1: 2010/01/22(金) 18:13:33.14 ID:k3dsFxR60

――10年前


幼憂「おねえちゃん!お外にあそびに行こうよ!」

幼唯「えーっ今日はゴロゴロしときたーい」

幼憂「だーめ!ゴロゴロばっかしてたら牛さんになっちゃうよ!」

幼唯「牛さんか~。おいしそうだね!」

幼憂「でも牛さんになったら食べられちゃうんだよ」

幼唯「ええっ!だ、だめだよそれは!」

幼憂「じゃあいこう!」

幼唯「ああまって~!うい~」タタタ
けいおん!college (まんがタイムKRコミックス)
3: 2010/01/22(金) 18:17:34.01 ID:k3dsFxR60


幼憂「おうだんほどうは、ちゃんと青になってから進むんだよ」

幼唯「そんなのわかるよ~。だってお姉ちゃんだもん!」

幼憂「そうだよね!」

パッ

幼憂「あっ!青になったよおねえちゃん!いこう!」

幼唯「うん!まっ…」

キーーーーーーーーーーーーーーーン

幼唯「いてっ!」

5: 2010/01/22(金) 18:21:29.51 ID:k3dsFxR60
幼憂「おねえちゃん!?」

幼唯(なにこれ…頭が…痛い!!)


幼憂『もう…先行ってるよ!』タタタ

幼唯(ああ、まってよういー)

キイイイイイイイイイイイ

幼憂『あっ…車が…』

ドグシャアアア

幼唯(うそ…うい?ういーーーー!?)


サーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

6: 2010/01/22(金) 18:26:25.52 ID:k3dsFxR60
幼唯「はっ!」

幼憂「おねえちゃん?どうしたの?」

幼唯(あれ?今のはなに?)

幼憂「もう…先行ってるよ!」タタタ

幼唯(さっきと同じ…?ハッ!?)

幼唯「まってーーーーーーーーーーーー!!ういーーーーーーーーー!!!」

幼憂「えっ!?」クルッ

キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ…

7: 2010/01/22(金) 18:30:03.54 ID:k3dsFxR60
幼憂「うわっ…車が…」

大丈夫か!? ケガは? 危なかったわー

幼唯「ういーーーーー!!」ダッ

幼憂「おねえちゃん…おねえちゃああああああん!!」ウワアアン

幼唯「だいじょうぶだった?ケガはない?」

幼憂「こわかったよおおおおおおおおお!!!」ウワアアアン

幼唯「よしよし」ナデナデ

幼唯(なんだったんだろう…今の)

幼唯(頭が痛くなったと思ったら…景色がかわった)

幼唯(そして、ういが車にひかれたと思ったら…また元に…)

幼唯(う~ん、わかんないからいいや!)


?「……」

9: 2010/01/22(金) 18:36:36.66 ID:k3dsFxR60

――現在

憂「っていうことが昔あったんだ~」

梓「へえ、危なかったね、憂」

憂「うん。もしお姉ちゃんが止めてくれなかったらわたし氏んでたよ」

純「それでお姉さんにゾッコンってわけか」

憂「ち、ちがうよ~。ずっと前からだってば///」

純「はいはい、わかりました」

梓(いいな~憂)

10: 2010/01/22(金) 18:39:35.99 ID:k3dsFxR60
憂「ところで梓ちゃん、部活でのお姉ちゃんの様子はどう?」

梓「べつにいつも通りだよ?」

純「その話何回目?」

梓「千回からは数えてない…」

憂「お姉ちゃんの話は話題が尽きないから」アハハ

梓「それもそうだね」アハハ

純(ぐっ…軽音部っていいなあ)

11: 2010/01/22(金) 18:42:38.27 ID:k3dsFxR60
キーンコーンカーンコーン

憂「あっ、また今度ね」

純「うん、また」

梓「うん」

梓(唯先輩って、やっぱりなんか常人離れしてるところあるよなあ)

梓(まさか超能力者とか!…そんなわけないか)


12: 2010/01/22(金) 18:47:01.34 ID:k3dsFxR60

――放課後

ガチャ

唯「やっほー」

律「ん?遅かったな唯」

唯「えへへ、補習ってやつでして…」

澪「また赤点とったのか…」

唯「面目ない…」

紬「唯ちゃん、お茶はいったわよ」

唯「やったー、ムギちゃん大好きー!」

紬「あらあら、ありがとう唯ちゃん」

梓「……」ムー


15: 2010/01/22(金) 18:52:49.42 ID:k3dsFxR60
律「あー!梓、嫉妬してんのかあ!?」

梓「そ、そんなわけないです!」

唯「そうなの?あずにゃん」

梓「ち、ちがいます!断じてちがいます!」

澪「すごい否定っぷりだな」

唯「もうあずにゃんったら恥ずかしがり屋さんなんだから!」ギュー

梓「あうっ…///」ホワーン

唯「いいこいいこ」ナデナデ

18: 2010/01/22(金) 19:00:13.48 ID:k3dsFxR60
律「いつもどおりだな」

澪「ああ」

紬「ずっと…ずっとこんな感じだったらいいのに…」

律「ん?なんか言ったかムギ?」

紬「な、なんでもないわ」アセアセ

澪「? おかしなムギ」


20: 2010/01/22(金) 19:03:48.63 ID:k3dsFxR60


律「ああ…おいしいなこの紅茶」ズズズ

紬「ええ。特別に取り寄せたの。喜んでもらえてうれしいわ」

澪「おいしいよ。ありがとなムギ」ズズズ

梓「……」フーフー

唯「あれ?あずにゃん、それ熱いの?」

梓「あ、はい。わたし猫舌なもんで…」

唯「ふーん」ゴクゴク

律「おい、唯。もっとお上品に飲めよな」

唯「えー。だってこれおいしいんだもん」ゴクン

澪「紅茶はもっとこう、まったりと飲むもんなんだよ」

唯「そ、そうなのかあ…ムギちゃんおかわり」

22: 2010/01/22(金) 19:07:03.56 ID:k3dsFxR60
紬「いいのよ唯ちゃん。唯ちゃんが好きなように飲んでみて」コポコポ

唯「はーい、ムギちゃんがいうならそうする!」

律「まったく…」ズズズ

唯「へっへへー」ゴクゴク

キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

唯「いてっ!」

唯(また、頭が…)

23: 2010/01/22(金) 19:13:52.08 ID:k3dsFxR60


律『ふう、ほんとにおいしいな』スクッ

ピシッ パリン ビシャア

律『うわっ!あつっ!』

唯(ああ!りっちゃんのティーカップが割れちゃったよ…)

サーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


24: 2010/01/22(金) 19:17:05.60 ID:k3dsFxR60
唯(あれ、もどった?)

