海未「でも、みんな経験が無いでしょう」

にこ「やったことが無いからこそやるのよ」

穂乃果「いいんじゃないかな？面白そうだし、うまくいけばカードアイドルとしてカードショップでライブしたり……」

ことり（それはうまくいきすぎだと思うけど）

絵里「経験のある人はいるかしら？」

凜「凜は小学校の頃にやったことあるにゃー」

花陽「私も、凜ちゃんと一緒に少しだけ……」

希「うちは全然ないなー」

真姫「ないわよ」

絵里「ほとんど経験無し……条件が平等という意味ではいいかもしれないわ」

にこ「よーし、じゃあ決まりね！勝負は一週間後、トーナメントで行うわ！」

海未「ちょ、ちょっと待ってください！カードゲームにはお金がかなりかかるとも聞きますが……」

希「多少はコピーとかでもええんちゃう？とりあえずカードゲームに触れてみるのが目的やしね」

絵里「そうね、対戦出来る形ならなんでもいいと思うわ」

凜「でもでも、勝負するからには何か本気！になれるような賞品が欲しいにゃ！」

真姫「センターがかかってるんだからそれでいいじゃない」

穂乃果「じゃあ、副賞で優勝した人は何か一つだけ皆に命令出来るっていうのは？」

花陽「ｴ"ｴ"ｯ……」

ことり「いいんじゃないかな？」

穂乃果「決まりー！みんながんばろー！」

にこ「ちょっと、にこが仕切ってるのに取らないでよ！」

一週間後、部室

にこ「みんな、準備はいいかしら」

「いいですよ」「にゃー！」「うん！」「ﾁｭﾝ」「はい」「ええ」「ｳﾞｪｴ」「ほな」

にこ「マッチングはくじびきで決めるわよ！」

対戦表

ことり VS 花陽
にこ VS 希
絵里 VS 凜
真姫 VS 海未

穂乃果「あれ？穂乃果の名前が無いよ？」

にこ「穂乃果はシードよ。9人いるから最初に4人まで絞るのにちょっと工夫が要るのよ」

にこ「とりあえず穂乃果を除いた8人が戦って4人残る。で、その4人のうち抜ける人をジャンケンで決めて……」

にこ「その枠に代わりに穂乃果が入って4人で準決勝ってワケ」

海未「人数が人数ですし、仕方ありませんね」

穂乃果「よくわかんないけどわかった！」

一回戦　ことり VS 花陽

先行は花陽

花陽「ええと、いきます！ドロー！うーん、どうすればいいのかな……」

花陽「ナチュル・スパイダーファングを召喚して、ターンエンド？です！」

絵里「花陽はナチュルなのね」

凜「かよちんは凜と一緒にカードを買いに行って、みんな可愛いから～ってナチュルを選んだにゃ」

真姫（昆虫なのは気にならないのかしら……？）

ことり「わたしのターン、ドロー」

ことり（ごめんね、花陽ちゃん）

ことり（ことりは優勝して穂乃果ちゃんにあんなことやそんなことを命令するため……絶対に負けるわけにはいかないの）

ことりはこの一週間、メイド喫茶でオタクたちから徹底的に遊戯王を教えてもらっていた

持ち込んでいるデッキも常連のオタクから借りてきたものである

ことり「メインフェイズ。テンペストコルセスカを捨ててブラスターサーチ」

ことり「竜の渓谷発動、ブラスターを捨ててタイダルを墓地へ」

ことり「更に霊廟、ガードオブフレムベルとレドックスも墓地へ」

ことり「レドックスとガードオブフレムベルを除外してブラスター蘇生」

ことり「レドックスで幻木龍サーチ。幻木龍召喚、幻水龍特殊、レベルコピー、エクシーズエネア―ド」

ことり「エネアード効果。ハンドのデブリドラゴンをリリースしてスパイダーファングを破壊」

ことり「タイダル効果。コルセスカとデブリを除外して特殊召喚、フルアタック」

花陽ライフ：8000→0

ことりWIN

花陽「うう、負けです……」

ことり「ごめんね、手札が良かったみたい」

穂乃果「ことりちゃんすごーい！」

凛「かよちん、ナイスファイトだったにゃ！」

絵里（ひどい）

真姫（容赦ないわね……）

海未（ことり……やはり本気できましたか）

なお、各々試合を観戦して経験を積むため……という理由で各試合はそれぞれ一戦ずつ分けて行われている

言うまでもなく対戦相手の情報を知ることは対戦において極めて重要

戦いは既に始まっているのだ

二回戦　にこ VS 希

先行はにこ

にこ「ふふ、皆のアイドルにこにーの力を存分に見るがいいわ！ドロー！」

にこ「行くわよ！マドルチェ・マジョレーヌ召喚！」

海未「ほう、にこはマドルチェですか」

にこ「可愛さと強さを兼ねそろえたアイドルデッキ！にこに最もふさわしいわ」

にこ「効果でマドルチェ・エンジェリーを手札に加えるわ。マドルチェ・チケットを発動してターンエンドよ」

花陽「わあ、モンスターも魔法も可愛い」

凛「マドルチェも可愛いかよちんのイメージにぴったり合いそうにゃ」

にこ「あぁん！？」

花陽「ﾋｨ……」

希「いくで～、ドロー」

希「よっしゃ！光の援軍発動！」

絵里「希はライトロードね」

真姫「なるほど……希の運の強さにマッチしたデッキかも」

穂乃果「凛ちゃん、なんか始めて一週間の割にみんな妙に詳しくない……？」

凛「穂乃果ちゃんの一言で本気になった人たちが多いみたいだにゃ」

穂乃果「え、穂乃果なんか言ったっけ？」

ことり「……」

海未「……」

穂乃果「？」

花陽（ﾀｽｹﾃｰ……）

援軍落ち：ライデン、ミネルバ、氏者転生

希「ルミナスをサーチして……ミネルバ効果で更にもう一枚やね」

ミネルバ落ち：ガロス

ことり（さすが希ちゃん、きっちり墓地のライトロードを増やしてくる）

希「ルミナス召喚、効果でフェリスを捨てて対象ライデン」

にこ「いいわよ」

にこ（こっちにはチケットがある、マジョレーヌが倒されても次のターンにはミィルフィーヤエンジェリーの強力パターンが炸裂するわ）

希「ライデン出して効果使うで」

ライデン落ち：ブレイクスルースキル、エクリプスワイバーン

海未（エクリプス……？除外手段を確保している……となると、やはりライロ征竜でしょうか）

希「おお、ラッキーやん。エクリプス効果で裁き除外しとくで」

希「シンクロ、アークミカエル」

希「ミカエル効果、マジョレーヌを除外」

希ライフ：8000→7000

にこ「くっ……除外されたからチケットが発動しないわ」

希「ダイレクトアタック。ターンエンド」

にこライフ：8000→5400

ミカエル落ち：ネクガ、嵐、蘇生

真姫「今のプレイ、チケットを弾いてアドバンテージを取りにいくことも出来たけど……」

海未「ライフを取る速度を優先したんでしょうね」

穂乃果「花陽ちゃん、お腹すいたー」

花陽「おにぎりあるよー」

絵里「なんかこう、温度差を感じるわ」

凛「よくあることだにゃ」

にこ「よし、気を取り直してドロー！」

にこ（ミィルフィーヤが来た！ティアラミスにいけるわ！）

にこ「ミィルフィーヤ召喚！効果で手札の……」

希「悪いけどにこっち、ヴェーラーあるやん？」

にこ「なっ……」

ことり（運の強さだけでなく、持ち前の抜け目なさも健在……）

にこ「くっ……1枚伏せてターンエンドよ」

にこ場：ミィルフィーヤ　チケット　後ろ伏せ1
希場：ミカエル

希「ドロー、ミカエル効果……」

にこ「待った！スタンバイフェイズ、強制脱出装置！ミカエルを戻すわ」

希「ええで」

にこ（これでまたマドルチェ＋チケットの布陣が揃った、ミカエルさえ出なければまた仕掛けにいけるはず）

希「じゃあメインフェイズ。ライラをコストに……ソーラーエクスチェンジ発動」

ソラエク落ち：ウォルフ、激流葬

希「ウォルフ効果！特殊召喚や」

穂乃果「よくわかんないけど墓地からすごい出るねえ」

絵里（何となくわかってはいたけれどやっぱり落ちがかなり強いわね……これは強敵かも）

にこ「くっ……何も無いわ」

