1:2017/03/25(土) 02:08:14.051 ID:2o9Z6Clg0.net
昨日書いた奴のオチがあまりにもお粗末だったので
ラフィエルでもう一つのルートを考えてみた
もう、飽きてると思うがもう少し付き合ってくれたら嬉しい。


喪黒「……私の名は、喪黒福造。人呼んで笑ゥせぇるすまん。
   ただのセールスマンじゃございません。
  私の取り扱う品物は『ココロ』。
  人 間 の コ コ ロでございます…。」

喪黒「……この世は老いも若きも、男も女も、ココロの寂しい人ばかり、
   そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。
   いいえ、お金は一銭も戴きません。
   お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます…。
   さて、今日のお客様は………。

『白羽・ラフィエル・エインズワース 高校生』

ホーーーーーーホッホッホッホ…」
4:2017/03/25(土) 02:10:58.588 ID:2o9Z6Clg0.net
ラフィエル「サターニャさん大変です!」

サターニャ「本当、いきなり沸いてくるわねあんた」

ラフィエル「そこの公園の池で悪魔的な魚が発見されたんですよ」

サターニャ「はぁ?なによ悪魔的な魚って?」

ラフィエル「とにかく見ればわかりますよ」

野次馬「ざわざわ…」

サターニャ「何よあの魚まるで人の顔みたいね」

ラフィエル「あれはきっと悪魔の使いに違いありません」

子供たち「わーい!悪魔だ悪魔だ」

ラフィエル「ほら、人間たちもああ言っています」

サターニャ「使い魔みたいなものかしらね。
     それにしてもなんでこんな所にいるのかしら」

ラフィエル「あの使い魔が暴走したら危険です!
      サターニャさんの力でなんとかしてあげて下さい」
7:2017/03/25(土) 02:15:49.262 ID:2o9Z6Clg0.net
サターニャ「はぁ?なんで私が人間を助けなきゃならないのよ」

ラフィエル「よく考えてみてください
      これは人間にサターニャさんの力を見せつける
      いいチャンスだと思いませんか?」

サターニャ「どういうことよ?」

ラフィエル「サターニャさんが人面…じゃなくて悪魔魚との勝負に勝てば
      人間どもは大悪魔サターニャさんに一目置くはずです」

サターニャ「確かによく考えてみたらそうね…
      そうなったら俄然やる気が沸いてきたわ。
      見てなさい!悪魔魚私が駆除してやるわ!」

ラフィエル「それじゃあ、これを使ってください」

サターニャ「釣り竿と網…これが武器ね!」

ヴィーネ「何かしら?あの人だかりは」

ガヴリール「ああそういえばテレビでここの公園の池に
      人面魚が出没したとかやってたな」

ヴィーネ「ちょっと見に行ってみない?」

ガヴリール「私そういうの興味ないし」

ヴィーネ「まぁーまぁーそんなこと言わずに」
13:2017/03/25(土) 02:18:50.887 ID:2o9Z6Clg0.net
ガヴリール「ヴィーネがこういうの興味あるなんて意外だな」

ヴィーネ「私だって一応悪魔だからね」

サターニャ「ちょっと待ちなさいよ!使い魔のくせに生意気よ!」

そこには必死に魚と追いかけっこしてるサターニャの姿があった

野次馬「行け!行け!いいぞ」

ガヴリール「おい、何やってるんだ?あのバカ」

子供たち「アハハ!あのお姉ちゃん泥だらけだ!」

ヴィーネ「子供たちにまで笑われてるし…」

ガヴリール「アホくさ、関係者だと思われたくないから帰ろうぜ」

ヴィーネ「風邪ひかなきゃいいけど」

ガヴリール「どうせ、またラフィエルにそそのかされたんだろう」
14:2017/03/25(土) 02:24:19.603 ID:2o9Z6Clg0.net
サターニャ「ナーハッハッハ、見たか!人間ども私の雄姿を!
     この、胡桃…」

