2: 2014/09/28(日) 22:40:14 ID:BxUEgErA

P「はい、わかりました」

P「では、後程連絡させていただきます」

P「はい、失礼します」

P「うーむ……」

小鳥「どうしました?」

P「え、あー……」

小鳥「出演依頼の電話でしょう?」

小鳥「最近あの子たちも人気急上昇中ですし」

小鳥「誰が出演するんですか?」

3: 2014/09/28(日) 22:40:44 ID:BxUEgErA
P「……音無さん」

小鳥「はい、何ですか?」

P「音無さんへの依頼です」

小鳥「…………ピヨッ!?」

小鳥「わ、私ですか!?」

P「そうです」

小鳥「そそそそんな、何で私に!?」

4: 2014/09/28(日) 22:41:16 ID:BxUEgErA
小鳥「あ、きっとあれですね!」

小鳥「765プロの裏側に迫るとか、そんな感じの企画でしょう!?」

P「音無さん」

小鳥「それとも、彼女たちの舞台裏に迫る、かしら」

小鳥「まさか、巷で密かに人気の美人事務員の素顔に迫るかしら!?ピヨー!!」

P「音無さん!」

小鳥「そしてその取材で人気が出た私は……」

小鳥「ピヨピヨピヨ……」

P「お と な し さ ん!!!!」

5: 2014/09/28(日) 22:41:50 ID:BxUEgErA
小鳥「は、はい!」

小鳥「こちら765プロダクションです!」

小鳥「……って、プロデューサーさんじゃないですか、どうしました?」

P「……向こうには、OKと返事しておきますね」

小鳥「あ、はい、どうぞ……?」

6: 2014/09/28(日) 22:42:41 ID:BxUEgErA
アイドルマスターアップ  ―伝説と幻の邂逅―      Vol.100

今回、本誌企画「アイドルマスターアップ」の連載は百回を迎えました。
いつもなら、今をときめくアイドルを呼ぶこの企画。しかし、記念すべき
百回を迎えたのだから、やはり大物を迎えたい!
そこで今回は、伝説のアイドルこと日高舞、幻のアイドルこと音無小鳥の
お二人に来ていただきました!


――今回は、私たちの企画に参加していただき、ありがとうございます。
  正直なところ、来ていただけるとは思っていませんでした。

日高:そうね。私もあまり気が乗らなかったのよ。

――あ、そうなんですね(笑)なぜ心変わりを?

日高:娘が楽しかったって言ってたからね。ならいいかなって。

――愛ちゃん※1ですね。いやあ、そんな風に言っていただけるなんて、
  ありがたい限りです。
(※1 日高愛。日高舞の娘で、気鋭のアイドル、第78回に登場。)

音無:私は、ここにいていいのか未だに疑問なんですよね。読者も「誰、
   このおば……お姉さん」とか思ってますよ。

――言い直すんですね(笑)

7: 2014/09/28(日) 22:43:32 ID:BxUEgErA
音無:まだまだ、心はうちの子たちよりも若いつもりですから。

日高:あなた、お子さんがいたかしら?

音無:事務所の子のことです。

日高:そうなの、ごめんなさいね。

音無:切なくなるので、やめてください。

――まあまあ(笑)事務所の話が出たので、音無さんは今最も勢いのある事
  務所の一つ、765プロダクションで働いているということですが。

音無:そうですね。主に事務などをやっています。ライブでアナウンスを
   することもありますよ。

――この企画にも、何人か来ていただきました。

音無:如月※2は喜んでいましたよ。自分の情熱を思う存分話せたって。
(※2 如月千早。随一の歌唱力を持つアイドル。第72回に登場。)

――いやあ、あれには私たちも圧倒されました。読者からの反響も凄かっ
  たんですよ。

音無:そうなんですか?彼女も喜ぶと思います。

日高:あなた、普段からそんな他人行儀に呼んでたかしら?

音無:そんな訳無いじゃないですか。場に合わせてるだけです。

8: 2014/09/28(日) 22:44:23 ID:BxUEgErA
日高:そういうものかしら?

