2: 2013/10/06(日) 23:45:16.07 ID:XRXfdwwn0
ある日、俺は由比ヶ浜結衣と温泉旅行に来ていた。それも一泊二日で。

男女で温泉旅行とかどういうことなの?
普通高校生で来る?それも別に恋人同士でもないのに。
こういうのって高校卒業したカップルとかが来るものじゃないの?

そもそも、今回由比ヶ浜と温泉旅行に来たのは平塚先生が原因だった。

1: 2013/10/06(日) 23:44:07.47 ID:XRXfdwwn0

3: 2013/10/06(日) 23:46:27.14 ID:XRXfdwwn0
いつも通り部室で読書をしている俺と雪ノ下。
そして携帯をいじっている由比ヶ浜。
今日も誰も来ないだろう・・・そう思うと読書がはかどる。
すると突然部室のドアが開いた。
「先生・・・ノックを・・・。」
「いや、すまんすまん。今日は君たちにお願いがあってきたんだ。」

やってきたのは奉仕部顧問、平塚静だった。

「ということは・・・平塚先生からの依頼・・・ということでしょうか?」
「うむ、そう受け取ってもらって構わない。今回は私の知り合いがやっている温泉旅館のモニターを頼まれてしまってな。なんでも、若い人間・・・丁度高校生くらいの意見を聞きたいんだと。」

だから平塚先生はダメなんですね。
そう声に出すと殴られそうなので心の中だけでそっとつぶやいておいた。

「それで俺たちに回ってきたと・・・。」
「そういうことだ。本来なら私が行きたかったんだが来て欲しいと言われている日は外せない用事があってな・・・。」

丁度高校生くらいって言われてるのに何で先生が少し行く気だったんですか?
先生アラサーですよね?なんてことは言えなかった。

4: 2013/10/06(日) 23:47:06.84 ID:XRXfdwwn0
「ちなみに、それはいつですか?」
雪ノ下がそう尋ねる。

「来週の土曜日だ。」
「来週・・・申し訳ありませんが私はその日、実家に用があるので難しいです。」
「そうか・・・じゃあ比企谷はともかくとして・・・由比ヶ浜は?」
「アタシ?アタシは特に予定ないですよー。」
由比ヶ浜が答える。

「ちょっと待ってください、何で俺には聞かないんですか?俺だって予定あるかもしれないでしょう。」
まぁ、実際来週の予定なんてないんだけどね。

「なんだ、あるのか。言ってみろ。」
「土曜日ですよね。まず朝寝坊してその日一日退廃的に過ごすという予定が・・・。」
「そうか、じゃあ比企谷と由比ヶ浜。よろしく頼む。」
「ちょっと、無視ですか。あー、もうわかりましたよ。行けば良いんでしょ行けば。」

平塚先生がろくに相手にしてくれなかったのでもう従っておくことにした。
まぁ、温泉自体はそんなに嫌いじゃないし、何より無料だし。
相手が戸塚や小町じゃないのがとても残念だけど。

「ちょっと待ってください。いくら依頼とはいえ・・・この男と由比ヶ浜さんを旅行に行かせるなんて由比ヶ浜さんが危険です!」

「え、何。俺そんなに危険に見えるの?」
「なに、比企谷がお前たちのどちらかに手を出すような人間ならもうとっくに出しているだろう。だから心配ないさ。」
「それは・・・確かにそうかもしれませんが・・・。」
「最も、由比ヶ浜が嫌だと言うのなら話は別だがな。」
「どうなの?由比ヶ浜さん?」

「え?アタシ?いやー・・・私は別に・・・嫌じゃないけど・・・それに・・・奉仕部への依頼だし・・・私行くよ!うん!」
「そうか、じゃあよろしく頼むぞ、由比ヶ浜。」
「はい!」

こういった具合で現在に至る。

5: 2013/10/06(日) 23:48:03.32 ID:XRXfdwwn0
「ヒッキー!早く早く!」
「おーう・・・。」
送迎バスから降り、足取り重く歩いていると由比ヶ浜に急かされる。
なんで2時間もバスに乗ってたのに元気なんだこいつは・・・。

「いらっしゃいませ、2名様でご予約の比企谷様ですね。お待ちしておりました。今お部屋に案内致しますね。」

フロントに向かうとすぐに俺が比企谷八幡だとわかったようだった。
なぜだろう。平塚先生に腐った目をしている奴が来るとでも言われていたのだろうか。

「こちらへどうぞ。」
仲居に案内され進んでいく。
やはり田舎の温泉旅館というだけあって内装も雰囲気がある。
まさに日本という感じ。洋式のホテルには無い感じが個人的には割と好きだ。