律「ふう、ほんとにおいしいな」スクッ

唯「ああ!りっちゃん危ない!」

律「へ?なにが?」

ピシッ パリン ビシャア

律「うわっ!あつっ!」

澪「大丈夫か!?律!?」

律「あ、ああ。ちょっと冷めてたから大丈夫だったよ」

紬「はい、タオル」

律「サンキュー。あ、でも唯」フキフキ

唯「ふえっ!?なに!?」

26: 2010/01/22(金) 19:20:36.58 ID:k3dsFxR60
律「なんでわたしのティーカップが割れちゃうってわかったんだ?」

唯「えっ!?えーとー…なんとなく!」

律「なんとなくでわかるもんなのか」

唯「そんな気がしたの!」

律「ふーん」

唯(今の感じ…むかしあったなあ)

唯(たしか、憂が事故になりそうになったときにあったんだ)

唯(今見えたのは…未来?)

唯(ま、そんなわけないか)


紬「……」

27: 2010/01/22(金) 19:24:21.01 ID:k3dsFxR60


ジャーーーーン

律「よし!今日は解散!」

澪「結局30分だけ練習か…」

律「いいじゃん、澪だってのんびーりしてただろ?」

澪「わ、わたしは…その…してました」ボソボソ

律「そうそう!なにごとも正直がいいぞ!」ウンウン

澪「う、うるさい!」ベコン

律「いまのは不当な暴力だ~」サスサス

紬「あらあら」ウフフ

唯「じゃあかえろっかあずにゃん」

梓「はい!」

29: 2010/01/22(金) 19:29:39.78 ID:k3dsFxR60


律「じゃあな~唯、梓」

澪「気をつけてな」

紬「また明日」

唯「ばいば~い」

梓「しつれいします」


梓「あの先輩!」

唯「ん?なに?」

30: 2010/01/22(金) 19:34:41.06 ID:k3dsFxR60
梓「今日憂から聞いたんですけど…憂が事故にあいそうになったのを唯先輩が助けたんですか?」

唯「うん!ちょうどあそこらへんの交差点かな」

梓「すごいですね!憂も『お姉ちゃんがいなかったら氏んでたよ』って言ってましたよ」

唯「いやあそれほどでも~」

梓「でもなんで車が来るってわかったんですか?」

唯「それはね…憂が横断歩道を渡るときにね、頭がキーーーンってなってね、それで憂が車にひかれちゃって…そしたら、憂が横断歩道を渡る前にもどってたんだよ」

梓「??? は、はあ」

唯「あ、わかんないよね」

梓「まあ唯先輩がすごい人ってことがわかりました」

唯「そ、そう?あはははっ」

32: 2010/01/22(金) 19:39:37.57 ID:k3dsFxR60
梓「じゃあここでお別れですね」

唯「ああん、あずにゃんと別れるのがさびしいよ~」オヨヨ

梓「何言ってんですか…じゃあまた明日です!」

唯「うん、ばいばい」


唯(今日のってやっぱり…未来がみえたのかなあ)

唯(数秒先に起こる出来事に対して、その未来がみえる…)

唯(これっていわゆる予知能力ってやつ?)

唯(そうだとしたらいいけど…わたしにはいらないや)

唯(未来なんて後からわかるのに…先に知ったらつまんないよ)


