2: 2012/01/20(金) 00:18:30.79 ID:ApEp5mdY0
さやか「マミさんうるさいです」

杏子「マミは黙ってろよ」

18: 2012/01/20(金) 00:50:30.42 ID:ApEp5mdY0
さやか「マミさんは黙っててください!」

杏子「マミは黙ってろよ!これはあたしとさやかの問題だ!」

マミ「言い合いになるだけならわかるけれど、どうして魔法少女の姿に変身して互いに臨戦態勢を取ってるのよ!」

さやか「これは女と女の決闘なんです!」

杏子「そうだ!お互い後には引けないからこうなってるんだろ!?」

マミ「ああもう・・・言ってることはなんとなくわからなくもないけど・・・」



マミ「ケーキならまた今度作ってあげるから!だから喧嘩はやめなさい!」

さやか・杏子「断るっ!!」

21: 2012/01/20(金) 00:54:12.24 ID:ApEp5mdY0
杏子「あたしは今食べたいんだ!今逃したらまたしばらく食べられないんだぞ!?」

さやか「それはお互い様よ!」

マミ「はぁ・・・仕方ないわね。これだけはしたくなかったけれど・・・。」

杏子「さやか、覚悟おおお!!」ダッ

さやか「絶対にかあああつ!!」ダッ

マミ「二人ともストップ!」

さやか・杏子「!?」

マミ「これで今日のお茶会はおしまい!」パクッ

さやか・杏子「ああっ!!!」

25: 2012/01/20(金) 00:57:27.23 ID:ApEp5mdY0
杏子「マミてめぇ!あたしのケーキ、最後の一口をよくも!!」

さやか「マミさんのケーキが・・・」ヘナヘナ

マミ「最初からこうしておけばよかったのね・・・」モグモグゴクン

マミ「はい、お開きよ。後片付け手伝って、二人とも。」

杏子「ちくしょう・・・楽しみにしてたのに・・・」ヘタッ

さやか「・・・・・・・・。」ボーゼン

マミ(・・・ちょっと悪いことしたかしら・・・?)