「こちらのお部屋になります。」
案内された部屋は当然和室。
部屋の窓からは雄大な山と滝が見える。
景色としては申し分ない。
とりあえず荷物を置き、俺達は座椅子に座った。

6: 2013/10/06(日) 23:48:47.01 ID:XRXfdwwn0
「本日はモニターのご協力大変ありがとうございます。お風呂ですが21時~23時の間に新しく作りました浴場を貸切にしておりますのでその時間にモニターをお願いします。あと、新設の浴場に行かれる際は、その間に布団を敷いておきますのでフロントにお立ち寄りください。通常の浴場はいつでも入浴して頂いて構いません。また、こちらはそのアンケートになりますので、お帰りの際は受付に提出をよろしくお願いします。」

「はい。ありがとうございます。」
「また、お食事ですが夕食、朝食共にこちらのお部屋で食べる形になっております。ご希望の時間はございますか?」
「あー・・・由比ヶ浜、お前希望ある?俺は何時でも良いぞ。」
「うーん・・・じゃあ晩ご飯は7時でー、朝ご飯は7時半で!」
「かしこまりました。では夕食は7時、朝食は7時半にお持ち致しますね。では、何かありましたらお呼びください。ごゆっくりどうぞ。」

7: 2013/10/06(日) 23:50:15.40 ID:XRXfdwwn0
仲居が部屋から出て行き由比ヶ浜と二人きり。
「さて、これからどうする?寝る?」
「ね・・・寝る・・・って・・・」
途端、由比ヶ浜の顔が赤くなる。

「な、なななに言ってんの!?いきなり・・・その・・・寝るとか・・・マジキモい!変態!」
「ちょっと待て。なんで睡眠を提案しただけでそんなに罵声を浴びせられなきゃいかんのだ。」
「えっ・・・?睡眠・・・?」
急に唖然とした表情をする由比ヶ浜。

「えっ・・・って、お前・・・何想像してたんだよ。」
「何って・・・な、なんでもないし!バカ!とりあえず観光に行こう!うん!ほら、外行くよ!」
「えー・・・」
「えーじゃない!行くよ、ほら!」

9: 2013/10/06(日) 23:52:47.25 ID:XRXfdwwn0
旅館から出て少し移動するとお土産屋が並んでいる。
買い物をしている人も結構いる。
やはり・・・一応観光地と言ったところか。

店に入り、色々と見て周る。
そういえば小町にお土産買って来いって言われたしここで何か買おう。
帰りにしたら忘れそうだし。

「ねーヒッキー?これ買おうよ!」
俺は由比ヶ浜が手にしている物体に目をやる。

「名前入りストラップ・・・?あのな、冷静に考えてみろ?こういうところっていうのは一般的な名前しかないんだよ。そして、俺の下の名前は?」
「ヒッキーの下の名前?八幡でしょ?それくらいわかるし!」
「お前、今まで俺以外で八幡って名前のやつに会ったことあるか?」
「ない・・・」
「あと、雪ノ下以外で雪乃って名前のやつには会ったことあるか?」
「ないけど・・・それがどうしたの?」
「ここまで言ってわかんないの?お前どんだけバカなんだよ・・・」
「うっさい!で、何。それがどうしたの?」
「だから・・・俺と雪ノ下の名前はこういうとこで売ってるような一般的な名前じゃないってことだよ。」
「あっ・・・そっか・・・。なんかゴメン・・・。」
「別に気にしたことなんてねえよ・・・謝るのやめろ・・・。」
「うん・・・ゴメン・・・。」

妙に気まずくなる。
何か間違ったこと言ったかな?
当たり前のこと言ったつもりだったんだけどな・・・。

「あ!あそこでお饅頭の試食ある!食べよ食べよ!」
「お、おう・・・」
その後、何店か土産屋をブラブラして旅館に戻った。

10: 2013/10/06(日) 23:54:46.88 ID:XRXfdwwn0
「今17時か・・・飯の前に一回風呂行く?普通のとこはいつでも良いんだろ?」
「うん、行く!ちょっと浴衣に着替えてくるから洗面所使うね!」
「んー・・・じゃあ俺も着替えるか・・・。」

押入れの中にある浴衣を取り、着替え始める。
立場が逆だったら先に着替えた俺が着替え中の由比ヶ浜とバッタリラッキースケベ・・・なんてこともあるんだろうが・・・。
俺の着替え見られたところでどうってことないしな・・・。
男の着替えなんて大した価値は無い。運動部の男子なんて外で平気で着替えるだろ。