希「手札からエイリンを召喚して、エクシーズチェイン。効果でブラスターを墓地へ」

希「手札から裁きの龍。効果で全破壊」

希ライフ：7000→6000

ことり（終わった……）

海未（終わりましたね）

希「チェインとエクリプス除外してブラスター、エクリプス効果で裁き回収やん」

希「裁き追加でアタックやん」

にこライフ：5400→0

希WIN

にこ「うがああああ！！」

希「にこっち、ええ勝負だったで」

凛「落ちも強いけど攻めも上手いにゃ」

絵里「ええ、あえて裁き効果にチェインを巻き込んで、代わりにブラスターの攻撃力を供給したわけね。裁き回収はオーバーキル気味だけど」

真姫「マドルチェには仕掛けの強さがある反面、妨害でストップしやすい脆さもあるわ」

ことり「スピードの速いデッキに対しては一手の抑えが致命傷になるよね」

海未「展開力を活かして前のめりに戦うか、永続を盾にして粘り強く戦うかのバランスは構築・プレイの両面で難しい問題です」

穂乃果「みんな何話してるの？」

花陽「よくわかんないかも……」

三回戦　絵里 VS 凛

先行は絵里

絵里「いくわよ。ドロー、ブリキンギョ召喚、効果……」

凛「待つにゃ！増殖するG！」

絵里「……レッドガジェットを守備表示で特殊召喚」

凛「1枚引いとくにゃ」

絵里「イ工口ーガジェットをサーチして3枚セット、ターンエンド」

希「えりちはガジェットやね」

花陽「あ、花陽もアニメで見たことあります」

真姫「歴史の長いジャンルでかっちりした戦いをするガジェット。絵里らしいわ」

ことり（注目すべきはGに対しての即決ストップ。1ドローの重さを理解し、防御の厚さを見て無闇に突っ走らない判断……）

海未（手癖でレッドガジェットを立てることなく、守備表示で出せる落ち着きも初心者の振る舞いではないですね）

絵里（私も一週間ネットと亜里沙を駆使して練習を重ねてきたのよ）

絵里（副賞はどうでもいいけど、そろそろかしこいかわいいエリーチカとして賢さを見せつけないといけないわ）

絵里（この大会で優勝して頭脳派キャラを取り戻す！）

凛「凛のターン、ドロー。鬼ガエル召喚」

絵里「いいわよ」

凛「効果で黄泉ガエルを落とすにゃ」

花陽「あ、そのカード、昔使ってたやつ！」

凛「そうにゃ。昔のデッキを弄って作ったにゃ」

海未「ガエル帝対ガジェット……奇しくも古参同士の対決になりましたね」

にこ「アイドルはもっと最先端をいかなきゃダメよ」

真姫「新しいデッキ使って負けてちゃしょうがないじゃない」

にこ「うるさいわね！」

凛「バトル。ブリキンギョにアタック」

絵里「OKよ」

絵里ライフ：8000→7800

凛「鬼ガエルを手札に戻してターンエンドにゃ」

凛場：無し
凛手札：6
絵里場：レッドガジェット、後ろ伏せ3
絵里手札：2

絵里「私のターン、ドロー。イ工口ーガジェットを召喚、レッドガジェットとエクシーズして……ギアギガントクロス」

絵里「効果でブリキンギョをサーチ。バトル、アタック」

凛「護封剣の剣士！効果でクロスを破壊するにゃ」

絵里「くっ……そのまま破壊されるわ」

真姫「へえ、Gもそうだったけど、新しいカードもそれなりに入ってるじゃない」

海未「ただ古いカードを持ち込んできただけでなく、時代に合わせてチューニングしてあるようですね」

ことり「凛ちゃん、こういうの得意そうだもんね」

絵里「このままターンエンドよ」

凛場：護符剣の剣士
凛手札：5
絵里場：後ろ伏せ3
絵里手札：4

凛「ドロー、スタンバイフェイズ、黄泉ガエルを蘇生」

凛「黄泉ガエルをリリース、邪帝ガイウス召喚！効果で真ん中のカードを除外するにゃ」

絵里「残念だったわね、それは奈落の落とし穴よ」

凛「うー……ターンエンドにゃ」

凛場：護封剣の剣士
凛手札：5
絵里場：後ろ伏せ2
絵里手札：4

穂乃果「お互いに中々ライフが減らないねえ」

希「実力が拮抗してるんやねえ」

花陽「試合が長く続いてるの、初めてかも」

ことり（花陽ちゃん、瞬頃してごめん……）

絵里「ドロー。ブリキンギョ召喚、効果」

凛「ヴェーラーにゃ」

絵里「いいわよ。だけどリビングデッドで墓地のイ工口ーガジェットを呼ぶわ」

凛「うう……通すにゃ」

真姫「凛はハンドトラップを使いこなしてるわね」

希「でも罠カードに比べて除去までは出来ないから……こうして越えられることもあるってことやね」

絵里「グリーンガジェットをサーチしてエクシーズ、ギアギガントクロス。効果は？」

凛「無いにゃ」

絵里「デビルフランケンをサーチするわ。そして二重召喚発動、場に出すわ」

海未「攻めますね、絵里」

にこ「ここが正念場ってことよ。アイドルたるもの、攻めるタイミングでは攻めて攻めて攻めまくるの」

ことり（いちいち微妙にアイドルに絡めてくるなあ……）

絵里「デビルフランケン効果！」

絵里ライフ：7800→2800

凛「それを待ってたにゃ」

絵里「まさか……」

凛「エフェクトヴェーラー、2枚目！！」

ことり「これは上手いよ、穂乃果ちゃん！」

穂乃果（え、よく見てなかった……）

海未「ガジェットとクロスをきっちりスルーして致命傷になる場所にヴェーラー、確かに」

希「基本的にガジェットとクロスへのヴェーラーは効果が薄いんやな」

真姫「やっぱりガエル帝にデビフラで突っ込むのは迂闊だったんじゃないの？」

希「いや、よく見てみ、真姫ちゃん。えりちの顔を……」

絵里「来ると思ってたわ、凛。チェーンして手札から月の書、対象デビルフランケン」

凛「！！！」

花陽（チェーンってなんだっけ？）

絵里「特殊召喚、サイバーツインドラゴン！」

海未「やりますね絵里、貧弱なフランケンへの殴り返しを同時に防ぐ良い手です」

希「しっかりと準備をしてから仕掛ける、用意周到な生徒会長やね」

絵里「サイバーツインで護封剣の剣士に攻撃、更にサイバーツインとクロスでダイレクトアタック！」

凛「にゃー！」

凛ライフ：8000→2900

絵里「ターンエンドよ」

凛場：無し
凛手札：3
凛ライフ：2900
絵里場：クロス　サイバーツイン　デビフラ（裏）　伏せ2
絵里手札：3
絵里ライフ：2800

凛「くっ……ドロー！」

真姫「一気に追い込まれたわね。流石は元禁止カードだわ」

凛「スタンバイ、黄泉ガエル蘇生にゃ」

凛（凛の手札にはメビウスとイリュージョンスナッチがある……）

凛（メビウスで伏せを剥がしながらイリュージョンスナッチSS、トレミスM7あたりからこの場を返すかにゃー）

凛「黄泉ガエルリリース、氷帝メビウスにゃ」

絵里「神の宣告！」

絵里ライフ：2800→1400

ことり「ここで宣告！？」

海未「神の宣告、全てのアクションを無効にする罠系の切り札ですが……」

真姫「代償は大きいわ。デビフラで減らしたライフが更に半分だもの」

希「試合のクライマックスやね」

凛「…………」

凛「……負けましたにゃ」

絵里WIN

凛「うーん、ダメだったかにゃー」

絵里「手強かったわよ、凛」

凛「うう、優勝してかよちんにお弁当作ってきて～って命令したかったのにゃ（絵里ちゃんもすごく強かったにゃ）」

海未「逆になってますよ」

花陽「そのくらいなら別にいいけど……」

凛「え……？本当……？」

花陽「うん……」

凛「かよちーん！」ｷﾞｭｰ

花陽「凛ちゃーん！」ｷﾞｭｰ

穂乃果「良かったね！」

真姫（茶番……）

>>37
申し訳ないけどガチ寄りの遊戯王SSが中々無いなあと思って書き始めたので、現役プレイヤー以外にはちょっと説明不足なところもあるかもしれない
遊戯王SSはファンデッキを使うものが多いけど、たまにはそうじゃないのがあってもいいよねということでお願い致します