30: 2012/01/20(金) 01:01:21.77 ID:ApEp5mdY0
マミ「それじゃ、気を付けて帰るのよ?二人とも。」

さやか「はい・・・。」ボーゼン

杏子「ああ・・・。」ショボーン

マミ(二人とも、そこまで落ち込まなくても・・・)バタン

~~~

さやか「あーあ・・・最後のひと口、食べたかったなぁ・・・。」

杏子「マミの性格上、それだけはしないって踏んでたんだけど・・・あたしの勘も鈍ったかな。」

35: 2012/01/20(金) 01:07:47.36 ID:ApEp5mdY0
さやか「おいしいよねぇ、マミさんのケーキ。クリームたっぷりなのにくどくなくて。」

杏子「お、わかってるじゃねえかさやか。あのケーキの真髄はそこにあるんだよな。」

さやか「それに、紅茶との相性も抜群だし。あの組み合わせはもはや凶器だね!」

杏子「あたしも、マミとコンビを解消する時には迷ったもんだよ。もうこれ食えなくなってもいいのかって自分に自問しまくったし。」

さやか「もらってばっかりじゃ悪いし、今度お茶会やるって時にはあたしも何か持って行こうかなぁ。」

杏子「お、さやかもなんかお菓子作るのか?」

さやか「まさか。マミさんのケーキみたいな本格的なのは作れないよ。まぁ、クッキーとか簡単な物なら。」

40: 2012/01/20(金) 01:13:22.93 ID:ApEp5mdY0
杏子「ほう。ま、あたしは食べる専門だし、そん時はさやかのクッキーも食ってやるよ。」

さやか「あんまり期待はしないでよ?」


マミの部屋―――

マミ「さて、と。美樹さんも佐倉さんも楽しみにしているみたいだし、新しいケーキの下ごしらえでもしようかしら。」

マミ「今度は、今日みたいなことにならないようにもう少し多めに・・・っと。」

マミ「それにしても、あそこまで気に入ってくれると、作る方にも力が入るわね。」

43: 2012/01/20(金) 01:18:50.75 ID:ApEp5mdY0
翌日―――

さやか「お、前方にマミさん発見!」

さやか「おはようございます、マミさんっ!」トンッ

マミ「あら、美樹さんおはよう。」

さやか「昨日はすみませんマミさん、ちょっと取り乱しちゃって。」

マミ「あら、気にしなくてもいいのよ。結果はどうあれ、わたしの作ったケーキを気に入ってくれてのことなんだから。」

さやか「そう言ってくれると助かります!」

マミ「また今度、お茶会しましょうね。」

48: 2012/01/20(金) 01:25:00.42 ID:ApEp5mdY0
杏子「おーっす二人とも!」

さやか「杏子、おはよう!」

マミ「佐倉さん、おはよう。」

杏子「マミ、昨日は悪かったな。」

マミ「あなたも美樹さんと同じことを言うのね。気にしなくてもいいのよ?」

杏子「いや、あたしは食いものの事ではうやむやにしたくねえんだ!」

杏子「だから、次もあたしを誘ってくれよな!」

マミ「ええ、それはもちろん。」

51: 2012/01/20(金) 01:30:43.14 ID:ApEp5mdY0
まどか「おはようみんな!今朝は賑やかだね!」

さやか・杏子「!」

マミ「鹿目さん、おはよう。」

杏子(おいさやか・・・。)ボソボソ

さやか(わかってる、杏子・・・。)ボソボソ

まどか「何のお話してたの?」

マミ「ええ、昨日ね・・・。」

さやか「あ、まどか!ちょっと二人で話したいことがあるんだけど、いい?」ササッ

まどか「え、なに、さやかちゃん!」

さやか「ごめんマミさん、杏子!ちょっとまどかと二人で話したいことがあるから!」

マミ「え?」

杏子「ああ、わかった!さ、行こうぜマミ!」

56: 2012/01/20(金) 01:37:03.88 ID:ApEp5mdY0
杏子(あぶねぇあぶねぇ・・・)

マミ「美樹さん、どうかしたのかしら?鹿目さんと話したいことがあるって言っていたけど。」

杏子「さ、さあな。まぁ、あの二人仲いいみたいだし、二人っきりじゃないと話せない事でもあるんじゃないのか?
    まぁ、気にしなくても大丈夫だろ。」

マミ「そう?それならいいのだけれど・・・。」

ほむら「あら、佐倉さん、巴さん。珍しいわね、二人で歩いているなんて。」

杏子「!?」

マミ「暁美さん、おはよう。」

ほむら「ええ、おはよう。ところで、まどかを見なかったかしら?」

59: 2012/01/20(金) 01:42:10.04 ID:ApEp5mdY0
