1: 2009/08/15(土) 05:45:29.12 ID:YOlaeDEpO
朝方にこっそり投下


唯「………」ぼー

和「…ゆいちゃん?」

唯「……なーに?」ぼー

和「お空になにかあるの?」

唯「…なにもないよー?」

和「…へんなの」

けいおん!Shuffle 2巻 (まんがタイムKRコミックス)
4: 2009/08/15(土) 05:52:23.24 ID:YOlaeDEpO
唯「うんたん♪うんたん♪」

先生「唯ちゃん上手ねぇ~」

唯「えへへ…」

和「…うんたん」

唯「あー!」

和「っ!?」ビクッ

唯「私のまねしてるー!」

和「…真似しちゃだめなの?」

唯「いいよ!一緒にやろう♪うんたん♪」

和「…やっぱりへんなの」

5: 2009/08/15(土) 05:58:48.23 ID:YOlaeDEpO
唯「のどかちゃんあそぼー!」

和「いいよ。なにしてあそぶ?」

唯「う~ん…いっしょにお空みよう!」

和「いいよ」

唯「………」ぼー

和「………」

唯「………」ぼー

和「…ねぇ」

唯「…なーに?」

和「…楽しい?」

唯「たのしい!」

7: 2009/08/15(土) 06:03:17.49 ID:6au90Zyq0
PCから

ピンポーン

唯「はーい のどかちゃん!」

和「こんにちはゆいちゃん」

唯「どうぞあがって!ママ―!のどかちゃんきたー!」


8: 2009/08/15(土) 06:05:57.77 ID:6au90Zyq0
唯母「あらあら いらっしゃい」

和「おじゃまします」ペコ

唯母「ずいぶん礼儀正しい子ね」

唯「のどかちゃーん!はやくはやく!」

唯母「まったく…うちの唯ときたら…」

10: 2009/08/15(土) 06:10:28.93 ID:6au90Zyq0
唯「みてのどかちゃん!」

和「わぁ!かわいいねぇ。ゆいちゃんの妹?」

唯「そうだよ!ういっていうの♪」

憂「はじめまして。ひらさわういです」

和「よしよし。私はまなべのどかです」

唯「わたしはひらさわういだよ!」

和「しってるよ」

11: 2009/08/15(土) 06:11:41.25 ID:6au90Zyq0
唯「わたしはひらさわゆいだよ!」の間違いです

ちなみに冷やし中華ではありません

13: 2009/08/15(土) 06:17:56.85 ID:6au90Zyq0
和「それじゃぁ私そろそろかえるね」

唯「えー!?もうかえOちゃうの?もっといてよ!」

和「でも、もう5時だし…」

唯「いやだのどかちゃん!かえらないで!」

唯母「唯!わがまま言わないの。和ちゃんのお母さんが心配しちゃうでしょ?」

唯「うう…ぐす…」

和「ごめんねゆいちゃん…またあそぼうね?」

唯「やくそくだよ?」

和「うん やくそく」

14: 2009/08/15(土) 06:22:13.49 ID:6au90Zyq0
和「ゆいちゃんかぜでおやすみか…」

和「………」

和「………」

和「…お空でもみてよう」

和「………」ぼー

和「………」ぼー

和「…つまんないの」

15: 2009/08/15(土) 06:24:52.26 ID:6au90Zyq0
唯「のどかちゃ~ん!」

和「ゆいちゃん!かぜはだいじょうぶ?」

唯「もう平気だよ~」

和「そっか…よかった」

唯「えへへ!心配かけてごめんね?」

和「いいよ」にこ

16: 2009/08/15(土) 06:29:22.76 ID:YOlaeDEpO
PCの調子が悪いのでまた携帯から

唯「わたしね。のどかちゃんがだいすきだよ♪」

和「わたしもだよゆいちゃん。ずっとなかよしでいようね」

唯「ねー♪」

18: 2009/08/15(土) 06:35:29.98 ID:YOlaeDEpO
唯「わたしたち明日で卒園なんだよね」

和「そうだよ」

唯「わたしたち同じ小学校にいくんだよね」

和「そうだよ」

唯「じゃあまた小学校でもなかよくしようね♪」

和「うん!よろしくね唯」

19: 2009/08/15(土) 06:39:09.33 ID:YOlaeDEpO
唯「のどかちゃーん!」

和「唯!やったね!私達同じクラスだよ!」

唯「クラス?クラスってなあに?」

和「同じおへやで勉強するってことだよ」

唯「ほんと!?やったー!」

和「やったー!」

20: 2009/08/15(土) 06:43:10.14 ID:YOlaeDEpO
唯「のどかちゃん いっしょに給食たべよ♪」

和「いいよ」

唯「~♪」

和「ごきげんだね なにかいいことあったの?」

唯「えへへ、今日の給食はカレーなんだよ~♪」

和「ああ…そういうことね」


21: 2009/08/15(土) 06:48:03.56 ID:YOlaeDEpO
唯「のどかちゃーん…」

和「唯?どうしたの?」

唯「しゅくだい教えて…」

和「また?少しは自分の力でやったほうがいいよ?」
唯「そこをなんとか!」

和「もう…しょうがないんだから」

唯「おお!ありがとうのどかちゃん!大好き♪」

和「はいはい…」

22: 2009/08/15(土) 06:58:05.68 ID:YOlaeDEpO
唯「…あ!あった!」

和「…どうやら私達別々のクラスになったみたいね」
唯「そんなぁ…寂しいよのどかちゃん…」

和「こればっかりはしょうがないわよ唯…」

唯「…のどかちゃんは私と離れるの寂しくないの?」

和「なにいってるの…。寂しいに決まってるじゃない」

唯「ほんと?嘘じゃない?」

和「嘘じゃないよ」

唯「の…のどかちゃーん!」

和「まぁこれを機会に自分の力で勉強することを覚えなさい」

唯「うぅ…はーい」

和「よろしい」

24: 2009/08/15(土) 07:06:37.53 ID:YOlaeDEpO
がら

唯「和ちゃーん!宿題教えてー!」

和「…嫌」

唯「えぇ!?なんで!?」
和「唯…たまには自分の力でやろうと思わないの?」
唯「いつも思うんですけど…その…忘れてしまいまして…」

和「はぁ…唯らしいわね」

唯「えへへ…めんぼくない」

25: 2009/08/15(土) 07:15:54.19 ID:YOlaeDEpO
和「大体家に帰ったらすぐに宿題をやる習慣をつければいいのよ」

唯「はい…ごもっともです」

和「まったく…いつもは家で何をしているの?

