1: 2012/06/07(木) 18:11:43.59 ID:6mXiJpB00
ガチャッ

P「ただいまうおぁ寒っ!?」ゾクゾクッ

春香「な、なななんで事務所こんなにひひひ冷えてんですかね」ガタガタ

P「設定温度は……15℃!?」ブルブル

P「バカじゃねーの?ってかバカじゃねーの!?」ブルブル

春香「い、いくら外が暑いからって下げ過ぎですよ、これ……」ガタガタ



毛布「Zzzz」スヤスヤ

3: 2012/06/07(木) 18:13:47.41 ID:6mXiJpB00
P「と、とにかくリモコン探せ、リモコン!」ブルブル

春香「こ、小鳥さんどこ行ったんでしょうね……」ガタガタ

P「今日あの人は腹下して休んでるんだよ……だから、犯人がいるはずだ」ブルブル

P「夏場に入ると生ものは傷みやすくなるからな、春香も気をつけるんだぞ」ブルブル

春香「はい……あっ」

P「どうした?見つかったか?」

春香「あれ……」スッ



毛布「Zzzz」スヤスヤ

6: 2012/06/07(木) 18:16:03.01 ID:6mXiJpB00
P「………」

春香「………」

毛布「Zzzz」スヤスヤ


ガバッ


美希「っ!?……さ、寒いの……」ガタガタ

P「じ、自分で温度設定しておいて、毛布を被るとは……!」ワナワナ

美希「むぅ……それ取っちゃやぁっ!」ガシッ

P「だったらリモコン出せやコラァ!」グイッ

春香「あ!ありましたよ、プロデューサーさん!」ヒョイ

7: 2012/06/07(木) 18:18:17.16 ID:6mXiJpB00
P「ナイス春香!それをこっちに渡すんだ!!」

春香「はい、プロデューサーさっ」ガッ

春香「わわっ、わっ、わっ………あっ」ビュンッ

P「えっ」


ガンッ

プスン


美希「……エアコンが止まったの」

8: 2012/06/07(木) 18:20:19.12 ID:6mXiJpB00
P「投げる方向全然違うだろ~、春香……」スタスタ

春香「ご、ごめんなさいプロデューサーさん!」

ヒョイ

P「さて、温度設定を………あれ?」カチカチ

春香「?……どうしました?」

P「……ウンともスンとも言わねぇ……」カチカチ

9: 2012/06/07(木) 18:22:28.72 ID:6mXiJpB00
春香「こ、壊れちゃったんですか!?」

P「……ま、まぁ、リモコンが壊れても、本体の方を操作すれば動くだろ」スタスタ

美希「リモコン、エアコンに直撃したの」

P「……いやいや、まさかそんな事で壊れたりするはず……」カチャカチャ



P「………」カチャカチャ

春香「………」

美希「……動かないの」

P「……やっべぇ」タラリ

11: 2012/06/07(木) 18:25:29.68 ID:6mXiJpB00
~翌日~

ゴロゴロゴロ……


P「……律子ぉ、今日の天気予報は~?」パタパタ

律子「連日の記録的な長雨により湿度は70%以上……」

律子「気温は30℃を超える真夏日になり、午後から天気が崩れ出すでしょう」

美希「律子、さん……何で、こんなに事務所暑いの……」パタパタ

律子「あんたらが昨日エアコンブッ壊したからです」

春香「うぅっ……ほ、本当にごめんなさい……」パタパタ

P「とはいえ、流石に無風はしんどいな……あっ!」パタパタ

春香「……どうかしたんですか、プロデューサーさん?」

P「確か備品に扇風機があったはずだ!あれを使おう!」スタスタ