マミ「鹿目さんなら、美樹さんが話があると言って二人でどこかへ行ったわ。」

ほむら「・・・そう、ありがとう。」スタスタスタ

杏子(ふぅ・・・冷や冷やするぜ。」

マミ「今度のお茶会には、鹿目さんや暁美さんも誘いましょうか?」

杏子「えっ!?」

マミ「その方が賑やかで楽しくなると思わない?」

杏子「そ、そうだな。いいんじゃねえか?」(これはあかん・・・!)

63: 2012/01/20(金) 01:47:51.76 ID:ApEp5mdY0
昼休み、屋上―――

杏子「―――・・・ってことを今朝、マミが言ってた。」

さやか「あちゃあ・・・せっかくまどかを離したのに、意味無しだったか。」

杏子「ほむらの奴のタイミングが悪いんだよ。あいつと今朝、あそこで出会わなければこんなことにはならなかったと思う。」

さやか「ほむらか・・・。」

杏子「どうするよ、さやか・・・。」

さやか・杏子「うーん・・・」

65: 2012/01/20(金) 01:53:27.95 ID:ApEp5mdY0
中庭―――

マミ「あれ、暁美さんに鹿目さん。お昼は二人だけ?」

まどか「マミさん!さやかちゃんなら、お昼休みに杏子ちゃんと話したいことがあるって言って屋上に行ってるよ。」

マミ「そう。お昼、一緒してもいいかしら?」

まどか「もちろんです!」

ほむら「そういえば、昨日の夜に美樹さんと佐倉さんが一緒に歩いているのを見掛けたけれど、何をしていたのかしら?」

まどか「二人が?」

ほむら「ええ。何やら楽しげに話しながら歩いていたわ。」

マミ「昨日の夜なら、お茶会の後かしら。」

68: 2012/01/20(金) 01:58:24.88 ID:ApEp5mdY0
ほむら「お茶会?」

マミ「ええ。昨日、魔女の手下を倒した後にわたしの家でお茶会をしていたのよ。暁美さんが見掛けたのは、その後だと思うわ。」

まどか「あーっ!ずるいですマミさん!三人だけでお茶会なんて!」

マミ「ごめんなさい、でも鹿目さんや暁美さんに連絡を入れる暇もなかったのよ。」

ほむら「わたしは別に・・・。」

マミ「ダメよ暁美さん。一応わたしたちは仲間なんだから、そうやって別行動を取ろうとするのは。」

ほむら「「む・・・。」

まどか「いいなぁ、マミさんのケーキ。わたしも食べたかったなぁ・・・。」

69: 2012/01/20(金) 02:05:07.85 ID:ApEp5mdY0
マミ「今度はあなたたちにも声を掛けるから、それで許してちょうだい?」

まどか「はぁい・・・。」

屋上―――

さやか「それなら、マミさんが直接まどかやほむらに声を掛けちゃった場合は諦めるしかないとして。」

杏子「ああ。あたしたち経由で誘おうとした場合は、黙殺だ。これなら多分大丈夫だろう。」

さやか「さっすが杏子!悪いことを考えさせたら右に出るものはいないね!」

杏子「うはは!褒めても何も出ねぇぜさやか?」

72: 2012/01/20(金) 02:09:20.89 ID:ApEp5mdY0
放課後―――

さやか「それじゃ、帰ろっかまどか!」

まどか「うん、さやかちゃん。」


さやか「あー、今日も疲れたねぇ。」

まどか「あはは、大げさだよ。」

まどか「あ、そう言えば聞いたよさやかちゃん。」

さやか「えっ?」

まどか「昨日、マミさんの家でお茶会やってたんだって?ずるいよさやかちゃん。わたしも行きたかったなぁ。」

さやか(なん・・・だと・・・?)

73: 2012/01/20(金) 02:14:01.40 ID:ApEp5mdY0
住宅街―――

杏子「ふんふ~ん・・・っと。」テクテク

ほむら「佐倉さん?何をしているの?」

杏子「ん、ほむら?いや、魔女の気配しねぇかなーって適当にぶらついてただけだけど。」

ほむら「・・・いえ、今はそんなことよりも大切な話があったのを思い出したわ。」

杏子「な、なんだよ急に?」

ほむら「巴さんから話は聞いたわよ。」

杏子「え」

ほむら「昨日の夜、美樹さんと一緒に巴さんの家でお茶会をしていたそうね?」

杏子「!?」

77: 2012/01/20(金) 02:19:56.02 ID:ApEp5mdY0
ほむら「あなたもずいぶんと丸くなったものね。」

杏子(まさか既に本人と接触しているとは・・・くっ、学校内でか?)

ほむら「それとも、それがあなたの本質なのかしら?」

杏子「・・・ああ、そうだよ。わりぃかよ?」

