1: 2010/01/28(木) 20:55:47.21
そう怒鳴ると梓はテーブルを引っくり返した。
テーブルに並べられていたティーセットは床にぶちまけられ、盛大な破壊音とともに砕け散った。

紬「ああああ、お気に入りのティーセットが……」

律「梓! てめえ何してんだ!」

5: 2010/01/28(木) 21:02:33.67
梓「何してんだ……って、それはこっちのセリフですよ。
  新勧ライブがあまりに酷かったんでどんな部活か来てみたら、
  練習もせずにだらだらお茶のんで喋ってばかりで……
  音楽を舐め腐ってるとしか思えませんよ!!」

律「んだとこの野郎!!!」

唯「お、落ち着いてりっちゃん……」

梓「一番ひどかったのは律先輩ですよ!!
  よくもまあ恥ずかしげもなくあんな酷い演奏できますよね!!
  プライドとかないんですか!?」

律「てめえええ、言わせておけば……!!」

澪「り、律……梓も言い過ぎだぞ、落ち着け」

梓「私の言ってるのは事実ですよ!!
  澪先輩も部長なら律先輩になんとか言ってください!!」

澪「わ、私は部長じゃないよ」

唯「部長は律ちゃんだよー」

梓「ええっ、なんでこのヘタクソが部長なんですか!?」

律「お、ま、え、なあああ…………!!」

6: 2010/01/28(木) 21:07:53.02
梓「律先輩みたいなヘタクソがリーダーだなんて、
  ほんとに救いようがないですね、この部活は!!」

澪「梓! 言い過ぎだってば!」

梓「ほら先輩方、楽器の準備してくださいよ。
  とっとと練習始めますよ。
  先輩方の腐った根性、私がたたき直してやりますよ」

律「なんでてめえが仕切ってんだ、部長は私だ!!」

梓「律先輩が部長だったから今までダラダラするだけの
  クソみたいな部活だったんでしょうが!!」

律「なにぃ~!?」

唯「まあまあまあまあまあまあ」

澪「お、落ち着けってば、二人とも!!
  ほら練習だろ? 練習するぞ練習、うん」

紬「ティーセット……」

8: 2010/01/28(木) 21:12:57.39
律「てめえ、先輩にこんだけ偉そうに言えるってことは、
  よっぽど上手いんだろうなあ!?」

梓「少なくとも先輩方よりは上手いかと思いますよ?」

澪「あ、梓は何をやるんだ?」

梓「ギターです」

唯「ギターかあ~! じゃあ私と一緒だね~」

梓「そうですか」

律「じゃあ見せてもらおうじゃねえかよ、
  梓サマのギターの腕ってやつをよお!! ええ!?」

梓「はい、いきますよ」
ギュイギュイギュギュギュイーキュキュイーン

律「う……うまい……!!」

10: 2010/01/28(木) 21:17:52.54
唯「す、すご~い」

澪「この部活で一番レベルが高いかもしれない」

梓「当たり前でしょ!?
  私は小中とずーっとマジメにやってきましたから。
  あなたたちみたいにティータイムの片手間に
  やるのとは全然ちがうんですよ!!」

唯「あう……スミマセン」

梓「で、どうでしたか、律先輩。
  先輩風吹かせて偉そうなこと言ってましたけど」

律「う、うるせええっ!!
  いいから練習だろ、練習!!」

梓「そうですね。じゃあ私はここで皆さんの演奏を聞いてるんで、
  なんか1曲やってください」

澪「え、あ、そうだな。梓の歓迎も兼ねて、みたいな……ハハハ」

梓「良いから早くやってくださいよ」

澪「ハイ……」

11: 2010/01/28(木) 21:31:52.23
唯「ふわっふわたあーいむ♪」
ジャーン

澪「どうだった? 梓」

梓「上手く言えないんですけど、何度聞いてもゴミですね」

澪「うっ……」

梓「ああ、勘違いしないでください。
  澪先輩のベースはまだ割と鑑賞に耐えうるレベルです。
  一番ひどいのは律先輩、あなたですよ!!」

律「また私かよ!!
  なんだよてめえ、私に恨みでもあんのかよ!!」

梓「恨みなんてありませんけど、演奏はカスですよ! カス!!
  まともな神経ならそんな腕で人前で演奏しようとはしませんよ!!
  自分がヘタクソだって自覚あるんですか!?
  ていうか他の先輩方は律先輩のヘタクソさが気にならないんですか!?」

澪「えっ、それは……」

紬「ねえ……」

唯「まあぶっちゃけ気になってt
澪「バカっ、空気読め」

律「……」

13: 2010/01/28(木) 21:39:01.69
梓「まったく情けないですね部長のクセに。
  そもそも部長がこんなだから部活全体がだらけた雰囲気になるんですよ!!」