33: 2010/01/22(金) 19:44:23.41 ID:k3dsFxR60

ガチャンコ

唯「ただいまー」

憂「おかえり!お姉ちゃん!」

唯「ほーれ、おみやげだぞー」

憂「うわあ、紬さんのおかしだあ!ありがとうお姉ちゃん!」

唯「どういたしましてー」



34: 2010/01/22(金) 19:49:20.32 ID:k3dsFxR60


唯「うーん…未来なんて見えなくていいとは言ってみたけど…」

唯「やっぱりちょこーっとだけ知りたい…」

唯「でもどうやったら見ることが出来るんだろう…」

唯「念じるとか…」

唯「はあああああああああああ…」

唯「せいやあっ!」カッ

シーーーーーン

唯「これで見れたら苦労しないよ…」

35: 2010/01/22(金) 19:54:23.96 ID:k3dsFxR60
唯「じゃあ何かきっかけみたいなのがあるのかなあ…」

唯「ベタな話…その人に触ると未来が見えます!なんてあるかも!」

唯「う~い~」

憂「なあにお姉ちゃん」ガチャ

唯「ちょっとごめんよ~」サワサワ

憂「ひゃあっ!なにするのお姉ちゃん///」

唯「ちょっと試したいことが…」ナデナデ

憂「く、くすぐったいよ~///」

唯「あれ~ちがうのかな」モミモミ

憂「あ、あ、あっ、だ、だめだよぅ…///」

唯「ん~だめだ!ちがった」バッ

憂「あっ…もうおわり?」

唯「ごめんごめん、もう戻っていいよ」

憂「うう、いいところで…」バタン

37: 2010/01/22(金) 19:59:05.22 ID:k3dsFxR60
唯「人に触ってもダメかあ」

唯「そういや未来が見えたとき体触ってないや」

唯「ふぁ~あ…もうねよう…」



憂「おねえちゃあん、学校だよ、早く起きて!」

唯「う~ん、あと5分…」ムニャ

憂「んもう」

38: 2010/01/22(金) 20:04:17.34 ID:k3dsFxR60


唯「ごめんねうい、寝坊しちゃって」

憂「ううん、まだ間に合う時間だよ」

唯「じゃあいこっか」

憂「うん!」


和「あ、二人ともおはよう」

唯「あ!和ちゃん!」

憂「おはようございます」

和「今日はちゃんと起きれたの?」

唯「ああ…ふとんがわたしを離さなくって…」

和「だから髪がくしゃくしゃなのね」

憂「すみません…」

唯「えへへ~」

40: 2010/01/22(金) 20:09:39.20 ID:k3dsFxR60
キーーーーーーーーーーーーーーーン

唯「はうっ!」

唯(また…頭が…)


和『それでね、澪が…』

ガッ

和『きゃっ!』ドテン

唯(ああ!和ちゃんが転んだ!)

和『いてて…あ、メガネが割れちゃった…』


サーーーーーーーーーーーーーーーー


42: 2010/01/22(金) 20:14:08.20 ID:k3dsFxR60
唯「はっ!」

和「どうしたの?唯」

唯「えっ!?いやあなんでもないよ!」

和「そう」

唯(和ちゃんのメガネが割れてない!)

唯(今のは…未来に起こる出来事だったんだ!)

唯(ならば!わたしが和ちゃんのメガネを守らなきゃ!)


FIRST MISSON 「和のメガネを守れ!」

43: 2010/01/22(金) 20:19:34.00 ID:k3dsFxR60
唯「の、和ちゃん!足元気をつけてね!」

和「え?ええ」

憂「どうしたの?お姉ちゃん」

唯「最近、ここらへんで転ぶのが社会的問題となっているのです!」

和「そんなの聞いたことないわよ?」

唯「でも気をつけて!」

和「はいはい、わかりました」

唯(さっき見たのだとたしか道路でころんだよね…)

唯(ならば段差のある道路は歩かせない!)


44: 2010/01/22(金) 20:24:26.43 ID:k3dsFxR60

唯「和ちゃんストーーップ!」

和「なによもう」

唯「あっちから行こうよ」


唯「和ちゃんダメーーー!」

和「また?」

唯「ここから行こうよ」


唯「和ちゃん止まれーーー!」

和「こんどはなに?」

唯「ほら!段差がすごいよ!こっちこっち!」

45: 2010/01/22(金) 20:28:50.65 ID:k3dsFxR60

和「もう唯!遠回りしてるじゃない!」

憂「お姉ちゃん、今日はどうしたの?」

唯「こ、これは和ちゃんのためなんだよ!」

和「気持ちはありがたく受け取るわ。でも遅刻したらダメでしょ」

唯「うぐっ…」

憂「あっでもあと少しで学校ですよ」

唯「よ、よかった~」

和「? 変な唯ね」


47: 2010/01/22(金) 20:34:10.76 ID:k3dsFxR60
唯(これで未来は変えることが出来た!和ちゃんのメガネも無事だ!)

和「さあいきましょ…」

ガッ

和「きゃっ!」ドテン

唯「ああっ!和ちゃん!」

憂「和さん!」

和「いててて…あっ、メガネが割れちゃった」

唯「メガネエエエエエエエ!」


「和のメガネを守れ!」 ミッション失敗!


49: 2010/01/22(金) 20:39:27.43 ID:k3dsFxR60
唯「メガネエエエエエ!!」ウワアアアン

憂「お、お姉ちゃん、落ち着いて」

唯「だってええ、メガネがああああ」ウワアアアン

和「大丈夫よ唯。スペアのメガネがあるから」スチャッ

唯「ふえっ!?和ちゃんのメガネが生き返った!!」

和「なによ、生き返ったって…」

唯「よかったよおおおおおお」ウワアアアン

和「もうなんなのよ今日の唯は…」ヨシヨシ

憂「なんだかすみません…」


51: 2010/01/22(金) 20:44:06.70 ID:k3dsFxR60


唯「おっはよーーー!」ガラッ

律「ん、おはよう。今日は遅かったな」

唯「ちょっと和ちゃんのメガネを守ろうとして…」

律「はあ?」

紬「あらあら、仲がいいのね」

唯「もちろん!」

唯(やっぱり未来は変えることが出来ないのかな…)

唯(でも前は憂を助けることが出来たし…)

唯(はあ…次はがんばろ…)

52: 2010/01/22(金) 20:49:12.96 ID:k3dsFxR60


先生「今日の授業はここまで!」

唯「ふー、やっと終わったよ」

先生「あーあと平沢!あとで職員室にこいな」

唯「がーん」

律「まーた赤点か」

紬「大変ね」

唯「くそう!わたしが何したって言うんだあ!」

律「いや、赤点だろ」


55: 2010/01/22(金) 20:54:21.08 ID:k3dsFxR60


唯「しつれいしましたあ…」バタン

唯「ああ…わたし卒業できるかなあ」

さわ子「あら唯ちゃん」

唯「ああ!さわちゃん先生!」

さわ子「もうちゃん付けしないの!」

唯「えーいいじゃん」

さわ子「で、どうして職員室に?」

唯「レッドポイントってやつですよ」

さわ子「赤点?またとったの?」

57: 2010/01/22(金) 20:59:32.70 ID:k3dsFxR60
唯「ねえ先生!今はゆとり教育じゃないの?」

さわ子「そうだけど?」

唯「なのにこんなに難しいなんて…どうかしてるぜ!」

さわ子「ああそう」

唯「ああ!さわちゃん先生冷たい!」

さわ子「お子ちゃまにつきあってる暇はないの」

唯「ぶー」

キーーーーーーーーーーーーーーーン

唯「いてっ!」

唯(またあ?意識が…)

59: 2010/01/22(金) 21:10:56.16 ID:k3dsFxR60

さわ子『じゃあね、唯ちゃん』

バキン

さわ子『きゃああ!』カクン

唯(ああっ!さわちゃん先生のヒールが折れた!)

