1:2018/10/11(木)08:34:42
彡(゚)(゚)「うーん、さいきん金欠やなあ、買いたいものが多かったし」
彡(゚)(゚)「何かバイトせんと……」
彡(゚)(゚)「おや、玄関にチラシが落ちてるで、誰か投函していったんやな」
彡(゚)(゚)「なになに」
――本が好きなあなたにピッタリのバイト
――本を読むだけで日給1万円
彡(゚)(゚)「日給いちまんえん!? これや!」
彡(゚)(゚)「何かバイトせんと……」
彡(゚)(゚)「おや、玄関にチラシが落ちてるで、誰か投函していったんやな」
彡(゚)(゚)「なになに」
――本が好きなあなたにピッタリのバイト
――本を読むだけで日給1万円
彡(゚)(゚)「日給いちまんえん!? これや!」
5:2018/10/11(木)08:35:39 bfz
彡(゚)(゚)「あんまり本が好きってわけやないけど、まあ時々は読むし」
彡(゚)(゚)「何より日給1万円や、本でも納豆でも好きになるわ」
彡(゚)(゚)「このビルやな、なんや古臭いビルやで」
彡(゚)(゚)「えーと一階の(株)山本……あそこに黒服のおっさんがおるけど、あれかな」
彡(゚)(゚)「あの、バイト募集のチラシ見て来たんですが」
黒服「ああ、ちょうど面接が始まるところです、どうぞどうぞ」
彡(゚)(゚)「履歴書もってきたんですけど」
黒服「ああ履歴書ね、はい、もらっときましょう、どうぞどうぞ」
彡(゚)(゚)「なんか適当やなあ」
彡(゚)(゚)「何より日給1万円や、本でも納豆でも好きになるわ」
彡(゚)(゚)「このビルやな、なんや古臭いビルやで」
彡(゚)(゚)「えーと一階の(株)山本……あそこに黒服のおっさんがおるけど、あれかな」
彡(゚)(゚)「あの、バイト募集のチラシ見て来たんですが」
黒服「ああ、ちょうど面接が始まるところです、どうぞどうぞ」
彡(゚)(゚)「履歴書もってきたんですけど」
黒服「ああ履歴書ね、はい、もらっときましょう、どうぞどうぞ」
彡(゚)(゚)「なんか適当やなあ」
6:2018/10/11(木)08:36:41 bfz
ワイワイ ガヤガヤ
彡(゚)(゚)「なんや、教室みたいに机と椅子が並んでるで」
彡(゚)(゚)「ワイ以外にも十人ちょっと来てるな、日給一万ならそら集まるわ」
黒服「はい皆さん、おはようございます」
彡(゚)(゚)「なんで黒服にサングラスなんやろ……」
彡(゚)(゚)「なんや、教室みたいに机と椅子が並んでるで」
彡(゚)(゚)「ワイ以外にも十人ちょっと来てるな、日給一万ならそら集まるわ」
黒服「はい皆さん、おはようございます」
彡(゚)(゚)「なんで黒服にサングラスなんやろ……」
7:2018/10/11(木)08:37:55 bfz
黒服「えーと、今日はですね、この(株)山本のアルバイト面接に来ていただいて、ありがとうございますね」
彡(゚)(゚)「明らかに喋り慣れてへん……」
黒服「最初にですね、皆さんにちょっとテスト受けていただきますので」
黒服「これからお配りします、制限時間は30分です」
彡(゚)(゚)「なんやテストがあるんか……そら本を読むバイトやからな、学力もいるわな」
彡(゚)(゚)「しゃあない、ワイの実力見せたるわ」
問1
日本で初めてワードプロセッサで小説を書いた作家と言われ
「他人の顔」「砂の女」などの代表作で知られる人物は誰?
彡(゚)(゚)「初めてワープロで……これは有名やな」
彡(゚)(゚)「一太郎……と」
彡(゚)(゚)「明らかに喋り慣れてへん……」
黒服「最初にですね、皆さんにちょっとテスト受けていただきますので」
黒服「これからお配りします、制限時間は30分です」
彡(゚)(゚)「なんやテストがあるんか……そら本を読むバイトやからな、学力もいるわな」
彡(゚)(゚)「しゃあない、ワイの実力見せたるわ」
問1
日本で初めてワードプロセッサで小説を書いた作家と言われ
「他人の顔」「砂の女」などの代表作で知られる人物は誰?
彡(゚)(゚)「初めてワープロで……これは有名やな」
彡(゚)(゚)「一太郎……と」
9:2018/10/11(木)08:39:30 bfz
問3
講談社の主催する新人文学賞であり、
森博嗣、西尾維新、舞城王太郎などを輩出した文学賞と言えば何?
彡(゚)(゚)「沢村賞」
問6
2020年のオリンピック開催地は東京ですが、その次の夏季オリンピックの開催地は?
彡(゚)(゚)「きっと大都市のはずやな……豊田市」
問11
明治維新以降の元号を4つすべて答えよ
彡(゚)(゚)「…………」
彡(゚)(゚)「平成、平成、平成、平成」
黒服「そこまでです、テストを回収します」
彡(゚)(゚)「満点あるでコレ」
講談社の主催する新人文学賞であり、
森博嗣、西尾維新、舞城王太郎などを輩出した文学賞と言えば何?
彡(゚)(゚)「沢村賞」
問6
2020年のオリンピック開催地は東京ですが、その次の夏季オリンピックの開催地は?
