1: 2012/06/03(日) 12:30:17.63 ID:kFlwaFTw0
王「今ルールブックを読んでいる故、しばしまて」
ヒソカ(こんなバケモノがいるのか…大当たりの獲物だねぇ♦(ゾクゾク))

※時期設定はコムギ登場前くらい
まとめしか見てないにわかだけど書いてく
初の書き込みだからいたらないとこあると思うけど書いてく

2: 2012/06/03(日) 12:33:56.07 ID:kFlwaFTw0
パタンッ
王「ふむ、大体理解した、その方、先ほどババ抜きと申したな」
王「アレは言わば運での勝負、もとより互いに求められる力量などなかろう」
王「よもや、運でなければ貴様には勝てぬと、そう思いいたっての発言か?」
王「心して答えよ」
ヒソカ(ん~血の気の多い王様だねぇ♦)
ヒソカ(真正面からヤりたいところだけど、それだとボクに勝ち目はないかな♣)
ヒソカ(あぁ…いいねぇ~ボク絶対絶命♥さて、どう仕掛けようかな♦)

4: 2012/06/03(日) 12:39:06.97 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ「それ♣」

王「?」

ヒソカ「大手のトランプメーカーが出版してるルールブックだね♦」
ヒソカ「ボクも読んだ事あるけど、うん、いいんじゃないかな、いいチョイスだと思うよ♣」

プフ「言葉はお選びなさい、王の御前です」

王「プフ、構わぬ」

ヒソカ「それさえ読んでおけば、ルールや勝つためのコツ、果てはイカサマに至るまで熟知できる♦」
ヒソカ「けど、それでもボクには勝てない♠」

王「………」

ヒソカ「どうする?ボクとババ抜きできるかい?」
ヒソカ「まぁ、できないなんて言えないだろうけどね♠」


5: 2012/06/03(日) 12:42:45.58 ID:kFlwaFTw0
王「賢しらに口を利く、余程の自信があると見える」

ヒソカ「そう言う事、別にババ抜きに限った話じゃないけどね♦」

王「ふむ、僅かながら興味がわいてきた、その根拠みせてみよ」

ヒソカ「君も一緒にやるかい?3人の方が楽しいよ♦」

プフ「いえ、余興と言えど王と同じ視線に立つなど、私には出過ぎた話」

ヒソカ「チェッ、つまんないの♣」
ヒソカ(…この側近も大概なバケモノだけど、どうも惹かれないんだよねぇ♣)
ヒソカ(とにかく、今は王様の方をどうやって食うか考えないとね♥)

9: 2012/06/03(日) 12:46:37.52 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ「うーん…こっち♣」

ヒソカ「ハイッ上がり、これでボクの20連勝だね♥」

王(またこちらの負け、単純に考えれば勝率は2分の1のはず)

王(なのに勝てぬと言う事は、こやつは間違いなくイカサマをしている、それはわかる)

王(わからぬのはその方法だ、それを掴めぬ以上、何を言ったところで余の戯言に過ぎん)

―対戦中、王は凝を使いヒソカを見ていた。何らかの能力を使われている可能性を考えたからだ。―
―見えたものは、自身と同じく凝を使っているヒソカ。それ以上はいくら目を凝らしても何も見えてこなかった。―

王(目のオーラになんらかのトリックがあるのか?いや、それは考えられん、こやつは単に余のオーラを見ているだけだ)

王(仮に見た者の心を読む類の能力があったとしても、余が札を引いた際にも上がれぬのは道理に合わん)

王(そもそも能力を使っているとは限らん、とらわれ過ぎも良くない)

11: 2012/06/03(日) 12:49:57.63 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ(ん~無理無理、いくら考えてもわからないよ♠)

ヒソカ(どれだけ多くの知識を持ってようが関係ない、経験が物を言う世界ってのがあるのさ♦)

ヒソカ(それに、ボクの相手をするならルールブックじゃなくて手品の本を読まなくちゃ、とびきり高等なやつをね♥)

ヒソカ(まぁ、それでもボクのイカサマを見抜けるとは思えないけど♠)

ヒソカ(さて、そろそろ仕掛けてもいい頃かな♥)

ヒソカ「もう1回やるかい?」

王「無論だ」

ズズ…ズ…

プフ(この男…危険だ)

12: 2012/06/03(日) 12:53:18.79 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ「ボクのイカサマ、少しくらいタネはわかってきたかい?」