公園管理人「ちょっと君!困るよ勝手にこんなことされちゃ」

サターニャ「ちょっと中途半端なところで出てこないでよね!
      いい?私はこれからこの池の使い魔を退治するところなの…」

管理人「はぁ?何を言ってるんだ君は?看板に立ち入り禁止と書いてあったでしょう?」

サターニャ「ハーハッハッハ、それも計算の内よ。私は今二つの悪魔的行為を
      同時にこなしてるのよ我ながら見事だわ!」

管理人「ダメだこれは。警察呼ぶか…」

ラフィエル「フフフ、ノリノリですねサターニャさん
      ちょっともったいないような気もしますが
      この辺でやめておきますか」

ピュー(北風が吹く)

サターニャ「ヘックション!!うぅ~さすがに冷えてきたわね」

ラフィエル「そろそろいいんじゃないですか?サターニャさん」

サターニャ「まだまだよ、悪魔魚め…どこ行ったのよ」

ラフィエル「野次馬…じゃなくて人間達はみんな飽きてどこか行ってしまいましたし
      悪魔魚もサターニャさんの気迫に押されて逃げてしまったようですよ」

サターニャ「そうね、みんな恐れを成して逃げてしまったようだし
      まぁ、しょうがないわね今日のところは勘弁しておいてやるわ」

ラフィエル「今日も絶好調ですね!サターニャさん」

サターニャ「当り前じゃないの!この、胡桃沢…」

ラフィエル「またお願いしますね♪」

サターニャ「だから、最後まで言わせなさいよ!」
15:2017/03/25(土) 02:28:45.890 ID:2o9Z6Clg0.net
ラフィエル「今日も楽しかったですぅ~
      明日はどんな展開にしましょうかね」

???「人面魚とはまた懐かしいですな」

ラフィエル「誰!?」

ラフィエルが後ろを振り向くと人面魚の変装をした喪黒がいた

ラフィエル「キャー!!」

喪黒「ホーホッホッホッ、いやー人を驚かすのは実に愉快ですなぁ」

ラフィエル「ちょっと、なんなんですかあなたは」

喪黒「私こういうものと申します」

名刺を差し出す

ラフィエル「ココロのスキマ、お埋めします?」

喪黒「私、せぇるすまんをしておりまして悩める方の
   ココロのスキマを埋めて差し上げてるのです」

ラフィエル「あの、私そういうの興味ないんで」

喪黒「あなたは今の生活の中に刺激を求めているのではありませんかぁ?」

ラフィエル「ピク!!」

喪黒「あなたは常に感情を悟られまいとしていますね
   しかし、その笑顔の裏には人を支配したい陥れたいという欲求が
   渦巻いてるように感じます」

ラフィエル「どこの誰かは知りませんが私はこの辺で失礼させていただきますね」

喪黒「わかりました。もし、今の生活にご不満があるようでしたら
   名刺の裏までご連絡下さいきっとあなたのお役に立てるはずです」
16:2017/03/25(土) 02:35:56.523 ID:2o9Z6Clg0.net
翌日

サターニャ「よし!犬もラフィエルもいないわね。
      今のうちにこのメロンパンを…ってラフィエル!」

ラフィエル「あ、サターニャさんおはようございます~」

サターニャ「あれ?何も起きなかったわね。さては、油断させる作戦ね」

ラフィエル「そろそろサターニャさんを弄るのも飽きてきましたね
      なにか新しいおもちゃがあればいいんですが」

喪黒『今の生活にご不満があるようでしたら、名刺の裏までご連絡下さい』

ラフィエル「あの人一体何者なんでしょうか?」

放課後

ラフィエル「ついつい気になって来てしまいました…
      なんだかサターニャさんが好きそうな雰囲気のお店ですね」

カランコロン

喪黒「ホーホッホッホッ。お持ちしていましたよ、さっさどうぞこちらへ」

ラフィエル「あ、あの私」

喪黒「マスターこちらのお嬢さんにオレンジジュースを
   どうなさいましたか?ここで遠慮は無用ですよ
   心の内に秘めてるものを全て話してしまえばすっきりしますよ」