彡(゚)(゚)「きっと大都市のはずやな……豊田市」
問11
明治維新以降の元号を4つすべて答えよ
彡(゚)(゚)「…………」
彡(゚)(゚)「平成、平成、平成、平成」
黒服「そこまでです、テストを回収します」
彡(゚)(゚)「満点あるでコレ」
12:2018/10/11(木)08:41:03 bfz
黒服「合格者を発表します、今回はお一人だけです」
黒服「14番の方、合格です、こちらへどうぞ」
彡(^)(^)「やったで、合格や、さすがワイやな」
黒服「こちらへどうぞ」
彡(゚)(゚)「なんや、エレベーターに乗るんか」
彡(゚)(゚)「おや、下へ降りてく……しかもけっこう深いな」
チーン
彡(゚)(゚)「B26……?」
黒服「14番の方、合格です、こちらへどうぞ」
彡(^)(^)「やったで、合格や、さすがワイやな」
黒服「こちらへどうぞ」
彡(゚)(゚)「なんや、エレベーターに乗るんか」
彡(゚)(゚)「おや、下へ降りてく……しかもけっこう深いな」
チーン
彡(゚)(゚)「B26……?」
15:2018/10/11(木)08:43:35 bfz
彡(゚)(゚)「おお……地下書庫やな、左右に本棚が並んでるわ、しかもすごく奥まで」
黒服「適当な本を選んでください」
彡(゚)(゚)「えーと、それじゃこの「たらばがに誘拐事件」ってやつを」
黒服「こちらの小部屋へどうぞ」
彡(゚)(゚)「おお、ローテーブルにソファが置いてある、お菓子やコーヒーメーカーもあるわ」
黒服「トイレはそっちの小部屋です」
黒服「好きにくつろいで読んでください、夕方の5時に迎えに来ますので」
彡(゚)(゚)「え、もうこれから仕事なん?」
黒服「適当な本を選んでください」
彡(゚)(゚)「えーと、それじゃこの「たらばがに誘拐事件」ってやつを」
黒服「こちらの小部屋へどうぞ」
彡(゚)(゚)「おお、ローテーブルにソファが置いてある、お菓子やコーヒーメーカーもあるわ」
黒服「トイレはそっちの小部屋です」
黒服「好きにくつろいで読んでください、夕方の5時に迎えに来ますので」
彡(゚)(゚)「え、もうこれから仕事なん?」
17:2018/10/11(木)08:46:48 bfz
黒服「はい、それでですね、机の上に紙が置いてあります」
彡(゚)(゚)「あるな」
黒服「そこに、読んだ本のタイトル、それと感想を5行以上で書いてください」
黒服「一日3冊がノルマと考えてください」
彡(゚)(゚)「3冊かあ、ちゃんと読んだらけっこう大変やな」
黒服「ナナメ読みで構いません、最後の10ページだけ読んで書いても大丈夫です」
彡(゚)(゚)「…………」
黒服「ではよろしくお願いします」 バタン
彡(゚)(゚)「……変な仕事やなあ」
彡(゚)(゚)「まあええわ日給一万円や、日給一万円は無敵なんや」
彡(゚)(゚)「えーと、まずは、山根晋太郎「たらばがに誘拐事件」か……」
彡(゚)(゚)「タラバガニは激怒した、必ず、かの邪智暴虐のエチゼンガニを除かねばならぬと……」
彡(゚)(゚)「あるな」
黒服「そこに、読んだ本のタイトル、それと感想を5行以上で書いてください」
黒服「一日3冊がノルマと考えてください」
彡(゚)(゚)「3冊かあ、ちゃんと読んだらけっこう大変やな」
黒服「ナナメ読みで構いません、最後の10ページだけ読んで書いても大丈夫です」
彡(゚)(゚)「…………」
黒服「ではよろしくお願いします」 バタン
彡(゚)(゚)「……変な仕事やなあ」
彡(゚)(゚)「まあええわ日給一万円や、日給一万円は無敵なんや」
彡(゚)(゚)「えーと、まずは、山根晋太郎「たらばがに誘拐事件」か……」
彡(゚)(゚)「タラバガニは激怒した、必ず、かの邪智暴虐のエチゼンガニを除かねばならぬと……」
18:2018/10/11(木)08:47:54 bfz
8時間後
黒服「お迎えに来ました」
彡(゚)(゚)「ふう、ずっと読み続けるってのもキツかったわ」
黒服「はい、こちら本日のお給料です」
彡(^)(^)「おおー、一万円や、やったで」
黒服「地上までお送りします」
彡(゚)(゚)「ちょっと歩き回ってみたんやけど、ずいぶん広い書庫やなあ」
彡(゚)(゚)「というか、明らかに地上のビルより広いような……」
黒服「あまり奥まで行かないように、迷うと大変ですので」
彡(゚)(゚)「はあ」
黒服「ではまた明日」
彡(゚)(゚)「はい」
黒服「お迎えに来ました」
彡(゚)(゚)「ふう、ずっと読み続けるってのもキツかったわ」
黒服「はい、こちら本日のお給料です」
彡(^)(^)「おおー、一万円や、やったで」
黒服「地上までお送りします」
彡(゚)(゚)「ちょっと歩き回ってみたんやけど、ずいぶん広い書庫やなあ」
彡(゚)(゚)「というか、明らかに地上のビルより広いような……」
黒服「あまり奥まで行かないように、迷うと大変ですので」
彡(゚)(゚)「はあ」
黒服「ではまた明日」
彡(゚)(゚)「はい」
21:2018/10/11(木)08:48:48 V9q
なんかの実験か?