王「…意外だな、貴様の方から認めるとは」

ヒソカ「隠したって意味ないからね、イカサマしてるのはバレバレだし♣」

王「まるで雲を掴むかのようだ、いくつかの見当があるにはあるが…」

ヒソカ「へぇ~♣」

ヒソカ(もう答えを見つけかかってるのか、当分はバレないと思ってたけど、人間を馬鹿にしてる様な成長速度だね♣)

ヒソカ(やっぱり大当たりだねぇ、うまくヤらないと逆にこっちが食われちゃうよ♥)

プフ(明らかに王に対して殺意を向けている…隠そうともしていない)

プフ(私の失態だ…この者の本質を見抜けず王のもとへと招いてしまった)

プフ(排除せねば…何としても、王のために)

13: 2012/06/03(日) 12:57:57.21 ID:kFlwaFTw0
プフ(焦るな、まだ早い…始末するのは王がこの者に勝利された後だ)

プフ(いま頃してしまっては、王はこの者に敗北しか残らないではないか)


―プフは焦っていた。王に向けられた殺意と、その元凶を招いてしまった事への自責。―

―そしてヒソカを排除できない現状とが絡み合い、プフの焦りに拍車をかけていた。―

―同刻…円によりヒソカの殺意にいち早く気づいたピトーが、王の元へと参ぜず宮殿の外で見張りを続けていたのは…―

―宮殿の遥か遠方、何者かがピトーの骸人形を消し続けていたからだ。―

―ヒソカとグルの可能性もある。ヒソカに対し臨戦態勢を取れば円を解かざるを得ない。―

―その間に骸人形を消している者を見失ったら?別の賊が侵入してきたら?―

―幸い王のそばにはプフがいる…王の元へ駆けつけたい衝動を抑え、外への警戒を強めていた。―


ユピー「あ、囲碁が首吊って氏んでる」

14: 2012/06/03(日) 13:02:47.12 ID:kFlwaFTw0
プフ(王が勝利されるまで私に出来る事、少しでも多く現状を把握し王の安全を確保!)

プフ(この者の感情を私の能力で読み取る、僅かでも機微が乱れれば即拘束する!)

麟粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)
ズズ…

王「プフ、余を愚弄するか?」

プフ「はッ…?いえ…」

王「こやつが余に向ける殺意になどとうに気付いておるわ、貴様も承知であろう」

王「貴様が手を貸さねば、余がこやつに後れを取る可能性があると、そう申すのか?」

王「心して答えよ」

プフ「…い、いえ…滅相もございません」

16: 2012/06/03(日) 13:06:32.80 ID:kFlwaFTw0
王「次の対戦、何か賭けるか」

ヒソカ「ん?いいよ、何を賭けようか♦」

王「そちが勝てば望むもの何でも与えよう、ただし、負けたら左腕をもらう」

ヒソカ「うん、いいよ、じゃあボクが勝ったら…♣」

ヒソカ「キミの命を貰おうかな♠」

王「!!」

プフ「!!!」

17: 2012/06/03(日) 13:07:17.40 ID:kFlwaFTw0
プフ(拘束する!!)

王「プフ!下がっておれ」

プフ「しかしッ!」

ズギャッ!!

王「二度言わすな」

王「…良かろう、お主が勝てば…」

プフ「王!!!」

19: 2012/06/03(日) 13:12:33.25 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ「ヤダなぁ冗談だよ、むしろ命を賭けるなんてやめてほしいね♣」

ヒソカ「キミはボクの獲物なんだ、1人で勝手に氏ぬなんて許さないよ♠」

王「………」

王「左様か…」

王「どうやら、余には覚悟が足りなかったようだ、お主が勝った時望むものに、余の命を想定していなかった」

ヒソカ「いいって言ってるだろ、ホントに賭けるなんてやめてくれよ?」

王「わかっておる、これは余自身の問題だ、賭けはやめだ、くだらぬマネをした」

ブチッ

ヒソカ「!!?」

王「これで許せ」

20: 2012/06/03(日) 13:14:29.44 ID:kFlwaFTw0
プフ「王ッ!あぁ、何という事を!こちらへ、すぐに治療を!」

王「勝負を続ける」

プフ「ですが!」

ズギャッ!!