さわ子『あ~れ~』ゴロンバタン

唯(そのまま階段に…)


サーーーーーーーーーーーーーーーー


唯「はっ!」

唯(今のも…未来か!)

唯(よーし!こうなったらさわちゃんを助けるぞ!)


SECOND MISSON  「さわ子の転落を防げ!」

61: 2010/01/22(金) 21:15:27.77 ID:k3dsFxR60


さわ子「じゃあね、唯ちゃん」

唯「ちょ、ちょっと待ってー!」

さわ子「なーにー?」

唯「さわちゃん先生が無事に音楽室まで行くか見届けるから一緒に行っていい!?」

さわ子「べ、別にいいわよ!子供じゃないんだから」

唯「いやいや、危ないよ!この階段は『魔の十三階段』って呼ばれるくらいだから!」

さわ子「そんなおおげさな…」

唯「ねえいっしょに行くだけだからあ、いいでしょ?」

さわ子「もう、遅刻してもいいならいいわよ」

唯「わーい!」

62: 2010/01/22(金) 21:20:25.92 ID:k3dsFxR60

唯「ゆっく~り、ゆっく~りだよ先生!」

さわ子「もう大丈夫って言ってるでしょ!」

唯「でも…転ばないか心配なんだよー」

さわ子「唯ちゃんが思ってるほどドジっ子じゃありません!」

唯「ほらほら!手すりも使って!」

さわ子「やれやれ…」


唯「あと一段!」

さわ子「はい」ヒョイ

唯「やったー!ついにのぼりきったよー!」

さわ子「大げさねえ」

唯「ほっ。安心したよ」

63: 2010/01/22(金) 21:25:03.75 ID:k3dsFxR60
さわ子「さあもう授業が始まるわよ。教室に戻りなさい!」

唯「はーい!」

唯(よっしゃ!ミッションコンプリート…)

唯(はっ!待てよ…上りは大丈夫だったけど、下りは…)

唯(やばい!さわちゃん先生が転んじゃう!)

唯(う~、どうしよう)



唯(結局、授業終了までいちゃった…)

65: 2010/01/22(金) 21:32:12.71 ID:k3dsFxR60

ガチャンコ

さわ子「あれ?唯ちゃん?まだいたの?授業は?」

唯「あう~ごめんなさい!」

さわ子「はあ…どんだけわたしが心配なのよ」

唯「あっそうだ!さわちゃん先生!ヒールを脱いでください!かかとが折れちゃいますよ!」

さわ子「えっ?なんでかかとが折れたってわかるの?」

唯「えっ」

さわ子「授業中に折れちゃって…代わりにスリッパをはいてるの」

唯「そ、そうだったんだあ」ホッ

さわ子「ふふふ、心配してくれてありがとね唯ちゃん」

唯「うん!」

唯(まあ、結果オーライかな)


「さわ子の転落を防げ!」 ミッション成功!


66: 2010/01/22(金) 21:36:56.77 ID:k3dsFxR60

――放課後

律「唯、さっきの授業はどうしたんだ?」

紬「みんな心配してたのよ?」

唯「ごめんごめん。ちょっとトイレにね」

律「授業時間丸ごと使うほどトイレしてたのか」

唯「うん!そりゃあもう大きいうん…」

梓「それ以上はだめです!」

澪「下品だぞ、唯」

唯「あはは、ごめんごめん」

67: 2010/01/22(金) 21:40:37.14 ID:k3dsFxR60
律「ところで次のライブはどうする?」

紬「これといった新曲もないわね」

梓「まあ、今までの4曲でいいんじゃないですか?」

澪「そうだな」

律「いや!今までと同じなんていやだ!」

澪「じゃあどうするんだ?」

律「唯のかわりに澪が全部歌うとか」

澪「ええっ!?いやだ!」

律「なんでえ、いいじゃんか」

澪「だめなものはだめ!」

梓「澪先輩がそこまで言うんなら…」

紬「あきらめましょう、りっちゃん」

律「ちぇっ」

68: 2010/01/22(金) 21:45:17.87 ID:k3dsFxR60
唯「じゃあわたしが全部歌うよ」

澪「ごめんな、唯」

唯「いいよいいよ、澪ちゃんは恥ずかしがり屋さんだもん」


キーーーーーーーーーーーーーーーン


唯「いてっ!」

唯(また?今日で3回目だよ)

69: 2010/01/22(金) 21:50:07.23 ID:k3dsFxR60


澪『みんなああ!ありがとおおお!』

ワーーーー ワーーーーー

澪『えへへ…』

ガッ

澪『へっ?うわわわわ』

バタン

澪『いっててててて…!』

キャーーーー マタヨーーーー シャメシャメ

澪『い、い、いやあああああああああああああっ!!』


唯(これは…次のライブで澪ちゃんが転んでパンツを披露しちゃったよ!?)


70: 2010/01/22(金) 21:55:51.34 ID:k3dsFxR60

サーーーーーーーーーーーーーーーー


唯「はっ!」

澪「どうした?唯」

唯「ふえあっ!?な、なんでもないよ!」

唯(いまのも未来?今までのより遠い未来のことだ!)

唯(これなら対策が立てられる!)

唯(澪ちゃんのパンツを二回も見せるわけにはいかない!!)

唯(よし!わたしはパンツを守るよ!)