12: 2012/06/07(木) 18:28:02.19 ID:6mXiJpB00
ブウウウウウウン

美希「……風が温いの」

P「……嫌なら扇風機の前からどいてくれないか」

美希「どうしてそんなひどいこと言うの、ハニー?」

P「首振り式なんだよこれは!広範囲に風が来るように出来てるんだよ!」ガキョッ

ブウウウウウウン

春香「あっ、涼しい~……生き返った気分です」ソヨソヨ

美希「………」

13: 2012/06/07(木) 18:30:34.64 ID:6mXiJpB00
ガキョッ

P「あっこら!美希!」ガキョッ

美希「むー!」ガキョッ

春香「ちょっ!わ、私にも風を当ててくださいよ!!」ガシッ

美希「離すのー!」ガシッ


ボキッ

プラーン


P「あっ……あぁぁぁぁ………」ガックリ

美希「……また春香が壊したの」

春香「……わ、わざとじゃないのに……」シクシク

律子「………」イライラ

15: 2012/06/07(木) 18:33:09.17 ID:6mXiJpB00
ゴロゴロゴロ……


春香「途端に暗くなってきましたね……」パタパタ

美希「……さっきよりもっと暑くなってきた気がする」パタパタ

P「ふっふっふ……こうなれば、昔ながらの納涼法をやるまでだ」チャプチャプ

春香「バケツに水汲んで来て、どうするんです?」

P「こうして水に両足を突っ込むことで、足の先端から涼しさを感じるのさ」ピッチャピッチャ

16: 2012/06/07(木) 18:36:13.41 ID:6mXiJpB00
美希「……温いの」

P「無いよりマシだろ……考えるな、感じるんだ」

春香「流石プロデューサーさん!早速私もやってみますね!」チャプチャプ

P「!……ま、待て春香!お前が水汲んできたら、絶対こぼs」ガタッ

ガッ

P「あっ……し、しまっ」


バシャーン

カランカラン……


美希「……水浸しなの」

律子「……プロデューサー」イライライライラ

P「……すんません、すぐ片づけます」

17: 2012/06/07(木) 18:38:47.88 ID:6mXiJpB00
春香「…」パタパタ

美希「…」パタパタ

律子「…」

P「(……とうとう誰も喋らなくなった……が、蒸し暑い事に変わりはない)」パタパタ


プーーーーーーーー……ン


美希「!」

パシン

春香「痛っ!……な、何するの!?」

美希「蚊」

春香「……はい?」

美希「蚊がいたから」

春香「………」イラッ

18: 2012/06/07(木) 18:42:19.59 ID:6mXiJpB00
プーーーーーーーー……ン


バシッ

美希「いたっ!」

春香「ごめんなさい。蚊、飛んでたから」

美希「………」イラッ

P「お、おい、お前ら、もうそこまでにして――」

バシーン

P「ぶへっ!」

ベシーン

P「べほまっ!?」

春香・美希「「蚊」」

P「………」ヒリヒリ

21: 2012/06/07(木) 18:45:57.72 ID:6mXiJpB00
プーーーーーーーー……ン


P「………」ギリッ

ピトッ

P「……今だっ!!」


パン


律子「………」ヒリヒリ

P「ホラ見て!蚊をやっつけたよ律子姉ちゃん!(裏声)」


ドゴォ


春香「……グーパン……」

美希「……みぞおちに入ったの」

24: 2012/06/07(木) 18:49:21.40 ID:6mXiJpB00
ザァー……


春香「雨まで降ってきましたね……」パタパタパタパタ

美希「ジメジメしてて最高に蒸し暑いの……」パタパタパタパタ