23:2018/10/11(木)08:51:03 bfz
彡(゚)(゚)「うーん、結局何の仕事やったんやろ……」
彡(゚)(゚)「まあええわ、現金が手に入ったし、靴でも買おうかな」
警官「ちょっと、そこの君」
彡(゚)(゚)「はい?」
警官「このあたりで、妙な人間を見いへんかったか?」
彡(゚)(゚)「妙な……?」
警官「なんか変なものを配ったり、変な仕事を頼んでくるような人間や」
彡(゚)(゚)「…………」
彡(゚)(゚)「いえ、知りません」
警官「そうか、わいはこのあたりをパトロールしてるから、何か見かけたら教えてくれんか」
彡(゚)(゚)「はい」
警官「(立ち去る)」
彡(゚)(゚)「まあええわ、現金が手に入ったし、靴でも買おうかな」
警官「ちょっと、そこの君」
彡(゚)(゚)「はい?」
警官「このあたりで、妙な人間を見いへんかったか?」
彡(゚)(゚)「妙な……?」
警官「なんか変なものを配ったり、変な仕事を頼んでくるような人間や」
彡(゚)(゚)「…………」
彡(゚)(゚)「いえ、知りません」
警官「そうか、わいはこのあたりをパトロールしてるから、何か見かけたら教えてくれんか」
彡(゚)(゚)「はい」
警官「(立ち去る)」
24:2018/10/11(木)08:52:06 bfz
彡(゚)(゚)「……別にウソは言ってへん」
彡(゚)(゚)「本を読むだけの仕事や、そんなに怪しくもないし……たぶん」
彡(゚)(゚)「今日はもう帰ったろ……」
彡(゚)(゚)「帰ってきたわ、しかし変なバイトやったな」
彡(゚)(゚)「でも二冊目の「カスタネットへようこそ」はけっこう面白かったな」
彡(゚)(゚)「作者を検索してみたろ、えーと確か、山わさび陽子……」カタカタ
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「ヒット数……ゼロ?」
彡(゚)(゚)「本を読むだけの仕事や、そんなに怪しくもないし……たぶん」
彡(゚)(゚)「今日はもう帰ったろ……」
彡(゚)(゚)「帰ってきたわ、しかし変なバイトやったな」
彡(゚)(゚)「でも二冊目の「カスタネットへようこそ」はけっこう面白かったな」
彡(゚)(゚)「作者を検索してみたろ、えーと確か、山わさび陽子……」カタカタ
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「ヒット数……ゼロ?」
27:2018/10/11(木)08:53:44 bfz
彡(゚)(゚)「どういうこっちゃ……ええと、「たらばがに誘拐事件」は」カタカタ
彡(゚)(゚)「さ、三冊目の「青春スチームダクト」は」カタカタ
彡(゚)(゚)「ゼロや……それか、全然関係なさそうな記事しかヒットせえへん」
彡(゚)(゚)「なんなんや……どんなマイナーな本でも、一件もヒットしないなんてこと……」
彡(゚)(゚)「……株式会社山本」カタカタ
彡(゚)(゚)「これは逆に山ほどヒットするな、どの会社か分からへん……」
彡(゚)(゚)「どうも妙や……さすがに気になってきたで」
彡(゚)(゚)「ワイの頭で分かることやないな」
彡(゚)(゚)「あいつ に 相 談 」
彡(゚)(゚)「さ、三冊目の「青春スチームダクト」は」カタカタ
彡(゚)(゚)「ゼロや……それか、全然関係なさそうな記事しかヒットせえへん」
彡(゚)(゚)「なんなんや……どんなマイナーな本でも、一件もヒットしないなんてこと……」
彡(゚)(゚)「……株式会社山本」カタカタ
彡(゚)(゚)「これは逆に山ほどヒットするな、どの会社か分からへん……」
彡(゚)(゚)「どうも妙や……さすがに気になってきたで」
彡(゚)(゚)「ワイの頭で分かることやないな」
彡(゚)(゚)「あいつ に 相 談 」
29:2018/10/11(木)08:54:07 bfz
――ここで、やきうの記憶はしばらく途切れる
32:2018/10/11(木)08:55:34 bfz
彡(゚)(゚)「ふう、今日の仕事も終わりか」
彡(゚)(゚)「……え、あれ?」
黒服「おつかれさまでした、ではまた明日」
彡(゚)(゚)「は、はい、お疲れ様です」
彡(゚)(゚)「あれ、ワイ今日は何を読んだんやったっけ……」
彡(゚)(゚)「ええと確か、「ゴリラ五千匹の城」「80歳の青春ロックンロール」「皇帝と卑底の愛」の3つ……」
彡(゚)(゚)「そう、確かそれだけ読んで……」
彡(゚)(゚)「……なんか、頭にモヤがかかってるわ」
彡(゚)(゚)「寝不足かな、帰って寝たろ」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「……え、あれ?」
黒服「おつかれさまでした、ではまた明日」
彡(゚)(゚)「は、はい、お疲れ様です」
彡(゚)(゚)「あれ、ワイ今日は何を読んだんやったっけ……」
彡(゚)(゚)「ええと確か、「ゴリラ五千匹の城」「80歳の青春ロックンロール」「皇帝と卑底の愛」の3つ……」
彡(゚)(゚)「そう、確かそれだけ読んで……」
彡(゚)(゚)「……なんか、頭にモヤがかかってるわ」
彡(゚)(゚)「寝不足かな、帰って寝たろ」
彡(゚)(゚)「……」
33:2018/10/11(木)08:56:52 bfz
-数日後-
彡(゚)(゚)「ふう、今日の仕事も終わりや……」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「でもなんか、ソワソワするわ、何なんやろこの感じ…」
彡(゚)(゚)「あかん、今日は酒でも買って……」
警官「やあ、また会ったな」
彡(゚)(゚)「あ、警官のおっちゃん……」
彡(゚)(゚)「ふう、今日の仕事も終わりや……」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「でもなんか、ソワソワするわ、何なんやろこの感じ…」
