女友達の家に泊まってくるって言って帰らないことが二回くらいあったし、それ以外にも帰りが遅い時が何度かあって、遅くなってるのが気になって、
「最近帰り遅いけど、仕事忙しい?」
「ううん、そうじゃないけど……」
ちょっと困った表情。
「もしかしてはるか、浮気とかしてたりして」
追求しようとか思ったわけじゃなく、それはないよな、と思いながらの冗談で言ったつもりだった。
誰でも自分の嫁が浮気してるなんて、そういう兆候がなかったら思わないと思う。
「…………」
けど、はるかの顔色が真っ青になってうつむく。
「え、マジ? 冗談だったんだけど……」
しばらくはるか、黙ってたけど、嘘つけない性格が災いしたんだろう。
焦って言葉を取り消すが、もう浮気したことは確定っぽかった。
「あ、あの……ごめんなさい……」
詳しく聞いてみると、仕事帰りに友達と女三人で飲みに行ったときに、ナンパされたらしい。
向こうも三人組で、はるかの友達の好みのタイプがいたらしく、「ね、いいよね?」みたいに、なし崩し的に合コンみたいになって、かなり飲んで、楽しくなったらしい。
女友達のひとりが、早々に男と消えて、その話題でその場は盛り上がって。
お開きの時間になって、お互い帰る方向が同じ同士で、
「じゃあ、俺がはるかちゃん送っていくから」
みたいに、2×2に別れて、駅までタクシーで向かうことになったって。
ある程度打ち解けたから、それくらいはいいか、と思ったらしい(思うなよ)。
タクシーを待ってる最中に、
「はるかちゃんは、今、彼氏とかいるの?」
「ううん、いないよ」
結婚してるから、彼氏はいないって意味だったんだろう。
それからはるかを送っていくつもりのそいつは、急に馴れ馴れしくなって。
タクシーで密着されて、太ももさわられたり、手、握られたりして。
罪悪感はあったけど、俺以外の相手にさわられるのが、新鮮だったのか?
結婚してるのにナンパされたとは言い出せなくて、駅まで着いたものの、電車には乗らず、そのまま強引に駅近くのラブホテルに連れ込まれて、やられたって話だった。
それが三週間前くらい、女友達の家に泊まってるってメールが来たとき。
何も知らずに、「はるかも羽根伸ばしたい時あるよな」とかのんきなこと考えて、一人でいる間に、はるかが別の男にやられてたって、本気で力抜けた、マジでないとか、マジかよこの女、尻軽すぎだろ、とか思った。
自分の嫁が、嫁じゃない誰かになったみたいな気分。
ただ、どういうことされたか、死ぬほど気になる。
はるかは言いたくなさそうだったけど、無理矢理に聞きだした。
ラブホに着いてから、仕事帰りだったから、はるかはスーツ姿のまま。
タイトスカートの中に手、入れて、そのままストッキング越しにアソコさわられて、
「アソコ、すっげー熱い」
「やわらかくて興奮する」
「初対面の相手にマンコさわられちゃってるんだよ?」、
いろんな言葉で責められてるうちに、罪悪感と、どうやって結婚してるって言い出そうか迷ってる間に、どんどん愛撫されて、気付いたらはるかのアソコは濡れてたらしい。
愛撫されながら、スーツもストッキングも脱がされて、ショーツは外からでもわかるくらい濡れまくってて、恥ずかしくて死にそうだったらしい。
「これだけ濡れてたら、もうセックスしても大丈夫かな」
そう囁かれて、ブラもショーツもあっさり脱がされ。
逃げようとしたけど、身体に力が入らなくて、そのままベッドに突っ伏したまま、あっさり生で挿入されて、寝バックされて。
「俺、この体位好きなんだよね? はるかちゃんは、寝バック好き?」
「この格好でするの、初めてだから……わかんない……」
「そっかぁ、じゃあ、はるかちゃん、寝バック初体験だね」
耳元で囁かれて、生で寝バックされたまま、背中とか首筋にキスされたり、腰をお尻に密着されたり、上に乗られて抱きしめられたり。
はるかは嫁だし、付き合ってる時から大事にしてきたつもりだから、本気でそいつぶっ殺したくなった。
そいつの連絡先は、って聞くと……