P「……もう我慢の限界だっ!」ガタタッ

春香「!?」

P「俺は、脱ぐ!」ヌギッ

美希「ヘンタイさん!?」

P「何言ってんだ、男が上脱いだってどうって事ないだろ」ヌギヌギ

P「あ、お前らはダメだからな。周りの目というものがあるからな」キリッ

25: 2012/06/07(木) 18:52:45.79 ID:6mXiJpB00
春香「そ、そんな!プロデューサーさんだけずるいです!!」

美希「ミキも脱がせてよ~!!」

P「ダメだ!これは男だけの特権だ!」

春香「って言うか周囲の目って、男はプロデューサーさんしかいないじゃないですか!」

美希「ハニーがずーっと目をつぶってればいいの!」

P「それじゃ仕事ができんだろうが!」カチャカチャ

春香「何ナチュラルにベルトまで外そうとしてるんですかっ!?」

ワーワー ギャーギャー


プチン


律子「うるさぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!!」バンッ

P「」ビクッ

春香「」ビクッ

美希「」ビクッ

28: 2012/06/07(木) 18:56:16.81 ID:6mXiJpB00
律子「私はエアコンも欲しがらず!扇風機にも当たらず!」

律子「水にも浸からないで!ずっとずっと!今の今までガマンしてきたのに!!」

律子「あんた達は遊んでばっかで喧嘩ばっかり!」

律子「物は壊すわバケツはひっくり返すわ!!」

律子「一体誰のおかげで!こんなクソ暑い中!」

律子「私が仕事しなきゃなんないと!思ってんですかっ!!」バンッ

P「…」シュン

春香「…」シュン

美希「…」シュン

32: 2012/06/07(木) 18:59:57.76 ID:6mXiJpB00
律子「……もういい、もういいわ!」

律子「ええそうよ、脱ぎたきゃ脱げばいい!私だって今すぐ脱ぎたい!!」

P「えっ」

律子「こんなスーツジャケット着て真面目に仕事してる私の方がバカなんだから!そうなんでしょ!!」ヌギヌギ

P「た、大変だ!律子が暑さに頭をやられた!!」

春香「おおお落ち着いてください律子さんっ!」

美希「み、ミキが悪かったのぉ!」


ピシャーン!!

フッ

33: 2012/06/07(木) 19:03:19.24 ID:6mXiJpB00
「げっ、停電かよ……!?」

「何も見えないの」

「そんな……まだ、保存してなかったのに……」ガックリ

「プロデューサーさん、懐中電灯見つけました!」

「でかした春香、早速付けてくれ」



カチッ

春香「……こんばんは、稲○淳二です」ボゥッ

P「そういうの、いいから」

35: 2012/06/07(木) 19:06:54.43 ID:6mXiJpB00
ザァー………


P「ブレーカーが落ちた訳じゃないから、しばらくかかるなこりゃ」

律子「はぁ……もうどうでも良くなっちゃった」

美希「……周りが真っ暗闇で、何かいそうな雰囲気なの」

春香「ち、ちょっとやめてよ美希!」ビクビク

P「自分からネタ振っといてそれかよ……そうだな、それも納涼と言えば納涼だが」

美希「……怖い話で、涼しくなる?」

律子「な、なる訳ないじゃないの」

P「……これはリーマンの知り合いから聞いた話なんだけど」ニヤッ

37: 2012/06/07(木) 19:11:03.64 ID:6mXiJpB00
P「友達から『ワンピースを着た少女の怪談を聞いて以来、変な事が起きる』って奴がいてね」

