1: 1 ◆Hl80lnYDJA 2009/04/12(日) 01:04:39.76 ID:aFom57y50
はぐれ勇者は やさぐれている!

勇者「ちくしょう…みんなで俺をバカにしやがって…」
勇者「ひっく…うー…おい親父ぃ!酒だ酒だ!」
親父(面倒くさいなぁ)

2: 1 ◆Hl80lnYDJA 2009/04/12(日) 01:06:26.26 ID:aFom57y50
はぐれ勇者は 呑んだくれている!

勇者「なぁにが勇者だ…ひっくっ うぃー…」
親父「なぁ、これ呑んだら、今度こそ出てってくれよ?」ドンッ
勇者「るせぇー!俺様に指図するってのかぁー?」
親父「柿ピーもつけてやるから」
勇者「ちっ…しかたねぇな…」

3: 1 ◆Hl80lnYDJA 2009/04/12(日) 01:08:03.39 ID:aFom57y50
はぐれ勇者は つぶれている!

勇者「ひっく…うー…zzzz」
親父「おい…本当にそろそろ店じまいだ
   旦那、悪いが、寝るんなら外行ってくれ。柿ピーもボッシュートだな」

勇者は 店から追い出されてしまった!

5: 1 ◆Hl80lnYDJA 2009/04/12(日) 01:09:17.70 ID:aFom57y50
(何処かの村 表通り)
勇者「さみぃ」
勇者「酒呑んだハズなのに、さみぃ」
勇者「あのクソ親父、俺様を追い出しやがって」
勇者「宿屋にでも泊まるか…」

6: 1 ◆Hl80lnYDJA 2009/04/12(日) 01:10:54.10 ID:aFom57y50
主人「ようこそ旅の宿に。一晩100ゴールドですがお泊まりになりますか?」
主人「でもお金がたりないようですね」
主人「さようなら旅の人。お気をつけて旅をつづけられますように」
勇者「さっきの酒場で使いすぎた…」

行員「愛と信頼のゴールド銀行へようこそ。勇者さまはどんなご用でしょう?」
行員「これはごじょうだんを。お客さまのお金は1ゴールドもお預かりしていませんが…」
行員「現在0ゴールドお預かりしています。ありがとうございました」
勇者「…ああ、もう貯金全部使いきっちまってたか…」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 01:12:00.91 ID:0SifjjkR0
スライムと幼女をいじめた貴様は許さん
賢者はどっちでもいいや

8: 1 ◆Hl80lnYDJA 2009/04/12(日) 01:13:18.80 ID:aFom57y50
商人「はいいらっしゃい!ここは道具の店。どんなご用でしょうか?」
商人「お客さんそれは売ってしまわないほうがいいと思いますよ」
商人「ありがとうございました。今後ともごひいきに!」
勇者「………」

防具「ようこそ防具の店に。ご用はなんでしょう?」
防具「もうしわけありませんがそのような貴重な物はお引きとりできません。大切に持っていてはどうでしょう」
防具「ありがとうございました。またおいでくださいませ」
勇者「………」

10: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:15:28.49 ID:aFom57y50
武器「ここは武器の店だ。どんな用だい?」
武器「わるいがそれはうちでは買いとれないなあ」
武器「じゃあまた来てくれよな!」
勇者「………」

よろ「いらっしゃい。ここはよろず屋じゃよ」
よろ「うーむ。わるいがそいつは引きとれないぞよ」
よろ「それじゃまたいつでもきがるに来るがええぞ」
勇者「………」

勇者の証を捨てますか?
>はい
 いいえ
それを捨てるなんてとんでもない!

12: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:17:46.39 ID:aFom57y50
勇者「しかたねぇ…ちょっくら行って、モンスターでもブッ殺しに行くか…」
勇者「まぁ、俺の実力なら、宿代ぐらいすぐ稼げるだろ」
勇者「あ、武器がなかったな…随分前に、売っちまったもんな」
勇者「俺ぐらいの強さなら、この木の枝でも十分なんだぜ」

勇者は 木の枝を手に入れた!

キラービーが あらわれた!
デスフラッターが あらわれた!
ぐんたいガニが あらわれた!
ポイズントードが あらわれた!

勇者「さっそくおでましだぜ!」

13: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:19:18.71 ID:aFom57y50
勇者「うあ ちょ ヤベ」
勇者「あがっ い、いてぇ」
勇者「かてぇ!何だこいつ!」
勇者「あ…あ…あ…あーっ!」

ガシッ、ボカッ!
勇者は どくにおかされた!

キラ<ムシ、ナメンナ>
デス<ヨエエ勇者ダナー。カァー>
カニ<ブクク…ブブブン…>
ポイ<今日はコレぐらいで勘弁しといてやるゲコ!>

14: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:20:54.43 ID:aFom57y50
(何処かの森 街道への道 朝)
♀勇者のパーティが あらわれた!

勇♀「あれ?こんなところに人が倒れてますよ」
魔法「何だぁ?行き倒れか?」
僧侶「大変です。この方、毒に犯されていますね」
戦士「魔物にでもやられたのか?」
勇♀「僧侶さん、お願いします」
僧侶「もちろんですとも。
   おお神よ!わが主よ!このものの身体より毒のけがれをきよめたまえ!」

勇者の からだにまわっている どくがきえた!

勇者「う、うーん…」パチッ
魔法「お、目が覚めたみたいだぜ」

15: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:24:16.98 ID:aFom57y50
勇者「お、い、う…」
戦士「おっ、水か。飲め飲め」
勇者「うぅ…ごくん…ごくごくん」
魔法「腹、減ってないか?大丈夫か?」
勇♀「…この先の村の人ですかねぇ?」

勇者は 飛び起きた!

勇者「ち、ちがう!俺は"勇者"だ!」
勇♀「あら」戦士「なんと」僧侶「まぁ」魔法「ははっ」
勇者「???」

17: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:27:54.50 ID:aFom57y50
勇者「な、なんだお前ら、こぞってバカにしやがって!
   どうせ信じてねぇんだろ!ああっ?
   そうさ、俺は弱いさ!こんなところで倒れてるぐらいだからよ!」
♀勇「いえ、あの」
戦士「そうじゃない」
僧侶「奇遇ですねぇ」
魔法「うちのPTのリーダーも、そこの戦士も、二人とも勇者なんだ」
勇者「はあっ?」

勇者は こんらんしている

19: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:29:58.61 ID:aFom57y50
(何処かの村 酒場 夕方)
♀勇「なるほど。一人旅の途中、悪いモンスターにいきなり襲われて、
   宿代や武器を、奪われてしまったんですね?」
勇者「そ、そ、そ、そうなん、だ。
   い、今までの激しい死闘で、大事な仲間達とも死に別れちまってさ」
♀勇「まぁ…タイヘンだったんですね…」
僧侶「ああ、それはご苦労なされたでしょうに」
勇者(ちょっと大げさに言っておいて正解だな)

21: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:31:30.90 ID:aFom57y50
勇者「ところであんた…本当に勇者なのか?」
♀勇「はい。勇者の証も持ってますよ?」ピカン
勇者「はぁ…こんな小さいのにエライなぁ」なでなで
♀勇「ちっちゃくないです!大人です!」
勇者「このポニーテールは、身長を高く見せる為か?」ニヤ
♀勇「むきーっ!」
戦士(そこが良いんだよ、このド素人め)

22: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:33:16.38 ID:aFom57y50
♀勇「そうだ!今、お一人なんですよね、勇者さん」
勇者「あ、ああ…」
♀勇「勇者さんも私達のパーティに入りませんか?」
勇者「???」
♀勇「私達は真の世界平和を目指しているんです!
   仲間が多いに越した事はありません!いかがですか?」えっへん
僧侶「ええ、ええ、そうですとも!これも何かの縁です!」
魔法「ああ、また♀勇者の勧誘癖が出たよ」
戦士「ははははっ」

♀勇者達は わらっている
勇者は こんらんしている

24: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:35:29.25 ID:aFom57y50
勇者(何だコイツら…ずいぶんのほほんとしたPTだな…)
勇者(俺様のウソにまんまと騙されやがって)
勇者(見たところそんなに強そうでもねえし)
勇者(このまま乗っ取るってのもアリだな…)

勇者は 不敵な笑みを浮かべている

勇者「ああ、いいぜ。なるよ」

勇者が 仲間に加わった!

27: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:38:48.97 ID:aFom57y50
♀勇「みなさん、仲間が増えましたよ!」ぴょん
僧侶「いやぁ、これでまた一段と世界平和が近づきましたねぇ」
♀勇「あの…もし宜しければ、自己紹介をさせてくださいませんか?
   せっかく仲間になれたんですし!」
勇者「あ、ああ。かまわねえぜ」
僧侶「あー、こほん。では、私から…
   世界一の僧侶を目指している、僧侶と申します。
   攻撃魔法はちょっとニガテです…はは」
魔法「よぉ、お待ちどう!俺様こそ正真正銘の魔法使い。
   通称、エターナル・チェリー(永遠の童貞)。
   魔法使いとしての腕は天下一品!!奇人?変人?だから何」
勇者(特攻野郎Aチーム厨、乙)

29: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:40:25.32 ID:aFom57y50
♀勇「あ、わたし"勇者"です。ちっちゃいけど、勇者です!
   一日も早い真の世界平和が目標れっ…いたっ」
魔法「噛んだ」
僧侶「噛みましたね」
戦士「良く噛むんだよな」
♀勇「えへへ」

♀勇者は 笑って誤魔化している!

30: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:42:06.01 ID:aFom57y50
戦士「じゃぁ、続けるぞ。俺は戦士。元・勇者だ。
   ワケあって勇者をやめ、今はバトルマスターを目指している。宜しくな」
勇者「戦士さんよ。何だ、その元・勇者ってのは」
戦士「ああ、気づいたか」
勇者(気づかないでか)
僧侶「ふふふ。話し出すと長いですよぉw」

戦士は 遠い目で昔話を語りはじめた!

戦士「俺はこの♀勇者に会うまで、自分で勇者PTを組んでいた…
   ある日俺はひょんな事で仲間を失い、命の危険にさらされ、途方にくれていた…
   そんな見ず知らずの俺を、♀勇者は命も顧みずに助けてくれ…
   俺は♀勇者に人間としては、正直勝てないと思い…
   勇者である事をやめて、軍門に下る決意をした。
   あの日、あの時、あの場所で、♀勇者に会えなかったら(ry」

勇者は 大きなあくびをした!

32: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:43:38.88 ID:aFom57y50
♀勇「じゃ、最後は勇者さんですよ!」ニコッ
勇者「え、俺もか?」
♀勇「もう仲間ですからね!詳しく知りたいです!」
僧侶「どんな冒険をされてきたのか、私も興味深々です」
戦士「同じ勇者だった者としても、興味深いな」
魔法「まぁ、適当になー」
勇者(やべぇ 超緊張してきた)

34: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:45:10.59 ID:aFom57y50
勇者「あ、お、俺、俺も"勇者"だ。
   魔法は…全然出来ないが、剣の腕にはそこそこ自信がある…
   凶悪な魔物も倒してきたし、世界一高い塔にも行った事がある…」
♀勇「わぁっ!すごいですね!」パチパチ
勇者「昔、パーティ組んでた頃の話だけどな」
僧侶「確か、魔法のじゅうたんがないと行けない搭ですね。うらやましい限りです」
勇者(本当は現地民の観光ツアーで行ったんだけど)

35: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:46:16.54 ID:aFom57y50
勇者「そういやあんた達は、何でここに来たんだ?」
♀勇「あ、そうです。そこなんですよ」マグマグ
魔法「この村の先の山のふもとに、大きめの街がある。
   そこに、見た事もない魔物が現れたって聞いてさ」ズビズビ
僧侶「かなり珍しいお話でしたので、
   行って確かめましょうと♀勇者が提案されたんです」パクリパクリ
戦士「何でも人型の魔物らしいんだが」モグモグ
勇者(人型の…魔物…だと?)