ほむら「いえ、別に悪いとは言っていないわ。わたしには関係のない話だものね。ただ・・・。」

杏子「た、ただ?」

ほむら「まどかを除け者にするのはやめなさい。まどか、羨ましがっていたわよ?」

杏子「い、いや、別に除け者にしてるわけじゃ・・・。」

79: 2012/01/20(金) 02:25:34.34 ID:ApEp5mdY0
夜、廃ビル屋上―――

杏子「事態は深刻だ!」バンッ

さやか「昼休みにまどかとほむらのガードを手薄にしたのは失敗だったか・・・!」

杏子「このままじゃまずいぞさやか・・・。マミのケーキの当たり分が少なくなっちまう!」

さやか「困ったね・・・あの様子だと、次またあたしと杏子だけで行ったらまどか泣いちゃうよ。」

杏子「そこで、だ。」

さやか「な、何かいい案があるの!?」

杏子「ああ。奥の手、だがな。こうなっちまったら切り札を切らざるをえまい・・・。」

80: 2012/01/20(金) 02:30:55.19 ID:ApEp5mdY0
さやか「今は藁にもすがる思いだよ!お願いします、神様仏様杏子様!何とぞわたくしめに名案をお授けくださいっ!」

杏子「昨日の夜、さやかが言ってたことだ。」

さやか「・・・え?」

杏子「つまり、だ。お茶受けを増やしちまえばいいってわけよ!」

さやか「ま、まさか・・・?」

杏子「さやか・・・全ては、お前のクッキーにかかっているっ!」ガシッ

さやか「うええええええええ!?」

杏子「まどかとほむらが来ても、お前のクッキーを大量に与えちまえばいいってわけだ!な、名案だろ?」ニカッ

83: 2012/01/20(金) 02:34:50.52 ID:ApEp5mdY0
さやか「・・・は、ははは・・・。」

杏子「ん、どうしたさやか?名案すぎて感動したのか?」

さやか「そりゃ、切り札どころかジョーカーだよ杏子・・・。」

杏子「ど、どういうことだ?」

さやか「あたし、クッキーなんて作ったことないよ・・・?」





杏子「おい。」

さやか「いやぁ、昨日家に帰ったあとに調べたんだけどさ、クッキー作りも奥が深いよねぇあははは!」

杏子「・・・おい・・・。」

86: 2012/01/20(金) 02:39:48.87 ID:ApEp5mdY0
杏子「と、とにかくだ!もう手はそれしか残ってねぇ!」

さやか「とんでもないこと言いやがりますね杏子様・・・。」

杏子「だ、大丈夫だ!クッキーなんて、適当に生地作ってオーブンで焼きゃあいいだけの話だろ?簡単簡単!」

さやか「うう・・・。」

杏子「マミのケーキの当たり分が少なくなってもいいのかさやかっ!?」

さやか「そ、それは嫌だけど・・・。」

杏子「なら頑張れ!大丈夫だ、お前なら出来るっ!」

87: 2012/01/20(金) 02:44:05.04 ID:ApEp5mdY0
さやか「だ、だったら杏子も手伝ってよ!あたし一人じゃ絶対まともなのは出来ないよ!?」

杏子「ちっ、そう来るか・・・!」

さやか「年頃の女の子が二人揃ってまともなお菓子が出来ないなんてことにはならないでしょ?」

杏子「む・・・。」

さやか「マミさんのケーキが(ry」

杏子「仕方ねぇ・・・背に腹は代えられねぇか・・・!」

さやか「杏子!」

杏子「やるぞ、さやか!」

さやか・杏子「おー!」

89: 2012/01/20(金) 02:49:00.28 ID:ApEp5mdY0
翌日―――

まどか「え?さやかちゃん、今日学校休むの?」

さやか「いやぁ、ちょっと体調がすぐれなくってさ。風邪かなー?げほ、げほっ!」

まどか「そっか・・・風邪なら仕方ないね。ゆっくり休んでね?」

さやか「ごめんねーまどか!明日にはよくなってると思うから!」

まどか「うん。じゃあ、わたしは行くね。」バタン

杏子「・・・まどか、行ったか?」

さやか「ん、行ったよ。」

91: 2012/01/20(金) 02:53:50.89 ID:ApEp5mdY0
美樹家、キッチン―――

杏子「さて、マミのケーキ氏守作戦、その最終段階なわけだが・・・。」

さやか「前置きはいいから、やるよ!」

杏子「ちょ、ちょっと待てさやかっ!まだ心の準備が・・・。」

さやか「こういうのは迷ったら負け!さくさくっとやる!」

杏子「わ、わかったわかったからっ!」

さやか「えーなになに・・・。」

92: 2012/01/20(金) 02:58:16.06 ID:ApEp5mdY0
~~~10分後~~~