律子「ち、ちょっと、勝手に始めないでくださいよ」

美希「律子、さん……黙って」

P「最初は冗談だと思って、皆相手にしなかったんだが……」

P「ある日、友達の一人の家にそいつから電話がかかってきてな」

P「『今、窓の外にワンピースの少女が』って一言、そう言って切れちまったんだそうだ」

春香「……そ、それで?」ゴクッ

P「気になった友達が、そいつの下宿先を尋ねたら……」

P「人が一人入れる穴が出来てて、その中で腹部をシャベルに貫かれて氏んでたんだと」

美希「………うわぁ」

40: 2012/06/07(木) 19:14:27.72 ID:6mXiJpB00
ザァー………


律子「ふ、ふーん……まぁ、小説によくある猟奇的な殺人事件ね」

P「いやぁ、この話には続きがあってな」

春香「つ、続き……?」

P「この話を聞いた奴、喋った奴、全員……」

P「三日以内に『ワンピースの少女』を見てるんだよ」


ピシャーン……ゴロゴロゴロ………


P「だから、お前らも気をつけようなって話」

43: 2012/06/07(木) 19:18:08.86 ID:6mXiJpB00
春香「そ、その知り合いの人は、どうなったんです……?」

P「この話をした数日後、南シナ海に散ったよ。いい奴だったのになぁ」シミジミ

美希「………」

律子「ちょっと美希、何黙ってるのよ……」



カツーン………  カツーン………



美希「……誰か、来てるの」

45: 2012/06/07(木) 19:22:07.72 ID:6mXiJpB00
春香「………マジですか?」

P「うーん、ホントに出たらシャレにならんな」

律子「えっ………」


カツーン………  カツーン………


美希「近づいてきてるの……!」

春香「ぷ、ぷぷプロデューサーさんが、あんな話するからっ……!」ビクビク

律子「ほほほホントに出たらどうするつもりなんですかっ!?」ビクビク

P「……とりあえず、すまん」

律子「あ、謝らないでくださいよ!!」ビクビク

46: 2012/06/07(木) 19:25:33.71 ID:6mXiJpB00
ガチャッ バタン

ポタッポタッ…… ドサッ………


春香「な、何?……これ何の音?えっ……?」ビクビク

P「……事務所に入ってきたな」

美希「律子、さん……人間は人間が多分、一番怖いんだって思うな……」

律子「ななな何で今それを私に言うのよ……!!」ビクビク


「……誰か、いるんですか……?」スタスタ


春香「こ、こっちに来ますよ……!」ビクビク

P「そりゃそうだろ。暗闇の中、懐中電灯付けてんだし」

美希「場所を知らせてるようなものなの」

律子「け、消しなさい今すぐっ!……い、いや、消さないで!!」ビクビク

47: 2012/06/07(木) 19:29:52.75 ID:6mXiJpB00
「?律子さん……?」


P「……ご指名だぞ、律子」

律子「い、嫌です!絶対嫌ですからねっ!!」ビクビク

美希「懐中電灯あげるから、頑張るの!」

春香「律子さんの尊い犠牲は無駄にはしません……!」

律子「こ、来なっ……来ないでぇぇぇぇぇぇっ!!」ヒシッ


パッ


P「お、復帰したか」

雪歩「……な、何なんですか、一体……?」ビクビク

48: 2012/06/07(木) 19:33:06.44 ID:6mXiJpB00
春香「なぁんだ、雪歩だったのね……もぉ、びっくりさせないでよ~」

雪歩「え、えぇ?……わ、私、何もしてないのに……」

P「そこの大仰な荷物は何だ?」

雪歩「あ、それはですね……」

律子「わ、ワンピースの少女って……雪歩だったの……!?」ビクビク

雪歩「えっ?」

律子「ひぃぃぃい!こ、殺さないでぇ!まだ氏にたくないっ!!」ギュウウウ

P「大変だー、また律子が暑さに頭をやられたー」パタパタ

春香「落ち着いてくださーい律子さーん」パタパタ

美希「ミキが悪かったのー」パタパタ

51: 2012/06/07(木) 19:36:40.26 ID:6mXiJpB00
P「魔法ビン……それもこんな大量に?」

雪歩「家の方で麦茶、作り過ぎちゃって……良かったら、どうぞ」

春香「麦茶っ!?」ガバッ


トクトクトクトク………グビッ


春香「キンキンに冷えてる~……しゃ~わせ~……」サワヤカー

P「……お、俺にもくれ!」

美希「ミキにも~!」



律子「……雪歩が麦茶の量産体制に入っただけだったのね……」ホッ

52: 2012/06/07(木) 19:40:05.87 ID:6mXiJpB00
P「よーし、丁度いい時間だな……」

P「春香、美希、雪歩!生放送の歌番に出る準備は出来てるな!」

春香「麦茶の力で元気バリバリですよ!!」

美希「麦茶は世界を救うの!」

雪歩「えっ……あ、む、麦茶ーっ」

P「よし……律子!」

律子「はい?」

P「そろそろ、腕を離してくれないか?」





律子「え………あっ」

56: 2012/06/07(木) 19:44:30.79 ID:6mXiJpB00
P「それじゃ、行ってくる!留守番よろしくな、律子」

ガチャ バタン


律子「…」


トクトクトクトク……ゴクゴク


律子「…」サワヤカー

律子「…」

律子「…」

律子「………は、恥ずかし過ぎて氏にたい………」カァァ

57: 2012/06/07(木) 19:49:30.41 ID:6mXiJpB00
高木「!……お、おい、君!」

P「はい、何でしょう社長」

高木「一体どこへ行こうと言うのだね」

P「これから春香達を連れてTV局まで行こうかと」

高木「!?……ダメだ、外に出てはいかん!」

P「ど、どうしてですか?雨が降ってるからですか?」

高木「雨は関係ない!」

P「そ、それじゃ、何故……!?」

高木「分からんのかね!?」



高木「服を着たまえ!服を!!」

P「!?」



おわり

59: 2012/06/07(木) 19:51:36.31

61: 2012/06/07(木) 19:53:29.34
乙w

多分暗かったんだろう

引用元: 律子「不快指数100%」