THIRD MISSON  「澪のパンツを守れ!」

71: 2010/01/22(金) 21:59:55.54 ID:k3dsFxR60

――ライブ前日

律「みんなー!衣装どうしようか?」

唯「はいは~い!」

律「はい唯!」

唯「澪ちゃんはズボンはいた方がいいと思います!」

澪「ええっ!?なんで?」

唯「ほ、ほら!またパンツを見せちゃいやでしょ?」

澪「もう転んだりしないよ」

梓「そうですよ…大体ズボンなんて恥ずかしいです!」

唯「そ、そうかなあ」

72: 2010/01/22(金) 22:05:14.32 ID:k3dsFxR60
さわ子「だめよ唯ちゃん!澪ちゃんにはこの衣装着せるんだから!!」

律「うわあ、きわどいなあ」

澪「い、いやだあ!!」

唯「これじゃあパンツ見えちゃうよ」

紬「あら唯ちゃん、やけに澪ちゃんのパンツにこだわるのね」

梓「唯先輩、不潔です!」

唯「わ、わたしは澪ちゃんのためを思って…」

澪「気持ちは嬉しいけど、転ばないしパンツなんて見せないよ」

唯「そこまでいうなら…」

唯(くっ!やばいよ…これは最悪なパターンだよ…)

73: 2010/01/22(金) 22:09:41.90 ID:k3dsFxR60

――ライブ当日

澪「結局制服か」

律「だってあんな肌の露出が多い服なんて着たくないし」

唯「そうだよ!ここは制服でよかった!って思うべきだよ!」

澪「もうしつこいぞ!わたしは転ばないって」

梓「そんなに澪先輩のパンツが大事なんですか…」

紬「あらあら」ウフフ

74: 2010/01/22(金) 22:15:20.35 ID:k3dsFxR60
『これより放課後ティータイムによるライブが始まります…』

律「おお、出番だな」

澪「唯、歌詞忘れるなよ」

唯「おーけい!澪ちゃんも転ばないでね」

澪「もうしつこい!」

律「よーし!行くぞっ!放課後ティータイム…」

唯澪律紬梓「ファイヤーーーーーー!!」


ウィーーーン…


75: 2010/01/22(金) 22:19:53.49 ID:k3dsFxR60

ジャラーーン

唯「三曲目、『私の恋はホッチキス』でしたあ」

唯(ふう、やっぱライブは楽しいな)

唯「みなさんと楽しく過ごしたこのライブの時間ですが、そろそろおひらきの時間となりました」

律「宴会か!」

唯「では最後の曲聞いてください!『ふわふわ時間』!」

ジャジャジャジャジャッジャジャジャ

唯(よし、完璧!)

澪(!)

澪「唯!歌!」

唯「あっ!」(やばい!歌うの忘れた!)

76: 2010/01/22(金) 22:25:11.99 ID:k3dsFxR60
澪「君を見てるといつも…~♪」

唯(み、みおちゃ~ん)

澪(ほら歌え!)

唯「揺れる思いはマシュマロみたいに…~♪」



唯「ふわふわタ~イム!」

ダダッダダッジャーーン

ワーーーーーーーー キャーーーーーー

77: 2010/01/22(金) 22:30:25.60 ID:k3dsFxR60
律(ふう、大成功だな)

梓(やっぱり先輩方はすごいです!)

紬(楽しかったあ)

唯「みんなあ!ありがとう!」

唯(ほら!澪ちゃんも!)

澪「えっ、あ、ああ」

澪「みんなああ!ありがとおおお!」

ワーーーーーー キャーーーーー

78: 2010/01/22(金) 22:34:58.95 ID:k3dsFxR60
唯(ああ楽しかったなあ)

澪「えへへ」

ガッ

澪「きゃっ!」

唯(わ、わすれてた~~~!!)

梓「澪先輩!」

紬「澪ちゃん!」

律「澪!」

唯「うおおおおおおっ!」(まにあええええええ!)

澪「うわわわわわわ」

バタン

79: 2010/01/22(金) 22:39:46.23 ID:k3dsFxR60
澪「いってててててて…」

唯「み、澪ちゃん、大丈夫?」

澪「ゆ、唯…おまえ…」

唯「へっ?」

キャーーーーー ミテーーーー コンドハアノコヨーーーーー シャメシャメ

唯「」

梓「澪先輩のかわりに唯先輩のパンツが…!」

紬「お披露目しちゃった」

律「やっちまったな」


「澪のパンツを守れ!」 ミッション成功!

83: 2010/01/22(金) 22:45:12.32 ID:k3dsFxR60


澪「……」ズーン

律「まあ澪、べつにお前がパンツ出したわけじゃないからさ」

澪「で、でも…」

唯「わたしなら大丈夫だよ澪ちゃん!タイツはいてるし」

澪「唯はあんなに言ってたのに…わたしのせいで…」

唯「澪ちゃん…」

紬「大丈夫よ。唯ちゃんは優しいから許してくれるわ」

梓「そ、そうですよ!唯先輩はこんなことじゃ怒らないです!」

唯「みんな…」

律「ほーら、みんなが言ってるんだ。澪も元気出せよ」

澪「うん、わかった…」

85: 2010/01/22(金) 22:49:46.73 ID:k3dsFxR60
澪「唯、ごめんな…わたしのせいで…」

唯「ううん、わたしも歌うの忘れちゃって、澪ちゃんにフォローしてもらったもん。お互い様だよ」

澪「唯…ありがとな」

唯「へっへへ~こっちこそだよ、澪ちゃん!」

律「はい!一件落着!」

紬「じゃあ、お茶にしましょう」

律「さんせーい!」

唯「やったーーー!」

唯(わたしが犠牲になったけど…なんとか澪ちゃんのパンツを防げたよ)

唯(…まあ、結果オーライってやつだね)

86: 2010/01/22(金) 22:54:55.24 ID:k3dsFxR60


律「でさあ、唯の奴がさあ」

唯「ああ!りっちゃんだめだよう!」

梓「どうしたんですか?」

律「唯がいきなり脱ぎだして…」

唯「わーーーわーーーわーーーー!!」

澪「唯でも恥ずかしいことってあるんだな」

紬「もう少しで聞けたんだけどな…」

唯「もう!りっちゃんってば!」

律「なはは、ごめんごめん」

87: 2010/01/22(金) 23:00:00.74 ID:k3dsFxR60
キーーーーーーーーーーーーーーーン

唯「いてっ!」

唯(また…未来に?)