王「二度言わすなッ…!」

ヒソカ(よく殴られる奴、あいつに惹かれないワケが何となくわかったよ♣)

ヒソカ「…ねぇ、さっきの賭けなんだけどさ♦」

ヒソカ「やっぱりやらないかい?」

21: 2012/06/03(日) 13:19:13.94 ID:kFlwaFTw0
王「…わかった、勝てば余の命を」

ヒソカ「違う違う、ボクが勝ったらキミは治療に専念してもらう♥」

ドッ

ヒソカ(!!…首!)

王「これ以上恥を上塗れと申すか、二度は言わぬぞ、お主の番だ、札を引けッ」

ヒソカ(言葉の選択を誤ればボクの首が飛ぶ…けど、またとないチャンス♦)

ヒソカ(これはもうイチかバチかだね…♠)


※「ドッ」の部分は王がヒソカの喉に尻尾を突き付けた表現、原作でコムギにやったみたいに。

22: 2012/06/03(日) 13:23:42.21 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ「獲物は万全な状態じゃなきゃ意味が無い、片腕のキミになんて興味は無いよ♠」

王「………」

王「…ならば賭けは無しだ、もはや命以外を賭ける気にはなれぬ」

ヒソカ「………」

王「だが、興が削がれた…しばし休憩だ」

ヒソカ「♪」

王「お主、名は?何と申す」

ヒソカ「名前を聞く時は自分が名乗ってからだよ、王様♥」

王(…余の……名前…)

王(…余は…何と言う…?)

24: 2012/06/03(日) 13:26:15.13 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ「もう繋がったのか、思ったよりずっと早いね♥(マチの方が早いけど)」

ヒソカ「始めるかい?」

王「うむ」

ヒソカ(じ~~~っ(ニヤニヤ))

ピトー「ニ"ッ!?」

ヒソカ(あの子もうまそうだ♥)

プフ「ピトー、ユピー、少しいいですか」

27: 2012/06/03(日) 13:30:34.43 ID:kFlwaFTw0
プフ「我々で話し合っておきたい事があります」

ユピー「どうせあのピ工口の事だろ?」

プフ「えぇ、彼は危険な存在です、取り除く必要があります」

ピトー「でも、王様は彼のこと気に入っちゃってるみたいニャ」

ユピー「あの程度の奴が王様をどうこう出来る気はしねぇが、気に入ってても危険なら頃すしかねぇだろ?」

プフ「それが一番いい、ですがいま頃してしまっては王への冒涜にもなりかねません」

ピトー「王様に2階以降には入るなって言われちゃったし、今は打つ手なしかニャ」

プフ「いずれにしても、ピトーは引き続き円で周囲を見張っていて下さい」

プフ「私は住民たちに鱗粉を撒いてこねばなりません」

ピトー「それじゃ、王の近くにはユピーが居ないと」

プフ「2階へ続く大階段がいいでしょうね、玉座に近く、1階と2階を繋ぐ道もそこしかない」

28: 2012/06/03(日) 13:33:41.34 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ(そろそろいい頃か、イカサマもネタが尽きそうだし♣)

王(幾重にも張られたイカサマ、真相に近づいては煙に巻かれる)

王(目には変わらずオーラを纏っている、やはり何かあるのか?それとも単なる臨戦態勢の証か)

ヒソカ「悩んでるね、けど惜しい所まで来てるよ♥」

王「囃すな、いまだお主が上手なのに変わりはないのだ」

ヒソカ「そう言うなよ、気分転換にさ、いいこと教えてあげようか♦」

王「?」

ヒソカ「自分の名前、知りたくない?」

31: 2012/06/03(日) 13:38:13.19 ID:kFlwaFTw0
王「…何故お主が余の名を知っている?」

ヒソカ「知人がチョッとした蟻の討伐をやってね♣」

ヒソカ「その蟻が言ってたそうだ、女王の氏に際の一言がキミの名前だったって♦」

王「………」

ヒソカ「ボクの目的はわかってるだろ?満足させてくれたら教えてあげるかもよ♥」

―勿論、ヒソカは王の名前など知りはしない。―

―旅団から得た蟻騒動に関する大まかな情報を頼りに、ヒソカが創作した虚言に過ぎない。―

―にもかかわらず真実味を帯びえたのは、女王が氏に際に名前を言った事が事実であるところが大きい。―

―図らずも事実を織り交ぜた虚言。そうでなかった場合、はたして王を騙しえたかどうか、甚だ疑問である。―

王「殺さず気の済む迄…か、飛車角落ちと言ったところだな」

ヒソカ(ひとまずは…これで王様はボクを殺せなくなった♣)

ヒソカ(悪いけど、どんどん不利になってもらうよ♠)

34: 2012/06/03(日) 13:42:30.28 ID:kFlwaFTw0
―王とヒソカがオーラを張り詰めた瞬間、それに気付いたピトーは臨戦態勢を取った。―

ピトー(王ッ!!!)