音無:あなたは傍若無人だから、わからないんです。

日高:随分なことを言うじゃない。でも残念、私は傍若無人じゃないわ。

音無:どこがですか。

日高:私は暴虐無尽なのよ。

音無:うまいこと言ったつもりですか?

――というか、自覚はあったんですね(笑)

日高:当たり前じゃない。

音無:余計に酷いのでは。

日高:暴虐無尽だもの。

9: 2014/09/28(日) 22:44:54 ID:BxUEgErA
――それにしても、お二人とも随分明け透けに話をしてますが、親交が
  あるんですか?

音無:ええ、まあ。

日高:事務所繋がりでね。最近のことだけど。舞ちゃん、ピヨちゃんと
   呼び合う仲なのよ。

音無:ちょっと、なにを口走ってるんですか!?

日高:嘴はあなたでしょ。真っ黄色じゃない。

音無:余計なお世話です!

日高:はやく結婚すればいいのに。

音無:嫌がらせですか!?

――仲がいいんですね(笑)意外、でもないのかな。この業界、広いよう
  で狭いですからね。お二人の過去を思えば、最近築いた関係という
  ほうが意外ですね。

10: 2014/09/28(日) 22:45:28 ID:BxUEgErA
伝説のアイドルの伝説


――過去といえば、日高さんは、現役の頃の人気は凄かったですね。

日高:らしいわね。私には実感がないけど。

――「日高でなければ、アイドルにあらず」なんて言葉もありました。

音無:泣きたくなる言葉ですね。

日高:私が言ったんじゃないわよ?

音無:知ってます。

――それだけ凄まじい人気だったという証ですね。伝説と呼ばれるだけ
  あって様々な記録が残っています。

日高:私をアスリートみたいに言われても困るんだけど。

11: 2014/09/28(日) 22:46:05 ID:BxUEgErA
――そう言わずに(笑)伝説その一、ランキングトップ二十位までを独占。

音無:改めて聞くと凄いですね。

日高:そんなに出したかしら?

――シングルが二十四枚で、アルバムが六枚ですね。

音無:怪物ですね。活動期間なんか三年も無かったと思いますけど。

日高:そういえば、いろんな人が楽曲を提供したいって来てたわね。

12: 2014/09/28(日) 22:46:41 ID:BxUEgErA
――伝説その二、ランキングトップ十位までを独占した期間が六十週超。

音無:ますます化け物ですね。

日高:誰かさんが止めてくれたけどね。

音無:そうなんですか。凄いですね、その人。

――それについては、後で触れさせていただきます。

日高:一体、誰なのかしらね。

音無:誰なんでしょうね。

――誰でしょう(笑)伝説その三、同日同時間帯の全ての民放番組に出演。

日高:そんなこともあったわね。どのチャンネルをつけても私がいるって
   面白そうだと思ったのよ。

音無:よく実現しましたね、これ。

13: 2014/09/28(日) 22:47:14 ID:BxUEgErA
――なお、本人はその放送時間帯に、ラジオの生放送に出演中。

音無:ひょっとして、これはギャグですか?実は双子だったりしません?

日高:夢の国のマウスと違って私はたくさんいるの。私は多分三人目よ。

音無:あなたは何を言ってるんですか?

――他にも、紹介しきれないほどあります。しかし音無さん、さっきから
  コメントが辛らつですね(笑)

日高:私が嫌いなのかしら?

音無:そんなことはないですよ。

日高:目をそらさないで欲しいわね。

14: 2014/09/28(日) 22:47:44 ID:BxUEgErA
シンデレラ・ストーリーは突然に


――アイドル街道を驀進していた日高さんですが、ここに一人のアイド
  ルが現れます。

音無:そうなんですね。

日高:白々しいわよ。

――それが音無さんなわけですが。

音無:そうは言っても、私はCDを一枚出しただけですし。

――ところがその一枚が凄かった。なにせ、日高舞のランキング記録を
  止めてしまったんですから。

日高:それも圧倒的一位で、ね。

15: 2014/09/28(日) 22:48:17 ID:BxUEgErA
――実は発売から今まで、ずっとランキング百位以内に入り続けている
  ロングセラーでもあります。

音無:そうなんですか?