唯「えへへん!よくぞ聞いてくれました!」

唯「実は私、家でギターの練習をしているのです!」

26: 2009/08/15(土) 07:20:11.18 ID:YOlaeDEpO
和「…唯がギター?」

唯「そう!だからまったく勉強も宿題もしてません!」

和「いばって言うことじゃないわよ…でもなんでギターなんか…?」

45: 2009/08/15(土) 13:51:21.33 ID:6au90Zyq0

唯「かっこいいから!」

和「…え?それだけの理由?」

唯「そうだよ。十分な理由だよ」

和「まぁ…唯らしいっちゃ唯らしいわね…」

46: 2009/08/15(土) 14:00:52.11 ID:6au90Zyq0
ピンポーン

がちゃ

唯「はーい。和ちゃん!」

和「こんにちわ唯。遊びに来たわよ」

唯「どうぞ上がって♪」

唯母「あら、こんにちわ和ちゃん」

和「こんにちわ。お邪魔してます」ペコ

唯母「相変らず和ちゃんは礼儀正しいわねぇ」

51: 2009/08/15(土) 14:11:04.54 ID:6au90Zyq0
唯「和ちゃん!じゃ~ん!」

和「おお。ギターだ」

唯「えへへ…かっこいいでしょ!」

和「かっこいいよ。何か弾いて見せてよ」

唯「うん!~♪」ジャカジャカ ジャン

和「………」

唯「えへへ…どうだった?」

和「…すごく上手だわ。すごいじゃない唯!」

唯「ありがとう♪勉強しないで頑張ったかいがあったよ!」

和「勉強もちゃんとしなさい」

唯「…はーい」

52: 2009/08/15(土) 14:20:19.10 ID:6au90Zyq0
唯「………」ぼー

和「…なにぼーっとしてるのよ」

唯「あ。和ちゃん」

和「私達来月から中学生なのよ?もっとしっかりしなきゃ」

唯「えへへ…そうだね」

和「まったく…唯は昔から変わんないね」

唯「和ちゃんもだね。なんだか私のお姉ちゃんみたい」

和「お姉ちゃんか…その通りかもね」

唯「うん!…ねえ和ちゃん」

和「なに?」

唯「中学校でも私と仲良くしてくれる?」

和「…当たり前じゃない。これからもよろしくね」

唯「うん!」

54: 2009/08/15(土) 14:24:42.50 ID:6au90Zyq0
唯「和ちゃ~ん…」

和「唯…また宿題?」

唯「なんでわかったの!?」

和「いつも通りだからよ…はい」

唯「おお!ありがとう和ちゃん!」

和「まったく…いつになったら自分でやってくるのかしら」

56: 2009/08/15(土) 14:29:39.36 ID:6au90Zyq0
和「そう言えば唯…」

唯「んー?なーに?」

和「まだ家でギターの練習してるの?」

唯「してるよ!腕もだいぶ上達したよ!」

和「そうなんだ。今度聞かせてね」

唯「いいよ!楽しみにしててね」

58: 2009/08/15(土) 14:36:00.37 ID:6au90Zyq0
ピンポーン

がちゃ

憂「はーい。あ、和さん!」

和「久しぶりね憂ちゃん。唯はいる?」

憂「ちょっと待っててください。おねえちゃーん!」

憂「………」

唯「…部屋にいると思うので勝手に上がってください」

和「ありがとう。お邪魔するわね」

60: 2009/08/15(土) 14:40:32.40 ID:6au90Zyq0
こんこん

和「唯ー。遊びにきたわよ」

「……」

和「唯ー?部屋に入るからね」

がちゃ

唯「すぅ…すぅ…」zzzz

和「…寝てる」


62: 2009/08/15(土) 14:45:04.49 ID:6au90Zyq0
唯「う~ん……っは!?」

和「…おはよう」

唯「和ちゃん…いらっしゃい」

和「…でももう帰る時間」

唯「えっ?今何時?」

和「夕方の6時だよ」

唯「そんな…ごめんね和ちゃん」

和「いいよ…また今度遊びに来るから」

63: 2009/08/15(土) 14:56:40.81 ID:6au90Zyq0
唯「そうだ!一曲だけでも聞いていってよ!」

和「まぁ一曲くらいなら…」

唯「やった!それじゃあ…」

唯「~~~♪」ジャカジャカ ジャン

和「す…すごい!うまくなったね唯!」

唯「へへ~ん!プロになれるかな?」

和「…プロになりたいの?」

唯「うん!目指すは武道館!」

65: 2009/08/15(土) 15:04:26.48 ID:6au90Zyq0
和「そっか…応援するわ」

唯「うん!ありがとう♪もし私が武道館で演奏する時は絶対見に来てね!」

和「わかったわ。約束する」

唯「うん!約束」

和「…じゃぁ私そろそろ帰るわね」

唯「うん。また明日ね~」

和「それじゃあお邪魔しました」

66: 2009/08/15(土) 15:14:06.02 ID:6au90Zyq0
和「………」

和「………」

和「……唯の嘘つき」

67: 2009/08/15(土) 15:19:58.06 ID:6au90Zyq0
先生『えー…みんなに残念なお知らせがある…』

先生『平沢唯がな…昨日、事故にあって…』

先生『…亡くなったそうだ』



和「…唯の嘘つき…プロになるんじゃなかったの?
  …武道館はどうするの…?」

和「……嘘つき…」
  

68: 2009/08/15(土) 15:26:32.84 ID:6au90Zyq0
それからの中学校生活はあっという間だった。

唯がいないだけでこんなにも毎日がつまらなくなるなんて

私にとって、それだけ唯はとても大きな存在だったんだ。


和「今日から私は高校生だよ。唯」

71: 2009/08/15(土) 15:35:23.95 ID:6au90Zyq0
「柔道部に入部しませんか!」

「吹奏楽部に入部しませんか?」

「ソフトボール部で一緒に頑張りませんか!?」

…うざったい。私は部活なんてやるつもりはない。

和「邪魔ですよ。先輩方」

「…………」

「なにあんた…あんたみたいのもう誘わないわ」

だれもさそってくれなんて頼んでない。

和「その方が助かります。では…」


72: 2009/08/15(土) 15:43:23.85 ID:6au90Zyq0
和「………」

女A「真鍋さん。一緒にお弁当食べない?」

和「…いい。一人で食べたいの」

女A「でも…いつも一人じゃない。たまには私達とでも…」

和「…うるさいわね」

女A「そんな…」

女B「行きましょう。ほっときましょうよ」

そうだほっといてよ。あなた達なんかといたって楽しくなんかないんだから。

和「……つまらないなぁ」

?「…お前さぁ、いつも一人でさびしくないの?」

74: 2009/08/15(土) 15:53:33.53 ID:6au90Zyq0
和「…別に」

?「ふーん。私なら一人なんて嫌だけどな」

和「だからなんなの…?」

?「様は…私と一緒に飯食おうぜ!」

和「……嫌よ」

?「いいから!一人で食うより二人だよ!」

和「はぁ…?意味わかんないんだけど」

?「二人で食った方が飯だってうまいだろ?そういうことだ!」

なんなんだこいつは。うるさくてかなわない。

…でも、いい暇つぶしにはなるかもしれない。

和「わかったわよ…。一緒に食べましょう」

?「よし!そうこなくっちゃ!名前はえーっと…真鍋和さんだっけ?」

和「そうよ。あなたは?」

?「私は田井中律!律でいいよ。よろしくな!」

76: 2009/08/15(土) 16:03:10.96 ID:6au90Zyq0
律「真鍋さんは部活決めた?」

和「…やる気ない」

律「なにか楽器とか弾ける?」

和「…弾けないわよ」

律「そっかー。だったら一緒に軽音やろうぜ!」

和「はぁ!?」

なぜそういう話になるんだ。私は部活をする気なんてないっていっただろ。

楽器だって弾けない。こいつは人の話を聞いてないのか?