律「う、うるせえな!!
  私だって自分がヘタクソなのは分かってるよ!!
  でもいいじゃねえかよ!!
  部活なんだから楽しくやれりゃあよお!!」

梓「律先輩の言う『楽しい』は『お茶菓子食ってだらだら遊んで楽しい』の『楽しい』です!!
  『部活動で軽音楽やって楽しい』の『楽しい』じゃありません!!
  やる気がないんならさっさと帰るべきです!!
  ていうか帰ってください!!」

律「おーいいよ!! 帰ってやるよ!!
  後輩にこんな偉そうにされてやってられっかってんだよ!!
  おい澪、唯、ムギ!!
  おまえらも帰ろうぜ!!」

唯「んー……どうする?」

紬(私は別に梓ちゃんから馬鹿にされてるわけじゃないし……)チラッ

澪「……」チラッ

律「な、なんだよお前ら……梓の肩持つのかよ!!
  もういい、お前らがそんなんだとは思わなかった!!」

16: 2010/01/28(木) 21:44:34.43
律は捨て台詞を残して帰っていった。

紬「ほんとに帰っちゃったね」

梓「いいんですよ、ああいうやる気ないのは居るだけ邪魔ですから。
  軽音部をやめて欲しいくらいですよ」

唯「でも、りっちゃんが辞めたらドラムどうするの?」

梓「どうにでもなりますよ、あんな素人同然のドラム。
  もし辞めたとしても、他に誰か入部させてちょっと練習させたら
  すぐに律先輩なんかより上手くなりますよ」

唯「ふうん。でもりっちゃんがいないのはちょっと寂しいかなあ」

梓「寂しいって……会いたいなら部活外で会えるでしょ。
  ここはマジメに練習をする場所ですよ。
  ていうか律先輩も酷いですけど、
  唯先輩のギターもぶっちゃけ微妙ですよ」

唯「え! ホントに!?」

19: 2010/01/28(木) 21:49:09.54
梓「上手く言いにくいんですけど、唯先輩って感覚だけで弾いてません?
  確固たる技術が身に付いてないというか」

澪「ああ、唯は天才タイプだからなあ」

唯「テヘ☆」

梓「テヘ、じゃありませんよ。
  天才って褒め言葉みたいに言われますけどね、
  努力を知らないまま上達するからちょっとした壁にぶつかっただけで、
  それを乗り越えられなくて潰れちゃうことが多いんですよ!」

唯「ええっ!」

澪「まあ、あるかもな」

唯「梓さん! どうか私に技術を教えてくだせえ!!」

梓「唯先輩は向上心があって素晴らしいですね。どっかのデコとは大違い」

澪「律は昔っからああなんだよな」

一同「アハハハ……」



律「くそう、楽しそうにやりやがって……もういいよっ」

20: 2010/01/28(木) 21:53:27.85
――
―――
―――――

梓「ふー、今日はこの辺にしときましょうか」

唯「うーん、久々にいっぱい練習したよ~」

澪「ああ、こんなに充実した部活は初めてだ……ぐすっ」ポロポロ

梓「なにも泣かなくても。
  ていうかホントに酷かったんですね、この部活」

唯「えへへ~」

梓「私、用事があるんで先に帰ります。
  明日からもみっちり練習するんで、そのつもりで」

唯「はい! よろしくおねげえします!!」

梓「じゃ、さようなら」
ガチャバタン

紬「……」

22: 2010/01/28(木) 21:58:09.52
澪「ん? どうしたんだ、ムギ」

紬「あ、いや、なんでもないわ。
  ただちょっと、りっちゃんのことが気になって」

澪「あー、律なら大丈夫だろ。
  明日になったら忘れてるって」

紬「そうかしら。そうだといいんだけど」

唯「澪ちゃんムギちゃん、私達も帰ろうよう。
  駅前に新しい焼鳥屋さんできたんだってー、寄ってこうよ~」

澪「オッサンか、お前は」

唯「えーいいじゃん、焼き鳥おいしいよー?」

澪「つーかこんな時間に食うと晩飯食べられなくなるぞ?」

唯「いいのー、別腹だしー」

澪「太るぞ」

唯「太らないしー」

澪「ちくしょう羨ましい」

紬「……」

23: 2010/01/28(木) 22:02:08.76
翌日、放課後。

ガチャ
律「トゥース!」

唯「あ、りっちゃーん」

澪「よう」

紬「良かった、来ないかと思ったわ」

律「ははは、んなわけなーだろおー。
  天下のりっちゃんサマがあんな後輩に負けてらんねえからな。
  ところで梓はまだ来てないんだな」

紬「ええ、まだよ。はい、紅茶とお菓子をどうぞ」

律「お、サンキュー」

唯「ん~、やっぱティータイムがあっての軽音部って感じだよね~」

律「そうそう」

澪「梓が来たら練習するからな」

律「へいへい」

24: 2010/01/28(木) 22:07:20.56
ガチャ
梓「こんにちは」

澪「おう、来たか梓」

梓「今日もみっちり練習しますよ。
  ほら、ティータイムはさっさとやめて下さい」

律「えー、いいじゃねーかもうちょっとくらいさー」

梓「オラァ!!」ぐわっ
ガンガラガラガラガラガッチャガチャーン

紬「ああああ、母から貰ったティーセットが……」

律「梓! てめえ何してんだ!」

梓「だからそれはこっちのセリフだって言ってるでしょ!!
  ダラダラダラダラお茶菓子食べてばっかりで、
  練習をしようともしない!!
  それが正しいと思っているんですか!!」