――知らなかったんですか?これは最長記録らしいですが。

音無:ええ、今知りました。

――でも、それきり活動記録が一切無いんですよね。

音無:それは、その、怖くなっちゃいまして。

日高:私が、かしら。

音無:アイドル活動が、です。応援よりバッシングの方が多くて。

16: 2014/09/28(日) 22:48:47 ID:BxUEgErA
――そうだったんですか?

音無:脅迫の電話や手紙が凄かった、って言ってましたね。今だから、
   言えますけど。

――次の週では、また日高さんがランキングを独占してしまいした。

日高:とても残念だったわ。

――記録が止まって、ですか?

日高:そんなのはどうでもいいの。ようやく競い合える人が出てきたと
   思ったのに。

音無:もしかして、根に持ってます?

日高:あなたと違って、私は人間ができてるのよ。

17: 2014/09/28(日) 22:49:26 ID:BxUEgErA
そして伝説もいなくなった


――結局、日高さんは、この後すぐに引退してしまいましたね。

日高:そうね、もっと楽しいことを見つけたし、頃合いだと思ったの。
   彼女もいなくなってしまったし、このあたりが引き際だってね。

――当時の年齢を考えれば、驚異の判断ですね。

日高:そうかしら。誰も私のところまで来ないから、降りただけよ。

――結果として、伝説は神話になった感があります。

18: 2014/09/28(日) 22:50:01 ID:BxUEgErA
音無:よく引退できましたね。

日高:私の辞書には不可能とは……。

――書いてない、ですか?

日高:私を諦めさせること、と書いてあるわ。

音無:嫌な辞書ですね。さしずめ、日高流格言その一かしら。

――日高さんらしいです(笑)

日高:一冊あげるわよ?

音無:遠慮しておきます。

――私は欲しいですね。できればサイン付きで(笑)

19: 2014/09/28(日) 22:50:41 ID:BxUEgErA
時をかけるアイドル


――日高さんが引退したことで、アイドル業界は一時期どん底でした。
  しかし、最近では765プロダクションを始め、アイドル人気が、
  再燃しています。お二人はどう思いますか?

日高:そうね、やっぱり全体のレベルは上がってるわね。

音無:総合力で日高舞を超えるアイドルが、今後現れるとは思えないけ
   ど、一芸でなら勝ってる子はたくさんいますね。

――例えば、千早ちゃんとかですか?

音無:そうですね。歌なら、彼女は誰にも負けないと思いますよ。

日高:あら、娘だって負けてないわよ。それに、私もまだまだ負けるつ
   もりはないわ。

20: 2014/09/28(日) 22:51:16 ID:BxUEgErA
――日高さんは、つい最近、アイドルとしての活動を再開されました。

日高:ええ、娘も大きくなって手がかからなくなってきたし。今のアイ
   ドルに、私がどの程度通用するのかと思ってね。

音無:謙虚なことも言えるんですね。

日高:言ったでしょ。私は人間ができてるの。

――はは(笑)愛ちゃんは、どんな風に?

日高:嫌がってたわ。「私の人気が減っちゃう!」ってね。

――でも日高さんを諦めさせることは……。

日高:そう、不可能よ。

音無:愛ちゃんがきちんと育ったのが驚きね。

日高:あなたも子供をもてば分かるわ。

音無:うぐっ。

21: 2014/09/28(日) 22:51:50 ID:BxUEgErA
――日高舞の再来とも言われる、玲音ちゃんについてはどうですか?

日高;いい子よ。私と違って。

音無:あなたに比べれば、大概の子はいい子でしょうとも。

日高:でも私に及ばないわね。

――初のオーバーランクですが、それでも及ばない、と?

日高:それは私の時代にオーバーランクがなかったらからよ。

音無:それでも現役時代なら、でしょう?

日高:つまり今でも、よ。

音無:全盛期を過ぎてるじゃない。

日高:あら、私はいつだって全盛期よ。

音無:いいことを言ってるけど、年齢には勝てないでしょう?

