1:2018/09/13(木) 06:15:04.559 ID:4p984tSvD.net
喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。

    ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。

    この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。

    そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。

    いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。

    さて、今日のお客様は……。

    青木鉄弘(32) 大学講師

    【走れ!プチ四レーサー】

    ホーッホッホッホ……。」
5:2018/09/13(木) 06:17:26.589 ID:4p984tSvD.net
東京、八王子工科大学。広い敷地内に建つ近未来的なデザインのキャンパス。

「機械工学入門」の授業。教室内にいる学生たちは、どちらかというとオタクっぽい風貌の男子が多い。

若い男性講師が教壇に立っている。黒板に板書をした後、学生たちに何かを話す男性講師。

テロップ「青木鉄弘(32) 八王子工科大学講師」

授業が終わり、教室を出て廊下を歩く青木。

青木(長かったポスドクの期間を経て、僕は常勤の講師になれた……)

青木は回想する。作業着を着て、何かの機械実験をする青木らポスドク。

青木(ポスドクのころは生活が苦しく、かけもちのバイトまでしていた……)

ある倉庫。私服姿の青木が軍手をはめた状態で、段ボールにシールを張っている。

場面は八王子工科大学に戻る。

青木(僕はようやく、安定した身分と待遇を得ることができた……)
   (だから……。今まで以上に、思う存分好きなことをやろう……)

キャンパス内。自らの研究室のドアを開ける青木。
6:2018/09/13(木) 06:19:31.907 ID:4p984tSvD.net
青木の研究室。本棚には、科学関係の著書がズラリと並んでいる。

青木は机に向かう。机の上には、何かの車をデザインしたプラモデルの箱がある。

プラモの箱を開ける青木。青木は、箱の中にある車のプラモを組み立て始める。

青木(僕の趣味は……、これだ……)

プラモの箱には、「スーパープチ四駆」「TAMURA」と書かれている。このプラモの製造元は、田村模型だ。


東京、六本木ヒルズ。建物の中で、「六本木プチ四駆グランプリ」が開かれている。

室内には、愛用するマシンを持ったプチ四駆愛好家たちが大勢集まっている。もちろん、青木の姿もある。

彼らはいい年をした大人ばかりだが皆、子供のように目を輝かせている。

プチ四駆愛好家たちの中にいる場違いな男――喪黒福造が、得体の知れないオーラを醸し出している。

専用のサーキットに、青木・喪黒らプチ四レーサーたちが自らのマシンを置く。

喪黒が持つマシンは――。黒色のボディに、喪黒の目・鼻・口のシールが貼られた気味の悪いデザインだ。

スタートの合図とともに、スイッチが入ったマシンが走る。
7:2018/09/13(木) 06:21:33.324 ID:4p984tSvD.net
青木「いいぞ……!アストロフェニックス……!」

青木の愛車アストロフェニックスが、サーキットの先頭を走る。一方、喪黒のマシンは一番後ろにいる。

レースに夢中になるプチ四レーサーたち。それに対し、なぜか静かなままの喪黒。

コーナー。喪黒のマシンと並走していたあるマシンが、不自然にコースアウトをする。

レーサーA「ああっ!!」

喪黒のマシンは、徐々に追い上げる。ストレートを走っている中、別のマシンを追い越す喪黒のマシン。

他のコーナーでも――。喪黒のマシンと一緒に走っていたマシンが、なぜかコースアウトをする。

レーサーB「またコースアウトだ!!」

いつの間にか……。青木のアストロフェニックスに次いで、レースの2番手となる喪黒のマシン。

喪黒のマシンを見つめる青木。

青木(このマシン、なかなかやるな……)

終盤になると……。青木のアストロフェニックスと、喪黒のマシンの差はさらに縮まっていく。

青木(アストロフェニックス、逃げ切ってくれ!)
8:2018/09/13(木) 06:23:40.676 ID:4p984tSvD.net
焦りを感じ始める青木。青木と喪黒のマシンは、デッドヒートを繰り広げたままゴールへ近づく。