彡(゚)(゚)「あかん、今日は酒でも買って……」
警官「やあ、また会ったな」
彡(゚)(゚)「あ、警官のおっちゃん……」
36:2018/10/11(木)08:57:53 bfz
警官「あれから何か変わったことないか?」
彡(゚)(゚)「いえ、別に……」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「別に何も…」ボロボロ
彡(゚)(゚)「あ、あれ、なんや、なんで涙が……」
警官「うわ君どうしたん、なんで泣いてんのやキモいな」
彡(゚)(゚)「……わ、分からへん」
彡(゚)(゚)「なんで泣いてんのやワイは……」
彡(゚)(゚)「いえ、別に……」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「別に何も…」ボロボロ
彡(゚)(゚)「あ、あれ、なんや、なんで涙が……」
警官「うわ君どうしたん、なんで泣いてんのやキモいな」
彡(゚)(゚)「……わ、分からへん」
彡(゚)(゚)「なんで泣いてんのやワイは……」
37:2018/10/11(木)08:58:54 bfz
警官「……ふむ」
警官「ここにな、小瓶があるんやけど」
彡(゚)(゚)「え? 小瓶? そのガラスのやつかいな?」
警官「ちょっと中身のニオイ嗅いでくれるか?」
彡(゚)(゚)「へ??」
警官「ここにな、小瓶があるんやけど」
彡(゚)(゚)「え? 小瓶? そのガラスのやつかいな?」
警官「ちょっと中身のニオイ嗅いでくれるか?」
彡(゚)(゚)「へ??」
38:2018/10/11(木)08:59:49 bfz
警官「ええからええから」
彡(゚)(゚)「はあ……」クンクン
ツーーーーーーーン
彡(゚)(゚)「ほんぎええええええ臭っさあああああああ」
彡(゚)(゚)「なっ、何やこれ!?」
警官「アンモニアに色々な香料を加えたもんや、マトモに嗅いだら悶絶するレベルやで」
警官「気付け用やな、何か思い出したか?」
彡(゚)(゚)「えっ、思い……」
彡(゚)(゚)「…………」
彡(゚)(゚)「……思い出した」
彡(゚)(゚)「はあ……」クンクン
ツーーーーーーーン
彡(゚)(゚)「ほんぎええええええ臭っさあああああああ」
彡(゚)(゚)「なっ、何やこれ!?」
警官「アンモニアに色々な香料を加えたもんや、マトモに嗅いだら悶絶するレベルやで」
警官「気付け用やな、何か思い出したか?」
彡(゚)(゚)「えっ、思い……」
彡(゚)(゚)「…………」
彡(゚)(゚)「……思い出した」
40:2018/10/11(木)09:01:10 bfz
― 回想 ―
彡(゚)(゚)「っと、そういうバイトなんや」
(´・ω・`)「ふーん、変な話だねえ」
(´・ω・`)「でも日給一万円は魅力的だな、僕もやろうかな」
彡(゚)(゚)「こいつはワイの友人や」
彡(゚)(゚)「本が好きなやつで、フリーターやりながら本を山ほど読み漁ってる」
彡(゚)(゚)「どのぐらい本が好きかというと、置き場所がないので冷蔵庫にまで本を入れてるほどで」
(´・ω・`)「誰に言ってるの?」
41:2018/10/11(木)09:02:14 bfz
彡(゚)(゚)「せやけど、本を読むだけのバイトなんてあるんやろか」
(´・ω・`)「公募されてる文学賞とかで、応募作の下読みをするバイトはあるけど……」
(´・ω・`)「でも全部ハードカバー本だったんでしょ」
彡(゚)(゚)「そうなんや」
(´・ω・`)「まあ僕も面接受けてみようかな、本を読んでお金がもらえるなんて最高だ」
彡(゚)(゚)「試験があるんやで、大丈夫か?」
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「たぶん逆を行けばいいんだろうな…」
彡(゚)(゚)「何ブツブツ言ってんねん」
(´・ω・`)「公募されてる文学賞とかで、応募作の下読みをするバイトはあるけど……」
(´・ω・`)「でも全部ハードカバー本だったんでしょ」
彡(゚)(゚)「そうなんや」
(´・ω・`)「まあ僕も面接受けてみようかな、本を読んでお金がもらえるなんて最高だ」
彡(゚)(゚)「試験があるんやで、大丈夫か?」
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「たぶん逆を行けばいいんだろうな…」
彡(゚)(゚)「何ブツブツ言ってんねん」
42:2018/10/11(木)09:02:50 V9q
あれ全部不正解やったんか…
43:2018/10/11(木)09:03:39 bfz
彡(゚)(゚)「採用されてよかったな」
(´・ω・`)「うん、予想通りだった、ボケすぎないように書くのが難しかったけど」
彡(゚)(゚)「?」
彡(゚)(゚)「今日はコレにするかな、「ゴリラ五千匹の城」か」
(´・ω・`)「ふーん……これはミステリー…。これは青春小説か……並べ方に脈絡がないなあ」
(´・ω・`)「装丁がどれも似たり寄ったり……。紙質も同じ……、奥付は……」
(´・ω・`)「切り取られてるな…なるほど」
彡(゚)(゚)「どうしたんや?」
45:2018/10/11(木)09:04:29 bfz
(´・ω・`)「カラクリが分かってきたよ」
(´・ω・`)「ここの本はね、ぜんぶアマチュア……素人が書いた本だと思う」
彡(゚)(゚)「え?」
(´・ω・`)「あなたも本を出してみませんか? って広告を見たことはない?」
(´・ω・`)「いわゆる自費出版の広告だね」
彡(゚)(゚)「あるような気がする」
(´・ω・`)「部数やページ数にもよるけど、自費出版にはだいたい100万から1000万ぐらいかかるんだ」