日高:丁度いいハンデよ。それでも、私には及ばないわ。事実、彼女は
   ただの玲音ではなく、日高舞の再来と呼ばれている。

――手厳しいですね。同時に凄い自信です。

日高:だって私は日高舞だもの。

音無:日高流格言その二ね。

22: 2014/09/28(日) 22:52:28 ID:BxUEgErA
アイドルはアイドルの夢を見るか


――互いにアイドルを引退した後も、かたや再デビュー、かたや裏方と
  して尽力しています。その魅力はどこにあるのでしょう?

音無:私は中途半端でやめちゃったから、その夢を皆に託してるってい
   うのが一つですね。それにやっぱり皆が成長して、どんどん活躍
   していく姿を間近で見れるのがどても嬉しくて。

日高:私は自分がどこまでいけるか試したいの。今は、かつてと違って
   私に届きそうな子がたくさんいるしね。レベルの高いアイドルと
   競演できて、とても充実してるわ。

――なるほど。お二人が本当にアイドルが好きだと伝わってきました。
  アイドル史に残る二人のお話が聞けて、とても興味深かったです。
  本日はありがとうございました。

日高:とても楽しい時間でした。娘の愛と私のこと応援してください。

音無:懐かしい思いでした。これからも、765プロをお願いします。

23: 2014/09/28(日) 22:53:06 ID:BxUEgErA
春香「日高舞ってやっぱりすごいんだなあ」

やよい「愛ちゃんのお母さんって、とっても凄いんですねー」

真「玲音にも負けてないなんて、どこからそんな自信がくるんだろ」

真美「ピヨちゃんだって凄すぎじゃん」

亜美「だよねー、伝説の伝説を止めるとか、かっこよすぎっしょー」

律子「あの音無さんがねえ」

あずさ「人は見かけによらないですね」

雪歩「音無さん、私たちのことをそんな風に思ってくれてたんですね」

伊織「ふん、絶対負けないんだから」

美希「千早さんの歌って、やっぱり凄いんだね」

千早「そうかしら、まだまだよ」

響「自分ももっと頑張らないとなー」

貴音「まだまだ、高みは遥か彼方のようですね」

24: 2014/09/28(日) 22:53:40 ID:BxUEgErA
P「音無さん、これ本当なんですか?」

小鳥「ええ、まあ」

P「そうかあ、本当に音無さんだったのかあ」

小鳥「ピヨッ?」

P「いやあ、日高舞が活躍してたときって、俺の学生時代ど真ん中なわけですよ」

小鳥「ああ、まあそう言われてみればそうですね」

P「学校中、誰も彼もが日高舞のファンでして、休み時間はその話で持ちきり」

小鳥「すごい時代でしたね」

25: 2014/09/28(日) 22:54:14 ID:BxUEgErA
P「そこにぱっと現れた謎のアイドル!いやあ凄かったなあ、あの騒ぎ」

P「そんな人と今一緒に働いているなんて」

小鳥「人生何があるか分かりませんね」

P「そうですねえ、こんな人がねえ……」

小鳥「プロデューサーさん、私、今ので深く傷つきました」

小鳥「今なら婚約指輪で手を打ちます」

Trrrr……Trrrr……

P「はい、もしもし」

P「えっ、はい、わかりました、本人に伝えます」

26: 2014/09/28(日) 22:54:50 ID:BxUEgErA
P「……音無さん」

小鳥「何ですか?」

小鳥「あっ、婚約指輪の前にプロポーズですか?」

小鳥「まだつきあってもいないのに、そんな……」

P「音無さん」

小鳥「ご両親への挨拶はいつがいいかしら」

小鳥「結婚式はやっぱり六月かしらね」

小鳥「ハネムーンは海外で……」

P「音無さん!」

小鳥「そして初めての夜を迎える二人……!」

小鳥「ピヨピヨ……ピヨォ……」

P「お と な し さ ん!!!!」

27: 2014/09/28(日) 22:55:30 ID:BxUEgErA
小鳥「は、はい!」

小鳥「音無小鳥、永遠の23歳です!」

小鳥「……って、プロデューサーさんじゃないですか、どうしました?」

P「音無さんに出演依頼です」

小鳥「ピヨッ!?」

P「日高舞、玲音、音無さんでユニットを組んで出演してほしいと」

小鳥「ピヨピヨッ!?」

P「日高舞と玲音からの指名です」

小鳥「ピヨッーーーー!?」

32: 2014/10/01(水) 00:03:00 ID:kJ7IUxE6
アイドルマスターアップ  ―三つの頂点―        Vol.111

アイドルマスターアップもついに百十一回!これも、読者の皆様のおかげ
です。今回のゲストは誰より何より一の似合うアイドルが三人!つい先日
まさかのユニット「The Apex」を結成した伝説・日高舞、幻・音無小鳥、
そして本誌初登場!超越・玲音です!