とりあえず手早く浴衣に着替えて由比ヶ浜を待つ。
「ひ、ヒッキー?着替え終わった?」
「ああ、終わったぞ。」
「そっか。じゃあそっち行くね。」

由比ヶ浜が戻ってくる。浴衣姿で。
花火大会の時も浴衣姿を見たが、旅館の浴衣というのは何というか違う感じがする。
地味だから・・・というのか。それともお互いに同じ柄を着ているからなのか・・・。

「どう・・・かな?」
「どうって・・・まぁ、似合ってるんじゃねーか・・・?」
直視できず目を逸らしてしまう。何となく・・・恥ずかしい。

「じゃあ・・・行くぞ。」

11: 2013/10/06(日) 23:55:30.41 ID:XRXfdwwn0
浴場に移動した俺達は1時間後に浴場近くの休憩場で待ち合わせをした。
そもそもそんなに長い時間風呂に入らないし、浴場にいる時間より休憩場にいる時間の方が長い気がする。
なんで男女で風呂に入る長さにあんなに差が出るのだろうか。
小町とかも結構長いこと風呂入ってるし・・・。
男女の差というのは極めて不思議なものである。

浴場に入り体を洗った後、とりあえず全ての風呂に入ったがそんなに時間は潰せず30分程由比ヶ浜を待つことになった。

12: 2013/10/06(日) 23:58:05.97 ID:XRXfdwwn0
「はぁ・・・。」
暇なのでとりあえず携帯でまとめサイトを見て時間を潰す。
20分程で由比ヶ浜がやってきた。

「ヒッキー、待った?」
「いや、別に・・・言う程でもねえよ。」
「そっかー、私結構お風呂長い方だから・・・あんまり待ってないみたいで良かったー。」

本当は20分くらい待ってました。なんて言えない。言う気もないけど。

「じゃあ、部屋戻ろうぜ。」
「あ、うん。あ、ちょっと待ってヒッキー!卓球しようよ!ね!温泉なんだし!」
「ここ卓球無いぞ・・・。」
「え?そうなの?」
「部屋に施設一覧書いてあるパンフあったろ。あれに卓球なんて無かった。まあ、あってもお前とはやらないけどな。」
「そうなんだ・・・って、なんで!?良いじゃん!なんでダメなの!?」
「だってお前絶対卓球下手だろ・・・。あ、卓球って英語でなんて言うか知ってるか?」
「卓球?うーん・・・TAKKYU?」
「それただ発音良く言っただけだろ。テーブルテニスな。これ中学生でもわかるぞ。」
「し、知ってるし!ちょっとボケてみただけだし!もう、早く部屋行こう!」

することもないので部屋に戻ったが、部屋で何かをする気もなかった。
とりあえず部屋に戻ればTVがあるし、適当に番組でも見ておけば時間なんてすぐに過ぎるだろう。
そんな俺の考え通り、あっという間に時間は過ぎて気がつけば夕食が目の前に並んでいた。
夕食は意外に豪華で量も申し分なく、育ち盛りの男子高校生でも満腹になるほどだった。

しばらく食休みをした後、新設の浴場に入れる時間になったので用意をし、フロントに寄った後、浴場に向かった。

13: 2013/10/06(日) 23:59:20.98 ID:XRXfdwwn0
「じゃあ、今度は何時に待ち合わせにする?」
「うーん・・・新しいお風呂ってどのくらいの大きさなんだろうね。」
「さぁな。とりあえず30分後で良いか?」
「うん!じゃあまた30分後ね!」

由比ヶ浜と分かれ、脱衣所に入る。
脱衣所の前には本日貸切の文字。
新設の浴場を貸切とは少しVIPになった気分だった。

服を脱ぎ、タオルを持って浴場へ。
湯気で前が見にくい。目が悪い人だったら完全に見えないレベル。
とりあえずかけ湯をして風呂に入る。
「はぁ・・・」

新設の浴場は檜風呂一つだった。
人は・・・詰めれば20人くらい入れるだろうか?
湯気がすごいのではっきりと全体を見通せない。すぐ隣に来たらわかるレベル。
なぜ新設したのかと安全面に疑問が生まれるような場所であった。
まあ、普通の浴場には檜風呂はなかったし、外人に檜風呂はウケが良いらしいから新設したんだろうと自分を無理矢理納得させた時だった。