青木「よし、もうすぐゴールだ……!……ああっ!!」

ゴール直前で、青木のアストロフェニックスが喪黒のマシンに抜き去られる。

1着でゴールをしたのは、喪黒が保有する黒色の不気味なマシンだ。愕然とした表情の青木。

レーサーたち「レースの初めはビリだった黒いマシンが……、最後は1着でゴール……。波乱のレースだ……!!」


レースを終え、青木に近づく喪黒。

喪黒「これが、プチ四駆のレースですか……。初心者とはいえ、いい経験になりましたよ」

青木「え?あなた初心者なんですか……?プチ四駆の初心者で、レースで1着になるなんて……!」

喪黒「ホーッホッホッホ……。私は運が良かっただけですよ。勝負には、運の要素もつきものですから……」

青木「は、はあ……」

喪黒「人生や仕事も運の要素がつきものですよ。あなたも最近、お仕事で運が向いてきたでしょう?」

青木「いや、僕はその……」
10:2018/09/13(木) 06:25:49.643 ID:4p984tSvD.net
喪黒「例えば……。長い間ポスドクだったけど、ようやく大学の常勤の講師になれたとか……」

青木「そ、その通りですよ!今の僕がそれです!あなた、勘が鋭いですね……」

喪黒「いやぁ……。仕事柄、長年、人間観察を行ってきた賜物ですよ。何しろ、私はこういう者ですから」

喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。

青木「ココロのスキマ、お埋めします?」

喪黒「私はセールスマンです。お客様の心にポッカリ空いたスキマをお埋めするのがお仕事です」
   「まあ、ボランティアみたいなものですよ」

青木「なるほど……。セールスマンの方ですか……」

喪黒「詳しいことは、会場を出てから話しましょう。いい店がありますからね……」


BAR「魔の巣」。喪黒と青木が席に腰掛けている。

喪黒「最近、大人たちの間でプチ四駆のブームが起きているようですなぁ」

青木「はい。小学生のころにプチ四駆に夢中になった世代が……」
   「大人になってから再びハマるというケースが多いんですよ」
11:2018/09/13(木) 06:28:07.059 ID:4p984tSvD.net
喪黒「おそらく、青木さんもそうだったんでしょうねぇ」

青木「ええ、そうです。ポスドク暮らしをしていたころ……。僕は、何かの気まぐれで模型店の中に入りました」
   「店の中にあるプチ四駆のプラモの箱を目にした時……。子供のころの楽しかった思い出が頭に浮かび……」
   「僕は矢も盾もなくそれを買いました。以来、僕は今に至るまでずっと……」

喪黒「何かにつかれたように、プチ四駆にのめり込んだ……ということでしょうなぁ」

青木「そういうことです。今じゃあ……。プチ四駆は、僕にとってかけがえのない趣味の一つとなっています」

喪黒「子供のころの楽しかった趣味は……。その人にとっては一生涯、心の中に残り続けます」
   「だから……。大人になって子供のころの趣味と出会った時……。再び夢中になりやすいんですよ」

青木「それは言えていますよね。子供のころの趣味に再び夢中になれることにより……」
   「再び、童心に帰ることができますからね……」

喪黒「大人の人間として、何かと気を張り詰めて生活するのは……。一方でストレスがたまりますから……」
   「だから……。たまには趣味を通じて童心に帰ることで、息抜きをすることも必要なんですよ」

青木「ええ、おっしゃる通りです。社会人としての生活は、いろいろ気苦労が多いですからね……」
   「プチ四駆の趣味のおかげで、僕は息抜きができているのかもしれません」

喪黒「そんな青木さんに、ぴったりのモノがあります」
12:2018/09/13(木) 06:30:18.299 ID:4p984tSvD.net
青木「何ですか、それは!?」

