1: 2013/06/06(木) 00:24:54
エヴァのss
旧作に準拠してます

2: 2013/06/06(木) 00:25:36
ケンスケ「Mil55-D輸送ヘリ!こんなことでもなけりゃあ、一生乗る機会ないよ。まったく、持つべきものは友達って感じ!なぁ、シンジ!」

シンジ「え?」

ミサト「毎日同じ山の中じゃ息苦しいと思ってね、たまの日曜だから、デートに誘ったんじゃないのよ!」

トウジ「ええっ!?それじゃ、今日はほんまにミサトさんとデートっすか!?この帽子、今日のこの日のためにこうたんです~!ミサトさ~ん」

シンジ「で…どこに行くの…」

ミサト「豪華なお船で太平洋をクルージングよ!」

3: 2013/06/06(木) 00:26:04
ケンスケ「おおーっ、空母が5、戦艦4、大艦隊だ!ほんと、持つべきものは友達だよなぁ!」

トウジ「これが…豪華なお船…?」

ケンスケ「まさにゴージャス!さすがは国連軍が誇る正規空母、オーバーザレインボー!」

シンジ「でっかいなあ…」

ミサト「よくこんな老朽艦が浮いていられるものね~」

ケンスケ「いやいや、セカンドインパクト前の、ビンテージものじゃないっすかぁ~?」





OTR艦長「ふん…いい気なもんだ…オモチャのソケットを運んできよったぞ。ガキの遣いが!」

4: 2013/06/06(木) 00:27:09
>>3

OTR艦長→艦長

5: 2013/06/06(木) 00:27:55
甲板

ケンスケ「おぉーっ!凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄すぎるーっ!!」

ケンスケ「男だったら涙を流すべき状況だね!これは!!」

ケンスケ「はぁーっ、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄~い……」

トウジ「待て!待たんかい!」

帽子「」ピュー

シンジ「ふぁ~あ…」

トウジ「くっそお…止まれ!止まらんかい!!」

帽子「」パサッ

トウジ「!!」パァァ

??「こんにちはミサトさん。お元気でしたか?」

ミサト「まっね~。貴女も背、伸びたんじゃない?」

??「はい!」

??「あっ、これ貴方のですよね?」 スッ

6: 2013/06/06(木) 01:08:50
トウジ「お、おう…」

ミサト「紹介するわ。エヴァンゲリオン弐号機専属パイロット、セカンドチルドレン、霧島マナよ」

マナ「霧島マナで…」ピュー

マナ「キャ!!」バッ

トウジ「おぉ……」

7: 2013/06/06(木) 01:54:38
マナ「うぅ……」

シンジ「えっと……大丈夫?」

マナ「え……えぇ…」

シンジ「その……あ、あんまり気にしない方がいいよ…」

マナ「気遣ってくれてありがと!えっと…貴方の名前は?」

シンジ「僕?僕は碇シンジです」

マナ「碇くん?ということは…」

ミサト「ええ。彼がエヴァンゲリオン初号機専属パイロットよ」

マナ「やっぱり!!」

マナ「これからよろしくね!碇くん!!」ギュッ

シンジ「う、うん…」

8: 2013/06/06(木) 01:55:11
艦長「おやおや、ボーイスカウト引率のお姉さんかと思っていたが、それはどうやらこちらの勘違いだったようだな」

ミサト「ご理解いただけて幸いですわ、艦長」

艦長「いやいや、私の方こそ、久しぶりに子供たちのお守りができて幸せだよ」

ミサト「この度はエヴァ弐号機の輸送援助、ありがとうございます」

ミサト「こちらが非常用電源ソケットの仕様書です」 スッ

艦長「ハッ!大体この海の上であの人形を動かす要請なんぞ、聞いちゃおらん」

ミサト「万一の事態に対する備え…と理解していただけますか」

艦長「その万一の事態に備えて、われわれ太平洋艦隊が護衛しておる。いつから国連軍は宅配屋に転職したのかな?」

9: 2013/06/06(木) 01:55:41
副長「某組織が結成された後だと、記憶しておりますが」

艦長「オモチャ一つ運ぶのにたいそうな護衛だよ。太平洋艦隊勢揃いだからな」

ミサト「エヴァの重要度を考えると、足りないくらいですが」

ミサト「では、この書類にサインを」

艦長「まだだ!エヴァ弐号機および同操縦者は、ドイツの第3支部より本艦隊が預かっている。君らの勝手は許さん!」

ミサト「では、いつ引き渡しを?」

副長「新横須賀に陸揚げしてからになります」

艦長「海の上は我々の管轄だ!黙って従ってもらおう」

ミサト「分かりました。ただし、有事の際は、われわれネルフの指揮権が最優先であることを、お忘れなく」

トウジ「かっこえぇ~」

シンジ「まるでリツコさんみたいだ…」

10: 2013/06/06(木) 01:56:20
加持「相変わらず、凛々しいなぁ」

マナ「加持さん!」

加持「ども」

艦長「加持君!!君をブリッジに招待した覚えはないぞ!」

加持「それは失礼」

ミサト「では、これにて失礼します。新横須賀までの輸送よろしくお願いします」

トウジ「これがデートかいな!?」
ケンスケ「凄い、凄すぎる!!!」





艦長「チッ…子供が世界を救うというのか!?」

副長「時代が変わったのでしょう。議会もあのロボットに期待していると聞いてます」

艦長「あんなオモチャにか!?バカどもめ!そんな金があるなら、こっちに廻せばいいんだ!」

11: 2013/06/06(木) 01:56:52
エレベーター

ミサト「なんであんたがここにいるのよ!!」

加持「彼女の随伴でね。ドイツから出張さ」

ミサト「迂闊だったわ!十分考えられる事態だったのに!!」

ミサト・シンジ「ちょっと!触らないでよ!!」

加持・トウジ「仕方ないだろ!!」

13: 2013/06/07(金) 00:10:02
アナウンス「第3小隊は予定どおり発艦、到着の第7小隊は、第2デッキに上がってください」

加持「今、付き合ってる奴、いるの?」

ミサト「それがあなたに関係あるわけ?」

加持「あれ?つれないなぁ…」

加持「君は葛城と同居してるんだって?」

シンジ「えっ!?ええ…」

加持「彼女の寝相の悪さ、直ってる?」
マナ・トウジ・ケンスケ「えぇ~っ」

ミサト「なっ!なっ、なっ、何言ってるのよ!」

加持「相変わらずか?碇シンジ君」

シンジ「えっ、ええ…あれ?どうして僕の名前を?」

加持「そりゃあ知ってるさ。この世界じゃ、君は有名だからね。何の訓練もなしに、エヴァを実戦で動かしたサードチルドレン」

シンジ「いや、そんな…偶然です…」

加持「偶然も運命の一部さ。才能なんだよ、君の」

14: 2013/06/07(金) 00:10:34




加持「じゃ、また後で」 ガタッ

シンジ「はい」

ミサト「冗談…悪夢よ、これは…」ブツブツ





加持「どうだ?碇シンジ君は」

マナ「とても優しい人ですね」

加持「そうだな。彼はとても優しい人間だ」

加持「しかも、エヴァンゲリオンの操縦もなかなかのもんだぞ」

マナ「そうなんですか?」

加持「ああ。なんせいきなりの実戦で、彼のシンクロ率は、40を軽く超えてるからな」

マナ「えっ!?」

15: 2013/06/07(金) 00:11:04
マナ「それって…」

加持「普通ならありえない数字だ」

マナ「はい…」

加持「まあ、そんなことは気にしないでいいさ」

加持「多分彼もそんなことを気にされても嬉しくないだろうしな」

マナ「そうですよね…」

加持「ああ。ほら、彼の所に行ってみたらどうだ?シンジくんのこと気になるんだろう?」

マナ「そ、そんなことないですよぉ!!」

加持「ハハハ。ほら、行った行った」

マナ「もう…」スタスタ

加持「………」

加持「あの二人なら大丈夫そうだな…」

16: 2013/06/07(金) 00:11:37



トウジ「しっかしいけ好かん艦長やったなぁ!」

ミサト「プライドの高い人なのよ。皮肉の一つも言いたくなるんでしょう」

シンジ「にぎやかで面白い人ですね。加持さん」

ミサト「昔からなのよ、あのぶゎーか!!」

マナ「碇くん!」

シンジ「ん?」

マナ「ねぇ、少し私と一緒にお散歩しよ?」

シンジ「う、うん…」

17: 2013/06/07(金) 00:12:22
シンジ「へぇ~赤いんだ弐号機って」

マナ「うん!可愛いでしょ?」

シンジ「可愛い…かなぁ……?」

マナ「あっ!!碇くん、今絶対可愛くないって思ったでしょ!?」

シンジ「そんなことな…」

マナ「嘘ね」

シンジ「ご、ごめん…」

マナ「冗談だよ!流石にこの大きさで可愛いなんてないもんね」クスクス

シンジ「うん…まあね」クスリ

18: 2013/06/07(金) 00:12:56
ドーン!!

シンジ「うわ!なんだ!?」

マナ「水中衝撃波よ!」

マナ「爆発が近いわ」バッ

シンジ「あれは!?」

ガギエル「」ズガン ズドン

シンジ「まさか…使徒!?」

マナ「あれが本物の!?」

シンジ「どうしよう!ミサトさんのところに戻らなくちゃ!」

マナ「ううん、ここで待機しましょう」

シンジ「でも!?」

マナ「ここにいた方が早くエヴァを動かせるじゃない?」

シンジ「確かにそうか…」

19: 2013/06/07(金) 00:13:30
アナウンス「各艦、艦隊距離に注意の上、回避運動!」

副長「状況報告はどうした!」

無線「シンベリン沈黙、タイタス・アンドロニカス、目標、確認できません!」

艦長「くそぉ…何が起こっているんだ」

ミサト「ちわー、ネルフですが、見えない敵の情報と、的確な対処はいかがっすかぁ?」

艦長「戦闘中だ!見学者の立ち入りは許可できない!」

ミサト「これは私見ですが、どう見ても使徒の攻撃ですねぇ」

艦長「全艦任意に迎撃!」

ミサト「無駄なことを…」

加持「この程度じゃ、ATフィールドは破れない…か」

ミサト「しかし、なぜ使徒がここに…まさか、弐号機?」

20: 2013/06/07(金) 00:14:13




シンジ「ちょっと!どこにいくのさ!?」

マナ「ちょっとお着替えだよ」

マナ「絶対覗いちゃダメだからね!」

シンジ「う、うん…」

マナ「絶対の絶対だからね?」

シンジ「わ、分かったよ」

マナ「私、碇くんのこと信頼してるからね?」スタスタ

シンジ「うっ…」

21: 2013/06/07(金) 00:14:46




シンジ「なんで僕までプラグスーツに…」スタスタ

マナ「よく似合ってるよ」クスクス

シンジ「!?」バッ

シンジ「み、見た?」

マナ「えへへ」

マナ「ほら、行こう」

シンジ「え?」

マナ「エヴァに乗るの」

シンジ「でも、ミサトさんから許可が…」

マナ「もうこれ以上はマズイよ。全滅しちゃうよ」

シンジ「!?」

マナ「だから、一緒に乗ろうよ」

シンジ「う、うん」

22: 2013/06/07(金) 00:15:16
ミサト「変ね…まるで何かを探しているみたい…」





加持「こんな所で使徒襲来とは、ちょっと話が違いませんか?」

ゲンドウ「そのための弐号機だ。予備のパイロットも追加してある。最悪の場合、君だけでも脱出したまえ」

加持「分かってます」

23: 2013/06/07(金) 00:15:49
無線「オセロウより入電、エヴァ弐号機起動中!」

艦長「なんだと!?」

ミサト「ナイス、マナちゃん!」

艦長「いかん、起動中止だ、元に戻せ!」

ミサト「かまわないわマナちゃん、発進して!」

艦長「なんだと!?エヴァおよびパイロットは、われわれの管轄下だ!勝手は許さん!」

ミサト「何言ってんのよ、こんな時に!段取りなんて関係ないでしょ!」

艦長「こら!」

副長「しかし、本気ですか?弐号機はB装備のままです」

艦長・ミサト「えっ!?」

24: 2013/06/07(金) 00:16:20
シンジ「海に落ちたらやばいんじゃない?」

マナ「落ちないようにしないとね」

ミサト「シンジ君も乗ってるのね!」
シンジ「はい!」

艦長「子供が2人…!」

ミサト「試せる…か?」

ミサト「マナちゃん、出して!」

25: 2013/06/07(金) 00:16:51
シンジ「来た!!」

マナ「どこ!?」

シンジ「あっち!」

シンジ「あと58秒しかないよ!」

マナ「ミサトさん!もっとこちらに寄せて下さい!!」

ミサト「そんな時間はないわ!浮いている船を足場にして跳んできなさい!」

艦長「な、何を言っているだ!そんなことをしたら…」

マナ「そんなのダメです!!」

マナ「足場にした船の乗組員さんに被害がでてしまいます!」

ミサト「そんなことに構っている暇はないわ!早く!!」

マナ「もしかしたら氏人も出てしまうかもしれないんですよ!!」

艦長「おお…」

マナ「使徒は私達で食い止めます!だから早く!!」

ミサト「でも…」

26: 2013/06/07(金) 00:17:23
艦長「面舵いっぱい!目標オセロウ!!」

副官「聞いたか!?面舵いっぱいだ!!オセロウに接舷しろ!」

ミサト「どうして…」

艦長「セカンドチルドレンの考えに共感したまでだ。彼女は味方の被害を最小限に抑えようとしているんだからな」

艦長「我々はその誠意に応えようとしたまでだ」

ミサト「………」

艦長「ブリッジに外部電源を出しておけ」

乗組員「はっ!!」

27: 2013/06/07(金) 00:17:59
シンジ「霧島さん。どうやって使徒を食い止める気なの?」

マナ「う~ん…」

マナ「そうだ!!」

シンジ「何か思いついたの!?」

マナ「うん!」

マナ「オセロウの艦長さん、聞こえますか?」

マナ「一つお願いしたいことが…」

28: 2013/06/07(金) 00:18:42
トウジ「なんやなんや!?あの赤いやつ突然ピクリともせえへんようになったで?」

ケンスケ「電池切れか?」

ミサト「いや、まだ予備電源は生きているわ」

ミサト「……一体何をする気なの?」





マナ「いくよ、シンジくん?」

シンジ「うん。いつでもいけるよ」

マナ「じゃあ、始めよ?」

シンジ「うん!」

マナ「作戦開始して下さい!!」

29: 2013/06/07(金) 00:19:18
オセロウ艦長「砲門全部開け!!」

オセロウ艦長「一発たりとも外すなよ!?」

オセロウ艦長「ってー!!!」ドンドンドン

ケンスケ「撃った!?」

ミサト「全く無駄なことを……」

ガギエル「!?」

ミサト「えっ…効いてる!?」

ミサト「どうして…」

副官「エヴァンゲリオン弐号機がATフィールドを中和しています!!」

艦長「ほう…」

マナ「頑張って碇くん!!」

シンジ「霧島さんも…頑張って!」

無線「敵影、オセロウから離れていきます!!」

艦長「よくやった!!早くオセロウに着けろ!」

30: 2013/06/07(金) 00:19:52
マナ「ふぅ、間に合ったね」

シンジ「ヒヤヒヤしたよ」

マナ「ね!」

シンジ「それより、使徒の撃退はどうする?ATフィールドを中和して砲撃や雷撃をしても使徒はビクともしなかったし…」

マナ「う~ん…」

マナ「どうしようか?」

シンジ「どうしようかって…」

シンジ「武装は何があるの?」

マナ「プログナイフだけ」

シンジ「それだけなの!?」

マナ「うん、それだけだよ」

シンジ「それだけであの使徒をどうやって…」

マナ「あっ!いいこと考えた!!」

シンジ「ほんと!?」

マナ「うん!それはね………」

31: 2013/06/07(金) 00:20:38
通信兵「弐号機より入電!」

艦長「なんと言ってる?」

通信兵「自分達がATフィールドを中和するから目標に向けて全艦一斉射撃をして下さいとのことです」

艦長「ふむ…何か作戦があるようだな」

通信兵「はい。それと……目標が本艦に向かう様に上手く追い立てて欲しいとも言っております」

艦長「………」

艦長「全艦に告ぐ!攻撃の合図に従って攻撃を開始しろ!細かい指示は作戦開始後に追って連絡する!!」

ミサト「一体…何を考えてるの……?」

ケンスケ「凄い!凄い!凄い!凄い!すっごーい!!!」

32: 2013/06/07(金) 00:21:39
艦長「全艦、全砲門を開け!ってぇ~!!!」

ズドンズドンズドンズドン!!

ガギエル「!!!!!」

艦長「目標がコースを逸れるぞ!目標の右舷を狙え!!!」

艦長「そうだ!!気を抜くな!!次は左舷を狙え!!!」

艦長「よし、こっちに来たぞ!弐号機パイロット!!あとは任せるぞ!!」

マナ「分かりました!!では最後に目標の真下で爆発を起こして下さい!!」

艦長「機雷を点火しろ!!」ズドン!

ガギエル「!!!??」ザッパーン

ミサト「跳んだ!?」

マナ「いくよ碇くん!!」

シンジ「うん!」

マナ「いっけぇ!!!」ズバッ

トウジ「使徒を二枚におろしおった!?」

ミサト「ナイス!マナちゃん!!シンジくん!!」

33: 2013/06/07(金) 00:22:25
シンジ「やった!!」

マナ「私達勝ったね!!」

シンジ「霧島さんのおかげだよ!霧島さんの作戦が上手く行ったんだから」

マナ「ううん。碇くんが私に合わせてくれなかったら多分負けてたもん」

マナ「それよりも……よかった…無駄な犠牲者が出なくて…」

シンジ「そうだね…」

シンジ「霧島さんって優しいんだね」

マナ「そんなことないよ」

シンジ「人のことをそこまで考えてあげられるじゃないか。やっぱり優しいよ」

マナ「そうかな?ありがと」ギュッ

34: 2013/06/07(金) 00:22:57
新横須賀

リツコ「まさか使徒が飛び上がってくるタイミングに合わせてプログナイフを振り下ろすとはね…」

ミサト「ええ。しかもタイミングはドンピシャ。あの二人いいコンビになれるわ」

リツコ「そうね…」

リツコ「しかもシンクロ率の記録更新じゃない」

ミサト「たったの7秒間じゃ火事場の馬鹿力でしょ」

35: 2013/06/07(金) 00:24:05
司令室

加持「いやはや、波乱に満ちた船旅でしたよ。やはり、これのせいですか?」

加持「既にここまで復元されています。硬化ベークライトで固めてありますが、生きてます。間違いなく」

加持「人類補完計画の要ですね」

ゲンドウ「そうだ。最初の人間…アダムだよ」

36: 2013/06/07(金) 00:24:54
トウジ「ほんま、顔も性格もええ女やったな」

ケンスケ「まあ、俺たちはもう会うことは無いさ。残念だなぁ~」

トウジ「センセは仕事で会うことができるもんな」

ケンスケ「ズルいぞ、碇!!」

ガラガラガラガラ

トウジ・ケンスケ・シンジ「あっ!!」

マナ「霧島マナ…です。よろしくお願いします」

37: 2013/06/07(金) 20:46:44
数日後

マナ「おはよう、碇くん」

シンジ「お、おはよう」

マナ「あれ?鈴原くん達とは一緒じゃないんだ?」

シンジ「うん…多分トウジとケンスケはは遅れて来ると思う」

マナ「そうなんだ~」

マナ「それじゃあさ、私と一緒に行こ?」

シンジ「えっ?あ、う…うん」

マナ「もしかして嫌だった?」

シンジ「そんなことないよ!」

シンジ「ただ、女の子と一緒に歩くなんてこと無かったから…」

マナ「碇くんってモテそうなのに以外!」

シンジ「モテたことなんて一度もないよ」

マナ「みんな見る目がないなぁ~」

38: 2013/06/07(金) 20:47:15
マナ「そういえばさ、もう一人パイロットっているんだよね?」

シンジ「もう一人?綾波のこと?」

マナ「綾波さんって言うんだ」

シンジ「うん。多分綾波なら学校に行けば会えるよ。同じクラスだしね」

マナ「あんまり記憶にないなぁ」

シンジ「まあ、綾波は静かだからら」

マナ「分かった!それじゃ、行こ?」

シンジ「そうだね」

39: 2013/06/07(金) 20:47:45




マナ「こんにちは、綾波さん。私は霧…」

レイ「霧島マナね」

マナ「あ、うん。よく知ってたね」

レイ「前に自己紹介してたから」

マナ「覚えててくれたんだ!」

レイ「ええ」

マナ「これからよろしくね!綾波さん」

綾波「………」

40: 2013/06/07(金) 20:48:21
ネルフ本部

加持「少し、痩せたかな?」

リツコ「そう?」

加持「悲しい恋をしてるからだ」

リツコ「どうして、そんな事が分かるの?」

加持「それはね、涙の通り道にほくろのある人は、一生泣きつづける運命にあるからだよ」

リツコ「これから口説くつもり?」

リツコ「でも駄目よ、こわーいお姉さんが見ているわ」

ミサト「むぅぅ!」

41: 2013/06/07(金) 20:48:55
リツコ「お久しぶり、加持君」

加持「やっ、しばらく」

リツコ「しかし加持君も意外と迂闊ね」

ミサト「こいつのバカは相変わらずなのよ!」

ミサト「あんた、弐号機の引き渡し済んだんならさっさと帰りなさいよ!」

加持「今朝、出向の辞令が届いてね。ここに居続けだよ」

加持「また三人でつるめるな。昔みたいに」

ミサト「誰があんたなんかと!!」

ブーブーブーブーブー

ミサト「敵襲!?」

43: 2013/06/08(土) 00:14:23
青葉「警戒中の巡洋艦、榛名より入電!『ワレ、キイハントウオキニテ、キョダイナセンコウブッタイヲハッケン。データオクル』」