14: 2013/10/07(月) 00:00:26.32 ID:DUABn1a70
「わー、湯気すごーい・・・」

由比ヶ浜の声が聞こえた。
随分はっきりと聞こえたがここは男湯。
あいつが入ってくるなんてありえない。
きっと銭湯みたいに浴場がすぐ隣で声が聞こえたんだろう。
「あ、これ檜風呂!?すごーい豪華ー!あ、温度も結構好きかも!」

随分とはっきり由比ヶ浜の声が聞こえる。
どんだけあいつ大きな声出して喋ってるんだよ。
タオルを目の上に置きながら上を向いてそんなことを考えていると、少し隣、約1m程度のところに気配を感じた。

タオルを取って気配のする方を見てみると・・・

「って、由比ヶ浜!?」
「えっ・・・ひ、ヒッキー!?なんでここに!?って、私今タオル巻いてないからこっち見ないで!」

タオル巻いてない・・・?ということは裸・・・?
「早く!あっち向いて!」
「わかった!わかったからお湯かけるな!」

15: 2013/10/07(月) 00:01:06.90 ID:DUABn1a70
背中合わせで湯船に入っている俺と由比ヶ浜。
「見た・・・?」
「湯気で良く見えなかった。」
「ほんとに・・・?」
「ああ・・・。」

俺の方が先に入っていたからか、それとも由比ヶ浜と同じ風呂に入っていたからか、少しのぼせてきた。

もう上がろう。これ以上は限界だ。色々と。
「お、俺先に・・・」
「あ、アタシ先に・・・」

完全に俺達が立ち上がったのは同タイミングだった。
そして立ち上がった瞬間、裸の由比ヶ浜が目の前に居た。

「い・・・いやあああああああああ!!!!」

16: 2013/10/07(月) 00:02:02.57 ID:DUABn1a70
なぜか俺の胸から由比ヶ浜の手が見える。
そして、背中に感じる柔らかい感触。

ということは今、由比ヶ浜が俺に抱きついている・・・?

「ゆ、ゆゆ由比ヶ浜・・・!?お、お前・・・なにやってんだよ!?」
「いいい、いや、だってヒッキーがいきなり立ち上がるから!」
「だからってお前・・・この状況は・・・」

今感じるのは背中の柔らかい感触だけじゃない。
俺に張りつくしっとりとした肌の感触とか。
肩にかかる、熱い吐息とか。
そして・・・由比ヶ浜の体温が・・・。

いろんな感覚を同時に感じ、少しのぼせかけて思考能力が鈍っていた俺に追い討ちをかける。

17: 2013/10/07(月) 00:02:59.86 ID:DUABn1a70
このままじゃ・・・何かを間違えてしまいそうだ。
「おい、由比ヶ浜・・・さすがにこの状況は・・・」
「ご、ゴメン・・・でも・・・ヒッキーは・・・私が本気で嫌がるようなことはしないって信じてるから・・・」
「お、おう・・・」

本気で嫌がることってなんだよ。
ていうか、それはつまり本気で嫌がらなければOKってことなの?
でも由比ヶ浜に手なんか出したら・・・雪ノ下や平塚先生に何言われるかわかったもんじゃないし・・・。
社会的に消される可能性だって出てくる。

「ひ、ヒッキー・・・」
「な、なんだよ・・・」
「ドキドキしてる・・・ね・・・。心臓の音・・・伝わってくる・・・。」
「なっ・・・!?」

もうダメだ。このままだと本当に間違えてしまう。

「由比ヶ浜、俺先に出るから!お前もう少し入ってろ!な!」
「えっ、ちょっと!ヒッキー!?」

俺は由比ヶ浜を振り切り、すぐに脱衣所へ向かった。

18: 2013/10/07(月) 00:04:07.84 ID:DUABn1a70
「はぁ・・・。」

本当にヤバかった。俺の理性は本当に良く頑張った。
由比ヶ浜のやつ・・・見えそうだから抱きついて隠すってどんな発想だよ・・・。

「このままじゃ耐えられない・・・。しばらく外で頭冷やそう・・・。」

着替えた俺は、1時間ほど旅館の外のベンチで時間を潰した。

19: 2013/10/07(月) 00:05:05.32 ID:DUABn1a70
部屋に戻ると、由比ヶ浜が座椅子に座ってテレビを見ていた。
「あ、ヒッキーおかえり・・・」
「お、おう・・・」
お互いにさっきの出来事の恥ずかしさからか、目を逸らしてしまう。