律『あの!その…つ、つ、つきあってください!!』

男『……』

律『~~~~!!』

男『…ごめんな』

律『!』


唯(ええ~~っ!りっちゃんが告って、そしてふられた~~!!?)

サーーーーーーーーーーーーーーーー

89: 2010/01/22(金) 23:04:47.89 ID:k3dsFxR60

唯「はっ!」

律「どうしたんだ?唯」

唯「ひえあっ!な、なんでもないよ!」

唯(まさか…まさかりっちゃんに好きな人がいるなんて…)

唯(…でも、ふられちゃうんだよね…)

唯(…よし!わたしが恋のキューピッドになってやる!)


FOURTH MISSON  「律の恋を実らせろ!」

90: 2010/01/22(金) 23:10:05.46 ID:k3dsFxR60

――翌日

唯「ねえねえりっちゃん」

律「ん?なんだ?」

唯「りっちゃんって好きなひと居るの?」

律「!!! ば、ばかなこといってんじゃねえ!///」

唯「あ~やっぱりいるんだ」

律「う…わ、悪いかよ///」

91: 2010/01/22(金) 23:14:04.27 ID:k3dsFxR60
唯「ううん、わたし、りっちゃんの恋を応援するよ!」

律「えっ!む、むりだよ!唯じゃ無理だって!」

唯「まだわかんないじゃん」

律「唯なんて…その…恋なんてしたことないだろ?」

唯「ないよ!」

律「ほらあ、だから無理なんだよ」

唯「でもでも、わたしはりっちゃんの助けになりたいと思ってるんだよ?ねえお願い!」

律「ううう…わかったよ…」

唯「ほんと!やったーー!」

96: 2010/01/22(金) 23:19:07.27 ID:k3dsFxR60
唯「んで、りっちゃんの好きな人ってだれ?」

律「ええっ!?そ、それは…」

唯「言わないと分かんないよ。ほらはやく!」

律「ほ、ほら…よく行く楽器屋さんにバイトの人がいるだろ?その人だよ」

唯「おお!私たちの少し上って感じの子かあ」

律「……///」カアア

唯「じゃあ、連絡先はわかるの?」

律「…わからない」

唯「えっ!じゃ、じゃあ名前は?」

律「…わからない」

唯「ええーっ!?なんにもわかんないじゃん」

律「だ、だって!はずかしいもん…///」

100: 2010/01/22(金) 23:23:49.89 ID:k3dsFxR60
唯「よーし!今からその楽器店にいこう!」

律「はあっ?今からか?」

唯「そうだよ」

律「む、無理だって!」

唯「だめだよりっちゃん。一歩を踏み出さなきゃ」

律「……わかった」

唯「よーし、じゃあレッツゴー!」

律「オー!」


101: 2010/01/22(金) 23:29:50.45 ID:k3dsFxR60


男「いらっしゃいませー」

唯「おおーっ!あの人か!」

律「か、かっこいいだろ?」

唯「うん!りっちゃんがほれるだけはあるね」

律「えへへ///」

唯「りっちゃんが照れる所じゃないよ」


唯「じゃあそろそろ作戦に移りますか」

律「なあ唯。やっぱりやめないか?」

唯「だーめ!ほら行った行った!」

律「あーもう!」

102: 2010/01/22(金) 23:34:48.15 ID:k3dsFxR60


律「す、す、すみません!」

男「はい、なんでしょうか?」

律「えーと、その…」

唯(ガンガンいこうぜだよりっちゃん!)

律「これ、私のメアドです!よかったらメールしてください!!」

男「えっ!?」

唯(よし!)

男「わかりました。じゃああとで」

律「ありがとうございます!」

103: 2010/01/22(金) 23:39:22.33 ID:k3dsFxR60


唯「うまくいったね!りっちゃん!」

律「ああ!なんか胸のつかえがとれたよ」

唯「何言ってるのりっちゃん!これからが本番だよ!」

律「そ、そうだよな…ああ緊張してきた~」ドキドキ

唯「ファイトだよ!りっちゃん!」

律「おう!」

104: 2010/01/22(金) 23:43:43.80 ID:k3dsFxR60

――数日後

唯「その後はどうなの?りっちゃん」

律「なんとかデートまで持ち込めたぜ!」

唯「おお!さすがりっちゃん!」

律「みとけよー唯隊員!いい知らせ持ってくるからな!」

唯「待ってるよーりっちゃん隊員!」

105: 2010/01/22(金) 23:48:36.99 ID:k3dsFxR60

――デート当日

律「うう~、緊張するなあ」ドキドキ

律(服は大丈夫だよな…髪の毛も…よし!)

唯「ぷくく…りっちゃん、すっごく緊張してるよ!」

唯(今日のデートは念入りに設定したもん!きっと成功するよね!)


男「ごめん!おまたせ!」

律「ままままってないですよ!?」

男「ははは、リラックスして」

律「スーハースーハー…」

男「よし!じゃあいこうか」

律「うん!」


唯(よし!これよりりっちゃんのデート偵察を行う!)

106: 2010/01/22(金) 23:52:43.35 ID:k3dsFxR60


男「律は何たべる?」

律「えっとじゃあ…ナポリタンで」

男「じゃあおれも同じので」

店員「かしこまりました」

律「あ、あの!男さんはつ、付き合ってる彼女とかいるんですか?」

男「いないよ?」

律「そ、そうですか」ホッ


唯(りっちゃんったら青春してるねえ)

109: 2010/01/22(金) 23:57:41.25 ID:k3dsFxR60


男「今度はどこいこっか」

律「じゃ、じゃあわたし、映画がみたい!」

男「オッケー」


律(う~~、緊張しすぎで集中できない…)

男「……」ジー

律(はっ!これは…手をつなぐチャンス!)