「そこまで聞いてなくて……ごめんなさい……」
泣きそうな顔して謝られた。
はるかが浮気したのもショック、行きずりの男に生ハメやらせちゃったのもショックで、これ以上はるかのこと信じられそうにない、って思った。
ただ、すぐに離婚とかは考えられない。
子供はいないが、共通の知人とか俺の両親、はるかの両親のこと考えたら、すぐに離婚とかできないって思った。
けど、このままはるかのこと信じられないまま結婚生活続けられない。
だから俺は、あるひとつのこと考えた。
もう一回はるかのこと信じたいと思って、悪いとは思ったけど、一芝居打たせてもらった。
はるかが知らない相手で、自分が知ってる限りでいちばんイケメンの友人に、恥を忍んで事情を話して、はるかのことナンパしてもらうことにした。
もしはるかが誘いに乗ったり、強引に迫られてそのまま許した場合は、そのままやっていいって伝えたし、離婚するつもりでいた。
はるかがきちんと断ったら、もう一度はるかのこと、信じられる気がした。
はるかの浮気を知ってから、まだ関係修復は出来てない。
そんな中で、仕事帰りに新しいテレビを見に行きたい、はるかの意見も聞きたいから、ということで、街中で待ち合わせを約束した。
ぎくしゃくしてる関係をこれ以上悪くしないためなのか、はるかは二つ返事でOKしてくれた。
時間より前に待ち合わせ場所にはるかは着いたみたいで、しばらくはるかのこと見てたら、20分くらいの間に、2回、男に声掛けられてた。
ナンパだと思う。
しかも俺が頼んだ奴じゃなくて、綺麗な女ってこんなに男にナンパされるんだって驚いた。
そんな時に友人から着いたって連絡が来たから、はるかに、
「ごめん、今日は仕事が終わらなくて、会社に泊まりになるから、行けそうにない。後で俺の小遣いから払うから、一人で悪いけど、おいしいもの食べて来て」
とメールした。
はるかも、
「仕事だから仕方ないよね、大丈夫だよ」
と、その場でメール打って、それが帰ってきた。
そのメールを読んでる時に、友人がはるかに声掛けた。
断ってくれ、と思いながらも……はるかの反応は、俺と待ち合わせ前に声掛けてきた二人の男と反応が違った。
イケメンだから、だと思う。
身長高くて、顔良くて、人当たりがいい異性に声掛けられたら、誰だって邪険にはしないだろう、俺だってそうだ。
しかも友人は頭の回転も早いし、いろいろ気を回せる奴なので、ナンパだとは感じさせずに声を掛けたのかもしれない。
楽しそうに笑うはるかを遠目で見ながら、その場に脱力しそうになった。
多分、意識がショックで飛んでたんだと思う、気付いたら二人はその場からいなくなった。
後で聞いた話だが、仕事でこっちに来てて、ホテルまでの道案内を頼んだそうだ。
無事、その場所までたどり着いて、
「まだチェックインまで時間ありますから、お礼にご飯でも」
と、そこは定番中の定番だけど、はるかは疑いなくついて行ったようだった。
そのホテルは、前もって予約しておいたのは俺だ。
結構いいホテルのそこは、友人への報酬がわりで、はるかが来なければ、バカンス気分でそこに泊まっていい、そう伝えてた。
それから一時間後、その時はどこに行ったかわからなくて、その場に立ち尽くしてた俺に、友人から電話掛かってきた。
今、お前の嫁と飯食ってて、このままだとマジで落とせそうだけど、落としていいのか、俺が原因で離婚決めていいのかって。
俺は、いいって言った。
これを頼む前に、はるかの浮気を知ってから、今まで悩んでたし、このまま途中でやめたら、結局はるかを信じられないまま、結婚生活続けていくことになるだろうから。
ただ……本当に落とせるかどうか気になったから、通話はこのまま続けてもらうことにした。
席に戻ったのか、雑音と一緒に会話が聞こえてきた。
「この後はるかちゃん、予定ある?」
「ううん、ないですよ。友達と買い物に行く予定だったから、この後はずっと空いてます」
友達……いつから俺は、はるかの友達になったんだよ。
「じゃあ、俺が泊まってるホテルに来る?」