そこで俺は、異変に気付く。
「この布団・・・近くないか?」

二人分の布団はピッタリとくっついている。その差0cm。完全に密着。

「いやー・・・そう思って私も離そうかなーって思ってみたんだけど・・・敷布団がダブルサイズなんだよね・・・」
「なん・・・だと・・・?」

すぐに掛け布団を捲って見たが由比ヶ浜の言う通り、敷布団はダブルサイズ。
つまり、1つに敷布団に2つの掛け布団ということだ。

「これ・・・変えてもらうか・・・?」
「え?いや・・・私なら・・・大丈夫・・・。ひ、ヒッキーは・・・私と一緒の布団に寝るの・・・嫌?」

そんなこと言われて、嫌だなんて言える訳はなかった。
「べ、別に嫌じゃねーよ・・・。」
「そっか・・・良かった・・・。」

「じゃあ・・・そろそろ歯磨いて寝るか・・・。」
「う、うん・・・。」

そして俺達は眠りについた。

20: 2013/10/07(月) 00:07:29.36 ID:DUABn1a70
突然に目が覚めた。
時計を確認すると深夜3時。
布団に入ってから1時間程寝付けずにいたが、どうやら寝ていたようだ。
とりあえずトイレで用を足し、戻ってくるとそこには布団を取って身一つ寝ている由比ヶ浜がいた。

「おいおい・・・風邪引くぞ・・・」
と、布団をかけ直してやろうとした瞬間、あることに気付く。

「こ・・・これは・・・」
浴衣がはだけ、今にも由比ヶ浜の胸が3割ほど見えている。
しかも・・・ノーブラ・・・。

直視するのが恥ずかしくなり、由比ヶ浜の布団を急いでかけ直し、そそくさと自分の布団に入る。
なんなんだよこいつは!?
なんで風呂の時とか今とかこんなにも無防備なんだよ!
俺に理性がなかったらとっくに襲われてるぞ!
もう3回戦目まで突入してるぞ!

「ヒッキー・・・」
「!?」
「ヒッキー・・・大好き・・・」
「寝言・・・か・・・。」

結局その後も余り寝付けず、数10分に一回は目が覚め、時間を確認し寝る、という夜を過ごした。

21: 2013/10/07(月) 00:09:47.29 ID:DUABn1a70
朝、目が覚めて顔を洗った後、椅子に座りボーッとする。

「あ、ヒッキーおはよー。」
「おう・・・」
由比ヶ浜の胸元は相変わらずはだけている。
直視できないので目を逸らす。

「あれ、どうしたのヒッキー?」
「朝は弱いんだよ・・・。てか胸元隠せ。見えるぞ・・・?」
「えっ・・・あっ・・・ば、バカ!エOチ!こっち向かないで!」
「向いてないだろ!早く浴衣ちゃんと着ろ!」
「うー・・・」
「終わったか?」
「うん・・・」

振り返ると浴衣を直した由比ヶ浜がそこに居た。

22: 2013/10/07(月) 00:10:34.86 ID:DUABn1a70
「ようやく直視できるレベルになったな・・・」
「なにそれ!?どういう意味!?」
「胸元はだけてたらこっちだってあんまり見れないだろ・・・」
「そ、そっか・・・あ、朝ごはん何かなー?やっぱりご飯かな!?」
「話の切り替え下手過ぎるだろ。まぁ・・・やっぱ和食だろうな・・・。てか、お前起きてすぐなのに随分食欲あるんだな・・・。」
「いやー・・・こういうところだといつもより食欲出ない?」
「あんま来ないからな・・・わからん。」
「むー・・・とりあえず顔洗ってくる!」

その後、朝食を食べた後にアンケートを記入し無事帰宅した。
帰りのバスで由比ヶ浜が肩にもたれかかってきたせいでドキドキして眠れなかったのはここだけの秘密。

23: 2013/10/07(月) 00:12:03.14 ID:DUABn1a70
「ただいまー・・・。」
「お、お兄ちゃんおかえりー。」
「ほい、お土産。」
「ありがとー!で、どうだった?結衣さんとの温泉旅行は!?」
「どうだったって・・・」

昨日の出来事を思い出してみる。

「あれだな、柔らかかったな・・・。」
「え、柔らかかったって何!?ねえ!?」
「小町・・・俺寝るから。じゃあな。」
「ちょっと!?お兄ちゃん!?待って!!詳しく話聞かせてー!!」

由比ヶ浜結衣と温泉旅行 完

25: 2013/10/07(月) 00:14:37.57 ID:DUABn1a70
短いですが終わりです。

順番逆になってますが陽乃編もよろしくお願いします!

26: 2013/10/07(月) 00:19:07.34
ああ^~いいっすねぇ

27: 2013/10/07(月) 00:23:29.81
凄く面白かった。

引用元: 由比ヶ浜結衣と温泉旅行。