日向「受信データを照合…波長パターン青、使徒と確認!」

冬月「総員、第一種戦闘配置!」

44: 2013/06/08(土) 00:17:08
ミサト「先の戦闘によって第3新東京市の迎撃システムは、大きなダメージを受け、現在までの復旧率は26%」

ミサト「実戦における稼働率はゼロと言っていいわ」

ミサト「したがって今回は、上陸直前の目標を水際で一気に叩く!」

ミサト「初号機ならびに弐号機は、交互に目標に対し波状攻撃、近接戦闘で行くわよ」

マナ・シンジ「了解!!」

マナ「頑張ろうね、碇くん!」

シンジ「うん。しっかりと合わせていこう」

マナ「は~い!」

45: 2013/06/08(土) 00:17:54
シンジ「は、来た!!」

イスラフェル「」ザッパーン

マナ「いくよ、碇くん!!」ズダダダダダダダダ

イスラフェル「………」

ミサト「よし、怯んだ!!」

マナ「碇くん!コアを!!」

シンジ「分かった!!」ザクッ

イスラフェル「」

ミサト「よっしゃあ!!」

シンジ「やった…」

マナ「碇くん!後ろ!!」

シンジ「えっ!?」

イスラフェル乙「」

イスラフェル甲「」

ミサト「ぬぅあんてインチキ!!」バキッ

46: 2013/06/08(土) 00:19:09
マヤ「本日午前10時58分15秒、2体に分離した目標甲の攻撃を受けた初号機は、駿河湾沖合い2キロの海上に水没、」

マヤ「同20秒、弐号機は目標乙の攻撃により活動停止。この状況に対するE計画責任者のコメント」

リツコ「無様ね」

マナ「………」

シンジ「………」

マヤ「午前11時3分をもって、ネルフは作戦の遂行を断念」

マナ「ごめんね、碇くん…もっと早く私が援護出来てたら…」

シンジ「いや、霧島さんのせいじゃないよ。敵を倒せたと思って油断してたのも僕だし…」

マヤ「国連第2方面軍に指揮権を譲渡」

冬月「まったく恥をかかせおって!」

マヤ「同05分、N2爆雷により目標を攻撃、」

冬月「また地図を書き直さなきゃならんな」

マヤ「構成物質の28%を焼却に成功」

47: 2013/06/08(土) 00:19:56
冬月「しかしそれは足止めに過ぎん。再度侵攻は時間の問題だ」

加持「ま、建て直しの時間が稼げただけでも、儲けもんっすよ」





マナ「………怒られちゃったね」

シンジ「しょうがないよ」

シンジ「あの時僕が…」

加持「二人とも、お疲れ様」

シンジ「加持さん!」

加持「そんなに暗い顔をしてたっていいことないぞ」

シンジ「でも…」

加持「実際君達に責任は全くないんだからな」

加持「ほら、二人とも外に行くぞ。夕飯を奢ってやるよ」

シンジ「あの、ミサトさんは?」

加持「後片付け。責任者は責任取るためにいるからな」

48: 2013/06/08(土) 00:22:02
リツコ「関係各省からの抗議文と被害報告書。で、これがUNからの請求書。広報部からの苦情もあるわよ」

ミサト「ふ~」

リツコ「ちゃんと目を通しておいてね」

ミサト「読まなくても分かってるわよ、喧嘩をするならここでやれ、って言うんでしょう?」

リツコ「ご明察」

ミサト「いわれなくったって、使徒が片付けばここでやるわよ」

ミサト「使徒は必ず私が倒すわ」

49: 2013/06/08(土) 00:22:32
リツコ「副司令官はカンカンよ。今度恥かかせたら左遷ね、間違いなく」

ミサト「碇司令が留守だったのは不幸中の幸いだったけどさ」

リツコ「いたら即刻クビよ。これを見ることもなく、ね」

ミサト「で、私の首がつながるアイディア、持ってきてくれたんでしょ?」

リツコ「一つだけね」

ミサト「さっすが赤木リツコ博士、持つべきものは心優しき旧友ね~」

リツコ「残念ながら、旧友のピンチを救うのは私じゃないわ」

リツコ「このアイディアは加持君よ」

ミサト「加持の?」

50: 2013/06/08(土) 00:23:26
シンジ「ただいま~って誰もいないか」ガチャン

シンジ「な、何だこれ!」

マナ「あれ?碇くん。どうしてここに?」

シンジ「霧島さんこそどうしてここにいるのさ!?」

マナ「わ、私はミサトさんにここにおいでって言われたから来たんだよ」

シンジ「そ、そうなんだ」

シンジ「ミサトさん、どうするつもりなんだろ…」

ミサト「それはね」

マナ・シンジ「ミサトさん!?」

ミサト「お帰りなさい。早速上手くやってるじゃない」

マナ・シンジ「何がですか?」

ミサト「今度の作戦準備」

マナ・シンジ「どうして?」

51: 2013/06/08(土) 00:24:05
ミサト「第7使徒の弱点は1つ!」

ミサト「分離中のコアに対する二点同時の荷重攻撃、これしかないわ」

ミサト「つまり、エヴァ二体のタイミングを完璧に合わせた攻撃よ」

ミサト「そのためには二人の協調、完璧なユニゾンが必要なの」

ミサト「そ・こ・で、あなたたちにこれから一緒に暮らしてもらうわ」

シンジ「えっ!!?」

シンジ「そんなこと言ったって、男女で生活なんて…」

ミサト「使徒は現在自己修復中。第二波は6日後、時間がないの」

マナ「分かりました」

シンジ「霧島さん!いいの!?」

マナ「うん。碇くんとなら別にいいかなって思うしね」

シンジ「でも!!」

マナ「それとも、私とじゃ嫌?」

シンジ「そんなことは…ないけど…」

マナ「それじゃあ決定!よろしくね、シンジくん!!」

52: 2013/06/08(土) 00:24:48
3日後

トウジ「しかし、シンジの奴どないしたんやろ?」

ケンスケ「学校を休んで、もう三日か」

トウジ「あれ?イインチョやんか」

ヒカリ「三バカトリオの二人…」

トウジ「なんでイインチョがここにおるんや?」

ヒカリ「霧島さんのお見舞い。あなたたちこそどうしてここに?」

ケンスケ「碇くんのお見舞い」

トウジ「なんでここで止まるんや?」

ケンスケ「なんでここで止まるんだ?」

ヒカリ「なんでここで止まるのよ?」 ピンポーン

53: 2013/06/08(土) 00:25:37
マナ・シンジ「はーい!」 ガチャ

トウジ「う、う、裏切りも~ん!」

ケンスケ「またしても今時ペアルック、イヤ~ンな感じ!」

マナ・シンジ「こ、これは、日本人は形から入るものだって、ミサトさんが…」

ヒカリ「ふ、不潔よっ!二人とも!」

マナ・シンジ「誤解だよ!」

ヒカリ「誤解も六階もない!」

ミサト「あら、いらっしゃい」

トウジ「ん?これは、どういう事か、説明してください」

54: 2013/06/08(土) 00:26:22




トウジ「そうならそうと、はよ言うてくれたらよかったのに」

ヒカリ「で、ユニゾンは上手くいってるんですか?」

ミサト「まあ、びっくりするくらい良く合ってるんだけど…」

ブー

ミサト「あんな感じに、要所要所で合わないのよね…」

ヒカリ「そうなんですか…」

マナ「どうしよう…なかなか合わないよ…」

シンジ「うん………」

ミサト「しょうがないか…」

ミサト「レイ。やってみて」

レイ「はい」

55: 2013/06/08(土) 00:27:12




トウジ・ケンスケ・ヒカリ「おお!」

マナ「ひゃ…百点…」

ミサト「これは…レイと組ませた方が………」

マナ「!!?」ダッ ガチャン

シンジ「あっ!?」

ヒカリ「マナちゃん!!」

ヒカリ「い~か~り~く~ん!」
シンジ「はぁ?」

ヒカリ「追いかけて!」

シンジ「え?」

ヒカリ「女の子泣かせたのよ!責任取りなさいよ!」

56: 2013/06/08(土) 00:28:25




マナ「……」グスッ

シンジ「あの…霧島さん?」

マナ「あっ…シンジくん…」ゴシゴシ

シンジ「…泣いてたの?」

マナ「……駄目だよね…こんな弱い子じゃ…」

シンジ「…………」

マナ「こんなのだから私は外されちゃうんだよね…」

マナ「もっと強くならないといけ…」

シンジ「いいんじゃないな?」

マナ「え?」

シンジ「弱いままでいいんじゃないかな?」

マナ「シンジ…くん?」

57: 2013/06/08(土) 00:30:01
シンジ「お互いの弱いところはお互い補えばいいと思うんだ…」

シンジ「確かに僕も弱い人間だけど…」

シンジ「トウジやケンスケ。綾波やミサト達に助けて貰ってる…」

シンジ「確かに逃げ出したくなることはたくさんあるけど…」

シンジ「みんなが僕を助けてくれるから僕は今ここにいるんだ」

シンジ「だから、霧島さんも一緒に頑張ろうよ」

マナ「シンジくん…」

シンジ「僕も霧島さんとシンクロ出来る様に頑張るからさ。霧島さんも一緒に頑張ろうよ」

マナ「うん…」

シンジ「よかった。それじゃあ戻ろうか霧島さ…」

マナ「マナって呼んで?」

シンジ「え?」

58: 2013/06/08(土) 00:30:34
マナ「マナって呼んでよ」

シンジ「でも…」

マナ「私もシンジって呼ぶからさ」

シンジ「…………」

マナ「お願い!!」

シンジ「分かったよ」

シンジ「それじゃあ……帰ろうか…マナ」

マナ「うん!」ギュッ

59: 2013/06/08(土) 00:33:43
2日後

マナ「ミサトさんは?」

シンジ「仕事。今夜徹夜だってさ。さっき電話が」

マナ「じゃあ、今夜は私達二人だけなんだ?」

シンジ「まあ…」

マナ「それならさ、一緒に寝よっか?」

シンジ「えっ!!?」

マナ「別に一緒に寝るくらいならいいでしょ?」ニコッ

60: 2013/06/08(土) 00:34:15
シンジ「でも…一応僕も男だし……」

マナ「シンジはそんな酷い事はしないのは知ってるよ?」

シンジ「…どうして?」

マナ「シンジって凄く優しいもん。人が傷付くことをする人には思えないから」

シンジ「マナ…」

マナ「でも、少しくらいエOチなことされても私は大丈夫だよ」

シンジ「へっ!?」

マナ「アハハ」クスクス

マナ「ほら、寝よっか。お休みシンジ!!」カチッ

シンジ「お、おやすみ…」

61: 2013/06/08(土) 00:35:29
エレベーター内

ミサト「やっだ、見てる!」

加持「誰が?」

ミサト「誰って…」

チン ガラガラ

ミサト「もう、加持君とは何でもないんだから、こういうのやめてくれる?」

加持「でも、君の唇はやめてくれ、とは言わなかったよ」

加持「君の唇と君の言葉、どっちを信用したらいいのかな?」

64: 2013/06/08(土) 12:38:01

リツコ「はい」コトッ

ミサト「あ、ありがとう…」

リツコ「今日は珍しく素直じゃない?」

ミサト「う、うーん、ちょっち、ね…」

リツコ「仕事?それとも、男?」

ミサト「う…いろいろ」

リツコ「ふーん。まだ好きなのかしら?」

ミサト「ぶっ!変な事言わないでよ!誰が、あんな奴と!」

ミサト「はぁ…いくら若気の至りとはいえ、あんなのと付き合っていたなんて、我が人生最大の汚点だわ」

リツコ「私が言ったのは加持君が、よ。動揺させちゃった?」

ミサト「あんたねぇ~!」

リツコ「怒るのは図星を突かれた証拠よ」

62: 2013/06/08(土) 00:36:12
ミサト「むぅぅ…」

リツコ「今度はもう少し素直になったら?8年前とは違うんだから」

ミサト「変わってないわ。ちっとも大人になってない」

ミサト「さぁ~て、仕事仕事!明日は決戦だもんねぇ~!」

63: 2013/06/08(土) 00:39:53
葛城宅

シンジ(………)

マナ「」スウスウ

シンジ(………)

シンジ(無理だよ!こんなんじゃ寝れないよ!)

マナ「……シンジ………」ギュッ

シンジ「へっ!!?ま、マナ!!?」

マナ「」スウスウ

シンジ(ヤバイ!ヤバイってこれ!!)

マナ「んん………」ズリズリ

シンジ(そ、それは………)

マナ「温かい…………シンジ…」

シンジ(うわぁぁぁぁぁぁ!!!)




65: 2013/06/08(土) 13:04:26
翌日

青葉「目標は、強羅絶対防衛線を突破」

ミサト「来たわね、今度は抜かりないわよ」

ミサト「音楽スタートと同時にATフィールドを展開!後は作戦通りに。2人とも…いいわね?」

シンジ・マナ「了解!」

青葉「目標は、山間部に侵入」

マナ「シンジ、最初からフル稼動、最大戦速で行くよ!」

シンジ「分かってるよ。62秒でケリをつける」

青葉「目標、ゼロ地点に到達します!」

ミサト「外電源、パージ」

ミサト「発進!」

66: 2013/06/08(土) 13:05:32
62秒後

マナ・シンジ「いっけぇぇぇぇぇぇ!!!」ドンッ

イスラフェル甲・乙「」チュドン

マヤ「パターン青消滅!」

ミサト「よっしゃあ!!」

リツコ「エヴァは?」

青葉「通信回復します」

マヤ「エヴァ両機確認!」

日向「両機損傷無し!」

ミサト「よくやったわ、二人とも!」

67: 2013/06/08(土) 13:06:27
シンジ「勝った…」

マナ「やったぁ!!」

マナ「私達、上手く出来たよね?シンジ!!」

シンジ「うん。最高だったよ」

マナ「シンジありがと!!」

シンジ「何が?」

マナ「私と組んでくれてだよ!」

シンジ「ううん。僕もマナと組めて良かったよ」

マナ「ほんと!?」

シンジ「本当だよ」

マナ「私、嬉しい!!」

68: 2013/06/08(土) 13:07:14
日向「この6日間でずいぶんと仲が良くなった様ですね」

マヤ「そうですね。なんだか見てて微笑ましいです」

ミサト「ええ……仲がいいのは申し分ないんだけど…」

ミサト(この調子で毎日イチャイチャされたら私が困るわ…)

ミサト「ほら、二人ともいつまでもじゃれ合ってないで帰投しなさい」

マナ「はーい!!」

シンジ「分かりました」

ミサト「はあ…」

ミサト(前途多難だわ…)