律「いやさぁ。軽音部に部員が足りなくて…あと一人入部しないと廃部なんだ」

和「…だから?その話が私に関係ある?」

律「ないよ!けどお願い!一緒にバンドやろうぜ!」

和「…話にならないわ」

77: 2009/08/15(土) 16:08:38.08 ID:6au90Zyq0
律「そこをなんとか!」

和「嫌よ。大体楽器も弾けないのよ?私が入って何になるの?」

律「それなら心配ないよ。これから覚えればいいんだから!」

和「嫌よ面倒くさい。勝手にやってれば?」

律「そんなこといわずにさ~。試しに見学しにでも来てよ」

和「……暇だったらね」

律「やった!場所は音楽室な!今日の放課後待ってるぞ!」

78: 2009/08/15(土) 16:11:29.33 ID:6au90Zyq0
―放課後

和「………」

和「………」

和「………」

和「…音楽室だっけ?暇つぶしに行ってみるか…」

79: 2009/08/15(土) 16:17:10.47 ID:6au90Zyq0
がちゃ

和「失礼します…」

律「真鍋さん!まってたよ。よく来たな~」

和「…暇だったからね」

?「律…この人がさっき言ってた?」

律「そうだよ」

?「そっか…その…は 初めまして!秋山澪です!」

?「初めまして♪私は琴吹紬です」

和「…真鍋和よ」

82: 2009/08/15(土) 16:27:16.10 ID:6au90Zyq0
律「じゃあさっそくだけど演奏始めようか!」

澪「そうだな。真鍋さん、ゆっくり聞いていってくれ」

紬「お菓子もあるわよ♪食べてね」

和「ありがとう…」

…律がドラム。秋山さんがベース。琴吹さんがキーボード。

どうやらこの部にはギタリストがいないらしい。

…なら、もし入部すれば私がギターのポジションなのは必然か。

律「わん!つー!」

~~~♪

和「………」

…あんまりうまくないな。

83: 2009/08/15(土) 16:34:48.83 ID:6au90Zyq0
律「よしっ!きまった!どうだった?私達の演奏」

和「…なんていうか、その…」

澪「うんうん」

和「…あんまりうまくないわね」

律「ばっさりだー!」

でもとても楽しそうだった。入部すれば退屈はしないで済みそうだな。

…でも、この居場所は私のものではない。

ここは、今生きていたらきっと唯の居場所だった筈だ。

私は唯の居場所を奪うことなんかできない。

律「で、どう?一緒に軽音部やってみない?」

和「………私は…」

84: 2009/08/15(土) 16:41:56.74 ID:6au90Zyq0
和「…ごめんなさい」

律「…!そ そんなぁ…」

和「………」

律「…どうしても?」

和「…ごめんなさい」

律「本当にどうしても…?」

澪「しつこいぞ律。ごめんな真鍋さん。気にしないでくれ」

和「……気にしてないわ」

紬「またお菓子でも食べに来てね」

和「ありがとう…じゃぁまた…」

がちゃ

律「真鍋さん!期限まであと1週間あるから!もう一度考えてみてくれ!」

和「………」

90: 2009/08/15(土) 17:40:28.74 ID:6au90Zyq0
おちてましたね


ー帰り道

和「………」

和「…これでよかったのよね」

そうだ。これでよかったんだ。

…私に唯の居場所を奪う資格なんてないんだから。

…でも、少しだけあの部活に入部したかったな。

憂「和さ~ん!」

和「憂ちゃん…?」

憂「今帰りですか?」

和「そうよ…」

憂「…和さん、またお姉ちゃんのことで悩んでますね?」

和「…え?」

94: 2009/08/15(土) 17:53:37.21 ID:6au90Zyq0
和「…そんなことないわ」

憂「嘘です」

和「………」

憂「私にはわかりますよ。何を悩んでいるんですか?」

和「…私ね。軽音部に誘われたんだ」

憂「そうなんですか…」

和「それでね…」

憂「お姉ちゃんなら気にしませんよ。ぜひ入部してください」

和「…え?」

憂「和さんはお姉ちゃんに引け目を感じているんですよね?お姉ちゃんの好きだった音楽を自分がやることに」

和「………」

憂「そんなこと気にする必要なんてないですよ。自分のやりたいことをやってください」

憂「それに、お姉ちゃんが生きてたら…和さんに私と同じことをいったはずです」にこ




    

97: 2009/08/15(土) 18:01:22.45 ID:6au90Zyq0
和「憂ちゃん…ありがとう」

憂「気にしないでください♪」

憂ちゃんは強いな。唯が氏んだ時、一番悲しかったのは憂ちゃんの筈なのに。

憂「だから軽音部、入部してくださいね」

和「うん…もう少し考えてみるよ」

101: 2009/08/15(土) 18:13:21.78 ID:6au90Zyq0
また…落ちたね


和「憂ちゃん…ありがとう」

憂「気にしないでください♪」

憂ちゃんは強いな。唯が氏んだ時、一番悲しかったのは憂ちゃんの筈なのに。

憂「だから軽音部、入部してくださいね」

和「うん…もう少し考えてみるわね」

103: 2009/08/15(土) 18:16:28.86 ID:6au90Zyq0

―1週間後

律「………」

澪「………」

紬「………」

澪「…結局、真鍋さんはこなかったな」

紬「…廃部は免れませんでしたね」

104: 2009/08/15(土) 18:18:20.69 ID:6au90Zyq0
澪「律…もう帰ろう」

律「…まだだ。真鍋さんは今日中に絶対来る」

澪「…でも、下校時間まであと10分だぞ?」

律「私は来るって信じてる」

澪「……そうだな。信じよう」

紬「私も信じます…」

がちゃっ!

和「はぁ…はぁ…!」

律「真鍋さん!」

和「おそくなってごめんなさい…」

和「私を…入部させてください!」

106: 2009/08/15(土) 18:22:08.54 ID:6au90Zyq0
律「………」

澪「………」

紬「………」

和「…だめ…かしら?」

律「…夢じゃないよな?」

澪「ああ…夢じゃない…」

和「…?」

律澪紬「やった~!!!」

116: 2009/08/15(土) 19:37:02.98 ID:6au90Zyq0

律「よかったー!これからよろしくな!真鍋さん!」

和「…和、でいいわよ」にこっ

律「!わらった…。澪!あの真鍋さんが笑ったよ!」

澪「落ち着け律!真鍋さんに失礼だろ!」

紬「まぁまぁ♪よろしくね。和ちゃん」

律「あ、そうだ…。よろしくな、和!」

澪「軽音部にようこそ!よろしくな…和」

なんて楽しい人達なんだろう。ここなら私はうまくやっていける気がする。

唯。私の居場所、見つけたよ。

和「ええ、みんな…これからよろしく」

121: 2009/08/15(土) 19:50:00.02 ID:6au90Zyq0
ピンポーン

がちゃ

憂「はーい!あ、和さん!」

和「こんにちわ憂ちゃん」

憂「こんにちわ。和さん、軽音部に入部したんですね」

和「え?なんでわかったの?」

憂「だって、前にあった時よりも顔が明るいですから」

和「あはは…。憂ちゃんには隠し事はできないわね」

憂「えへへ♪さあどうぞ。上がってください」

129: 2009/08/15(土) 20:52:45.64 ID:6au90Zyq0
チーン…

和「………」

…唯、私ね。軽音部に入部したんだ。

しかも唯と同じギターまでやることになったんだよ。

私、唯の分まで頑張っていっぱい練習するから。

…だから唯。見守っててね。

唯『和ちゃん…ありがとう』

和「! 唯!?」

憂「わっ!びっくりした…」

130: 2009/08/15(土) 20:55:25.92 ID:6au90Zyq0
和「う 憂ちゃんか…ごめん」

憂「いえいえ。そういえばこれ…はい、ギターの本です」

和「ありがとう。でも本当に借りちゃっていいの?」

憂「いいですよ。…あとこれも」

和「これは…唯のギターじゃない!こんな大事なもの借りられないわ!」

憂「いいんですよ。和さんが使ってくれるなら、お姉ちゃんだって喜びます」

憂「それに…まだギター買ってないんですよね?」

和「…憂ちゃんはなんでもお見通しね」

和「…本当にありがとう憂ちゃん。私、がんばるから」

憂「はい♪頑張ってください」

134: 2009/08/15(土) 21:03:56.55 ID:6au90Zyq0
がちゃっ

和「お邪魔します」

律「よう和…ってそのギターどうしたんだ!?」

和「…友達から借りたのよ」

澪「そうか。でもこれでやっと軽音部らしい活動ができるな」

紬「えぇ♪よかったわ」

律「そうだ!なにか弾いて見せてよ!」

和「え…?でも私まだ全然…」

律「簡単なものでいいからさ!」

和「…わかったわ。…それじゃぁ…」

137: 2009/08/15(土) 21:08:58.17 ID:6au90Zyq0

律「………」わくわく

澪「………」どきどき

紬「………ごくり」

チャラリ~ララ~♪

和「………」

澪「…チャルメラ?」

律「…ぶっ!」

紬「…くすくす…」

律「…あーっははは!!!チャルメラって…!
  和のキャラじゃねえよ!!!」

和「なっ!?」

紬「あはははは!ご…ごめんなさい和ちゃん!」

和「ちょっと失礼よ!がんばって練習したんだから!」

138: 2009/08/15(土) 21:18:49.79 ID:6au90Zyq0
澪「…和。ちょっと待ってて」ゴツンッ!

律「あいたっ!」

澪「よし…これで静かになったな。和に謝れよ律、ムギ」

律紬「…ごめんなさい」

和「別にいいわよ…。それに、これからいっぱい練習してうまくなる予定なんだから」

律「おお!心強いねぇ!この分なら武道館も夢じゃないかもな!」

和「…え?」

和「…律は…プロになりたいの?」

律「当たり前だろ?目指すは武道館!」

唯『うん!目指すは武道館!』

141: 2009/08/15(土) 21:25:29.65 ID:6au90Zyq0
すこし昔のことを思い出していた。

唯が武道館に行きたいなんて言い出した時は、もしかしたら唯なら…って思った。

それだけ唯の演奏が上手だったから。