四回戦　真姫 VS 海未

先行は海未

海未「私のターン、ドロー」

海未「よし、レスキューラビット召喚です」

穂乃果・花陽「可愛い～」

真姫（海未の熟練ぶりからすれば……）

真姫（多分呼び出されるモンスターは可愛いどころではないわ）

海未「効果。ヘリオロープ2体」

真姫（闇に染まった……）

穂乃果「うわ、変なやつ出てきた！ルメトモ？」

花陽「黒い……」

海未「ヴェルズ・オピオン、エクシーズ召喚です」

真姫（邪龍）

真姫「やっぱり来たわね、オピオン……」

海未「効果で汎発感染をサーチ。2伏せ、終了」

希「先攻オピオン、これは強いなぁ」

ことり「……」

ことり（このデッキ選択、海未ちゃん……まさか……）

真姫「私のターン、ドロー……」

真姫（厳しいわね、かなり）

真姫「カードカーD召喚。4枚セット、カーDで2ドローしてターンエンドよ」

真姫場：伏せ4
真姫手札：3
海未場：オピオン　伏せ2
海未手札：4

にこ「何よ、やたらと伏せて。アイドルたるもの流れと勢いを大事にしないとダメよ」

凛（にこちゃん、しつこいにゃ～）

絵里（一見すると互角の状況だけど、伏せ合いとなると汎発感染と侵食感染を擁するヴェルズが圧倒的に有利）

絵里（真姫……海未が一手で築いた城をどう崩すのかしら）

海未「エンドフェイズ、侵食感染」

真姫「！」

海未「手札のアザトホースを戻してケルキオンをサーチです」

凛「隙の無い動きだにゃ」

海未「そしてドローフェイズ、ドロー。ケルキオン召喚」

真姫「撃つわ……奈落の落とし穴」

海未「…………」

海未「……考えます」

ことり（海未ちゃんの長考、無理もない）

ことり（見せたはずの汎発感染の上から無効にされるとわかっている奈落を投げてくる、これは真姫ちゃんからの挑戦状）

ことり（さあ海未ちゃん、受けるか、受けないか……）

海未「……チェーンします。伏せから汎発感染」

にこ「当たり前じゃない？何悩んでるのよ」

希「にこっち……ここが勝負の分岐点なんやで」

真姫「チェーン3、激流葬」

海未（そうくると思っていました）

海未（私にとって最悪の展開は汎発の上から全体除去を直撃で食らうこと、そして真姫の奈落は汎発を誘い出す一手）

海未（ここまでは当然の展開。しかし私にはその上があります）

海未「チェーン4、手札から汎発感染二枚目」

穂乃果「？？なんで同じカードを二回使うの？」

ことり（正直説明するのがめちゃくちゃ面倒臭い……）

凛（にゃー……）

穂乃果「うーん、穂乃果、スマホで遊戯王wiki見てるね」

真姫「チェーン5、激流葬二枚目」

海未「そんな……！」

穂乃果「なるほど～、チェーンに乗ってるから……逆順処理……で、上から無効にしないといけないんだね」

絵里「穂乃果は飲み込みはかなり早いのよね」

穂乃果「でへへ」

希「勉強以外では、やけどね」

穂乃果「うう……」

海未「……チェーン6、侵食感染。コスト、ケルキオンをデッキに戻します」

真姫「チェーン7、サイクロン対象侵食感染」

海未「っ……！チェーン無し」

真姫「よし！」

にこ「珍しいわね、真姫がガッツポーズするなんて」

希「それだけ大きな応酬に勝ったんや」

海未「ターンエンドです……」

真姫「ドロー。更にカードカーD召喚」

真姫「2伏せ、カーD効果で2ドローして終了」

真姫場：伏せ2
真姫手札：3
海未場：無し
海未手札：3

海未（カードカーD連打に加えて依然として大量の伏せ……オピオン除去に向かうことから考えてチェーンバーンの線は多分無い）

海未（となると、このデッキは恐らく……）

海未「ドロー」

海未（こまごました下級モンスターはありますが……後ろが薄い以上、無駄に配置してアドバンテージを取られるのは美味しい展開では無いですね）

海未「1枚伏せてターンエンドです」

真姫「エンドフェイズ。アーティファクトムーブメント対象、自分の伏せ」

海未（やはりアーティファクト……となると、1枚しかないオピオンを消費してしまったのは大きいですが……）

海未「増殖するGをチェーンします」

花陽「真姫ちゃんはアーティファクトだね。花陽もちょっとだけパック買ってみたから知ってる……」

にこ「真姫ちゃん、面倒臭そうだった割にやる気あるチョイスじゃない」

真姫「やるからには適当にやるのは性に合わないのよ。何でも良かったけど一番新しいみたいだからこれにしたわ」

凛「結構ミーハーなところあるにゃ」

真姫「ベガルタを破壊。デッキからラブリュスをセットするわ」

真姫（Gが効いてるからストップしたいのは山々だけど、ここで止まるよりはエクシーズに向かった方がまだいいわ）

真姫「ベガルタ効果でラブリュスを破壊、特殊召喚」

海未「2枚引いておきます」

真姫場：ベガルタ　ラブリュス
真姫手札：3
海未場：伏せ1
海未手札：4

真姫「行くわよ、ドロー、バトル。ラブリュスとベガルタでダイレクトアタック」

海未ライフ：8000→4300

真姫「メイン2、2体でエクシーズしてセイクリッド・プレアデスよ」

絵里「オピオンを除去してプレアデス擁立、わからなくなってきたわ」

希「やるね～、真姫ちゃん」

ことり（プレアデスのバウンス効果はエクシーズ主体のデッキにとって大きな脅威）

ことり（罠か手数で排除するのが定石、いずれにしても手持ちの札に依存してくる以上……海未ちゃんがさっきのターンでGから手札を増やせたのは大きい）

真姫「更に3枚伏せて、ターンエンド」

真姫場：プレアデス　伏せ3
真姫手札：1
真姫ライフ：8000
海未場：伏せ1
海未手札：4
海未ライフ：4300

穂乃果（な～んか地味なデュエルだなあ……）

海未（真姫の伏せは厚いですが、大半はアーティファクトのはず。実質的に動作するカードは多くて半分と見るのが妥当でしょう）

海未（前面のプレアデスと背面のセットカードを処理しながら再びオピオン擁立へ）

海未（厳しいですが、どうにかして……）

海未「ドロー」

海未「！ヘリオロープ、ヘリオロープ、オピオンで墓地闇3」

希「おお、ここで……！」

絵里「ハラショー」

海未「Dark Armed Dragon」

真姫「……考えるわ」

真姫（伏せはカドケウス、神智、モラルタの3枚）

真姫（ダムドにバウンスが効かない以上、ここで使うしかないか）

真姫「特殊召喚成功時。アーティファクトの神智を発動するわ」

真姫「デッキからベガルタを特殊召喚、破壊対象はこの2枚（カドケウス、モラルタ）よ」

海未「待ってましたよ、そのベガルタ」

真姫「なによ？」

海未「ふふ、大革命返しです」

絵里「渋っ……渋いわね……」

ことり「スターライトロードと競合して語られることが多い大革命返しだけど……」

希「ヴェルズではオピオンを立てていることも多いから若干リターンが薄いんやね。スターダスト枠の分、エクストラのランク4を切り捨てることにもなってしまうし」

凛「嵐ビュート以外にアーティファクトのベガルタ、竜のスクラップにも対応出来る幅の広さも魅力にゃ」

真姫「むむ……ベガルタの効果は無効になって除外されるわ」

海未「ダムド効果。ヘリオロープを除外して、対象は……」