70: 2013/06/09(日) 01:06:30
数日後

繁華街

マナ「次はこっちに行こ?」

シンジ「分かったよ」

シンジ「って…ここ水着コーナーじゃないか!」

マナ「シンジ~これなんかどう?」

シンジ「えっ!?えっと…」

マナ「こっちは?」

シンジ「い、いいと…思うよ?」

マナ「ほんと!?じゃあ、これ着てみよ!!」

マナ「ちょっと待っててね!!」シャー

シンジ「ちょ…」

71: 2013/06/09(日) 01:07:43




マナ「お待たせ~!」

シンジ「!?」

マナ「どう?似合うかしら?」

シンジ「い……いいと思う…から……早く上を…」

マナ「あ!紅くなってる!カワイイ~」

シンジ「………」

マナ「ねえねえ、どう思う?シンジ~」

シンジ「ま、マナはスタイルが凄くいいからなんでも似合うと思う…」

マナ「ほんと!?じゃあ、今着てるこのビキニ買ってくるね!」

シンジ「あ…うん」

72: 2013/06/09(日) 01:08:53
マナ「楽しみだね~シンジ!」

シンジ「何かあったっけ?」

マナ「沖縄だよ、沖縄」

マナ「うちの学校の修学旅行は沖縄なんでしょ?」

シンジ「まあ…一応そうなんだけど…」

マナ「どうしたの?いきなり黙っちゃって」

シンジ「うん…多分パイロットは行かせて貰えないんじゃないかな?」

マナ「え~~~!!!」

マナ「私達行けないの!?楽しみにしてたのに!」

シンジ「多分だけどね」

73: 2013/06/09(日) 01:09:24
マナ「じゃあさ」

シンジ「?」

マナ「もしも行けなかったら私とプールに行こうよ」

シンジ「ええ!?」

マナ「いいじゃん!せっかく水着も買ったんだし!!」

シンジ「そうだけど…」

マナ「お願い!!」ギュッ

シンジ「わ、分かったから抱きつかないで!!」

マナ「え~、いいじゃん」

シンジ「ま、周りの人達がこっち見てるって!!」

マナ「しょうがないな~はい」

シンジ「ふう…」

74: 2013/06/09(日) 01:10:26
ネルフ

マナ「修学旅行に行っちゃ駄目なんですか?」

ミサト「そ」

マナ「戦闘待機だからですか?」

ミサト「ええ」

マナ「ちなみに誰が決めたんですか?」

ミサト「作戦担当の私が決めたの」

75: 2013/06/09(日) 01:11:02
マナ「分かりました」

ミサト「あら?思ったよりも聞き分けがいいわね?」

マナ「もしもダメだったらシンジと二人でプールにいく事になってるんです」

ミサト「へぇ~」

ミサト「そうなの?シンちゃん」

シンジ「まあ…」

ミサト「シンちゃんも隅に置けないわね」ニヤニヤ

シンジ「ミサトさん!!」

ミサト「冗談よ。二人で楽しんでいらっしゃい」

マナ「は~い!!」

マナ「ほら、行こ?シンジ」グイグイ

シンジ「うん」スタスタ

76: 2013/06/09(日) 01:11:54
空港

ヒカリ「マナちゃん!お土産買ってくるからね!」

ケンスケ「あぁーっ、二人とも残念だったなぁ!」

トウジ「お前らの分まで、楽しんできたるわ、ナハハハハー!」

マナ「みんな、行ってらっしゃ~い」

マナ「じゃあシンジ 、私達は修学旅行の変わりに二人だけでプール行こ?」

シンジ「そうだね」

トウジ・ケンスケ「なっ!!!!!?」

マナ「ほら、見送りも終わったし早く行こうよ!」

シンジ「うん」

トウジ「こんの、裏切りもん!!!!!」

ケンスケ「羨ましすぎる!!!!」

77: 2013/06/09(日) 01:12:53
マナ「鈴原くんと相田くん、凄い顔してたね」クスクス

シンジ「帰って来た時が怖いよ」

シンジ「へんな噂も立ちそうだし…」

マナ「へんな噂?」

シンジ「僕とマナがどうのこうのって」

マナ「詳しく言って」

シンジ「……僕とマナが付き合ってる……とか…」

マナ「別にいいよ」

シンジ「えっ!?」

マナ「私は別にいいけどな~シンジと付き合ってるって言われても」

シンジ「それは…どういう…」

マナ「ほら、早くプールに行こうよ!」タタッ

シンジ「あっ!待ってよマナ!!」

78: 2013/06/09(日) 01:13:58
ネルフ

オペレータ「浅間山の観測データは、可及的速やかにバルタザールからメルキオールへペーストしてください」

マヤ「……」

日向「ヒヒ、イヒヒヒ………」ニヤニヤ

青葉「フフンフンフンフンフンギュ~ン♪」 ブンブン

リツコ「修学旅行?こんなご時世に呑気なものね」

ミサト「こんなご時世だからこそ、遊べるときに遊びたいのよ、あの子達」

79: 2013/06/09(日) 01:14:43
プール

マナ「じゃーん!!どう?シンジ」

シンジ「似合ってるよ」

マナ「う~ん…昨日見せちゃったから新鮮味がなくなっちゃったな~」

シンジ「そんなことないよ」

マナ「そうかな?」

シンジ「うん」

マナ「ならいいんだ!ほら、あっちのプール行こうよ!」グイグイ

シンジ「うわ!分かったから引っ張らないでよ!!」

80: 2013/06/09(日) 01:15:37
シンジ「マナ、体調は大丈夫なの?」

マナ「大丈夫…くちゅん!」

シンジ「嘘はよくないよ。寒い?」

マナ「ごめんね…ちょっと疲れたかも……」

シンジ「無理しちゃ駄目だよ。とりあえずサウナに行こう」

マナ「うん…」

シンジ「よっ…」ザバッ

シンジ「ほら、掴まって?」

マナ「えっ?あ、ありがと」ギュッ

シンジ「よいしょっと…」グイッ

マナ「………」

シンジ「どうしたの?」

マナ「あっ、ううん!何でもないの!!」

シンジ「そう?」

81: 2013/06/09(日) 01:16:28
サウナ

シンジ「どう?まだ寒気はする?」

マナ「ううん。もう治まったよ」

シンジ「良かった。それならそろそろ出ようか」

マナ「うん!それじゃあ浮き輪を…」

マナ「うわぁ!」

シンジ「どうしたの!?」

マナ「割れそう…」

シンジ「本当だ」

シンジ「確かこうなる理由って理科でやったような…」

マナ「熱膨張じゃない?」

マナ「温めれば膨らんで大きくなるし冷やせば縮んで小さくなる、ってやつ」

シンジ「そうそれ!」

マナ「じゃあさ、私の場合は、胸だけ暖めれば、少しはオッパイが大きくなるのかなぁ?」

シンジ「そ、そんな事聞かれたって、わかんないよ!!」

82: 2013/06/09(日) 01:17:07
マナ「あはは!シンジ紅くなってる」

シンジ「それはサウナが熱いから…」

マナ「見たい?」チラッ

シンジ「!?」ゴクリ

マナ「冗談だよ~」

シンジ「マナ!!」

マナ「流石に今は他の人がいるから無理だもん」

シンジ「………えっ?」

マナ「プールに戻ろ?シンジ」

シンジ「………分かったよ」

83: 2013/06/09(日) 11:53:56
ネルフ本部

冬月「これではよく分からんな」

青葉「しかし、浅間山地震研究所の報告通り、この影は気になります」

冬月「もちろん無視はできん」

リツコ「MAGIの判断は?」

マヤ「フィフティーフィフティーです」

冬月「現地へは?」

シゲル「すでに、葛城一尉が到着しています」

85: 2013/06/09(日) 11:58:17
浅間山地震研究所

所員「もう限界です!」

ミサト「いえ…あと500、お願いします」

アナウンス「深度1200、耐圧隔壁に亀裂発生」

所員「葛城さん!」

ミサト「壊れたらうちで弁償します。あと200」

日向「モニターに反応」

ミサト「解析開始」

日向「はい」

アナウンス「観測機圧壊、爆発しました」

86: 2013/06/09(日) 20:09:38
ミサト「解析は?」

日向「ぎりぎりで間に合いましたね。パターン青です」

ミサト「間違いない、使徒だわ」

ミサト「これより当研究所は完全閉鎖、ネルフの管轄下となります。一切の入室を禁じた上、過去6時間以内の事象は、すべて部外秘とします」

ミサト「碇司令当てにA-17を要請して!大至急!」

青葉「気をつけてください、これは通常回線です」

ミサト「分かっているわ。さっさと守秘回線に切り替えて!」

87: 2013/06/09(日) 20:11:13
委員「A-17?こちらから打って出るのか?」

ゲンドウ「そうです」

委員「駄目だ、危険過ぎる!15年前を忘れたとは言わせんぞ!」

ゲンドウ「これはチャンスなのです。これまで防戦一方だった我々が、初めて攻勢に出るための」

キール「リスクが大きすぎるな」

ゲンドウ「しかし、生きた使徒のサンプル、その重要性は、すでに承知の事でしょう」

キール「失敗は、許さん」

冬月「失敗か…その時は人類そのものが消えてしまうよ。本当にいいんだな?」

ゲンドウ「………」

88: 2013/06/09(日) 20:13:56
シンジ「これが使徒?」

リツコ「そうよ。まだ完成体になっていない蛹の状態みたいなものね」

リツコ「今回の作戦は使徒の捕獲を最優先とします。できうる限り原形をとどめ、生きたまま回収すること」

マナ「できなかったときはどうするんですか?」

リツコ「即時殲滅。いいわね?」

シンジ・マナ・レイ「はい」

リツコ「作戦担当者は…」

リツコ「マナちゃん。弐号機で担当して」

マナ「は~い!」

リツコ「シンジくんは初号機でバックアップ」

シンジ「はい」

89: 2013/06/09(日) 20:14:26
レイ「私は?」

マヤ「プロトタイプの零号機には、特殊装備は規格外なのよ」

リツコ「レイと零号機には本部での待機を命じます」

レイ「はい」

リツコ「A-17が発令された以上、すぐに出るわよ。支度して」

シンジ・マナ「はい!」

90: 2013/06/09(日) 20:15:07
某所

女「A-17の発令ね。それには現資産の凍結も含まれているわ」

加持「お困りの方も、さぞ多いでしょうな」

女「なぜ止めなかった?」

加持「理由がありませんよ。発令は正式なものです」

女性「でもネルフの失敗は、世界の破滅を意味する」

加持「彼らはそんなに傲慢ではありませんよ」

91: 2013/06/09(日) 20:16:26
浅間山

シンジ「何ですか?あれ」

リツコ「UNの空軍が空中待機してるのよ」

マヤ「この作戦が終わるまでね」

マナ「手伝ってくれるんですか?」

リツコ「いいえ、後始末よ」

マヤ「私たちが失敗したときのね」

マナ「どういう事ですか?」

リツコ「使徒をN2爆雷で熱処理するのよ。私たちごとね」

92: 2013/06/09(日) 20:16:58
マナ「えっ!?」

シンジ「そんな命令、誰が出すんですか!?」

リツコ「碇司令よ」

シンジ「…」

アナウンス「レーザー、作業終了」

アナウンス「進路確保!」

アナウンス「D型装備、異常無し!」

マコト「弐号機、発進位置」

ミサト「了解。マナちゃん、準備はどう?」

マナ「いつでもいいですよ」

ミサト「発進!」

93: 2013/06/09(日) 20:17:39
マナ「現在、深度170、沈降速度20。各部問題なし。視界は…ゼロ。何にも分からないです。CTモニターに切り替えます」

マナ「これでも透明度120か…」

マヤ「深度、400、450、500、550、600、650」

マヤ「900、950、1000、1020、安全深度、オーバー」

マヤ「深度1300、目標予測地点です」

ミサト「マナちゃん、何か見える?」

マナ「反応なし、何もいないです」

リツコ「思ったより対流が早いようね」

日向「目標の移動速度に誤差が生じています」

ミサト「再計算、急いで。作戦続行。再度沈降、よろしく」

日向「えぇっ?」

94: 2013/06/09(日) 20:18:36
マヤ「深度、1350、1400」

オペレータ「第2循環パイプに亀裂発生」

マヤ「深度、1480、限界深度、オーバー!」

ミサト「目標とまだ接触していないわ。続けて」

ミサト「マナちゃん、どう?」

マナ「まだ持ちそうです」

マナ「さっさと終わらせてシャワー浴びたいですよ」

マナ「近くにいい温泉があるわ。終わったら行きましょ。もう少しがんばって」

マナ「温泉があるんですか!?」

マナ「シンジ、一緒に入ろうね!!」

シンジ「いや、マナ…それは…」

ミサト「マナちゃん、今は作戦に集中して」

マナ「はーい!」

95: 2013/06/09(日) 20:20:00
マヤ「限界深度、プラス120」

マナ「!?」 ガキン

オペレータ「エヴァ弐号機、プログナイフ喪失」

マヤ「限界深度、プラス200」

日向「葛城さん!もうこれ以上は!今度は人が乗っているんですよ!」

ミサト「この作戦の責任者は私です。続けてください」

マナ「大丈夫ですよ…まだいけます!」

96: 2013/06/09(日) 20:21:09
マヤ「深度、1780。目標予測修正地点です」

マナ「………いた…」

日向「目標を映像で確認」

ミサト「捕獲準備」

リツコ「お互いに対流で流されているから、接触のチャンスは一度しかないわよ」

マナ「分かりました…」

日向目標接触まで、後サンマル」

マナ「相対速度2.2。軸線に乗りました」

マナ「電磁柵展開、問題なし」

マナ「目標、捕獲しました」

日向「はぁ~」

ミサト「ナイス、マナちゃん!」

マナ「捕獲作業終了。これより浮上します」

97: 2013/06/09(日) 20:22:18
シンジ「マナ、大丈夫?」

マナ「うん。大丈夫だよ!ありがとう」

マナ「でもこれじゃあプラグスーツと言うよりサウナスーツだよ。あぁ、早く温泉に入りたいなあ」

リツコ「緊張がいっぺんに解けたみたいね」

ミサト「そう?」

リツコ「あなたも今日の作戦、恐かったんでしょ?」

ミサト「まぁね。下手に手を出せば、あれの二の舞ですものね」

リツコ「そうね。セカンドインパクト。二度とごめんだわ」

98: 2013/06/09(日) 20:23:45
マナ「えっ!?何ですかこれ!」

サンダルフォン「ンキャー」モゾモゾ

リツコ「まずいわ、羽化を始めたのよ。計算より早すぎるわ」

ミサト「キャッチャーは?」

マコト「とても持ちません!」

ミサト「捕獲中止、キャッチャーは破棄!」

ミサト「作戦変更、使徒殲滅を最優先、弐号機は撤収作業をしつつ戦闘準備!」

マナ「分かりました!でも武器が…」

99: 2013/06/09(日) 20:24:38
サンダルフォン「」

マナ「正面!?バラスト放出!」

マナ「は、早い!」

マナ「見失うなっちゃった…視界が悪いし…どうしよう…」

ミサト「マナちゃん!今のうちに初号機のナイフを落とすわ。受け取って!」

マナ「了解!」

サンダルフォン「」ギュンギュン

マナ「いや!まだなの、シンジ!」

シンジ「ウオォォォォ!」 ブンッ

オペレータ「ナイフ到達まで、後ヨンマル」

日向「使徒、急速接近中!」

マナ「嫌ぁ!来ないでぇ!」

100: 2013/06/09(日) 20:27:29
弐号機「」パシッ ブンッ

サンダルフォン「」グワッ

マナ「えっ!?」

リツコ「まさか、この状況下で口を開くなんて!」

マヤ「信じられない構造です!」

マナ「う…ぐっ」

マヤ「左足損傷!」

マナ「耐熱処置!」

リツコ「高温高圧、これだけの極限状態に耐えているのよ。プログナイフじゃ駄目だわ」

日向「では、どうすれば?」

101: 2013/06/09(日) 20:28:08
シンジ「そうだ!」

マナ「さっきの奴!」

マナ「いっけぇぇぇ!」 ブシュゥゥゥ

リツコ「なるほど、熱膨張ね!」

マナ「冷却液の圧力をすべて三番にまわして下さい!!早く!」

弐号機「」ブシュゥゥゥ

サンダルフォン「」パラパラパラパラ

マナ「やった…」

弐号機「」ブチブチブチブチ

マナ「せっかくやったのに…ごめんねシンジ、約束を守れそうにないよ…」

マナ「シンジィ!!」グスッ

シンジ「マナ、掴まって!!!」ガシッ

マナ「……シンジ…?」

マナ「バカ、無理しちゃって…」

マナ「ありがとう…シンジ」

103: 2013/06/10(月) 01:05:41
深夜

温泉宿

マナ「ねえ、シンジ起きてる?」コンコン

シンジ「どうしたの?マナ。こんな遅くに」

マナ「温泉に入らない?」

シンジ「さっき入ったけど…それに、マナもミサトさんと入ってたよね?」

マナ「そうじゃなくてさ…」

マナ「一緒に入ろうよ」

シンジ「一緒に!?」

マナ「うん…一緒に……入ろ?」

シンジ「でも………」

マナ「お願い!」

シンジ「分かったよ…」

104: 2013/06/10(月) 01:10:20
露天風呂

シンジ「……入るよ?」

マナ「どうぞ」

シンジ「………」ガラガラ

シンジ「なっ!?裸!!?」

マナ「お風呂では普通裸でしょ?」

シンジ「そ、そ、そうだけど、今は!」

マナ「ほら、シンジもタオル取って」バサッ

シンジ「あっ!?」

シンジ「マナ!!」

マナ「お互い裸なんだから恥ずかしがらないでいいよ」

シンジ「そんなこと言ったって!」

シンジ「マナは恥ずかしくないの?」

105: 2013/06/10(月) 01:11:02
マナ「…………」

マナ「恥ずかしいよ…」

マナ「でも、シンジは命をかけて私を助けてくれたんだよ?」

マナ「命をかけることに比べたらこれくらいなんてことないよ」

106: 2013/06/10(月) 01:12:06
シンジ「だからって…どうして…」

マナ「私がシンジを好きだからだよ!」

マナ「好きな人のために尽くしたい…愛されたい…添い遂げたい…」

マナ「私はそう思うんだ…」

マナ「だから私はこんなことをしてるんだよ」

マナ「大好きな人に尽くしたいから…」

シンジ「マナ…」

107: 2013/06/10(月) 01:23:56
マナ「ねえ、シンジ」

シンジ「ん?」

マナ「助けてくれて本当にありがとう」

マナ「もしもシンジがあの時に助けてくれなかったら、私絶対に氏んじゃってた」

マナ「実はさ、氏んじゃうって思った時に真っ先に思い浮かんだのはシンジだった」

マナ「そして、もう一目だけでもシンジと会いたかったと思ったんだよ」

マナ「それくらい、私の中のシンジの存在が大きくなってる」

マナ「やっぱり私はシンジのことが大切なんだね…」

マナ「ううん……愛してる…」

シンジ「どうして…どうしてマナはそんなに僕の事を?」

108: 2013/06/10(月) 01:35:40
マナ「それはね…」

マナ「シンジが優しかったからかな?」

マナ「初めて会った日から今まで私の事を気にして大切にしてくれたよね?」

マナ「それに、私のわがままにも文句一つ言わずに付き合ってくれた」

マナ「多分シンジは自覚ないかもしれないけど、本当にシンジは優しいの」

シンジ「そうかな?」

マナ「うん!」

マナ「例えばさ…ユニゾンの訓練の時も、私を追いかけて来てくれて励ましてくれたよね?」

マナ「実はね、あの時私は凄く嬉しかったんだよ?」

マナ「多分シンジが励ましてくれてなかったら立ち直れなかったかもしれない」

マナ「だけど、シンジのお陰でもっと頑張ろうって気になれた」

マナ「私の全てはシンジなんだよ」

109: 2013/06/10(月) 01:37:30
シンジ「あのさ……」

マナ「?」

シンジ「僕はさ…マナの気持ち…凄く嬉しいんだ」

マナ「えっ!?」

シンジ「でもさ、だからこそお願いしたいことがあるんだ」

マナ「………」

シンジ「もしも僕に危険が迫っても絶対にマナが傷付くようなことはしないで欲しい」

シンジ「僕はマナを傷つけたくないから」

シンジ「そして、僕のせいで大事な人を失うのは嫌なんだよ」

マナ「…………」

シンジ「お願いだ。約束して」

マナ「……分かった」

110: 2013/06/10(月) 01:38:01
マナ「でも意外だったな」

シンジ「何が?」

マナ「シンジが私のことをそう思ってくれていたなんて」

シンジ「うぁ………」カアア

マナ「その言葉を聞けただけで凄く嬉しいよ」

シンジ「うん……」

111: 2013/06/10(月) 01:46:05
マナ「そろそろあがろうか?」

シンジ「そうだね」スッ

マナ「あ、ちょっと待って!」

シンジ「どうしたの?」

マナ「最後にもう一度言わせて」

マナ「……」ギュウウ

シンジ「マナ!?」

マナ「ありがと…シンジ。私、シンジのこと愛してるよ…」

シンジ「…僕もだよ……」

マナ「……うん…」

112: 2013/06/11(火) 01:49:53
数日後

子供「わーい、当たった当たったぁ~!」

リツコ「これじゃあ毎回のクリーニング代もバカにならないわね」

マヤ「せめて、自分でお洗濯できる時間くらい、欲しいですね」

青葉「家に帰れるだけ、まだマシっすよ」

リツコ「あら、副司令」

リツコ「おはようございます」

マヤ・青葉「おはようございます!」

冬月「ああ、おはよう」

リツコ「今日はお早いです
ね」

冬月「碇の代わりに上の町だよ」

113: 2013/06/11(火) 01:52:07
リツコ「ああ、今日は評議会の定例でしたね」

冬月「下らん仕事だ。碇め、昔から雑務はみんな私に押し付けおって…MAGIがいなかったらお手上げだよ」

リツコ「そう言えば、市議選が近いですよね。上は」

冬月「市議会は形骸に過ぎんよ。ここの市政は事実上MAGIがやっとるんだからな」

マヤ「MAGI?3台のスーパーコンピューターがですか!?」

冬月「3系統のコンピュータによる多数決だ。きちんと民主主義の基本に乗っ取ったシステムだ」

マヤ「議会はその決定に従うだけですか?」

冬月「最も無駄の少ない、効率的な政治だよ」

マヤ「さすがは科学の町、まさに科学万能の時代ですね!」

青葉「ふーるくさいセリフ」

冬月「そう言えば、零号機の実験だったかな、そっちは」

リツコ「ええ、本日ヒトマルサンマルより第2次稼動延長試験の予定です」

冬月「朗報を期待しとるよ」

114: 2013/06/11(火) 01:52:51
リツコ「実験中断、回路を切って!」

マヤ「回路切り替え」

オペレータ「電源、回復します」

リツコ「問題はやはりここね」

マヤ「はい、変換効率が理論値より0.008も低いのが気になります」

オペレータ「ぎりぎりの計測誤差の範囲内ですが、どうしますか?」

リツコ「もう一度同じ設定で、相互変換を0.01だけ下げてやってみましょう」

マヤ「了解」

リツコ「では、再起動実験、始めるわよ」

115: 2013/06/11(火) 01:53:35
エレベーター

加持「おーい、ちょいと待ってくれぇ~!」

ミサト「………」ポチッ

加持「」ガシャ

ミサト「チッ…」

加持「イヤー、走った走った!こんちまたご機嫌斜めだねぇ」

ミサト「来た早々、あんたの顔見たからよ!」

116: 2013/06/11(火) 01:54:16
オペレータ「はい、しばらくお待ちください」

ゲンドウ「なんだ?」

シンジ「あ、あの…父さん…」

ゲンドウ「どうした!早く言え!」

シンジ「あぁ…あの…実は今日、学校で進路相談の面接があることを父兄に報告しとけって、言われたんだけど…」

ゲンドウ「そういう事はすべて葛城君に一任してある。下らんことで電話をするな。こんな電話をいちいち取り次ぐんじゃな」 ブチッ

シンジ「ん?」

117: 2013/06/11(火) 01:55:31
ミサト「あら?」

加持「停電か?」

ミサト「まさか、ありえないわ」

ミサト「変ねぇ、事故かしら?」

加持「赤木が実験でもミスったのかな?」

マヤ「主電源ストップ、電圧、ゼロです」

オペレータ達「…」

リツコ「あ、あたしじゃないわよ…」

118: 2013/06/11(火) 01:56:46
加持「どうだろうなぁ」

ミサト「でもまぁ、すぐに予備電源に切り替わるわよ」

シゲル「だめです、予備回線に繋がりません」

冬月「バカな!生き残っている回線は!」

職員「全部で1.2%、2567番からの9回線だけです!」

冬月「生き残っている回線はすべてMAGIとセントラルドグマの維持に廻せ!」

青葉「全館の生命維持に支障が生じますが…」

冬月「かまわん!最優先だ!」

119: 2013/06/11(火) 01:57:24
ネルフ本部

リツコ「とにかく、発令所へ急ぎましょ。7分たっても復旧しないなんて…」

ミサト「ただ事じゃないわ」

加持「ここの電源は?」

ミサト「正・副・予備の3系統、それが同時に落ちるなんて、考えられないわ!」

加持「となると…」

ゲンドウ「やはり、ブレーカーは落ちたと言うより落とされた、と見るべきだな」

冬月「原因はどうであれ、こんな時に使徒が現れたら大変だぞ」

120: 2013/06/11(火) 01:58:09
地上

マナ「それはシンジくんのお父さんが、本当に忙しかっただけじゃないのかな?」

シンジ「そっかなぁ…途中で切ったって言うより、なんか故障した感じだったんだけど」

マナ「何かあったのかなぁ?」

シンジ「あれ?」 シュッ

レイ「?」 シュッ

マナ「どうしたの?」 シュッ

マナ「あれ?」シュッシュッ

マナ「壊れてるのかな?」

シンジ「みたいだね」

121: 2013/06/11(火) 18:44:48
司令官「統幕会議め、こんな時だけ現場に頼りおって!」

高官A「政府は何と言ってる?」

高官B「フン、第2東京の連中か?逃げ支度だそうだ」

隊員「使徒は依然健在、進行中」

司令官「とにかく、ネルフの連中と連絡を取るんだ」

高官A「しかし、どうやって?」

高官B「直接行くんだよ」

122: 2013/06/11(火) 18:45:50
アナウンス「こちらは第3管区航空自衛隊です。ただいま正体不明の物体が本書に対し移動中です。住民の皆様は速やかに指定のシェルターに避難してください」

日向「ヤバイ!急いで本部に知らせなきゃ!