律「後輩のクセにがたがたうっせえんだよ!!」

梓「先輩のクセに練習サボらないでくださいよ!!」

紬「ティーセット……」

28: 2010/01/28(木) 22:14:09.95
澪「まあまあまあまあまあまあまあまあ。
  落ち着けよ二人とも、練習しよう練習。な?」

律「落ち着いていられるわけねえだろ!!
  なんでお前はなんとも思わないんだよ、後輩にここまでされて!!」

澪「私は別に何もされてないよ。
  律だってマジメに練習すれば後輩に舐められることもなくなるよ」

律「そういう問題じゃねえだろ!!」

唯「もー、さっきからうるさいよ、りっちゃん」

梓「唯先輩の言うとおりです、律先輩は先輩として冷静な態度を取るべきです。
  それと、明日からはティータイムは一切なしで」

澪「そうだな」

唯「ええっ!」

律「おい梓! てめえ調子乗るのもいいかげんにしろよ」

梓「別に調子に乗ってなんかいませんよ、至極妥当な判断です。
  ティータイムなんかがあるからダラダラして練習ができないんです。
  そうでしょ?」

30: 2010/01/28(木) 22:19:56.49
律「うっせえ!! そういう問題じゃねえっつってんだろ!!」

梓「じゃあどういう問題なんですかね。
  澪先輩はティータイム廃止に賛成ですよね?」

澪「ん、ああ、そうだな」

律「なっ、澪……!!」

梓「唯先輩は?」

唯「えー、私はあった方が……楽しいかなあーみたいな……」

梓「ギ口リ」

唯「ひいっ! ……ム、ムギちゃんはどう思う!?」

紬「え゛っ、こっちに振るの……えーっと、その……
  あ、梓ちゃんはティータイムの存在自体に怒ってるわけじゃないわよね」

梓「どういうことです?」

紬「(ティータイムのせいで)練習ができない、ってことに怒ってるんでしょ?」

梓「そうですね」

31: 2010/01/28(木) 22:25:11.07
紬「だから、きっちりメリハリを付ければ良いと思うのよ。
  30分だけお茶して、時間が来たらパッと練習に切り替え……みたいに。
  そうすれば大丈夫でしょ?」

梓「そうですね……分かりました。
  じゃあムギ先輩の案でいいですよ」

唯「わあい、意外と物分かりいいんだね、梓ちゃん!」

梓「意外と、は余計ですよ。
  澪先輩もそれでいいですか」

澪「うーん、まあそうだな。
  少しでも練習時間が多い方が良いけど、
  唯とムギがそんなに言うなら」

律「……………………」

梓「じゃあそういうことで、とりあえず練習始めましょう」

32: 2010/01/28(木) 22:29:47.65
澪「とりあえず1回あわせてみるか」

唯「うん、そうだね」

紬「はい」

梓「あ、律先輩はそっちで一人で練習しててください。
  ヘタクソなままで混ざられると邪魔なんで」

律「なっ……!!
  おいおいふざけんなよ、一人だけ仲間はずれって……
  なあ澪」

澪「うーん、でも梓の言うとおりだぞ。
  律はちゃんと練習してからの方が良い」

梓「そうですよ、自分がヘタクソだって自覚してください」

律「……………………」

澪「律?」

律「…………分かったぞ」

澪「なにが」

35: 2010/01/28(木) 22:37:50.52
律「澪が梓の肩をもつ理由だよ!!」

澪「肩を持つって、そんなことしてないだろ」

律「いいや、してるね!!
  こんなクソナマイキな後輩が入ってきたのに
  ニコニコして梓の言いなりになってるのがその証拠!!」

澪「何いってんだ」

律「結局お前は、練習がしたいだけなんだよなあ!!
  自分の代わりに強い口調と態度で
  練習を先導してくれる人間が入ってくれて嬉しいんだろ!!
  ヘタクソな私が隔離されて喜んでんだろ!!
  ティータイムも減って、脇目もふらず練習して、
  それでお前は満足なんだろお!!」