(´・ω・`)「企業の社長に自伝を書かせたり、お金を持ってて小説執筆が趣味な人に出版を持ちかけるんだね」
(´・ω・`)「出版社としては手数料が収入になる、専門に扱ってる出版社もあるんだよ」
彡(゚)(゚)「自費出版かあ、売れるんか?」
(´・ω・`)「売れないよ」
彡(゚)(゚)「へ?」
(´・ω・`)「ここの本はね、ぜんぶアマチュア……素人が書いた本だと思う」
彡(゚)(゚)「え?」
(´・ω・`)「あなたも本を出してみませんか? って広告を見たことはない?」
(´・ω・`)「いわゆる自費出版の広告だね」
彡(゚)(゚)「あるような気がする」
(´・ω・`)「部数やページ数にもよるけど、自費出版にはだいたい100万から1000万ぐらいかかるんだ」
(´・ω・`)「企業の社長に自伝を書かせたり、お金を持ってて小説執筆が趣味な人に出版を持ちかけるんだね」
(´・ω・`)「出版社としては手数料が収入になる、専門に扱ってる出版社もあるんだよ」
彡(゚)(゚)「自費出版かあ、売れるんか?」
(´・ω・`)「売れないよ」
彡(゚)(゚)「へ?」
47:2018/10/11(木)09:05:52 bfz
(´・ω・`)「しょせん素人の本だからね、身内や知り合いに配って、それで終わり」
(´・ω・`)「でもね、自費出版を請け負ってる出版社は、特定の書店と提携していて」
(´・ω・`)「そういう書店にはちゃんと陳列されるし、書籍コードが発行されて国会図書館に納本される」
(´・ω・`)「これがお金持ちの自尊心に響くんだろうね」
彡(゚)(゚)「なるほど、検索しても出てけえへんはずやな」
彡(゚)(゚)「それで、ワイらみたいなバイトを雇って感想を書かせると」
(´・ω・`)「……うーん、でも何か、そこまでするかな、って気もするけど」
(´・ω・`)「それに自費出版とはいっても、検索結果がゼロ件になるはずは……」
(´・ω・`)「まあいいや、とりあえず僕もちゃんと読むよ、三冊がノルマだったね」
彡(゚)(゚)「せやな、とりあえず仕事しよか」
(´・ω・`)「でもね、自費出版を請け負ってる出版社は、特定の書店と提携していて」
(´・ω・`)「そういう書店にはちゃんと陳列されるし、書籍コードが発行されて国会図書館に納本される」
(´・ω・`)「これがお金持ちの自尊心に響くんだろうね」
彡(゚)(゚)「なるほど、検索しても出てけえへんはずやな」
彡(゚)(゚)「それで、ワイらみたいなバイトを雇って感想を書かせると」
(´・ω・`)「……うーん、でも何か、そこまでするかな、って気もするけど」
(´・ω・`)「それに自費出版とはいっても、検索結果がゼロ件になるはずは……」
(´・ω・`)「まあいいや、とりあえず僕もちゃんと読むよ、三冊がノルマだったね」
彡(゚)(゚)「せやな、とりあえず仕事しよか」
50:2018/10/11(木)09:07:52 bfz
彡(゚)(゚)「ほーん、ゴリラの学名はゴリラ・ゴリラいうんか……」
(´・ω・`)「ふむふむ、近未来SFかな……」パラパラパラパラ
彡(゚)(゚)「読むの早いなあ」
-1時間後-
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「何だこれ……」
彡(゚)(゚)「どないしたんや?」
(´・ω・`)「ちょ、ちょっと、他の本も取ってくる」
(´・ω・`)「ふむふむ、近未来SFかな……」パラパラパラパラ
彡(゚)(゚)「読むの早いなあ」
-1時間後-
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「何だこれ……」
彡(゚)(゚)「どないしたんや?」
(´・ω・`)「ちょ、ちょっと、他の本も取ってくる」
51:2018/10/11(木)09:08:13 Avj
おもしろい
55:2018/10/11(木)09:09:14 bfz
(´・ω・`)「取ってきた」ドサドサッ
彡(゚)(゚)「ど、どないしたんや、こんなにたくさん」
(´・ω・`)「ここの本、何かおかしい……」
(´・ω・`)「文体が画一的すぎるし、言葉遣いがどこか変だ、すごく奇妙な語彙が、複数の作品で出てくる」
(´・ω・`)「これはシェアードワールド? 何かの二次創作? 同じ小説教室での習作? いやそれとも……」
彡(゚)(゚)「??? ワケ分からんで、何を言うてんのや」
(´・ω・`)「ちょっと待ってて……あと何冊か読めば確信が……」パラパラパラパラ
(´・ω・`)「…………」パラパラパラパラ
57:2018/10/11(木)09:10:12 bfz
(´・ω・`)「こ、これは、本当にそんなことが」
彡(゚)(゚)「どないしたんや、説明してくれ」
(´・ω・`)「やきう君、この会社の事務所ってどこにあるの?」
彡(゚)(゚)「へ? 事務所? いや知らんけど」
(´・ω・`)「……上のビルはダミーだろうな、とすると下か」
(´・ω・`)「やきう君、ここで待ってて、ちょっと調べたいことがあるんだ」
(´・ω・`)「もし僕の予感が本当なら……」
― 回想終わり ―
彡(゚)(゚)「どないしたんや、説明してくれ」
(´・ω・`)「やきう君、この会社の事務所ってどこにあるの?」
彡(゚)(゚)「へ? 事務所? いや知らんけど」
(´・ω・`)「……上のビルはダミーだろうな、とすると下か」
(´・ω・`)「やきう君、ここで待ってて、ちょっと調べたいことがあるんだ」
(´・ω・`)「もし僕の予感が本当なら……」
― 回想終わり ―
59:2018/10/11(木)09:12:16 CkW
なんやどないなるんや
58:2018/10/11(木)09:10:22 V9q
なんや理解しちゃいけない言葉を分散させて脳に刷り込んでんのか?