さやか「と言うわけで、材料がないことがわかりました。」

杏子「10分もレシピと格闘しといて、得た情報はそれだけかよっ!」

さやか「だ、だってあたしこういうのは初めてで・・・。」

杏子「あ~もう!何と何がないんだ!?」

さやか「えーと・・・、無塩バターと、薄力粉・・・かな?」

杏子「その間はなんだよ!?」

さやか「ちょっと自信なくて・・・あはは。」

杏子「ったく・・・で?無塩バターとなんだって?」

さやか「薄力粉。」

杏子「薄力粉な。・・・薄力粉・・・?」

さやか「薄力粉って・・・なに?」

杏子「・・・・・・・・わかんねぇ。」

95: 2012/01/20(金) 03:04:02.66 ID:ApEp5mdY0
さやか「こ、小麦粉の一種かな?だよね?」

杏子「なら、小麦粉を買ってこればいいんだな?」

さやか「そ、そうだね!小麦粉だね!」

杏子「よし、わかった。買って来るから待ってろ。」

~~~20分後~~~

杏子「買って来たぞ~」バタン

さやか「おかえり、杏子!よし、んじゃ始めよっか!」

98: 2012/01/20(金) 03:09:58.84 ID:ApEp5mdY0
~~~30分後~~~

さやか「・・・っと。あとはこれを型抜きで形を作って、冷蔵庫で冷やす、と。」

杏子「なんだか無駄に疲れちまったよ・・・。」

さやか「まだ終わってないってば杏子!ほら、型を抜くの手伝ってよ!」

杏子「それくらい一人で出来るだろぉ・・・。」

さやか「杏子が大量に作るって発案したんでしょ!?買って来た小麦粉全部ぶち込むから生地がえらいことになってるんだってば!」

杏子「あ~もうしょうがねぇなぁ・・・。」

100: 2012/01/20(金) 03:14:41.34 ID:ApEp5mdY0
~~~一時間後~~~

さやか「ふぅ、なんとか型抜き作業は終わったね・・・。」

杏子「あたしちょっと休んでていいか・・・?」

さやか「うん、あとはオーブンで焼くだけだから。えっとなになに・・・。『オーブンを180度で余熱しておく』・・・。」

さやか「ねえ杏子・・・。」

杏子「あ~・・・?なんだよさやか・・・。」

さやか「余熱って・・・なに?」

102: 2012/01/20(金) 03:18:26.66 ID:ApEp5mdY0
杏子「余熱ってのは読んで字のごとくだろ?」

さやか「どういうこと?」

杏子「つまり『熱が余ってる状態』なわけだ。」

さやか「ふむふむ・・・。」

杏子「オーブンで物を温めた後ってオーブンの中熱いだろ?つまりはそういうことだ。」

さやか「なるほど!さすが杏子は冴えてるねぇ!」

杏子「わかったら早く余熱しろよ・・・。」

さやか「待ってよ、中に何か入れておかないと、オーブンの中も温まらないんじゃないの?」

杏子「適当に水でも入れときゃいいだろ・・・。」

さやか「あ、なるほど。」

104: 2012/01/20(金) 03:22:20.15 ID:ApEp5mdY0
~~~一時間後~~~

さやか「よし、オーブンの余熱も終わってる、生地もレシピ通り冷蔵庫で冷やし終わった・・・。」

杏子「後は焼くだけだな。」

さやか「よ、よし。クッキー生地も全部セット完了!」

さやか「オーブン、スタート!」ピッ

ボォォォォンッ!!!

