1:2019/09/28(土) 22:37:02.460 ID:wuZagK6i0.net
サターニャ「見えてるわよ、角っ」

シャミ子「え?ああ、これは最近生えてきたもので」

サターニャ「ああもうっ、ちょっとこっち来なさい」

シャミ子「え?あ、ちょ、ちょっと」


……

桃「あそこにいるのは…シャミ子と…、だれ?あの赤い髪の女…」

……

ガヴリール「あれ、あそこにいるのはサターニャ…?何やってんだアイツ」
8:2019/09/28(土) 22:47:10.563 ID:wuZagK6i0.net
路地裏

シャミ子「あ、あの…こんな路地裏に連れてきて、いったいどういう」

シャミ子「(は、ま、まさか…、この方、新しくこの町に来た魔法少女!?
もしや私をぶちころがすためにこんな路地裏に…!)」

サターニャ「くっくっく…」

サターニャ「このサターニャ様が同族としてアドバイスしてやるんだから
感謝なさいっ!」

サターニャ「角っ、みえてるわよ、それに尻尾も!下界の学校行くんだったらそれくらいちゃんと隠しなさいよっ」

シャミ子「え…?」

サターニャ「ん…?」
11:2019/09/28(土) 22:53:30.395 ID:wuZagK6i0.net
シャミ子「え?え?角とかしっぽって…隠せるんですか?え?いや…その前に」

シャミ子「い、いま同族っていいましたよねっ、も、もしかして貴方もまぞくなんですか?
そうなんですね!?」

サターニャ「え…、ま、まぞ…?」

シャミ子「うわーい、やりましたっ、まさか、自分以外のまぞくと出会えるだ
なんて、はじめてのことですっ!そういえば、恰好が明らかに闇の眷属っぽくてかっこいいですっ!」

サターニャ「え…?そ、そうかしらっ!よくわかんないけど話が分かるじゃない、アンタっ」

シャミ子「と、いうことは貴方も魔法少女を倒してぶちころがすさだめを持っているんですね?」

サターニャ「え、ま、まほ…え?え?」
12:2019/09/28(土) 23:05:02.356 ID:wuZagK6i0.net
シャミ子「え…?違うんですか…、そういえば、よく見たら角も生えていませんし」しゅん

サターニャ「え…!?」

シャミ子「す、すみません、わたし、貴方がわたしの同じ境遇の方と勘違いして…ひとりで
舞い上がっちゃって…失礼しますね」

シャミ子「……」とぼとぼ

サターニャ「え、ちょ、…ちょっと」
14:2019/09/28(土) 23:10:23.205 ID:wuZagK6i0.net
サターニャ「あ、ちょ、ちょっと待ちなさいよっ、ほ、ほらっこれこれ!」

シャミ子「え!?あ、あれ!いつの間にか角がっ!」

サターニャ「そ、それにその、魔法なんとかはちょっと知らないけど、
宿敵の相手なら、私にだっているわっ!」

シャミ子「ほ、ほんとうですかっ!や、やっぱり私と同族の方だったんですねっ!

サターニャ「え?あ、ああー、ま、そうよ、多分、同じようなものよ、多分」

シャミ子「うわあ、やりましたっ!あ、あのっ!わたしの名前は、優子っ!
シャドウミストレス優子っていいますっ、赤髪の方っ、あなたの名前はっ?」

サターニャ「ふふふ…、わたしの名前は胡桃沢=サタニキア=マクドウェル…
サタニキアと呼ぶがいいわっ!」
15:2019/09/28(土) 23:11:24.101 ID:mVIynyx8d.net
桃に関節決められるサターニャが容易に想像できる
16:2019/09/28(土) 23:13:05.041 ID:fs8pq9Uf0.net
>>15
シャミ子「それ以上はいけない」
17:2019/09/28(土) 23:19:45.606 ID:wuZagK6i0.net
シャミ子「それでそのっ、サタニキアさんの宿敵の相手はどんな魔法少女なんですか!?
わたしの宿敵の魔法少女は、この町にいる桃色の髪をした魔法少女でものすごく強いんですっ」

シャミ子「わたしはいまだに一度も勝ったことがないどころか、毎日修行をつけてもらっている
関係ですっ!」

サターニャ「ふーん…、なんかよくわかんないけど、まあいいわ。
わたしの宿敵の相手は…、」

ガヴリール「……、なにやってんだバカ悪魔」

サターニャ「そう、そこにいるガヴリールのような……、ってが、ガヴリール!?
あんたなんでこんなとこにいるのよっ!?」
19:2019/09/28(土) 23:30:04.316 ID:wuZagK6i0.net
ガヴリール「なんでって、町でたまたまみかけて着いてきただけど…、
お前こそ、なによくわかんない子に絡んでんだよ」