澪「お前はさっきから何を怒ってるんだ?
  そりゃあ練習量が増えるのは嬉しいよ、否定しないよ。
  でもなんでそれがいけないんだよ」

律「うるせえよ!!
  練習一筋のクソ真面目なお前には分かんねえよ!!」

澪「一番遊んでるやつに言われたくないよ」

36: 2010/01/28(木) 22:44:07.05
律「お前は梓が入って良かったと思ってるのか!?」

澪「ああ、思ってる。
  梓がいてくれなかったら、私たちはず~っとダラダラしたままだっただろうし」

律「唯、ムギ! お前らはどうなんだよ!!」

唯「私は別にどっちでも良いよ。
  ギター弾くのもお茶するのも楽しいし~」

紬「右に同じ」

律「な……なんだよお前ら!!
  目を覚ませよ、こんなの違うだろ!!
  こんなの、私達の軽音部じゃないだろっ!!」

唯「りっちゃん、何をいいたいのか全然分かんないよ」

梓「そうですよ。
  意味不明なことわめき散らしてるだけなら、とっとと出てってください。
  部活に文句があるならもうこなくて結構ですよ、
  律先輩の代わりくらいいくらでもいますから」

律「ああ分かったよ!! もう来ねえよこんな部活!!
  おまえらみんな氏んじまえ!! バアーカ!!」

38: 2010/01/28(木) 22:47:42.28
律は小学生レベルの捨て台詞を残して
音楽室を飛び出して行った。

梓「まーったく、何がしたいんですかね、あの人は」

唯「さあ。りっちゃんってときどき変だよね」

澪「もう律はほっとこうぜ。練習しよう」

紬「……」

澪「ムギ?」

紬「え、あ、練習よね、練習、うん」

澪「?」

梓「じゃあいきますよー、ワンツースリーフォー」

ジャッジャジャーン

39: 2010/01/28(木) 22:51:52.81
――
―――
―――――

澪「いやー、今日もいっぱい練習できたなあ」

梓「そろそろ下校時刻ですし、帰りますか」

唯「ねえ、梓ちゃんって家どのへんなの?」

梓「竹達橋を渡ったとこです」

唯「おー、じゃあ近所じゃん!
  一緒に帰ろ!」

梓「いいですよ」

紬「……澪ちゃん、一緒に帰りましょう。
  ちょっと話したいこともあるし」

澪「話したいこと? ああ、いいけど」

紬「ありがと」

42: 2010/01/28(木) 22:57:50.14
校門の前で、4人は二手に別れた。

澪「……で、なんだ、話って」

紬「澪ちゃんは、梓ちゃんが入ってきて良かったと思ってるのよね」

澪「ああ。律みたいなこと言うんだな」

紬「なんていうか、りっちゃんが言ってたこと、
  理解できる気がするの」

澪「へえ?」

紬「梓ちゃんが入ってきて、ティータイムの時間も減って、
  きっちり練習に取り組めるようになったわ」

澪「うん」

紬「今までの私たちは、一日中お茶して喋ってるだけで、
  あんまり練習なんてしてこなかった」

澪「そうだな」

紬「でもりっちゃんは、今までの軽音部の方が好きだったんじゃないかしら」

45: 2010/01/28(木) 23:03:07.05
澪「そりゃあ、律にとってはダラダラできるほうが好きだろうよ」

紬「そういうことじゃなくて……
  その……なんていうか、楽しい時間を共有できる、っていうのかな。
  りっちゃんも、練習するのが嫌なわけじゃないし、
  ただ遊びたいだけでもないと思うの。
  楽しくやりたいだけなんだと思うわ、遊びも練習も」

澪「今は楽しくない、か」

紬「たぶん」

澪「でもちょっと厳しくされたくらいでやる気を失うのは、ダメだよ。
  私達も2年生になったんだし、気を引き締めてやらないとさ」

紬「澪ちゃんの言うこともわかるけど……」

澪「ともかく、私は今のスタンスでいくのが良いと思う」

紬「じゃあ、りっちゃんは……どうするの」

澪「どう、って……辞めるなら辞めるで仕方ないんじゃないか。
  別に絶交するってわけでもないんだしさ」

紬「……でも……嫌よ、そんなの」

50: 2010/01/28(木) 23:12:05.86
澪「ムギ……」

紬「唯ちゃんがいて、澪ちゃんがいて、そしてりっちゃんがいて……
  そして私、その4人集まって初めて私達の軽音部でしょう!?
  1人でも欠けちゃうなんて……そしてあんな辞め方しちゃうなんて、
  そんなの悲しいだけよ……!! ううっ」ポロポロ

澪「泣くなよ、ムギ……
  まあ、私だって出来れば律とバンドやりたいしな……
  じゃあ、律にはちゃんと練習するよう言っておく。
  梓にも、きつい口調はやめるように注意しておくよ。
  それで、律が戻ってくるように私もできるだけ努力する」