律 ソロー

律(あと数センチ…!)

男「……」ヒョイ

律(ああ!手が消えたよ…)


唯(ざんねん!りっちゃん!)

110: 2010/01/23(土) 00:03:05.10 ID:EM6jWQ3R0


男「今日は楽しかったね」

律「は、はい!そうですね…」

律「…あ、あの!」

男「ん?なに?」

唯(よし!いっけええええりっちゃん!)

律「わたし、男さんのことが…好きです!」

男「……」

律「あの!その…つ、つ、つきあってください!!」

唯(ど、どうなる!?)

112: 2010/01/23(土) 00:07:48.67 ID:EM6jWQ3R0
男「…」

律「~~~~!!」

男「…ごめんな」

律「!!」

唯「!!」

男「おれ、あと少しで海外に行くんだよ」

律「そんな…海外に…」

男「だから、付き合うことが出来ないんだ…ごめん」

律「…で、ですよね~」

男「!?」

律「まあそんなもんだよね!はははっ」

唯「りっちゃん…」

律「今までありがとうございました!では!」タタタッ

男「あっ…」

唯「りっちゃん!」タタタッ

116: 2010/01/23(土) 00:14:11.61 ID:EM6jWQ3R0


唯「りっちゃん…」

律「ヒック…グス…ゆい~?」

律「わたし、ふられちゃったよ~」ウワアアン

唯「りっちゃん…」

律「ゆい、わたしどうしたらいいのかなあ…」グス

唯「…泣けばいいよ!」

律「……」ヒック

唯「泣いて泣いて泣いて…嫌なことぜ~んぶ忘れちゃおう!」

律「ゆい~~~~!!」

唯「おーよしよし、つらかったね~」ナデナデ

律「うわああああああああああんん!!!」


「律の恋を実らせろ!」 ミッション失敗!

118: 2010/01/23(土) 00:18:56.73 ID:EM6jWQ3R0


律「はあ、すっきりしたよ。ありがとな唯」

唯「ううん、わたしこそ応援するって言ってこんな結末になっちゃうなんて…」

律「いいんだよ!どうせ唯が協力してもふられるってわかってたんだから」

唯「…そっか」

律「でもなんでここにいるってわかったんだ?」

唯「ふえっ!?そ、それは…」

律「な~んてうそだよ!…ほんとにありがとな唯」

唯「えへへ…」

120: 2010/01/23(土) 00:23:05.09 ID:EM6jWQ3R0

唯(残念だなあ、りっちゃん。失敗しちゃったや)

唯(…今までの未来は全部覆らなかった…)

唯(和ちゃんやりっちゃん…)

唯(さわちゃん先生と澪ちゃんは大ごとにならなかっただけで結局は未来で見たことが起こった)

唯(わたしがどんなにがんばっても未来は覆せないのかなあ)

唯(この能力はただみんなの悲しい未来を見るためなの?そんなのいやだよ!)

唯(今度は誰の未来をみるんだろう…)

121: 2010/01/23(土) 00:27:42.03 ID:EM6jWQ3R0

――数日後

律「ほら!澪これ食べなよ!」グイッ

澪「いいって!なんだ?最近スキンシップが激しいぞ」

律「だってわたしにはもう澪しかいないんだよー」

澪「ななな…何バカなこといってんだ!!///」

律「あー!澪の奴照れてるぞー!」

澪「うううるさい!」ゴリン

律「おーいて。久しぶりだな」サスサス

紬「うふふふ」ポタポタ

梓「ムギ先輩!鼻血!」

紬「ふがふが」ムググ

123: 2010/01/23(土) 00:32:49.15 ID:EM6jWQ3R0
唯「よかったー!」

梓「なにがですか?」

唯「えっ!?な、なんでもないよ!」

唯(最近、未来を見ることもなくなったなー。まあいいんだけど)

唯「あずにゃーーん!!」ダキッ

梓「ふにゃっ!?きゅ、急になんですか!?」

唯「あずにゃん分を補給中~」ギュー

梓「あう~~~///」ホワーン

紬「ああもう!ティッシュが足りない!」ムギギ

124: 2010/01/23(土) 00:37:19.10 ID:EM6jWQ3R0

キーーーーーーーーーーーーーーーン

唯「いてっ!」

唯(うわっ!きちゃった)


梓『……のばか!』ダッ

ブオオオオオオオン キイイイイイイイイ

梓『!』

ドグシャアアアア

唯(えっ…いや…あずにゃんが…ひかれた?)

唯(いや…いやあああああああああああああああああ!!)


サーーーーーーーーーーーーーーーー

126: 2010/01/23(土) 00:42:58.92 ID:EM6jWQ3R0

唯「いやあああああああああああああああ!!」

梓「!! せ、先輩!?」ビクウ

唯「はっ!あずにゃん…」

律「どうしたんだ!?」

澪「具合でも悪いのか?」

紬「大丈夫?」

唯「うん、平気だよ。ごめんね驚かせて」

梓「もう、びっくりしましたよ。急に叫ぶんですから」

唯「えっへへ…」

127: 2010/01/23(土) 00:47:53.44 ID:EM6jWQ3R0

唯(今のが起こりうる未来だとしたら…)

唯(未来はかえることができないとしたら…)

唯(あずにゃんが氏んじゃう!?)

唯(それはいやだ!わたしが防がなければ…)

唯(こんどこそ!未来は変えてみせる!)


