1: 2013/03/16(土) 13:25:07.64 ID:nmo4QvIi0
こんなことになるとはな・・・

つい先日の話である。
?「ちょいとそこのお兄さん。」

そう声をかけられると、そこには筋骨隆々の女性が。

女「今ならタダで不思議体験ができますよー、いかがです?」
そう言うと彼女は俺に小さな袋に入った入浴剤を渡してくれた。

女「困ったときは袋の説明書をお読みくださーい、では私はこれで失礼。」

そう言うと彼女は闇夜に紛れていった。
今思うとここで捨てておくべきだったかもしれない。

2: 2013/03/16(土) 13:26:18.18 ID:nmo4QvIi0
まずは今の状況を確認しよう。
その一、入浴剤はハズレ。
その二、風呂桶は今ゼリー状の液体に包まれてる、無論手は入れられない。
その三、液体は今何かを欲しているようだ。

男「そういえば説明書があったな、なになに?」

~簡単スライム召喚術セット~
1.大量の水に粉末を投入
2.デンプンと塩少々
3.超魔界薬を小さじ1杯
4.あとは1時間待つだけ

男「入浴剤じゃなかったしスライムっておい!」

男「・・・超魔界薬ってなんだろう。」

3: 2013/03/16(土) 13:28:00.59 ID:nmo4QvIi0
流すわけにもいかないので、とりあえず塩むすびとマカビンビンをぶち込むことにした。

銭湯に行き、帰るとそこには人の形をしたスライムがいた。
俺の顔を見る?と体の真ん中に”めし”の文字が浮き出す。

とりあえず買ってきた塩むすびを渡すと体の中で溶かし始めた。
しばらくするとスライムの体に”うま”の二文字。

男「うまかったか?」

そう聞くとスライムが俺の体に擦り寄ってきた。

男「あれ、感覚がおかしくなってきてるのかな、可愛く思えてきたぞ。」

4: 2013/03/16(土) 13:29:44.33 ID:nmo4QvIi0
このスライムと生活を初めてはや1ヶ月、生態が色々とわかってきた。
主食は水であること、週一で米をあげないと水っぽくなること、意外と知性があること。
何よりも、脳内に話しかけられるようになったのは驚いた。

スライム(おとこ、めし。)
男「はいはい、水か?」
ス(しおと、みず。)
ただ、どうも三文字以上は話せないようである。

ス(おとこ、はなし、しろ)
男「はいはい、わかったよ。」

5: 2013/03/16(土) 13:30:38.21 ID:nmo4QvIi0
スライムが最近テレビをよく見ている、しかもN○Kの子供番組だ。
『 子供「おかあさーん、おはしもってくよー!」
  母 「あら、ありがとう。偉いのねー。」ナデナデ
  子供「えへへ」                   』

ス(ん!)
男「ん?箸とコップか、ありがとな。」
ス(…)モジモジ
男「そんなにプルプル動いてどうした?調子でも悪いのか?」

ス(しらん、はよ、みず。)
男「はいはい、よしよし」ナデナデ
ス「・・・ん!」
男「お前!喋った!?」
ス「・・・ん。」
男「マジかよ!成長したなー!」ナデナデ
ス「・・・んぅ。」
しかも、こういうやりとりが増えてきた。

6: 2013/03/16(土) 13:31:21.59 ID:nmo4QvIi0
大体3ヶ月したぐらいだろうか、あの筋骨隆々な女性が訪ねてきた。
おい入浴剤じゃねーよスライムじゃねーか、と掴みかかろうとしたが
俺が逆にやられてしまうのは確定的に明らかだったのでやめた。

女「どーも男さーん、入浴剤の使い心地はいかが?」
男「ハハハ、最高ですよ。最近の入浴剤は自分で動くんですね。」
女「・・・そうなんですよー、それでは失礼。」

女(あっれーおかしいな?あのスライムちゃんに腰振って骨抜きになってるはずなのになー?)
 (骨抜きになってるところでアタシが子種をもらうはずだったのになー?」
男「何やってるんですか、アンタ。」

7: 2013/03/16(土) 13:32:01.38 ID:nmo4QvIi0
男「で、アンタは獣人で、スライムを使って俺のアレをもらって子供が欲しかったと。」
獣人「だいたいそんな感じです、はい。」

男「そもそも、なんで俺なんだ」
獣人「だって男さん優しそうな顔だし、NOと言えない性格だし、一目惚れしちゃったし。」
男「といわれてもなぁ・・・」
ス(おとこ、がっこ、じかん)
男「マジか!行ってくる!」
\イッテキマース!/