37: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:47:48.49 ID:aFom57y50
♀勇「だいぶ前ですが、旅の勇者PTが挑んで、
   その後も別のPTが挑んだらしいんですけど、未だに誰一人、帰ってそうなんです」パクパク
僧侶「あ、そのサラダ貰っても宜しいですか?」マグマグ
魔法「こっちのパンは頂くぜ」モグリ
戦士「この肉皿、追加だな」マグモグ
魔法「大方、返り討ちにもであったんじゃねぇか?って話だったな」モグモグ
僧侶「もしかしたら、即死系の魔術を使う魔物だったのかもしれませんね」パクリ
戦士「見た事もない魔物であれば、油断は禁物」ズビズビ
勇者(おい、ちょっと食いすぎだろ…俺のメシまで食いやがる)

38: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:49:10.18 ID:aFom57y50
♀勇「!! みなさん、ダメですよ!それは勇者さんの分のごはんです!」
魔法「あ、いけねぇいけねぇ。ついいつものクセで」
♀勇「すみません、勇者さん…」
戦士「悪いな。俺の肉をやるよ。食いかけだけど…」
僧侶「私のサラダも差し上げます」
魔法「………♀勇者のプリンも、2つ目だよな?w」
♀勇「あっ!あのこ、これは…その…」

♀勇者の顔色が かわった!

39: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:50:42.73 ID:aFom57y50
勇者(さて、困った…どうやって切り出すか…)
勇者(さっき話に出てた、人型の魔物…)
勇者(あれに挑んで負けた勇者のPTは…恐らく俺のPTの事だ)
勇者(殆ど何も出来ないで負けたなんて…かっこ悪すぎるしな…)

勇者は 策をめぐらせている

勇者「そ、そういやよ、酒は呑まねぇのか?」
♀勇「え、何でですか?」
勇者「い、いや、冒険者っつったら、酒だろjk」
♀勇「私は呑んで良いって言うんですけど…みなさん全然呑まないんですよ」
僧侶「私は永遠に修行中の身ですからねぇ」
魔法「俺は時たま呑むけど、昼からはやんねぇって決めてるだけだ」
戦士「俺もそうだ。♀勇者、そういうのニガテだし」

勇者は うまく話題をそらした!

41: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:52:16.79 ID:aFom57y50
(何処かの村 宿屋 夜)
勇者「なぁ、戦士さんよ…」こそこそ
戦士「ん?何だ?」
勇者「って事はあんたら、夜とかどうしてんだよ」
戦士「夜?」
勇者「とぼけんなって。ぱふぱふだよ」
戦士「ああ、そういう意味か。そういえば、とんと行ってないな」
勇者「mjdk?」
戦士「夜は鍛錬して、そのまま床に入ってしまうんでな」
勇者(こいつ…"賢者"かよ?)

43: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:55:28.97 ID:aFom57y50
魔法「まぁ、まぁ」
勇者「魔法使い…」
魔法「俺の嫁を見せてやるよ。ふひひっ」

魔法使いは、水晶板を取り出した
水晶板には アニメの映像が映っている

魔法「長門は永遠に俺の嫁。ゆっくりみていってね!」
勇者(ダメだこいつ・・・早く何とかしないと)

45: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:57:41.91 ID:aFom57y50
(何処かの村 出入り口 朝)
♀勇「では、その街に向かって出発しましょう!」
魔法「あいよ」
僧侶「参りましょう」
戦士「いつも通りの"作戦"でよいんだな?」
♀勇「はい。では、いつもの…
   『いのちをだいじにしつつ ガンガンいろいろがんばって
   じゅもんはせつやくしようぜ!』の作戦で!」
勇者(何だそりゃ)

46: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 01:59:14.00 ID:aFom57y50
勇者(結局言い出せなかった)
勇者(あの街に行ったら、俺が敗れた勇者だってバレちまう)
勇者(どうする…どうするよ、俺?)

勇者は 考え込んでいる

♀勇「行きますよー、勇者さーん」
勇者「お、おう」

♀勇者達は 村を出発した!

47: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:01:23.76 ID:aFom57y50
(魔界 魔王城)
???が あらわれた!
スライムが あらわれた!

??「わたしをよびさます者はだれだ?」
??「わたしははかいと殺りくの神???なり」
??「わたしはだれの命令もうけぬ。すべてを無にかえすのみ」
??「小さき者よ かかってくるがいい」
スラ「ぷ、ぷるぷるっ!負けないぞ、まおうめ!」

49: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:07:35.40 ID:aFom57y50
??は 闇色の翼を生やした!
??は 鋭いツメを生やした!
??は 太いしっぽを生やした!
??は 折れ曲がったツノを生やした!

??「がおーっ!」

??は 半竜の魔物へと姿をかえた!

50: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:09:22.61 ID:aFom57y50
部A「魔王様、魔王様?どちらにおいでですか?」パタパタ
??「ここー」
スラ「魔王の広間だよー」

部下Aが あらわれた!

部A「魔王様。そろそろお勉強の時間ですよ?」
??「やだー。勉強きらーい」
部A「ダメです!先代方の血を継ぐのは、もう貴方様しかおられないんですよ?」
??「ぶー。ぶー」

52: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:10:43.63 ID:aFom57y50
賢者が現れた!

賢者「少女、スラ。二人とも、そろそろごはんですよ。
   魔王ごっこはおしまいにして来てくださいー」
少女「はぁい」スラ「はーい」

スライムと少女は 玉座から降りた!

部A(魔王様は何故、あの人間の言う事は素直に聞くのだろうか…)

53: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:12:24.09 ID:aFom57y50
賢者(私が、住処を追われたこの魔物の少女とスライムと出会い、
   安住の地を求めて旅をしてきて、早数年)
賢者(各地を彷徨った結果、とうとう魔界まで来てしまいました…)
賢者(しかし、良かったのでしょうか?私の様な人間がこの魔王城に入って)

賢者は 考え込んでいる

魔物の少女は 茶碗を差し出した!

少女「おかわりー」
賢者「あ、はいはい」

54: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:14:09.39 ID:aFom57y50
(魔王城 図書館)
部A「いいですか、魔王様?
   貴方は、先々代の魔王様が『人』との間に設けられた、いわばハーフの魔物ですが…
   偉大なる魔王一族の血を引くお方なのですよ?」
少女「むー」バッサバッサ
部A「何よりも、その闇色の翼こそが、魔王一族の証なのですっ!」

少女は あくびをした!

56: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:15:30.20 ID:aFom57y50
部A「先代の魔王様は、私の力及ばず、卑劣な人間共にやぶれてしまいました…
   復活には、まだまだ時間がかかります。
   貴方はその先代の魔王様にかわり、世界征服に励まねばなりません!」
スラ「ぶにょぉーん」

スライムは ヘンな顔をした!

少女「きゃっきゃ」
部A「話を聞いてください!」

57: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:17:14.57 ID:aFom57y50
(何処かの森 街への道)
魔物の群れが 現れた!

♀勇「そこを…通してください!」
魔物「グルルルル…グググgg…」

♀勇者は 話しかけた
だめだ!話にならない!

魔物「しかたねぇ。いくぞ!メラマーゾ!」
魔物「ギャアッ!」
戦士「がんせきおとし!」
魔物「ググアアア!」

魔物の群れを 倒した!

勇者(つ、強い…こいつら強すぎだろ…)

58: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:19:02.88 ID:aFom57y50
♀勇「ごめんなさい」ペタペタ
僧侶「おお神よ!この者たちに安らかなる休息をあたえたまえ!」

♀勇者と僧侶は 魔物の死体を地面に埋めた!

勇者「なぁ…あんたら、いつもこうして?」
戦士「ああ。そうだ。♀勇者は、心優しい勇者でな」
魔法「どうしてもダメな場合は倒すけど、魔物はなるたけ殺さないってポリシーらしいぜ」

勇者はこっそり 魔物のツメを盗んでいた!

勇者(売ったら10000Gはくだらないってのに…勿体無いやつらだ)

60: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:23:00.82 ID:aFom57y50
はぐれメタルが あらわれた!

勇者「おっ!はぐれメタルじゃねぇか!経験値、経験値…」
はぐ「♀勇者ちゃーん!」ぴょーん

はぐれメタルは ♀勇者にとびついた!

♀勇「あ、はぐさん!お久しぶりです♪」なでなで
はぐ「会いに来たハグー!」
勇者「なっ?」

62: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:24:34.79 ID:aFom57y50
はぐ「あの…これ…プレゼントだハグ!」ごそごそ

はぐれメタルは すばやさの種を差し出した!

はぐ「こないだ、悪い人間から守ってくれたお礼ハグ!」
♀勇「すみません…ありがとうございます」
はぐ「さ、あーんするハグ!」
戦士(う、うらやましくなんか、ないんだぜ!)

63: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:26:37.43 ID:aFom57y50
(何処かの森 湖畔 キャンプ中 夜)
僧侶「では、今宵我々に命を捧げてくださった2匹の野うさぎと魚と、神に感謝して…」
戦士「いただきます…」チラッ
魔法「いただきます…」チラッ
僧侶「いただきます…」チラッ
♀勇「いただきます…」チラッ
勇者「いただきま…うわぁ!」

バリバリ ムシャムシャ バキバキ ゴクン
ごはんの 争奪戦が始まった!

65: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:28:07.22 ID:aFom57y50
(何処かの森 湖畔 キャンプ中 夜中)
勇者(……… ……… ………)

勇者は ♀勇者のテントに忍び込んだ!

勇者「おい。おい」
♀勇「むにゃ…むにゃにゃ…」
勇者「起きろ。起きろ」
♀勇「プリン…んにゃぁ…」
勇者「話があんだよ、起きろ」

勇者は ♀勇者にまたがった!
勇者は ♀勇者のほっぺをつまんだ!

♀勇「むにゃー………」

しかし♀勇者 は目を覚まさなかった!

66: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:29:51.59 ID:aFom57y50
勇者「おい、起きろよ…」
♀勇「んにゅっ………?zzz………」

勇者は ♀勇者のわきばらをくすぐった!
しかし♀勇者は 目を覚まさなかった!

勇者「ちくしょう…こ、こうなったら最後の手段」ごくん

勇者は ♀勇者に覆いかぶさった!
勇者は ♀勇者の耳に息を吹きかけた!

♀勇「んんんっ……ぐーー…」
勇者(ああ、良い匂いだなぁ)
勇者(やべぇ…最近溜まってたから、むらむらしてきt)

68: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:31:48.27 ID:aFom57y50
魔法「おい!」バン!
戦士「♀勇者!!」ドン!

魔法使いと 戦士が現れた!

勇者「うあっ?!」
♀勇「むにゅ?」

勇者は 首ねっこをつかまれた!