日向「でもどうやって…」

選挙カー「こういった非常時にも動じない、庵野、庵野秀明をよろしくお願いいたします!」

日向「…!?ラッキー!」

123: 2013/06/12(水) 01:29:27
エレベーター

ミサト「それにつけても暑いわねぇ…」 パタパタ

加持「空調も止まってるからねぇ。葛城、暑けりゃシャツくらい脱いだらどうだ?今更恥ずかしがることもないだろう?」

ミサト「こういう状況下だからって、変なこと考えないでよ!」

加持「へいへい」

司令部

リツコ「まずいわね、空気が淀んできたわ…はぁ…これが近代科学の、粋を凝らした施設とは…」

マヤ「でも、さすがは司令と副司令、この暑さにも動じませんね」

冬月「……ぬるいな」

ゲンドウ「ああ…」

124: 2013/06/12(水) 01:30:12
ウグイス嬢「当管区内における非常事態宣言に伴い緊急車両が通ります…って、あの、行き止まりですよぉ!」

マコト「いいから突っ込め!なんせ非常時だからなぁ!」

運転手「リョーカイッ!」

ウグイス嬢「いやぁ、もう止めてぇ!」

125: 2013/06/12(水) 01:35:35
冬月「このジオフロントは外部から隔離されても自給自足できるコロニーとして作られている。そのすべての電源が落ちると言う状況は、理論上はありえない」

リツコ「誰かが故意にやったと言うことですね」

ゲンドウ「おそらくその目的はここの調査だな」

リツコ「復旧ルートから本部の構造を推測するわけですか」

冬月「シャクな奴等だ」

リツコ「MAGIにダミープログラムを走らせます。全体の把握は困難になると思いますから」

ゲンドウ「頼む」

リツコ「はい」

冬月「本部初の被害が使徒によるものではなく、同じ人間にやられたものとは、やり切れんな」

ゲンドウ「所詮、人間の敵は人間だよ」

126: 2013/06/12(水) 01:36:30
マナ「こっちかな?どうかな?綾波さん」

レイ「大丈夫」

マナ「凄いね、綾波さんはさ」

レイ「どうして?」

マナ「全ての道を覚えてるなんて凄いよ」

レイ「全てじゃないわ」

マナ「それでも、施設の殆どは知ってるんでしょ?」

レイ「ええ」

127: 2013/06/12(水) 01:37:09
レイ「黙って」

マナ「どうしたの?」

レイ「人の声よ」

マナ「?」

日向「使徒、接近中!使徒、接近中!」

マナ・シンジ「日向さんだ!おーい!」

日向「使徒、接近中!繰り返す、現在、使徒、接近中!」

マナ・シンジ「使徒接近!?」

レイ「時間が惜しいわ。近道しましょう」

128: 2013/06/12(水) 01:38:01
マナ「綾波さん凄~い!!こんなところ知ってるんだ!?」

レイ「…昔からここにいるから……」

マナ「へぇ~そんなに長いんだ! ?」

レイ「ええ…」

マナ「私、綾波さんを尊敬しちゃうよ!」

レイ「どうして?」

マナ「だって、こんなところまで知ってるなんて普通出来ないもん!」

レイ「……そう…」

マナ「あ、次はどっち?」

レイ「右」

129: 2013/06/12(水) 01:38:53
マナ「マナ」

マナ「ん?どうかした?シンジ」

シンジ「いや、何でもないよ」

シンジ「べつに今話さないといけないわけじゃないんだけどさ」

マナ「なになに?」

シンジ「ねぇ、使徒って何なのかなぁ?」

マナ「う~ん…考えた事がなかったかも」

シンジ「使徒…神の使い。天使の名を持つ僕らの敵。なんで戦うんだろう?」

マナ「多分……私たちが生き残るためには倒さないといけないんだと思う…」

マナ「共存は出来ないんだろうね」

シンジ「そうなのかな…?」

マナ「確証はないけど、私はそう思うな…」

シンジ「うん…」

130: 2013/06/12(水) 01:39:39
シンジ「あれ?ここで道が二つに別れてるよ?」

マナ「綾波さん、どっちかわかる?」

レイ「いえ…」

マナ「そう?それじゃあ、とりあえず右に行ってみようよ。そして駄目ならここまで戻るの」

シンジ「僕はそれでいいよ。綾波は?」

レイ「私もそれでいいわ」

マナ「じゃあ、行こっか」

シンジ「うん」

131: 2013/06/12(水) 01:41:26
シンジ「なんか上り坂になってきたね」

マナ「うん…本部が上にあるわけないし、一旦戻ろうか?」

シンジ「そうだね」

マナ「それじゃあ、戻…」

レイ「待って」

シンジ「どうしたの?綾波」

レイ「ドアが見えて来たわ」

マナ「ほんとだ!」

シンジ「開けるよ?」ギィィ~

マトリエル「」コンニチハ

マナ「キャッ!!!」

シンジ「ッ!!!?」バタン

マナ「怖かったよぉ…」ブルブル

シンジ「早くミサトさんのところに行かなきゃ!!」

132: 2013/06/12(水) 01:42:12
日向「現在、使徒接近中!直ちにエヴァ発信の要有りと認む!」

マヤ「大変!!」

ゲンドウ「冬月、後を頼む」

冬月「碇!」

ゲンドウ「私はケイジでエヴァの発信準備を進めておく」

冬月「まさか…手動でか?」

ゲンドウ「緊急用のディーゼルがある」

冬月「しかし…」

133: 2013/06/12(水) 01:42:49




作業員s「よーいしょ、よーいしょ、よーいしょ、よーいしょ!」

作業員「了解、停止信号プラグ、排出終了」

ゲンドウ「よし、3機ともエントリープラグ挿入準備」

作業員「しかし、いまだにパイロットが!」

リツコ「大丈夫。あの子達は必ず来るわ」

134: 2013/06/12(水) 01:44:47
マナ「シンジ、前見ちゃ駄目だからね」ゴソゴソ

シンジ「え?」 バッ

マナ「あぁ!見ちゃ駄目だよぉ~!今日あんまり可愛いの履いてないから見られたくなかったのに!」

シンジ「ご、ごめん!!」 ガタン

シンジ・マナ「えっ!?」

シンジ・マナ「わぁーっ!」 ドシン

シンジ・マナ「イタタタタ…」

リツコ「あんたたち!」

マナ「あれ?リツコさん?」

135: 2013/06/12(水) 01:45:17
ゲンドウ「各機、エントリー準備!」

作業員「了解、手動でハッチ開け」

シンジ「エヴァは?」

リツコ「スタンバイできてるわ」

シンジ「何も動かないのに…?」

リツコ「人の手でね。司令のアイディアよ」

シンジ「父さんの?」

作業員&ゲンドウ「ふぬーっ!ふぬーっ!ふんぬーっ!!」

リツコ「碇司令は、あなたたちが来ることを信じて、準備してたのよ」

137: 2013/06/13(木) 02:07:35
マヤ「プラグ挿入」

リツコ「全機、補助電源にて起動完了」

ゲンドウ「第一ロックボルト、外せ」

作業員「2番から32番までの油圧ロックを解除」

マヤ「圧力ゼロ、状況フリー」

ゲンドウ「構わん。各機実力で拘束具を除去、出撃しろ!」

日向「目標は直上にて停止の模様!」

リツコ「作業、急いで!」

オペレータ「非常用バッテリー搭載完了!」

リツコ「よし、行けるわ!」

リツコ「発進!」

138: 2013/06/13(木) 02:18:24
レイ「縦穴に出るわよ」

マナ「私が先に行くね」

マトリエル「」デロデロデロデロ

マナ「!?」

レイ「いけない、よけて!」 ドン

マナ「キャッ!」ガシャン

シンジ「うわ!」

レイ「目標は、強力な溶解液で本部に直接侵入を図るつもりね」

シンジ「どうしようか?」

マナ「ライフルは落としちゃったよ?」

シンジ「でも、ライフルがないと…」

レイ「作戦ならあるわ」

マナ「作戦?」

139: 2013/06/13(木) 02:20:18
レイ「ここにとどまる機体がディフェンス。ATフィールドを中和しつつ敵の溶解液からオフェンスを守る」

レイ「バックアップは下降。落ちたライフルを回収しオフェンスに渡す。そしてオフェンスはライフルの一斉射にて目標を破壊」

レイ「これが一連の作戦」

シンジ「いいよ、それでいこう」

シンジ「フォーメーションだけど…」

レイ「ディフェンスは私が…」

マナ「私がやる」

シンジ「そんな、危ないよ」

マナ「ううん、私がやる。今度は私がシンジを助ける番だよ」

シンジ「でも…」

マナ「お願いシンジ、私を信じて!」

シンジ「分かった…」

マナ「それとさ、この作戦が終わったら抱きしめてね」

シンジ「…うん」

140: 2013/06/13(木) 02:22:20
レイ「作戦を始めるわよ」

レイ「弐号機の人がディフェンス、碇くんがオフェンス、私がバックアップ」

シンジ「分かった」

マナ「それじゃあ、いくよ?スタート!!」ダッ

マトリエル「」ダラダラダラダラ

マナ「ウグッ!!?うぅぅぅぅぅぅぅ!」ジュワッ

シンジ「マナ!!」

マナ「大……丈夫だから………早く……」

シンジ「綾波ぃ!!早く!!」

レイ「受け取って、碇くん」ヒュッ

シンジ「マナ!離れて!!!」パシッ

マナ「うん!!!」バッ

シンジ「いっけぇぇぇ!!」ズダダダダダダダ

マトリエル「」ズドン

シンジ「よし!」

141: 2013/06/13(木) 02:24:19




シンジ「マナ!!大丈夫!?」

マナ「うん…なんとか」

シンジ「傷とかは出来てないよね!?」

マナ「うん。全くないよ」

142: 2013/06/13(木) 02:24:53
シンジ「よかった…」ギュッ

マナ「シンジ…約束……守ってくれたね…」

シンジ「えっ!?あっ!!」

青葉「」ニヤニヤ

マヤ「」ニヤニヤ

レイ「」

日向「」ニヤニヤ

リツコ「っほん…二人とも、早く控え室で着替えなさい」

シンジ「は……はい!!」バッ

マナ「あっ、シンジ…」

レイ「…………私も…」ボソッ

143: 2013/06/13(木) 02:25:56
ミサト「も~ぅ!!何で開かないのよ~!!非常事態なのよ~!!はぁっ、もう、漏れちゃう!!」

加持「………」

ミサト「こら、もう!上見ちゃ駄目、って言ってるでしょ!!」

加持「はいはい…お?」 ガタッ

ミサト「やだ、ちょっと!」

加持「おっとっと!」

ウィーン

リツコ「…」

マヤ「…不潔」

144: 2013/06/13(木) 02:26:52
シンジ「電気…人工の光が無いと、星がこんなに綺麗だなんて、皮肉なもんだね」

マナ「うん…本当に綺麗……」

シンジ「でも、人工の光がないと少し怖いかもね」

マナ「そうだね~」

チカチカ

シンジ「やっぱりこっちの方が落ち着くね」

レイ「人は闇を恐れ、火を使い、闇を削って生きてきたわ」

シンジ「だから人間って特別な生き物なのかな?だから使徒は攻めてくるのかな?」

マナ「どうなんだろうね。私には分からないや」

145: 2013/06/14(金) 02:03:53
数日後

トウジ「済まんなぁ、シンジ、雨宿りさせてもろて」

ケンスケ「ミサトさんは?」

シンジ「まだ寝てるのかなぁ。最近徹夜の仕事が多いんだ」

トウジ「あー、大変な仕事やからなぁ」

ケンスケ「ミサトさんを起こさないように、静かにしていようぜ、静かに!」

トウジ・ケンスケ「シィーッ!」

マナ「あっ!こんにちは、鈴原くん、相田くん」

マナ「今日は二人とも遊びに来たの?」

シンジ「いや、雨宿りだよ」

マナ「そうなんだ。確かに雨強いもんね」

146: 2013/06/14(金) 02:04:36
シンジ「二人にシャワーを貸してあげようと思うんだけど、いいかな?」

マナ「いいよ~」

マナ「あっ、でも…私、先に使っちゃった…」

シンジ「二人とも大丈夫だよね?」

トウジ「お、おう…」

ケンスケ「霧島が嫌じゃなければ俺らは大丈夫だけど…」

147: 2013/06/14(金) 02:05:08
マナ「私は大丈夫。二人とも早めにシャワー浴びて温まった方がいいよ」

マナ「シンジも風邪を引かないように早めにシャワー浴びてね」

シンジ「うん。ありがとうマナ」

マナ「どういたしまして~」

マナ「それじゃあ、私は部屋に居るね。何かあったらいつでも呼んで?」スタスタ

シンジ「うん」

トウジ「……………」

ケンスケ「………………」

148: 2013/06/14(金) 02:05:46
トウジ・ケンスケ「はぁぁぁぁぁ………」

シンジ「ど、どうしたの?」

トウジ「シンジ、お前どんだけええ思いしてるんや!!」

ケンスケ「甘い!甘すぎる!!」

シンジ「な、何がだよ!?」

トウジ「霧島と二人、毎日毎日あんな夫婦みたいな事してんかい!!」

ケンスケ「一つ屋根の下に男女が二人!いやーんな感じ!!」

シンジ「ち、ちがうよ!!マナとはそんなのじゃあ!!」

トウジ「このわしに誓えるか?」

ケンスケ「絶対にいやらしいことを霧島にしてないって誓えるのか?」

シンジ「そ…それは……」

トウジ「この裏切りもん!!」

ケンスケ「見損なったぞシンジ!!」

シンジ「いや…だって……」

149: 2013/06/14(金) 02:07:06
トウジ「だっても糞もない!!」

ケンスケ「委員長に言いつけるぞシンジ!!」

シンジ「そんなぁ…」

ミサト「……」ガラガラ

トウジ「ん?お、おおおおお…」

ケンスケ「お邪魔してます!」

ミサト「あら、2人ともいらっしゃい」

ミサト「お帰りなさい、今夜はハーモニクスのテストがあるから、遅れないようにね」

シンジ「はい」

150: 2013/06/14(金) 02:07:39
ミサト「マナちゃんは?」

シンジ「多分部屋にいると思いますよ?」

ミサト「それなら、あとでマナちゃんにも伝えておいてくれる?」

シンジ「分かりました」

ケンスケ「あぁん?わぁっ!?この度はご昇進、おめでとうございます!」 ビシッ

トウジ「お、おめでとうございます!」

ミサト「ありがとう…」

ケンスケ「いえ、どういたしまして!」 キリッ

ミサト「じゃ、行ってくるわね」

トウジ・ケンスケ「いってらっしゃ~い」

151: 2013/06/14(金) 02:08:15
シンジ「どうしたの?ミサトさんに何かあったの?」

ケンスケ「ミサトさんの襟章だよ!線が2本になってる。一尉から三佐に昇進したんだ!」

シンジ「いつのまに…」

トウジ「マジに言うとるんけぇ?情けないやっちゃなぁ」

ケンスケ「ぬぁぁ!君には人を思いやる気持ちはないのだろうか!?」

ケンスケ「あの若さで中学生二人を預かるなんて、大変なことだぞ!」

トウジ「わしらだけやなぁ、人の心持っとるのは」

152: 2013/06/14(金) 02:08:47
マヤ「0番2番、ともに汚染区域に隣接。限界です」

リツコ「1番にはまだ余裕があるわね。プラグ深度をあと0.3下げてみて」

マヤ「汚染区域ぎりぎりです」

リツコ「それでこの数値?たいした物だわ」

リツコ「これを才能というのかしら?」

オペレータ「まさに、エヴァに乗るために生まれてきたような子供ですね」

ミサト「本人が望んでいなくてもね」

ミサト「きっとあの子は嬉しくないわよ」

153: 2013/06/14(金) 02:10:01




リツコ「3人ともお疲れさま」

リツコ「シンジ君、よくやったわ」

シンジ「何がですか?」

リツコ「ハーモニクスが前回より8も伸びているわ。たいした数字よ」

マナ「凄いねシンジ!!」

シンジ「そうかな?」

リツコ「10日で8ならたいした物だわ」

マナ「そうそう!自信持とうよ!」

シンジ「はぁ…」

マナ「もう!ここは胸を張るところだよ!」

シンジ「うん」

154: 2013/06/14(金) 02:11:14




マナ「ねえねえ」

シンジ「どうしたの?」

マナ「あのさ、ミサトさんって昇級したんだよね?」

シンジ「らしいね」

マナ「それならさ、お祝いしない?」

シンジ「お祝い?」

マナ「そう!いつも私たちお世話になってるからさ、たまにはお返ししようよ」

シンジ「そうだね」

シンジ「それなら、人数はどうする?僕らだけでやる?」

マナ「う~ん…どうせなら皆を呼ぼうよ」

シンジ「わかった。それじゃあ、たくさんの料理が必要だね。僕が作ればいいよね?」

155: 2013/06/14(金) 02:11:48
マナ「私も手伝うよ!シンジ一人じゃ大変だもんね」

シンジ「ありがとう。助かるよ」

マナ「それじゃあ、買い物に行こ?」

シンジ「うん。近くのスーパーでいいかな?」

マナ「うん!!」

マナ「シンジ、手を出して」

シンジ「え?うん」スッ

マナ「エヘヘ」ギュッ

マナ「行こっか」

シンジ「うん」

156: 2013/06/14(金) 02:12:20
翌日

子ども達「おめでとうございまーす!」

ミサト「ありがとう。ありがとう、鈴原君!」

トウジ「ちゃうちゃう、言い出しっぺはこいつらですねん」

シンジ・マナ「……」 ニコッ

ミサト「ありがとう、二人とも」

シンジ・マナ「こちらこそ、いつも面倒見てくださってありがとうございます!」

ミサト「シンジくん…マナちゃん…」

ケンスケ「ユニゾンの訓練の成果が凄いな」

トウジ「せやな」ニヤッ

157: 2013/06/14(金) 02:13:22
トウジ「せやけど、なんで委員長がここにおるんや?」

マナ「私が誘ったの」

マナ・ヒカリ「ねー!」

ミサト「レイは?」

マナ「誘ったんですけれど、来ないんです…」

マナ「あと、リツコさんと加持さんも呼んだんですが…」

158: 2013/06/14(金) 02:14:08
ピンポーン

マナ「はい」ガチャ

加持「よう」

リツコ「こんばんは」

加持「本部から直なんでね。そこで一緒になったんだ」

ミサト「怪しいわね」

リツコ「あらやきもち?」

ミサト「そんなわけないでしょ!」

加持「いや、このたびはおめでとうございます。葛城三佐。これからはタメ口聞けなくなったな」

ミサト「何言ってんのよ、ばーか」

加持「しかし、司令と副司令がそろって日本を離れるなんて、前例のなかったことだ。これも、留守を任せた葛城を信頼してるって事さ」

シンジ「父さん、ここにいないんですか?」

リツコ「碇司令は今、南極に行ってるわ」

159: 2013/06/14(金) 02:15:11
南極

冬月「いかなる生命の存在も許さない、氏の世界…南極」

冬月「いや、地獄というべきかな」

ゲンドウ「だがわれわれ人類はここに立っている。生物として生きたままだ」

冬月「科学の力で護られているからな」

ゲンドウ「科学は人の力だよ」

冬月「その傲慢が15年前の悲劇、セカンドインパクトを引き起こしたのだ」

冬月「結果このありさまだ。与えられた罰にしてはあまりに大きすぎる…まさに氏海そのものだよ」

ゲンドウ「だが、原罪の汚れなき、浄化された世界だ」

冬月「俺は罪にまみれても、人が生きている世界を望むよ」

オペレータ「報告します。ネルフ本部より入電。インド洋上、空衛星軌道上に使徒発見」

160: 2013/06/14(金) 13:27:18




日向「二分前に突然現れました」

オペレータ「第6サーチ、衛星軌道上へ」

オペレータ「接触まであと2分」

青葉「目標を映像で捕捉」

職員「おおっ…」

日向「こりゃすごい!」

ミサト「常識を疑うわね」

青葉「目標と、接触します」

オペレータ「サーチスタート」

オペレータ「データ送信、開始します」

オペレータ「受信確認」

ミサト「ATフィールド?」

リツコ「新しい使い方ね」

162: 2013/06/14(金) 13:29:25
ミサト「たいした破壊力ね。さすが、ATフィールド」

マヤ「落下のエネルギーをも、利用しています。使徒そのものが爆弾みたいなものですね」

リツコ「とりあえず、初弾は太平洋に大外れ。で、2時間後の第2射がそこ。後は確実に誤差修正してるわ」

ミサト「学習してる…ってことか…」

日向「N2航空爆雷も、効果ありません」

シゲル「以後、使徒の消息は不明です」

ミサト「来るわね、多分」

リツコ「次はここに、本体ごとね」

ミサト「その時は第3芦ノ湖の誕生かしら?」

リツコ「富士五湖が一つになって、太平洋とつながるわ…本部ごとね」

163: 2013/06/14(金) 13:30:01
ミサト「碇司令は?」

青葉「使徒の放つ強力なジャミングのため、連絡不能です」

ミサト「MAGIの判断は?」

マヤ「全会一致で撤退を推奨しています」

リツコ「どうするの?今の責任者は貴女よ」

ミサト「………」

ミサト「日本政府各省に通達。ネルフ権限における特別宣言D-17。」

ミサト「半径50キロ以内の全市民は直ちに避難。松代にはMAGIのバックアップを頼んで!」

日向「ここを放棄するんですか?」

ミサト「いいえ。ただ、みんなで危ない橋を渡ることはないわ」

164: 2013/06/14(金) 13:30:40
アナウンス「政府による特別宣言D-17が発令されました。市民の皆様は速やかに指定の場所へ避難してください 」