――まさかの二度目の登場となりました。今回もよろしくお願いします。

日高:一って良いわよね。

――なんですか、唐突に(笑)

日高:今回の連載って百十一回なんでしょ?一が三つっていうのが、私た
   ちに相応しいなって。

――そうかもしれませんね。

33: 2014/10/01(水) 00:03:33 ID:kJ7IUxE6
音無:ちょっと舞。困ってるじゃない。

――いえ、そんなことは(笑)それより舞ちゃん、ピヨちゃんの仲だったの
  では?

音無:あれは舞の冗談です。前は舞さん、小鳥だったんですけど。

日高:ユニットを組んでから、呼び捨てるようになったのよ。舞、悲しい。

音無:あなたがそうしろって言ったんじゃないですか。無駄に力のこもった
   泣きまねをしないでください。

――あ、泣きまねだったんですね。驚きました。

音無:舞が余計なことするから、玲音ちゃんがしゃべれないじゃない。

玲音:二人を見てると楽しくてね。

――ようやく玲音ちゃんを呼ぶ事が出来ました。オファーをしては断られて
  半分諦めてました。

玲音:ごめんね。アタシは観客を楽しませるのが好きだから。間近で、顔を
   見れないこういう企画は苦手で。

――意外ですね。しかしこれでようやく読者の声に応える事ができました。
  玲音ちゃんを呼んでくれという手紙やメールがたくさん来るので。

玲音:そう?だったら嬉しいよ。

34: 2014/10/01(水) 00:04:03 ID:kJ7IUxE6
今明かされる衝撃の真実


――それにしても、意外でしたね。何故この三人でユニットを?

玲音:始まりは舞さんの思い付きからだよ。

――それはなんとなくわかります(笑)

日高:伝説と伝説の再来が組むのっておもしろそうって、ピンと来たのよ。

玲音:アタシも、それは楽しそうだと思って、話に乗ることにしてね。

――音無さんはどこから?

日高:ほら、仲間はずれにするのは可哀相じゃない?

玲音:実力は確かだし、この二人じゃ絶対まとまらないしね。

――確か一夜限りの究極ユニット結成という触れ込みだったのでは。

音無:私もそう聞いてたんですけどね。

日高:嘘に決まってるじゃない。

玲音:ごめんね。

35: 2014/10/01(水) 00:04:37 ID:kJ7IUxE6
――番組も騙したんですか。

玲音:予想外の人気だったから、って言っておけば何とかなるかなって。

――確かに素晴らしかったですが、何故わざわざ?

日高:こうでも言わないと、小鳥は来てくれないからね。

――そこまでして、音無さんと?

日高:そうよ。あの時見れなかった夢の続き、見たくなってね。

音無:私も、もしあの時、が見れて嬉しいですよ。忙しすぎることを除い
   て、ですけどね。

36: 2014/10/01(水) 00:05:28 ID:kJ7IUxE6
このアイドル、なんのアイドル?


――日高さんもそうですが、音無さんはブランクがあるのでは?

日高:ちゃんとトレーニングはしてたわ。アイドルを辞めてからも、ね。
   習慣になっちゃってたし。小鳥は、普通のおばさんになってるかと
   心配してたんだけどね。

音無:私!!本職!!事務員!!

玲音:聞いての通り、いい発声をしてるから大丈夫だと確信したんだ。

――はは、確かに耳がキーンとしてます。

37: 2014/10/01(水) 00:06:01 ID:kJ7IUxE6
日高:実は小鳥はアイドルをやめても、人前で歌うことは続けてたのよ。

――そうなんですか?