海未（今ベガルタで破壊しようとした二枚はアーティファクトと見て間違いない、モラルタも確定で含まれているはずです。触らないのが賢明）

海未「……プレアデスです」

花陽（プレアデスですって微妙に言いにくそう……）

真姫「チェーンして、プレアデスでダムドを戻すわ」

穂乃果「あれあれ、なんで出たときに戻さなかったの？」

にこ「墓地の闇属性が減るのを待ったんでしょ……」

海未「ケルキオン召喚。ヘリオロープを除外して、オピオンを対象。デッキに戻します」

ことり「手札に戻らないオピオンをわざわざ回収するということは……」

凛「手札にヴェルズがいるんだにゃー」

海未「サンダーバード追加召喚。2体でアタックします」

真姫ライフ：8000→4750

海未「メイン2オピオン」

花陽「わっ、また出てきた……」

海未（汎発感染2枚、侵食感染1枚でデッキの感染源は全て使い切ってしまいましたから……サーチは出来ませんね）

海未「エンドです」

真姫場：伏せ2
真姫手札：1
真姫ライフ：4750
海未場：オピオン
海未手札：3
海未ライフ：4300

絵里「真姫のリソースは恐らくアーティファクトのみ、それもオピオンの抑えで機能停止した状態……相当厳しいわね」

希「流石に勝負あったかなあ」

真姫（私の手札には今は役に立たないオネストしかない。このドローに賭ける）

真姫「ドロー……うーん、ブラックホール。エンド」

花陽「わ、真姫ちゃんすごい」

凛「ところがそうでもないのにゃ」

花陽「どうして？」

凛「海未ちゃんの手札には……」

海未「ドロー。ケルキオン、ヘリオロープ、オピオンで墓地闇3、ダムド特殊です」

凛「プレアデスで戻ってきたダムドが控えているのにゃー」

海未「更にヘリオロープを召喚」

真姫（いくら伏せがあるとはいえ、ダムド効果で破壊するようなミスはしないか……）

海未「2体でアタックです！」

真姫「ｳﾞｪｴｴ」

穂乃果（ヴェルズ・マキチャンかな？）

真姫ライフ：4750→0

海未WIN

希「やっぱりアーティファクトにもオピオンがよく効くんやね」

海未「先行オピオンを返してみせたのは見事でしたが」

真姫「流石に二回は返らないわよ」

ことり「神智を引き出したダムドの功績も大きいよね。IF環境で弾圧探知機と言われただけのことはあるかも」

凛（始めて一週間だったはずじゃ……）

花陽「うう、怖いカードが多かった……」

絵里「ヴェルズは一、二を争うレベルで可愛くないデッキかもね」

間違えた
墓地にいるのはケルキオン、サンダーバード、オピオンだった

にこ「これで一通り終わったかしら」

○　ことり（征竜） VS 花陽（ナチュル）　×
×　にこ（マドルチェ） VS 希（ライトロード）　○
○　絵里（ガジェット） VS 凛（ガエル帝）　×
×　真姫（アーティファクト） VS 海未（ヴェルズ）　○

希「なんだかんだ群雄割拠な感じやん」

凛「穂乃果ちゃんのデッキが気になるにゃ」

穂乃果「へへ、まだ秘密だよー」

海未（一年生が全滅しているのは何かこう、申し訳ないですね……）

にこ「さて、最初に言った通り人数の都合でじゃんけんで一人には抜けてもらうわ」

勝ち残った4人が向かい合う刹那、探るように視線が交錯する

ことり・希・絵里・海未（この中で一番強そうなのは……）

ことり（希ちゃん）

希（ことりちゃんかなあ）

絵里（って、皆強くない？）

海未（希です）

ことり（強運でライトロードを回されたらたとえ征竜でも勝つのは難しい……）

希（うちは占いで培ったスピリチュアルなカード力で戦うだけやん）

絵里（もうちょっとこう、初心者っぽい大会になると思ってたんだけど）

海未（ライロ征竜の地力をもってすればいつでも轢き殺されると言っても過言ではありませんからね）

4人「最初はグー……」

その時……ことりと海未が密かに目配せするのに気づいた者はいなかった

たとえ穂乃果を狙う恋敵同士であろうと、この二人もまた幼馴染みなのだ

協調するタイミング、敵対するタイミング……お互いのことは熟知している

そして今は手を協調すべきタイミング、ただそれだけのこと

ことりと海未が動いたのは4人が手を出すまさにその瞬間

ことり・海未「負けたもん勝ち！」

他「！？」

ことり　グー
海未　グー
絵里　グー
希　パー

強敵過ぎる希を排除するために2人が選択した戦略　それは希の強運を逆手に取った、負けるが勝ちコールである

希ならじゃんけんではまず負けない、絶対に負けない　かつてジャンドが六武のシエンを信頼してパペプラをメイン搭載したように2人は希の勝利を信頼した

コールによって勝敗を逆転させようというゴリ押し　何言ってんだこいつらという沈黙が部室を支配する

無言のまま全員の視線が希に集まった　最終的な決定権は希にあると言える状況だが……

希「……まあ、ええんちゃう？うちが優勝してもしたい命令はないし、黒幕とか解説役の方が性に合ってるやん」

凛「にこちゃんも『ジャンケンで決める』とは言ったけど『ジャンケンで負けた人が抜ける』とは言ってないにゃ」

絵里「不公平な決め方ではないわね」

準決勝進出
ことり　海未　絵里　穂乃果

にこ「まあいいわ、また組み合わせはくじびきで」

準決勝対戦表

ことり VS 海未
絵里 VS 穂乃果

ことり「……！」

海未「……」

絵里「仲良くやりましょう、穂乃果」

穂乃果「よろしくねー」

準決勝一回戦　ことり VS 海未

先攻後攻を決めるジャンケンのため、固い表情で対峙することりと海未

先後が勝敗を大きく左右する征竜とヴェルズのマッチングにおいて、このジャンケンは初期手札と同じかそれ以上の意味を持つ

先程のジャンケンこそ手を結んだ2人だが……今回は敵対するタイミング、敵対するジャンケンなのだ

ことり・海未「最初はグー！」

ことり・海未「ジャンケンポイ！！」

ことり　チョキ
海未　パー

ことり「やったっ」

海未「うう……負けました」

ことり「いきます！ドロー」

ことり（抑え込みのイメージが強いヴェルズだけど、征竜の先攻展開に対しても引き次第で一通りの返し＋オピオンを揃えうる）

ことり（動けるうちにオピオンの突破手段を確保しておくのが定石）

ことり「霊廟でガフレと……ブラスターを墓地に置きます」

ことり「墓地のガフレ、手札のタイダルを除外してブラスター蘇生」

海未「どうぞ」

ことり「タイダル効果で、幻水サーチ。幻木幻水を展開、幻木効果でレベルコピー」

海未「ありません」

ことり「フェルグラント特殊召喚。ターンエンド」

絵里「いいスタートね」

希「フェルグラントはヴェルズにとって強敵やからなあ」

真姫「閃スタやドラゴサックと違ってバハムートの返しも効かない、守りと攻めを両立した攻防一体の札ね」

海未「ドロー」

海未（ことり……既に気付いているでしょうが、私がヴェルズを選択したのはことりが征竜で来ると知っていたから）

海未（ことりは秘密で特訓を積んだつもりのようですが、メイド喫茶の店内でやっている以上隠し通せるものではありません）

一度レシピが出回ったデッキのシークレットテクがすぐに普及してしまうのと同じように、伝説のメイド、ミナリンスキーが遊戯王を始めたことは界隈では既に有名な話となっている