アナウンス「第6、第7ブロックを優先に、各区長の指示に従い、速やかに移動願います 」

アナウンス「市内における避難はすべて完了」

アナウンス「部内警報Cによる、非戦闘員およびD級勤務者の待避、完了しました」

165: 2013/06/14(金) 13:31:25
リツコ「やるの?本気で?」

ミサト「ええ、そうよ」

リツコ「貴女の勝手な判断で、エヴァを3体とも棄てる気?」

リツコ「勝算は0.00001%。万に一つもないのよ?」

ミサト「ゼロではないわ。エヴァに賭けるだけよ」

ミサト「それに、リツコが言えたことじゃないわよ。第三使徒の時を覚えてるわよね?」

リツコ「葛城三佐!」

ミサト「現責任者は私です!」

ミサト「やることはやっときたいの。使徒殲滅は私の仕事です」

リツコ「仕事?笑わせるわね」

リツコ「自分のためでしょ?貴女の使徒への復讐は」

166: 2013/06/14(金) 13:32:38
マヤ「使徒による電波撹乱のため、目標喪失」

ミサト「正確な位置の測定ができないけど、ロスト直前までのデータから、MAGIが算出した落下予想地点が、これよ」

マナ「こんなに範囲が広いの?」

シンジ「端っこまで随分ありますよ?」

リツコ「目標のATフィールドをもってすれば、そのどこに落ちても本部を根こそぎ抉ることができるわ」

ミサト「ですから、エバー全機をこれら三個所に配置します」

レイ「この配置の根拠は?」

ミサト「勘よ」

シンジ・マナ「勘!?」

ミサト「そう。女の勘」

167: 2013/06/14(金) 13:33:38
マナ「手で使徒を受け止めるんですか!?」

ミサト「そう。落下予測地点にエバーを配置。ATフィールド最大で、貴方たちが直接、使徒を受け止めるのよ」

シンジ「使徒がコースを大きく外れたら…?」

ミサト「その時はアウト」

マナ「機体が衝撃に耐えられなかった時は?」

ミサト「その時もアウトね」

シンジ「勝算は?」

ミサト「神のみぞ知る…と言ったところかしら」

シンジ「成功するとしたら、それは奇跡ですね」

ミサト「奇跡ってのは、起こしてこそ初めて価値が出るものよ」

168: 2013/06/14(金) 13:34:44
マナ「つまり、何とかするってことですよね?」

ミサト「すまないけど、他に方法がないの。この作戦は」

シンジ「これが作戦…ですか…?」

ミサト「ほんと、言えないわね…だから、嫌なら辞退できるわ」

マナ・レイ・シンジ「………」

ミサト「みんな、いいのね?」

169: 2013/06/14(金) 13:35:14
ミサト「一応規則だと遺書を書くことになってるけど、どうする?」

「別にいいです。そんなつもりないので」

レイ「私もいい。必要…無いもの」

シンジ「僕もいいです」

ミサト「すまないわね。終わったらみんなにステーキ奢るから!」

マナ「ほんとですか!?」

ミサト「約束する!」

シンジ「わーい!」

マナ「忘れないで下さいね!」

ミサト「期待してて!」

170: 2013/06/14(金) 13:35:47
マナ「ミサトさん…私たちがリラックスして戦えるように…」

シンジ「うん…僕らを気遣ってくれたんだよね」

マナ「優しいね、ミサトさん…」

シンジ「そうだね」

マナ「それにしても、ステーキか~」

マナ「あっ!綾波さんも今度はいっしょに行こうね!」

レイ「私、行かない」

シンジ「どうして?」

レイ「肉、嫌いだもの」

171: 2013/06/14(金) 13:36:30




シンジ「ねえ、マナ」

マナ「なあに?」

シンジ「マナはどうしてエヴァに乗ってるの?」

マナ「シンジと出逢うまでは、みんなに乗れって言われてたから乗ってたの」

マナ「だから、私には何の目的も目標も無かった」

マナ「でもね…シンジと出逢ってからは、乗る理由が出来たよ」

シンジ「理由?」

マナ「うん…シンジと一緒に戦って、シンジを護って、そして最後にはシンジと一緒に笑い合うために乗ってる」

シンジ「!?」

マナ「私がエヴァに乗る理由はシンジだよ」

172: 2013/06/14(金) 13:37:18
シンジ「マナ…」

マナ「だからさ…シンジ」

マナ「絶対に生きて帰ろうね!」

マナ「一緒に生きて帰って一緒に笑い合うの!」

マナ「氏んじゃ駄目だからね!!」

マナ「約束だよ?」

シンジ「うん……約束だ」

173: 2013/06/14(金) 23:54:34
オペレータ「落下予測時間まで、あと120分です」

ミサト「みんなも待避して!ここは私一人でいいから」

青葉「いえ、これも仕事ですから」

日向「子供たちだけを危ない目に逢わせられないっすよ」

ミサト「あの子達は大丈夫。もしエバーが大破してもATフィールドがあの子達を護ってくれるわ。エバーの中が一番安全なのよ」

青葉「目標を最大望遠で確認!」

日向「距離、およそ2万5千!」

ミサト「おいでなすったわね…エバー全機、スタート位置!」

ミサト「目標は光学観測による弾道計算しかできないわ。よって、MAGIが距離1万までは誘導します。その後は各自の判断で行動して。あなたたちにすべて任せるわ!」

青葉「使徒接近、距離、およそ2万」

ミサト「では、作戦開始!」

シンジ「行くよ!」

レイ・マナ「…」

シンジ「スタート!」

174: 2013/06/14(金) 23:56:28
初号機「」ダダダダダダ

弐号機「」ダダダダダダ

零号機「」ダダダダダダ

シゲル「距離、1万2千!」

マナ「シンジ!」

初号機「」ダッ

シンジ「フィールド全開!」 キンッ

サハクィエル「」ググッ

シンジ「うあぁぁ!!!」

マナ「シンジ!!」

レイ「碇くん!」

175: 2013/06/14(金) 23:57:00
マナ「お願い!もう少し頑張って!!」

シンジ「うぅ…綾波………マナ!!!」

マナ「ATフィールド全開!!」

マナ「綾波さん!!」

レイ「……」スッ ビリビリ ドスッ

サハクィエル「………」ヘナヘナヘナ

サハクィエル「」チュド~ン!

176: 2013/06/14(金) 23:59:26
シンジ「ハアハア…」

マナ「やった!勝った!!」

マナ「やったよ!!シンジ!!」

シンジ「うん!勝った!!」

マナ「奇跡が起きたんだよ!!


シンジ「ううん、それは違うよ…」

シンジ「僕たちが奇跡を起こしたんだ」

マナ「そうだね…そうだよね!!」

177: 2013/06/15(土) 00:00:04
青葉「電波システム、回復。南極の碇司令から、通信が入っています」

ミサト「お繋ぎして」

青葉「はい」

ミサト「申し訳ありません。私の勝手な判断で、初号機を破損してしまいました。責任はすべて私にあります」

冬月「構わん。使徒殲滅がエヴァの使命だ。その程度の被害はむしろ幸運と言える」

ゲンドウ「ああ、よくやってくれた、葛城三佐」

ミサト「ありがとうございます」

ゲンドウ「ところで初号機のパイロットはいるか?」

シンジ「あ、はい」

ゲンドウ「話は聞いた。よくやったな、シンジ」

シンジ「え?はい…」

ゲンドウ「では葛城三佐、後の処理は任せる」

ミサト「はい」

179: 2013/06/15(土) 00:02:50




車内放送「次は~新宮ノ下~新宮ノ下~お出口、左側に変わりま~す」

マナ「今日は御馳走になります」

ミサト「はいはい、大枚おろしてきたから、フルコースだって耐えられるわよ」

ミサト(給料前だけどね…)

180: 2013/06/15(土) 00:03:20




ラーメン屋前

ミサト「貴方達、本当にラーメンでいいの?」

マナ「はい!それに綾波さんもラーメンなら付き合ってくれるって言ってたので」

レイ「私、ニンニクラーメンチャーシュー抜き」

マナ「私は醤油ラーメンをお願いします!」

店主「へい!醤油ラーメンお待ち!」

シンジ「ねぇ、ミサトさん…」

ミサト「なぁに?」

シンジ「僕がエヴァに乗る理由が分かった気がするんです」

シンジ「僕がエヴァに乗る理由は…大事な人を護りたいからだと思いました」

マナ「シンジ…」

シンジ「うん」

181: 2013/06/15(土) 00:05:20




マナ・シンジ・レイ「御馳走さまでした」

ミサト「いいのよ。それより貴方たち、ここから自分たちで帰れる?」

ミサト「私、まだ仕事が残ってるのよ」

レイ「はい…」

シンジ・マナ「分かりました」

シンジ「頑張って下さい」

ミサト「ありがと。それじゃあ、気を付けて帰りなさいよ」

シンジ・マナ・レイ「はい」

182: 2013/06/15(土) 00:05:52




マナ「あのさ、さっき言ってたことなんだけど…」

シンジ「さっき?」

マナ「シンジがエヴァに乗る理由だよ」

シンジ「ああ…」

マナ「私、嬉しかったよ」

シンジ「分かっちゃってた?」

マナ「もちろん!」ニコッ

シンジ「そう…僕もマナが理由だよ」

シンジ「さっきマナに言われて気付いたんだ」

シンジ「今僕がエヴァに乗ってるのはマナがいるからだってね」

マナ「私たち、やっぱり一緒だね!」

シンジ「うん…一緒だ…」

183: 2013/06/15(土) 20:53:02
オペレータ「エヴァ三体のアポトーシス作業は、MAGI-SYSTEMの再開後予定通り行います」

オペレータ「作業確認。450より670は省略」

日向「発令所、承認」

リツコ「さすがマヤ、早いわね」

マヤ「それはもう、先輩の直伝ですから」

リツコ「あ、待って、そこ。A8の方が早いわよ。ちょっと貸して」カタカタ

マヤ「さっすが先輩…」

ミサト「どぉ?MAGIの診察は終わった?」

リツコ「大体ね。約束通り、今日のテストには間に合わせたわよ」

ミサト「さすがリツコ。同じ物が3つもあって、大変なのに」 ズズッ

リツコ「冷めてるわよ、それ」

ミサト「ぐっ!」

184: 2013/06/15(土) 20:54:02
オペレータ「MAGI-SYSTEM、再起動後、自己診断モードに入りました」

マヤ「第127次、定期検診異常無し」

リツコ「了解。お疲れさま、みんな、テスト開始まで休んでちょうだい」

リツコ「異常無し、か…母さんは今日も元気なのに、私はただ年を取るだけなのかしらね…」

185: 2013/06/15(土) 20:54:43
マナ「また脱ぐんですか?」

リツコ「ここから先は超クリーンルームですからね。シャワーを浴びて下着を替えるだけでは済まないのよ」

マナ「どうしてオートパイロットの実験で、こんなことしなきゃいけないんですか?」

リツコ「時間はただ流れているだけじゃないわ。エヴァのテクノロジーも進歩しているのよ。新しいデータは常に必要なの」

シンジ・マナ「えぇ~!?」

チンッ

マナ「えっと…終わりましたがどこのあとどうしたらいいんですか?」

リツコ「では3人とも、この部屋を抜けてその姿のままエントリープラグに入ってちょうだい」

186: 2013/06/15(土) 20:55:38
マナ「え!?でも、他の人も映像を観て…」

リツコ「大丈夫。映像モニターは切ってあるわ。プライバシーは保護してあるから」

マナ「本当に大丈夫なんですか?」

リツコ「大丈夫よ。信頼して」

シンジ「でも、どうしてこんなテストを?」

リツコ「このテストは、プラグスーツの補助無しに、直接肉体からハーモニクスを行うのが趣旨なのよ」

ミサト「ほら3人とも、目の前の通路をそのまま歩いて来て」

マナ「はい…」

187: 2013/06/15(土) 20:56:17




オペレータ「各パイロットエントリー準備完了しました」

リツコ「テストスタート」

オペレータ「テストスタートします。オートパイロット、記憶開始」

オペレータ「シミュレーションプラグを挿入」

オペレータ「システムを、模擬体と接続します」

マヤ「シミュレーションプラグ、MAGIの制御下に入りました」

ミサト「おぉ~、早い早い!MAGI様々だわ。初実験のとき、一週間もかかったのが嘘のようね」

オペレータ「テストは約3時間で終わる予定です」

188: 2013/06/15(土) 20:57:04
リツコ「気分はどう?」

レイ「何か違うわ…」

シンジ「うん。いつもと違う気がする…」

マナ「感覚がおかしいです。右腕だけはっきりして、あとはぼやけた感じで…」

リツコ「レイ、右手を動かすイメージを描いてみて」

レイ「はい」 ググッ

オペレータ「データ収集、順調です」

リツコ「問題はないようね…MAGIを通常に戻して」

リツコ「ジレンマか…作った人間の性格が伺えるわね」

ミサト「何言ってんの?作ったのはあんたでしょう?」

リツコ「貴女…何も知らないのね」

ミサト「リツコが私みたくベラベラと自分の事話さないからでしょ!」

リツコ「…そうね…私はシステムアップしただけ。基礎理論と本体を作ったのは…母さんよ」

189: 2013/06/15(土) 20:58:05
冬月「確認しているんだな」

青葉「ええ、一応」

青葉「3日前に搬入されたパーツです。ここですね、変質しているのは」

冬月「第87蛋白壁か」

青葉「拡大するとシミのようなものがあります。何でしょう、これ」

日向「浸蝕だろ?温度と伝導率が若干変化しています。無菌室の劣化はよくあるんです、最近」

青葉「工期が60日近く圧縮されてますから。また気泡が混ざっていたんでしょう。ずさんですよ、B棟の工事は」

冬月「そこは、使徒が現れてからの工事だからな…」

日向「無理ないっすよ、みんな疲れてますからね」

冬月「明日までに処理しておけ。碇がうるさいからな」

日向「了解」

190: 2013/06/15(土) 20:58:54
リツコ「また水漏れ?」

マヤ「いえ、浸蝕だそうです。この上の蛋白壁」

リツコ「参ったわね…テストに支障は?」

マヤ「今のところは何も」

リツコ「では続けて。このテストはおいそれと中断するわけにいかないわ。碇司令もうるさいし」

マヤ「了解」

マヤ「シンクロ位置、正常」

オペレータ「シミュレーションプラグを模擬体経由でエヴァ本体と接続します」

オペレータ「エヴァ零号機、コンタクト確認」

オペレータ「ATフィールド、出力2ヨクトで発生します」

191: 2013/06/15(土) 20:59:48
ブーブーブー

リツコ「どうしたの!?」

オペレータ「シグマユニットAフロアに汚染警報発令!」

オペレータ「第87蛋白壁が劣化、発熱しています」

オペレータ「第6パイプにも異常発生」

マヤ「蛋白壁の浸蝕部が増殖しています。爆発的スピードです!」

リツコ「実験中止!!第6パイプを緊急閉鎖!」

マヤ「はい!」

オペレータ「60、38、39、閉鎖されました!」

オペレータ「6の42に浸蝕発生!」

マヤ「だめです!浸蝕は壁伝いに進行しています!」

リツコ「ポリソーム、用意!」

リツコ「レーザー、出力最大!侵入と同時に、発射!」

マヤ「浸蝕部、6の58に到達、来ます!」

192: 2013/06/15(土) 21:08:08
一同「…」

レイ「きゃあっ!」

リツコ「レイ!?」

マヤ「レイの模擬体が、動いています!」

リツコ「まさか!?」

マヤ「浸蝕部、さらに拡大、模擬体の下垂システムを侵しています!」

ミサト「レイは!?」

マヤ「無事です!」

リツコ「全プラグを緊急射出!レーザー急いで!」

イロウル「」キンッ

ミサト「ATフィールド!?」

リツコ「まさか!」

ミサト「何、これ…?」

リツコ「分析パターン…青…間違いなく、使徒よ」

193: 2013/06/15(土) 21:08:59
冬月「使徒?使徒の侵入を許したのか!?」

リツコ「申し訳ありません」

冬月「言い訳はいい。セントラルドグマを物理閉鎖、シグマユニットと隔離しろ!」

青葉「セントラルドグマを物理閉鎖、シグマユニットと隔離します」

ミサト「ボックスは破棄します!総員待避!」

リツコ「………」

ミサト「何してるの!早く!」グイッ

アナウンス「シグマユニットをBフロアより隔離します。全隔壁を閉鎖、該当地区は総員待避」

194: 2013/06/15(土) 21:10:23
アナウンス「シグマユニット以下のセントラルドグマは、60秒後に完全閉鎖されます。真空ポンプ作動まで、後30秒です」