私だけの力なら、決して武道館に行けないけど…みんなでがんばれば…もしかしたら…

澪「おいおい…。プロになんてなれるわけないだろ。なぁ和」

和「わ…私も武道館行きたい!」

澪「えっ!?」

146: 2009/08/15(土) 21:34:22.13 ID:6au90Zyq0
澪「お…おい!本気なのか!?」

和「うん!」

澪「でも…プロになるって大変なんだぞ!和だってまだ始めたばかりじゃないか!?」

和「それでも…私、頑張って練習するから!行こうよ武道館!」

律「…そうだな!でも、和はどうしてそこまで行きたいと思うんだ?」

和「…私の友達にね。武道館にどうしても行けなくなっちゃった人がいるの」

紬「…まぁ」

和「だから、その友達の夢を引き継ぎたいの。このギターと一緒に」

澪「…まさか…それって…」

律「…だまってろ澪」

和「だからみんな…お願い。私と一緒に武道館に行きましょう!」

147: 2009/08/15(土) 21:39:40.53 ID:6au90Zyq0
律「…だめだ」

和「え…?どうして…」

律「だって、その台詞は部長であるこの私の台詞だからな!」

律「みんな!必ず行くぞ!武道館!」

紬「おー♪」

澪「わかったよ…とことん付き合ってやる。おー!」

和「みんな…」

律「ほら、和も一緒に!」

和「うん…!おー!」


151: 2009/08/15(土) 21:48:48.35 ID:6au90Zyq0
それから私は、勉強そっちのけで一生懸命練習した。

成績は下がり調子で両親にもよく怒られるけど、そんなことなど気にならないほど練習が楽しかった。

今なら、あの時の唯の気持ちがわかる気がする。

和「澪…お願いがあるんだけど…」

律「私からもお願いしやす…」

澪「…またか?」

和「…宿題を教えてほしいの…」

律「私からもお願いしやす…」

澪「だめだ!自分の力でやれ!」

…今の私を、唯が見たらなんて言うのかな?

152: 2009/08/15(土) 21:59:02.38 ID:6au90Zyq0
―数日後

がちゃっ

さわ子「みんなー!練習やってるー?」

律「あ!さわちゃん!」

澪「みんな真面目にやっていますよ」

さわ子「関心関心!なんて言ったって学祭は2週間後なんだからね」

そう。さわ子先生の言う通り2週間後には学祭がある。

そこで私達は、初めて人前で演奏するのだが…

さわ子「和ちゃん!ギターの調子はどう?」

和「はい…なんとか大丈夫だと思います…」

さわ子「…?」

…はたして成功するのだろうか?もし失敗しちゃったどうしよう?

和「………」

律「…和のやつ。最近ずっとこんな調子なんだ」

153: 2009/08/15(土) 22:15:47.04 ID:6au90Zyq0
さわ子「ふーむ…」

和「………」

さわ子「…みんな!ちょっと和ちゃん借りていくわね!来なさい和ちゃん!」ぐいっ

和「せ…先生!?ちょっと…!」

律「えっ!?ちょ…ちょっとさわちゃん!」

ばたんっ!

律「いっちゃった…」


―さわ子宅

さわ子「適当にくつろいでいてちょうだい。今準備してくるから」

和「準備?準備って一体なんの…」

さわ子「いいから!帰っちゃだめよ?」

162: 2009/08/15(土) 23:09:07.64 ID:6au90Zyq0

さわ子「お待たせ!さぁ始めましょう!」

和「これは…ギター?先生もギター弾けたんですか?」

さわ子「そうよ。…実は私も桜高の軽音部にいたのよ。担当はあなたと同じギター」

和「そうだったんですか」

さわ子「私達も武道館に向けて一生懸命練習したわ。…でも、それも昔の話」

さわ子「…あなた達を見てるとね。きっと武道館に行けそうな気がするの。
    だからあなた達は私の夢。その夢を一緒に追わせてもらえないかしら?」

和「先生…もちろんです」

さわ子「ふふ♪ありがとう。やっぱり私はあなた達の顧問になってよかったわ。さ、練習を始めましょう」

和「はい!」

164: 2009/08/15(土) 23:18:36.10 ID:6au90Zyq0



ジャーン

和「…どうですか?」

さわ子「…すごいわ。あなた、本当に今年からはじめたの?」

和「はい。そうですけど…」

さわ子「技術の面では百点満点よ。後はもっと自信を持ちなさい」

和「…はい!ありがとうございます」

さわ子「…さて。あなたの練習に付き合ってあげたんだから私にも付き合ってもらうわよ」

和「?なんですか?」

さわ子「ちょっとまってなさい。…ふふ♪」

166: 2009/08/15(土) 23:25:00.97 ID:6au90Zyq0
がちゃっ

さわ子「おまたせー!」

和「…これは一体何ですか?」

さわ子「なにって、服よ?それも私の手造りのね♪」

和「…これを私が来るんですか?しかもこんなに大量に?」

さわ子「そうよ。あなた以外の誰が着るの?」

和「………」

私がこれを全部着るって?ピンクのフリフリとかボンボンとかついたこの服を?

冗談じゃない…。丁重にお断りして早く家に帰ろう。

和「先生…。すみませんがそろそろ時間が…」

さわ子「…あぁ?」

和「……なんでもありません」


168: 2009/08/15(土) 23:30:16.93 ID:6au90Zyq0
―次の日

和「おはよう…」

律「おはよう和。…朝から随分と疲れてるな」

和「まぁ…ちょっと色々とね…」

律「昨日、あれからさわちゃんと何かあったのか?」

和「!べ…別に何もないわ…」

律「そ…そうか…」

172: 2009/08/15(土) 23:46:16.81 ID:6au90Zyq0
―放課後

がちゃっ

和「お邪魔します」

律「和!いいところにきたな!これ見てくれよ」

和「?…どれどれ」

―キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI

揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ

和「…なにこれ?」

澪「私が作曲したんだ」

律「…これはないよな?」

和「そうね…ちょっとこれは…」

澪「…だめかなぁ?」うるっ

和「だ…だめっていうか…その…。ムギはどう思う?」

紬「…すばらしいわ♪」

和律「え?」

175: 2009/08/15(土) 23:52:51.51 ID:6au90Zyq0
澪「本当に…?」

紬「はい…嘘はつきません」

和「…私もいいと思うわよ」

律「えっ?さっきないとか言ってなかったっけ?」

和「…言ってないわよ」ぷい

律「目をそらすなよ…!」

和「とにかく、学祭はこの曲で頑張りましょう。えーっと…曲の名前は…」

澪「ふわふわ時間だ」

律「うわぁ」

177: 2009/08/16(日) 00:01:05.94 ID:zItwhvIR0
律「…そもそもボーカルって誰がやるんだ?」

和「…私はいいわ。あんまり歌、うまくないし」

律「なら…澪!お前が歌え!」

澪「私!?嫌だ!こんな恥ずかしい歌、歌いたくない!」

律「おい作者。…和、どうしてもダメか?」

和「…わかったわ。でもあまり期待しないでね」

律「よし!ボーカルも決まったことだし早速練習だ!」

~♪

がちゃっ

さわ子「みんなー。練習してるようね…って…」

さわ子「…なにこの歌?」


179: 2009/08/16(日) 00:13:28.82 ID:zItwhvIR0
―学祭当日

今日はライヴ本番の日。絶対に成功して見せる。

律「よし!今日の学祭張り切っていくぞ!」

和澪紬「おー!」

『次は、軽音楽部によるバンド演奏です』

ざわざわ

「なにあれー?かわいいー」

「一年生だってー」

「がんばれー!」

和「………」

180: 2009/08/16(日) 00:15:44.55 ID:zItwhvIR0
>>178
そうです

律「…和?」

澪「和…」

紬「…和ちゃん?」

和「………」

…すごい人の量…。みんなが私達をみている。もし、失敗したらどうしよう…。

…弱気になっちゃだめ。武道館はもっとすごいんだから。それにあんなに練習してきたじゃない。

唯…私に力を貸して…!

和「…皆さんこんにちわ!軽音部です!」

和「早速ですが聞いてください!ふわふわ時間!」



183: 2009/08/16(日) 00:30:51.48 ID:zItwhvIR0
書くの遅くてすいません。


―放課後

律「…ふぅ。今日のライヴは大成功だったな!」

澪「本当だな。私達の演奏にみんな驚いてたぞ」

紬「みんな♪お茶が入ったわよ♪」

律「サンキュームギ♪まさかまだティーセットが残ってたなんてな」

紬「またみんなでお茶がしたかったの。だからそのまま残しておいたのよ」

澪「…ここ音楽室だよな?」

紬「まぁまぁ。今日くらいはいいじゃない♪はい和ちゃん」コトッ

和「………」

律「和?」

184: 2009/08/16(日) 00:35:22.27 ID:zItwhvIR0
和「…私、本当にライヴができてよかった。こんなに人前に立つのが気持ちいいなんて…」

澪「…そうだな」

和「それに私…。軽音部に入部して本当によかった!」

和「みんな…私を誘ってくれて、本当にありがとう!」

律「…礼を言うのはまだ早いんじゃないか?」

和「え…?」

律「…なんでもない!武道館に行ったときに聞かせてやるよ!」

186: 2009/08/16(日) 00:46:10.65 ID:zItwhvIR0
それからも私達は練習に励んだ。冬はムギの別荘で合宿。

学校に泊まり込みで練習など…。

あと、ライヴハウスにも何度か出演した。私達のバンドは結構人気があるらしい。ファンクラブが出来る程だ。

…それから年が明け、私達が二年生になった頃…。

和「憂ちゃん。合格おめでとう」

憂「ありがとうございます和さん」

和「今日の新歓で私達、演奏するからみに来てね」

憂「はい!」

187: 2009/08/16(日) 00:51:17.71 ID:zItwhvIR0
『次は軽音楽部によるバンド演奏です』

和「こんにちわ。軽音部です」

和「では早速聞いてください。ふわふわ時間!」