喪黒「プチ四レーサーなら、絶対に気にいるはずの特別なモノですよ。私に着いて来てください」


喪黒に誘われ、外に出る青木。2人は街の中を行き、駅の近くのビルの中に入る。

エレベーターを出て、喪黒と青木はとある階の廊下を歩く。ドアの前に立つ2人。

喪黒「さあ、青木さん。ドアを開けて、中に入りましょう」

喪黒がドアを開け、2人が中に入ると……。廊下はさらに続いている。

不自然に傾いた天井。天井と床の間は、先へ行くほど狭くなっているように見える。

天井の上にある電灯が、オレンジ色の光を放っている。

青木「何かいびつな作りの建物ですね……」

このまま歩き続けると、天井に頭がぶつかりそうになるように見えるが……。なぜか、そうならない。

再び、ドアの前に立つ喪黒と青木。

喪黒「ここです」
13:2018/09/13(木) 06:31:54.184 ID:8YE76/cHp.net
小さくなっても何処に乗るんだ。操縦もできねーし
14:2018/09/13(木) 06:32:32.128 ID:4p984tSvD.net
ドアを開け、部屋の中に入る喪黒と青木。室内の大半は、巨大な台で占拠されている。

台の側に設置された階段。喪黒と青木は、階段をゆっくりと登っていく。登り終えた2人が目にしたものは……。

青木「あーーーーーっ!!」

台の上に置いてあるのは、巨大なサーキットコースだ。コースの周囲には、建物や森のジオラマが設置されている。

サーキットには6つのレーンがある。そのうち4レーンは空白で、残り2レーンにはスタートの位置にプチ四駆がある。

コースにある2台のフルカウルのプチ四駆は、人が乗れる車の大きさで置かれている。

プチ四駆のコックピットはむき出しになっており、運転席からはハンドルやエンジンが見える。

青木「こ、これは……。目の錯覚ですか……!?」

喪黒「目の錯覚ではありません。私たちの身体は小さくなったんですよ。さっきの廊下を通っている時に……」

青木「そ、そんなことあり得ない!科学の法則を完全に無視している!」

喪黒「じゃあ……。今、目にしている光景は一体何ですかねぇ?青木さん」
15:2018/09/13(木) 06:34:47.911 ID:4p984tSvD.net
青木「くっ……!!」

喪黒「子供のような無邪気な気持ちで、今の光景を受け入れましょうよ。そのために、ここへ来たのですから……」

青木「……ということは。ま、まさか……」

喪黒「そうです、青木さん。小さくなった身体で、プチ四駆に乗ってレースをしましょう!」

青木「ゆ、夢の光景だ……」

サーキットに置かれてあるプチ四駆に、それぞれ乗り込む喪黒と青木。青木は、恐る恐る運転席のエンジンをかける。

青木(ほ、本当にエンジンがかかった……!)

喪黒「さあ、スタートしますよ!青木さん!」

喪黒と青木が乗ったプチ四駆が一斉に走り出す。勢いよくコースを疾走するプチ四駆。

青木(気持ちいい……)

青木のマシンと喪黒のマシンが互いに並ぶ。抜きつ抜かれつを繰り返す2人のマシン。

喪黒「どうです、青木さん?自らプチ四駆を運転した気分は?」

青木「最高ですよ!」
16:2018/09/13(木) 06:37:15.194 ID:4p984tSvD.net
いったん、レースを終える喪黒と青木。喪黒は、灰色のリモコンを手にしている。

喪黒「青木さん。リモコンを使えば、自動操縦のプチ四駆と対戦することが可能です」

喪黒がリモコンを操作すると……。サーキットの空いたレーンのスタートコースに、四角い穴があく。

四角い穴の中から浮かび上がる、別のプチ四駆。このマシンは、コックピットがむき出しになっていない。

喪黒「このマシンは自動操縦で動きます。つまり、人が運転できるプチ四駆の対戦相手というわけです」

青木「なかなか、手の込んだ作りになっていますね……。ここのサーキットは……」

喪黒「じゃあ、試しに自動操縦のマシンとも対戦してみますか?」

喪黒と青木は再びプチ四駆を運転し、自動操縦のマシンと対戦する。

青木(まるで、本物のレーサーになったような気分だ……!!)