紬「澪ちゃん……あり゛がどう~」ズビズバー

澪「うわっ、抱きつくな! 涙と鼻水が付く!」

紬「うう、りっちゃん、早く戻ってきてほしいわ……ぐすっ」

澪「ああ、善処するよ、ムギのためにも」

55: 2010/01/28(木) 23:18:26.49
そのころ、唯と梓は。

唯「あ、和ちゃ~ん」

和「あら、唯……と、どなた?」

梓「軽音楽部に入部させていただきました、1年の中野梓と申します」

和「あら、ご丁寧にどうも。生徒会の真鍋和です。
  唯とは小さい頃からの友達なの」

梓「へえ、幼なじみですか」

和「そうよ。ていうか軽音部に新入部員入ったのね。
  そんな報告、聞いてないわよ」

唯「報告なんているんだ?」

和「ええ、部員の増減は、部長が生徒会に逐一報告しなきゃいけないのよ。
  律は何やってるのよ、まったくもう」

梓「律先輩って部活以外でもだらしないんですね」

和「ええ、ホントにもう」

56: 2010/01/28(木) 23:24:46.21
唯「部活申請書を出してない、とかあったよね」

和「そうそう」

梓「えー、なんですかそれ」

和「軽音楽部はもともと部員不足による廃部状態で、
  去年の春……つまり唯たちが入ったときに復活したんだけど、
  その時に部長の律が部活動申請書を出し忘れてたのよ。
  で、結局、夏ごろまで軽音楽部は正式には存在が認められていなかったの」

梓「うわー、一番やっちゃいけないじゃないですかそれ」

唯「えへへ~、正式な部活でもないのに音楽室占領しちゃってました~」

和「自慢するとこじゃないわよ……。
  そうだ、明日、律に言っておいて。生徒会に報告に来いって」

唯「お安い御用でござりまする」

梓「でも律先輩はもう部員じゃないですよ」

和「え、そうなの?」

梓「今日、『もう来ねえよこんな部活!!』って叫んで帰っていきましたから」

58: 2010/01/28(木) 23:29:39.63
和「ええ……いったい何があったのよ」

唯「りっちゃんのドラムがあまりに下手だから、梓ちゃんが怒っちゃって」

梓「そしたら逆ギレされたんです。先輩の態度とは思えません」

和「ああ、そう……まあ、あえて何も言わないことにするけど。
  じゃあ今ドラムは空いてるの?」

梓「はい」

唯「そうだ、和ちゃんドラムやらない?」

梓「楽器できるんですか?」

唯「和ちゃんは昔から何でも出来ちゃうんだよ!」

和「何でもは出来ないわよ、出来ることだけ。
  ていうか私は生徒会があるから部活動は無理よ」

唯「え~じゃあ1回だけ~明日だけでいいから~ねえ~ねえねえ~」

和「もう、仕方ないわね~。ちょっとだけよ」

唯「わーい!!」

梓(この人、唯先輩に甘いな……)

62: 2010/01/28(木) 23:35:12.31
翌日、放課後。

先生「はいじゃあ今日はここまで。日直、号令を」

日直「起立、気をつけ、礼、さようなら」

一同「さようなら」

ざわざわざわざわ

澪「よう唯~、部活行こ~」

唯「うん、いいよー。ムギちゃんもいこー」

紬「……」

律「…………」ササッ

唯「ムギちゃん?」

紬「あ、私は……後から行くわ。
  先に行っといて」

唯「ん? うん」

65: 2010/01/28(木) 23:41:48.82
昇降口。

律「……」

紬「りっちゃん!」

律「む、ムギ……なんだよ。
  部活行かなくていいのか。梓に怒られるぞ」

紬「いいのよ、遅れるって言ってあるから。
  そんなことより、音楽室に行きましょう」

律「な、なんでだよ……私はもう行かないって決めたんだ」

紬「そんなの嫌よ!」

律「む、、ムギ!?」

紬「りっちゃんがいない部活なんて、そんなの嫌!!
  骨がない焼き魚と同じよ!!」

律「食べやすくていいじゃねえか」

紬「一見食べやすそうだけど無いと寂しいものなのよ!
  だからりっちゃんも、戻りましょう!
  一緒にまた、軽音やりましょうよ」

69: 2010/01/28(木) 23:47:53.61
律「でも、私みたいなヘタクソが居たって、みんなの足をひっぱるだけだ!!」

紬「練習すればいいじゃない!
  私たち、いつまででも待つわよ、りっちゃんが上達するまで!」

律「私みたいな怠け者がいたら、みんなまでつられてダラダラしちまうよ!!」

紬「みんながりっちゃんのダラダラを止めるから大丈夫よ!」

律「でも、私みたいなのがいたら……私みたいなのが……!!」

紬「りっちゃん……!!」

律「うううっ……ううう……戻りたい……戻りたいよお……うううあああっ」

紬「よしよし……つらかったのね」

律「う……うああああああっ!!」

紬は人目もはばからず泣きじゃくる律を優しく抱きしめた。
しばらくして律が泣き止んだ後、二人は音楽室に向かった。

律「おおー懐かしの音楽室よ……」

紬「昨日も来てたでしょ……
  って、なんかドラムの音がするわね」

72: 2010/01/28(木) 23:52:16.13
扉のガラスから、そっと中を伺う二人。



ズンタカズタズタダカダカダカダカダーン!!