69: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:34:09.26 ID:aFom57y50
(かくかく しかじか)
勇者「そんなワケで、俺…マジで♀勇者に話があっただけなんだ…」
魔法「………」
戦士「………」
僧侶「………」
勇者「し、信じてくれよ…な?」
♀勇「ああ、そうだったんですか!ごめんなさい。私、寝たら起きなくって」
魔戦僧「ええー!!」
♀勇「で、お話って、何ですか?」ニコ

70: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:37:01.25 ID:aFom57y50
(何処かの森 湖畔 勇者のテントの中)
勇者「あのさ…俺達が…これから行く街の話なんだが…」
♀勇「はい」
勇者「『人型の魔物を倒しに行った勇者PT』って、言ってたろ。
   あれ…俺のPTの事なんだ…」
♀勇「えっ?!そうだったんですか?」
勇者「正直、何も出来なかった。仲間の魔法使いも、戦士も、そいつにすぐ殺されたよ」
♀勇「………」
勇者「もう一人いた仲間の賢者が、俺を助けてくれたんだが…
   俺、仲間殺されてすげーイラついててさ。
   ついカッとなって、そいつをクビにしちまった」
♀勇「………」
勇者「まぁ、そんなこんなで、俺は一人ぼっちになっちまったワケだ」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 02:37:33.97 ID:tKkrmz6T0
ほう、自分から話す気になったのか

72: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:38:26.09 ID:aFom57y50
勇者「あいつは…でけぇ黒い翼を生やした、竜の化け物だった…
   最初は人の女に化けて、俺達を油断させようと近づいてきて、
   で、いきなり変身して、ガツリ」
♀勇「………」
勇者「相当強い魔物だった。あんた達なら…まぁ、やれると思うが…
   出来たら俺、自分の手であいつを倒したいんだ」
♀勇「そう…だったんですか…」
勇者「あんた達のPT、正直強すぎるだろ?
   だから…俺…なかなか話しづらくて…その…」

73: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:40:00.06 ID:aFom57y50
勇者「話はそれだけだ。夜中に起こして悪かったな」
♀勇「あ、あのっ!」
勇者「ん?」
♀勇「勇者さんは…その魔物にあったら…やっぱり倒すんですか?」
勇者「ああ。俺には仲間の敵を討つ権利があるしな」
♀勇「そうですか…」
勇者「おやすみ」

勇者は テントから出た

78: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:47:13.77 ID:aFom57y50
戦士と魔法使いが あらわれた!

戦士「勇者君よ。お兄さん達と、ちょっと話さないか?」
勇者「ちょっ」

勇者は 首ねっこをつかまれた!
戦士と魔法使いと勇者は 森の奥に消えた!

戦士「お前…本当に話をしに行っただけなんだろうな?」
勇者「あぁ?そ、そうだが?」
戦士「随分長かったが…まさか続k」
勇者「はぁ?お、俺様が何だって、あんなガキを」
戦士「ガキィ?ゆ、♀勇者を、ガキっていうな!」

戦士は 頬を赤らめた!

勇者(判りやすい脳筋だな…)

80: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:48:47.21 ID:aFom57y50
勇者「何なんだよ、あんたら一体!
   第一…俺は…ああいうガキじゃなくて…その…」
戦士「そうか、熟女か!!熟女も良いよな?!トゥーッス!」
魔法「何だぁ?お前、好きな女でもいるのか?」
勇者「……… ………」
戦士「ま、まさか男g」
勇者「ちげえし!」

勇者は 全力で否定した!

82: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:50:19.76 ID:aFom57y50
戦士「と、とにかくだ。仲間のお前がやってないってんなら、俺はお前を信じるよ」
魔法「まぁ、そうだな。♀勇者もそう言ってたしな」
戦士「いざとなったら、♀勇者は俺が守るからな!」えっへん
勇者「………あんた達、人が良すぎるな………」
魔法「あの、♀勇者の仲間だからなーw」
戦士「これからは話があったら、堂々とテントに行くんだぞ?はっはっは!」

三人は テントへ戻った!

83: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:51:54.49 ID:aFom57y50
(魔界 魔王城 キッチン)
部A「賢者よ…」
賢者「あ、はい」
部A「私は代々、魔王様の仕える一族の者。
   先代魔王様がやぶれた後も、いつか魔王様が復活なさるその日に備え、
   私はこの城を一人保ってきた」
賢者「ええ。初めてこの城に来た日、そう伺いましたね」
部A「魔王様にお仕えする事こそが、私の存在意義なのだが…
   どうしたら新しい魔王様は、私の言葉を聞いてくださるのだろうか?」
賢者「そうですね…では、食べ物で釣るというのは?」
部A「ふむ…確かに先代の魔王様も、おやつには弱かった…」

部下Aは 考え込んでいる

87: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:55:50.03 ID:aFom57y50
(魔王城 屋上 庭園)
少女「お花、きれい」
スラ「食べられるかな?」
少女「ダメだよー、食べちゃ。首飾り作ろう?」

少女達は 遊んでいる

部A「…わ、私に、で、出来るだろうか…」こそこそ
賢者「大丈夫ですよwほら、今です!」

賢者は 部下Aの背中を軽く押した!
部下Aは 少女達の前に姿を現した!

スラ「?」
少女「???」
部A「あ、そ、その、あの、ま、魔王様」
少女「なぁに?」

88: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:57:25.24 ID:aFom57y50
部A「あ、あの、こ、これは私からの、お、贈り物で…」

部下Aは 5段アイスクリームを差し出した!
少女は しっぽをふっている!

少女「わー!アイスだー!」ふりふり
スラ「大きいねぇ、すごいねぇ」
少女「いいの、いいの?くれるの?」
スラ「よかったねぇ」なでなで

少女は 喜んでいる!

90: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 02:58:59.98 ID:aFom57y50
部A「そ、それで、あの、お願いがございまして」
少女「ん?なあに?」ペロペロ
部A「あとで、王の間に降りてきて頂きたいのですが…」もじもじ
少女「お勉強…?」
部A「も、もちろん、お勉強のあとにはおやつに致しますが?」
少女「わわわっ!や、やる!お勉強するー!」バッサバッサ
スラ「あんま食べ過ぎちゃダメだよ?」

少女は はしゃいでいる!

91: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:00:35.45 ID:aFom57y50
賢者「やりましたね」
部A「うっうっうっ」
賢者「少女は人見知り激しいですからね。じっくり行きましょう」
部A「うっうっ がんばります」
賢者「私も部下Aさんのお手伝いいたしますから」
部A「す、すみません…うっうっ」
賢者(魔物さんも、色々タイヘンなんですねぇ)

92: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:02:09.73 ID:aFom57y50
(何処かの森 街への道)
魔物(ヒヒヒ ニンゲンノメスダ)
魔物(クオウ クオウ)

魔物の群れが 現れた!
魔物の群れは いきなり襲い掛かってきた!

♀勇「きゃあっ?!」
戦士「♀勇者!」

♀勇者は つかまってしまった!

魔物「ウゴクナ ニモツ オイテケ」

魔物は 片言で喋った!

94: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:05:47.04 ID:aFom57y50
勇者「わ、判った。ここに置くから、その子を離せ」
魔物「ヒヒヒ…ヒヒヒ…」
勇者「なぁ、お前ら。クリリンの太陽拳って知ってるか?」ニヤ
魔物「イヒ?」

勇者は 勇者の証をかかげた!
勇者は まぶしいひかりをはなった!

魔物「キヒィー?!」

魔物達は 目がくらんでしまった!

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 03:06:54.62 ID:tKkrmz6T0
うおっまぶし

96: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:08:03.15 ID:aFom57y50
戦士「今だ、しっぷうづき!」
魔物「イヒィ?!」

戦士は ♀勇者を助け出した!

魔法「マヒャードォ!」
魔物「ヒイィーーー…?!」

魔物の群れを倒した!

97: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:09:41.88 ID:aFom57y50
♀勇「はぁ、はぁ、はぁ…」
戦士「大丈夫か?おい」
僧侶「おケガはありませんか?」
♀勇「はい。大丈夫です、すみません」
魔法「良かった」
勇者「これからは、気をつけろよ」
♀勇「すみません、ありがとうございます」ニコ

勇者は 目を閉じてさっとかわした!
戦士は メロメロになった!

98: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:11:54.57 ID:aFom57y50
マドハンドの群れが あらわれた!

勇者「おっ!マドハンドじゃねぇか!仲間呼ばせて経験値、経験値…」
マド「♀勇者ー!」わらわら ぬとぬと
♀勇「あ、マドさん!」
勇者「まさ…か………」
マドD「こないだは、世話になったなー!」ぬらぬら
マドE「仲間助けてくれた ありがとう」べちょべちょ
マドB「何だよ、山に来るんなら、教えてくれよなー!」ぬとぬと
♀勇「わぁっ ひゃぁん くすぐったいです」
勇者「……… ………」

101: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:13:49.96 ID:aFom57y50
マドG「これ、こないだ拾った。♀勇者にやる」もじもじ
マドL「もぎたてのフルーツです、どうぞ」ドサドサ
マドP「体、こってないか?」もみもみ

マドハンドたちは ♀勇者をねぎらっている!

魔法「あいつら、本当に♀勇者の事好きだよなぁ」
僧侶「♀勇者は、魔物にとても好かれるお方ですからね」
戦士「正直、悔しい」
勇者「……… ………」

102: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:15:25.07 ID:aFom57y50
(何処かの森 キャンプ中 夜)
僧侶「では、今宵我々に食料を分けてくださった心優しいマドハンド達と、神に感謝して」
戦士「いただきます」
魔法「いただきます」
僧侶「いただきます」
♀勇「いただきます」
勇者「いただきま…す」

♀勇者達は ごはんを食べ始めた!

勇者(…今日は大量にメシがあるから、安心して食えるな…)

103: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:17:58.76 ID:aFom57y50
♀勇「それでは皆さん、明日は一気に山を降りましょう!もうちょっとで街みたいですから」
魔法「ああ。頑張ろうな」
僧侶「お休みなさいませ」
戦士「おやすみ」
勇者「なぁ、♀勇者。またちょっと話があるんだが」
♀勇「判りました。どうぞー」

♀勇者と勇者は テントに入った!

戦士(いいなぁ…ぐすん)

105: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:19:57.86 ID:aFom57y50
勇者「あの…そのさ…魔物の事なんだが…お前、ちょっと馴れ合いすぎじゃねえか?
   アイツらと馴れ合ったって、ロクな事ねえぞ?
   大体魔物なんて、基本俺達『人』の敵なんだからよ」
♀勇「それは、違います!」

♀勇者は 大きな声をあげた!

勇者「だっ、な、そんな事言ったって、魔物は俺達『人』を襲うじゃねぇか」
♀勇「でも、それは…私達も同じです」
勇者「!!」

106: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:21:33.76 ID:aFom57y50
♀勇「私達『人』も、魔物を狩りますよね?
   はぐれメタルさんとか、レア素材を持った魔物とか、
   美味しいお肉を持った魔物さんや、薬の材料になる魔物とか」
勇者「………ああ」
♀勇「私、思うんです。魔物も人も同じ生き物だって。
   だから私は、それを悪い事だと言うつもりはないんです
   私は『人』と『魔物』の共存する世界こそが『世界平和』だと思ってるんです」

勇者は 黙っている

♀勇「私…その人型の魔物を倒しに行きたいんじゃないんです。
   もしその魔物を街の人達を怯えさせない場所に連れて行ければ、無駄な血は流れないじゃないですか。
   私は…なるべく殺さずに解決したいんです」

107: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:24:08.95 ID:aFom57y50
♀勇「あの…もし、その魔物にあったら、勇者さんはやっぱり殺すんですか?」
勇者「ああ、たぶんな…あんたには悪いが、俺にはその権利があるんだ」
♀勇「そ、その魔物が、良い魔物だったとしても?」
勇者「俺は被害者だぞ?仲間もやられたんだ!何が悪い?!」
♀勇「………」ビクッ

勇者は 大きな声をあげた!