ユピー(!!)

プフ(!!)

―咎など思慮の外、ピトーの円が解けた事で状況を解したユピーとプフも、王の命に背き玉座の間へ。―

ゴオッ!!バガッ!!

王(!!……碁石?余に向けて飛んできた?)

ヒソカ「へぇ~、常人なら風穴が開くスピードだったんだけど、硬いね♥」

―不可解な攻撃を受けた事により王は再び目を凝らした。結果、目に映ったものは…―

―ヒソカから延びる数え切れないほどのオーラの糸。それが至る箇所に、王自身の体にまで付着していた。―

王(いつ付けた?余は常に目を凝らしていた、だがこれが見えたのは今になって…)

ヒソカ「わからなかっただろ?教えてあげるよ、どうせもう付けちゃった後だし♥」

36: 2012/06/03(日) 13:47:00.83 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ「王様さ、あんまり念に詳しくないんじゃない?念って、見えないように隠す事が出来るのさ♦」

ヒソカ「"隠"って技術なんだけど…そう言うの苦手そうだよね、キミに隠したり隠れる必要がある時なんてないだろうし♣」

ヒソカ「ボクがずっと凝を使ってたのは知ってるだろ?アレは油断させるためのフェイク♥」

ヒソカ「初めの方は凄く注意深くボクを見てたね、あの調子で続けられてたら"隠"を使っても見えちゃってただろうね♣」

王「………」

ヒソカ「最初に付けたのはキミがボクの喉元に尻尾を突き付けた時、あの時からキミの注意は散漫になった♦」

ヒソカ「ボクの目にオーラが見えるか否か、それ以上の注視をしなくなった♠」

ヒソカ「おかげで好き勝手やらせてもらったよ、一応、氏角から付けたけどね♥」

ピトー「王!!!」

―王を守らんと、最初に玉座に来たのはピトー。次いでユピー…プフ。―

―……しかし。―

38: 2012/06/03(日) 13:50:40.80 ID:kFlwaFTw0
プフ(これ……は…)

王「2階以降は出禁…入れば狼藉とみなす、そう申したな」

―護衛軍は瞬時に理解した。王、ヒソカ、例えどちらに近づいたとしても、殺される。王に。―

―確実に!―

―その絶対的な圧威を湛えた殺意は、王以外全ての時を確かに止めた。―

王「ピトーの任務は警戒、事が起きた時の対処、ここへ来た事は対処の一環とみなし不問としよう」

王「プフ、貴様は鱗粉の散布へ行っていたはず、それが何故ここにいる?」

プフ「それは……」

王「まぁ良い、元より覚悟の上であろう、近うよれ」

ユピー「プフ…?」

プフ(私は王の命に背いた…結果、王によって処罰される)

プフ(ただ、それだけのこと…)

ドッ!!!

43: 2012/06/03(日) 13:58:18.67 ID:kFlwaFTw0
王「ッ!!?」

ヒソカ「相手が獲物をしとめようとする瞬間、そこが攻撃の最大のチャンス!ってね♥」

ヒソカ「皆キミを守るために駆けつけてきてるんだろ?許してあげたらいいじゃないか♦」

ヒソカ(硬で眉間に一発、これでダメージが無かったら…チョッとヤバいかもね)

王「…余を取らんとするお主の策の狡猾、周到さ、まこと称賛に値する」

ヒソカ(目立ったダメージ無しか…これはもう正攻法じゃ無理だね♣)

王「ピトー、プフ、ユピー、これより余が呼ぶまで僅かでも姿を見せるな、間接的に余に関わる事も許さぬ」

王「ピトーの円も宮殿の1階まで、それで今回の件は不問としよう」

王「次は無い」

護衛軍「ハッ…」

45: 2012/06/03(日) 14:02:19.12 ID:kFlwaFTw0
ユピー「一体王様は何を考えてるんだ?たかが賊一匹、俺らに任せて自ら手を下さずとも」