唯「すっごーい、和ちゃん!! 天才だよ!!」

梓「そうですよ、スゴイです!!
  ホントに今までドラムやったことないんですか!?」

和「ええ、初めてよ。そんなに上手かったかしら」

梓「はい、もう素晴らしい腕前です!!
  ぜひ軽音楽部に入ってください、お願いします!!」

和「うふふ、そんなに褒められると悪い気しないわね」

唯「いやー、でもこれでホントにりっちゃん不要だね!!」

梓「そうですね、こんな逸材に出会えたんですから
  辞めてもらって万々歳でしたね!! ね、澪先輩!!」

澪「え、あ、そうだな。あは、あははははー…………」

76: 2010/01/28(木) 23:56:12.61
律「…………」

紬「…………」

律「やっぱりわたしはいらないんじゃないか」

紬「り、りっちゃん……」

律「だってそうだろのどかがあんなにすごいえんそうしてるしさ」

紬「でも和ちゃんは生徒会で……」

律「はははみんなもわたしのこといらないっていってるよはははは」

紬「りっちゃん、気を確かに!」

律「もうけいおんぶにわたしのいばしょはないんだなあはははは」

紬「りっちゃん!」

律「ごめん、もう、かえる……」

紬「りっちゃん……」

80: 2010/01/29(金) 00:00:41.35
ガチャ
紬「こんにちはー……」

唯「あ、ムギちゃん! ねえねえ、和ちゃんのドラムすっごいんだよ~!」

梓「そうです、軽音楽部にやっとマトモなドラマーが入ってくれます!」

紬「へ、へえー、そう……」

和「私は生徒会があるから入れないってば」

唯「その才能を生徒会に埋もれさせておくのは勿体無いよ!!」

和「でも私には生徒会の方が合ってるわ。
  それに……ここは私の居場所じゃなくて……」

唯「?」

紬「……澪ちゃん、ちょっと……」

澪「……な、なんだ……」

紬「……りっちゃんのことなんだけど……」

84: 2010/01/29(金) 00:05:51.63
紬「……りっちゃんを説得して連れてきたんだけど……
  さっきそこで和ちゃんのドラム演奏を聞いちゃったの」

澪「……ええっ!! じゃあ、律は……」

紬「……ショックを受けて帰っちゃったわ……」

澪「……ああ……もう最悪の展開だな……」

和「なーにをひそひそと話しているのかしら?」

澪「うわっ!」

紬「ど、どうしたのいきなり」

和「当ててあげましょうか。律の話でしょ」

澪「……なんだよ、気付いてたのかよ」

和「まあなんとなくね。昨日、唯から話聞いて。
  私にできることなら何でもやるから、何かあったら言ってね」

澪「まさに今お前のせいで展開がこじれたんだけどな……」

唯「ムギちゃーんお茶マダー?」

紬「あ、い、今行くわ~」

87: 2010/01/29(金) 00:11:15.34
紬「お茶が入りましたよ~」

唯「わーい」

梓「ティータイムは30分だけですからね!!」

唯「わーかってるようー」

澪「……」

唯「ところで和ちゃーん、軽音部に……」

和「いや、だから入んないってば。
  私を入れるより律を引き戻した方がいいんじゃないの?」

澪(直球かよ……)

唯「えー、りっちゃんはだめだよー」

梓「そうですよ、ヘタクソですし。まともに練習もしませんし。
  ね、澪先輩」

澪「……そうだな……でも、要するに練習して上手くなればそれでいいんだろう?」

梓「へ?」

96: 2010/01/29(金) 00:21:33.31
紬「そうよ、それなら文句はないはずだわ」

梓「な、なんですかムギ先輩まで……
  律先輩を引きとめようともしなかったクセに、いきなり手の平返しですか」

澪「ああ、梓は律の存在自体に怒ってるわけじゃないだろう」

梓「……」

澪「律がヘタクソのうえに練習しないのが気に食わないんだろう?
  私だってそうだ。
  ダラダラしてるのはムカつくこともあるけど、律のことは好きだ」

梓「……」

澪「まあ私も反省すべきところはある。
  梓みたいに真面目でリーダーシップのある子が入ってきて、
  これでまともに練習できるって、浮かれてた。
  律の気持ちを無視している節もあったかも知れない。
  だから、私も冷静になって……」

梓「……何いってんですか。律先輩が戻ってきたところで、
  まともに練習するとは思えませんね」

99: 2010/01/29(金) 00:29:20.12
紬「それは今の軽音部が楽しくないからよ」

梓「……なんですか、それ」

紬「梓ちゃんが今みたいにピリピリしてたら、
  練習は進むかも知れないけどやってて楽しくないわ。
  りっちゃんはそこが気になったんでしょうね」

梓「その『楽しい』ってのは『お茶菓子食ってだらだら遊んで楽しい』の『楽しい』でしょ!!
  部活動はもっと真剣に取り組むべきなんです!!
  遊び半分でやるものじゃありません!!」