プチ四駆のハンドルを華麗に操作する青木。


レースを終え、マシンから降りる喪黒と青木。2人は、ジオラマの樹木の側で休憩している。
17:2018/09/13(木) 06:39:24.870 ID:4p984tSvD.net
喪黒「青木さん。この場所に来て良かったでしょ?」

青木「え、ええ……!もちろんですよ!こんな夢のような体験ができて!」
   「……とはいえ、僕たちの身体は小さくなったままでしょ。どうやって、元の大きさに戻るんですか?」

喪黒「大丈夫です。この部屋を出て再びあの空間を歩くと、私たちの身体は元の大きさに戻りますよ」
   「なぜなら……。あの空間の廊下と電灯が、人間の身体に特殊な作用をもたらすのですから」

青木「うーーーん……。科学の理論や法則を超えた作用ですね……」
   「でも……。現代の科学では説明のつかないことが、地球上には案外多いですから……」

喪黒「科学の理論や法則を超えた夢の空間が、この部屋なのですよ」
   「夢の空間だからこそ、子供のような無邪気な気持ちでレースに夢中になれるのです」

青木「面白いですね……。気にいりましたよ、この部屋……」

喪黒「青木さんが喜んでいただけるのなら何より……」
   「あなたには、サーキットのリモコンと部屋の鍵を渡しておきましょう」

喪黒は、青木に例のリモコンと鍵を渡す。

青木「また、この部屋に訪れていいんですね?」

喪黒「もちろん。何度でも訪れていいですよ。しかし……。あなたには、私と約束していただきたいことがあります」
18:2018/09/13(木) 06:41:50.365 ID:4p984tSvD.net
青木「約束!?」

喪黒「そうです。この部屋は、あなたの趣味のために私がプレゼントした空間です」
   「従って、あなたや私以外の人をこの部屋に入れてはいけません。いいですね、約束ですよ!?」

青木「わ、分かりました……。喪黒さん」


八王子工科大学。キャンパスで授業を行う青木。授業を終え、青木は鼻歌を歌いながら廊下を歩く。

廊下を歩く青木を、怪訝な表情で見つめる学生たち。

学生たち「青木先生、何かいいことでもあったのかな?」「さあ……?」「何しろ、青木先生は変わり者だからね……」

青木の研究室。机に向かい、プチ四駆の攻略本を眺める青木。

攻略本には、多種多様なプチ四駆の機種が写真や説明文付きで載っている。

青木(今度、例の部屋に入ったら……。このマシンと一緒に対戦してみよう)


駅の近くのビル。例の部屋。プチ四駆を運転し、自動操縦の複数のマシンと対戦する青木。

自動操縦で動く複数のマシンのデザインは、青木が攻略本で見ていたものと一致している。
20:2018/09/13(木) 06:44:18.864 ID:4p984tSvD.net
東京、秋葉原。プチ四駆バー『四駆郎』。

一同「カンパーーイ!!」

3人の男たちが、ビールの入ったコップを乾杯する。親しい仲間とともに酒を飲む青木。

徳田「大学時代から現在まで交友が続いているとは、大したもんだな!俺たち!」

テロップ「徳田宏之(32) プログラマー」

越田「何しろ……。俺たちは大学のころに、オタク系サークルで知り合った仲だからな!」

テロップ「越田肇(32) 大企業社員」

青木「そうそう!何よりも、サブカルの話ができるのが僕らの強みだよな!」

『四駆郎』マスター「ところで、青木さんがここへ訪れたのは久しぶりですよね。仕事が忙しかったんですか?」

青木「まあ、ちょっとね……」

徳田「青木……。お前、何か秘密でもあるのか?水臭いぞ」

青木「いや、その……」

越田「俺たちは友達同士じゃないか。隠し事はよくないぞ、青木ぃ」
21:2018/09/13(木) 06:47:30.743 ID:4p984tSvD.net
ある日。駅の近くのビル。エレベーターの中にいる青木・徳田・越田。青木の頭の中に、喪黒の忠告が思い浮かぶ。

(喪黒「あなたや私以外の人をこの部屋に入れてはいけません」)

青木(でも……。友達を入れるくらいなら、いいだろう。無理に断って、友達を失うような真似をしたくない……)