60:2018/10/11(木)09:12:21 bfz
警官「分かったもうええ、行くで」
彡(゚)(゚)「え、行くって」
警官「その子は黒服に拉致されとるんやろう、ほんで君は記憶を消されたんや」
警官「そのビルに助けに行くで、案内してくれ」
彡(゚)(゚)「え、ええけど」
彡(゚)(゚)「え、行くって」
警官「その子は黒服に拉致されとるんやろう、ほんで君は記憶を消されたんや」
警官「そのビルに助けに行くで、案内してくれ」
彡(゚)(゚)「え、ええけど」
61:2018/10/11(木)09:12:54 V9q
この警察ただの警察じゃなさそう
62:2018/10/11(木)09:13:32 bfz
彡(゚)(゚)「ここやで、う、入り口に黒服がいるわ……」
彡(゚)(゚)「どうやって入ろうか……ってあれ、警官のおっさんおれへん」
彡(゚)(゚)「あっ、すでに入り口に」
警官「あーもしもし、そこの兄ちゃん」
黒服「え、私ですか」
警官「しねえええええええええええ!!!!」ズギューン
黒服「グワーーーッ!!」
彡(゚)(゚)「!?!?!?!?」
彡(゚)(゚)「どうやって入ろうか……ってあれ、警官のおっさんおれへん」
彡(゚)(゚)「あっ、すでに入り口に」
警官「あーもしもし、そこの兄ちゃん」
黒服「え、私ですか」
警官「しねえええええええええええ!!!!」ズギューン
黒服「グワーーーッ!!」
彡(゚)(゚)「!?!?!?!?」
63:2018/10/11(木)09:13:50 CQ7
急展開
64:2018/10/11(木)09:14:08 RvW
直球過ぎて草
65:2018/10/11(木)09:14:22 bfz
警官「よっしゃ、エレベーターはどこや」
彡(゚)(゚)「ななな、何してんねん!!」
警官「心配せんでもええ、非殺傷のゴム弾や、骨ぐらい折れるかも知れんけど」
彡(゚)(゚)「いやいや! それ以前にいきなり発砲とか!」
警官「エレベーターはどこや!!」
彡(゚)(゚)「あ、あ、あっちです」
彡(゚)(゚)「ななな、何してんねん!!」
警官「心配せんでもええ、非殺傷のゴム弾や、骨ぐらい折れるかも知れんけど」
彡(゚)(゚)「いやいや! それ以前にいきなり発砲とか!」
警官「エレベーターはどこや!!」
彡(゚)(゚)「あ、あ、あっちです」
66:2018/10/11(木)09:15:57 bfz
ズギューン ズギューン
警官「ふん、大したことないな、ニューナンブやと不安やったけど余裕やな」
彡(゚)(゚)「撃ちまくっとる……天才バカボンの警官みたいな人や……」
彡(゚)(゚)「しかもエレベーターで行ける一番下が、地下125階て……」
警官「やれやれ、かなり大規模に作ったもんやな、後始末がわややで」
彡(゚)(゚)「原住民は無事やろか」
警官「心配いらん、ここの人間を頃したら重罪や、そこまではせんやろ」
彡(゚)(゚)「ここの人間?」
警官「なんや、まだ分かってへんのか?」
警官「おっと、その部屋がオフィスみたいやな」
警官「(ドアを蹴り開ける)」
彡(゚)(゚)「いちいち乱暴やなこの人」
警官「ふん、大したことないな、ニューナンブやと不安やったけど余裕やな」
彡(゚)(゚)「撃ちまくっとる……天才バカボンの警官みたいな人や……」
彡(゚)(゚)「しかもエレベーターで行ける一番下が、地下125階て……」
警官「やれやれ、かなり大規模に作ったもんやな、後始末がわややで」
彡(゚)(゚)「原住民は無事やろか」
警官「心配いらん、ここの人間を頃したら重罪や、そこまではせんやろ」
彡(゚)(゚)「ここの人間?」
警官「なんや、まだ分かってへんのか?」
警官「おっと、その部屋がオフィスみたいやな」
警官「(ドアを蹴り開ける)」
彡(゚)(゚)「いちいち乱暴やなこの人」
67:2018/10/11(木)09:16:27 V9q
なんやこの警官…
68:2018/10/11(木)09:16:30 b8s
骨折くらい傷害じゃないの精神、好き
71:2018/10/11(木)09:18:15 bfz
警官「おらおらー、全員お縄につけやー」
黒服A「ち、ちくしょう、ここがバレるとは」
黒服B「だからもっと田舎がいいと言ったんや」
彡(゚)(゚)「あ、原住民もおる」
(´・ω・`)「やきう君!」
(´・ω・`)「気をつけて! この人たちは――」
警官「心配いらん、もう本部に連絡済みや、ワイに見つかった以上、暴れても無駄やと分かるはずや」
彡(゚)(゚)「本部…? ワイに…?」
警官「そうやで、こう言ったほうが分かりやすいか?」
警官「ワイはタイムパトロールや! 全員、神妙にお縄につけや!」
黒服A「ち、ちくしょう、ここがバレるとは」
黒服B「だからもっと田舎がいいと言ったんや」
彡(゚)(゚)「あ、原住民もおる」
(´・ω・`)「やきう君!」
(´・ω・`)「気をつけて! この人たちは――」
警官「心配いらん、もう本部に連絡済みや、ワイに見つかった以上、暴れても無駄やと分かるはずや」
彡(゚)(゚)「本部…? ワイに…?」
警官「そうやで、こう言ったほうが分かりやすいか?」
警官「ワイはタイムパトロールや! 全員、神妙にお縄につけや!」
72:2018/10/11(木)09:19:14 V9q
な、なんだってー!