8: 2013/03/16(土) 13:32:53.04 ID:nmo4QvIi0
獣人「・・・んで、スライムちゃん喋れないの?」
ス「こえ、でる、はなし、できぬ。」
 「みっつ、から、うえ、むり。」

獣人「なるほどー、んで男くんはどう?アタシがもらっていいの?」
ス「だめ、わたし、もらう」
獣人「え”!?」

ス「おまえ、けもの、けもの、どうし、けこん」
獣人「嫌よ!ただでさえメスの獣人は慰み者にされるのに!」
  「あんな乱暴者たちと結婚?無理よ!無理!」

ス「おとこ、ひと、おまえ、けもの!」
獣人「アンタだって一緒じゃないのよ!」
\ナニヨー!/\ケモノ!/

9: 2013/03/16(土) 13:33:52.86 ID:nmo4QvIi0
男「ただいまー。」
獣人「男くんはアタシがもらうー!」
ス「おとこ、わたし、の!」
\アタシ!/\ノ!/

男(なんだこれ獣人上半身裸だしスライム普通に喋ってるし)
男「静まれー!」
獣人・スラ「はい!」

11: 2013/03/16(土) 13:35:09.74 ID:nmo4QvIi0
男「話を聞こうか、まず獣人。あと服着ろ。」
獣人「はい、アタシは男くんと愛しあって、子供がほしいです!」
  「あと、結婚して下さい!」

男「わかった、次はスライム。」
獣人「え”!いいn 男「黙れ。」
ス「おとこ、いしょ、いる!」
 「おとこ、すき!」

男「よし、要するに二人共一緒にいたいわけだな?」
獣人「あ、アタシは子供も!」「それは却下」\エー!/

今更人外が一人ぐらい増えようとも、別にいいや。
男「お前らまとめて面倒見てやる!」\ワーイ!/

「人外娘が入浴剤だった」 終

12: 2013/03/16(土) 13:35:56.15 ID:nmo4QvIi0
これは昨日の話である。
実家に帰ると、うちの古倉庫から西洋人形が出てきたらしい。
もともとそういうホラー話が好きだったので、取りに行くことになった。

男「お袋ーこれ持ってっていいのー?」
母「あー、そうそうそれよ。はよ持ってってー。」
 「なんか供養し忘れた人形らしいから後始末頼むわねー。」

期待と興奮で俺の心がやばいぜ!

13: 2013/03/16(土) 13:37:34.15 ID:nmo4QvIi0
翌朝になると持ち帰ったはずの人形がいない。
男(やっべぇ!ドキドキしてきた!)

すると、部屋の温度が急に低くなりあたりが暗くなった。
俺の首を伝うよくわからない感触、体が動かない。
目の前に人形が浮いていた。

男「フォオオオオオオオオ!」
しまった!興奮のあまり声が出てしまった!
?「ヒッ!」
そんな悲鳴とともに周りの環境はもとに戻ってしまった。
俺が残念がってると、目の前の人形が話しかけてきた。

人形「少しは怖がりなさいよ!」
怒られてしまった。

15: 2013/03/16(土) 13:42:15.89 ID:nmo4QvIi0
人形「で!アンタは私が怖くないの!?」
男「まさか、君綺麗な顔してるし、わりと俺のタイプだよ?」
人形「は、はぁ!?」
  「人形口説くとかばっかじゃないの!?」ドキドキ
しまった、ご機嫌取りに失敗したか?

人形「ま、まぁ今度怖がってくれるのなら許してあげるわ!」
男「ははー有難き幸せ。」
よっしゃ!恐怖体験が今度こそできる!

人形(どうしよう、初めて口説かれた・・・)

16: 2013/03/16(土) 13:43:03.14 ID:nmo4QvIi0
そして、彼女の戦いが始まった。

人形(体をくっつけて怖がらせる!)ピト
男「フォオオオオオオオオ!」
人形「ヒッ」

人形(こ、こんどこそ!耳元で!)フゥ
男「ヒャオオオオオオオ!」
人形「イヒッ」

人形(髪伸ばして睨んでやるー!)キッ
男「イヨッシャアアアアアアア!」
人形「ヒャッ」

17: 2013/03/16(土) 13:46:16.05 ID:nmo4QvIi0
人形「いいかげんにしなさいよ!こっちが怖いじゃない!」
男「すまん、つい(恐怖体験が)楽しくてな。」
人形(え、(私と遊ぶのが)楽しい?)
人形「そんなに奇声上げるほど楽しいの?」
男「もちろん!」

人形(そんなに私といるのが楽しいのか・・・)
人形(なんだろうこの気持ち・・・)
人形(私は人形、アイツは人、でも・・・)
人形(種族間は関係ない!あいつの心を奪わなきゃ!」
男「なんか言った?」人形「なんも!」

