1: 2009/04/16(木) 12:49:25.05 ID:CovuaG8M0
魔王「・・・え?」

女勇者「え?」

勇者「・・・え?」

2: 2009/04/16(木) 12:50:05.21 ID:CovuaG8M0
女勇者「どういう事?」

勇者「いや、俺が聞きたい・・・どういう事だよ?」

魔王「いや、私に聞かれても・・・」

勇者「君、誰?俺は勇者ってんだけど」

女勇者「私は女勇者・・・魔王を倒しに来たんだけど」

勇者「ちょっと待てよ、魔王は勇者である俺が倒すんだよ」

女勇者「え?勇者は私よ。だからここまで来たんだから」

勇者「いやいやいや、それはねーよ。俺が勇者なんだから」

魔王「えーと・・・」

4: 2009/04/16(木) 12:51:19.44 ID:CovuaG8M0
魔王「はい、お茶です」

勇者「あ、悪い」

女勇者「あ、どうも・・・」

ズズ・・・

勇者「ふう、・・・君さ。勇者って言ってたけどさ」

女勇者「うん」

勇者「勇者の血を引く人間なら身体に紋章があるハズだけど・・・」

女勇者「!」

魔王「勇者さんはあるんですか?」

勇者「ああ、ほら・・・腕に」

魔王「おお、本当だ」

女勇者「・・・」

6: 2009/04/16(木) 12:52:51.13 ID:CovuaG8M0
勇者「ほら、あんたも勇者なら見せてよ」

女勇者「・・・」

魔王「どうかしたんですか?」

女勇者「どうしても見せなきゃ・・・駄目?」

勇者「?当たり前だろ」

魔王「いや、勇者さん。もしかしたら簡単に見せられない箇所にあるのかも」

女勇者「・・・当たり」

勇者「当たりって、何処だよ?」

女勇者「胸元・・・」

8: 2009/04/16(木) 12:54:06.12 ID:CovuaG8M0
勇者「じゃあギリギリ大丈夫だろ」

魔王「いやいや勇者さん、彼女は女性ですし」

女勇者「・・・わかった、見なさいよ。でもジロジロ見ないでよ」

勇者「バ、バカ!変な勘違いすんなよ!」


女勇者「行くよ・・・はいっ」バッ

勇者「・・・」

魔王「・・・」

女勇者「ね、わかったでしょ」

勇者「ああ、確かに・・・」

魔王「しかし、サラシの意味あるんで

バキッ

女勇者「黙れ」

魔王「ご、ごめんなさい」

10: 2009/04/16(木) 12:55:42.07 ID:CovuaG8M0
魔王「しかし、同じ紋章を持つ勇者が二人もいるって事は・・・」

女勇者「あなた、父親は?」

勇者「さぁ・・・俺が母親の腹に入ってる間に突然消えたらしい」

女勇者「やだ、・・・私と同じだ」

勇者「母親がお前は勇者の子なんだから魔王倒さなきゃ駄目とかなんとか言われて旅に出されたんだが・・・」

女勇者「・・・・・私も」

魔王「・・・つまり、二人は異母兄妹?」

勇者「・・・」

女勇者「・・・」

11: 2009/04/16(木) 12:57:00.03 ID:CovuaG8M0
魔王「先代勇者は私のお父様を倒した後、各地を放浪したと噂されてましたから・・・有り得る話ですね」