73:2018/10/11(木)09:19:49 SYF
万能タイムパトロール
74:2018/10/11(木)09:19:52 bfz
-1時間後-
警官「よっしゃ全員転送完了や、あとは黒服どもが元いた時代で裁かれるやろ」
警官「あの地下施設は業者を呼んで潰させるわ、今日中には跡形もなくなるやろ」
彡(゚)(゚)「タイムパトロールってホンマにいたんやなあ」
彡(゚)(゚)「どうりで警官らしくないと思ったわ」
警官「いろいろ苦労があるんやで、武器をこの時代に合わせんといかんからな」
警官「このニューナンブは博物館から借りてきたんや」
彡(゚)(゚)「はあ」
警官「よっしゃ全員転送完了や、あとは黒服どもが元いた時代で裁かれるやろ」
警官「あの地下施設は業者を呼んで潰させるわ、今日中には跡形もなくなるやろ」
彡(゚)(゚)「タイムパトロールってホンマにいたんやなあ」
彡(゚)(゚)「どうりで警官らしくないと思ったわ」
警官「いろいろ苦労があるんやで、武器をこの時代に合わせんといかんからな」
警官「このニューナンブは博物館から借りてきたんや」
彡(゚)(゚)「はあ」
76:2018/10/11(木)09:20:37 bfz
彡(゚)(゚)「まあそんな事どうでもええねん、あの黒服は何やったんや」
警官「あれはな、未来の人間や」
警官「未来になるとな、いろんな技術が進歩するんやけど、その中の一つに、創作活動の補佐っちゅうもんがある」
彡(゚)(゚)「補佐?」
警官「そうや、小説で言うと、口であらすじを説明したり、設定を指定するだけで、あっという間に小説を仕上げてしまう、っちゅうソフトがあるんや」
彡(゚)(゚)「ほーん」
(´・ω・`)「絵画における自動生成と似たようなものですね」
(´・ω・`)「あれも、かなり水準が上がってるらしいけど……」
警官「せやな、似たようなもんや」
警官「あれはな、未来の人間や」
警官「未来になるとな、いろんな技術が進歩するんやけど、その中の一つに、創作活動の補佐っちゅうもんがある」
彡(゚)(゚)「補佐?」
警官「そうや、小説で言うと、口であらすじを説明したり、設定を指定するだけで、あっという間に小説を仕上げてしまう、っちゅうソフトがあるんや」
彡(゚)(゚)「ほーん」
(´・ω・`)「絵画における自動生成と似たようなものですね」
(´・ω・`)「あれも、かなり水準が上がってるらしいけど……」
警官「せやな、似たようなもんや」
78:2018/10/11(木)09:21:38 bfz
警官「それでな、ある時代では、人間の99%以上が表現者の側に回ってもうたんや」
警官「なにしろ、「こんな話を書け」と命令すれば、AIがすぐにこしらえてしまうからな、専門職としての作家もほとんど生き残っとらん」
(´・ω・`)「そんな……」
彡(゚)(゚)「言葉遣いが妙やとか言うてたのは、あれが未来人の書いた本やったからか」
警官「そうやな、そして、ほとんどの人間が表現者になったことで、「読者」が存在しなくなったんや」
警官「作品は一日に何十億ってペースで増えていくのに、誰も読んでくれへんのやな」
警官「なにしろ、「こんな話を書け」と命令すれば、AIがすぐにこしらえてしまうからな、専門職としての作家もほとんど生き残っとらん」
(´・ω・`)「そんな……」
彡(゚)(゚)「言葉遣いが妙やとか言うてたのは、あれが未来人の書いた本やったからか」
警官「そうやな、そして、ほとんどの人間が表現者になったことで、「読者」が存在しなくなったんや」
警官「作品は一日に何十億ってペースで増えていくのに、誰も読んでくれへんのやな」
79:2018/10/11(木)09:21:43 Eco
そう言えばAIが小説を書き上げたってニュースがあったな
82:2018/10/11(木)09:22:58 V9q
>>79
あったなぁハリーポッターの続編でわけわからん名前やった気がする
あったなぁハリーポッターの続編でわけわからん名前やった気がする
80:2018/10/11(木)09:22:35 pTL
ちょっと目を離した隙にドラえもんになってた
83:2018/10/11(木)09:23:06 bfz
(´・ω・`)「うーん……AIが発達するなら、AIに読んでもらうとか……それこそロボットに」
警官「そういう人もおるけど、やっぱり生身の人間に、って人もおるんや」
(´・ω・`)「同じ時代の人を雇えば……いやでも、雇われた人間には読んでほしくないのか……」
警官「そういうこっちゃ、彼ら……つまり未来の金持ちたちはな、率直な感想が欲しかったんやな」