音無:ええ、まあ。

日高:とあるバーでね。

玲音:舞さんと聴きに言ったんだけど、あんな優しい歌は初めてだよ。

――それは私も聴きに行きたいですね。一体いつから?

音無:デビュー前からですね。人前で歌う訓練だって言われて以来ずっと。
   さすがに今はやってません。そんな時間がありませんし。

――それは残念ですね。

38: 2014/10/01(水) 00:06:39 ID:kJ7IUxE6
それにしてもこのアイドル、ノリノリである


――ところで事務はどうしてるんですか

音無:休職中です。

――大丈夫なんですか?というより、よく通りましたね?

音無:それが社長は即OKしてしまいまして。

日高:順ちゃん※1、小鳥のファンだものね。
(※1 高木順二朗。765プロダクション社長。)

玲音:そうなんだ。

音無:「小鳥くんの歌がまた聴けるとは!」なんて感動してましたよ。

――765プロダクションはちゃんと回ってるんですか?一ファンとして、
  とても心配です。

音無:大丈夫ですよ。765プロのスタッフは優秀ですから。

玲音:このユニットで765プロのアイドルと勝負するのもいいね。

音無:ええっ!?それはちょっと……。

日高:いいわね、それ。やりましょう。

音無:あなたが言ったら実現しかねないから、やめて。

39: 2014/10/01(水) 00:07:13 ID:kJ7IUxE6
――大変ですね、音無さん(笑)

音無:笑い事じゃないです。行動力も実行力も、半端じゃないんですから。
   そのうえ仕事は全身全霊。どれだけ振り回されたことか。

日高:ちょっと綺麗な星空が見たかっただけじゃない。

音無:それでクルーズ船を借り切っての外洋ライブはおかしいでしょう。

玲音:観客には楽しんでもらいたいよね。

音無:ゲリラコンサートで幹線道路が軒並み通行止めなんて初めてよ。

――着々と伝説を積み上げてますね(笑)

40: 2014/10/01(水) 00:08:15 ID:kJ7IUxE6
アイドルの歴史が、また一ページ


――さて「The Apex」というユニット名ですが。

日高:私は「三人娘でいこう」って言ったんだけどね。

音無:感性が古すぎです。

玲音:アタシたちのイメージには合わないよ。

日高:って言われちゃった。

――では誰が?

玲音:アタシ。「The Apex」、頂点って意味だけど、これはアイドルの頂点
   に立とうって意味じゃないんだ。誤解されやすいけどね。

――そうなんですか?私はてっきりそうなのかと。

玲音:そうだね。このメンバーだし、そう思われてもしかたないかな。でも
   込めた願いは、そうだね、簡潔に言えば「三位一体」かな。

――三位一体ですか。

玲音:アタシたち三人はそれぞれ得意な分野が違う。そして得意な分野では
   頂点に近い場所にいる、という自負もある。その頂点を線で繋げば、
   きっと見たことの無い三角形ができるんじゃないかってね。

――なるほど、確かに大きな三角形です。

41: 2014/10/01(水) 00:08:48 ID:kJ7IUxE6
玲音:ま、大きいだけに重心を取るのも難しいんだけどね。

日高:そこは小鳥のおかげね。私と玲音じゃ、自己主張が強過ぎるからね。
   足し算を掛け算にしてくれる、そんな存在よ。

――それは一体?

日高:足し算って同じものしか足せないじゃない?でも掛け算なら違うもの
   でも混ぜられるし、どんどんと変化していく。

――でも一より小さいと答えは小さくなりますよ。

日高:それは違うわ。一メートルを三つ足しても三メートル。ちょっと長く
   なるだけ。でも一メートルを三つ掛けると三立方メートル。いろんな
   物を受け入れる箱になるわ。次元が違うのよ。

――言われて見れば、そうですね。

日高:掛け算なら、皆違っていてそれでいい。いえ、違っていなければなら
   ない。でも足し算だと、皆同じじゃないといけないの。それは私には
   耐えられないわ。