さやか・杏子「!?」

107: 2012/01/20(金) 03:26:01.91 ID:ApEp5mdY0
さやか「い、今なんか爆発しなかった!?」

杏子「そんなバカな!?今までは完璧だったはずだろ!?」

さやか「あれ、でもオーブンは割と普通に動いてる・・・?」

杏子「・・・ば、爆発するのも予定通りだったんじゃないのか?」

さやか「でもレシピにはそんなこと一言も・・・。」

杏子「今までレシピ通りにやったんだ!大丈夫、間違っちゃいねえよ!」

さやか「だ、だよね!心配して損しちゃった!」

杏子「後は焼きあがりを待つだけだな!」

さやか「いやぁ、疲れたねぇ!」アハハ

109: 2012/01/20(金) 03:30:51.46 ID:ApEp5mdY0
~~~15分後~~~

ピーッ ピーッ

さやか「焼きあがったみたい・・・。」

杏子「・・・ほ、ほら、何やってんだよ。早く開けろよ・・・。」

さやか「ちょ、ちょっと待って・・・なんだか緊張して来ちゃった・・・。」

杏子「女ならズバッと行け!ほら、早く!」

さやか「う・・・え、えーい!なるようになれ!」ガチャッ

ホンワカ・・・

杏子「おお・・・。」

さやか「いい匂い・・・。」

112: 2012/01/20(金) 03:35:59.22 ID:ApEp5mdY0
コトッ

さやか「とりあえず見た目はなんともなさそうだね。」

杏子「見た目は・・・な。」

さやか「問題は味の方なんだけど・・・。」

杏子「さ、さやかに先を譲ってやるよ。ほら、ぐっと行けぐっと!」

さやか「なんだか得体のしれないオーラを感じるんだけど・・・?」

杏子「き、気のせいだよ気のせい!レシピ通りにやったんだろ?」

さやか「ま、まぁそうなんだけどさ・・・。」

115: 2012/01/20(金) 03:42:06.66 ID:ApEp5mdY0
さやか「ま、まぁ味見はいいよねっ!レシピ通りに作ったんなら、味も間違いないだろうし!」

杏子「・・・・・・・・・・・・・・・だ、だなっ!第一、あたしらが食べる為に作ったわけでもないしな!」

さやか「そうだよ!これはあくまで、『マミさんのケーキ氏守作戦』の一環なんだからっ!」

杏子「なら、あとは包み紙で包むだけだな!」いそいそ

さやか「マミさんのお茶会が楽しみだねぇ!」

杏子「全くだな!」

アハハハハ・・・



さやか(恭介にあげる分も少しだけ・・・っと)

119: 2012/01/20(金) 03:45:20.48 ID:ApEp5mdY0
その日の夕方―――

ピンポーン

さやか「はーい。」ガチャ

マミ「こんにちは美樹さん。具合はどうかしら?」

まどか「お見舞いに来たよ、さやかちゃん。」

さやか「ま、マミさんにまどか!?」

杏子(マミの奴が来たのか・・・!?)

ほむら「元気そうでよかったわ。」

さやか「ほむらまで・・・。」

121: 2012/01/20(金) 03:50:00.95 ID:ApEp5mdY0
マミ「具合がよければ、お茶会をしようと思って誘いに来たのだけれど・・・その分なら、大丈夫そうね。」

さやか「も、もちろんですよマミさんっ!」

杏子「友達思いの奴に恵まれてよかったな、さやか。」

まどか「あれ、杏子ちゃん?なんでさやかちゃんの家にいるの?」

杏子「ん?ああ、さやかの奴が風邪でくたばったって風の噂で聞いてな、一足先に見舞いに来てたんだよ。」

マミ「よかった、佐倉さんを探す手間が省けたわ。話は聞いてたわよね?」

杏子「ああ。お茶会するんだってな。」

マミ「ええ。今日の夜7時に、わたしの家で。おいしいケーキを作って待っているから。」