プフ「何か御考え、理由があっての事でしょう、困った事になりましたね」

ピトー「2人はこれからどうする?」

プフ「当然の事、もし王の身に何かあればお守りするのが常…たとえ、氏罪となろうとも」

ユピー「いちいち言い方が堅苦しいんだよおめぇは」

ピトー「なんだ、みんな考える事は同じなんだ」

ユピー「けどどうやって王の状況を知るんだ?円も駄目なんだろ?」

プフ「それは…そうなのですが…」


47: 2012/06/03(日) 14:06:17.57 ID:kFlwaFTw0
―護衛軍が玉座を離れたと同時、ヒソカの予想を裏切り王が先に仕掛けた。―

―…かに見えた。―

伸縮自在の愛(バンジーガム)

王(!?…引き戻される?)

ヒソカ「動きづらいかい?キミの体に沢山付けた念の先端を、壁、天井、至る所に張り付けた♥」

ヒソカ「付けるも剥がすもボク次第、卑怯だと思うかい?」

王「…独白が過ぎるな、対策されること承知の上か」

王(引き戻される感覚が消えた、恐らく伸縮もこやつ次第なのだろう、切断は可能か?伸びる限界は?)

王(いや…こやつは"満足させろ"と言っていた、仮に切断可能として、楽に勝敗を決する事が出来たとしても…)

王(…ふん、策にかかった上で突破する必要があるか、面白い)

48: 2012/06/03(日) 14:08:42.88 ID:kFlwaFTw0
王(札遊びに長けているものだと思っていたが間違いだ)

王(こやつが長けているのは、相手を策にハメ、結果自身が優位に立つこと!)

王(大仰ではないが…いい技だ、これでは迂闊に跳ぶ事も出来んな)

ヒソカ「動かないね、ボクの出方を伺ってるのかい?じゃあこっちから仕掛けてあげるよ♠」

スッ…

王「?」

ヒソカ「フフッ、ただの指パッチンさ♥」

パチンッ!

50: 2012/06/03(日) 14:12:26.70 ID:kFlwaFTw0
バァアン!!!

王(!!余の腕から破裂音!?なんだ?ダメージは無い、いったい何をした?)

―ヒソカは火薬を持っていた。―

―もっとも、子供が遊戯に使うような陳腐な物ではあったが。―

―王の腕にバンジーガムを付けた時、同時にその中に火薬を仕込ませた。―

―その上から薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)を使い、王の腕を再現、火薬を隠す。―

―指を弾くタイミングでバンジーガムを収縮させ、火薬を押し潰した。―

スッ…パチンッ!バァアン!!!

ヒソカ「ほら、ボ~ッとしてていいのかい?」

スッ…

51: 2012/06/03(日) 14:15:46.10 ID:kFlwaFTw0
王「ちっ」

ドンッ!!!

ヒソカ(ッ防御!!)

ヒソカ("硬"!!)

ドゴオッ!!!!ミシッ!ベキッ!!

ヒソカ「ッッ!!!♥♥♥」

ボキッ!ビチッビキッ!!


54: 2012/06/03(日) 14:18:43.62 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ(…手足を含め王様に付けたバンジーガム、22箇所…♦)

ヒソカ(それを同時に収縮させスピードを軽減させた、その上さらに硬でガードした左腕を…♣)

ヒソカ(つくづく…バケモノ♥でも、ここからだよ♠)

―ヒソカが指を鳴らしていたのは王へのミスリード。―

―同じタイミングで火薬を破裂させ続ければ、必ずその腕を攻撃してくる。だからこそ硬での防御に成功した。―

―腕を潰されたのはヒソカの計算外であったが、真の目的はそこにはない。―

ヒソカ(表面は硬過ぎる…ダメージを期待できそうなのは脳や内臓♦)

ヒソカ(けど、とてもじゃないがそこまで攻撃は届かない♣)

ヒソカ(となれば、やる事は1つしかないよね♠)

55: 2012/06/03(日) 14:21:20.71 ID:kFlwaFTw0
―ヒソカは防御すると同時、先の攻撃で王の眉間に付けたバンジーガムを収縮させた。―

―指を鳴らしていたのはミスリード。―

―結果、王の注意を左腕にひき付け、意図の掴めぬ破裂音も相まって、意識を攻撃へ向けさせる事に成功した。―

―全ては少しでも多くの隙を作り、王の防御を遅らせるため。―

ヒュオッ!!