――ともすれば、簡単にばらばらになってしまう二人を繋ぐ掛け算の符号が
  音無さんであると。

音無:符号だけじゃなく、数字も兼任ですね。とても大変です。

玲音:だけど、小鳥さんがいないと答えにならないからね。

――まさに縁の下の力持ち、扇の要、といったところでしょうか。

42: 2014/10/01(水) 00:09:20 ID:kJ7IUxE6
アイドルって、本当に素晴らしいものですね


――さて、これからこの「The Apex」は一体どこへ向かうのでしょうか。

日高:そうね。世界史に名前を残すことね。

――それはまた壮大な(笑)

玲音:アタシは観客動員数七十億人が目標かな。

――負けず劣らず壮大ですね(笑)

音無:普通の事務員に戻りたいです。

――しばらく叶いそうにありませんね(笑)それでは最後に、読者へのメッセー
  ジをお願いします。

日高:みんなまとめて相手してあげるから、ライブに来なさい。

玲音:足腰立たなくなるまで、熱狂させてあげるから、来てね。

音無:立てなくなっても、立たせてみせますから、来て下さい。

――際どい(笑)「The Apex」でした。ありがとうございます。

43: 2014/10/01(水) 00:09:55 ID:kJ7IUxE6
春香「あんまり言いたくないけど、反則だよね」

真「向かうところ敵なし、鎧袖一触だよね」

美希「ミキはまだあんなにキラキラできないの」

貴音「高みが更に遠ざかったような心持ちです」

やよい「際どいってなんですかー?」

伊織「ぎりぎりの発言ってことよ」

亜美「そんなこと書いてた?」

真美「ああ、うん、どうだろうね」

響「観客が失神するまで、やるつもりだからじゃないのか?」

千早「そういうことでは……、いえ間違ってはいないのかしら」

雪歩「失神するまで……、うぅ、とっても凄そうです」

あずさ「うふふ、きっと大盛況でしょうね」

律子「後で注意しておかないと駄目ね」

44: 2014/10/01(水) 00:10:28 ID:kJ7IUxE6
P「音無さん、これ実現したりしませんよね?」

小鳥「え、ええっと、あはは……」

P「え、本気なんですか?」

小鳥「それは、そのぅ……」

P「普通の事務に戻るなんて言わないでくださいよ」

小鳥「ピヨッ?」

P「三人のライブ、凄いじゃないですか」

小鳥「そうですか?」

45: 2014/10/01(水) 00:10:59 ID:kJ7IUxE6
P「そうですよ」

P「それに今の音無さん、凄く輝いてるし」

小鳥「そ、そうですか?」

P「活躍してる姿、好きですよ」

小鳥「プロデューサーさん、私、今のでいたく感動しました」

小鳥「結婚しましょう」

Trrrr……Trrrr……

P「はい、もしもし」

P「えっ、いや、それはちょっと……、それはもちろん存じてはいますが」

P「あっ、ちょっと!切られた……」

46: 2014/10/01(水) 00:11:30 ID:kJ7IUxE6
P「……音無さん」

小鳥「何ですか?」

小鳥「あっ、さっきの返事ですか?」

小鳥「女性からなんて、はしたなかったかしら……」

P「音無さん」

小鳥「でもここで躊躇したら駄目よね」

小鳥「それともプロデューサーさんから、改めて?」

小鳥「夜の街に消え行く二人……」

P「音無さん!」

小鳥「そして朝を迎えて……」

小鳥「チュンチュンチュン……」

P「お と な し さ ん!!!!」

47: 2014/10/01(水) 00:12:05 ID:kJ7IUxE6
小鳥「は、はい!」

小鳥「知識だけなら豊富です!」

小鳥「……ってプロデューサーさんじゃないですか、どうしました?」

P「765、対バンやろうぜって言われました」

小鳥「ピヨッ!?」

P「ついでに961とか876とか誘おうぜって言ってました」

小鳥「ピヨピヨッ!?」

P「どうせやるなら日本中のドームでやりたいって言ってました」

小鳥「ピヨッーーーー!?」

48: 2014/10/01(水) 00:13:47 ID:kJ7IUxE6
以上です

この三人が一堂に会したら、一体何を話すんだろうか

引用元: P「伝説と幻の対談、ですか」