海未（ことり……あなたに穂乃果をなんやかんやさせるわけにはいきません）

海未（私があなたを倒して穂乃果を守ってみせます）

海未（あと私も穂乃果になんやかんや命令します！）

海未「カストル召喚。効果でカイトス召喚」

海未「エクシーズ、オピオン」

ことり（フェルグラントが立っているにも関わらずオピオンを出した……）

海未「オピオン効果使います」

ことり（フェルグラントで無効にすることも出来る……けど……）

ことり「チェーン無し、かな」

海未「汎発感染をサーチして、フェルグラントにアタックします」

穂乃果「んん？オピオンの方が攻撃力が低いよ？見間違い？」

花陽「海未ちゃんに限ってそんなことは無いと思うけど……」

にこ「これはアレね。アレよ」

絵里「ええ……」

ことり「……考えます」

ガチでわかってない穂乃果と花陽、及びわかったフリをしているにこを除いた五人は海未の意図を理解していた

フェルグラントを返しながらオピオンを擁立する手段、すなわちコンバットトリックを海未は引き当てているのだ

凛（凛ちゃんのよくわかる解説！）

凛（一見無敵の耐性を誇るフェルグラントだけど、実はダメージステップに発動出来る収縮や禁じられた系のコンバットトリックで倒すことが出来るのにゃ）

凛（フェルグラントの効果はダメージステップには発動出来ないので、ダメージステップに入ってからコンバットトリックを使えばいいだけ）

凛（もしフェルグラント側がそれを警戒してダメージステップ前に効果を使った場合でも、フェルグラント効果にチェーンしてコンバットトリックを使えば）

凛（逆順処理でコンバットトリックは無効にされないのにゃ～）

ことり（とりあえず……）

ことり「虹クリボー効果は？」

海未「……」

海未（明らかに汎発感染を誘っていますね……）

海未（私の手札に汎発感染はサーチした一枚しかない……ここで汎発感染を発動した場合、次ターン以降の罠がオピオンに直撃する裏目がありますが）

海未（もし既に脱出装置や激流葬を引いていたらセットしているのが自然。それに、ここでストップしたとしてフェルグラントが残っては勝ち目が無い）

海未「汎発感染です」

ことり「いいよ」

海未「ダメージステップまでは」

絵里（オピオンの効果をスルーした今、ことりにはブラスターにフェルグラント効果を使うか、使わないかの選択肢がある）

穂乃果「なんで虹クリボーが汎発感染で無効になるの？」

にこ「装備魔法になるからじゃない？」

真姫「正解よ、にこ」

絵里（使う場合はブラスターが場に残るからオピオンへの突破手段を一つ確保出来るけど）

絵里（手札に戻らなくなるので破壊効果の線は消えてしまい、ブラスターが墓地へ行った場合は裏目になる……）

ことり（月、脱出、警告、宣告、奈落、幽閉、いずれも影響無しか食らって有利。この局面ならブラスターは間違いなく固定）

ことり「フェルグラント効果。対象ブラスター」

海未「いいですよ、ダメージステップ。聖槍対象フェルグラント」

ことり「通るよ」

ことりライフ：8000→7450

海未「2枚セット、ターンエンドです」

ことり場：ブラスター
ことり手札：2
ことりライフ：7450
海未場：オピオン　2伏せ
海未手札：1
海未ライフ：8000

希「切り替わったなあ」

絵里「ええ、征竜の場から、1ターンで一気にヴェルズの場に」

ことり「ドロー、メイン、バトル。ブラスターアタック」

海未「ダメージステップ、聖衣です」

ことり（うーん、ブラスターは墓地に行っちゃうから、ちょっと裏目引いたかも……）

ことりライフ：7450→7100

ことり（でも、これで残りの伏せは一枚！）

ことり「メイン2、黄金櫃でテンペスト」

ことり「デブリドラゴンを回収」

真姫「仕掛けに来たわね」

ことり「デブリ召喚、効果で幻木を蘇生して、エクシーズArkKnight」

海未「神の警告を発動します」

海未：8000→6000

希「持ってるなー」

絵里「征竜側のオピオンに対する主要な除去はブラスターかデブリからの4エクシーズ、本当きっちり捌いてるわね」

ことり「ううー……ターンエンド」

ことり（ことごとく解答を持たれてる……アクションが通らない）

ことり場：虹クリボー（装備）
ことり手札：2
ことりライフ：7100
海未場：オピオン
海未手札：1
海未ライフ：6000

花陽「ことりちゃんのライフがどんどん減っていっちゃう……」

凛「虹クリボーの効果は復活してるし、まだ結構保つとは思うにゃ」

にこ「オピオンしかいない海未の方も割ときわどいんじゃないの？」

海未「ドローします」

海未「！ラビット召喚」

真姫「ここからライフが取れるカードを引いてくるあたり、海未も大概引きが強いわね」

希「ラビットでもケルキオンでも良かったし、このくらいなら結構あるんちゃう？」

凛（……それでも十分低い確率だにゃー）

海未「効果発動、ヘリオロープ2体でアタックします」

ことり「やーん」

ことりライフ：7100→3200

海未「メイン2、ヘリオロープ2体でマスターキービートル」

海未「効果でオピオンを対象にして、ターンエンドです」

真姫「堅いわね、相当」

凛「デッキは持ち主に似るのにゃ」

ことり場：虹クリボー（装備）
ことり手札：2
ことりライフ：3200
海未場：オピオン　マスターキー
海未手札：1
海未ライフ：6000

ことり（ヴェルズモンスター単騎のビートを考えて4ターンくらいは保つと思ってたけど、一気に猶予が無くなった……）

ことり「ドロー」

ことり（ドローはGか……これで手札はG、コルセスカ、ガフレ……うう、今使えないカードだらけ）

ことり（マスターキーがいるから残りライフは実質700……どれかを伏せないとライフが危ない）

ことり「……モンスターを一枚セット、ターンエンド」

ことり場：虹クリボー（装備）、裏守備1枚
ことり手札：2
ことりライフ：3200
海未場：オピオン　マスターキー
海未手札：1
海未ライフ：6000

絵里「いよいよオピオンを巡るトップ勝負の様相を呈してきたわ」

穂乃果「ことりちゃんのライフが切れるのが早いか、海未ちゃんのオピオンが倒されるのが早いかだね」

海未「ドロー、サンダーバードを召喚。マスターキーからアタックします」

ことり「ガードオブフレムベルだよ」

ことり（マスターキーがオピオンを守っている以上、ブラスターでは解決出来ないから……仕方ないかな）

海未「サンダーバードでダイレクトアタック」

ことりライフ：3200→1550

海未「ターンエンドです」

ことり場：虹クリボー（装備）
ことり手札：2
ことりライフ：1550
海未場：オピオン　マスターキー　サンダーバード
海未手札：1
海未ライフ：6000

ことり「ドロー、スタンバイでテンペストを回収」

ことり（これが残された最終ターン）

ことり（これからのアクションと……次ターンが本当の分水嶺）

ことり「テンペストコルセスカを捨ててレドックスを回収」

ことり「レドックスGを捨てて蘇生効果」

にこ「オピオンがいるのに蘇生出来るモンスターなんてほとんどいないじゃない。壁を置きたいだけかしら」

凛「ところが！序盤に葬られた強力モンスターが墓地に眠っているのにゃ」

ことり「対象、フェルグラント」

海未「！」

絵里「すっかり忘れてたわ」

穂乃果「オピオンの効果はエクシーズモンスターには適用されないんだね！」

海未「……チェーンしてサンダーバードを効果で除外します」

ことり「フェルグラント特殊召喚、マスターキーにアタックだよ」

海未「マスターキーの効果は発動しません。このまま墓地へ」

海未ライフ：6000→5700

ことり「ターンエンド」

ことり場：虹クリボー（装備）、フェルグラント
ことり手札：1
ことりライフ：1550
海未場：オピオン　サンダーバード
海未手札：1
海未ライフ：5700

真姫「ここに来て再びのフェルグラントね」

希「ヴェルズ側としては倒すだけでもそれなりに手間やし……わからなくなってきたやん」

海未「ドロー」

海未（ドローはアザトホース、セットしても……多分表になる前に除去されてしまいますね）

海未（それよりは勝負を決めに行きます）

海未「アザトホース召喚」

花陽「うぇ……」

真姫「アザトホースのイラストはヴェルズの中でもかなりキツイわよね」

海未「サンダーバードとアザトホースでエクシーズ、ハートランドラコ」

海未「ハートランドラコの効果を発動します」

絵里「ことりの手札の一枚がハンドトラップでさえなければ……」

凛「通れば海未ちゃんの勝ちにゃ」

ことり「エフェクト・ヴェーラー！」

海未「引いていましたか……」

ことり「ふふ」

海未「……ターンエンドです」