ラフィエル「悩みというほどのことじゃないのかもしれないんですが
      私、もっと刺激が欲しいんです!」

喪黒「昨日の話ですね」

ラフィエル「はい、今の生活に不満があるとかそういうんじゃないんです
      成績もそこそこでお友達にも恵まれて楽しいんです
      楽しいけどもっと刺激が欲しいって思っちゃうんです」

喪黒「なるほど、それでお友達にあんないたずらを」

ラフィエル「ええ、サターニャさんには申し訳ないって思ってるんですが
      でも自分が止められないんです、最近ではそれにも飽きてきて
      なんだかもの足りなくなっちゃって…」

喪黒「よろしい!この悩み私がなんとかして差し上げましょう」

ラフィエル「本当ですか?」

喪黒「ええ、きっと白羽さんにもご満足いただけるはずです
   明日この地図に書いてある場所までお越しくださいな」
19:2017/03/25(土) 02:41:46.281 ID:2o9Z6Clg0.net
学校にて

ラフィエル「サターニャさん♪」

サターニャ「げっ!ラフィエル…なんか用?」

ラフィエル「私と勝負しませんか?」

サターニャ「どうせまた何か企んでるんでしょう。パスよパス」

ラフィエル「じゃあここは私の不戦勝ってことでいいですね
      試合放棄で天使に負けるなんてサターニャさんらしくないですね」

サターニャ「ちょっとその言い方じゃ私が天使に怖気づいたみたいじゃないの!
      いいわよこの勝負受けてやろうじゃないの」

ラフィエル「それではじゃんけんで掃除当番を決めるのはいかがでしょうか」

サターニャ「なんだっていいわよ、私が勝つに決まってるんだから」

ラフィエル「いいですか?私が最初にグーを出すのでサターニャさんは
      パーを出してください」

サターニャ「わかったわ」

ラフィエル「じゃんけん」

サターニャ「ぽん!」

ラフィエルがチョキを出しサターニャがパーを出す

サターニャ「ちょっとあんた!何チョキ出してるのよ!」

ラフィエル「え?何か問題でもありますか?」

サターニャ「だってあんたがパーを出せっていうから私はパーを出したのに」

ラフィエル「あれはただの例えじゃありませんか」

サターニャ「え?そうなの」

ラフィエル「フフフ、サターニャさんは変なところ馬鹿正直ですよね」

サターニャ「バカとはなによ!」

ラフィエル「それではもう一度やってみますか?」

サターニャ「もういいわよ、やればいいんでしょうやれば」

ラフィエル「はい、お願いします」
20:2017/03/25(土) 02:45:44.487 ID:2o9Z6Clg0.net
ラフィエル「さて、サターニャさんに掃除当番を押し付け…いや勝負で勝ちましたし
      喪黒さんが言ってた場所ってここですかね?
      なんだか廃墟みたいなビルですね」

喪黒「ようこそ、お越しくださいました。それでは早速これをどうぞ」

ラフィエル「サバイバル倶楽部会員証?」

喪黒「ええ、サバイバルゲームというのはご存知でしょうか?」

ラフィエル「聞いたことはあります」

喪黒「ここはサバイバルゲームの練習場になっておりまして
   戦場さながらのリアルな世界観で非現実的な空間を味わえるのですよ」

ラフィエル「でも、私やったことないんで」

喪黒「ご安心下さい、初心者にも扱えるように簡単な仕組みの銃になっておりますし
   いざというときにはマニュアルもありますから」

ラフィエル「で、でも…」

喪黒「習うより慣れよですよ。さぁー非現実の世界へ行ってらっしゃい」

ラフィ「凄い!あのビルの見た目からは想像できない空間です
    大草原が広がってますね」
21:2017/03/25(土) 02:52:36.582 ID:2o9Z6Clg0.net
支配人「君が新入りかまずはこの銃と無線を支給しよう」

ラフィ「うわぁ、結構重いですね~
    モデルガンとはいえ本当に私に扱えるのでしょうか?」

無線音声「3時の方向敵を確認撃て!」

ラフィ「えっと、この引き金を引けばいいんでしょうか?」

バキューン!!