サターニャ「え?いや私は別に、同族の悪魔として、角や尻尾を隠さずに
歩いてるこの子を注意しようと」

ガヴリール「ばっか…、その子、よくわかんないけど
雰囲気的に悪魔じゃないだろ…、ややこしいことになりそうだから、早く帰るぞほら」

サターニャ「え、ちょ、ちょっとガヴリールっ」

シャミ子「その金髪の子が、サタニキアさんの宿敵の相手ですか…?
魔法少女には見えませんけど…、けど、不思議な雰囲気をもった子のような…ん?」

桃「シャミ子…、そいつら、だれ?」
21:2019/09/28(土) 23:42:58.859 ID:wuZagK6i0.net
シャミ子「あれ、桃、どうしてこんなところに?」

桃「そこの赤髪の女にシャミ子が路地裏に連れ込まれるのをみてつけてきたんだよ」

桃「シャミ子、いますぐそいつらから離れて、目的はよくわからないけど
きっとろくでもない連中」

サターニャ「はあ!?なによそれっ」

シャミ子「桃、サタニキアさんは、町で同族のわたしに
話しかけてくれた方で、ろくでもない人なんかじゃあ…」

桃「おバカっ!雰囲気は似てるけど、その赤髪はシャミ子と同族なんかじゃ
ないよっ!いいから早く離れてっ」

ガヴリール「あ、あの…、ちょっといいかな」
24:2019/09/28(土) 23:59:37.002 ID:wuZagK6i0.net
桃「…なに?」

ガヴリール「そこのサターニャは、確かにろくでもない悪魔だけど、
とてつもなくアホでバカだし、他人に害を与えるような奴じゃないから
心配しなくていいとおもうけど」

サターニャ「だ、だれがアホでバカよっ!」

ガヴリール「うるさいなあ…、フォローしてやったんじゃん」

サターニャ「フォローすんならもっとちゃんとしなさいよっ」

桃「金髪の君も、人間じゃないよね?
悪魔でもないし…、雰囲気的には光属性に近い気がするけど…闇属性のようにもみえる…」

桃「いったい、どういう存在なのかな?それに、シャミ子に近づいて、いったいどういうつもり?」

ガヴリール「そっちこそ人間にはみえないけど…、別に私もこのバカ悪魔の
そこの角生えた子に興味なんかないから、つっかかってくるのやめてほしいんだけど」
35:2019/09/29(日) 01:01:33.899 ID:0q0wZujB0.net
シャミ子「や、やめてください桃、サタニキアさんは悪い人じゃありませんし、
そこの金髪の子も良と同い年くらいの小学生じゃないですか、突っかかるのはやめてください」

ガヴリール「誰が小学生だよだれがっ、ほら、サターニャもういくぞ」

サターニャ「あ、ちょ、ちょっとガヴリール、ひっぱらないでよ」

桃「ちょ、ちょっと待って、話はまだ終わっていな…、………え?」

シャミ子「どうしたんですか、桃…?」

桃「2人がいない…」

シャミ子「え?」

桃「路地を曲がってすぐなのに…やっぱり怪しいよあの2人!」

シャミ子「あ、桃っ、どこ行くんですか!?」

桃「あの2人、ちょっと探してくるっ、シャミ子はそこで待ってて!」

シャミ子「ま、待っててって…、ええ…?」
37:2019/09/29(日) 01:17:28.809 ID:0q0wZujB0.net
町の郊外

ガヴリール「はあ、はあ…、あーよかった久しぶりに神足通が成功して」

サターニャ「ちょっとガヴリール、どうしたのよ天使の術までこんなとこまで
移動してきて…」

サターニャ「ねえ、わたし、あのシャドウ何とかいう子、同じ悪魔として気になるんだけど」

ガヴリール「ばか、まだそんなこと言ってんのかお前…、だから、
あの角生えた子、雰囲気的に悪魔じゃねえって…、それに」

ガヴリール「あのピンク髪の女…、何者かよくわかんなかったけど
、とんでもない力秘めてる感じだったし、あのままいたら何されたことやら」

サターニャ「え?あのピンク色の女、そうなの?」

ガヴリール「ありゃやべーわ…、
あんなのうちのゼルエル姉さんがいないと絶対太刀打ちできないし、
逃げてきて正解だったな」

ガヴリール「とりあえず、念のため、ヴィーネとラフィエルにも連絡を…」

桃「はあ、はあ…、見つけた」

ガヴリール・サターニャ「え?」
40:2019/09/29(日) 01:35:38.123 ID:0q0wZujB0.net
ガヴリール「な、なんで、ここにっ!神足通でだいぶ遠くまで移動してきた
はずなのにっ!?まさか、お前も同じような術をっ?」