警官「ほんでこの時代で読者を集めてたんや、未来人が書いた本やと気づきにくそうな子をな」
彡(゚)(゚)「せやけど、ワイ一日に三冊しか読んでへんで」
警官「なに、60年もやってれば数万冊は読めるやろ」
警官「未来人にしてみれば、こっちの時代で何年かけようが同じやからな」
彡(゚)(゚)「なるほどなあ」
警官「そういう人もおるけど、やっぱり生身の人間に、って人もおるんや」
(´・ω・`)「同じ時代の人を雇えば……いやでも、雇われた人間には読んでほしくないのか……」
警官「そういうこっちゃ、彼ら……つまり未来の金持ちたちはな、率直な感想が欲しかったんやな」
警官「ほんでこの時代で読者を集めてたんや、未来人が書いた本やと気づきにくそうな子をな」
彡(゚)(゚)「せやけど、ワイ一日に三冊しか読んでへんで」
警官「なに、60年もやってれば数万冊は読めるやろ」
警官「未来人にしてみれば、こっちの時代で何年かけようが同じやからな」
彡(゚)(゚)「なるほどなあ」
84:2018/10/11(木)09:24:09 bfz
彡(゚)(゚)「まあとにかく、原住民が無事で良かったわ」
彡(゚)(゚)「ワイは記憶を消されてたみたいやけど、原住民は何かされたか?」
(´・ω・`)「いや、軟禁されてただけだよ、食事もちゃんと出てたし」
(´・ω・`)「給料もずっと出てた、一日に40冊読んでたら歓迎されちゃって」
彡(゚)(゚)「のん気やなあ、心配してたのに」
彡(゚)(゚)「ワイは記憶を消されてたみたいやけど、原住民は何かされたか?」
(´・ω・`)「いや、軟禁されてただけだよ、食事もちゃんと出てたし」
(´・ω・`)「給料もずっと出てた、一日に40冊読んでたら歓迎されちゃって」
彡(゚)(゚)「のん気やなあ、心配してたのに」
85:2018/10/11(木)09:24:51 bfz
警官「さて、そろそろワイも帰るで」
彡(゚)(゚)「えっ」
彡(゚)(゚)「……ワイらの記憶は消さへんのか?」
警官「できるけど、そんな命令は出てへん、でも分かるやろ、タイムパトロールは存在してるんや」
警官「君らが手に入れた未来の情報で、金儲けしたり、悪さしようとすれば……」
彡(゚)(゚)「わ、分かったわ」
(´・ω・`)「分かりました」
警官「ほなな」バシュッ
彡(゚)(゚)「うわ、消えた」
彡(゚)(゚)「えっ」
彡(゚)(゚)「……ワイらの記憶は消さへんのか?」
警官「できるけど、そんな命令は出てへん、でも分かるやろ、タイムパトロールは存在してるんや」
警官「君らが手に入れた未来の情報で、金儲けしたり、悪さしようとすれば……」
彡(゚)(゚)「わ、分かったわ」
(´・ω・`)「分かりました」
警官「ほなな」バシュッ
彡(゚)(゚)「うわ、消えた」
87:2018/10/11(木)09:25:55 bfz
(´・ω・`)「それにしても、過去の人間を使うなんて……」
(´・ω・`)「黒服に依頼した人たちは、そこまでして本を読んでほしかったのかな」
彡(゚)(゚)「せやなあ、今ですら世の中に小説が溢れてるのに……」
彡(゚)(゚)「なんや世知辛い話やで」
(´・ω・`)「まあ、そんな暗い未来にならないように、読書家が生き残ることを祈りたいね」
彡(゚)(゚)「せやな」
彡(゚)(゚)「……」
89:2018/10/11(木)09:26:31 bfz
彡(゚)(゚)「……それにしても」
(´・ω・`)「うん?」
彡(゚)(゚)「警官のおっさん来えへんかったら、みんな幸せやったんちゃう……?」
(´・ω・`)「…………」
(おしまい)
(´・ω・`)「うん?」
彡(゚)(゚)「警官のおっさん来えへんかったら、みんな幸せやったんちゃう……?」
(´・ω・`)「…………」
(おしまい)
90:2018/10/11(木)09:27:14 V9q
草
面白かったで
面白かったで
92:2018/10/11(木)09:27:58 SYF
なんの罪やったんやろなぁ
別時間の人間に過干渉して監禁したことか
別時間の人間に過干渉して監禁したことか
94:2018/10/11(木)09:29:18 y2f
面白かった
102:2018/10/11(木)09:48:04 bfz
ちなみにやきうの受けたテストの答えは
安部公房
メフィスト賞
パリ
明治、大正、昭和、平成
ですね
安部公房
メフィスト賞
パリ
明治、大正、昭和、平成
ですね
105:2018/10/11(木)10:45:15 kXB
乙や
面白かったで
面白かったで
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