109: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:25:24.72 ID:aFom57y50
勇者「と、とにかく。チャンスはやるよ。あんたは俺を助けてくれた命の恩人だ。
   そいつが現れたら、あんたは話してみたら良い。
   もっとも…あいつは良い魔物なんかじゃないって、すぐ判るだろうがな」
♀勇「………」
勇者「そいつがあんたを襲ってきたら、俺は容赦なくそいつを殺す…今度は油断しない」

勇者は 立ち上がった!

勇者「夜中に悪かったな。おやすみ」
♀勇「おやすみなさい…」

110: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:27:00.51 ID:aFom57y50
勇者(アイツは、殺された魔法使いと戦士の敵だ)
勇者(いざとなったら、上手く出し抜いてヤツを倒しに行けば良い)
勇者(アイツの姿を見たのは、俺と賢者だけだしな…
   俺が『コイツだ!』って教えなきゃ、判らないだろうよ)
勇者(それまで、まぁ、せいぜい寄生させて貰うさ)
勇者(ああ、酒が呑みてぇな…魔法使い…戦士…賢者…zzz…)

勇者は 眠りについた

111: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:29:06.00 ID:aFom57y50
(魔界 魔王城 とある一室)
賢者「ああ、そうですか。では、今日は東3Fを探検するのですね?」
少女「うん!」
スラ「まだ東3Fのお部屋探検してないしねー」
部A「では、魔王様。お昼ごはんになったらお声がけさせて頂きます」
少女「はぁーい」

少女達は 探検ごっこをはじめた!

113: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:30:28.72 ID:aFom57y50
(魔界 魔王城 東3Fの倉庫)
少女「洋服、お人形、ネックレス」ガサゴソ
スラ「魔界の本、あ、こっちの鎧は呪われてるから触っちゃダメだよ」
少女「はぁい。きれいな棒、宝石、お靴」ごそごそ
スラ「すごいな、本当に宝の山だね」
少女「スラー。何か大きい玉があるよ」

少女は 大きな水晶球を手に入れた!
少女「大きい玉だね!」ぺたぺた
スラ「これ、何だろう?あとで聞いてみよう」

114: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:32:02.57 ID:aFom57y50
(魔界 魔王城 キッチン)
部A「今日のおやつのアイスは、コールドストーンクリーマリー風に作りましょう♪」
部A「I wanna be a VIP STAR♪」ペタ
部A「うっうーうまうまー♪」ペタペタ
部A「ランランルー♪」ペタンペタン
部A「DOKKAN DOKKAN ツーイてる♪」ペタシペタシ
賢者「あの………そろそろ少女達を呼びに行こうかと…」
部A「!!」

場の空気が 凍りついた!

116: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:33:35.94 ID:aFom57y50
(魔界 魔王城 東3Fの倉庫)
賢者「少女ー。スラー。お昼ですよー。何処ですか?」
スラ「ここ!ここだよ!」ぴょんぴょん
少女「賢者ー、ここー」バッサバッサ

少女とスライムが あらわれた!

賢者「ああもう…埃まみれじゃないですか」ふきふき
少女「あのね、賢者。こんなの見つけたよ」モゾモゾ
賢者「…これは、水晶球…ですか?」
スラ「大きいよねー。何に使うのかな?」
賢者「あとで部下Aさんに聞いてみましょう」

117: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:35:03.88 ID:aFom57y50
(魔界 魔王城 とある一室)
部A「こほん…えー、では…この玉の説明をします。
   これは、先々代の魔王様がお作りになった最高傑作の魔具…魔法の水晶球です!」
少女「わくわく、わくわく」
部A「この玉は、とーっても便利な物です。何と………下界の様子が覗き見られます!」
スラ「おおーっ!」ぴょんぴょん
少女「わー!」パチパチ
部A「では試しに、下界の勇者の様子でも見てみましょうか」ぽちっとな

水晶球は 音声のみを流し始めた!

118: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:37:27.89 ID:aFom57y50
部A「おや、映像が出ませんね…うーんうーん…久々に動かしたせいでしょうか?」

ザザ…ザザザ…

勇者『親父…これ買い取ってくれ』ドン
親父『おや、これは鈍色のかぎ爪じゃないですか。10000Gになりますが』
勇者『ああ、それで良い』
親父『へへ、毎度っ!』
♀勇『勇者さん。何してたんですか?』
勇者『あ、ああ。木の枝を売りに行ってたんだ。ジャマだったしな』
賢者「………………………!!」
賢者(この声は…間違いなく"勇者"の声…)

121: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:43:10.00 ID:aFom57y50
賢者「お、お、お二人とも…
   部下Aさんに、大きいアイスのケーキを作ってもらってはいかがですか?」ニコ
少女「!! アイスのケーキ?!作って作って!」
スラ「美味しそうだねぇー」
賢者「でも…きっと…部下Aさんだけじゃ、作れないでしょうね?」
少女「そっかー。じゃぁ、お手伝いする!早く行こう?!」
スラ「ボクも手伝うよ!」
部A「え、あ、あの、し、仕方ありませんね…特別ですよ?」

部下A達は キッチンへ向かった!

122: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:44:54.36 ID:aFom57y50
賢者(この水晶…ここにこうして、念力をこめれば…たぶん…)じょぉん

水晶球は 勇者の姿を映し出した!

賢者(ああ…やはり…貴方だったのですね、勇者殿)
賢者(あの日、貴方のPTを離れてからもう数年前)
賢者(立派に成長されて…あ、おひげを生やされたんですね…)
賢者(男子三日会わざれば刮目して見よと言いますが…
   これ程までに逞しくなっていたとは…)ぐすん

賢者は 涙をぬぐった!

124: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:46:33.97 ID:aFom57y50
賢者(おや、この者達は…?新しいPTですか?)
賢者(女性の…勇者ですか。珍しいですね)
賢者(こちらは、戦士。魔法使いに僧侶もいますね)
賢者(この僧侶の帽子の印…ああ、私と同じ宗派の方ですか…)

賢者は 水晶球を見ている

賢者(ああ…人が恋しいですね。この世界に人間は、私だけですから…)
賢者(魔界は…来るのは簡単ですが、戻るのは難しいですしね…)

賢者は じっと水晶球を見続けている

125: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:48:28.04 ID:aFom57y50
部下Aが あらわれた!
少女が あらわれた!
スライムが あらわれた!

少女「けーんj…」もがもが

少女は 口を塞がれてしまった!

部A「魔王様。賢者は…ちょっとお忙しそうですから、あっちで食べましょう」
スラ「ぴ?」
部A(下界が懐かしいのだな…賢者。しばらくの間そっとしておいてやるか)

126: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:51:00.34 ID:aFom57y50
(何処かの街への道 海辺の道)
僧侶「それにしても、海は良いですね…」ぱしゃぱしゃ
魔法「冷たくて気持ち良いな」ザバザバ
♀勇「もうちょっと季節があったかければ、泳げましたねぇ」チャパチャパ
勇者「お、♀勇者は泳げるのか?」
♀勇「はい!おニューの水着ももう買ってあるんですよ?」
戦士(水着…だと…?)

128: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:54:58.75 ID:aFom57y50
マリンスライムが あらわれた!
しびれくらげが あらわれた!

マリ「あ、♀勇者じゃない!船で会って以来ね!」
♀勇「マリンスライムさん!こんにちはー」
しび「お久しぶりくらげー!」ぺたっ
♀勇「きゃぁっ」びりり

♀勇者は しびれてしまった!

マリ「だ、大丈夫?」
しび「ごめんくらげー…」
♀勇「うん。だいじょうぶーw」

130: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:57:08.73 ID:aFom57y50
マリ「え、大きな街?あ、それならこの林を抜けたらすぐよ!」
くら「あとちょっとくらげー」
♀勇「ありがとうございます」
マリ「もうすぐ日が沈むから、急いだ方が良いわね」
くら「暗いとあぶないくらげー」
♀勇「さぁ、そろそろ行きましょうか!もうちょっとですよ!」
戦士(水着…見たかった…)

131: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 03:58:48.88 ID:aFom57y50
(何処かの街 街長の館 夕方)
役員「では、貴方がたが、あの森の魔物を何とかしてくださる、と?」
♀勇「はい!お任せください!」
役員「頼もしい勇者殿ですな…」
街長「って、もしや貴方は、かつて魔王を討伐なさったという、♀勇者殿では…?」
♀勇「え、あ、はい。そうです。昔の話ですけどね」
街長「ああ、やはり!以前貴方の地元の街に伺った時、
   お城に貴方の似顔絵付き武勇伝が貼られていたのを見ました!」
役員「何だって!」「素晴らしい!」「魔王を倒した勇者殿ですと?」ざわざわ
勇者(………な、ナンダッテー!………)

勇者は 腰を抜かした!

133: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:00:07.97 ID:aFom57y50
(何処かの街 酒場 夜)
勇者「おい、さっきの話は本当か?お前が魔王を倒した勇者だってのは?」
♀勇「え、あ、まぁ、はい、そうです」
勇者「な…何で黙ってたんだ?」
♀勇「んと、えと、その…」
僧侶「それは…魔王を倒しても、目指す世界平和にはまだ遠い…
   ですから♀勇者様は、その事をあまりお話にならないんです」
勇者「………何…だと………」
戦士「まぁまぁ、それぐらいにしとけよ」
魔法「ほら、料理が来たぜ!」

134: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:01:40.67 ID:aFom57y50
勇者(俺だって勇者だぞ?魔王討伐は憧れの一つだ…)
勇者(ある意味、その為に旅に出たってのに…先越されてたってのか…?くそっ!)
勇者(しかも、こんな甘ちゃんの♀勇者に…ふざけんな!)
戦士「…なぁ、ステーキの付け合せ、食わないのk」
勇者「食うし!」

135: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:03:17.10 ID:aFom57y50
遊び人女達が あらわれた! 

遊び人女A「あらぁ…こちらのお兄さん達、随分ご機嫌じゃない?」
遊び人女B「イケメンがいっぱい…」
遊び人女C「って、なぁに、お子様連れなのぉ?じゃぁねん」

遊び人女達は 去って行った!

僧侶「お子様…ですか」チラッ
魔法「誰のことだろうねぇ」チラッ
戦士「き、気にする事ないって!な?」
♀勇「ぐすん…そんな小さくないもん」
勇者「そのお子様ランチのせいだと、俺は思うんだが?」
♀勇「こ、これは、おもちゃの為に頼んだんです!」

137: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:04:41.14 ID:aFom57y50
(何処かの街 宿屋 夜中)
勇者(明日はいよいよ、人型の魔物が住む、廃墟の教会がある森へ出発だな)
勇者(今度こそ…今度こそアイツを仕留める!)
勇者(何か興奮して眠れねぇな…)ゴロン

勇者は 寝返りをうった!

魔法「ふひっ。ふひひひっ。ははっ、ワロスwwwww」
勇者(こんな夜更けまで水晶板で遊んでるとは…ノンキなヤツだな)

138: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:06:14.57 ID:aFom57y50
(何処かの街 森への道 朝)
魔法「なぁ勇者。その廃墟の教会って、2日も歩けば着くんだろ?」
勇者「ああ。そんぐらいだな」
♀勇「お空を飛んで行けたら、早いんですけどねぇ」
僧侶「全くですねぇ」
戦士「つ、疲れた時は、俺がおぶさるから心配するな?」

戦士は 妙に張り切っている!