桃「え?普通に走り回って見つけただけだけど?」

ガヴリール「え、ええ…うそだろ…、なんだよコイツやべーよ…、やべえよ」

桃「そんなことより…、さあ、シャミ子に近づいた目的がなんなのか、
何をたくらんでいたのか、力づくでも話してもらうよ」じりっ

ガヴリール「だ、だから私たちは何もたくらんでなんかないってばっ、
おいサターニャ、お前もなんとか言えって」

サターニャ「そうね、しいて言えば、あのシャドウ何とかって子を
このサタニキア様の眷属にしてあげようと思ったってことくらいかしらね?」

ガヴリール「ええええ!?お前急になに言っちゃってんの!?」
48:2019/09/29(日) 01:54:19.446 ID:0q0wZujB0.net
桃「けん…ぞく?」

ガヴリール「馬鹿だろお前、何突拍子もないこと言ってんだ、バカ悪魔ッ」

サターニャ「なによ、私はただ、あのシャドウ何とかって子、バカっぽかったけど
すごくいい子そうだったし、もうちょっと話してみたいとおもっただけで」

ガヴリール「いやだったら素直にそう言えよ、あとバカっぽいのはあの子より
お前のほうが上だからっ、そこ勘違いすんなよっ!」

桃「眷属なんて言葉がでるところをみると…、そっちの赤髪の子は魔族よりの種族なんだね」

サターニャ「ふふ…、いかにも。我が名は胡桃沢=サタニキア=マクドウェル!
魔界の支配者で…あいたあっ!なにすんのよガヴリール!」

ガヴリール「いいから話をこれ以上ややこしくすんな馬鹿ッ!」

桃「ふーん、シャミ子を眷属にしてどうするつもりだったかは知らないけど、
やっぱりロクでもないこと企んでたんだ」じり…

ガヴリール「いや、だから違うってこれはその…!あの…」ビクビク
49:2019/09/29(日) 02:08:23.560 ID:0q0wZujB0.net
シャミ子「ぜい…ぜい…も、ももぉ…」

シャミ子「や、やっと追いつきました」

桃「シャミ子…?なんでここにっ、あそこで待っててっていったでしょ!?」

シャミ子「はあ…はあ、け、けど桃、わたし、その2人はとても悪い人にはみえないんですけど…」

桃「おバカ、人はみかけによらないんだよ…って、え?」

シャミ子「けど、桃…はあ、はあ…」

桃「シャミ子危ないっ、トラック来てるっ!」

シャミ子「……え?」

ゴオオオ…!

サターニャ「あ、ちょ、危ないっ!」
51:2019/09/29(日) 02:21:10.445 ID:0q0wZujB0.net
……

シャミ子「はあ…はあ、あ、あれ?あれ?確か…ダンプさんが来て…」

シャミ子「ドつかれるところだったはずなのに兵器…?
って、あ、あれ、サタニキアさんっなんで私を抱きかかえてっ!?」

サターニャ「ふふ、間一髪だったわね、
シャドウ何とかよ…、このサタニキアさまがひかれる直前に
身を挺して守ってやったんだから感謝なさいっ」

シャミ子「さ、サタニキアさん…!あ、ありがとうございますっ」

ガヴリール「ばーか、何言ってんだよサターニャ、無謀にも
ダンプの前に飛び込みやがって…
私がとっさにお前ら2人ごと神足通で移動させなきゃ、2人ともお陀仏だっただろうが」

ガヴリール「感謝するならわたしに…、って……え?」

しゅうう…

桃「……」
52:2019/09/29(日) 02:27:06.055 ID:0q0wZujB0.net
桃「なるべくふんわり止めましたけど、大丈夫ですか、ダンプの人?」