イロウル「」

加持「あれが使徒か…仕事どころじゃなくなったな…」

加持「よっ!」スタッ

加持「そういや、あいつらは…」

加持「よし」スタスタ

196: 2013/06/15(土) 21:13:03
ジオフロント

シンジ「こ…ここは…」ガチャ

シンジ「ジオフロント…あっ!?」

シンジ「マナ!!」バシャバシャ

シンジ「マナ!!大丈夫!?マナ!!」ドンドン

マナ「シンジ…?」

シンジ「そうだよ。僕だよ」

シンジ「怪我はない?」

マナ「うん。大丈夫」

シンジ「よかった…」

シンジ「とりあえずここから出て本部に戻った方がいいよね?」

マナ「うん。でも…服が……」

シンジ「そうだよね…男の僕ならまだしも流石に女の子が裸で外にいるのは…」

マナ「うん…あっ…」

197: 2013/06/15(土) 21:14:07
シンジ「どうしたの?」

マナ「一つ考えが浮かんだんだけど…」

シンジ「考え?」

マナ「うん…あのね…」

マナ「私がシンジの後ろに密着していれば一応…」

シンジ「へっ!?」

マナ「やっぱり無理だよね…?」

シンジ「う…でも、マナを一人でここに残して行くわけにもいかないし………」

シンジ「分かった…それでいこう」

マナ「いいの?」

シンジ「……まあね」

199: 2013/06/15(土) 21:17:25
ガチャン

シンジ「えっ!?」

マナ「わっ!ここ地底湖の中だったんだ!!」

シンジ「マナ!!何も言わないで開けたら…」

マナ「別にいいもん。温泉の時にシンジには全部見せちゃったしね!」

シンジ「いや、そういう問題じゃ…」

マナ「照れてる!可愛い!!」

シンジ「そ、そんなことないよ!」

マナ「ほら~早く行こうよぉ~」ギュー ムニュッ

シンジ「!!?」

シンジ「わ、分かったからあんまり押し付けないで!!」

マナ「こうしないと見えちゃうもん」

シンジ「うぅ……」

マナ「それじゃあ、綾波さんを迎えにいこう!」ギュー

シンジ「うぁ……はい…」

200: 2013/06/17(月) 02:57:08
シンジ「綾波~」コンコン

レイ「碇くん?」

シンジ「うん、そうだよ!僕らはネルフ本部に行くから、綾波も一緒に来て」

レイ「分かった」

レイ「………」ガチャン

シンジ「綾波!!?」

レイ「どうしたの?早く行きましょう」

シンジ「いや、なんで突然出てくるのさ!!」

レイ「急ぐんでしょう?」

シンジ「いや、でも!!」

シンジ「綾波は裸見られても何にも思わないの!?」

レイ「どうして?」

シンジ「………」

シンジ「ハァ…行こうか………」

201: 2013/06/17(月) 02:57:53
バシャバシャ

シンジ「やっと岸についた…」

マナ「シンジ、よろしくね」ギュー

シンジ「っ…分かった」ザバッ

レイ「…」ザバッ

シンジ「………」テクテク

マナ「あっ!だれか向こうにいるよ!!」

シンジ「あれは…加持さん?」

加持「よお、シンジくん。なかなか凄いことになってるな」

シンジ「こ、これは…」バッ

加持「ハハッ、分かってるよ。マナを身体張って隠してたんだろ?」

加持「これはなかなか男らしいぞ、シンジくん」

シンジ「そ、そんなことよりも…」

加持「ほら、着替えだ」バサッ

202: 2013/06/17(月) 02:59:20
シンジ「どうして!?」

加持「こんなことだろうと思ってシンジくん達のために服を拝借してきたんだよ」

加持「まあ職員用だが、それは勘弁してくれ」

シンジ「助かりました」

加持「気にするな。そんなことより、俺は向こうにいるから早いところ着替えてこっちに来るんだ」スタスタ

シンジ「はい」

マナ「ありがとうございます」

シンジ「早く着替えちゃおう」

マナ「そうだね」

レイ「ええ」

203: 2013/06/17(月) 03:01:05




リツコ「マヤ!そっちは頼んだわよ」

マヤ「はい!」

加持「お~い、葛城~。シンジくん達連れて来たぞ~」

ミサト「加持!?どうして」

加持「俺は非常事態は暇だからな、ちょいと君達に協力しただけさ」

ミサト「じゃあ、シンジくんは地上に出て初号機に乗り込んで」

ミサト「そして弐号機と零号機だけど、どちらかは本部に残ってもらいます」

マナ「どうする?」

ミサト「実はね、マナちゃん本部に残る方が危険なのよ」

ミサト「もしもの際に生き残れるかは分からないわよ?」

マナ「えっ………」

マナ「………」

レイ「私が乗るわ」

204: 2013/06/17(月) 03:01:41
マナ「でも、そしたら綾波さんが!!」

レイ「碇くんは貴女が必要。だから私が乗る」

マナ「でも、氏んじゃうかもしれないんだよ!?」

レイ「私が氏んでも代わりはいるもの…」

マナ「綾波さん……」

ミサト「マナちゃん、弐号機に乗って地上に出なさい」

マナ「ミサトさん!!」

ミサト「それにね、マナちゃん。まだ私達が負けるとは決まってないわ」

ミサト「私達も全力を注ぎ込むわ。だから私達を信じて待ってて」

マナ「………はい…」グスッ

ミサト「泣かないの。ほら、早く行きなさい」

マナ「………っ!!」ダッ

ミサト「大丈夫、絶対に負けない…」

205: 2013/06/17(月) 03:05:31




日向「きたっ!」

日向「バルタザールが、乗っ取られました!」

MAGI「人工知能により、自律自爆が決議されました」

ミサト「始まったの!?」

MAGI「自爆装置は、三者一致の後、02秒で行われます」

MAGI「自爆範囲は、ジオイド深度マイナス280、マイナス140、ゼロフロアーです」

MAGI「特例582発令下のため、人工知能以外によるキャンセルはできません」

青葉「バルタザール、さらにカスパーに侵入!」

冬月「押されてるぞ!」

青葉「なんて速度だ!」

MAGI「自爆装置作動まで、あと20秒」

206: 2013/06/17(月) 03:07:03
冬月「いかん!」

青葉「カスパー、18秒後に乗っ取られます!」

MAGI「自爆装置作動まで、あと15秒」

ミサト「リツコ、急いで!」

MAGI「自爆装置作動まで、10秒」



青葉・日向「いゃったぁーっ!!」

MAGI「なお、特例582も解除されました。MAGIシステム、通常モードに戻ります」

207: 2013/06/17(月) 03:07:33
リツコ「大丈夫、一秒近く余裕があるわ」

MAGI「9秒、8秒」

ミサト「一秒って…」

リツコ「ゼロやマイナスじゃないのよ」

MAGI「7秒、6秒、5秒」

リツコ「マヤ!」

マヤ「行けます!」

MAGI「4秒、3秒」

リツコ「押して!」 ポチッ

マヤ「!」ポチッ

MAGI「2秒、1秒、0秒」

MAGI「人工知能により、自律自爆が解除されました」

208: 2013/06/17(月) 03:08:25
アナウンス「R警報解除、R警報解除、総員、第一種警戒態勢に移行してください」

マナ「勝った…の!?」

シンジ「勝ったんだ!!」

マナ「よかった………」

シンジ「後で綾波にお礼しないとだね」

マナ「うん。私達のために命をかけてくれたんだもんね…」

シンジ「でもさ、一つだけ怒らないと」

マナ「うん」

シンジ「綾波は綾波で代わりはいないんだってね」

マナ「私にとってもシンジにとっても綾波さんは大事な大事な友達だってこともね!」

209: 2013/06/17(月) 03:09:26




アナウンス「シグマユニット開放、MAGIシステム開放まで、マイナス、03です」

リツコ「もう年かしらね…徹夜がこたえるわ」

ミサト「また約束守ってくれたわね。お疲れさん」コトッ

リツコ「ありがとう」 ズズッ

リツコ「ミサトが入れてくれたコーヒーを、こんなに美味いと思ったのは始めてだわ」

ミサト「う…ふ…ふん…」

リツコ「氏ぬ前の晩、母さんが言ってたわ。MAGIは三人の自分なんだって」

リツコ「科学者としての自分、母としての自分、女としての自分。その3人がせめぎ合ってるのが、MAGIなのよ」

リツコ「人の持つジレンマをわざと残したのね」

210: 2013/06/17(月) 03:10:17
リツコ「実はプログラムを微妙に変えてあるのよ」

リツコ「私は母親にはなれそうも無いから、母としての母さんは分からないわ」

リツコ「だけど、科学者としてのあの人は尊敬もしていた」

リツコ「でもね、女としては憎んでさえいたの」

ミサト「今日はお喋りじゃない…」

リツコ「たまにはね…」

リツコ「カスパーにはね、女としてのパターンがインプットされていたの…」

リツコ「最後まで女でいることを守ったのね…ほんと……母さんらしいわ」

211: 2013/06/17(月) 03:11:19




シンジ「綾波!」

マナ「綾波さん!」

レイ「碇くん?」

シンジ・マナ「一番危ない役目を受け持ってくれてありがとう」

レイ「ええ」

シンジ「でもね、綾波…一つ…いや、二つ言わないといけない事があるんだ」

レイ「何?」

シンジ「あのさ…綾波は、綾波だ。決して綾波の代わりはいないんだよ。だからあんな事を言わないで」

レイ「………」

212: 2013/06/17(月) 03:17:03
マナ「そしてね…」

マナ「私達にとって、綾波さんは大事な大事な友達なの」

レイ「友達……」

マナ「うん!そうだよ、友達なんだよ!!」

マナ「だからね、綾波さんが氏んじゃったら私達は凄く悲しいし、そんなのは絶対に嫌!」

マナ「私達は綾波が自分から氏にに行くような事をしないで欲しいの」

マナ「お願い!私達と約束して!そんなことはしないって…」

レイ「………」

シンジ「お願いだよ、綾波!」

レイ「分かった…」

シンジ・マナ「ありがとう!!」

レイ「ええ…」

レイ「心がポカポカする…どうして?」

シンジ「それはね…」

シンジ・マナ「嬉しいからだと思うよ!」

213: 2013/06/17(月) 18:12:22
数日後

マヤ「ネクローシス作業、終了」

オペレータ「可逆グラフ、測定完了」

オペレータ「3機とも、シンクロ維持に問題なし」

リツコ「明日何着てく?」

ミサト「あぁ、結婚式ね。ピンクのスーツはキヨミのとき着たし、紺のドレスはコトコのとき着たばっかだし…」


リツコ「三人とも、あがっていいわよ」

リツコ「お疲れさま」

214: 2013/06/17(月) 18:12:57
リツコ「オレンジのは?最近着てないじゃない」

ミサト「あれね…あれはちょっち訳ありで…」

リツコ「きついの?」

ミサト「…そうよ!あぁ…帰りに新調すっか…」

ミサト「ふぁ~あ、出費がかさむなぁ」

リツコ「こう立て続けだと、ご祝儀もバカにならないしねぇ」

ミサト「ケッ!三十路前だからって、どいつもこいつも焦りやがって」

リツコ「お互い最後の一人にはなりたくないわねぇ」

215: 2013/06/17(月) 18:14:00
マナ「シンジ~私、ちょっと着替えて来るから待っててね」

シンジ「いっておいで」

シンジ「………」

レイ「………」

シンジ「ねえ、綾波」

レイ「何?」

シンジ「明日、父さんに会わなきゃならないんだ…」

シンジ「何話せばいいと思う?」

レイ「どうして私にそんな事聞くの?」

シンジ「いつか、綾波が父さんと楽しそうに話ているのを見たから…」

216: 2013/06/17(月) 18:14:33
シンジ「ねぇ、父さんって、どんな人?」

レイ「分からない」

シンジ「…そう」

レイ「それが聞きたくて昼間から私のほうを見てたの?」

シンジ「うん…あ、掃除のときさ、今日の…雑巾絞ってただろ?あれって、何か、お母さん、って感じがした」

レイ「お母さん?」

シンジ「うん。何か、お母さんの絞り方、って感じがする。案外、綾波って主婦とかが似合ってたりして…あは、は…」

レイ「何を言うのよ…」

217: 2013/06/17(月) 18:15:15
葛城宅

マナ「シンジさ、今日一日元気なかったね?」

シンジ「そうかな…そうかも」

マナ「やっぱり明日のお墓参りのせい?」

シンジ「うん…」

マナ「原因はお父さん?」

シンジ「うん…」

マナ「別にお墓参りに行くのが嫌ってわけでも、お父さんが嫌いっていうわけではないんだよね?」

シンジ「そうなんだけど…父さんに会うのが怖いんだ…」

マナ「そうなんだ…」

シンジ「………」

マナ「ならさ…」

218: 2013/06/17(月) 18:15:48
マナ「いっそ、お墓参りに行かなきゃいいんじゃない?」

シンジ「えっ!?」

マナ「正確に言えば、お父さんとお墓参りに行くのはやめておけばってことだけどね!」

シンジ「でも…そんなことしたら……」

マナ「シンジが無理してお墓参りに言っても、シンジのお母さんは嬉しくないと思うよ?」

シンジ「あっ………」

マナ「なんなら、私と一緒に行く?」

シンジ「いいの?」

マナ「当たり前じゃない!シンジと一緒なんだから!」

シンジ「そうだね…じゃあ、お願いしようかな?」

マナ「うん!」

219: 2013/06/17(月) 18:16:47
翌日

式場

スピーチ「三つの袋と言うものを心に…」

司会者「では、しばしご歓談のほどを」

ミサト「フーッ!」

リツコ「来ないわね、リョウちゃん」

ミサト「あのバカが時間通りに来た事なんて、一遍もないわよ!」

リツコ「デートのときは、でしょ?仕事は違ってたわよ」

加持「いやー、お二人とも!今日は一段とお美しい!時間までに仕事抜けられなくてさ」

ミサト「いつもプラプラ暇そうにしてるくせに。どうでもいいけど何とかならないの?その無精ひげ。ほら、ネクタイ曲がってる!」 ゴソゴソ

加持「お、お、お…これは、どうも…」

リツコ「夫婦みたいよ、あなたたち」

加持「いいこと言うねぇ、リッちゃん!」

ミサト「誰がこんなやつと!!」

220: 2013/06/17(月) 18:17:32
霊園

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「…………」

ゲンドウ「なぜ来ない…シンジ…」

221: 2013/06/17(月) 19:19:02
ゲンドウ「今日はユイの命日だから来いと伝えたはずだ……」

ゲンドウ「なぜ…」

ゲンドウ「レイ、シンジはどうした」

レイ「知りません」

ゲンドウ「レイ、なぜシンジは来ないんだ」

レイ「知りません」

ゲンドウ「………」

ゲンドウ「帰るぞ、レイ」

レイ「はい」

222: 2013/06/17(月) 23:38:48
数時間後

シンジ「ここだ…」

マナ「ここがシンジのお母さんの…」

シンジ「うん…お墓だよ」

シンジ「父さん…来てたんだ」

シンジ「悪いことしちゃったな…」

マナ「ううん、昨日も言ったけど、シンジのお母さんはシンジが笑ってる方が嬉しいと思う」

マナ「だからしょうがないよ」

シンジ「うん…そうだね」ニコッ

223: 2013/06/17(月) 23:40:26
マナ「シンジ、お線香ある?」

シンジ「うん」スッ パラパラ

マナ「あとは…お花だね」スッ パサッ

マナ「……………」

シンジ「……………」

マナ「……………」

シンジ「行こっか?マナ」

マナ「うん!」

シンジ「また…来年、マナと一緒に来るよ…母さん」

224: 2013/06/19(水) 02:17:15
葛城宅

シンジ「………」~♪

マナ「へ~、シンジってチェロ弾けたんだ?」

シンジ「5歳の時に始めてこの程度だけどね」

マナ「ううん、凄く上手いじゃない」

マナ「ねえ、ペンペン」

ペンペン「クァァァ」

マナ「アハハハハ」ナデナデ

ペンペン「クワァァ」

シンジ「でも、そんなに難しくないんだよ」

マナ「うっそ~!凄く難しそうに見えるよ?」

シンジ「音を出すぐらいなら初心者でもすぐにできるさ」

マナ「そうなの?」

225: 2013/06/19(水) 02:17:55
シンジ「うん。なんならマナもやってみる?」

マナ「いいの!?」

シンジ「もちろん。ほら、こっちにおいで」

マナ「始めてだから少し緊張するな~」

シンジ「すぐに慣れるよ」

シンジ「ほら、弓をこうやって持って」

マナ「こう?」

シンジ「そうそう。そしてその弓をこっちに引いてみて」

マナ「音が出ないよ?」

シンジ「弦に弓を擦り付ける強さを色々と試してごらん?」

マナ「こうかな?」

シンジ「もう少し強く」

マナ「これくらいかな?」キー

マナ「出た!!」

シンジ「いい感じだよマナ!あとは身体全体で弓を動かすイメージで」

226: 2013/06/19(水) 02:19:05
マナ「身体全体で…」ブォォォォ

マナ「あっ!!」

シンジ「よし!そのまま頑張って!!」





マナ「本当に簡単に音は出るんだね!!」

シンジ「でしょ?綺麗な音を出したいならもっと練習が必要だけどね」

シンジ「どうだった?楽しかったかな?」

マナ「うん!!」

マナ「また教えてねシンジ!」

シンジ「僕でいいなら」

マナ「シンジとだからいいの!」

シンジ「そっか」

227: 2013/06/19(水) 02:19:54
ミサト「今更何言ってんだか…ちょっち、お手洗い」 スッ

加持「とか言って、逃げんなよ」

ミサト「ベー!」

加持「ヒールか…何年ぶりかな…3人で飲むなんて」

リツコ「ミサト、飲みすぎじゃない?なんだかはしゃいでるけど」


加持「浮かれる自分を抑えようとして、また飲んでる。今日は逆か」

リツコ「やっぱり一緒に暮らしてた人の言葉は重みが違うわね」

加持「暮らしてたっていっても、葛城がヒールとか履く前の事だからなぁ」

リツコ「学生時代には想像できなかったわよねぇ」

加持「俺もガキだったし、あれは暮らしって言うより共同生活だな。ままごとだよ。現実は甘くないさ」

228: 2013/06/19(水) 02:20:35
加持「そうだ、これ、ネコの土産」

リツコ「あらありがとう。マメねぇ」

加持「女性にはね。仕事はズボラさ」

リツコ「どうだか。ミサトには?」

加持「一度敗戦してる。負ける戦はしない主義だ」

リツコ「勝算はあると思うけど?」

加持「リッちゃんは?」

リツコ「自分の話はしない主義なの。面白くないもの」

加持「遅いなぁ、葛城。化粧でも直してんのか?」

リツコ「京都、何しに行ってきたの?」

加持「あれ?松代だよ、その土産」

リツコ「とぼけてもムダ。あまり深追いすると、火傷するわよ。これは友人としての忠告」

加持「真摯に聞いとくよ。どうせ火傷するなら、君との火遊びでね」

229: 2013/06/19(水) 02:22:17
加持「真摯に聞いとくよ。どうせ火傷するなら、君との火遊びでね」

ミサト「花火でも買ってきましょうか?」

加持「あー、おかえり」

ミサト「変わんないわね、そのお軽いとこ」

加持「いやぁ、変わってるさ。生きるって事は、変わる、って事さ」

リツコ「ホメオスタシスとトランジスタシスね」

ミサト「何それ?」

リツコ「今を維持しようとする力と変えようとする力。その矛盾する二つの性質を一緒に共有しているのが、生き物なのよ」

加持「男と女だな」

リツコ「そろそろお暇するわ。仕事も残ってるし」

ミサト「そぉ?」

リツコ「うん」

加持「残念だな」

リツコ「じゃあね」

ミサト「うん…」

230: 2013/06/19(水) 02:23:26
加持「いい年して、戻すなよ」

ミサト「悪かったわね、いい年で…」

加持「年はお互い様か…」

ミサト「そーよー…」

加持「葛城がヒール履いてるんだもんなぁ。時の流れを感じるよ」

ミサト「無精ひげ、剃んなさいよ」

加持「へいへい」

231: 2013/06/19(水) 02:24:56
>>162 シゲル→青葉

232: 2013/06/19(水) 02:25:27
ミサト「あとは歩く…ありがと…」

加持「ん」

ミサト「加持君、私変わったかな?」

加持「きれいになった」

ミサト「ごめんね、あの時、一方的に別れ話して。他に好きな人ができたって言ったのは、あれ、嘘。ばれてた?」

加持「…」

ミサト「気付いたのよ、加持君が、私の父に似てるって」

ミサト「自分が、男に、父親の姿を求めてたって、それに気付いたとき、恐かった。どうしょもなく、恐かった」

ミサト「加持君と一緒にいる事も、自分が女だと言う事も、何もかもが恐かったわ」

233: 2013/06/19(水) 02:26:09
ミサト「父を憎んでいた私が、父によく似た人を好きになる。すべてを吹っ切るつもりでネルフを選んだけれど、でも、それも父のいた組織」

