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ヘッドホンレビュー

【レビュー】SENNHEISER HD400pro HD599とは全然違う?際立つ解像度

今回はゼンハイザーのHD400proをレビューします。
ゼンハイザーというとHD598(599)シリーズや、HD650(660)シリーズが有名ですが、近年新たなラインナップとしてHD***proシリーズをリリースしています。

型番の数字はとしては500シリーズから小さく400番台になっていますが、下位機種という位置づけでは無く、proシリーズはその名の通り、リスニングというよりは業務用を意識したモニターヘッドホンになっています。

近年はモニターヘッドホンの高解像度、原音忠実性さながらリスニングにも使える製品が増えている印象ですが、ゼンハイザーもその流れに乗ってきたイメージと筆者は解釈しています。

結論としてはまさしく通常リスニングにも使えるモニターヘッドホンとしては申し分ない性能となっている一方、定番のHD599シリーズとはかなり異なる音ですので、比較レビューをしていきます。

SENNHEISER HD400pro 製品スペック 外観レビュー

メーカ SENNHEISER ゼンハイザー
タイプ ダイナミック開放型
重量 240g
インピーダンス 120Ω
コード長 3.0m片出しストレートコード
参考価格 30000円

本機は開放型のヘッドホンです。モニターヘッドホンというと密閉型が多く、開放型は結構珍しいイメージで、開放型にすることで、聞き疲れしにくく音場を広くなりますので、リスニング向けも意識した結果?とも感じます。

重量は240gと比較的軽量で、取り回しの良さや長時間装着時のストレスが無い重量です。

モニターヘッドホンらしくインピーダンスは120Ωと高めです。HD599は50Ωですが、比較してみると音量はこちらのほうが取りにくいです。HD599は直刺しでも聴けないレベルではないですが、本機はアンプがあった方が良いです。

外観の形状はいつものHD599シリーズそのままですが、シックな全部黒というのがかえって新鮮で、従来シリーズとは異なる製品という感覚があります。一見地味に感じますが、違いを感じさせる点で個人的には渋い外観が気に入っています。

SENNHEISER HD400pro 5段階音質レビュー

SENNHEISER HD400pro 5段階音質レビュー 
音質 :(モニター用途なら☆4.5)

装着感:

遮音性:

音の傾向:フラット

得意な音楽:クラシック,ジャズ

音場感(音の広がり、定位感):良好

 

本機の第一印象としてまず感じたのはゼンハイザーの定番HD599系の音とは毛色が異なるぞという感覚です。

HD599は比較的音の重心が低めで高音も聞きやすいウォーム系の音ですが、本機はかなり寒色系のクリアかつ解像度高めの聞こえ方です。

全体の傾向としてはモニター用らしくフラットで、解像度は音の粒をかなり明確に感じられこのクラスのヘッドホンとしてはトップクラスの解像度です。半面高音はシャリ付きがあり聞き疲れする傾向はあります。

単純に解像度で音質を判断するともう少し音質評価を上げてもよいかと思いましたが、リスニング用の音作り(低音の響きや高音の艶やかさ)としては☆4の評価としました。

鳴り方としては、とにかく解像度が高いが分析的にサラッと鳴るSONY MDR-ST900のような鳴り方が近い印象です。

MDR-ST900は装着感や音場感的にリスニングにはあまり向かないと感じますが、本機は装着感も快適かつ、開放型ため音場もHD599譲りの広さで、MDR-ST900的な音でリスニングも快適なヘッドホンという位置づけです。

得意な音楽については、ロックやポップスを元気に聞きたいというニーズにはHD599の方が向いていますが、モニターっぽく原音忠実かつ解像度重視で分析的に聞きたいという方には本機が刺さります

フラットなのである程度どんな音楽も癖なく鳴らしますが、繊細な音の表現という点でクラシックやジャズは中々良いです。ポップスでもバラード系も悪くないです。

EDMなどの打ち込み系については、かなり分解能が高く一音一音を分析的に聞くことができる反面、やや盛り上がりに欠けそこまでハマらない印象です。

ゼンハイザーの他の製品と使い分けるなら、ロック、ポップス等の元気の良い曲はHD599で、クラシック等は本機で聞くと良いイメージです。
HD599よりさらに元気な音を求めるならHD-25で、ロックやDJ用に特化するならこちらもおすすめです。

SENNHEISER HD400pro 装着感について

装着感については着け心地の良さに定評があるHD599シリーズと同じ構造のハウジングのため着け心地は良好です。頭頂部のクッションは左右に出っ張りがあるタイプでフィット感は良好です。

一方側圧はHD599シリーズと比べるとやや強くなっているように感じます。業務用を意識してフィット感を重視した結果と思いますが、別段長時間の試聴が厳しいレベルではなく装着感は良好です。

SENNHEISER HD400pro 良い点、悪い点

●良い点

  • 抜きんでて高い解像度、かなり分析的
  • モニターヘッドホンとしては音場感や装着感が良好、モニターだけではなくリスニング用としても快適

●悪い点

  • ゼンハイザーらしいウォームな音を期待するとモニター色が強く薄味
  • リスニング用としてはジャンルを選ぶ(ロック等には向かない)

結論としてはゼンハイザーの従来ラインナップとは音作りをかなり変えてきた印象の製品です。

解像度はHD599と比較しても本機の方が明らかに高く、分析的に聞くにはうってつけです。装着感や音場感も良好でリスニング用としての快適さも兼ね備えているので、モニターホン兼リスニングホン的な使い方をする方にベストです。

一方では解像度は高いものの、リスニング用としての音楽の表現力はHD599のバランスがしっくりくるというのが筆者の所感です。(モニター的な音はリスニング用としては物足りなく感じることもあり)

ただゼンハイザーがここまでモニターに寄せた製品を出すとは思わなかったので、様々な音作りもできるゼンハイザーの底力を感じた製品です。

(関連記事:HD599レビュー記事)
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