「絶対に上がるけど、まだ機会を伺おう」
妻とも相談し、その機会を虎視眈々と伺っていた。気になっていた銘柄は、好きな業種。これまでもその経過と動きを今かとばかり気にして見ていた株式。今日の安値で買う事を二人で決めていた。一部の保有株式を売却し、指値で前場の下がり目を狙って購入。するとまさか、買ったと同時に今朝の発表で世相に大変大きな動きあり。後場ではあっという間に大暴騰のストップ高。
「凄まじいことになった!」
手に汗を握り、その行方を見守った一日だった。実はこの日、2月22日猫の日。エヌビディアの決算後の反動もあり株式市場も盛況。多くの株価が上昇気流に乗っている。ついに日経平均株価がバブル最高値をついに上回り、史上最高値を更新した歴史的日なのだった。あらゆる吉報が次々に舞い込み、私の人生でも忘れようにも忘れられない日となった。
初めてのストップ高。
辰年であるだけに、チャートのローソク足は、圧巻の昇り龍のようにさえ見えてくる。
ところで気になった銘柄の歴史、これまでの業績。そして足跡などのあらゆる状況が魅力的に見えてくる。そんな株式は、たとえ現在苦しい状況であったとしても、何かしら面白みがある。世界情勢や歴史、社史などしっかりと調べてみると、ますます魅力度が増す銘柄、企業だった。だから端的な業績というよりも、興味からくる企業を応援したい気持ちなどが金儲けという興味以上に重要なようだった。
その企業のことを調べてみると、あらゆる世界情勢と密接に関係しており、しかも重要なインフラを担っていた。そしてこれから益々その影響は国策にまでも広がってゆくことは想像に難くない。だからこそ心から株を買いたいと思ったのだった。
兎に角、以前から興味を持ったことを「知りたい。」という知識欲があり、本を買いそろえたり、気になったことをすぐに調べるというのが趣味みたいなもの。しかも突発的な行動力が無尽蔵に湧いてくる。それが株式投資でも活きてきているような気がして妙に嬉しい。
仕事を終えて帰宅すると、刺身が盛大に用意されていた。
どうやら妻の機嫌がいい。