モブ(仮想敵)「ウワー!」

ラフィ「すごいです~私にも撃てました!
    確かにこれは刺激的ですね~」

ラフィ「今日は、この辺にしておきましょうか
    明日、また来るのが楽しみです」

翌日

ラフィ「~♪~♪」

ヴィーネ「今日はご機嫌ねラフィ」

ラフィ「そう見えますか?」

サターニャ「私への嫌がらせも減ったしいいことじゃない」

ラフィ「そんな!嫌がらせなんて酷いですよ!サターニャさん」

ガヴリール「サターニャの私への嫌がらせも治るといいんだけどな」

サターニャ「ガヴリールがダメージを受けてる…
       私の悪魔的行為がじわじわ効いてきてる証拠だわ」

ガヴ「やばい、余計煽ちゃったか…」

ラフィ「それでは私はこの辺で、今日はどの標的を倒しましょうかね~
    あ、喪黒さん!」

喪黒「これはこれは、サバイバル倶楽部はお楽しみいただけてますでしょうか?」

ラフィ「はい!もう毎日が充実しているって感じでこれも喪黒さんのおかげですよ」

喪黒「ホーホッホッホッ喜んでいただけると私もやりがいがありますな
   ああ、言い忘れてましたがここへ来るのは週に3回までにして下さい
   さもないと大変なことになりますから」

ラフィ「まぁ、決まりなら仕方がないですね。約束します」

喪黒「くれぐれもお願いしますよ」

それからというものラフィエルはサバイバル倶楽部に通いつめた。
週三回という約束は守りながら。
22:2017/03/25(土) 02:56:01.659 ID:2o9Z6Clg0.net
10日後

ラフィ「う~ん、どうしてもここから先がクリア出来ませんね
    どうしましょう…練習回数を増やすしかありませんが…」

喪黒『ここへ来るのは週に3回までにして下さい』

ラフィ「喪黒さんにああ言われたけど
    まぁ、一回くらいバレないですよね」

翌日
サバイバル倶楽部にて

ラフィ「さてと、今日もやりますかね」

喪黒「白羽さん…」

ラフィ「ビクッ!!」

喪黒「あなた私との約束を破りましたね」

ラフィ「すみません、悪気はなかったんです。
    でも、どうしても衝動が抑えられなくて…」
23:2017/03/25(土) 02:59:05.236 ID:2o9Z6Clg0.net
喪黒「言い訳は結構です。こうなったら現実の世界で
   刺激的な毎日を過ごしていただきましょう」

ラフィ「何をする気です!?」

喪黒「ドーーーーーーン!!」

ラフィ「ぐぎゃあああああ!!」


ヤクザ組長「あの小娘…勝手に俺のビルを荒らしやがって!手分けして探せ!!」

構成員「「分かりやした!組長」」

ラフィエル「どうしましょう、まさかあのビルがヤクザさんの縄張りだったなんて
      これは刺激的過ぎますね…」

喪黒「ルーチンワークの中で刺激を求めたいというのはある意味真理なのかもしれません
   しかし、空想にハマり過ぎてしまったがあまり自分を見失ってしまっては元も子もありません
   現実とは実に厳しいものですなぁ。ホーホッホッホッホー」

おわり
24:2017/03/25(土) 02:59:45.873 ID:JLINBLxz0.net

面白かった
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1490375294