ミサト「結局、使徒に復讐する事でみんな誤魔化してきたんだわ」

加持「葛城が自分で選んだ事だ。俺に謝る事はないよ」

ミサト「違うのよ!選んだわけじゃないの。ただ、逃げてただけ…父親と言う呪縛から逃げ出しただけ!」

ミサト「シンジ君と同じだわ!臆病者なのよ…ごめんね、ほんと。酒の勢いでいまさらこんな話」

加持「もういい」

ミサト「子供なのね。シンジ君に、何も言う資格ない」

加持「もういい!」

ミサト「その上こうして都合のいいときだけ男にすがろうとする、ずるい女なのよ!」

ミサト「あの時だって、加持君を利用してただけかもしれない!嫌になるわ!」

加持「もういい!やめろ!」

ミサト「自分に、絶望するわよ!」

加持「…」バッ

ミサト「ん………」レロッ

234: 2013/06/19(水) 02:28:12
葛城宅

マナ「ねえシンジ~」

シンジ「どうしたの?」

マナ「ミサトさんは?」

シンジ「遅くなるってさ。加持さんが一緒だから大丈夫だと思うけど」

マナ「へ~」

マナ「じゃあ、今夜は二人きりだ?」

シンジ「そうだけど…どうしたの?」

235: 2013/06/19(水) 02:28:43
マナ「さあね~」クスクス

シンジ「ん?何かおかしいの?」

マナ「そうじゃないよ~」

シンジ「じゃあ、なんなのさ」

マナ「あのさ、今日は私とシンジ二人きりだよね」

シンジ「うん?」

マナ「ってことはさ…」

マナ「夜私達が何をしててもミサトさんにはバレないんだよ?」

236: 2013/06/19(水) 02:29:17
シンジ「何を………あっ!?」

マナ「分かった?」クスリ

シンジ「いや、でも…」アタフタ

マナ「どうしたの?」ニコッ

シンジ「その……あの…まだ…僕達にそういうのは早いんじゃ…」

マナ「私とは嫌なの?」

シンジ「そ、そんなこと無いよ!!」

シンジ「ただ、まだ早いと思うんだ!!」

シンジ「確かに、そういうのも興味はあるけど……でも、これは違うと思うんだ!」

シンジ「それに、僕はマナを大事にしたいから…」

マナ「私のことを大事にしてくれるの?」

シンジ「当たり前じゃないか!」

マナ「私嬉しいよ、シンジ」

237: 2013/06/19(水) 02:30:01
マナ「ねえシンジ、こっち向いて」

シンジ「ん?」

マナ「……」バッ チュッ

シンジ「……………」

マナ「……………」

シンジ「……………」

マナ「……………」スッ

マナ「これくらいは…いいよね?」

シンジ「うん…」

マナ「始めてだったんだよ…キスするの…」

シンジ「よかったの?」

マナ「当たり前じゃない…私はシンジが大好きなんだから」

シンジ「マナ………」

238: 2013/06/19(水) 02:30:41
マナ「私、お風呂入って来るね」

シンジ「どうぞ」

マナ「一緒に入る?」

シンジ「入らないよ!」

マナ「残念」クスリ

マナ「じゃあ、待っててねシンジ」

シンジ「うん。ごゆっくり」

マナ「は~い」ガチャン

239: 2013/06/19(水) 02:31:39




コンコン

シンジ「どうぞ」

マナ「入るよ~」ガチャ

マナ「久しぶりに一緒に寝ない?」

シンジ「いいよ」

マナ「おじゃましまーす」モゾモゾ

マナ「ふう…シンジの隣って落ち着くな…」

シンジ「そう?」

マナ「うん。シンジの匂いもすし、温もりも感じるんだもん」

シンジ「僕も、マナの匂いを感じると安心するよ」

マナ「私の匂いってどんな感じ?」

シンジ「う~ん……どこか甘い感じがほんわかとするかな?」

マナ「そうなんだ」

240: 2013/06/19(水) 02:32:16
マナ「ふぁぁぁぁ…」

マナ「眠くなってきちゃった…」

シンジ「それじゃあ寝よっか?」

マナ「うん…」

シンジ「おやすみ、マナ」

マナ「シンジ…」ギュッ

シンジ「……」ギュッ




241: 2013/06/19(水) 02:33:48
翌日

セントラルドグマ

加持「……」

??「」チャキッ

加持「やー、二日酔いの調子はどうだ?」

ミサト「おかげでやっとさめたわ」

加持「そりゃよかった」

ミサト「これがあなたの本当の仕事?それともアルバイトかしら?」

加持「どっちかな?」

ミサト「特務機関ネルフ特殊監査部所属加持リョウジ。同時に、日本政府内務省調査部所属、加持リョウジでもあるわけね」

加持「バレバレか」

242: 2013/06/19(水) 02:34:20
ミサト「ネルフを甘く見ないで」

加持「碇司令の命令か?」

ミサト「私の独断よ。これ以上バイトを続けると、氏ぬわ」

加持「碇司令は俺を利用してる。まだいけるさ。だけど葛城に隠し事をしてたのは、謝るよ」

ミサト「昨日のお礼に、チャラにするわ」

加持「ただ、司令やリッちゃんも、君に隠し事をしている」

加持「それが、これさ!」 ウィーーン

243: 2013/06/19(水) 02:34:50
ミサト「これは…」

ミサト「エヴァ!?…いえ、まさか…」

加持「セカンドインパクトからその全ての要であり、始まりでもある…アダムだ」

ミサト「アダム!?あの第一使徒がここに!!?」

ミサト「確かに、ネルフは私が考えているほど、甘くないわね…」

244: 2013/06/20(木) 01:42:32
数日後

ミサト「いただきます」ズズッ

ミサト「あれ?シンちゃん、おだし変わった?」

シンジ「ええ、カツオだし。リツコさんのお土産」

ミサト「へぇ~こっちも美味しいわね」

シンジ「そうですね」

245: 2013/06/20(木) 01:43:10
ミサト「こっちの煮魚は?」

シンジ「それはマナが作ったんですよ」

マナ「ね~!」

ミサト「うん、こっちも凄く美味しいわよ」

マナ「ありがとうございます!」

ミサト「ほんと、家事をしてくれる子が二人も居てくれて助かるわ」

マナ「シンジに比べたら、私はたいしたことないですよ~」

シンジ「そんなことないよ。マナも色々やってくれてるじゃないか」

シンジ「僕はマナの料理とか凄く美味しいと思うよ?」

マナ「ほんと!?」

246: 2013/06/20(木) 07:43:59
シンジ「うん。マナの味付けって絶妙だから真似出来ないんだ」

マナ「私はまだまだだよ」

マナ「言ってくれればもっとシンジ好みの味付けにするからね!」

マナ「シンジのためなら私頑張る!」

ミサト「あらあら、あなた達すっかり新婚夫婦ね」

シンジ「へっ!?」

マナ「そう見えますか?」

ミサト「ええ。もう結婚しちゃいなさいよ」ケラケラ

マナ「はい!」

247: 2013/06/20(木) 07:44:39
マナ「結婚式の時はちゃんとミサトさんのこと呼びますからね」

ミサト「ありがと。でもその話はまだ早いわね」

マナ「そうですね。でもこうしていつもシンジと一緒に居られるんでいいんです!」ギュッ

シンジ「ま、マナ~ ミサトさんが見ている前でそんなこと…」

マナ「大丈夫だよ!私達ミサトさん公認だもん!」

シンジ「いや、恥ずかしいよ…」

ミサト「あら、私の事は気にしなくていいわよ」

248: 2013/06/20(木) 07:47:16
ミサト「でも、私もうかうかして居られないわ…流石にあなた達に先を越されるのはね…」

ミサト「あと4年以内になんとか…」

マナ「そういえば、加持さんとよりを戻したんですよね?どうなんですか?」

ミサト「いや、あいつとは…」

プルルルルル ガチャ

加持「よぉ、葛城。酒の旨い店見つけたんだ。今晩どう?じゃ」

ミサト「…………」

マナ「今日の晩御飯はいらないんですね?」

ミサト「ええ………」

マナ「じゃあ、私達も今日は外で食べようか?」

シンジ「そうだね」

マナ「やったぁ!!」

249: 2013/06/20(木) 07:48:04




オペレータ「西区の住民避難、後5分かかります」

オペレータ「目標は微速で進行中。毎時2.5キロ」

ミサト「」スタッ

リツコ「遅いわよ」

ミサト「ごめん、どうなってんの?富士の電波観測所は?」

シゲル「探知してません、直上にいきなり現れました」

マコト「パターンオレンジ、ATフィールド反応無し!」

ミサト「どういうこと?」

リツコ「新種の使徒?」

マヤ「MAGIは判断を保留しています」

ミサト「も~、こんな時に碇司令はいないのよね~」

250: 2013/06/20(木) 07:49:03
ミサト「みんな聞こえる?目標のデータは送った通り。今はそれだけしか分からないわ」

ミサト「慎重に接近して反応を伺い、可能であれば市街地上空外への誘導も行う」

ミサト「先行する一機を残りが援護。よろしい?」

マナ「はい!」

シンジ「それじゃあ、誰が先行する?」

マナ「私が行くよ!」

シンジ「でも、危ないよ。僕が…」

マナ「大丈夫!気をつけるから!」

レイ「分かった。では、私と碇くんはバックアップに回るわ」

シンジ「うん…気をつけてね、マナ」

マナ「は~い」

251: 2013/06/20(木) 07:51:05
マナ「シンジ、綾波さん。そっちの配置はどう?」

シンジ「もう少し待ってくれるかな?」

レイ「私もあと少しで着くわ」

レリエル「」

マナ「オッケー」

マナ「あっ!?そっちは駄目!!シンジ下がって!!」

シンジ「えっ!?」

マナ「使徒がそっちに!!駄目ぇ!」バンバン

252: 2013/06/20(木) 07:51:38
レリエル「」パッ

マナ「消えた!?」

レリエル「」ズズズズズズ

マナ「えっ!?何これ!!?いやあ!!」ヌプッ

シンジ「マナ!!」

マナ「シンジ!!!いやぁ!!」

シンジ「掴まって、マナ!!!」グイッ

マナ「シンジ!!!!」

シンジ「ウォォォォォ!!!」ズブッ

253: 2013/06/20(木) 07:52:24
ミサト「ナイスシンジくん!!」

マナ「ありがとシンジ…」クルッ

マナ「シン…ジ?」

シンジ「よかった…マナが助かって…」

初号機「」グラッ ヌプヌプヌプ

マナ「シンジ!!!」

レイ「碇くん!」

ミサト「シンジくん!!!」

ミサト「一体何が!?」

マヤ「弐号機を救出した直後に足を踏み外しています…」

マヤ「それで足場から落下しました…」

254: 2013/06/20(木) 07:53:29
マナ「嘘でしょ!?シンジ!!ねえシンジ!!!」

マナ「お願い!!答えてよ!!シンジ!!!」グスッ

マナ「私のせいだ……私があんなミスをしなきゃ!」ポロポロ

マナ「今私もそっちに行くから!!!」

レイ「駄目!!」ガシッ

マナ「離して綾波さん!!シンジがあの中にいるの!!」

レイ「貴女があの中に入っても碇くんを助けられるかは分からないわ」

レイ「それに、碇くんは貴女がそんなことをしても喜ばないと思う」

マナ「う…ぅぅ……」ジワッ

マナ「うわぁぁぁぁん!!シンジィ~~~!!!!!」

レイ「……………碇くん……」

255: 2013/06/20(木) 07:54:24




マヤ「葛城三佐、辛いでしょうね」

リツコ「アンビリカルケーブルを引き上げてみたら、先はなくなっていたそうよ」

マヤ「それじゃあ…」

リツコ「内臓電源に残された量はわずかだけど、シンジ君が闇雲にエヴァを動かさず、生命維持モードで耐える事ができれば、16時間は生きていられるわ」

マヤ「………」

256: 2013/06/20(木) 22:55:25
オペレータ「第二戦車小隊、配置完了」

オペレータ「了解、現在位置のまま待機」

オペレータ「サブレーザー、回線開きます。情報送る」

オペレータ「確認、C回線に発信」

青葉「国連軍の包囲、完了しました」

ミサト「影は?」

日向「動いてません。直径600mを超えたところで停止したままです。でも、地上部隊なんて役に立つんですか?」

ミサト「プレッシャーかけてるつもりなのよ、私たちに」

257: 2013/06/20(木) 22:56:29




ミサト「じゃああの影の部分が使徒の本体なわけ?」

リツコ「そう、直径680メートル、厚さ約3ナノメートルのね。その極薄の空間を、内向きATフィールドで支え、内部はディラックの海と呼ばれる虚数空間」

リツコ「多分、別の宇宙につながっているんじゃないかしら?」

ミサト「あの球体は?」

リツコ「本体の虚数回路が閉じれば消えてしまう。上空の物体こそ、影に過ぎないわ」

ミサト「初号機を取り込んだ、黒い影が目標か…」

258: 2013/06/20(木) 22:58:52
リツコ「作戦の説明をするわ。エヴァの強制サルベージをします」

ミサト「エヴァの強制サルベージ?」

リツコ「現在、可能と思われる、唯一の方法よ」

リツコ「992個、現存する全てのN2爆雷を、中心部に投下」

リツコ「タイミングを合わせて残存するエヴァ2体のATフィールドを使い、使徒の虚数回路に1000分の1秒だけ干渉するわ。」
リツコ「その瞬間に、爆発エネルギーを集中させて、使徒を形成するディラックの海ごと破壊する」