~~~♪

憂「和さん…すごい…」

憂「…私も負けてられないな」

189: 2009/08/16(日) 00:57:56.51 ID:zItwhvIR0
律「入部希望者こないなぁ…」

澪「…やっぱり軽音部って人気ないのかな?」

和「…まだわからないわ。もう少し待ってみましょう」

紬「みんな♪お茶の用意が出来たわよ」





和「…だれも来ないわね」

律「どうしよう…こうなったら拉致ってくるしか…」

澪「おいおい…」

がちゃっ

?「すいませーん。入部希望なんですけど…」

律「おお!いらっしゃい!」

和「え…?憂ちゃん…?」

193: 2009/08/16(日) 01:06:49.42 ID:zItwhvIR0
律「?和、知り合いなの?」

和「えぇ。友達の妹…」

憂「みなさんはじめまして。入部希望の平沢憂です。よろしくお願いします」ぺこ

澪「礼儀正しい子だな。楽器は何か弾けるのか?」

憂「はい!ギターが弾けます」

紬「まぁ♪和ちゃんと同じね」

和「初耳よ…」

律「何か弾いてみて!」

憂「はい!では…」

~~~♪

律「す…すげぇ…」

澪「これは…」

紬「驚いたわ…」

和「す…すごい…私より上手…」

224: 2009/08/17(月) 22:34:28.53 ID:XXBx1V9c0

憂「…どうでしたか?」

律「すげえよ!上手だな!」

澪「ギターはいつからやってるんだ?」

憂「小学校5年生からです」

和「え…」

小5から?なら憂ちゃんは、唯が氏んでからずっと練習してきたの?

でもそんなこと一言も…。

律「とりあえず今日は解散だ。明日からよろしくな憂ちゃん」

憂「はい!こちらこそおろしくお願いします」

和「………」

憂「和さん。一緒に帰りませんか?」

和「…ええ…いいわよ」

227: 2009/08/17(月) 22:39:02.30 ID:XXBx1V9c0
憂「…和さん。ギターやってたこと黙っていてごめんなさい…」

和「…どうして黙っていたの?」

憂「それは…その…今はまだ言えません…」

和「どうして…?」

憂「…どうしてもです」

和「…そう。私、先に帰るわね」

憂「和さん!まって…!」

私は何を怒っているんだろう?憂ちゃんが私に隠し事をしていたから?

…違う。私は憂ちゃんに嫉妬しているんだ。私よりもギターがうまいから。

でも、そんなの当たり前じゃない。私はまだ1年ちょっと。憂ちゃんは4年近くもやってるんだから。

分かっているんだけど…。この気持ちはおさまってくれない。

228: 2009/08/17(月) 22:42:35.07 ID:XXBx1V9c0
がちゃっ

憂「こんにちわ~」

律「よう憂ちゃん。今日からよろしくな!」

憂「はい!よろしくお願いします」

澪「さあ、さっそくだけど練習しよう。ライヴまでもう少しだ」

律「そうだな。いっちょ気合入れてやるか!なぁ和!」

和「………」

律「和?」

和「…え?ごめんなさい。聞いてなかったわ」

律「おいおい、しっかりしろよ。後輩に先輩のやる気を見せなくてどうするんだ?」

和「ごめんなさい…」

230: 2009/08/17(月) 22:52:13.12 ID:XXBx1V9c0
ただいまです!


憂「………」

律「…?まぁいいや。練習するぞ!」

律「わん、つー!」

~~~♪


ジャーン

律「…おい和。もっとやる気出せよ」

和「ごめんなさい…」

231: 2009/08/17(月) 22:55:57.86 ID:XXBx1V9c0
澪「和…なにかあったのか?」

紬「悩みごと…?」

和「…なんでもないわ」

憂「………」

律「…ならもう一回行くぞ?」

律「わん、つー!」

~♪

232: 2009/08/17(月) 23:02:55.72 ID:XXBx1V9c0
和「………」

律「…おい。なんで演奏しないんだよ」

和「………」

律「なんとか言えよ!」

澪「落ち着け律!和も一体どうしたんだ?」

和「………」

…だめだ私は。ギターだけが今の自分の取り柄なのに。

誰よりもギターがうまくなくちゃ武道館に行けないのに。

私は結局、唯の夢を叶えられないで終わるんだろうか?

…不安が私を飲み込む。

1: 2009/08/17(月) 23:18:30.91 ID:XXBx1V9c0


律「…はぁ。和がそんなんじゃ武道館は無理そうだな」

憂「え…?みなさんプロになるつもりですか?」

澪「そうだよ。みんなで約束したんだ。必ず武道館に行くって」

和「………」

律「でも和がこの調子じゃなぁ…。私達は行けないまま終わるかもしれない」

憂「!…そんなことありません!きっと行けますっ!!!」

紬「憂ちゃん…?」

憂「ご…ごめんなさい…」

律「…今日は解散だ。みんな、また明日」

4: 2009/08/17(月) 23:21:55.02 ID:XXBx1V9c0

律「…はぁ。和がそんなんじゃ武道館は無理そうだな」

憂「え…?みなさんプロになるつもりですか?」

澪「そうだよ。みんなで約束したんだ。必ず武道館に行くって」

和「………」

律「でも和がこの調子じゃなぁ…。私達は行けないまま終わるかもしれない」

憂「!…そんなことありません!きっと行けますっ!!!」

紬「憂ちゃん…?」

憂「ご…ごめんなさい…」

律「…今日は解散だ。みんな、また明日」

8: 2009/08/17(月) 23:26:39.30 ID:XXBx1V9c0

憂「和さん!一緒にかえりませんか?」

和「…別にいいわよ」

憂「…和さんは武道館を目指してるんですか?」

和「…そうよ。でも、もうダメみたい」

憂「なんでですか…?」

和「…私が武道館に行きたい理由はね、唯の夢を叶えたいからなの。
 その為には誰よりもギターがうまくなくちゃいけない。…憂ちゃんよりも」

憂「…なんだ。そんなことだったんですか」

和「そんなこと…?」

憂「そんなことですよ。私と同じです」

11: 2009/08/17(月) 23:28:29.21 ID:XXBx1V9c0

憂「私がギターを始めた理由は…お姉ちゃんの意思を継ごうと思ったからなんですよ」

和「え…?」

憂「お姉ちゃん良く言ってたじゃないですか。武道館に行きたいって」

憂「…だから私は、お姉ちゃんの代わりに武道館に行こうと思ったんです。ほら、和さんと同じじゃないですか」

和「でも、なんでそのことを黙ってたの…?」

憂「どうせ周りに話したって馬鹿にされると思ってました。プロになんかなれる訳ないのにって…」

和「………」

憂「…でも、私は和さん達の演奏をみて思ったんです。この人達とならプロになれるかもって。
 それと、今日の皆さんの話を聞いて確信しました。この人達は私の夢を馬鹿になんかしないって」