♀勇「では、行きましょうー!」

♀勇者達は 村を出発した!

140: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:08:24.30 ID:aFom57y50
(魔界 魔王城 とある一室)
少女「ねーぇ、賢者は?今日も賢者はお部屋から出てこないの?」
スラ「昨日からずっと、お部屋から出てこないよねぇ…」
部A「ちょっと、調子が悪いそうですよ…?
   賢者は『人』ですから、そういう事もあるんです」
少女「大丈夫かなぁ」
スラ「心配だねぇ」
部A(魔法の水晶球を持ったきり、部屋から出てこないなんて言えません…)

141: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:09:52.55 ID:aFom57y50
(魔界 魔王城 とある一室)
賢者(勇者殿…やはりあの廃墟の教会に、向かうんですね…)
賢者(魔物の少女が、かつて私達PTを襲ったあの教会)

賢者は 水晶球をじっと見つめている。

賢者(あの頃の少女は、自分の心をコントロールする術を持ってませんでした)
賢者(だから、住処を荒らした私達に怒り、襲い掛かってきた)
賢者(本当は、純粋で心優しい良い子なのに)
賢者(私、あの子に制御術を教えてあげたんですよ、勇者殿)
賢者(ああ、話したい事が沢山あるのに…)

143: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:12:45.37 ID:aFom57y50
賢者(それにしても…この教会…
   何故、今も魔物がいると言われてるのでしょうか?)
賢者(私と魔物の少女は、とうの昔にここを去ったというのに…)
賢者(何か別の魔物でも現れたのでしょうか?)
賢者(ああ…勇者殿…こうして見守る事しか出来ず、私は心配です…)

賢者は 水晶球をじっと見つめている。

145: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:14:52.99 ID:aFom57y50
(魔界 魔王城 図書館)
部A「魔王様。今日は、新しい業をお教えしますね」
少女「新しいの?」
部A「魔王様の特技の一つ。『魔物を生み出す』です」
スラ「はー。魔王の力って、すごいんだねぇ」
少女「出来るかなぁ?」
部A「ええ、出来ますとも!さぁ、まずはお勉強です!」

146: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:16:30.93 ID:aFom57y50
(数日後 魔王城 地下実験室)
部A「それでは、魔王様。この暗黒の種を持って、ここにある台に乗ってください」
少女「うん…」
部A「目の前にある、黒の井戸に手をかざして下さい」

少女は 井戸に手をかざした

部A「それでは魔王様…
   先日、私が教えた通り、身体の中のオーラを手から放出してみてください」
少女「うーんうーん…」
スラ「がんばれ!少女、がんばれっ!」ぴょんぴょん
少女「うくくくくくっ」

少女の身体から 闇のオーラがあふれ出す!

部A「さぁ、今です!種を井戸へ落として!」

158: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:44:20.88 ID:OSiSEEu00
ぼわぼわぼわぼわ ぶわぶわぶわわ
井戸は 煙を吐き始めた!

少女「わわわわっ!怖いよ、スラ!」
部A「大丈夫です、ただの煙です!」
部A(ちょっと多すぎな気がするけど…)

バババババッ!
井戸は 光を放った!

少女「ひゃあー!」
部A(あれ?こんなエフェクトあったかしら?)
スラ「…大丈夫かな?」
部A「い、いよいよ生まれますよ…新しい魔王様の、最初の部下が…」

井戸から 激しい風が吹き出した!

159: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:46:37.97 ID:OSiSEEu00
??が あらわれた!
??は ぼーっとしている
??は うねうねうごいている

部A「なにこれ」
少女「真っ黒…」
スラ「ぶよぶよでずるずるしてる…スライム?」

??は のたくっている

部A「どうやら…今回の精製は失敗の様、ですね…?」
少女「失敗しちゃった?」
部A「まぁ、初めてですからね。仕方ないです」
少女「(´・ω・`)」

162: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:48:42.75 ID:OSiSEEu00
部A(はぁ、また一から種を育てないと…)

部下Aは メガネをかけて棚の本を読み始めた

部A「失敗例、失敗例…あったあった。
   魔王様。これは"ブラックウーズ"と呼ばれる物です
   精製に失敗した時のみ現れる、不定形の…悪魔だそうです」
スラ「悪魔?」
少女「なにそれ?」
部A「そうですね…魔物に近いですが…ちょっと違う物です」

賢者「少女、スラ、部下Aさん…ご心配をおかけしました…
   そろそろごはんにしましょう」

賢者が あらわれた!

163: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:50:26.72 ID:OSiSEEu00
少女「け、けんじゃー…」
賢者「どうしました?」
部A「魔王様が…悪魔をお産みになりまして」
賢者「悪魔…ですか?何だか、コールタールみたいですね」
??「ウ…ウウ…」のてのて のたり

悪魔は 賢者に飛びついた!
賢者は 床に倒れてしまった!

賢者「きゃあっ!」

悪魔は 賢者の心を読み取った!
悪魔は モシャスンをとなえた!
悪魔は 勇者に姿を変えた!

賢者「!!」

164: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:53:28.93 ID:OSiSEEu00
悪魔「ヴウ…ウウヴ…うあ…お。こりゃ良いイメージ素体だ」
賢者「?!」
??「よし、しばらくはこいつになるか」

悪魔は ぴょんぴょん飛び跳ねた
悪魔は 腕をぶんぶん振り回した

少女「…誰?」
??「俺か?俺は…そうだなぁ…"偽勇者"だ」

悪魔は 偽勇者になってしまった!

166: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:55:31.55 ID:OSiSEEu00
偽勇「賢者…相変わらずのデカ乳だな?」
偽勇「なぁ。酒ねえのかよ、酒」
偽勇「おい、逃げんなってスラ。遊んでやる」
偽勇「随分よわっちそうな魔王だな。こんなんでやってけんのか?あぁーん?」

偽勇者は 傍若無人にふるまっている!

賢者(ああ、この口の悪さ…この素行の悪さは…まさしく勇者殿だ…)

167: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 04:57:45.62 ID:OSiSEEu00
部A「おい…魔王様に対して何て無礼な…口の聞き方に気をつけろよ、小僧」
偽勇「るせぇヒスばばぁだな、ったく。更年期かw」
部A「何…だと…?」
偽勇「それか…欲求不満か?ははっ」
部A「………あまり私を怒らせない方が良い…」
偽勇「はっ。望むところだ。やるかぁ、あぁん?」
部A「…生まれたてのお前なぞに、よもや私が負けるワケがなかろう?
   氷の魔物の恐ろしさを…お前に味あわせてやる」

場の空気が 凍りついた!

168: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:00:57.03 ID:OSiSEEu00
少女「部A!ケンカやめて!」ぎゅう

少女は 部下Aの薄い胸に飛び込んだ!

部A「…魔王様………申し訳ございません。少々取り乱しました」
少女「…キライ」
偽勇「あぁー?」
少女「にせゆうしゃ、キライ!いーっだ」
少女は 舌を出した

偽勇「ちっ。可愛くねぇガキだな!へっ」

偽勇者は 悪態をついた!

171: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:03:07.06 ID:OSiSEEu00
(魔界 魔王城 賢者の寝室)
賢者(ああ…眠れません…困りました)
賢者(とはいえ、魔界には昼も夜もないのですが…)

賢者は 窓辺に歩み寄った

賢者(しかしあの偽勇者は…本物の勇者殿にそっくりだった…)
賢者(偽者とは判っています。しかし、まさか、この様な形でまた逢えるとは…)
偽勇(……… ……… ………)

偽勇者は 賢者の寝室に忍び込んだ!

174: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:05:12.37 ID:OSiSEEu00
偽勇者が あらわれた!
偽勇者は 不適な笑みを浮かべている。

偽勇「あんた…賢者の癖に、心の中が隙だらけだぜ?」
賢者「?!」

偽勇者は 賢者を羽交い絞めにした!

偽勇「俺は"悪魔"だからな…少し心が読めるんだよ」
賢者「な、あ、ゆ、ゆうsy」
偽勇「黙れ」

賢者は 唇で口を塞がれた!

176: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:07:26.50 ID:OSiSEEu00
偽勇者の目が あやしく光った!
何と 賢者の身体から力が抜けてしまった!
賢者は ぼんやりと天井を見ている!

偽勇(この女…相当"勇者"に惚れてるな…心が勇者の事でいっぱいだ)
賢者「……… ………」

偽勇者は 賢者に覆いかぶさった!

179: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:08:58.07 ID:OSiSEEu00
偽勇「なぁ。どうして、俺が生まれたか判るか?」
賢者「……… ………」
偽勇「俺達"悪魔"は『人』の強い願いに引かれ、で呼ばれる。
   あんた最近、ずーーっと"勇者"の事考えてたろう?」
   あんたのやらしい思い。魔王城ん中いっぱいに溢れて溜まってたぜ?」
賢者「……… ………」


180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 05:09:07.52 ID:RHEDLdBa0
少女からこんな子が生まれたのか…

182: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:11:37.89 ID:OSiSEEu00
偽勇「なぁ…叶えてやるよ、あんたの願い」べろん
賢者「……… ………」
偽勇「あんたは、勇者に逢いに地上へ戻りたいと思ってる」
賢者「……… ………」
偽勇「その勇者の元へ、あんたを帰してやるよ」
賢者「……… ………」
偽勇「さーあ、どうする、賢者…?」ぺろ

185: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:13:47.81 ID:OSiSEEu00
賢者の瞳から 大粒の涙がこぼれた!

偽勇「そうか。それがお前の答えだな?…判った…くくく」

偽勇者は 悪魔の微笑を浮かべた!

偽勇(これでこいつは堕ちたも同然…
   悪魔は『人』の願いを叶えた対価として、願った者であるこいつの魔力を根こそぎ頂ける。
   そして、邪魔な部下Aと、チビっ子魔王を倒せば、
   俺様がこの魔界を乗っ取れるってワケだ…くっくっく…)

186: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:15:50.20 ID:OSiSEEu00
(魔王城 地下実験室)
偽勇「この水晶球の力を使えば…ほらな。出た」

偽勇者は 水晶球をかざした!
水晶球が あやしく輝く!
何と地下実験室の中に 闇の扉が出現した!

偽勇「先々代の魔王の、隠しコマンドってヤツだ。
   魔王のヤツはここに、地上に通じるゲートを隠してた。
   愛しい地上の女の元に交わりに行く為にな。この水晶は、その鍵だ…」
賢者「……… ………」
偽勇「さぁ、行くぜ。お前の愛しい男の元にな…」

偽勇者は 賢者を抱きかかえ扉をくぐった!

187: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:18:52.60 ID:OSiSEEu00
(何処かの森 廃墟の教会 裏庭 夜明け)
闇の扉が 現れた
中から 賢者があらわれた!
中から 偽勇者があらわれた!

偽勇「お前が一番訪れたいと願っていた場所に繋がったが…
   ずいぶんと、辺鄙なところだな…」
賢者「……… ………」

賢者は ぼーっとしている。
偽勇者達は 教会の中へと入った

偽勇「では、契約を遂行する。願いを叶えた代償に、お前の魔力を頂こうか」
賢者「……… ………」
偽勇『さぁ、服を脱げ』

189: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:22:25.89 ID:OSiSEEu00
(何処かの森 廃墟の教会の近く 夜明け過ぎ)
♀勇「あ、見えました。あの教会ですよね」
僧侶「大きな教会ですねぇ」

♀勇者達が あらわれた!