まどか「それじゃあ、後でねさやかちゃん!」

さやか・杏子(ついに来た・・・!)

125: 2012/01/20(金) 03:55:55.53 ID:ApEp5mdY0
杏子「さて、早くも作戦を実行に移す時が来たな。」

さやか「お願いしますよぉ特製クッキー様・・・!」

杏子「問題ない!なんたってレシピ通りだ!まずいわけがないっ!!」

さやか「力強いお言葉!その通りだよっ!」

杏子「さあ、戦いへ行くぞさやかよ!」

さやか「どこまでもついて行きますよぉ、杏子様っ!!」


ほむら「ところで、美樹さんの家、何か変なにおいしなかった?」

まどか「わたしも思ったんだけど・・・。」

マミ「気のせいじゃないかしら?」

128: 2012/01/20(金) 04:01:59.46 ID:ApEp5mdY0
夜7時、マミの部屋―――

ピンポーン ガチャッ

マミ「いらっしゃい、待ってたわ。」

さやか「お邪魔しまーす!」

まどか「遅いよさやかちゃーん!」

さやか「ごめんごめん、でも時間には間に合ったでしょ?」

マミ「座って。今、紅茶を入れるから。」

杏子(やっぱりまどかとほむらも来ちまったか・・・)

さやか(でも、問題ないよね?なんたってあたしたちには必殺クッキーがあるんだし)

杏子(当然だろ?)ニヤリ

129: 2012/01/20(金) 04:04:57.27 ID:ApEp5mdY0
マミ「お待たせ。」カチャカチャ

さやか「ありがとうマミさん!」

マミ「それじゃ、いただきましょうか?」

みんな「いただきまーす!」

さやか「あ、ちょっと待ってみんな!」

まどか「? どうかしたの、さやかちゃん?」

さやか「ふっふっふ・・・実は、あたしたちからサプライズがあります!」

杏子「実を言うと、今日さやかが学校を休んだのはこの為だったのさ!」

まどか「えー何々?気になるよー。」

132: 2012/01/20(金) 04:10:35.90 ID:ApEp5mdY0
さやか「じゃーん!あたしと杏子特製のクッキーでーっす!」

杏子「苦労したんだぜ、これ作るの。」

マミ「あなたたちの特製?」

ほむら(もしかして美樹さんの家でした異臭は、これ・・・?)

さやか「ささ、マミさん。包みを開けてみてください!」

マミ「ふふふ、気を使わなくてもいいのに。」スル

さやか・杏子「ふふふ・・・」

マミ「あら?」ボロボロボロ・・・

さやか・杏子「!?」

135: 2012/01/20(金) 04:15:27.02 ID:ApEp5mdY0
まどか「え、あれ?」

マミ「袋の中、ボロボロの粉しか入っていないわ・・・。」

さやか(ど、どういうこと杏子!?)

杏子(わ、わかんねぇよ!)

マミ「・・・もしかして、強力粉を使ったのかしら?」

さやか「きょ、強力粉?」

マミ「クッキーを作るなら薄力粉じゃないとダメなのよ?」

杏子(さやか・・・強力粉って・・・何?)

さやか(わ、わかんない・・・。)

139: 2012/01/20(金) 04:21:08.92 ID:ApEp5mdY0
マミ「ん・・・」ペロッ

マミ「それに味も薄いわ。もしかして、無塩バターを使った?」

杏子「あ、あぁ。さやかが、無塩バターと小麦粉を使うって言うから、買って来て作ったんだ。」

マミ「そこは無塩バターじゃなく、普通のバターでよかったと思うのだけれど。」

さやか「oh・・・」

杏子「なんてこった・・・。」

まどか「ま、まぁ、初めて作ったんなら、仕方ないんじゃないのかな・・・?」モグモグ

ほむら「ドンマイよ。次があるわ。」モグモグ