女勇者「君、何歳?」

勇者「18」

女勇者「私より一つ下か・・って事は私が上だね」

勇者「実感がわかねぇ」

魔王「まぁいきなりですからね」

女勇者「つまり、魔王を倒す権利は私にあるって事ね」

魔王「え?」

12: 2009/04/16(木) 12:57:56.02 ID:CovuaG8M0
勇者「ちょ・・・待てよ!それとこれは別だろ!魔王は俺が倒すんだ!」

女勇者「駄目よ!共に旅をし、倒れていった仲間の為にも!私が!」

勇者「俺だって大事な人を失くして、その人達の無念を晴らす為にここまで頑張ってきたんだ!俺にやらせろ!」

魔王「あ、あの・・・」

勇者・女勇者「お前は黙って待ってろ!!」

魔王「あ・・・はい」

15: 2009/04/16(木) 12:58:40.76 ID:CovuaG8M0



勇者「よし・・・じゃあコレはどうだ?」

女勇者「なに?」

勇者「俺らの親父は先代勇者だろ」

女勇者「うん」

勇者「その親父は先代魔王を倒したわけだから・・・親父にどっちが魔王倒す権利あるか決め手もらおうぜ」

女勇者「なるほど、それなら文句ないわね・・・けど、お父さんの場所知ってるの?」

勇者「いや、それは」

女勇者「駄目じゃん。賢さ低いのねぇ」

勇者「なんだと?」

魔王「あ、あの」

勇者「なに?」

女勇者「なんなの?」

魔王「私、相手の位置を探る道具を持ってるんですが・・・使います?」

17: 2009/04/16(木) 12:59:47.74 ID:CovuaG8M0
勇者「おお!本当かよ!」

女勇者「役に立つじゃない!魔王なのに!」

魔王「えへへ・・・」

勇者「さっそくやってみてくれよ」

魔王「はい、えーと」

魔王「この水晶に映ると思いますんで・・・では、やってみますね」キュイイィ・・・

18: 2009/04/16(木) 13:00:51.57 ID:CovuaG8M0
勇者「おお、なんか映ってきたぞ」

女勇者「酒場みたいね」

魔王「いました、一番奥のカウンターで飲んでる人です!」

勇者「こいつか・・・」

女勇者「ちょっと勇者、仮にも父親でしょ」

魔王「私の魔法でこの酒場まで送る事も出来ますが」

女勇者「本当?それは助かるわ!」

勇者「さっそく頼む」

魔王「はい、では行きますよ・・・えいっ」

シュンッ シュンッ

21: 2009/04/16(木) 13:01:35.69 ID:CovuaG8M0
酒場

シュインッ

マスター「!?」

客「!!?」

親父「ん!?」

勇者「あんたが俺の父親か」

親父「な、なんだお前達」

女勇者「大事なお話しがあります。ちょっと表出て下さい」

22: 2009/04/16(木) 13:02:33.93 ID:CovuaG8M0
勇者「これを見れば、わかるだろ?」


親父「その腕の紋章・・・マジか」

勇者「ああ、こっちの人もそうだ。腹は違うけどな」

親父「わかった・・・マスター、勘定頼む」

マスター「はいよ」

親父「こいつらの奢りでなっ!リレミト!」シャッ

女勇者「消えた!?」

勇者「あの野郎、逃げやがった!待て!!」ダダッ

女勇者「あ、ちょっと勇者・・・」

マスター「お嬢ちゃん!勘定がまだだよ!」

女勇者「え、私が払うの!?・・・もー・・・!」

23: 2009/04/16(木) 13:02:42.81 ID:7sxFBsMiO
魔王可愛いよ魔王

25: 2009/04/16(木) 13:03:55.39 ID:CovuaG8M0
親父「わははははは!!!」

勇者「待てこの飲んだくれーーー!!」

親父「絶対に捕まらんぞーーー!!」

勇者「なんで逃げるんだよ!話させろーー!!うおっ!!?」

キューーーーーーーーーーーーーン

勇者「な、なんだ!?今凄い速さで通ってたのは・・・」


親父「む!」

ドドドドドドドドドドドドド
女勇者「ピオリムピオリムピオリムピオリムピオリム・・・・」

27: 2009/04/16(木) 13:05:06.09 ID:CovuaG8M0
女勇者「お父さん待って!話があるんだってば!!」

親父「凍てつく波動ーーーー!!!!」

女勇者「うわっ!?」ガクンッ


親父「・・・と、イオナズン!!!」


ドガアアンッ!!

女勇者「きゃああっ!!!!」

親父「わははーー!俺の隠居暮らしは誰にも邪魔させーーん!さらばだーー!!」

28: 2009/04/16(木) 13:05:45.64 ID:hbsEkW5h0
親父ひでぇwwwww

29: 2009/04/16(木) 13:05:51.98 ID:fjXDYY2B0
愛娘にイオナズンとな・・・w

31: 2009/04/16(木) 13:07:01.57 ID:CovuaG8M0
勇者「おい、大丈夫か?」

女勇者「う、うん。煙に撒かれただけだから・・・」

勇者「・・・とんでもない親父だな」

女勇者「あれで元勇者か・・・」

32: 2009/04/16(木) 13:08:38.78 ID:CovuaG8M0
魔王城

魔王「あ、おかえりなさい・・・どうでした?」

勇者「最低の親父だった」

女勇者「あれじゃ聞く耳も持ってくれないわね。若い頃は相当滅茶苦茶だったでしょうに」

魔王「ええ、私のお父さんも「魔王止めたい・・・」って言ってたくらいですから」

勇者「あんなダメ親父は忘れよう」

女勇者「同感・・・で、どうしよう」

魔王「もうこうなったらお二人で掛かって来たらどうです?」

34: 2009/04/16(木) 13:09:51.05 ID:CovuaG8M0
勇者「え?」

女勇者「二人で?」

魔王「はい、二人の力で私を倒せば亡くなったお仲間達も満足するのではないでしょうか?」


勇者「・・・どうする?」

女勇者「私は構わないけど」

勇者「よし、じゃあ・・・」

魔王「決定ですね」

35: 2009/04/16(木) 13:10:48.76 ID:CovuaG8M0
魔王「ふはははははは!!!!よく来たな勇者達よ!!待ちわびたぞ!!」

勇者「魔王!!」

女勇者「世界平和の為にも、散っていった仲間達の為にも!!全力を持ってあなたを倒す!!!!」

魔王「はははは!!嘗めるな!!!たった二人で私に勝てると思うか!」

勇者「魔王城で踏ん反り返ってたお前にはわかるまい!!!」

女勇者「沢山の人々の思いから来る・・・この力を!!」

魔王「下らん!実に下らん!!人の思いがなんだというのだ!そんな幻想塵にしてくれるわ!!!来い!!」

勇者「行くぞ!」

女勇者「ええ!!」

魔王「さあ来い勇者!!!」


勇者と女勇者の思いが世界を救うと信じて!!!

ご愛読、ありがとうございました!!!

36: 2009/04/16(木) 13:11:55.43 ID:DJH2NcDh0
………え?

39: 2009/04/16(木) 13:12:29.09 ID:tyO7yg8E0
えーーーーー

59: 2009/04/16(木) 13:22:40.97 ID:mZLG3w+jO
ジャンプの打ち切り漫画みたいなラストが見えたwww

引用元: 勇者・女勇者「魔王っ!」