憂「だから…お願いです和さん。私と一緒に、武道館に行きましょう!」

13: 2009/08/17(月) 23:33:01.54 ID:XXBx1V9c0
そうだ。私は大事なことを忘れていた。

一人で武道館に行くんじゃない。みんなで行くんだって、あの日みんなと約束したじゃないか。

私が一番になるんじゃない。みんなで一番になればいいんだ。

…なんでこんな大事なことを忘れてたんだろう。

和「…だめよ」

憂「え…?なんでですか…?」

和「…だって、それは私の台詞だもの」

和「憂ちゃん。私達と一緒に武道館目指してくれる?」

憂「!…はい!」

唯の夢は、今も確実に生き続けてる。

14: 2009/08/17(月) 23:36:38.57 ID:XXBx1V9c0
和「でも、なんで唯のギターを私に?憂ちゃんが使えばよかったのに…」

憂「…私には使うことができませんでした」

和「?」

憂「だって、そのギターを使うと…お姉ちゃんのことを思い出しちゃうんです」

憂「涙が…止まらなくなってしまうんです」ぐす

和「あ…」

憂「…和さん。ひとつお願いしてもいいですか?」

和「なに…?」

憂「そのギター…。お姉ちゃんのギターで、今演奏してもらえませんか?」

17: 2009/08/17(月) 23:43:55.43 ID:XXBx1V9c0
和「ここで?…いいわよ」

憂「すみません…。変なお願いしちゃって」

和「別にいいわよ。それじゃ…」

~~♪

私は、唯がよく弾いていた曲を弾いた。

憂ちゃんもこの曲が好きだったはずだ。唯の演奏を良く二人で聞いていたっけ。

憂「……お姉ちゃん」

憂「…お姉ちゃん…おねえちゃあん……」ぽろぽろ

憂「うわあああん!おねえちゃああん!寂しいよぉ!!」ぼろぼろ

和「憂ちゃん…」

私は前になんていった?憂ちゃんが強い?

違う…。強くなんかない。悲しいに決まってるじゃないか。

この子は、寂しいのをずっと我慢してきたんだ。唯を悲しませないように…。

20: 2009/08/17(月) 23:48:48.35 ID:XXBx1V9c0
憂「…すみません。取り乱してしまいました」ぐす

和「…泣きたいときはいつだって泣いていいのよ?」

憂「はい…。ありがとうございます。少し楽になりました」

和「いえいえ。どういたしまして」

憂「やっぱりそのギターを和さんに預けて正解でした。お姉ちゃんもきっと喜んでいます」

和「ありがとう…。憂ちゃん」

憂「はい♪よかったね。ギー太!」

和「ギー太?」

憂「はい。お姉ちゃんのギターの名前です。お姉ちゃんがつけたんですよ」

和「…まぁ、なんとも唯らしいわね」

憂「えへへ♪それじゃ私はここらへんで。また明日頑張りましょう♪」

和「ええ…。また明日」

21: 2009/08/17(月) 23:52:05.47 ID:XXBx1V9c0
―次の日

がちゃっ

律「おーっす。お、和に憂ちゃん。二人とも早いな」

憂「こんにちは律さん」

和「私はいつも早いわよ」

律「そうだっけ?…どうやら悩みは吹っ切れたみたいだな」

和「ふふ、おかげ様でね」

がちゃっ

澪「悪い。遅れた」

紬「ごめんなさい」

律「よし。みんな揃ったことだし練習するか」

和「ちょっとまって。その前に私から話があるの」

律「?なんだよ改まって」

22: 2009/08/17(月) 23:54:49.15 ID:XXBx1V9c0
和「みんな…昨日は迷惑かけて本当にごめんなさい」

律「いいよ。きにするなよ」

澪「そうだぞ。元気が出たみたいでよかった」

紬「心配したのよ?」

和「ありがとうみんな…それともう一つ…」

和「もう一度言わせてほしいの。…みんな…私と一緒に武道館に行きましょう!」

律「…だから、その台詞は部長の私のだ!」

律「よし!みんなぁ!絶対に行くぞ!武道館!」

和澪紬憂「おー!!!」

23: 2009/08/17(月) 23:57:51.74 ID:XXBx1V9c0
―数カ月後

律「そろそろ学祭だな。あと2週間後か」

和「もうそんな時期なのね」

紬「時間がたつのは早いわねぇ」

憂「去年の学祭では何を演奏したんですか?」

律「去年はふわふわ時間だよ。その頃はそれしか持ち歌がなかったんだ」

紬「今年は何を演奏するの?」

律「うーん…。いつもライヴハウスで演奏してる曲でもやるか?」

和「でも、たまには違う曲も演奏したいわよね」

律「そうだよなぁ。澪ー。新しい曲作ってないのー?」

澪「ふふふ…。そういうと思って作ってきたんだ!」

律「マジ!?ちょっと見せてよ!」

律「………」

律「…カレーのち…ライス…?」

25: 2009/08/18(火) 00:00:40.58 ID:G0jvg7+p0
律「…曲名からしてあれなんだけど…」

澪「なんだと!?いいから歌詞を読んでみろ!」

和「どれどれ…」

紬「どきどき…」

憂「見せてください…」

―キミにときめき恋かもねアワアワ

 ハングリー精神とめらんないクラクラ

律「………」

和「………」

紬「………」

憂「………」

澪「…どう?自信作なんだけど…」

律「…やっぱりこれはないよな和」

和「…私はもうなれたわ」

26: 2009/08/18(火) 00:03:56.34 ID:XXBx1V9c0
律「…ムギは?」

紬「どんとこいです…」

律「ですよねー」

律「そうだ!憂ちゃんはどう思う!?」

憂「…素晴らしいです…。可愛い歌ですね…」

澪「だろ?特にここの所なんて最高だと思わないか」

憂「はい♪私もそう思います!」

律「…あれ?私がおかしいのか?」

29: 2009/08/18(火) 00:06:35.78 ID:G0jvg7+p0
―学祭当日

その日の私達の演奏は大成功だった。

ライヴハウスやいろんなイベントにも参加しているおかげだろう。

プロになる為に、それだけの数をこなしてきたんだから当然の結果だ。

律「いや~!今日の演奏も大成功だったな!」

澪「当然だ。私達はそれだけ数をこなしてきたんだからな」

憂「でも、初めての学祭楽しかったです!」

和「そうね。また来年も楽しみましょうね」

がちゃっ

さわ子「みんな。今日のライヴ大成功だったわね。おめでとう」

憂「先生!ありがとうございます」

さわ子「憂ちゃんもよく頑張ったわ。…そういえばムギちゃんは?」

和「そういえば…どこいったのかしら」

さわ子「ちょっと!?ムギちゃんがいないとお茶が飲めないじゃない!
   私はいつものライヴ後のティータイムを楽しみに来たのよ!?」

律「あんた最低だな…」

30: 2009/08/18(火) 00:09:14.00 ID:G0jvg7+p0
がちゃっ

紬「………」

律「ムギ?お前どこ行ってたんだよ」

紬「………」

澪「…ムギ?」

憂「紬さん…?」

さわ子「ちょっとムギちゃん!早くお茶の準備しなさいよ!」

律「あんたは黙ってろ…」

紬「………」

和「ムギ…?一体どうしたの?」

紬「……みんな…私達…」

紬「…メジャーデビューできるかもしれない」

和「……え?」

32: 2009/08/18(火) 00:11:18.67 ID:G0jvg7+p0
紬「私のお父様の知り合いでね、レコード会社の社長さんがいるんだけど…」

紬「私達の評判を良く聞くみたいで…今日の学祭に来ていたらしいの…」

澪「そ…それで…?」

紬「会ってきたわ…。話を聞くために…」

律「そ…それでそいつは…私達のことをなんて…?」

紬「…私達を…プロデュースしたいって…」

和「………」

澪「………」

憂「………」

さわ子「………」

律「……マジ?」

52: 2009/08/18(火) 02:05:09.00 ID:G0jvg7+p0

それから私達は、『放課後ティータイム』というバンド名で見事メジャーデビューを果たした。

最初は大した人気が出なかったものの、一部のファンの口コミや、さわ子先生…今はマネージャーか。

の売り込みのお陰で、曲の全体の完成度の高さ、澪の書く歌詞の素晴らしさ(どうやらずれていたのは私と律の方だったらしい)