18: 2013/03/16(土) 13:47:12.13 ID:nmo4QvIi0
そんなことが当たり前になってきたある日
隣人A「聞きました?最近このへんで夜な夜な不気味な声が聞こえるるそうよ?」
隣人B「聞きましたよ、他にも夜中に小さな子供が道を歩いているとか・・・」

男(・・・やばいな、噂になってる。)

男「なぁ、人形ちゃんよ。夜中になんか変なことしてない?」
人形「ナ、ナニ?ワタシナニモシラナイヨ?」
男「とにかく、夜中や俺が居ないときは、あまり騒がないようにね?」
人形「わかってるわよ。そもそもアンタ以外に姿すら見せたくないわ。」
男「ならいいんだけどね、それじゃ出かけてくる。」

20: 2013/03/16(土) 13:48:10.46 ID:nmo4QvIi0
人形「早くしないと、間に合わなくなっちゃう。」
何が間に合わなくなるかというと、早く男と両思いにならないと、男が殺されてしまうのである。

私がこうして動いているのには訳があった。
元々私を作った人形師が、悪魔にすべてを売り命を吹き込んだのだが、
どこかで失敗したのか、私と会話した者は私と結ばれない限り、
悪魔に殺されるという呪いがかかってしまったのだ。

21: 2013/03/16(土) 13:48:56.18 ID:nmo4QvIi0
私が夜な夜な勝手に動くのは、夜の技術を学ぶために
男の持っている工口本を読んでいるからである。

人形「変な笑いが出ても仕方ないよね!男の命がかかってるものね!」
  「妄想とかも・・・いいよね!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

男『人形、君はとても綺麗な体だ・・・』
人形『男ぉ・・・切ないよぉ・・・』

男『さぁ、こっちを向いて。』
人形『・・・はい。』
二人は甘いキスをして、開けない夜が始まった・・・

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

人形「えへへへ・・・・」
ガチャッ
人形「え!?」
  「ちょっと!男!帰ってくるの早くない!?」(しまったー!片付けてない!)

男「いや、お前のことが心配で・・・って俺の秘蔵コレクションがー!」

22: 2013/03/16(土) 13:50:04.93 ID:nmo4QvIi0
人形(今までのがバレたら幻滅されちゃう・・・)
人形(もうここで迫るしか無いッ!)

人形「男!わっわたし・・・あなたのことが・・・「待って!」
男「そういうセリフは、俺に言わせてくれ。」

男「人形、俺は君が好きだ。君と一緒にいて最高に楽しかった。」
 「俺に至らないところがあったのかもしれない、だけど俺は君が好きなんだ。」

人形「男・・・」
  「私も好き・・・大好き!」

23: 2013/03/16(土) 13:51:06.51 ID:nmo4QvIi0
?『あなた達の仲を認めましょう!』
男・人形「誰!?」

天使『私は悪魔に呪われた魂を回収に来た”天使”です!』
  『あなた達が両思いになりましたので、只今より誓のキスを行います!』
男・人形「は!?」

天使『さぁ!』
男・人形「・・・」///

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

数年後、男の実家にある手紙が届く

男・人形『私達、結婚します!』


「人外娘が今の嫁」 終

24: 2013/03/16(土) 13:52:47.05 ID:nmo4QvIi0
俺に馬乗りになって女は言う。
女「男、おはよう。」
男「・・・あと五分だけ。」

女?「・・・起きないと食うわよ?」
男「すみません、起きます。」

俺は駅に近い格安の物件があったため食いついたのだが
そこはトンデモ物件だった。
案内人「ココ安いヨ!スグ住むコト!」

案内人から怪しかったが、まさか
”クモ女”がいるとは思わんかった。

男「いってきます、帰りは遅くなるから。」
クモ女「はい、行ってらっしゃい、男。」

まぁ、悪かぁない。

25: 2013/03/16(土) 13:53:31.75 ID:nmo4QvIi0
俺にとって、蜘蛛というのはあながち悪いもんでもなかった。
そもそも、俺には大事に飼っていた蜘蛛がいた。

名前は、クモ子、もちろんメス。
子供の頃からずっと一緒だったので、そりゃ大事だった。
尻部分に小さなハートマークがあり、可愛いって思っていた記憶がある。

男「蜘蛛は気持ち悪い、ね。」
仕事をしながらふと思い出す、その蜘蛛がいなくなった時を。
俺の初めてできた彼女が、家に入ってきたいなや言い放った一言である。

26: 2013/03/16(土) 13:55:23.55 ID:nmo4QvIi0
それがきっかけでソイツとはそれまでになったが、
そこから俺の落ち込みようが異常だったらしい。