勇者「俺達が先に中の様子を伺ってくるから、♀勇者と僧侶はここで待っててくれ」
♀勇「はい。判りました。くれぐれも気をつけて…」
戦士「それじゃ、行くぞ」
魔法「ああ」

勇者達は 教会へと先に向かった!

190: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:24:45.18 ID:OSiSEEu00
(何処かの森 廃墟の教会 庭)
勇者「誰かいるぞ?」
戦士「おい…何でこんなところにカップルが…?」こそこそ
魔法「こんな朝から、逢引かぁ?」こそこそ

偽勇者と賢者はこちらに気づいていない

偽勇『さぁ、服を脱げ』
賢者『……… ………』

賢者は 衣服を脱ぎ始めた

魔法「ちょっ!」

勇者達は 何かがみなぎるのを感じた!

192: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:29:00.06 ID:OSiSEEu00
(何処かの森 廃墟の教会 礼拝堂内)
勇者「………」
戦士「も、もっと近くに寄ろう…」
魔法「ああ」

偽勇者と賢者はこちらに気づいていない

偽勇『お前の身体の最奥から、魔力を吸い取ってやろう』
賢者『……… ………』

賢者は 装備を全てはずした
賢者の守備力が 0になった

魔法「………」ごくり
勇者(………あの女…似ている………)

193: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:34:41.77 ID:eH7dBfLq0
賢者は ぼーっとしている
賢者は 廃墟のベンチに腰を降ろした

勇者(………あいつが突然去って、数年………)
勇者(………あいつは幼馴染だった………)

賢者は ベンチに身体を横たえた
賢者は 太ももを広げた
勇者は 賢者の右内ももに三連星のほくろを見つけた!

勇者(………あのほくろ、見間違えるわけない………)
勇者(………やっぱりあいつは、俺の仲間だった"賢者"だ!………)

勇者は 物陰から飛び出した!

魔法「お、おいっ?!」
戦士「何だぁ?」
勇者「………けんじゃぁ!!」

195: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:39:14.89 ID:qu4UrkVU0
(何処かの森 廃墟の教会の近く)
♀勇「遅いですね…三人とも」
僧侶「そうですねぇ」
??「ヴヴヴ…」
??「フシュー…」

??が あらわれた!
??が あらわれた!

僧侶「ま、魔物っ?!」

僧侶は ルーンスタッフを構えた!

??「ヴヴーーヴ!」
??「フッシュ!シュシュー!」
♀勇「………?」

196: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:41:48.02 ID:qu4UrkVU0
♀勇「そ、僧侶さん待って!」
僧侶「♀勇者様?」

♀勇者は ??に歩み寄った!

♀勇「あなたは…じごくのきしさん。あなたは…ホロゴーストさんですね?」
??「?! ゴエ゛ ギゴエ゛ル゛ガ?」
??「フシュシュー…?」
♀勇「ちゃんと聞こえますよ…貴方達の声。私は、聞けるんです」ニコ

197: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:45:14.41 ID:qu4UrkVU0
(魔界 魔王城 賢者の寝室)
少女「けんじゃー…けんじゃー」こそこそ

少女が 枕を持ってあらわれた

少女「ねぇ、一緒に寝よう?…って、あれ?

少女は 話しかけた
その方向にはだれもいない
賢者の部屋は もぬけの空だった!

少女「いない…賢者がいないよぉ!」

200: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:47:57.70 ID:qu4UrkVU0
(魔界 魔王城 賢者の寝室)
少女「ふえぇーん………!」
スラ「少女!どうしたの?」ぴょんぴょん
部A「魔王様?!いかがなさいました?」バタバタ

スライムが あらわれた!
部下Aが あらわれた!

部A「ああ、落ち着いて。大丈夫ですよ、魔王様」なでなで
少女「賢者、いないの…」ぐすん
部A「賢者は一体、何処へ…?」
スラ「くんくん。賢者の匂い。こっちこっち」

201: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:50:00.59 ID:qu4UrkVU0
(魔王城 地下実験室の前)
スラ「こっちこっち。賢者の匂い」ぴょんぴょん
部A「実験室…?こんなところにいるんですかね?」バン

部下Aは部屋の扉をあけた!

スラ「あれ…?ドアがある」
部A「何でしょうか、この扉は…昨日まではありませんでしたよね…」
スラ「匂いは…この扉の前で消えてるよ」
少女「ねぇ、これ開ければ良いの?」バン
部A「あ、無闇に開けては…」

少女は 扉を開いた!

202: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 05:52:54.62 ID:qu4UrkVU0
(何処かの森 廃墟の教会 礼拝堂内)
偽勇者は ゆっくりと振り返った!

戦士「なあ…魔法使い…」ごくり
魔法「あ、ああ…」
勇者「???」

勇者達は おどろき立ち止まっている

戦士「…うちの勇者は…ここにいるよな?」
魔法「ああ…」
勇者「???」
戦士「あの男……勇者に似てないか?」
魔法「俺もそう思う…似てるってか…クリソツじゃねぇか」
勇者「………」

魔法使い達は おどろいている!

204: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 06:02:39.50 ID:qu4UrkVU0
偽勇「これはこれは…本物の勇者のおでましってか」
勇者「賢者に触んじゃねぇぞ、クソ野郎」
偽勇「なるほどな。あんたがここに来るから、この女はここを選んだのか」

賢者は ぼーっとしている

戦士「あの女…勇者の知り合いか?」
勇者「ああ」こくり
魔法「…目つきがおかしい。何かの術にかけられてる」
勇者「そうか…」
偽勇「ジャマするなら、殺すぞ?」

勇者は 武器をかまえた!

205: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 06:04:57.62 ID:qu4UrkVU0
偽勇「俺様を、その辺の魔物と一緒に思ってもらっちゃ困るぜ」

偽勇者の右腕に 炎がやどった!
偽勇者の左腕に 吹雪がやどった!

偽勇「右手に炎…左手に氷…マヒャドラゴン!」

偽勇者は 黒い焔を放った!

勇者「なん、だ?」
戦士「やべぇ、よけろ!」
魔法「マ、マホカウンタ!」

勇者達は 吹き飛ばされた!

206: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 06:10:42.52 ID:qu4UrkVU0
魔法「こんな魔法、知らねぇぞ、俺は!」
勇者「んあぢぃっ!んづめてぇ!」
戦士「こいつ…ただの魔物じゃねぇな?」
偽勇「言ったろう?一緒にして貰っちゃ困るって」

偽勇者の右腕に 炎がやどった!
偽勇者の左腕に 吹雪がやどった!

偽勇「マヒャドラゴン!」
魔法「ベ、ベギラゴン!」
戦士「くそっ!こんなに派手に呪文やられちゃ、助けに行けねぇ!」
勇者「賢者………」

賢者は教会のすみで ぼーっと座っている

207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 06:13:03.60 ID:/sdIOGIWO
ロトの紋章でこんなのあったな

208: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 06:16:00.93 ID:qu4UrkVU0
(何処かの森 廃墟の教会の近く)
(かくかく しかじか)
♀勇「ああ、そうだったんですか…
   貴方達は、以前ここで亡くなられた冒険者達だったんですね?」
じご「ゴウ」
ホロ「フシュルー…」
♀勇「訪れる人に、身振り手振りで弔って欲しいって事を伝えようとしたら、
   じごくのきしさんの声は、やけつく息攻撃になってしまい、
   ホロゴーストさんは、全部死の踊りになってしまった、と」
僧侶「だから、討伐隊が誰一人帰ってこなかったんですね…」

じごくのきしは おちこんでいる
ホロゴーストは おちこんでいる

210: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 06:18:06.90 ID:qu4UrkVU0
♀勇「大丈夫ですよ!私達がきちんと弔います!」
僧侶「僧侶の私が、きちんとお祈りいたします。安心して下さい」

♀勇者は、小さな胸を軽く叩いた!

♀勇「さぁ、事の真相を勇者さん達に伝えに行きましょうか!
   貴方達は、ここにいて下さいね」
じご「ゴゴーヴ!」
ホロ「フシュシュー!」

♀勇者達は 教会へと向かった!

211: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 06:21:03.35 ID:qu4UrkVU0
(何処かの森 廃墟の教会 裏庭)
闇の扉が 現れた
中から 少女達があらわれた!

少女「きょ…教会だ!」
スラ「ボクたちのおうちだ!」
部A「え…教会…?魔王様が以前住んでいらしたという、人間界での"おうち"の事ですか?」
少女「そうだよ!そうだよ!わあー!」
スラ「前とおんなじだぁ!」

少女とスライムは 教会へと駆け出した!

213: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 06:26:18.85 ID:qu4UrkVU0
(何処かの森 廃墟の教会 礼拝堂内)
偽勇「メラマダイン!」
魔法「マ、マヒャード!」
偽勇「マヒャドラゴン!」
魔法「ベ…ベギラゴン!」

魔法使いは 片膝をついてしまった

偽勇「くくく…そろそろMPも尽きる頃かぁ?」
魔法「………ちぃ」

偽勇者は 高らかに笑っている

戦士「……と、飛び膝蹴り!」
偽勇「ふん…くだらん」

偽勇者は 氷の防具を身にまとった!

偽勇「飛び膝蹴り、蹴り返しぃ!」
戦士「ぐあっー!」

戦士は 壁にたたきつけられた!

勇者「戦士ぃ!」

214: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 06:28:52.32 ID:qu4UrkVU0
戦士「…計画通り」ニヤリ

戦士は 素早く賢者に駆け寄った!

戦士「勇者ぁ、受け取れぇ!がんせきおとし!」
偽勇「なにぃっ…?!」

戦士は 賢者を放り投げた!
勇者は 賢者を抱えて走り出した!

賢者「……… ………」
勇者「に、逃げるぞ!」

216: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 06:32:03.14 ID:qu4UrkVU0
偽勇「逃がすかよっ…!メラマダi」
魔法「………マホトロン!!」

偽勇者は 口を封印された!

偽勇「くぁwせdrftgyふじこlp!」
魔法「っ…はは…やった…」

偽勇者は 呪文を封印されている!

217: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 06:36:32.45 ID:qu4UrkVU0
(何処かの森 廃墟の教会 礼拝堂 入り口)
♀勇者達が あらわれた!
少女達が あらわれた!

♀勇「あ、あの…」 少女「誰?」
スラ「人間……?」 僧侶「スライム…?」
部A「人と魔物…?お前達は一体何者だ?」

勇者と賢者が あらわれた!

部A「賢者!」少女「賢者!」スラ「賢者!」
♀勇「勇者!」僧侶「勇者!」



225: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 07:53:35.75 ID:qu4UrkVU0
賢者『……… ………』
♀勇「ゆ、勇者さん?!その裸の女性は…?」
僧侶「な、なんて破廉恥なっ…」

僧侶は顔を赤らめている

少女「賢者、どうしたのっ?!」
スラ「賢者をはなせーっ!」ガプッ

スライムは 勇者に噛みついた!

勇者「いてぇっ?!」

226: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 07:58:01.27 ID:qu4UrkVU0
部A「偽勇者…貴様…け、賢者を離せ…」にじり
勇者「おい、ちょ、まてよ」
賢者『……… ………』

部下Aは 一歩近づいた
勇者は 一歩下がった

僧侶「あ、新たな魔物…っ?」
♀勇「うちの勇者に、何か用ですかっ?」にじり

♀勇者は 部下Aに一歩近づいた!

勇者「も、戻るしかねぇっ!」
賢者『……… ………』

勇者と賢者は 礼拝堂の中に戻った!