ミサト「でもそれじゃあエヴァの
機体が…シンジ君がどうなるか…救出作戦とは言えないわ」

リツコ「作戦は初号機の機体回収を最優先とします。たとえボディーが大破しても構わないわ」

ミサト「ちょっと待って!」

リツコ「この際、パイロットの生氏は問いません」

259: 2013/06/20(木) 23:00:19
マナ「!?」

マナ「それ、どういうことですか!?」

リツコ「今言った通りよ。機体の回収を最優先。パイロットの生氏は二の次よ」

マナ「そんなことしたらシンジが!」

リツコ「ええ、間違いなく氏ぬわ」

リツコ「でも、仕方ないのよ」

マナ「嫌です!私、この作戦には参加しません!」

ミサト「マナちゃん!」

マナ「シンジが助かる作戦じゃない限り私はエヴァに乗りません!!」

リツコ「なら、何か代案があるの?」

マナ「それは…」

リツコ「無いのね?」

マナ「………」

260: 2013/06/20(木) 23:01:09
リツコ「なら、作戦に参加して下さい」

マナ「それは!」

リツコ「このままだと、生きているシンジ君はおろか、遺体すらも回収出来ないわよ?」

リツコ「それでいいのかしら?」

マナ「う…うぅっ……」ジワッ

リツコ「納得してくれたようね。では、作戦の準備に移って下さい」

マナ「………は…い……」

マナ「………………」

マナ「……シンジ…」

マナ「ごめんね……だけど…絶対に一人では行かせないから……」

261: 2013/06/20(木) 23:02:03
ディラックの海

シンジ「ここは…」

シンジ?「………」

シンジ「君は?」

シンジ?「碇シンジ」

シンジ「それは僕だ!」

シンジ?「僕は君だ。」

シンジ?「どうして君がここにいるのか分かってるかい?」

シンジ「それは…僕が使徒に呑み込まれたから?」

シンジ?「そう。そして、もう二度とここから出ることは出来ない」

シンジ「嘘でしょ!?嫌だよ!!そんなのあんまりだよ!!」

シンジ「僕はマナと約束したんだ!絶対に氏なないって!」

シンジ「なのに…そんな……」

シンジ?「じゃあ、君がここに来ることになった理由を思い出してごらん?」

262: 2013/06/20(木) 23:03:03
シンジ「それは…マナを助けるために…」

シンジ?「そう、マナを助けるために君はここに来たんだ」

シンジ?「もしもマナがあんなミスを犯さなければ、または助けなければ君がこんなところに来ることはなかった…」

シンジ?「憎くならないの?霧島マナが」

シンジ「そんなことはないよ」

シンジ?「あんなに急激に接近して来ておかしいと思わなかった?」

シンジ「そんなことない!!」

シンジ「僕はマナを信じてる!!」

シンジ「それに、マナを助けたのも僕がそうしたかったからなんだ!!」

シンジ「もしもあの時にああしなかったらマナが氏んでたかもしれない!」

シンジ「マナがいない世界で生きるなんて無理なんだよ!」

シンジ?「………」

263: 2013/06/20(木) 23:04:01




シンジ「………」パチッ

シンジ「保温も、酸素の循環も切れてる…寒い…だめだ、スーツも限界だ…ここまでか…もう、疲れた…何もかも…」

シンジ「…もう一度……マナと…逢いたかった……な………」

シンジ「………マナ…」

264: 2013/06/20(木) 23:05:59
青葉「エヴァ両機、作戦位置」

マヤ「ATフィールド、発生準備よし」

リツコ「了解」

日向「爆雷投下、60秒前」

レリエル「」パッ

ミサト「状況は?」

日向「分かりません!」

マヤ「全てのメーターは、振り切られています!」

リツコ「まだ何もしていないのに!」

ミサト「まさか、シンジ君が!」

リツコ「ありえないわ!初号機のエネルギーは、ゼロなのよ!」

レリエル「」

初号機「ヴォヴ」ビリビリ

オペレータ「おおっ!」

マナ「シンジ!!!」

265: 2013/06/20(木) 23:06:56
マナ「シンジ…シンジ!シンジ!!!」

シンジ「…」パチッ

マナ「シンジ、大丈夫!?シンジ!」

シンジ「…ただ逢いたかったんだ、もう一度…」

マナ「シンジィ~!!!」ギュッ

マナ「ごめんね!!ごめんね!!私のせいでこんな!!!」

シンジ「いいんだよ…マナ」ポンポン

シンジ「マナが無事でいてくれればいいんだ…」

マナ「うっ…ヒッグ……シンジ…シンジィ~!!!」

シンジ「………」ポンポン

266: 2013/06/20(木) 23:13:41




病室

レイ「今日は寝ていて。後は私たちで処理するわ」

シンジ「うん…でも、もう大丈夫だよ」

レイ「そう、よかったわね」

マナ「また後で来るからね」

シンジ「うん。待ってるよ」

マナ「それじゃ、行ってくるね~」

シンジ「行ってらっしゃい」

シンジ「………」

シンジ「よかった…この幸せが壊れないで…」

267: 2013/06/21(金) 10:27:53
数日後

マナ「昨日のロボット騒ぎってなんだったんだろう。夜なのに凄かったよね」

シンジ「うん。ほんと何だったんだろう?」

マナ「怪我人とかも出たらしいね…酷いよね…沢山の人がいるのに、暴れ回るなんて…」

シンジ「そうだね…」

シンジ「でも、何で僕らに出撃命令が出なかったんだろう…」

マナ「そうだよね。それが変なんだよね…」

シンジ「綾波は何か聞いてる?」

レイ「いえ…何も聞いてないわ」

シンジ「そうか…綾波も知らないか…」

277: 2013/06/22(土) 15:37:05




学校

ヒカリ「起立!礼!着席!」

老教師「え~…本日より転校生がこのクラスに入ります」

老教師「では、入って来なさい」ガラッ

マナ「惣流・アスカ・ラングレーです。よろしくお願いします」ニコッ

男子「おおっ!」

女子「キレ~イ!!」

シンジ「転校生か。あの子もネルフの関係者とかかな?」

マナ「どうだろ?そんな話はなかったよね?」

老教師「惣流さんの席は…」

老教師「碇君の横の席へ座って下さい」

アスカ「碇…シンジ君ね?」

シンジ「うん…そうだけど……」

268: 2013/06/21(金) 10:28:58
アスカ「へ~、これが噂のエヴァンゲリオン初号機の専属パイロットか」

アスカ「これからよろしく」

シンジ「え?あ、うん…」

アスカ「ハッキリしない子ね~もっとシャキッとしなさいよ!シャキッとさ!」

シンジ「ご、ごめん…」

アスカ「まあいいわ。それでさ、シンジ」

シンジ「へっ!?」

アスカ「別にいいでしょ、名前で呼ぶくらいさ」

シンジ「いや、でも…」

アスカ「私のこともアスカでいいからさ。ほら、呼んでごらんなさいよ」

シンジ「それは…」

アスカ「あー、もー!いいわよ!そこまで無理しなくたって」

アスカ「気が向いたらそうやって呼んでくれればいいわ」

269: 2013/06/21(金) 10:29:40
アスカ「それよりも、さっきの続きだけど…」

アスカ「私、今日からこの学校だから教科書持ってないのよ」

シンジ「あ、それは大変だね…」

アスカ「大変だね…じゃないわよ!あんたのを貸しなさいよ!」

シンジ「ええっ!?」

アスカ「ほら、早く!!」バッ

シンジ「あっ!?」

マナ「シンジ、私の隣においでよ。一緒に見よ?」

シンジ「ありがと、助かるよマナ」

マナ「こんなこと気にしないの!」

270: 2013/06/21(金) 10:30:50




シンジ「マナ、これお昼ご飯だよ」コトッ

マナ「わー!ありがと~」

マナ「じゃあ、一緒に食べよ?」

シンジ「いいよ。一緒に食べ……」

アスカ「シンジ!」

シンジ「どうしたの?惣流さん…」

アスカ「………まあいいわ…」

アスカ「屋上の場所を教えてくれない?」

シンジ「屋上なら廊下を…」

アスカ「一緒に来るのよ」グイッ

シンジ「いや、でもお弁当を食べてないし…」

アスカ「そんなの屋上で食べればいい話じゃない」

シンジ「マナと一緒に食べたいんだけど…」

271: 2013/06/21(金) 10:36:30
アスカ「へ~、女のお願いも無下に蹴るんだ?こちとら、初めての学校で分からないことだらけだってのに」

シンジ「それなら、他の人も沢山いると思うよ?」

アスカ「私はあんたに言ってるの!」

シンジ「でも…」

マナ「いいよ、シンジ。今日は惣流さんと一緒に行ってあげて」

シンジ「いいの?」

マナ「うん!大丈夫だから安心して!」

シンジ「うん…」

アスカ「ほら、早く行くわよ!」

シンジ「分かったよ…」スタスタ

マナ「………………」

ヒカリ「マナちゃん、一緒に食べよ?」

マナ「うん…ありがと、ヒカリちゃん……」

ヒカリ「大丈夫、碇くんはマナちゃんを裏切ったりしないよ」

マナ「うん!」

272: 2013/06/22(土) 01:02:05
屋上

アスカ「へぇ~なかなかの風景ね」

シンジ「そうだね。僕もここから見る風景は好きだよ」

シンジ「そういえば、どうして惣流さんは第三新東京市に来たの?」

アスカ「それは…」

アスカ「そう、パパとママが転勤でこっちに来たからよ!」

シンジ「ということは、ネルフの関係者?」

アスカ「違うわ。そんなのじゃない」

シンジ「じゃあ、何で…」

アスカ「私の話はどうでもいいでしょう!」

273: 2013/06/22(土) 01:02:47
アスカ「ほら、これあげるわよ」

シンジ「これは?」

アスカ「見て分からないの?ネックレスよ!」

シンジ「いや、それは分かるけど、どうして惣流さんが?」

アスカ「それは…お礼よ。ここまで連れて来てくれたお礼」

シンジ「別にそんな気を使わなくたって…」

アスカ「ぐちゃぐちゃ言わないでいいから貰いなさいよ!」

シンジ「わ、分かったよ」

アスカ「よし」

アスカ「ほら、早く戻るわよ馬鹿シンジ」スタスタ

シンジ「一体なんなんだよ…もう…」

274: 2013/06/22(土) 01:03:32
放課後

シンジ「ねえ、マナ」

マナ「どうしたの?」

シンジ「さっき屋上でこんなの貰ったんだ」

マナ「ネックレス?」

シンジ「うん…惣流さんに突然渡されたんだ」

マナ「どうして私に?」

シンジ「マナに隠し事をするのは嫌だからね」

マナ「ふふ」ニコッ

マナ「私はシンジのことを信じてるからいいの」

275: 2013/06/22(土) 01:05:59
シンジ「今日はごめんね」

マナ「しょうがないよ。惣流さんに頼まれちゃったんだからね」

マナ「シンジは優しいから、お願いを断れないでしょ?」

シンジ「まあ…うん」

マナ「そのかわり!」

シンジ「?」

マナ「明日は一緒にご飯食べようね!」

シンジ「そうだね。明日は必ず一緒だよ」

シンジ「約束だ」

マナ「うん!」ギュッ

シンジ「それじゃあ、帰ろう」

278: 2013/06/22(土) 21:29:05
翌日

アスカ「グーテンモーゲーン、シンジ」

シンジ「ぐ、グーテンモルゲーン?」

アスカ「おはようってことよ。朝から辛気臭い顔してんわね」

シンジ「別にそんなこと…」

アスカ「ほら、それよそれ!すぐ言葉尻を濁す!それが辛気臭いのよ!」

シンジ「そんなこと言ったって…」

アスカ「はっきりしない男はモテないわよ?」

シンジ「別にそれはいいんだけど…」

アスカ「はあ?あんたバカぁ?そんなの嘘に決まってるじゃない!」

アスカ「どうせ男ってのは、色んな女からイチャイチャされたいってだけの生き物じゃない!」

シンジ「いや、本当にそんなことないんだけど…」

279: 2013/06/22(土) 21:29:43
アスカ「嘘ね」

シンジ「本当だって!僕はマナと一緒にいれれば、それだけでいいんだ」

クラスメート「ヒューヒュー」

トウジ「よく言ったで、センセ!」

マナ「シンジ…」

アスカ「……ふ、フン!そんな強がっちゃって無駄よ!」

アスカ「口では綺麗なことを言ったって、男は基本ケダモノなんだから」

マナ「シンジはそんなのじゃないです!」

アスカ「へ~。じゃあそう言えるだけの根拠がもちろんあるのよね?」

マナ「根拠は私です!」

アスカ「………どういうこと?」

280: 2013/06/22(土) 21:30:50
マナ「私は一度もシンジに酷いことをされたことない。これって立派な根拠になると思いませんか?」

アスカ「そんなの、いつも一緒にいるわけじゃないんだから根拠なんて言えるわけないじゃない」

マナ「同じ家でずっと一緒に暮らしているとしてもですか?」

アスカ「はっ!?どういうことよ、それ!!」

マナ「言った通り、そのままの意味ですよ」

マナ「私とシンジは同じ家で朝から晩まで一緒にいます。それでもシンジは一度も私に乱暴したことないんです」

クラスメート「おお!」

レイ「………チェリー……」

マナ「それでもシンジに対してケダモノなんて言えますか?」

アスカ「……そんなの……あんたを油断させるために……」

281: 2013/06/22(土) 21:32:06
マナ「シンジはそんなのじゃない!!!!」

アスカ「!?」

マナ「いつでも私のことを気遣ってくれて、しかも私が氏の危険に面した時は自分の命すらも投げ捨ててくれた!」

マナ「それに人が傷付くようなことは絶対に言わないし、絶対にやらない」

マナ「それが碇シンジっていう人間なんです!」

マナ「なのに…こんな言われよう……酷いよ!!」ポロポロ

282: 2013/06/22(土) 21:32:52
アスカ「でも……」

マナ「でも、何ですか?これ以上シンジを侮辱するんなら、私は絶対に貴女を赦さない!」

アスカ「……………」

アスカ「悪かったわよ……本当にそんなことは思ってないわ」

アスカ「悪かったわね、シンジ」

シンジ「別に僕はいいよ…それよりもマナはいいの?」

マナ「シンジがいいなら…」

シンジ「じゃあ、この話はこれで終わりだ。いいよね、惣流さん?」

アスカ「え、ええ…」

シンジ「よし。ほら、マナ泣くのはやめて」

マナ「うん……」

283: 2013/06/22(土) 21:33:27
女子A「すごいね、マナちゃん」

女子B「あんなに碇君のことを想ってるなんて尊敬しちゃうよ」

女子C「それにしても、碇君ってそんなにカッコいいんだ?普段はそこまでピンと来ないから意外だったよ」

マユミ「私、妬けちゃうな」

女子A「碇君とはどこまでいったの?A?B?それともまさか…C!?」

マナ「えっ!?えっと…」

女子C「Cは無いわよ。さっき言ってたでしょ?」

女子A「そっか~じゃあBってところかな?」

女子C「そんな感じじゃないかな?」

女子B「マナちゃんと碇君って、もう愛し合ってますって感じだよね」

女子A「分かる~!!」

284: 2013/06/22(土) 21:34:49




シンジ「今日は大変だったね」

マナ「うん…あの後色々言われたよ」

シンジ「ご苦労様。僕も男子から色々聞かれたよ…」

マナ「一応公認とはいえ、あんな大々的に言っちゃったから…」

シンジ「まあね」

シンジ「でも、嬉しかったよ」

マナ「あの後大変だったのに?」

シンジ「うん。それでもすごく嬉しかった」

シンジ「まあ、ちょっと恥ずかしかったけどね」

マナ「私も恥ずかしかったからお互い様」クスクス

285: 2013/06/22(土) 21:35:50
マナ「それにしても惣流さんはどうしてあんな…」

シンジ「分からない。だけど、悪意は感じないんだ…」

マナ「でも、いくらなんでもあれは酷いよ!」

シンジ「まあね。でも、絶対彼女は悪い人じゃない。それは分かるよ」

マナ「………うん…」

マナ「でもね、シンジ」

マナ「私は、惣流が何かを隠してるようか気がするの…」

シンジ「何か?」

マナ「それはよく分からない…だけど、何かを隠してる…」

シンジ「そうか…」

シンジ「分かったよマナ」

286: 2013/06/22(土) 21:37:33
シンジ「でも、この話はここでおしまい」

マナ「暗い話は嫌だもんね?」

シンジ「そういうこと」

シンジ「もう少しでミサトさんも帰ってくるから、御飯の仕度をしなくちゃ」

マナ「じゃあ、私がメインを作るよ」

シンジ「お願い。僕はそれ以外をやっておくよ」

マナ「よろしく!」

287: 2013/06/22(土) 21:49:42




ミサト「ただいま~」

マナ「お帰りなさい」

シンジ「ミサトさん、ビールです」

ミサト「ありがと~」

マナ「もう御飯出来るのでもう少し待ってて下さいね」

ミサト「今日はマナちゃんの料理なのね」

マナ「シンジも作ってくれましたよ」

シンジ「まあ。でも、マナがメインですよ」

ミサト「いいわね!二人の御飯って美味しいから助かるわ~」

ミサト「でも、最近体重が…」

288: 2013/06/22(土) 21:56:14
シンジ「なら、ビールやめますか?」

シンジ「マナは同じメニューでスタイルをキープしてますよ」

マナ「ちょっと、シンジ!!」

ミサト「ビールだけはダメよ!」

ミサト「でも、マナちゃんはホント細いわね~ 羨ましいわ」

マナ「そんなことないですよ」

ミサト「謙遜のし過ぎは嫌味になっちゃうわよ~」

マナ「本当にそんなんじゃないですって!」

シンジ「僕はいいと思うけど」

ミサト「あら、シンちゃんまでそう言ってるわよ」

マナ「シンジぃ~!」ポカポカ

シンジ「うわ!痛い!痛いってマナ」ニコニコ

マナ「だめ!赦さない!!」ニコニコ

ミサト「ほんと、仲がいいわね~」

289: 2013/06/24(月) 02:20:58
翌日

学校

トウジ「飯や飯!ほなケンスケ、購買行くで」

ケンスケ「はいはい」

シンジ「惣流さん、お昼御飯は?」

アスカ「ないわよ」

シンジ「そんなの身体に良くないよ」

アスカ「別にいいでしょ。そんなの」

シンジ「そんなことないって」

アスカ「ああもう!渡しは料理作れないのよ!悪い!?」

シンジ「ご両親は作ってくれないの?」

アスカ「それは………忙しいから…」

シンジ「そうなんだ……」

シンジ「なら、僕が作ってあげようか?」

アスカ「なんであんたが!?それにわざわざそんな面倒くさいことを?」

290: 2013/06/24(月) 02:21:37
シンジ「別に3つ作るのも4つ作るのもそこまで変わらないよ」

アスカ「でも…」

シンジ「遠慮しなくていいよ。僕もやりたくてやるわけだしね」

アスカ「それなら…お願いするわ」

シンジ「うん」

アスカ「あ、あと!」

シンジ「?」

アスカ「出来たら…お肉入れてくれる?」

シンジ「分かったよ」ニコッ

291: 2013/06/24(月) 02:22:30




シンジ「というわけなんだ」

マナ「そうなんだ~」

シンジ「マナは嫌だった?」

マナ「ううん、そんなことないよ」

マナ「それに、シンジが決めたことだもん。私が否定するわけないじゃない」

シンジ「うん。ありがと」

マナ「それじゃ、明日は何にするの?私も手伝うよ」

シンジ「お肉が食べたいんだってさ」

マナ「それなら、ハンバーグとかかな?」

シンジ「そうだね。それがいいかも」

マナ「なら、今日の晩御飯の買い物と一緒に買っとこ?」

シンジ「うん」

292: 2013/06/24(月) 02:23:08
翌日

シンジ「はい、これ」

アスカ「あ、ありがと…」

アスカ「」パクッ

アスカ「!?」

シンジ「どうかな?」

アスカ「ま、まあまあね」

アスカ「」ガツガツ

シンジ「フフッ…」

アスカ「何よ!?」

シンジ「いや、なんでもないよ」

アスカ「ふん!」ガツガツ

293: 2013/06/24(月) 22:35:26
数日後

日向「戦自が司令部と直接の確認中」

青葉「放射線と有害物質の確認を至急確認願います」

マヤ「甲は自らの重量で岩を踏み崩し、バランスを失い花崗岩に激突」

ミサト「謎の移動物体は新型の人型兵器だと思われます」

ミサト「高速で移動中に崖を踏み崩し、そのまま岩盤に激突した模様です」

冬月「生存者はいるのか?」

ミサト「胴体の中央に人の入れるハッチのようなものがありますが」

冬月「許可はとってある。ハッチの中を調べてくれないか?」

ミサト「はい、そうします」

294: 2013/06/24(月) 22:36:53
ゲンドウ「くだらん、あんなものに付き合っている暇は無いはずだ」

冬月「無視する訳にはいかないだろう?すぐ終わるさ」

ゲンドウ「シンジ」

ゲンドウ「シンジはいるか?」

シンジ「はい」

ゲンドウ「待機の必要は無くなった。実験棟の方に行き、テストの続きをしろ」

シンジ「でも、ミサトさん…いや、葛城三佐の指示を聞かないと」

ゲンドウ「命令だ」

シンジ「………はい」

295: 2013/06/24(月) 22:37:41
マナ「シンジ!!」

シンジ「どうしたの?マナ」

マナ「今日謎のロボットが発見されたんだけどね、そのパイロットが収容されたの!」

シンジ「パイロット?」

マナ「私達と同じくらいの男の子。戦略自衛隊病院に収容されたの」

シンジ「戦略自衛隊病院?ネルフの中央病院じゃなくて?」

マナ「うん。どうしてだろう…何か変だよね?」

シンジ「分からない。だけど行ってみよう!」

マナ「そうね」

296: 2013/06/24(月) 22:38:21
戦略自衛隊病院 ICU

シンジ「彼が例のロボットのパイロット?」

マナ「多分…」

アスカ「そんなわけないじゃない」

シンジ「惣流さん?」

アスカ「そこで寝てるのは私達の友達よ」

シンジ・マナ「友達?」

シンジ「どうしてここに?」

アスカ「何よ!友達のお見舞いに来ちゃ悪い?」

シンジ「そんなことないけど…」

シンジ「でも、彼はロボットのパイロットだって…」

アスカ「そんなわけないって言ったじゃない!」

297: 2013/06/24(月) 22:39:33
シンジ「でも…」

マナ「ねえ、惣流さん」

アスカ「何よ」

マナ「…………」

アスカ「何かあるなら黙ってないで早く言いなさいよ!」

マナ「……もしかしたら、彼がパイロットだってこと前から知ってたんじゃないですか?」

アスカ「!?」

アスカ「それは………そんなことあるわけないじゃない…」

マナ「ちゃんと私を見て行って下さい!」

マナ「本当に……絶対にそう言い切れますか…?」

アスカ「………………」

アスカ「ええ」

298: 2013/06/24(月) 22:41:40
マナ「……………」

マナ「分かりました…」

マナ「惣流さんのこと信じます」

マナ「でも…もしシンジを傷付けるようなことをしたら私、絶対に惣流さんのこと許しません」

アスカ「……………」

マナ「絶対にシンジを傷付けるようなことはしないで…」

アスカ「……………」

マナ「………………」

シンジ「帰ろう、マナ」

マナ「うん………」

シンジ「時間取っちゃってごめんね、惣流さん。また明日学校で」

アスカ「………………」

299: 2013/06/24(月) 22:45:42
マナ「ねえ、シンジ」

シンジ「何?」

マナ「私ね、惣流さんのことを嫌いってわけじゃないんだ…」

マナ「多分、普通に話してれば仲良くなれると思う」

マナ「でもね……どうしても今の惣流さんは信じることが出来ないの。本当は人の事は疑いたくないのに…どうしても出来ないの…」

マナ「だってさっきも惣流さん…私の目を全く見てなかった……ずっと逸らしてるんだもん…」

マナ「辛そうな顔をして………」ポロポロ

シンジ「マナ……」

300: 2013/06/24(月) 22:46:12
マナ「多分ね………ううん、間違いなく惣流さんは戦自に関係ある。恐らく……スパイ………」

マナ「もう…私……一体どうしたらいいか……分からない………」

マナ「もうこれ以上惣流さんを疑いたくない………だけど、シンジが危険な目にのはもっと嫌!」

シンジ「そんなにマナだけが背負う必要はないよ」

マナ「シンジ…」

シンジ「僕も背負うよ。マナと僕は一蓮托生だ」

マナ「シンジ……」グスッ

シンジ「ごめんね、マナ。マナだけに辛い思いをさせちゃって」

マナ「ううん…そんなことない。シンジのためならこんなの何てことないよ…」

301: 2013/06/24(月) 22:57:23




シンジ「落ち着いた?」

マナ「うん…」

シンジ「惣流さんのことだけど、僕に任せて貰える?」

マナ「どうするの?」

シンジ「今まで通り接すればいいと思うんだ」

シンジ「もし、何か事が動いても僕達が後悔しない様に挑めばいい」

シンジ「そして、出来る限り惣流さんを助ける」

シンジ「これでどうかな?」

マナ「私はシンジと一蓮托生なんだよ?反対する筈がないじゃない」

シンジ「そうだね」ニコッ

302: 2013/06/25(火) 23:41:43
翌日

シンジ・マナ「おはよう、惣流さん」

アスカ「えっ!?」

アスカ「な、何よ二人揃ってあいさつなんて。気持ち悪いわね」

シンジ「別に狙ってやってるわけじゃないよ。前にシンクロの訓練受けたからしょうがないんだ」

マナ「ね~」

アスカ「シンクロの訓練?もっと詳しく教えなさいよ」

シンジ「使徒と戦うためにマナと一緒の家で生活をして訓練をしたんだよ」

マナ「今一緒に住んでるのはその流れでなんだ」

アスカ「へ~、パイロットって大変なのね」

アスカ「そういえば、エヴァってどうやって操縦してるのよ?大変じゃないの?」

シンジ「流石にそれは教えられないよ。機密事項だからさ」

アスカ「そう…それならしょうがないわね」

303: 2013/06/25(火) 23:43:51
ヒカリ「ほら、皆座って!」

シンジ「ホームルームだってさ。席に戻ろう」

アスカ「そうね」

ヒカリ「起立!礼!着席」

老教師「では、ホームルームを始めます…」

老教師「私が子供のころ………」





老教師「おっと…そろそろ一時間目が始まりますね。ではホームルームを終わります」

マナ「今日の一、二時間目ってなんだっけ?」

シンジ「調理実習だよ」

マナ「えっ!?」

マナ「どうしよう……私…エプロンとか持ってきてない…」

304: 2013/06/25(火) 23:44:22
シンジ「そんなことがあろうかと…」ゴソゴソ

シンジ「はい、これ。マナのエプロンだよ」

マナ「ありがと~」

シンジ「今日はうっかりさんだったね」

マナ「からかっちゃやだよ」ニコッ

シンジ「ごめんごめん」

シンジ「ほら、時間がないよ。急ごう」

マナ「ほんとだ!」

305: 2013/06/25(火) 23:45:42
先生「今日は里芋の煮転がしとほうれん草のソテー、目玉焼きです。各班それぞれで作って食べて下さい」





シンジ「よっと…」

シンジ「マナ」

マナ「はい、これでしょ?」

シンジ「ありがと。あ、これ使うよね?」

マナ「ありがと~」

トウジ「なんなんや…こいつら…」

ケンスケ「まるで熟年の夫婦だ…」

ヒカリ「マナちゃんと碇君すごい…」

306: 2013/06/25(火) 23:47:33
アスカ「へ~、やっぱりあんた達上手いのね」

シンジ・マナ「そんなことないよ」

シンジ「マナの方が」

マナ「シンジの方が」

シンジ・マナ「上手いからね」

アスカ「あんた達…一人ずつ話してくれない?聞いてるこっちの方が頭痛いわ」

シンジ・マナ「でも…」

アスカ「だから!同じタイミングで喋るな!!」

307: 2013/06/25(火) 23:48:41
シンジ「惣流さんはどうしたの?うちの班じゃないよね?」

アスカ「私は…」

トウジ「あまりにも料理が下手過ぎて戦力外通告されたんや」ニヤニヤ

ケンスケ「まあ、そういうことだよ」

アスカ「違っ……!!」

ヒカリ「あんた達も変わらないでしょ!鈴原!!」

トウジ「うわっ!鬼が来おった!」

ヒカリ「誰が鬼よ!?」

トウジ「かんにん!堪忍や!!」

ヒカリ「だめ!今日っていう今日は絶対に許さないから!」

トウジ「逃げるで、ケンスケ!」

ケンスケ「別に俺は…うわっ!」

ヒカリ「コラッ!待ちなさい!!」

トウジ「待てって言われて待つアホがおるか!!」

308: 2013/06/25(火) 23:49:35
シンジ「トウジは相変わらずだな」

マナ「でも、ヒカリちゃんもどこか楽しそうだね」

シンジ「ほんとだ」

マナ「もしかして…」

シンジ「もしかして?」

マナ「ううん、まだ確証が無いから言うのはやめとく」

シンジ「そう?」

309: 2013/06/25(火) 23:50:59




マナ「出来た!!」

シンジ「皆、出来たよ」

マユミ「ごめんね、碇君。完全に負んぶに抱っこで」

シンジ「別にいいさ。じゃあ山岸さんは皆を連れてきてくれるかな?」

マユミ「ええ」

マナ「私達の班が一番だったみたいだね」

シンジ「他の班は…」

トウジ「なんやねん!!!これ!!」

310: 2013/06/25(火) 23:52:41
ヒカリ「ご、ごめんね…私が火元から離れたせいで…」

ケンスケ「これは…真っ黒な何かだよな…」

ヒカリ「ごめんね…本当にごめんなさい」

アスカ「まあ、食べてみれば美味しかったり…」パクッ

アスカ「……………」モグモグ

アスカ「……………」

ヒカリ「あ、アスカさん?」

アスカ「ちょっと…お手洗いに……行ってくるわね…」ダッ

ケンスケ「い、碇。お前のところってどんな感じに出来たんだ?」

311: 2013/06/25(火) 23:53:11
ヒカリ「…………」グスッ

トウジ「………」パクッ

ヒカリ「鈴原!?」

トウジ「……」ゴクン

トウジ「普通にいけるやないか。食わないんちゅうならワシが食べるで」

ヒカリ「無理しなくていいよ、鈴原。それ、凄く不味いでしょ?」

トウジ「そないなことないわ。食わんならそれ貰うで」パクリ

ヒカリ「鈴原…」

312: 2013/06/26(水) 00:00:05
シンジ「トウジ…」

マナ「ほんとは鈴原くんって優しいんだね」

シンジ「うん、トウジは凄く優しい人間だよ。妹さん想いだしね」

マナ「鈴原くんなら、ヒカリちゃんも大丈夫だよね…」

シンジ「えっ?何か言った?」

マナ「ううん、な~んでもない!」

シンジ「さっきからどうしたの?何か変だよ?」

マナ「シンジはもう少し待っててね。絶対に教えるからさ」

シンジ「う、うん…」

マユミ「マナちゃん、皆連れてきたよ」

マナ「ありがと、マユミちゃん。じゃあ食べよっか?」

班員「いただきます!」

313: 2013/06/27(木) 01:26:09
数日後

アスカ「っつ!!」ガタン

シンジ「あ、おはよう惣流さん。どうしたの?そんな慌てて」

アスカ「いないのよ!」

シンジ「いない?」

アスカ「ケイタが病院にいないのよ!」

シンジ「えっ!?」

アスカ「シンジ達はケイタがネルフが引き取られたとか、そういう話は聞いてないの?」

シンジ「僕は全く。マナは?」

マナ「私も」

シンジ「とりあえずいってみよう!」

マナ「そうだね!」

314: 2013/06/27(木) 01:26:44
戦略自衛隊病院

アスカ「ほら、見なさいよ」

マナ「ほんとだ…」

シンジ「別の部屋に移動したのかもよ?」

アスカ「そんなわけないわよ!私は全部の部屋を捜したのよ!」

シンジ「それなら…」

アスカ「引き戻されたのかも…」

シンジ「誰に?」

アスカ「奴らに…」

マナ「シンジ!!危ない!!!」

黒服「」ブワッ

シンジ「くそ!!」ドン

シンジ「二人とも逃げるよ!!」

315: 2013/06/27(木) 01:27:40




黒服A「くそっ!どこに行った!!」

黒服B「くまなく捜せ!!必ず見つけ出すぞ!」ガッシャン

看護師「キャーキャー」

シンジ「出て行ったらまずい…」

マナ「………」プルプル

シンジ「とりあえず僕はネルフに、マナは警察に連絡」

マナ「うん…」

シンジ「ミサトさんですか?はい、僕です。僕たちの見張りの方々を戦略自衛隊病院に突入させて下さい」

シンジ「はい…はい……そうです。不信者が暴れています」

シンジ「このままだと僕らの命も危ないんです」

シンジ「はい、お願いします。僕たちは期を見て逃げ出します」

シンジ「僕らの見張りの方が救出に来てくれるって。マナは?」

マナ「あと数分で警察が来るよ」

316: 2013/06/27(木) 01:28:45
マナ「でも、シンジはよく平然としていられるね。私なんか膝が笑っちゃってるよ…」

シンジ「平気なように見えるかな?」

マナ「うん。凄く頼りになるよ」

シンジ「実はさ、僕も凄く怖いんだ。ほら、触ってごらん」

マナ「あ…」

シンジ「心臓がバクバクなってるでしょ?」

マナ「でも、全然そうは見えなかった…」

シンジ「ここでもしも僕が取り乱したらマナや惣流さんが心配になっちゃったでしょ?」

シンジ「だから無理してでもたんだ…」

マナ「シンジ…強いね…」

シンジ「僕は弱いよ。ただ逃げるだけで何も出来なかった」

マナ「ううん。そんなことない…」

マナ「だって……」

317: 2013/06/27(木) 01:29:16
黒服A「いたぞ!」ガチャ

アスカ「!!?」

マナ「いやぁ!シンジ!!」

シンジ「くっ…」バッ

黒服A「悪く思うなよ」

マナ「ダメ!!シンジ!!!」

ズドン

続く
シンジ「君だけは護ってみせる!!」【後編】

引用元: シンジ「君だけは護ってみせる!!」