1: 2013/02/26(火) 22:23:55.01

女「あ、やっと起きた」

ロボ「…ここは、どこですか」

女「ゴミ捨て場」

ロボ「あなたはだれですか」

女「んー…一応、君の同類ってことでいいのかな」

ロボ「了解。あなたをマスターとして登録しました」ガガガガガ


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2: 2013/02/26(火) 22:26:20.29

女「あはは。壊れたコーヒーメーカーみたいな音だね」

ロボ「マスター。私は何をすればよろしいでしょうか」

女「マスターじゃないよ。私はスイッチを押しただけだから」

ロボ「スイッチ?」

女「君の起動スイッチ。こう人差し指でぽーんと」ツン

ロボ「それでもあなたは私のマスターとして登録されました。命令を頂けないでしょうか」

女「命令ねぇ、そうだなぁ…あ、コーヒー飲みたいかな。絞り出してよ」

3: 2013/02/26(火) 22:27:07.71

ロボ「……私はコーヒーメーカーではありません」

女「あはは!高性能なんだね君。ちゃんと冗談も分かるんだ!」

ロボ「コーヒーでしたら私が買ってきましょうか」

女「いやいいよ。コーヒー飲めないし」

ロボ「……そうですか」

女「それにしても、君はなんというか…他と違って機械らしくないね」

ロボ「私のボディは金属ですよ?」

女「ちがうちがう。中身の話だよ」

ロボ「私の中身も金属です」

女「あー…頭が固いのかな?」

ロボ「まぁ金属ですから」

4: 2013/02/26(火) 22:27:56.77

女「錆びつかないようにちゃんとコミュニケーション取らないとね」

ロボ「私には会話機能が搭載されているので心配はないかと思われます」

女「それしか機能がないような気がするけどなぁ。それでも、みんな消えちゃってからずっと退屈だったから嬉しいよ」

ロボ「消えたというのは、どういうことなのでしょう」

女「そのまんまだよ。世界ごとパッと終わっちゃった」

ロボ「…それはそういう物語の本があるということでよろしいでしょうか」

女「ま、それでいいか」

5: 2013/02/26(火) 22:28:44.75

ロボ「あなた様は、どうして私を起動させたのでしょうか」

女「あなた様かぁ…その呼び方何とかならない?ゾワゾワする」

ロボ「ではなんとお呼びすればいいでしょう」

女「んー…女でいいか」

ロボ「かしこまりました。女様」

女「なんか、それだと女王様みたいに聞こえるね。私はそんな趣味はないよ?」

ロボ「女様のご要望通りにしたつもりですが」

女「呼び捨てでいいって。気楽に読んでよ」

ロボ「かしこまりました。女」

女「なにその違和感。なんか一気に距離が遠のいたよ」

6: 2013/02/26(火) 22:29:58.18

ロボ「先ほどの質問なのですが、どうして私を起動させたのでしょうか」

女「おもしろいものでもないかなーって思って探してたら、君を見つけたの」

ロボ「私は、おもしろいものではありません」

女「君が面白いか、面白くないかは、私が決めるよ」

ロボ「いえ、私は他者を喜ばせる機能を持ち合わせておりません」

女「最初から持ち合わせていないなら、自分で手に入れればいいじゃない」

ロボ「私は機械です。最初から決められたデータしか取り込めないようにできています。私はそういう型なのです」

7: 2013/02/26(火) 22:31:01.20

女「ふーん。でも、やっぱり、君は機械らしくないね。人間みたい」

ロボ「私は機械です。マスターの願いを叶えるために作られたのです」

女「そのマスターも、すでにいないけどね」

ロボ「あなたは私のマスターです、なにか私に命令をしていただけないのでしょうか」

女「ごめんね。私はあなたのマスターじゃないんだよ」

ロボ「そうですか…」

8: 2013/02/26(火) 22:31:31.86

女「あはは。落ち込んでる」

ロボ「落ち込んでません」

女「見るからにガックリしてるよ?」

ロボ「私の体内エネルギー値が減少しているせいかと思われます」

女「え、どうしよう!エネルギーってハイオク?」

ロボ「ガソリンではないと思います」

女「まいったなぁ…どうすればいいんだろう」

ロボ「活動限界まで、もう残り少ないです」

女「楽しかったんだけどなー。君との会話」

9: 2013/02/26(火) 22:32:07.55

ロボ「最後になにかご要望はないでしょうか」

女「また気が向いたらお話ししようね」

ロボ「私にも、マスターの、願いを、叶えることができたでしょう、か」

女「んー…どうだろうね。それはわからないかな」

ロボ「そ、れは、とても、ざん、ねんです」

女「私も、いつか君みたいに終わりがくる日を楽しみにしてるね」

ロボ「あな。あたあい、のめいい。れいををををををを……を…」

ロボ「……」

10: 2013/02/26(火) 22:32:43.68

女「うーん…ゴミ捨て場にあった物もあながち捨てたもんじゃないね」

女「機械って、誰かがいないと動いている意味もないんだなぁ…」

女「……」







女「地球がなくなる前に、私のエネルギー値もなくなってくれたら嬉しいな」

11: 2013/02/26(火) 22:37:25.09
短くてごめんね。SS速報的にはこの短さは駄目なのかな。

12: 2013/02/26(火) 23:17:14.57
乙。いいんじゃない?読みたいもの書きたいものかいてくれればそれでこっちは満足です。

こんなことが別の惑星で起こんないことを祈る。

引用元: 女「スイッチオン!」ロボ「起動します」