1: 2014/02/13(木) 01:14:58.35 ID:0Q89H0Jq0
「あの、バレンタインチョコ、受け取ってくださいっ………!」

「え?あ、ありがとうっ……!」

アカギ「ククク………バレンタインか」

アカギ「男女の愛を誓う記念日に便乗し……食品メーカーがごぞってチョコを売りさばこうとする日、ククク」

アカギ「痩せた考え……それにのけられるあいつらも大間抜け、同情できねえっ」

この時…アカギ13才…この思春期真っ盛りの天才は…食品メーカーの思惑を完全に見透かしていた…!
世の中がバレンタインに毒されている中、唯一人気づいていたっ…!
この行事の奥に潜む悪魔…!悪鬼…!邪鬼…!物の怪の存在にっ…!

5: 2014/02/13(木) 01:21:32.56 ID:0Q89H0Jq0
アカギ「ククク…」スタスタ…

アカギ…バレンタインの日…いつもと変わらぬ様子で登校っ…!

アカギ「…ん……?」

アカギ、自分の下駄箱の隣っ…!見つけるっ…!バレンタインチョコを……!
その下駄箱の男子に対する愛のメッセージっ……!甘いチョコ……!

アカギ「ククク……どうしてもっとスカッと生きねえのかな……」

アカギそのチョコを手にするっ…!通常の非モテならばそこで奪取っ…!横取りっ……!もてない男の醜いひがみっ…!
しかしこの若き天才は…そんなことをする輩からは最も遠いところにいるっ…!

アカギ「ククク……」パキパキパキッ!!

あろう事か砕くっ…………!

10: 2014/02/13(木) 01:26:37.05 ID:0Q89H0Jq0
アカギ「これでいい…無意味な氏…これこそがギャンブル…」
バラバラ…

その場に撒き散らすっ……!その日の気温は29度……確実に溶けるっ…!
掃除の時とても厄介な事になるっ……!
だがアカギは構わないっ……!

アカギ「………」スタスタ

アカギそのまま教室にっ……!

13: 2014/02/13(木) 01:29:38.61 ID:0Q89H0Jq0
ガララララ…

アカギ「……」スタスタ

アカギ「ん…?」

アカギ…自分の机に座った時……天才ゆえに感じるっ……!ある違和感っ……!
そう……!昨日までなかったものが入っているっ……!バレンタインデー…そして机の異物……!
この符号が意味するものは……一つっ………!

アカギ「あらら」

アカギ…GETする……!チョコ……!バレンタインチョコをっ……!

18: 2014/02/13(木) 01:33:47.87 ID:0Q89H0Jq0
アカギ「ククク………」

モブ「おうアカギ、どうせお前もチョコもらえなかったんだろ?くくく…」

モブ「悲しいやつだぜ、くくく…………」

アカギ「なに寝ぼけたこと言ってんだよ………」

モブ「なに?」

アカギ……見せる……チョコをっ……!

モブ「ば、馬鹿な!?てめえ裏切りやがったな!」

モブ「俺たち非モテと同じくもらえないんじゃねえのかよ!くそが!」

モブ「やっちまえーーーー!」

アカギ「ククク……便利だなこれ……特にもてない男の仮面を剥がすのに有効……」

アカギ「こいつの前では皆演技をやめてくれる………」

モブ「うるせええ!」

20: 2014/02/13(木) 01:37:23.07 ID:0Q89H0Jq0
非モテ躍起っ……!集結っ………!アカギを頃すため……!襲いかかるっ……!

アカギ「くく……落ち着けよ」

モブ「なにぃ!?」

アカギ「勘違いするな……くれてやるさ」ドサッ

この時アカギ以外にも無抵抗……チョコをモブの足元に置く……!

モブ「ほーう…話がわかるやつだな」

モブ「まあ逆らっても、強引にねじ伏せてはいたがな…」

アカギ「俺もさ…」

モブ「え?」

ガキイィッ!!

23: 2014/02/13(木) 01:40:45.56 ID:0Q89H0Jq0
モブ「くろぶあああぁぁっ!!?」

膝蹴りっ……!アカギ容赦のない膝蹴りっ………!

モブ「ひいいいっ!?」

「て、てめえぇ!?」

アカギ「ククク…!」シュッ

バキイィッ!!

モブ「ぎゃああぁ!」

モブ「ひいいいいいぃいぃ………!!?」

アカギ「お前は勘弁してやる…その代わりこいつらの後片付けだ…」スタスタ…

モブ「ひいいいいいいいいいいいい」

アカギ「ククク…」

24: 2014/02/13(木) 01:42:11.14 ID:gwfMsLAp0
別室行き決定だな

26: 2014/02/13(木) 01:46:26.87 ID:0Q89H0Jq0
アカギ……非モテを尻目に廊下へ……!

アカギ「……ん?」

石川「アカギ」

アカギ「ククク………どうかしたの?」

石川「うちの組長がお前とニセアカギ、どっちがチョコを沢山もらえたか、どうしても知りたいそうだ」

アカギ「クク……」

アカギ……石川につれられ川田組へっ……!