紬「そういう意味じゃないわ! どうして分かってくれないの」

梓「分かるわけありませんよ!!
  結局遊びたいだけなんでしょ、先輩たちは!」

紬「違う、違うわよ」

梓「もういいです!! 私が入ったのがいけなかったんですよね!!
  私が出ていけばみんな元通りになるんですよね!!」

紬「あ、梓ちゃん!!」

梓「短い間でしたけどお世話になりました!! さようなら!!」

澪「梓っ!」

100: 2010/01/29(金) 00:35:00.17
梓「いつまでも遊び半分のダラダラ部活を続けてりゃいいじゃないですか!!
  それでまた人前でクソみたいな演奏やってりゃいいんですよ!! バーカ!!」ぐわっ
ガンガラガラガラガラガッチャガチャーン

紬「百均のティーセットで良かったわ」

捨て台詞を吐き、みたびティーセットをめちゃくちゃにして
梓は走り去っていってしまった。

澪「……はあー、もうどうしてこうなったって感じ」

紬「でも梓ちゃんがいなくなったから、
  りっちゃんも戻ってきやすくなるかしら」

唯「私はりっちゃんを戻すことには反対だよ!!」

澪「空気読めよ」

和「ホントに、困った展開になっちゃったわねえ」

澪「半分はおまえのせいだよ」

104: 2010/01/29(金) 00:41:33.54
和「ええ、確かに不本意ながら私の責任でもあるわ。
  だから私も事態の解決に協力するわ」

澪「解決に協力って、どうするんだ」

和「今日はもうどうしようもないから、また明日ね。
  まあ私に任せておきなさい」

澪「ううん、正直不安だけど……」

紬「私達にもできることはない?」

和「あなた達はいつも通り、律に接してくれればいいわ。
  それが律にとって一番の励みになるだろうから」

紬「ええ、分かったわ」

和「じゃあ、今日のところはこれで帰らせてもらうわ。
  明日から本格始動よ」

澪「おう、協力感謝するよ」

唯「私はりっちゃんを戻すのには」
紬「黙っててね唯ちゃん」

107: 2010/01/29(金) 00:49:11.48
翌日、放課後。

唯「ムギちゃん部活いこー」

紬「え、ええ……」

ざわざわざわざわ

律(さっさと帰ろ)

和「あ、律」

律「のっ……和」

和「あのさ、これ生徒会からの連絡なんだけど、
  軽音部のみんなに渡しといてくれない?」

律「な、何で私が……」

和「じゃあ、頼んだからね」

律「あ、ちょ、おい……!」

和(よし、あとは……)

111: 2010/01/29(金) 00:54:31.43
音楽室前。

律「ったく、なんでこんな……
  まあいいや、さっと渡してさっと帰ろ……」

律が音楽室のドアノブに手をかけようとしたところ、
中から会話が聞こえてきた。

澪『あーやっぱりドラムがいないとなー』

紬『そうねー結局和ちゃんは入ってくれないしー』

律「ん?」

澪『あああー誰かドラムやってくれないかなー』

紬『下手でもいいから入ってくれないかしらねー』

澪『まあ大事なのは上手下手よりも楽しんでやることだからなー』

紬『そうねーそれに楽しんでやってるうちに上達していくものだしー』

唯『真面目にやるのも大事だけどー……ムギちゃんこの漢字なんて読むの』

律「み、みんな…………でも、私は……」

113: 2010/01/29(金) 00:59:38.45
澪『そういえば律のドラムは元気いっぱいでよかったよねー』

紬『そうそう、聴いててこっちまで楽しくなってくるわよねー』

澪『ああーもう一度聞きたいなー律のドラムー』

紬『私達のバンドにはりっちゃんのドラムが必要よねー』

律「……ダメだよ……私のドラムなんて……ヘタで……」

唯『あれれードアのガラスからりっちゃんの姿が見えてるよー』

律「!!」

澪『あっほんとだー』

紬『あのオデコとカチューシャはりっちゃんねー』

律「や、やべえ、バレちった……逃げなきゃ」

ガチャ
澪「逃がさんぞ!!」

律「うおうわっ!!」

114: 2010/01/29(金) 01:04:21.80
紬「りっちゃん……」

律「み、みんな……」

唯「わーいりっちゃんが帰ってきてくれたよー」

紬「台本はもういいわよ唯ちゃん」

律「台本?」

澪「あああいや何でもない……
  それより、私達の話聞いてたんだろ?」

律「ああ……でも、私のドラムはそんなに良いもんじゃないよ……
  和のほうが……よっぽど」

澪「和のドラムは確かに上手い。
  でも、律のドラムみたいな楽しさが無いんだ」

律「楽しさ……?」

澪「ああ、律のドラムは聞いてて楽しい。
  私達も、律のドラムからいっぱい元気をもらったんだ」

律「でも……ヘタクソだし」

118: 2010/01/29(金) 01:10:46.63
澪「今はヘタクソでもいい!!
  これからいっぱい練習して、上手くなっていけば良い!!
  私達も律の練習につきあうから!!
  上手くなるまでずっと一緒にやってやるから!!
  だから……帰ってきてくれ!!」