228: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:06:23.01 ID:qu4UrkVU0
(何処かの森 廃墟の教会 礼拝堂内)
勇者達が あらわれた!

僧侶「え、勇者が…二人?!」
♀勇「ど、どういう事ですか?」

偽勇者が あらわれた!

偽勇「qあwせdrftgy?!」

偽勇者は 呪文を唱えた!
しかし呪文は 封じられている

229: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:12:04.81 ID:qu4UrkVU0
部A「偽勇者………」
♀勇「えっ、偽、勇者?」
部A「ああ…あいつは…"悪魔"だ。人間の姿に変身した、な」
♀勇「悪…魔ですか」

部下Aは 全身に吹雪を纏わせた!
部下Aは 氷の鎧を身に纏った!

部A「人間の女よ、諸々の説明はあとだ。
   今は手を貸せ。私は賢者を攫ったあの悪魔を倒さねばならぬ」
♀勇「…はいっ!」

部下Aが 戦闘に加わった!

231: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:14:10.18 ID:qu4UrkVU0
魔法「くそっ………そろそろ、封じが解けるぞ…」
偽勇「tgyふじこl……もpが…ぶはぁっ!」

偽勇者の 封じが解けた!

偽勇「ふざけやがって…クソ人間が…」
勇者「さぁ、偽物さんよ。今度は、思い切りやらせてもらうぜぇ…」

勇者は 武器を構えた!

♀勇「本当に…偽物なんですね」
部A「ああ。間違いない」
戦士「似てるからって、気を抜くなよ」
♀勇「はいっ!」

♀勇者は 武器を構えた!
戦士は 深く腰を落とした!

232: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:18:31.43 ID:qu4UrkVU0
勇者の 攻撃!
♀勇者の 攻撃!

偽勇「氷の…壁ぇ!」

偽勇者は 空中に氷の壁を作った!

♀勇「きゃあっ!」
勇者「くそっ!」

勇者達は 跳ね飛ばされた!

234: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:22:39.52 ID:qu4UrkVU0
偽勇「よくも…俺様の呪文を封印してくれたな…死ねぇええー!…」

偽勇者は いきり立って魔法使いに襲いかかった!

魔法「うあ ちょ やべ」
戦士「…うらぁーっ!!」

戦士は 正拳突きを放った!
偽勇者は 壁にたたきつけられた!

偽勇「ぐぬぬぬぅっ…」

戦士「肉弾戦なら、負けねぇぜ?」

235: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:24:56.49 ID:qu4UrkVU0
部A「偽勇者…お前は魔王様を哀しませた。その罪は万死に値するぞ?」

部下Aは 氷のつららを生み出した!

部A「…凍てつく氷槍っ!」
偽勇「しゃ、灼熱の盾ぇ!」

偽勇者は 炎の盾で氷槍を受け止めた!

魔法「スキあり!ベラギラゴン!」
偽勇「せ、…千本氷樹ぅ!」

偽勇者は 無数のつららを生み出した!
偽勇者は 炎の波を 相殺した!

部A「おい、人間の男。手助けしろ」ニヤ
魔法「よし…炎なら、任せろ!」

236: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:28:58.68 ID:qu4UrkVU0
♀勇「てやああぁあぁ!」
勇者「うらあぁぁ!」
戦士「ごるぁああ!」

勇者と♀勇者と戦士の 攻撃!

偽勇「ムダだぁ!…氷の盾!」ガキン
部A「…私もいるぞ?」

部下Aは 氷の剣で斬りかかった!

部A「氷樹の刃ぁ!」
偽勇「ほ、炎のブレスゥ!」

偽勇者は 灼熱の吐息で氷の剣を溶かした!

238: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:33:13.95 ID:qu4UrkVU0
偽勇「ぜぇ…はぁ…はぁ…」

偽勇者は 肩で息をしている!

魔法「よそ見してんじゃねぇぞ、メラマーゾ!」
偽勇「マ、マヒャードォォォォ!!」

もくもくもくもくっ! もくくくくっ!
辺りに水蒸気が 立ちこめた!

全員「!!!!!!」

239: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:36:23.33 ID:qu4UrkVU0
モクモク モクモク

魔法「わりぃ!やっちまったぁ!」
♀勇「わあっ…な、何も見えませんっ」
戦士「くそぉ…くそぉー!」
部A「偽勇者ぁー!何処だぁ!」

水蒸気が 晴れた!

勇者「?!」
勇者「?!」

なんと 勇者が二人になってしまった!

240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 08:36:49.48 ID:9mxyqpqLO
おやくそくww

241: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:38:48.95 ID:qu4UrkVU0
勇者「………」
勇者「………」
勇者「なぁ、みんな。判るよな?お、俺が本物だ」
勇者「こ、このおしゃべりクソ野郎…ウソつくんじゃねぇ」

♀勇者達は こんらんしている!

♀勇「えっ…と…」
部A「ど、どっちが偽勇者だ?」
戦士「あの偽物野郎ぉ…」ギリリ
魔法「見分けがつかねぇ…」

242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 08:39:14.74 ID:/qPFEac10
勇者「私だ」
勇者「お前だったのか」

243: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:42:36.90 ID:JW1k+mrR0
勇者「ふ、ふざけんなぁ!」
勇者「てめぇこそ!」

勇者の 攻撃!
勇者は 斬りかかった!

勇者「自分を攻撃するなんて…ヤな感じだぜ」
勇者「おい、何してんだ!手を貸してくれ!」

勇者の 攻撃!
勇者は斬りかかった!

♀勇「ど、どうしましょう」オロオロ
部A「これでは…手を出せんな」
戦士「どうするよ…」
魔法「俺に聞くなよ」

♀勇者達は ますますこんらんしている!

244: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:45:08.33 ID:JW1k+mrR0
勇者「うらあぁあぁあ!」
勇者「ゴルァアアアアア!」

勇者の 攻撃!
勇者は 斬りかかった!
勇者の 攻撃!
勇者は 斬りかかった!

♀勇(ど、どうしましょう…)
♀勇(ど、どうしましょう…)
♀勇(ど、どうしましょう…)
♀勇(そうだ!)

♀勇者は 何かひらめいた!

246: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:51:54.32 ID:JW1k+mrR0
♀勇「勇者さん!"太陽拳"です!」
勇者「!!」

勇者は 勇者の証を天にかかげた!

勇者「なぁ、お前。クリリンの太陽拳って知ってるか?」ニヤ
偽勇「あ?」

勇者は まぶしいひかりをはなった!

偽勇「うわああぁああ?!」

偽勇者は 目がくらんでしまった!

247: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:56:13.64 ID:JW1k+mrR0
戦士「い、今だ!」
勇者「行くぜ!」
♀勇「行きますよ!」

戦士の 攻撃!
勇者の 攻撃!
♀勇者の 攻撃!

偽勇「ぐわあああああぁ!」

偽勇者に ダメージを与えた!

248: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 08:59:47.67 ID:JW1k+mrR0
魔法「なぁ、あんた。手を貸してくれ」
部A「…良かろう」

魔法使いの 攻撃!
部下Aの 攻撃!

魔法「メラマーゾ!」
部A「マヒャード!」
偽勇「ウ…ウガアァアァーー!」

偽勇者に 大ダメージを与えた!

250: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:04:50.97 ID:JW1k+mrR0
偽勇「ヴ…ヴヴ…」
部A「…もう動けまい…」
♀勇「観念なさい!」

偽勇者は 身体を大きく振るわせた!

偽勇「悪魔を…な、め、る、な」

偽勇者は 窓を蹴破った!
偽勇者は 外に飛び出した!

勇者「ちいっ!あの野郎っ!」

251: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:07:45.33 ID:JW1k+mrR0
(何処かの森 廃墟の教会 庭先)
僧侶は 天に祈りを捧げた!

僧侶「おお神よお力を!忌まわしき呪いを賢者より消し去り給えっ!」
賢者『……… ………』

賢者は ぼーっとしている

僧侶「駄目です…解けません…これで5度目なのですが…」
少女「賢者…起きて…」ゆさゆさ
スラ「ぴぃ…」

253: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:12:58.86 ID:JW1k+mrR0
スラ「賢者…」
少女「賢者…」ぐすん
僧侶「も、もう一度やってみまsy」

ガチャーン!

僧侶「な、何ですか!」

偽勇者が 現れた!

偽勇「ジャマだぁぁー!退けぇええぇー!」

偽勇者は 賢者をさらった!
少女は 突き飛ばされてしまった!

少女「きゃあぁっ!」

254: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:17:03.85 ID:JW1k+mrR0
勇者達が あらわれた!

勇者「…賢者ぁ!」
部A「偽勇者…」ギリリ

偽勇者は 賢者の喉先に剣を向けている

偽勇「動くなよ…お前ら…」
全員「!!」

偽勇者は 賢者ののどに噛みついた!

偽勇「よくも…悪魔である俺様をコケにしてくれたな」ガプリ
賢者『……… ………』
偽勇「ゲフっ。よし…これで魔力はだいぶ回復だぜ…」ポイッ

賢者は 魔力を吸い取られてしまった!
賢者は 地面に倒れてしまった

255: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:22:00.96 ID:JW1k+mrR0
偽勇者は 死の囁きを唱えた!

偽勇「悪霊共よ…出てこい…」

冷たい鬼火が あらわれた!
鬼火は 戦士に襲いかかった!

戦士「…はじき飛ばしてやるっ!」

鬼火は 戦士の身体をすり抜けた!

戦士「ぐ、ぐああぁ…?!」

戦士は 倒れてしまった!

257: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:25:04.23 ID:JW1k+mrR0
♀勇「せ、戦士さぁん!」
僧侶「す、すぐ蘇生措置を…」あたふた

偽勇者は さらに鬼火を呼び出した!

勇者「まずい…な」
♀勇「こ、こんな魔物がいるなんて」
魔法「どうすりゃいいんだ…」

偽勇「悪魔の誇りにかけて…お前達を殺す…」

260: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:32:10.79 ID:JW1k+mrR0
少女「けん、じゃ」
賢者『……… ………』
少女「けん、じゃぁ」ぐすん
賢者『……… ………』
少女「けんじゃぁああぁぁっー!!」
賢者『……… ………』

少女は 鋭いツメを生やした!
少女は 太いしっぽを生やした!
少女は 真っ黒なつばさを生やした!
少女は 折れ曲がったツノを生やした!

少女「gururururururur…ガァッ!」

少女の体が ふくれあがった!
少女は 巨大な闇竜へと姿を変えた!

261: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:35:37.51 ID:JW1k+mrR0
闇竜「グアァッー!ガルルルルrrrrr…」
偽勇「な なんだお前、は?」

少女は 偽勇者をしっぽではじき飛ばした!

偽勇「グアアアッ?!」

偽勇者は 教会の壁に叩きつけられた!

部A「魔王…様…」
♀勇「えっ?」
魔法「魔王…だと…?」
スラ「い、いけない!みんな、急いで逃げてっー!」

勇者達は 庭奥へと逃げ出した!

265: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:39:21.05 ID:JW1k+mrR0
闇竜の 攻撃!
闇竜は 偽勇者をはじき飛ばした!

偽勇「グ…ヴ…く、食らえ…」

偽勇者は 鬼火をけしかけた!

闇竜「グガアァー!」

闇竜は 闇の翼を羽ばたかせた!
鬼火は かき消されてしまった!

偽勇「何ぃいぃ?!」

267: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:45:05.08 ID:JW1k+mrR0
闇竜は 黒い焔をのどから吐き出した!
黒い焔が 偽勇者に襲いかかる!