などが徐々に世間一般に評価され始め、私達の人気は『今、日本で一番熱いガールズバンド!』

と週刊誌にも歌われるほどになった。

…ちなみに、この『放課後ティータイム』というバンド名だが、私達がバンド名を決めるための相談をしている時に

さわ子先生がお茶が飲みたいとうるさかったので、律がその時に…

53: 2009/08/18(火) 02:07:28.41 ID:G0jvg7+p0
さわ子「バンド名よりお茶にしましょうよ~。私喉乾いた~」

澪「………」

さわ子「お茶~!お茶が飲みたいの~!」

紬「………」

さわ子「私は放課後のティータイムが楽しみで顧問になったのよ!」

和「…え?私の夢がどうとか言ってましたよね?」

憂「だからライヴの後ぐらいにしか、音楽室に来なかったんですね…」

さわ子「いったかしら?とにかく私はお茶が飲みたいのよ!」

律「…うるせえな!そんなに放課後ティータイムがしたいんなら一人でやってろ!
 私達はバンド名を決めるのに忙しいんだよ!まったく…」

さわ子「ならバンド名は放課後ティータイムで決まり!よかったわねあなた達!
   さぁムギちゃん!早くお茶ちょうだい!」

56: 2009/08/18(火) 02:11:18.09 ID:G0jvg7+p0
澪「先生!そんないい加減な…。ここはやっぱりぴゅあ☆ぴゅあを…」

紬「私は充電期間を推奨するわ♪」

憂「私は雲譚がいいと思います…」

和「レッドフレームなんてどうかしら?」

律「…いや、まて…。案外いいかもな『放課後ティータイム』って…」

律「…よし決めた!私達のバンド名は『放課後ティータイム』だ!いいだろみんな!?」

和澪紬憂「え~~~~?」

律「うるせえ!このままじゃいつまでたっても決まらねえだろ!!
 大体、バンド名決めるだけなのに一週間かかるってどういうことだ!?」

という理由で決まった。私はレッドフレームの方がよかったと今でも思う。

57: 2009/08/18(火) 02:13:42.93 ID:G0jvg7+p0
それからの私達の人気は留まることをしらず、高校を卒業してからはテレビ出演やライヴ、

雑誌のインタビューなどの仕事で大忙しだった。

そして私達は気がつけば…

58: 2009/08/18(火) 02:17:16.02 ID:G0jvg7+p0
がちゃ

さわ子「みんな!今日のお仕事お疲れ様!…それと…とうとうやったわよ!」

律「なんだよ?やっと彼氏でもできたか?」

さわ子「…あぁ?」

律「…冗談です」

紬「それで、なにがあったんですか?」

さわ子「ふふふ…。なんと…なんとね?」

澪「もったいぶらないでください」

さわ子「私達『放課後ティータイム』の…武道館公演が決定したのよ!」

和「えっ!?」

憂「和さん!!!やりましたね!!!」

夢にまで見た武道館に、たどりついていた。

60: 2009/08/18(火) 02:21:28.11 ID:G0jvg7+p0
―武道館

律「すげぇ…。私達、ここで演奏するんだ…」

澪「流石に広いな…。人はどれくらい入るんだろう」

紬「武道館には、最大で1万人以上入れるらしいわよ」

憂「1万人!?そんな大人数の前で、私達演奏するんですね…」

律「流石に緊張するなぁ…。和はボーカルだから特に緊張しそうだな」

和「……大丈夫よ。ここまで来たんだから…大丈夫…」

律「……の~どか!」ぎゅっ

和「きゃっ!?な、なにするのよ急に!」

律「安心しろよ。お前一人でステージに立つんじゃない。みんなで立つんだろ?」

和「…ありがとう律。わかってるわ…」

…そう、わかっている。分かっているんだけど…怖くて怖くてたまらない…。

もし失敗したら?ここでのチャンスは一度きりなんだ。失敗なんかできない。

失敗したら、私は唯の夢を潰すことになるんだ。絶対に成功させなきゃ…。

…でも、不安な気持ちが頭から離れてくれない。

62: 2009/08/18(火) 02:26:52.80 ID:G0jvg7+p0
―武道館 ライヴ前日

スタッフA「今日の練習はこれで終わりです。お疲れ様でした」

スタッフB「皆さん!明日のライヴ頑張ってください!」

律「はい!皆さんお疲れ様です!…さて、私達はこれからどうする?」

さわ子「この後の予定はないわよ?あなた達の好きにしなさい」

澪「明日の為にホテルに帰って休んだ方がいいんじゃないか?」

紬「私もその方がいいと思います」

律「そうすっか。それじゃみんな、帰ろうぜー」

和「…ごめんなさい。私、行きたいところがあるの」

律「そうなのか?ならみんなで行くか」

和「ごめんなさい。…憂ちゃんと二人きりで行きたいの」

憂「え…?」

澪「そうなのか。明日は本番だぞ?二人ともあまり遅くまで出歩くなよ」

和「わかってるわ、ごめんなさい。それじゃ憂ちゃん、行きましょう」

憂「は、はい!」

63: 2009/08/18(火) 02:32:27.23 ID:G0jvg7+p0
―平沢家

チーン…

和「………」

…唯。私ね、とうとうやったよ。

唯が夢にまで見た武道館に…私達はたどりついたんだ。

明日のライヴ…絶対に成功させるから…。

唯も見守っていてね。

でも…、本当はね。怖くてたまらないのよ…。

もし私が、明日のライヴを失敗しても…唯は私の友達でいてくれる?

憂「和さん。ありがとうございます」

和「ありがとうって…。私は無理やり来たんだもの。お礼を言うのはこっちの方だわ」

憂「いえ…。お姉ちゃんはきっと喜んでくれています」

和「そうよね…。後は唯の為にライヴを成功させるだけね」

憂「はい!明日、頑張りましょう!」

和「ええ、頑張りましょう」

64: 2009/08/18(火) 02:41:04.79 ID:G0jvg7+p0
―武道館 ライブ当日

律「とうとうこの日が来たか…」

澪「ああ…ここまで来たら後はやるだけだな」

紬「緊張するわね…」

憂「和さん…。大丈夫ですか?」

和「ええ…。大丈夫よ」

律「和。今日の出だし頼んだぞ」

和「……ええ、任せて」

律「よし!それじゃあみんな!!!いっちょかましてくるか!!!」

…大丈夫。きっと成功する。

65: 2009/08/18(火) 02:47:21.81 ID:G0jvg7+p0
ワーワー!!!

キャー!!!

澪ちゃーん!!!りっちゃーん!!!ムギちゃーん!!!憂ちゃーん!!!和ちゃーん!!!


律「す…すげぇ…!なんつう人の数だ…」

澪「よくよく考えると…私達ってすごいところに立ってるんだな…」

紬「…今まで実感がなかったわね」

憂「…和さん…そろそろ…」

和「………」

律「和…?」

和「………」

澪「和…!早くしゃべって…!」

和「…あ……あ…」

紬「和ちゃん…!」

憂「和さん…」

68: 2009/08/18(火) 02:56:52.49 ID:G0jvg7+p0
ざわざわ…

…あれ?まだはじまんねーの?

…これってなんかの演出?

…おい、はやくはじめろよ…


澪「まずい…観客がざわめき始めてる…!律…!お前がバンド紹介を…」

律「………」

澪「律…!お前リーダーだろ…!?」

律「……私達をここまで導いてくれたのは和だ」

澪「………」

律「あいつがあの日、武道館に行こうって言わなきゃ、私達は今ここに立ってねぇよ…」

律「…だから和がこのバンドの、本当のリーダーだよ。あいつなら大丈夫だって信じてる…」

澪「………」

律「…頑張れ和…。ここまで来たんだ。後は声を出すだけだぞ…」

70: 2009/08/18(火) 02:59:17.97 ID:G0jvg7+p0
なんてことだ…。話すタイミングを見失ってしまった。

…どうしよう。何を話せばいいんだっけ?頭の中が真っ白だ。


ざわざわ…

…どうしたの?なんで始まらないの?

…ふざけんなよ!なにもしないんなら金返せ!


周りの声が聞こえる。みんな怒ってるんだ。

当たり前だよね…。私がなにも喋らないんだから。それでもなにか…


ざわざわ…

…いい加減にしろ!ひっこめ!