律「み、澪……
  私は……ここにいていいのか……?」

紬「ええ、もろちんよ」

澪「ていうか、律がいなきゃ始まんないよ」

律「み、みんなあ……うううっ」

澪「ごめんな律……私、お前の気持ち考えてなかったよ」

律「いいんだ、いいんだよう……私こそ今まで練習サボっててごめんよう……」

澪「律……ほら、泣いてないで、お前のドラムをきかせてくれ……
  ヘタクソで元気いっぱいのドラムを」

律「ああ……!」

121: 2010/01/29(金) 01:17:09.95
そのころ、音楽室の外では。

和「ほら、分かる? みんな笑顔でしょう」

梓「ええ、そうですね……」

和「これが『楽しい』ということよ。
  『楽しい』ってのは、何も遊ぶってことだけじゃない。
  気のおけない仲間と一緒に、一度きりの青春を謳歌する。
  それが……」

梓「楽しい、ですか」

和「ええ」

梓「……私にも」

和「ん?」

梓「私にも、そんな気持ちを味わえるでしょうか」

和「当たり前よ。あの4人の中に入って、楽しくなれない人なんていないわ」

梓「でも私には入っていく資格なんてありませんよ。
  先輩たちを散々馬鹿にして、仲をこじれさせて、ティーセットぶっ壊して」

125: 2010/01/29(金) 01:23:10.03
和「そんなの、謝れば済む話じゃない。
  それにあの子たちはそんなの気にしないと思うわよ?」

梓「でも……やっぱり無理です」

和「入りたいんでしょ?」

梓「…………」こくん

和「じゃあ、決まりね。
  大事なのはどうすればいいか、じゃないわ。
  あなた自身が、どうしたいか」

梓「和さん……」

和「最近読んだマンガのキャラがそう言ってたわ」

梓「……」

和「ほら、行きなさい」
ガチャ

梓「わっ……!」

律「あっ、梓……!!」

135: 2010/01/29(金) 01:38:22.38
梓「っ……」

和「ほら、言いなさいよ」

梓「や、やっぱり言えるわけありません!
  あんなことして今さら仲間に入れてくれだなんて」

澪「仲間に入れて欲しいのか」

梓「くっ……そそそそそんなことありませんですっ!!」

和「素直になりなさいよ。
  そもそも最初から素直になっとけば、
  こんなにこじれることもなかったんじゃないの?」

唯「梓ちゃんつんでれ~」

梓「ツンデレとかじゃありません!!
  そりゃー最初っから仲良くしたかったですよっ!!
  でもなんか出来なくて、それで……!!」

紬「もう意地張らなくて良いのよ、梓ちゃん」

梓「う、うう……」

145: 2010/01/29(金) 01:49:59.37
和「ほら、梓」

梓「うう…………先輩方、今まですみませんでした……
  澪先輩、律先輩、ムギ先輩……ごめんなさい。
  それで、その、私も仲間に入れてください!!」

律「ああ、もちろんだよ!」

澪「入部届けを出した時点で、お前は私達の仲間だよ」

紬「歓迎いたしますわ~」

梓「ううっ、ありがとうございます……!!」

和(ホントに許してもらえるとは思わなかった)

唯「私が無視されている気がする」

紬「じゃあ、お茶にしましょうか!」

梓「30分だけですよっ!」

澪「はいはい、分かってるよ」

153: 2010/01/29(金) 01:57:37.59
紬「和ちゃん、ありがとうね」

和「私は別にたいしたことしてないわよ。
  でも、丸くおさまって良かったわね」

紬「ええ、ホントに」

澪「今日の紅茶は一段と美味しいな」

律「ほんとほんと」

梓「ほらもう30分経ちましたよ、練習しますよ」

律「へーへー、分かったよー」

唯「はーい」

澪「みんな積極的に練習するようになって……私は嬉しいよ」

こうして、軽音楽部に平和が戻ったのであった。


             おわり



155: 2010/01/29(金) 01:58:56.01
おk

158: 2010/01/29(金) 01:59:22.24
( ゚ Д ゚ )

160: 2010/01/29(金) 02:00:54.23
これでおしまい

誰彼かまわずキレまくる梓を書きたくて始めたら
話に収拾がつかなくなってしまったというオチ

165: 2010/01/29(金) 02:09:42.03

引用元: 梓「ティーセットはぜんぶ撤去すべきです!」