偽勇「や、やべぇ!」

偽勇者は かろうじて避けた!

闇竜「ガガガガgg…ゴアァ!」

闇竜は 大きな足で偽勇者を踏みつぶした!

偽勇「ガアァアア!」

闇竜は 偽勇者に噛みついた!

偽勇「ヴァガアアア!」
偽勇(魔王って…こんなに強いのかよ…チートじゃねぇか!)

269: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:50:32.37 ID:L5ywQrTl0
闇竜は 偽勇者を振り回した!

偽勇(おれ、が…あくまの、おれが…)
偽勇(まける、のか?ま、まおうに?まものに?)
偽勇(まかいを まかいを てにいれるハズが)
偽勇(こんなハズじゃ ハズじゃ…)

闇竜は 偽勇者を噛み千切った!

偽勇「ぎょえーーーー!」

偽勇者を 倒した!

271: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 09:57:25.18 ID:L5ywQrTl0
(何処かの森 廃墟の教会 庭奥)
部A「魔王様が…」
♀勇「偽勇者…悪魔が…あんな強いのが…」
勇者「強えぇ…強すぐる…」

闇竜は 身体を振るわせた!
しゅしゅしゅしゅしゅ…
闇竜は 少女の姿に戻った!

少女「けんじゃ…やったよ 賢者…」

少女は 倒れてしまった!

272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 09:58:17.16 ID:/sdIOGIWO
Oh…ジュラッシックパーク

274: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 10:00:26.70 ID:L5ywQrTl0
(何処かの森 廃墟の教会 礼拝堂内)
僧侶「こ、今度こそ…今度こそ!」

僧侶は 祭壇に祈りを捧げた!

僧侶「おお神よ!おお我が主よ!
   全知全能の神よ!どうかお力を!
   賢者より忌まわしき呪いを消し去り給えっ!」
賢者「……… ……… ……… ……… はっ」

賢者は 目を覚ました!

僧侶「や、やった!成功しました!
   み、みなさん、賢者さんが…賢者さんが目を覚ましました!」
全員「!!!!」
僧侶「よ、よーし…次は戦士さんの番、そして少女さんの番ですよ!」

僧侶は 張り切っている!

275: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 10:04:23.36 ID:L5ywQrTl0
(かくかく しかじか)
部A「そういうワケで、あの悪魔はお前の願いで召還され、
   お前を連れて人間界に来たというワケだな?」
賢者「はい。確かにそう言っていました。
   申し訳ありません…私が…勇者殿に逢いたいと願ったばかりに…」
部A「悪魔が魔界を征服しようとしてたとは…危なかった」
賢者「賢者たる者、悪魔に魅入られてしまうとは…面目ない」
勇者「賢者………」

賢者と勇者は 見つめ合っている

賢者「勇者…殿…」
賢者「ああ…ご立派になられて…」
勇者「お、お前こそ…その…」

甘い空気が 礼拝堂に広がった!

277: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 10:19:44.67 ID:L5ywQrTl0
(かくかく しかじか)
スラ「というワケで、少女は…竜になれる魔物の女の子なんだ…」
勇者「…俺…前、ここであいつに襲われた事がある…」ぶつぶつ
スラ「え?あ!あの時の人間?!」

スライムは おどろいている!

勇者「あの時は、悪かったな。俺は…まだ若かったからな」
スラ「も、もう、ボク達を襲わなきゃ、い、いいよ!」
勇者「もうやらねえょ。安心しろ」なでなで

278: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 10:24:14.07 ID:L5ywQrTl0
(かくかく しかじか)
部A「というワケで、少女は、魔王様の血を引くお方…
   だからこそ、歴代魔王様がなれる、あの第三形態になれたのだ…」
♀勇「…でも前の魔王と…姿が違いますね…」ぶつぶつ
部A「な?お、お前、まさかあの時の勇者?!」

部下Aは おどろいている!

少女「あ、やっぱり部下Aさんですね!姿が少し違うので判りませんでした」
部A「お、お前こそ…大きくなりおってからに!
   人間の幼体は、ほんの数年見ぬ間に顔が様変わりしすぎだ!
   せ、背は変わってないがな!」
少女「な……ちょ、ちょっとは大きくなりましたよ?!」
勇者(昔から小さかったのか…w)

280: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 10:28:41.62 ID:L5ywQrTl0
(かくかく しかじか)
部A「何はともあれ、魔界に人間を住まわせるのは危険という事だな」
スラ「ええー!」
部A「仕方あるまい。魔界は魔物の世界。人界は人の世界。住む世界は違うのだ」
少女「そんな…賢者…」
賢者「少女…申し訳ありません…」
少女「い、いやだぁ!賢者といるー!」ぎゅう

少女は 賢者の大きな胸に顔を埋めた!

282: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 10:33:40.66 ID:L5ywQrTl0
♀勇「あの…部下Aさん。賢者さん…魔界にいるとマズいんですよね?」
部A「あ、ああ…今回の様に魔王様の仕事である『魔物の生産』の妨げになるとマズイからな…」

♀勇者は 何かひらめいた!

♀勇「じゃぁ…少女さん達が、会いに来れば良いじゃないですか!」
少女「?!」
♀勇「闇の扉っていうんでしたっけ?それ使って、来れば良いんですよ!」
少女「!!」

283: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 10:37:57.80 ID:L5ywQrTl0
♀勇「この大きな教会を修復して、賢者さんが司祭としてここに住む」
勇者「ふんふん」
♀勇「そして、裏庭にあるその扉を、きちんと管理する」
魔法「ほおほお」
♀勇「そしたら、度の人も、街の人も安心だし、扉も監視出来ます!」
戦士「なるほど」
♀勇「少女もスラさんも、いつでも賢者さんに会いに来られます!」
部A「確かに…あの扉、悪魔を倒してしまった今、消す方法が判らないしな。
   魔王様も、それならお喜びになるだろう…」
少女「い、良いの?」

少女は しっぽをふっている!

284: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 10:47:14.79 ID:L5ywQrTl0
(何処かの森 廃墟の教会 裏庭)
部A「…♀勇者よ。今回は、世話をかけたな」
♀勇「いえ、全然!」
部A「お前は…前魔王様の敵だが…この新しい魔王様の恩人だな…」

少女とスライムは ♀勇者に抱きついた!

スラ「♀勇者、良い子!」ぺろぺろ
少女「賢者、助けてくれた。良い子!」ぺろぺろ
♀勇「わわわっ くすぐったいですw」

287: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 10:56:09.87 ID:L5ywQrTl0
賢者「少女…ほんのちょっとの間、お別れですね」
少女「賢者ぁ」ぎゅう
賢者「すぐ逢えますよ。ええ。すぐです」
少女「ほんと?すぐ?少女、待ってるよ?」
賢者「えぇ。約束、です」

賢者と少女は 約束の指切りをした!

290: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 11:00:05.22 ID:L5ywQrTl0
賢者「では…教会を立て直したら、知らせに行って貰えるんですね?」
♀勇「はい!魔界の城は私達一度クリアしてますから。
   魔法使いさんのルルーラっでひとっ飛びです!」
魔法「おうよ。任せときなって」

部下Aは 扉に手をかけた!

部A「では魔王様…なごり惜しいですが…戻りましょう」
少女「またねー!」
スラ「またねまたね!」

部下A達は 魔界に戻った!

291: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 11:04:44.06 ID:L5ywQrTl0
♀勇「部下Aさん達…帰って行かれましたね」
賢者「えぇ」
勇者「魔界に繋がる扉か…街人に知れたら大パニックだな」
僧侶「そうしない為にも、私達できちんと管理しましょう」
戦士「しばらくはここに逗留だな」
魔法(部下Aか…綺麗な女だったな…)

魔法使いに 何かのフラグがたった!

292: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 11:13:18.53 ID:L5ywQrTl0
(何処かの森 廃墟の教会の近く)
じごくのきしが あらわれた!
ゴロゴーストが あらわれた!

賢者「ああ、お二人方…お久し振りです」
勇者「お前達…俺の仲間の…死んじまった戦士と魔法使いなのか…?」
じご「ゴゴ…」
ホロ「シュー…」
勇者「悪かった!あん時はきちんと弔えなくて…」
じご「ゴッ!ゴゴッ!」
ホロ「フシュシュw」
♀勇「気にしてないって、言ってますよ」

295: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 11:17:04.95 ID:L5ywQrTl0
勇者「じゃぁ、ゆっくり眠れよ」
賢者「安らかに眠って下さいね…」
じご「ゴゴ…ヴ…」
ホロ「シュ…シュシュ…」
僧侶「では…ごほん。おお神よ!この者たちに…」

じごくのきしと ホロゴーストは 光に包まれた!

僧侶「安らかなる休息をあたえたまえ!」

じごくのきしと ホロゴーストは 光の彼方に消え去った!

♀勇「さぁ、これで、全部解決ですね!街に戻りましょうか!」

296: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 11:23:07.18 ID:L5ywQrTl0
(時は流れ)
♀勇「勇者さん…あの、本当に一緒に冒険しに行かないんですか?」
勇者「ああ。一つのPTに勇者が二人いるのもヘンな話しだろ?
   俺はこいつと、この直った教会に住む事にするよ」
♀勇「………」
勇者「♀勇者、あんたには世話になった。
   俺は…あんたのPTに入って、色んな事学んだよ。『勇者』って何か。『魔物』って何か」
♀勇「………」

297: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 11:31:32.82 ID:L5ywQrTl0
勇者「昔の俺は若すぎて…バカすぎて…非道いヤツだったよ。
   俺はそれまで、魔物は全部敵で、倒しても良いもんだって思ってた。でも、違ったな」
♀勇「………」
勇者「俺達『人』にも、魔物にも、良い奴もいれば、悪い奴もいる。
   話しが通じる奴もいれば、通じない奴もいる。
   そう。魔物も人も…同じ生き物なんだな。
   俺は、あんたに会ってそう教わったよ」
♀勇「う…ううう」ぐすん

♀勇者は 半泣きだ

299: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 11:44:24.56 ID:L5ywQrTl0
勇者「なぁ。勇者ってのは、心が優しいから『優者』だって、
   誰かに昔そう言われたんだろ?」
♀勇「は、はい」
勇者「俺は…とてもじゃねぇが、全部には優しく出来ない。
   そうだな…こいつぐらいにしか、な」ぎゅ
賢者「え?!勇者殿っ?」

賢者は「愛のおもいで」を手に入れた!

302: ◆LIvweD/yxQ 2009/04/12(日) 11:49:40.92 ID:L5ywQrTl0

(さらに時は流れ)
♀勇「では、行きましょうか!西のNK国で、テ○ドンって魔物が暴れてるそうですよ!」
魔法「ああ、行くか」
戦士「真の世界平和を目指す為に」
僧侶「参りましょう!」

♀勇者のPTは 次の地へ旅立った!


オワリ


おつかれさまでした リセットボタンを押しながら 電源をお切りください
---------ぼうけん オワリ---------

303: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 11:51:30.61 ID:YSGzpFVNO
おつかれ!!

304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 11:52:31.35 ID:KCmIJrnE0
おつかれさまです ○┓

308: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 11:56:36.49 ID:gM6Kp3a4O

さて、セーブ中にコントローラーを抜き差しする作業に戻るか

334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/04/12(日) 12:55:55.03 ID:ef5HyCoj0


勇者が良いヤツになってて良かった・・・


前話:スライム「あかちゃんを ひろいました」
前話:魔王「なに?女の子の勇者が生まれただと?」

引用元: はぐれ勇者が あらわれた!