ゴールデンカムイを見ようと映画館についたら、次の上映までかなり時間があったので、5分後に開場する「哀れなるものたち」を見ることにしました。
そもそも映画には事前情報を入れずに見に行く習慣があります。予告編で見たことのあるシーンが出てくると興ざめするタイプなので、その日も何も調べずにチケットを買いました。
何の予備知識も無く鑑賞した「哀れなるものたち」、独特の世界観が展開されて、面白い映画でしたが予備知識なしに見に行くのはあまりにも無防備すぎました。映画の感想を書こうにも、わたしのなかに語る言葉がなさ過ぎるのです。
見終わってから口コミやレビューを読んでわかりました。これはフェミニズムを理解しないと楽しめない映画であるなと。
「哀れなるものたち」の基本情報
役割 | 名前 |
---|---|
監督 | ヨルゴス・ランティモス |
脚本 | トニー・マクナマラ |
出演 | エマ・ストーン |
マーク・ラファロ | |
ウィレム・デフォー | |
ラミー・ユセフ | |
ジェロッド・カーマイケル |
フェミニズムとわたし
フェミニズム=田嶋陽子的な考え方、ぐらいの知識しかありません。難解なカナカナ言葉を注釈を入れずに多用して、二言目には「欧米では」と言い、男性に対して敵対心をむき出しにする意識の高い人たち、それがわたしの理解です。
分かっていない人間がアーダコーダ言ってると、糾弾されそうです。「哀れなるものたち」をきっかけにフェミニズムとはなんぞやということを、調べてみたいと思い、関連する動画を見てみました。
YouTubeで学ぶフェミニズム
YouTubeでフェミニズムを理解するための動画を見ました。歴史的に学べる動画を探しました。大変勉強なりましたと言いたいところですが、私には難し過ぎました。
100年を超えるムーブメントですから、フェミニズム運動の歴史に出てくる登場人物も多く、欧米の価値観から生まれたものなので、違和感もありました。なにしろ概念的で抽象的すぎる。これは男性だからピンとこないのかもしれませんが。
フェミニズムとジェンダートラブル
YouTube哲学チャンネルの動画。
一九世紀から始まったフェミニズムは第一波から第四波に分かれるとのこと。年代を経るごとに主張は多様化して、同時に対立もうんでいく。
宮台氏と安藤氏の対談動画
前編
8分10秒より、宮台氏のいう「クソフェミ」の例は「哀れなるものたち」の娼館で働くベラを蔑む人たちに通じるものがある。
後編
「カテゴリーをベースにステレオタイプに押しつけるのは差別」(宮台氏)。これが、現在のLGBTQを含めたフェミニズムを一言で言い表した言葉らしい。
フェミニズムの変化の波は四つある
フェミニズム運動も時代と共に変わってきているということ、LGBTQもフェミニズム運動の一環なのだということが理解できたのが大きかったです。
- 第一波:19世紀末から20世紀初頭、女性参政権と教育へのアクセスの時代
- 第二波:1960年代から1980年代、産業革命以降の時代で職場での平等、家庭内の役割、性的自由などが主要な議題
- 第三波:1990年代から2000年代なかば、個人のアイデンティティ、異文化間の交差性、ポストモダニズムの探求に焦点を当て、ジェンダー、人種、階級、性的指向の多様性を強調しました。
- 第四波:2000年代後半から現在、第三波の多様性と交差性の概念をさらに推し進め、オンラインハラスメント、性的暴力、身体の自主性といった問題に特に焦点を当て、グローバルな規模での活動が特徴。
映画の感想
「哀れなるものたち」の話に戻ります。本作品は一九世紀のイギリスを舞台にした物語で、まさに第一波フェミニズムの時代でした。そしてその小説が書かれたのが第三波フェミニズム時代、映画化されたのが現在の第四波フェミニズム時代。
ネアルフレッド将軍の所有物であった夫人の解放、女性の性の解放、娼館で働くこと等は各波のフェミニズムの問題を取り上げた、ところかなと思います。
付け焼き刃にもなっていない浅いフェミニズムの知識で、本作を読み解くのは無理だというのが、よくわかりました。
本作の印象として記憶に残ったところは下記の通り。
- 不協和音とまでは行かないが、半音ずれたBGM
- R19+指定はだてじゃない
- 幻想的な風景と
- イギリス英語が多くて、耳に心地よい
最後に
フェミニズム運動を理解しようとしましたが、私の頭では、1日でわかるものではありませんでした。
宮台氏の言っていた「カテゴリーをベースにステレオタイプに押しつけるのは差別」という事が、答えっぽいのですね。
最後に、私は決してフェミニストになろうしているのではありません。フェミニストの考え方を理解してこの映画を深く楽しめたらなという立ち位置です。