例の空間の廊下を歩く青木・徳田・越田。不自然に傾いた天井と、オレンジ色の光を放つ電灯。

徳田「変わった設計の建物だな……」

ドアの鍵を開ける青木。3人は例の部屋の中に入る。室内を占有する巨大な台の階段を登る3人。

越田「こ、これはすごい……」

驚いた様子の徳田・越田。巨大サーキットと、人間が乗れる大きさの2台のプチ四駆を眺める青木・徳田・越田。

青木「じゃあ、試しに乗ってみようか!」

サーキットのレーンにある1台のプチ四駆に乗り込む3人。運転席にいる青木がエンジンをかける。

青木・徳田・越田が乗ったプチ四駆が、サーキットを疾走する。ハンドルをさばく青木。

徳田「おおっ、なかなか速いぞ!このスピード感がたまらないっ!」

越田「本当に人間が乗れるなんて!こりゃあ、夢みたいだ!」
22:2018/09/13(木) 06:50:13.635 ID:4p984tSvD.net
青木たちが乗ったマシンの隣に、別のプチ四駆が姿を現す。そのマシンの運転席の方には……、喪黒がいる。

喪黒「青木鉄弘さん……。あなた約束を破りましたね」

青木「も……、喪黒さん!!」

喪黒「私は、あなたに言ったはずですよ。この部屋には、青木さんや私以外の人を入れてはいけない……と」

青木「す、すみません!どうしても断れる雰囲気じゃなかったので……!だって、ここにいる2人は僕の友人……」

喪黒「弁解は無用です。青木さんはもう、この部屋を使用する資格がなくなりました」

青木「そ、そんな……!」

喪黒「約束を破った以上、あなたには罰を受けて貰うしかありません!!」

喪黒は青木たちに右手の人差し指を向ける。

喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」

青木・徳田・越田「ギャアアアアアアアアア!!!」
23:2018/09/13(木) 06:53:29.744 ID:4p984tSvD.net
喪黒のドーンを受け、しばらくの間、失神する青木・徳田・越田。3人が目を開けてみると……。

青木・徳田・越田「こ、ここは……」

3人がいる場所は、例の部屋の中でも、プチ四駆の運転席でもない。青木・徳田・越田は外にいる。いつもとは違った形で――。

青木「み、見ろ……!!これ……!!」

巨大化した通行人たちを目の当たりにする青木たち。3人の身体の背丈は、普通の人間の足元の大きさと変わらなくなっている。

徳田・越田「お、俺たち……。身体が小さくなったままだ……!!」

通行人たちの靴に踏み潰されないよう、必死で塀の側へと逃げる青木・徳田・越田。3人が一息つくと、そこには……。

巨大サイズの野良犬が青木たちに迫っている。見慣れぬ3人の姿を見つけ、唸り声をあげて近づく野良犬。絶望した表情の3人。


とある模型店。店の側には、プチ四駆を宣伝した旗が立っている。模型店の前にいる喪黒。

喪黒「世の中を生きる多くの人間たちは……。誰もが何かしらの形で、自ら夢中になれる趣味を持っています」
   「仕事が全ての人生ではストレスがたまりますから……。たまには趣味を通して息抜きをすることも大事です」
   「趣味を持てば生きることは楽しいものになりますし……。趣味は人生を色鮮やかなものにしてくれます」
   「人間が、小さいころのような無邪気な気持ちに還れる時間……。それが、趣味に没頭できる時間なのかもしれません」
   「おっと……。青木さんたちは趣味に没頭しているうちに、身体まで小さくなってしまったようですねぇ……」
   「オーホッホッホッホッホッホッホ……」

                   ―完―
24:2018/09/13(木) 06:55:27.356 ID:yCJtGZhR0.net
27:2018/09/13(木) 07:35:42.746 ID:4eC3IRffa.net
プチ四駆ってのがいい
29:2018/09/13(木) 07:44:21.940 ID:Me/vRNp7a.net
ゾ口リでもこういう回あったよね。好きだったわ
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1536786904