ガララララ

石川「組長、アカギを連れてきました」

川田組長「おお、アカギ、待っとったぞ……!」

29: 2014/02/13(木) 01:50:32.52 ID:0Q89H0Jq0
ニセアカギ「来たな……アカギ……」

アカギ「クク……」

ニセアカギ「さあ、どちらがチョコを多く貰えたか……勝負といこうじゃないかっ……!」

川田組長「新旧アカギの対決……久々に胸が熱くなるぶつかり合いじゃ」

ニセアカギ「どうした………?俺はこの日のためにワックスを付け……お洒落なサングラスをしたっ…!」

ニセアカギ「女にモテる為に努力して来たんだっ……!お前などに負けるものかっ…!」

アカギ「クク……なるほど…凡夫だ、的が外れてやがるっ……!」

31: 2014/02/13(木) 01:58:07.27 ID:0Q89H0Jq0
ニセアカギ「なにっ……!?」

アカギ「そんなことをすればする程……食品メーカーの思う壺っ……!生贄っ……!食物っ…!」

アカギ「ククク………」

ニセアカギ「貴様っ……!なら勝負だっ……!」

アカギ「待て……お前が自信満々にふっかけて来た勝負だ……何を賭ける事になっても文句は無いな……?」

ニセアカギ「なに?」

アカギ「髪の毛すべてだっ………!」

ニセアカギ「なんだとっ……!?」

ざわ………ざわ………………

アカギっ……!まさに狂気の沙汰っ……!悪魔の誘いっ………!
男にとって最も恐ろしいハゲ………!脱毛っ……!それを強要するっ……!
ハゲになってしまえば……そうっ……!お洒落など意味はないっ……!笑われるだけっ……!
されないっ……!生涯……人間扱いっ…………!

33: 2014/02/13(木) 02:03:23.34 ID:0Q89H0Jq0
ざわざわ………

ニセアカギ「ば……馬鹿なっ……!受けられるわけないだろっ……!」

アカギ「なぜ…?」

ニセアカギ「なぜもくそもないっ……!ハゲになればっ……!おそらく貰えないっ…!生涯チョコなどっ……!」

ニセアカギ「笑われるっ……!道を歩いただけでっ……!負け犬っ……!」

アカギ「クク………それこそがギャンブル……無意味な氏こそ……本質っ……!違うかいっ………!?」

ニセアカギ「タイプが違うんだろ……俺とお前では……」

アカギ「タイプじゃないっ……土俵の問題さっ……お前はチョコを貰っただけでバレンタインデーを知った気になっている……!」

アカギ「勝負師ではないっ……!」

ニセアカギ「きさまっ……!」

川田「まあまて、アカギ」

34: 2014/02/13(木) 02:08:26.08 ID:0Q89H0Jq0
アカギ「?」

川田「お前の言い分…古い人間のワシにはよく分かるっ…しかし今日はなんでもチョコで図る時代じゃ…」

川田「ここにチョコが200ある……アカギが勝てばこのチョコを全て渡そう…馬券を買うようなものじゃ」

アカギ「クク………買いましょう…その馬券……!」

ニセアカギ「勝負だアカギっ……!俺は8個チョコを貰ったっ………!」バッ

ニセアカギっ……!八個っ……!驚愕の八個っ………!一個で万々歳と言われているチョコを八個っ………!
モテ男っ…………!紛う事なきモテ男っ…………!

アカギ「クク……」

36: 2014/02/13(木) 02:13:33.17 ID:0Q89H0Jq0
対するアカギは一個っ…………!話にならないっ………!
一個対八個っ………!勝てないっ…………!このままでは敗北っ……!敗走っ…………!
しかしこの若き天才は………!全く別のストーリーを予想しているっ………!

アカギ「俺は20個だっ…………!」バララッ

ニセアカギ「…!なにっ……………!?」

川田「ほおーーー……」

ニセアカギ「馬鹿なっ……20だとっ………!?なぜ……」

アカギ「クク…………」

アカギの策は単純明快っ…………!買い占めっ………!
学校にくる前………コンビニで購入しておいたのだっ………!チョコをっ…………!
アカギは知っていたっ…………今日の学校のカーストはチョコで決まる事をっ………!
所謂隠し預金っ……………!

38: 2014/02/13(木) 02:19:32.69 ID:0Q89H0Jq0
ニセアカギ「そんなっ………」

アカギ「組長、では遠慮無く………」ガサッ

川田「手間かけたな、アカギ」

アカギっ……!得るっ……!200ものチョコをっ…………!両手では抱えきれない程の甘味っ……!

ガララララ…

キーーーーンコーーーーンカーーーーンコーーーーーン

鳴るっ………!この時始業のベルが……!すなわち授業開始っ………!
生徒は皆……着席を強要されるっ………!

アカギ「ククク………」スタスタ

がっ………!アカギはこれをスルーっ………!一瞥もしないっ……!
まっすぐ昇降口に向かうっ……………!アカギ………!あろう事かっ……………!

帰宅っ………………………!

アカギ「ククク……………」スタスタ

伝説の日は……続くっ………!

39: 2014/02/13(木) 02:20:10.12 ID:0Q89H0Jq0
もう眠いから寝るっ………………………!

40: 2014/02/13(木) 02:27:39.72 ID:DKZ2t1gy0
流石アカギ

41: 2014/02/13(木) 02:35:07.99 ID:M26GLker0
おもしろかった

引用元: アカギ「ククク………バレンタインか」