ダンプ運転手「」

………

サターニャ「え…、あのピンク髪の変な恰好…、おかしいわね、
さっきまで地味な恰好だったのに。いつの間に着替えたのかしら?」

ガヴリール「え??いやいやいや、そこじゃなくね?
なんか私、あのピンクがダンプ止めてるようにみえるんだけど、気のせいかな…?」

シャミ子「ああ……、そうなんです。実は…、片手ダンプなんです、桃は」

ガヴリール「いやどういうことだよ!!?」
55:2019/09/29(日) 02:43:32.886 ID:0q0wZujB0.net
その後

桃「ガヴリールさんが天界から来た天使で、サタニキアさんが魔界から悪魔…」

桃「本当にそんな世界があるだなんて、にわかに信じがたいけど、
さっきはとっさにダンプからシャミ子を助けてくれたわけだし、
少なくとも、悪い人じゃないっていうのは信じるよ」

ガヴリール「ああそう…、まあどうでもいいよ、誤解さえ解ければ」

桃「それにしても、ガヴリールさんからは、天使というよりも悪魔っぽさもふんだんに
感じるけど…、天使ってイメージと違って、ちょっとだらしない要素も含まれてるものなのかな」

ガヴリール「ほっとけよ、そっちも光属性っていうよりも闇属性ぽいし、お互い様だとおもうけど」
56:2019/09/29(日) 02:59:39.654 ID:0q0wZujB0.net
ガヴリール「まあいいや、今日はもう疲れたからサターニャ連れて帰るわ、それじゃあ」

桃「そうだね、私もシャミ子を連れてそろそろ…ん?」

……

シャミ子「す、すごいです、サタニキアさんっ
角を自由自在に隠したり出したりできるだなんてっ!それで普段は、
悪魔なのに人間のふりをしているんですねっ!」

サターニャ「くっくっく、優子よ…、この大悪魔の力に驚きを隠せないようねえ…
この悪魔的収納(デビルズストレージ)の力にっ!」

シャミ子「す、すごいです、悪魔かっこいいですっ!
それにサタニキアさんの服装も、全体に黒を基調としてまぞくに通ずるところがあって
勉強になりますっ」

サターニャ「くくく…、このファッションセンスを理解するとは、まぞくってのも
なかなかのものね、アンタ、やっぱりなかなか見込みがあるわ」

シャミ子「ええ~、そ、そうですか…、えへへ」


桃「……」
58:2019/09/29(日) 03:04:11.177 ID:0q0wZujB0.net
ガヴリール「ふーん、なんかあのシャミ子って子、サターニャと気が合うんだな、
まあ、バ…、系統が似てるから波長があうのかな」

桃「そうだね」モヤモヤ

ガヴリール「え…?なんか、怒ってる…?」

桃「ん、別に…?」
59:2019/09/29(日) 03:19:46.632 ID:0q0wZujB0.net
桃「シャミ子、そろそろ一緒に帰ろうか、日も暮れそうだし」

シャミ子「あ、ほんとですね、けど桃、もう少しまってください、
もう少しサターニャさんとお話がしたくて」

桃「なんでいつの間にかサタニキアさんのことあだ名で呼んでるのかな、シャミ子…?
ほら、もう帰らないと…、サタニキアさんも、もういいでしょ?」

サターニャ「何よ、もうちょっといいじゃないのよ、優子はなかなか見込みが
あるし、今日はこの大悪魔たる私の武勇伝をもっと聞かせてやるわっ」

シャミ子「ええっ、お願いしますっ!」

桃「……っ!?いや、そういうのいいですからっ!そ、それに今日出会ったばっかりなのに
シャミ子のこと下の名前で呼ぶとかそういうの…あのっ」
61:2019/09/29(日) 03:26:24.455 ID:0q0wZujB0.net
サターニャ「それじゃあ、次はそうねえ…、魔界通販の道具を駆使して
わが宿敵、ガヴリールを叩きのめしたエピソードを教えてあげるわ」

シャミ子「ま、魔界通販っ、そんな便利なものがあったとはっ、
月4万円生活の吉田家でも購入可能でしょうかっ」

キャッキャ…キャッキャ…

桃「………」

桃「やっぱ…ろくでもなかった…」ぼそっ

ガヴリール「え?」

桃「…………、サタニキアさん…」

サターニャ「ふぇ?」

桃「この悪魔ぁッ!」ごきぃっ

サターニャ「ぴゃっ!」

シャミ子「さ、サターニャさーんっ!!??」


がんばれシャミ子っ!魔法少女だけでなく、
天使や悪魔とも仲良くして立派なまぞくになるんだっ


おわり
63:2019/09/29(日) 03:30:10.360 ID:6p7tz92X0.net
おつ
脳内再生余裕でした
64:2019/09/29(日) 03:30:29.058 ID:5Xti3k1Y0.net
乙乙
これは良いSSだった
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1569677822