…馬鹿らしい。帰ろうかな

71: 2009/08/18(火) 03:01:52.75 ID:G0jvg7+p0
…もう駄目だ…。今更しゃべったって遅い。

みんなごめん。私のせいで、今日のライヴ失敗しちゃったよ。

唯もごめん…。結局夢を叶えられなかった…。

本当に…ごめん…。



唯「和ちゃん」

72: 2009/08/18(火) 03:10:04.34 ID:G0jvg7+p0
和「唯…?」

唯「そうだよ。和ちゃん」

和「唯…。私ね…、頑張ったよ…頑張ってここまで来たんだよ…?」ぽろぽろ

唯「しってるよ…。ずっと見てたもん」

和「ごめんね唯…。私…、唯の夢…叶えられそうにないよ…」ぽろぽろ

唯「………」

和「ごめんなさい…ごめんなさい…!」ぽろぽろ

唯「…前を見てよ和ちゃん。みんな、待ってるよ」

和「え…?」

唯「和ちゃんが喋るのをみんなが待ってるんだよ…」

和「………」

唯「和ちゃんは今、みんなに夢を見せるためにここにいるんだよ」

唯「だからみんなにも見せてあげようよ。私達の夢を」

和「唯…」

75: 2009/08/18(火) 03:18:22.27 ID:G0jvg7+p0
そうだ…。私は何の為にここまで来た?

唯「がんばって。和ちゃん…」

唯の夢を叶える為だ。その為にみんなでここに来た。

唯「……」

そして、その夢をここに来てくれた人達に…今度は見せてあげなくちゃならない。

唯「……」

そうやって、夢や意思は受け継がれていくから。

唯「……」

しっかりしろ真鍋和…。まだ、大事な仕事が残っているだろ。

唯「……」

和「ほら…しっかりしなさい」

…私はもう迷わない。

唯「……」にこ

77: 2009/08/18(火) 03:21:13.49 ID:G0jvg7+p0
和「…みなさん!お騒がせしてすみません!放課後ティータイムです!」

澪「和…!」

紬「和ちゃん…!」

憂「和さん…!」

律「…やっぱり、私の言ったとおりだったな」

81: 2009/08/18(火) 03:39:15.31 ID:G0jvg7+p0
和「…ライヴの前に、皆さんにお話ししたいことがあります!」

和「…私の友達に、ずっと武道館を目指していた人がいました。
  その人はとても演奏が上手で、私は彼女ならきっと…と思っていました」

和「でも…その友達は、…事故で亡くなってしまいました」

憂「………」

和「私は、彼女を失ってからずっと何もしない日々を過ごしてきました。
  そして高校に入ってから、私はHTTのメンバーと運命的な出会いを果たしました」

澪「………」

82: 2009/08/18(火) 03:40:21.32 ID:G0jvg7+p0
和「リーダーの律は、廃部の危機の為、ギターも何も弾けなかった私を勧誘し、
  私は、軽音部に入部することになりました。」

和「その時、律がいったんです。武道館を目指しているって。
  私はその時に、亡くなった友達のことを思い出しました。彼女の夢も同じだったからです」

律「………」

和「それから私達は、武道館に行く為にひたすら努力してきました。
  ライヴハウスで演奏してみたり、休みの日にみんなで練習したり…」

紬「………」

和「そして…その努力が実ったんです。私達はここに立つことができました。それはなぜか…
  いっぱい努力をしたから?…それもあります。でも一番の理由は…」

和「私達が夢を諦めなかったからです」

83: 2009/08/18(火) 03:44:42.06 ID:G0jvg7+p0
和「だから皆さんも自分の夢を信じてください」

和「だって…叶わない夢はないんですから!」


ワーワー!


和「話が長くなってしまいすみません…」

和「それじゃあ早速聞いてください!」


和「ふわふわ時間!」


                おしまい

84: 2009/08/18(火) 03:47:59.48 ID:G0jvg7+p0
これでおしまいです
こんな駄文に付き合ってくれた方々
本当にありがとうございます!

SS書くのは2回目なので至らないところもいっぱいありましたが
それでも支援、保守してくれた方々のヌクモリティは絶対忘れません
それじゃあまた  ノシ

87: 2009/08/18(火) 03:53:38.10 ID:G0jvg7+p0
―番外編

和「ふわふわ時間!」

~~~♪

すごい…。やっぱりHTTは歌もうまいし演奏も上手だ。

私もいつか武道館に…。

?「すごいね純ちゃん…」

純「うん…!すごい…」

?「私達もいつかここに立とうね…」

純「うん!絶対に立とう。私、明日からもっとベース頑張る…」

?「私も…ギター頑張る」

88: 2009/08/18(火) 04:01:06.26 ID:G0jvg7+p0
―中学校 軽音部

がちゃっ

?「お邪魔します」

純「いいよそんなかしこまんなくたって。どうせ私達二人だけだし」

?「…悲しいこと言わないでよ」

純「でも本当のことでしょー?」

?「たしかに…このままじゃ武道館行くどころか一回もバンド組めないで終っちゃいそうだね」

純「もう中学のうちでは無理じゃない?」

?「そうだね…。純ちゃんはどこの高校に行くの?」

純「○○高校だよ」

?「え~!?私と一緒に桜高行こうよ!」


89: 2009/08/18(火) 04:04:34.29 ID:G0jvg7+p0
純「それこそ、え~!?だよ!家からだと結構遠いよ?」

?「それは…頑張って通うもん」

純「そもそもなんで桜高?どうせHTTの出身校だからでしょ?」

?「そうだよ。悪い?」

純「影響されすぎ…」

91: 2009/08/18(火) 04:09:50.26 ID:G0jvg7+p0
―1年後

純「…まさか本当に桜高に入学することになるとはね…」

?「純ちゃんもなんだかんだで桜高に来たんだね」

純「はぁ!?それはあんたが行こう行こうってしつこいから…」

?「はいはい…純ちゃん、ありがとね」

純「…はぁ。あんたがここまで連れてきたんだから。必ず武道館に行くよ?」

?「うん!まずは軽音部に行こう!」

94: 2009/08/18(火) 04:14:03.82 ID:G0jvg7+p0
「柔道部に入りませんか~?」

「オカルト研究部!一緒に不思議を探しましょう!」

?「すいません通してください!私は軽音部に行きたいんです!」

「軽音部?あの廃部寸前の?」

純「え…?それ本当ですか!?」

「ああ…部員が足りないんだとか…」

?「まさか…私はここでも音楽を満足にできないの?」

純「…せっかく桜高まで来たのにね。とりあえず行ってみようか」

99: 2009/08/18(火) 04:19:31.40 ID:G0jvg7+p0
―音楽室前

?「…中からまったく声がしない。やっぱり部員が…」

純「今からでも遅くないよ。別の部にしない?入部したら最後だよ」

?「…いや、私は軽音部に入部するんだ。そして…武道館にいく!」

がちゃっ!

?「武道館だって!?」

純「ひっ!?き…急に中から人が…」

?「おどろかしちゃってごめんねぇ」

?「キミも武道館目指してるの?」

101: 2009/08/18(火) 04:30:54.03 ID:G0jvg7+p0
?「キミもってことは…先輩方もですか!?」

?「そうだよ♪目指すは武道館!なんだ♪」

?「やっぱり…思ってた通りだよ純ちゃん!私を入部させてください!」

純「ちょっと!?」

?「入部…ほんとに…?」

?「はい!私も一緒に武道館目指したいです!」

?「…やった。やったー!大歓迎だよ!一緒に頑張ろうね♪ええっと…」

?「あ…申し遅れました!私、中野梓って言います!」

梓「これからもよろしくお願いします!先輩方!」


102: 2009/08/18(火) 04:31:59.93 ID:G0jvg7+p0
?「梓…あずにゃん…。そうだ!今日から君はあずにゃんね!あずにゃ~ん!」だきっ

梓「わっ!?ち、ちょっと…!急に抱きつかないでください!ええ~っと…」

?「あ…私の名前もまだだったね。私の名前は…」


和達の与えた夢は、確かに生き続けている。

夢は途絶えることはないだろう。これからもずっと…。


                                     本当におしまい

103: 2009/08/18(火) 04:33:42.70 ID:G0jvg7+p0
以上でした。

これは純ちゃんではないですね。そもそもどんな子でしたっけ?

それじゃあお休みなさい。またどこかで会いましょう。ノシ

引用元: 唯「……」和「ほら…しっかりしなさい」