ことり場：虹クリボー（装備）、フェルグラント
ことり手札：0
ことりライフ：1550
海未場：オピオン　ハートランドラコ
海未手札：1
海未ライフ：5700

ことり「ドロー、フェルグラントでオピオンにアタック」

海未ライフ：5700→5450

絵里「オピオンの抑えが外れてようやく竜が動ける状態になったわ」

希「遂にって感じやね」

真姫「墓地リソースも多いし……逆転かしら」

ことり「メインフェイズ2。レドックス効果、幻水とGを除外して特殊召喚」

ことり「テンペスト効果、デブリとコルセスカを除外して特殊召喚」

ことり「エクシーズ、ドラゴサック。レドックスを外してトークンを2体……」

海未「エフェクト・ヴェーラーです」

ことり「！」

凛「海未ちゃんも持ってたにゃ」

希「もうバトルは終了しているから、ドラゴサックでハートランドラコが除去出来へんとなると……」

穂乃果「ハートランドラコが場に残れば次のターンに海未ちゃんの勝ちだね」

絵里「穂乃果、さっきから突っ込んでくるようになったわね」

穂乃果「穂乃果にもわかってきたよ！」

絵里「えらいえらい」

穂乃果「へへ～」

海未（さっきのターン、ゲームセットに持ち込めるという意味ではArkKnightとハートランドラコの二択でした）

海未（ハートランドラコは万が一仕掛けが止められた場合にも虹クリボーをケアして勝ち手段を持ち越せるのが大きいのです）

海未（攻め手がドラゴサックだけならこれで終わりですが、ここで追加があるか無いか……）

ことり「氏者蘇生、対象レドックス」

海未（あった……）

ことり「ブラスター効果、幻木とガフレを除外して特殊召喚」

ことり「エクシーズ、ビッグアイ。ブラスターを外してコントロール奪取だよ」

海未「……通ります」

ことり「ターンエンド」

ことり場：フェルグラント　ドラゴサック　ビッグアイ　ハートランドラコ
ことり手札：0
ことりライフ：1550
海未場：無し
海未手札：0
海未ライフ：5700

にこ「全く、よく並ぶわね」

海未（手札も場も無し、ドローがケルキオンならビュートでごまかすことも出来なくはないですが……）

海未（墓地には虹クリボーがいて相手は竜を動かせる状態となると相当分が悪いですね）

海未「ドロー」

海未（ヴェルズ・マンドラゴ）

海未「……負けました」

ことり「やったー！」

ことりWIN

にこ「ことりちゃん、決勝進出ね」

凛「熱い勝負だったにゃ」

希「なんだかんだ櫃が強いなあ」

穂乃果「一枚で二回分の攻撃になったんだね」

海未「うう……絵里、穂乃果（の貞操）を頼みましたよ」

絵里「え……何よいきなり……」

準決勝二回戦　絵里 VS 穂乃果

先攻は穂乃果

穂乃果「いくよー、ドロー！よし……先史遺産！ネブラディスク召喚」

ことり「……先史遺産！？」

真姫「意外にもというか順当にというか……」

穂乃果「へへー、なんかねー、遊戯王始めたんだーって言ったらファンのお客さんから貰っちゃった」

にこ「パーツはかなり安いしわからなくはないけど」

凛（穂乃果ちゃんも貢がせ勢とは隅に置けないにゃー）

穂乃果「クリスタルスカルをデッキから持ってきて……捨てて……ネブラディスク！」

海未「比較的単純な構造ですし、征竜やアーティファクトに比べれば初心者に向いたデッキではありますね」

花陽（全員初心者じゃなかったっけ……）

穂乃果「2枚伏せて、ターンエンド！もー、やーっと穂乃果も参加出来るよー」

にこ「シードとはいえ、初対戦が遅くなったからね」

希「特に海未ちゃんとことりちゃんはもう二回も対戦してるもんなあ」

絵里「いくわよ、私のターン、ドロー」

絵里「レッドガジェット召喚、イ工口ーガジェットをサーチ」

絵里「二重召喚から、エクシーズギアギガントクロス」

穂乃果「まった！奈落の落とし穴！」

絵里「……禁じられた聖槍ね」

穂乃果「あちゃー、さっきと同じで、逆順処理……で、奈落が無効だよね」

絵里「ええ、効果でブリキンギョをサーチして、1枚セット。ターンエンドよ」

穂乃果「エンドフェイズにサイクロン！」

絵里「！」

絵里（穂乃果……エンドサイクというプレイングを『理解』しているッ！）

ことり（穂乃果ちゃんはさっきからちょくちょくスマホを見て勉強していた）

ことり（参加が遅くなったせいで五回分の観戦という経験を積んだのも大きい）

海未（穂乃果がガチ初心者というのは本当でしょう）

海未（しかし、持ち前の理解の早さと何気に初手にネブラディスクを引き込む主人公力）

海未（これは一筋縄ではいかないかもしれません）

穂乃果「セットカードは発動出来ずに墓地に送られる……だよね？」

絵里「……ええ、強制脱出装置はこのまま墓地へ送られるわ。ドローしていいわよ」

凛「お互いに手札を増やし合ってて……」

真姫「中々カードが減らないにゃ」

花陽「真姫ちゃん……」

真姫「なによ！」

にこ（赤くなってる……）

絵里場：クロス
絵里手札：4
穂乃果場：ネブラ
穂乃果手札：4

穂乃果「ドロー、ネブラディスク召喚、効果でピラミッド・アイ・タブレットを持ってくるよ」

穂乃果「発動して、攻撃力2600のネブラディスク2体で攻撃。ギアギガントクロスを破壊して、ダイレクトアタック」

絵里ライフ：8000→5100

希「ネブラディスク1枚から2アドバンテージと5200火力、相変わらず凄いパワーやね」

穂乃果「ターンエンド！」

絵里「ドロー、メイン」

絵里「グリーンガジェットを召喚、レッドガジェットをサーチして……レドックスでそのまま特殊召喚」

ことり（構造上、ガジェットが後続のブリキを確保しながら確保出来る打点は2300まで）

ことり（タブレットを張った先史遺産の2600打点でのビートに対抗するには毎ターンブリキや二重を消費する必要があった）

海未（ランク4でタブレットに直接触ることの出来るカードは効率の悪いダイヤウルフくらいしか無いし……）

海未（マエストロークやビュートで誤魔化すしかなかったのです）

凛（でも全部過去形、過去の話なんだにゃー）

絵里「エクシーズ召喚、神葬零嬢ラグナ・ゼロ」

絵里「バトルフェイズ、ラグナ・ゼロ効果でネブラディスクを破壊、1枚ドローするわ」

凛（何故か誘発即時で2アドの除去を撃ち続けられるラグナ・ゼロが登場するまでの話……）

凛（条件さえ合えば2回で4アドは稼げる超パワーカードにゃ）

絵里「1枚伏せてターンエンド」

絵里場：ラグナ・ゼロ　伏せ1枚
絵里手札：3
絵里ライフ：5100
穂乃果場：ネブラ　タブレット
穂乃果手札：4
穂乃果ライフ：8000

穂乃果「ドロー」

穂乃果（うーん、何か出しても破壊されちゃうけど……素材を無くさせればいいだけだよね）

穂乃果「場のネブラディスクで攻撃！」

絵里「次元幽閉よ」

穂乃果「うー……」

真姫「罠を防御に回してラグナ・ゼロの素材を守ったわけね」

海未「ええ、素材を残すことで次の召喚に対しても睨みを効かせた状態になっています」

穂乃果「……1枚伏せて、ターンエンドだよ」

絵里「ドロー」

絵里（よし、2本目の聖槍を引いた……これで激流を気にせずに畳みかけられる）

絵里「ブリキンギョからイ工口ー、グリーンをサーチ」

にこ「本当に毎ターンランク4が出るわね」

凛「基本はクロスとブリキを繰り返すだけだからにゃー」

絵里（ガジェットがダブってきたし、そろそろフォートレスを使ったライフレースにも持ち込めるはず）

絵里「エクシーズクロス、ギアフレームをサーチ。2体で攻撃」

穂乃果「だはー」

穂乃果ライフ：8000→3300

絵里「1枚伏せて、ターンエンドよ」

絵里場：クロス　ラグナゼロ　伏せ2
絵里手札：3
絵里ライフ：5100
穂乃果場：タブレット　伏せ1
穂乃果手札：4
穂乃果ライフ：3300

穂乃果（ううーん……クロスを残したら手札が増え続けるからマズい気がするけど……）

穂乃果（伏せはあるしラグナ・ゼロもいるし……）

ことり（もう穂乃果ちゃんのライフは大体攻撃2回分くらいしか残ってない）

ことり（しかも絵里ちゃんの墓地にはレドックスが落ちているから、次ターンにはフォートレス絡みの7エクシーズも有り得る）

ことり（決着は近い……）

穂乃果「うーん……」

穂乃果（！あれ……ひょっとして、いける？）

穂乃果「クリスタル・ボーンを手札から守備表示で特殊召喚」

絵里（気付いたかしら、穂乃果）

絵里（ラグナ・ゼロは攻撃表示のモンスターしか対象に出来ないから……ボーン守備スカル守備からのゴルゴニック・ガーディアンで突破出来る）

絵里（でも……）

絵里「神の警告で無効にするわ」

絵里ライフ：5100→3100

穂乃果「よし、セットカード発動！残った伏せをサイクロンするよ」