王(!?石…鋭利……先端…火薬?)

ヒソカ「知ってる?眼球ってさ、露出した脳とも言われてるんだよ♠」

バァアン!!!

57: 2012/06/03(日) 14:25:12.60 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ「………」

王「…お主の腕を潰した事で余に生まれた油断」

王「それを差し引いて尚、今の手は妙手であったと言える」

王「天晴れだ」

ヒソカ(ビンゴ♥完全に潰せたわけじゃなさそうだけど、見えちゃいないだろうね♠)

ヒソカ(両目を狙ったんだけど…片方は防御されちゃったか♦)

ヒソカ(けど…♣)

ヒソカ「つまんないな♠」

王「?」

ヒソカ「いや…"つまらない"は言葉が違うか♣」

ヒソカ「これ、初めからボクが氏なないって事は決まってるんだよね♦」

ヒソカ「楽しいのは確かだけど、やっぱり命のやり取りじゃなきゃイマイチ興奮しない♣」

王「世迷い言を…そう仕向けたのはお主自身だ」

ヒソカ「…もしさ、キミの名前を知ってるってのが嘘だとしたら…どうする?」

59: 2012/06/03(日) 14:27:54.35 ID:kFlwaFTw0
ズ……

王「…誹る気はないが、それが真なら楽しむ暇など与えぬぞ」

ヒソカ「まぁ聞けよ、名前を知らないってのは本当さ♦」

ヒソカ「キミとヤりたい一心で考えた苦肉の策…どうかそれを水に流してほしい♣」

ヒソカ「勿論、タダでとは言わない♥」

ヒソカ「これで…♠」

ブチッ

王「!!」

ヒソカ「許してほしい♠」

60: 2012/06/03(日) 14:30:58.09 ID:kFlwaFTw0
―王は困惑していた。―

―名を知ると言う者、王と戦うためそれを提示してきた。―

―が、それは偽りであり、生氏を賭けた戦いを望んでいると言う。―

―かと思えば許しを請い、左腕を差し出してきた。―

王(何なのだこやつは!?真意が掴めぬ!何がしたい!?)

―ヒソカの特異な行動原理は王に動揺、好奇心、苛立ち、歓楽、迷い。―

―夥しい感情を駆け巡らせ脳髄を妖しく揺さぶった。―

―そして王の中で…1つの答えが出た。―

61: 2012/06/03(日) 14:33:43.63 ID:kFlwaFTw0
ヒソカ「あげるよ♥」

ポイッ…パシッ

王「左腕……これは賭けの続きのつもりか?」

ヒソカ「どう捉えるかはキミに任せる、大した意味なんて無いかもしれないよ♦」

王「左様か」

…モグッ

王「…ほぅ、今までで最も濃厚芳醇な馳走だ」

ヒソカ(食った…それだけじゃない、目も回復…オーラも少しだが強くなった…?)

ヒソカ(特質系か…いや、食うと言う条件で発動する強化系の可能性も…)

王「もう十分だ、腕は返そう」

ヒソカ「?」

王「これ以上お主とは戦わぬ」

ヒソカ「…なんだって?」

62: 2012/06/03(日) 14:38:06.99 ID:kFlwaFTw0
王「お主を通して、余の人間に対する価値観は少し変わった」

王「今までに見た人間は歯が浮くような二元論を唱える者ばかり、家畜以上の価値は見ていなかった」

王「だが、ある分野で余を凌駕する才を目覚めさせる者もいる、お主がそうだ、その芽を余は抓まぬ」

王「僅かだがお主の好色は理解したつもりだ、もう余が期待に答える事は無かろう」

ヒソカ「………」

王「その腕、良ければピトーに治させよう」

ヒソカ「…遠慮しとくよ、知人に治してもらうから♥(有料だけど)」

ヒソカ「残念だけど…おいとまするよ♣」

………………………………

………………………

………………

………

王「プフ、次は何だ?」

プフ「はい、次は軍儀と言う盤上競技です」


-END-

63: 2012/06/03(日) 14:40:32.53
おつ

66: 2012/06/03(日) 14:49:25.73
どっちの格を下げることもなく上手く顔を立てたな
乙!

引用元: プフ「次はトランプです」ヒソカ「ククク、ババ抜きでもやるかい?」