ホテルに来る、その意味は、大人だからいくらはるかが天然気味でもわかってると思う。
「…………でも、軽いとか思わないで下さいね?」
はるかは、やんわりとOKした。
ショックだった。
この間浮気して、俺に知られて悲しそうな顔してたのに、また同じこと繰り返すって、本気で信じられない。
ただ、ここで通話を切ることも出来なくて、そのまま聞いてた。
外に出てからは雑音だらけで全く聞こえなくて、それから十分くらい待つと、ホテルの部屋に着いたのか、また二人の会話が聞こえてきた。
こんないいホテルに泊まってるなんて、仕事も出来る人なんですね、とか、地元なのにこんなにいいホテルには泊まったことないですよ、とか、そういう世間話。
そして、世間話はお互いの話になる。
「だけど、はるかちゃんってこんなに可愛いのに、今彼氏いないんだ?」
「…………あ、はい。そうですね」
嘘つくのが下手なはるかは、嘘がバレバレだった。
友人はあえてスルーしたんだろう。
「じゃあ、ここではるかちゃんのこと口説いても、問題ないんだ?」
「…………そうですね、でも、本当に軽いとか思わないで下さいね? 今日はたまたま、そういう気分だったから……」
「わかるよ、そういう気分のときって、女の子もあるよね」
「はい、そうです」
そして、衣擦れの音が聞こえて、それと同時にキスの音も聞こえてくる。
映像が全く見えなくて、声だけ聞こえるから、今はるかがどんなことされてるか、気になって気になって仕方なかった。
声だけ聞こえる状態で、自分の嫁が友人にやられそうになってるって、本気で辛かった。
そのうちに、はるかの乱れた呼吸と声が聞こえてきて、
「だめ、だめぇ……だめ、だめぇ……」
みたいに、はるかの本気で感じてる声が聞こえてくる。
「指でイっちゃったんだ?」
「だって……上手すぎます……今までエッチした男の人のなかで、いちばん凄かったですよ……?」
「だけど、そう言えるってことは、はるかちゃんも経験豊富なんだ?」
「もう、知らないです」
ちょっと拗ねた、はるかの可愛らしい声。
「ごめんごめん、お詫びに、はるかちゃんの好きな体位でセックスしよう?」
「えー、なんか、言い方がエッチです」
「ちなみに、はるかちゃんはどんな体位が好き?」
「バックが……好きです……感じて、思いっきり変な顔になってるところ見られるの、嫌だから……バックだったら、思いっきり気持ちよくなれますから」
罪悪感なんて、少しも感じてなくて、はるかはバックをねだる。
その声色とか雰囲気に、浮気経験が一回二回じゃないことが伝わってきた。
今日だけで何回もナンパされてるみたいだし、付き合ってる最中も他の男にさそわれたとか、そういうことが何回か聞こえてきた。
俺もイケメンじゃないし、自分で言うのもなんだけど、収入はそれなりで安定してて、浮気しない、真面目、優しいと、付き合う上で、結婚する上では安心は出来るけど、つまらない人間だって自覚してる。
ただ、だからって浮気していい理由にはならない。
はるかと友人がエッチしてる声、楽しそうな声を聞きながら、そんなこと考えて……離婚を決めた。
「感じまくって変な顔してるはるかちゃんも見たいけど、今日はバックからしてあげるね」
「はい、お願いします……んんっ……」
そして、しばらくしてから、激しく肉と肉がぶつかりあう音が、電話から聞こえてきた。
もう完全に信じられない。
脱力したまま、二人の声を聞いてた。
いや、聞いてたけど、頭に入らなかった。
いつ終わったのか、気付いたら電話は切れてた。
自分で切ったのかもしれないし、電波状態が悪いのかもしれない。
ただひとつわかるのは、もうはるかのこと信じられないってことだけだった。
管理人の戯言(‘ω’)
御投稿ありがとうございます<m(__)m>
うん、、極度の寝取られフェチじゃない限り絶対別れたほうがいい…。
あと、制裁編も読んでみたいっす・・・。
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