絵里「聖槍が破壊されるわ」

穂乃果「じゃあじゃあ、手札からクリスタル・ボーン特殊召喚。守備表示」

絵里「二枚目……！」

凛「クリスタル・ボーンにターン1付いてないのって、やたらと付けたがる今にしてはかなり珍しい気がするにゃ」

真姫「登場当初はこんなに強力になるとは誰も思ってなかったわよ」

花陽（一週間……）

穂乃果「クリスタル・スカルを守備表示で特殊召喚して、ゴルゴニック・ガーディアン、効果！対象はラグナ・ゼロ」

絵里「ラグナ・ゼロの効果は無効になるわ」

絵里（ゴルゴニックが通ったのは痛いけど……まだクロスも立ってるし、ライフ的には保つはず）

穂乃果「よーし、ゴルゴニック効果でラグナゼロを破壊！ゴールデンシャトルを召喚して、バトルフェイズ」

絵里（いや……ちょっとちょっと、わざわざ攻撃力がクロスに届かないゴールデンシャトルを召喚したということは……！）

凛（勝負ありかにゃー）

穂乃果「ゴールデンシャトルでクロスに攻撃」

穂乃果「ダメージ計算時」

穂乃果「オネスト」

絵里「うぐっ……」

穂乃果「ゴルゴニックでダイレクトアタック！」

絵里ライフ：3100→0

穂乃果WIN

絵里「……負けたわ」

穂乃果「へへー、オネストって強いよねー」

真姫「ネブラの削りも効いていた感じがするわ」

凛「ネブラディスクのビートも強いけど……マシュマックも込みでワンチャンスから削るスピードはかなり早いにゃ」

海未（ボーンがラグナ・ゼロを越えられることに気付くまでに時間がかかったのはやはり初心者故でしょうが……）

海未（2伏せとラグナ・ゼロを超えて二段構えで削りを敢行するあたりはセンスを感じます）

海未（恐らくこのままでもことりといい勝負が出来るでしょうが……）

海未（…………）

にこ「これで穂乃果ちゃんが決勝進出ね」

真姫「征竜対先史遺産、か……」

にこ「μ's対アライズみたいなものね」

凛「うん……？ん、んー……」

花陽「そ、そうだね……」

穂乃果「ことりちゃん、征竜のページ読むから5分待ってて！」

ことり（勝ったら穂乃果ちゃんにちゅんちゅんするとして……負けたら穂乃果ちゃんにちゅんちゅんされるから）

ことり（ひょっとして勝っても負けてもいい……？）

海未「いや、その理屈はおかしいですよ」

ことり「応援してくれる海未ちゃんのためにも、ことり頑張る！」

海未「応援していませんが……」

決勝戦　ことり VS 穂乃果

先攻はことり

ことり「ドロー」

ことり（動かせるドラゴンは霊廟とテンペストのみ）

ことり（カーガンで色を増やしにいくことも出来るけど……殴り返しにも使えるし、それよりは伏せが無いうちに大型モンスターを着地させておきたいかも）

ことり「霊廟。ガフレと……レドックスを墓地へ」

ことり「レドックスガフレを除外して、テンペスト特殊召喚。レドックスでレドックスサーチ」

穂乃果「いいよー」

ことり「ガフレ召喚、シンクロで閃光竜。1枚伏せてターンエンド」

真姫「閃光竜は縦なのね」

絵里「オーパーツはどうせ後攻でArkKnightを出せないし、別にいいんじゃないかしら」

ことり（相手が先史遺産なら先攻でスクドラを出す手もあるけど……幻水と合わせて詰めに行くときに使いたいかもしれないし、積極的に弾に出来るカードがあんまりない）

穂乃果「ドロー」

穂乃果（うーん、ネブラ・ディスクが無いなあ……）

穂乃果「カードカーD、召喚だよ」

穂乃果「2枚カードを伏せて……カードカーD、2枚ドロー、ターンエンド」

ことり場：閃スタ　1伏せ
ことり手札：3
穂乃果場：2伏せ
穂乃果手札：5

ことり「ドロー」

ことり「カードガンナー召喚、効果」

カーガン落ち：G、コルセスカ、脱出装置

にこ「征竜が落ちないわね」

絵里「まあ、多くても征竜は今デッキに5枚しかないから……」

凛「コストが1回分溜まったのは悪くないと思うにゃ」

ことり（コストで征竜2回分のコストが溜まったからランク7を出せる）

ことり（閃スタで奈落はケア出来る状態だし、ネブラディスクで動かれる前に決着を付けたい！）

ことり「渓谷発動、レドックスを捨ててタイダルを墓地へ」

ことり「レドックス効果、コルセスカとGを除外して蘇生」

穂乃果「いいよー」

ことり（反応無し……）

ことり「タイダル効果、ガフレとテンペストを除外して蘇生。テンペスト効果発動」

穂乃果「激流葬！」

ことり「！」

絵里「上手いわね、この激流葬」

真姫「ええ、レドックスをスルーしてタイダル効果まで待ったおかげで墓地リソースを余分に削れたわ」

穂乃果「へへ、海未ちゃんに教えてもらったんだー」

ことり「……！」

穂乃果の後ろで観戦している海未と、ことりの視線がバチリと合う

海未（敗退したからといって私に出来ることが無くなったわけではありません）

それは決勝が始まる二分前

穂乃果がスマホで征竜について勉強していたときに遡る

～～回想始め～～

海未「征竜のことはちゃんとわかりましたか？穂乃果」

穂乃果「うん？大丈夫だよ、墓地にドラゴンを溜めてそれを出すデッキ……だよね」

海未「ええ。ここで穂乃果にひとつアドバイスです」

穂乃果「なになに！？」

海未「墓地からカードを除外するために、一見コストには不自由しないように見える征竜ですが……」

海未「出したらすぐに手札に戻ってしまう効果を持っているせいで、そのままではすぐにコストが無くなってしてしまいます」

穂乃果「たしかに……」

海未「そこで！チューナーか同じレベルのカードを足してシンクロかエクシーズをすることで場にモンスターを残していくわけですね」

穂乃果「ふむふむ……つまり？」

海未「つまり、征竜が出るということは9割9分、征竜がもう一体とか……チューナーか何かも出るということです」

海未「それを覚えておくとうまく戦えると思いますよ」

穂乃果「なるほど！ありがとー海未ちゃん～」

～～回想終わり～～

海未（穂乃果のことですから、私が言わなくてもわかっていたような気はしますけど）

ことり（でも元手はカーガンのコストだし……それほど大きく損したわけではないはず）

ことり「閃光竜効果で、閃光竜を守ります。テンペストでテンペストサーチ、カーガン効果で1枚ドロー」

ことり「バトル。閃光竜で攻撃」

穂乃果「次元幽閉！」

ことり「うう……」

にこ「激流葬から次元幽閉でことりちゃんのモンスターがいなくなったわ」

絵里「ひとまず白紙に戻った感じかしら」

ことり「うー、ターンエンド」

ことり場：渓谷　1伏せ
ことり手札：3
穂乃果場：無し
穂乃果手札：5

穂乃果「ドローして……サイクロン。対象はセットカード」

ことり「奈落の落とし穴が破壊されます」

穂乃果「よーし、ネブラディスク召喚！」

凛「おお、奈落を破壊出来たのは大きいにゃ」

希「ネブラディスクが奈落の落とし穴に引っかかってしまうと」

希「クリスタルスカルが発動出来なくなって、ネブラディスクの連鎖が途切れてしまうんやね」

真姫「特に最初に出したネブラディスクが奈落にかかるとスカルが墓地に落とせなくなるから……」

真姫「ボーンもうまく使えなくなってしまって被害は大きいわ」

穂乃果「効果で……先史遺産都市バビロンをサーチ」

絵里「バビロー」

花陽（ハラショー？）

穂乃果「ネブラディスクで攻撃！」

ことりライフ：8000→6200

穂乃果「メインフェイズ2、バビロンを発動」

ことり「渓谷は張り替えられて墓地だね」

にこ「アイドル業界もね、新規が現れては古参が退くの繰り返しよ」

凛（マスタールール3が施行されれば皆仲良くやっていけるようになるのかにゃー）

穂乃果「クリスタル・スカルでネブラディスクをサーチして、ターンエンド」

ことり場：無し
ことり手札：3
ことりライフ：6200
穂乃果場：ネブラ　バビロン
穂乃果手札：4

ことり「ドロー」

ことり（よし、異次元からの埋葬！）

ことり（埋葬があれば征竜をいつでも引き戻せるから、竜を消費しながら動ける）

ことり「テンペスト効果、レドックスとタイダルを除外」

ことり「幻木、幻水をサーチ。展開してレベルコピー、フェルグラント」

海未（危ないところでしたね）

海未（渓谷が生きていてブラスターに触れるようであればエネアードからゲームが終わっていた可能性が高いです）

ことり「バトル。テンペストでアタック」

穂乃果「ダメージステップ」

ことり「！」

ことり「……考えます」

ことり（伏せカードの無い今、穂乃果ちゃんのダメージステップ宣言は『私はオネストを持っています』という主張に等しい……）

ことり（問題はこれがブラフかどうか）

ことり（一応オネストはフェルグラントでケアすることが出来るけど、そのケアに意味があるのは穂乃果ちゃんが本当にオネストを持っていればの話で……）