その気持を察するように俺の部屋から蜘蛛は出て行ってしまった。

それ以来蜘蛛を見るとトラウマが蘇るようになってしまった。

彼女と今まで連れ添ってきた相棒を同時に失うという
喪失感とか孤独感とかその他もろもろで、体調が悪くなったり。

要は蜘蛛が苦手になってしまったのである。

27: 2013/03/16(土) 13:55:57.03 ID:nmo4QvIi0
最初のうちはヤツが近づくだけで軽い悲鳴を上げるほどだった。

クモ「おはようございます、男さん。」
男「ヒッお、おはよう・・・」
クモ「ごはんできてますよ?」
男「・・・ご飯はいいや、仕事行ってくる。」
飯なんか喉も通らなかった。

なんで家を出なかったかって?
そりゃ外で飯食ってりゃ、金も無いよ。

でも、一ヶ月もすりゃ慣れる、はず。

28: 2013/03/16(土) 13:58:07.04 ID:nmo4QvIi0
男「ただいま、もう飯食った?」
クモ「いいや、男を待ってたわ。」

クモ「・・・朝は悪かったわね。」
男「いや、気にしてないよ。」
 「むしろ、君らしい起こし方でいいや。」

住み始めて三ヶ月経つが、ほぼ毎日こうして一緒にご飯を食べ、
俺に馬乗りになって起こしに来る。

蜘蛛は苦手だが、ヤツには慣れてきた・・・気がする。
ただ、接し方が冷たくなってないかね・・・

男「・・・ま、いいか。」

29: 2013/03/16(土) 13:58:52.09 ID:nmo4QvIi0
一年ほど経つと、この環境にも慣れた。
むしろ、家に待っている人がいると考えられたので
仕事にもハリが出てきた。

男「ヤツに感謝しないとな・・・」
 「なんかプレゼントでもするか・・・」
ふと考えると、俺はヤツのことを何も知らない。

いつも家のどこにいるのか。
何が好きなのか。
そもそも、名前すら知らなかった。

男「今度聞いてみるか・・・」

30: 2013/03/16(土) 14:00:10.06 ID:nmo4QvIi0
男「なぁ、君の名前を聞いてもいいか?」
クモ「・・・・クモ子。」

男「微妙な名前だな。」
クモ子「私のことを忘れる最低野郎が名付けたのよ。」
男(気悪くさせちゃったかな・・・)

男「君のお陰で、最近調子が良いんだ。ありがとう。」
クモ子「・・・どういたしまして。」

男「お礼も兼ねて、今夜は一緒に酒でもどう?」
クモ子「いいわね、付き合うわ。」

31: 2013/03/16(土) 14:00:52.62 ID:nmo4QvIi0
クモ子「・・・昔、好きな人を傷つけたことがあるの。」
男「急にどうした?」

いいじゃない、酒に酔って昔話がしたくなったのよ。
続けるわね、昔、私はただの蜘蛛だったの。
私のことを大事にしてくれた飼い主さんがいたんだけど、好きになってしまったのよ
当然、蜘蛛だからまかり通るわけがなかったけど、神様ってほんとにいるのね。
寿命が近かった時、私を助けてくれたのよ。
ただ、蜘蛛としてではなく蜘蛛の”化物”として生まれ変わらせてくれたんだけど。

化物になった私は人の言葉や気持ちがわかる様になったわ。
飼い主さんのすべてが分かった気がして本当に嬉しかった。
でも、ある時飼い主さんに彼女が出来たの。

32: 2013/03/16(土) 14:01:36.31 ID:nmo4QvIi0
男「・・・・」

彼女さんは私を見ると気持ち悪いだの何だの言って
飼い主さんの気持ちをボロボロにしてくれたわ。
私のせいで飼い主さんが傷ついた気がして、たまらなくなったわ。

男「・・・それからお前はいなくなったんだな。」
クモ子「そうよ。」

久しぶりに会った飼い主さんは変わっていた。
もう飼い主さんではなく、最低野郎だったわよ。
私のチャームポイントのハートにも気づかない、とんだ最低野郎。

男「ゴメンな、クモ子・・・お”がえ”りなざい!」グスッ
クモ子「・・・泣き虫なところは今も変わってなかったね、男。」


「人外娘が元ペット」 終

33: 2013/03/16(土) 14:02:22.13 ID:nmo4QvIi0
お粗末。

34: 2013/03/16(土) 14:14:26.40 ID:IbA3BdLU0
割と良かった

35: 2013/03/16(土) 14:28:29.23 ID:cdHfuNjI0

引用元: 男「人外娘が〇〇」