さやか(普通にマミさんのケーキ食べてるよ、杏子・・・)

杏子(ははは・・・意外にショックがでかいもんだな・・・)

141: 2012/01/20(金) 04:25:47.54 ID:ApEp5mdY0
マミ「うふふ、でも二人とも頑張ったのね。」

さやか「面目ないです・・・。」モグモグ

杏子「菓子作りって難しいもんなんだなぁ・・・。」モグモグ

マミ「お菓子作りなら、わたしが教えてあげるわよ?」

さやか「い、いいんですかマミさん!?」

マミ「ええ、もちろん大歓迎よ。」

さやか「やったよ杏子!お菓子作りの大先生が指導してくれるってさ!」

杏子「あー?ああ、あたしはもういいかなーって」モグモグ

142: 2012/01/20(金) 04:28:44.31 ID:ApEp5mdY0
さやか「え?」

杏子「元々あたしは食べる専門だし、さやかが一人で作れるようになるんならそれでいいんじゃねえの?」モグモグ

さやか「きょ、杏子~・・・。」

杏子「相変わらずマミのケーキはうまいなぁ!」モグモグ

まどか「ちょっと、杏子ちゃんペース早いよ~。」

杏子「こういうのは早いもん勝ちだ!」

ほむら「大丈夫よ、まどか。わたしたちの分なら既にこっちに避けてあるから。」

まどか「あ、ありがとうほむらちゃん!」

144: 2012/01/20(金) 04:33:02.32 ID:ApEp5mdY0
杏子「ラス1もらったぁ!」さやか

パシパシッ

さやか・杏子「!」

杏子「その手を避けろよさやか・・・今のはあたしの方が早かったぞ。」

さやか「ふんっ・・・そのセリフそのままそっくりお返しするわ。」

杏子「ほぉ・・・今日1日、あたしがいなかったらどうなってたと思うんだよ?」

さやか「それもお互い様。作戦の立案者は杏子だしね。」

145: 2012/01/20(金) 04:36:11.30 ID:ApEp5mdY0
杏子「よぉし、いい度胸だ・・・。なら、勝負だ!」バッ

さやか「望むところぉ!」バッ

マミ「ちょっと、あなたたち!」

杏子「止めんなマミ!一度ならず二度までも・・・今日こそは最後のひと口はあたしが食べるんだ!」

さやか「今謝って引き下がれば許したげるよ、杏子?」

杏子「上等だ!」

まどか「ちょ、ちょっと二人とも!」

ほむら「放っておきなさい、まどか。」

さやか・杏子「はあああああ!!」

マミ「二人ともいい加減にしなさい!!」


終わり

146: 2012/01/20(金) 04:37:11.19
言い終わり方だね、乙!

147: 2012/01/20(金) 04:37:39.07
綺麗にまとまったな、乙!!!

151: 2012/01/20(金) 04:40:58.04 ID:ApEp5mdY0
~~~おまけ

さやか「ふぅ・・・」バタン

さやか「あ、そう言えば恭介にあげようと思って取っておいたクッキーがあったんだった・・・。」

さやか「多分、マミさんの家に持って行ったのと同じ運命だと思うけど・・・。」シュルッ

さやか「あれ、ボロボロになってない・・・。」

さやか「これなら恭介に渡せるかも!?」


恭介「うえ、げほっ、げほっ!」

さやか「きょ、恭介!?」

恭介「に、にがい・・・」


ホントにおしまい

158: 2012/01/20(金) 04:46:50.60 ID:ApEp5mdY0
なんとか終わらせられてよかったwww
これで気兼ねなく寝れるww

159: 2012/01/20(金) 04:47:08.27
さやかェ…

162: 2012/01/20(金) 05:02:35.44
乙さやかェ…

引用元: マミ「二人ともいい加減にしなさい!!」