的なのは390gの重量で、ヘッドホンとしてはかなり重い部類です。(通常300g程度)たかが100g程度の違いでもヘッドホン装着時の重量感は変わるので着け心地は多少重いです。
インピーダンスは25Ωと低め(感度が91dbで能率が高い)なので、ヘッドホンアンプ等無しでも鳴らせる機種です。公式サイトの説明でもスマホやポータブルプレーヤーで駆動可能の文言があります。
コードはR,L側両出しです。両出しはハイエンドヘッドホンに多い方式ですが、この価格で両出しコードというところに本格感があります。ただ素材の問題なのかコードに癖がつきやすく取り回しに難ありです。
ケーブルに一癖あるため、下記のようなamazonで買える社外品の交換ケーブルを使う人も多いようです。(一般的なステレオプラグ採用なら本機以外の様々な機種に使用可能です)
なおイヤーパッドを外すと平面磁界マグネットがむき出しで現れます。こう見るとなにやら凄い…!
ちなみに平面駆動ヘッドホンの仕組み(メリット)は下記FOSTEX T50RPのレビュー記事でも解説していますので、興味ある方はこちらをどうぞ
【おすすめヘッドホンレビュー】FOSTEX T50RPmk3g 平面駆動の圧倒的密度感!
HIFIMAN HE-400se 5段階音質レビュー
音質 :★★★★☆
装着感:★★★★☆
遮音性:★★☆☆☆
音の傾向:フラット(やや高音寄り)
得意な音楽:ジャズ、クラシック
音場感(音の広がり):普通
平面駆動方式かつ、HIFIMANという新興メーカのイメージから癖のある音がでるかと思いきや、音色はかなり上品です。
平面駆動の音の歪みの少なさの恩恵なのか非常に自然な音を出してくれています。音質という面ではハイエンドとまではいきませんが、この価格帯ではなかなかのコスパだと思います。
低音~高音までフラットでバランス良いですが、気持ち低音は控えめで、高音の響きが素晴らしく、クラシックやジャズとの相性は良いです。
筆者の良く聞くフュージョンとの相性も良いので個人的に結構気に入りました。
ロック等も聞けなくは無いですが、音の傾向としてはおとなしめで、迫力不足であまり相性はイマイチです。わかりやすく音に迫力があるわけではないですがクラシックの弦楽器などの繊細な音色に特色があり、結構玄人好み的な音作りです。
平面駆動型は音の歪みの少なさから、ソースによっては原音の生生しさを感じられるとも言われていますので、ポップス等以外にもジャズやクラシック等の生演奏もおすすめです。
耳当たりの良い音でありながら解像度も中々で、しっかりと音を聞き分けることができるのでモニター的な用途も有りだと思います。
所有しているヘッドホンで言うと、フラットで繊細な表現が得意という点でAKG K701に近いイメージです。ややこちらの方がモニター的な解像度の高さに優れますが、音場感はK701の方が広いです。
開放型の割には音の開放感はほどほどという感じで、音の抜けの良さは今一つです。音場感は開放型の割には広くは無く、セミオープンのような鳴り方です。
総評は評判通りのフラットな音で、この価格で平面駆動のヘッドホンを購入できることを考えると価格以上の価値はあります。ただキレキレのノリのよい音を期待すると、やや肩透かしを食らうかもしれません。
HIFIMAN HE-400se 装着感について
平面駆動型のヘッドホンは構造上重くなりがちで、本機も390gとなかなか重いので装着感は難ありと思いきや、緩すぎずかつ強すぎない程よい側圧と、ベロア素材のイヤーパッドのクッション性の良さから装着感は快適です。
多少本体の重さは感じますがヘッドバンドのクッション性も良いのでトータル着け心地は良い部類です。眼鏡との相性も良く、長時間の視聴もOKです。
総評:HIFIMAN HE-400se 良い点、悪い点
良い点
- 非常にフラットかつ上品な音質
- 平明駆動方式のヘッドホンとして抜群のコスパ
- 装着感に優れる
悪い点
- 刺激やノリの良さを求めるとやや肩透かし(ジャンルを選ぶ)
- 重量が重い
- 付属ケーブルにやや癖あり
総評としては一癖ありそうなヘッドホンと思いきや、非常に品の良い音を出してくれる製品でした。平面駆動のヘッドホンをこの価格で出してきており、装着感も良好なので噂通りのコスパと思います。
ただロック、ポップス等をメインで聞く人にはこのヘッドホンの良さが活きないと思うので、実は結構ジャンルを選ぶヘッドホンだと思っています。半面ジャズ、クラシック等にはマッチするのでこれらのジャンルに特におすすめです!
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