ことり（穂乃果ちゃんがオネストを持っていなかった場合は、幻影のオネストに屈してフェルグラントの素材を一つ無駄に消費することになる）

ことり（フェルグラントの効果は二回しか使えない、そのうちの一回を無駄に払い出すのはそれなりに大きい出費）

ことりは穂乃果の顔色を伺おうとするが、穂乃果はことりに曖昧な笑顔を向けるだけで真意は全く読み取れない

もはや穂乃果は初心者ではなく、虚実を巧みに使い分ける一人のプレイヤーとしてことりの前に立ちふさがっていた

ことり（幸いなのは今攻撃しているのがテンペストだということ……）

ことり（ネブラディスクが場に残ってしまうのは気になるけど、仮にオネストで倒されてもそれほど被害は大きくない）

ことり（いや、そんなことより……私は穂乃果ちゃんが『オネストを持っていない』と『判断』するッ！）

ことり「どうぞ、ダメージステップまで」

穂乃果「オネスト。」

ことりライフ：6200→4400

ことり「2枚伏せてターンエンド……」

真姫「ことりがアルパカに水をやろうとしたら唾を吐きかけられたときのような顔をしている……」

凛「幼馴染みの心中を見抜けなかったショックは大きいのにゃー」

ことり場：フェルグラント
ことり手札：1
ことりライフ：4400
穂乃果場：ネブラ　バビロン
穂乃果手札：3
穂乃果ライフ：8000

穂乃果「いくよー、ドロー」

穂乃果「ネブラディスク召喚。効果発動」

ことり（ネブラディスクが2体並んだ……ということは、フォーク＝ヒュークでフェルグラントが突破されてしまうから……）

ことり「激流葬、チェーンでフェルグラント効果対象フェルグラント」

穂乃果「いいよ、クリスタル・ボーンをサーチ」

穂乃果（フェルグラントは既に効果を受けない状態になっているからゴルゴニックでは倒せないけど……）

穂乃果（ゴルゴニックは相手ターンにも効果を使えるし、出しておいた方がいいはず）

穂乃果「クリスタル・ボーン特殊召喚、効果発動するよ」

ことり「よし、チェーンして増殖するG」

凛「やっぱりこのタイミングだにゃー」

真姫「クリスタル・ボーン特殊召喚時は、オーパーツ相手にいい感じにGを使えるタイミングの一つね」

穂乃果「むむ……それでもゴルゴニック・ガーディアンをエクシーズ召喚」

ことり「2枚ドローしておきます」

穂乃果「ターンエンド」

ことり場：フェルグラント
ことり手札：2
ことりライフ：4400
穂乃果場：バビロン　ゴルゴニック
穂乃果手札：2
穂乃果ライフ：8000

ことり「ドロー」

ことり（Gで引いた虹クリボーと宝刀、そしてドローした櫃……強力なカードたちだけど、このターンの動きを強くするカードではない）

ことり（さて、ゴルゴニック・ガーディアンを突破する手段は主に2つ）

ことり（一つは、連続攻撃でゴリ押していくこと）

ことり（ギガンテックで叩くのがベストだけど……もう1チューナーを持ってくる手段が無い）

ことり（もう一つは、メインフェイズでゴルゴニック・ガーディアンの効果を使わせて更にフェルグラントで無効にすること）

ことり（でもどうせこのターン中には倒せないだろうから、フェルグラントの効果はなるべく使わずにとっておきたい……）

ことり（特にゴルゴニックをビッグアイで奪うプランは魅力的だけど、万が一のブラックホールを考えるとボツ）

ことり（もちろん、とりあえずゴルゴニックに安い除去を向けて……ゴルゴニックの反応をフェルグラントで無効にしないのもアリ……）

ことり（…………）

ことり「……異次元からの埋葬。レドックス、タイダル、テンペスト」

真姫「！これは、大きく動いてくるわね」

にこ「ええ……アイドルで言えば昭和後期、激動の時代よ」

ことり「幻水テンペストを除外してタイダル特殊召喚、デブリドラゴンをサーチ」

ことり「デブリドラゴン召喚、効果で対象はカードガンナー」

穂乃果（カードガンナーの効果は怖いけど……ここでゴルゴニックの効果を使うと多分ビッグアイで奪われてしまう……）

穂乃果（今はカードガンナーの落ちが悪いことを祈るしかない）

穂乃果「……チェーンしないよ」

ことり「カードガンナー蘇生、効果！」

ことり（ブラスターが落ちれば決着も見えてくる……お願い！）

カーガン落ち：大嵐、渓谷、ヴェーラー

真姫「ま、デッキの竜も少ないしこんなもんよね」

ことり（うー、月華竜とかエンシェントフェアリーも入れておけば良かったなあー……）

ことり「シンクロ、ブラックローズ。効果発動無し」

ことり「G、カーガンを除外してレドックス特殊召喚」

ことり場：フェルグラント　ブラックローズ　レドックス　タイダル

ことり「バトルフェイズ。レドックスでアタック」

穂乃果「ダメージステップ、レドックスを対象にゴルゴニック効果」

ことりライフ：4400→2800

ことり「フェルグラント、タイダル、ブラックローズでアタック」

穂乃果ライフ：8000→1800

絵里「ゴルゴニックが破壊されて……一気にライフも即氏圏内まで落ち込んだわ」

凛「閻魔やスクラップで除去しながらゲームが終わるラインだにゃ」

ことり「メイン2、タイダルとブラックローズでドラゴサック。効果でトークン生成、バビロンを破壊して……黄金櫃発動」

ことり「ブラスター除外、ブラスターサーチ。ターンエンド」

ことり場：フェルグラント　ドラゴサック　トークン
ことり手札：3
ことりライフ：2800
穂乃果場：無し
穂乃果手札：3
穂乃果ライフ：1800

真姫「うまい形で返しきったわね」

絵里「返しを止めるフェルグラントに攻めを通すドラゴサックが並んでいるわ」

ことり（しかも手札には攻撃を止める虹クリボーもあるし、次ターンには4色と宝刀から一気に攻められる状態）

ことり（盤石と言っていい布陣のはず……）

穂乃果「……ドロー」

穂乃果（ラグナ・ゼロのときと同じで……結局問題なのは、あのフェルグラントだけ……）

穂乃果（どうやってすり抜けて2800ダメージを取るか……）

穂乃果（よし）

穂乃果「クリスタル・ボーン特殊召喚。効果発動」

ことり（虹クリボーがあるとはいえ……やっぱりゴルゴニック・ガーディアンは出させない方がいい）

ことり「フェルグラント効果、対象クリスタル・ボーン」

穂乃果「……通るよ」

絵里「これでクリスタル・ボーンだけが場に浮く形になったわ」

海未「さっきのようにボーンを連打してゴルゴニックを通すことは出来ないですね」

穂乃果「やっぱりフェルグラントはここに来るんだよね、ことりちゃん」

穂乃果「ゴールデンシャトルを召喚、そして先史遺産都市バビロンを発動」

ことり「二枚目のバビロン……」

穂乃果「バビロン効果でボーンを除外してスカルを特殊召喚、ネブラディスクも墓地から特殊召喚」

穂乃果「ゴールデンシャトル効果。全てのモンスターのレベルを一つ上げるよ」

穂乃果「エクシーズ、スカル×ボーンでフォーク＝ヒューク、シャトル×ネブラでマシュ＝マック」

穂乃果「フォーク＝ヒューク効果でフェルグラントの攻撃力を0に」

穂乃果「そして……マシュ＝マック効果」

ことりライフ：2800→0

穂乃果WIN

ことり「…………」

穂乃果「マシュ＝マックで、勝ちなんだけど……」

にこ「あ、うん、勝ちね」

凛「おめでとうにゃ～」

凛（バーンダメージでゲームが終わったときの微妙な雰囲気、なんとかならないかにゃー）

希「一応聞くけど……なんでバビロンが二枚も入ってたん？」

穂乃果「いや……本当に大した理由じゃないんだけど」

穂乃果「雪穂が去年ジャンフェスに行ったときプレミアムパックを買った友達が」

穂乃果「余ったカードを雪穂にくれたらしいんだよね」

穂乃果「で、なんか雪穂も別に要らないからって机に置いといてたのを、あ、これも先史遺産じゃん、って思って」

絵里「持ってきた……と」

穂乃果「えへへ……」

真姫（本当にどうでもいい理由ね……）

にこ（託されたならまだしも勝手に持ってきたあたり、エピソードの完成度が低いわ）

にこ「よし、優勝、穂乃果ちゃん！」

穂乃果「わーい、ありがとー」

海未「まあ、色々あったけど新鮮で面白かったですね」

真姫「ええ」

絵里「これからもたまにやってもいいかもしれないわ」

希「カードも手元にあることやしね」

花陽「花陽ももうちょっと練習してみようかな……」

凛「凛が手伝うにゃー」

ことり「あ、そういえば……」

ことり「穂乃果ちゃん、副賞の命令する権利は？」

穂乃果「実はもう決めてあるんだよねー」












穂乃果「アニメ二期が成功しますよーにっ！」

にこ「いや、それは命令じゃないでしょ……」

おわり

乙
遊戯王の知識は皆無だが面白かった

感動した