FIFTH MISSON  「梓を守れ!」


128: 2010/01/23(土) 01:00:06.62 ID:EM6jWQ3R0

ジョーーーン

律「よし!今日はもう帰るか!」

澪「まあ練習はした方だしな」

律「みおー、帰りにマックス行こうぜ~」

澪「おいおい、みんなで行こうよ」

紬「わたしも今日はバイト休みだから行こうかしら」

唯「あずにゃんも行くよね?」

梓「あっ…すみません。今日は早く帰らないと…」

律「ええー!なんでだよー?」

梓「今日は両親が帰ってこないので…早めに帰らないと、その…怖いんで…」

129: 2010/01/23(土) 01:06:08.55 ID:EM6jWQ3R0
唯「じゃあわたしん家にいく?泊まってもいいし」

梓「そんな!悪いです!」

唯(でも…あずにゃんをひとりにするのはダメだ!ここは…)

唯「じゃあ、わたしがあずにゃん家に行こうかな」

梓「!! も、もっと悪いです!!」

唯「いいからいいから!じゃあみんなまたね~!」グイッ

梓「ちょ、ゆいせんぱ…」

バタン

律「行っちゃったな…」

澪「ああ…」

紬(御同行したかったわ)

131: 2010/01/23(土) 01:12:19.16 ID:EM6jWQ3R0


唯「ふんふんふ~ん、あずにゃんのおうち~~♪」

梓「唯先輩、はしゃぎすぎですよ」

唯「だって~あずにゃんのお家、久々だもん!」

梓「もう…今日だけですからね」


梓「ただいま~ってだれもいないんだけど」

唯「おじゃましまーす!」

梓「どうします?ごはんにしますか?」

唯「おおう!あずにゃんの手作り料理たべたいなー」

梓「じゃあ、作りますから手伝ってください」

唯「ほいほ~い」

132: 2010/01/23(土) 01:18:16.10 ID:EM6jWQ3R0


梓「じゃあ、唯先輩は野菜を洗ってください」

唯「えっ…どうやって洗うの?」

梓「へっ?どうやってって…そのままですよ」

唯「洗剤は付けないの?」

梓「ダメです!もう、憂にまかせっきりだからこんなんなっちゃうんですよ」

唯「すんません…」


梓「やっとできました…」

唯「ごめんね…塩と砂糖まちがえて…」

梓「いいですよ。わかりにくく置いてたのが悪いんですから」

唯「面目ない…」

133: 2010/01/23(土) 01:24:09.55 ID:EM6jWQ3R0


唯「ふーっ、おいしかった~」

梓「おいしかったですね」

唯「わたしとあずにゃんの初めての共同作業だもん!うまくないわけがないよ」

梓「なっ…!何言ってんですか!」

唯「てれちゃって~、かわいい~」ダキッ

梓「あう~///」

134: 2010/01/23(土) 01:30:31.63 ID:EM6jWQ3R0


唯「じゃあお風呂はいろっか」

梓「その言い方じゃ一緒に入るみたいに聞こえますけど」

唯「ん?そうだけど?」

梓「ぜっっっったああああいダメです!!」

唯「ええー。合宿のとき一緒に入ったじゃん」

梓「あのときと今は違います!二人っきりで入るなんて…」

唯「今日だけだから!ねえお願い!」

梓「ダメなものはダメです!」

唯「ちぇっ」

135: 2010/01/23(土) 01:35:41.24 ID:EM6jWQ3R0


唯「じゃあ明日も学校だし寝ちゃおうか」

梓「はい…」

唯「あずにゃんの隣で寝てもいい?」

梓「かまわないです」

唯「やった~!」バフン


梓「あの…先輩」

唯「ん?なあに?」

136: 2010/01/23(土) 01:42:06.61 ID:EM6jWQ3R0
梓「唯先輩は…女の子同士の恋愛は…どう思いますか?」

唯「う~ん、わたしは本人たちがいいならいいと思うよ」

梓「そうですか…」

唯「なになに!あずにゃんは好きな人がいるの?」

梓「…まあ、いると言えばいるんですけど」

唯「だれだれ?」

梓(本当にこの人は…まあ、そういうところもいいんだけど)

梓「教えません」クルッ

唯「え~。あずにゃんのいじわる!」

梓「早く寝ましょうよ。明日は早いですよ」

唯「そうだね。寝ちゃおーか」

137: 2010/01/23(土) 01:47:04.01 ID:EM6jWQ3R0


梓「……」クルッ

梓「…ゆいせんぱーい」ボソ

唯「…zzz」

梓「…もう寝ちゃったか」

梓(先輩…わたしの気持ちが伝わらなくても…あなたのそばにいるだけでいいです)

唯「…zzz」

138: 2010/01/23(土) 01:52:30.25 ID:EM6jWQ3R0


梓「先輩!早く起きてください!遅刻しちゃいますよ!」

唯「う~ん、あと7分~」ムニャ

梓「はあ…憂の苦労がわかるよ…」


唯「うわああ!遅刻だよ~!」

梓「大丈夫ですよ。まだ時間はあります」

唯「あ、そう?」

唯(昨日見えた未来はなかったことになったのかな…?)

唯(まあ、無い方がいいけどね…)

140: 2010/01/23(土) 01:57:43.05 ID:EM6jWQ3R0
にゃーーん

唯「ぬおっ!」ピクッ

梓「どうしたんですか?」

唯「今、猫の鳴き声が…」

猫「にゃーお」

唯「ああ!やっぱり猫ちゃんだ!!」

猫「にゃー」

唯「かっわいい!」ナデナデヨシヨシ

142: 2010/01/23(土) 02:01:23.50 ID:EM6jWQ3R0
梓「もう行きますよ!」

唯「えーいいじゃん!」

猫「なー!」

唯「ほら!猫ちゃんも言ってるよ!?」

梓「…わたしとその猫、どっちがいいんですか?」

唯「ふん!聞き分けのないあずにゃんより猫ちゃんがいいもん!」

梓「!…じゃあずっとそうやってればいいじゃないですか!」ダッ

唯「へへへ~。もうちょっとなでなで…」

唯「ああっ!あずにゃんをひとりっきりにしちゃった!」

唯「追いかけなきゃ!」ダッ

143: 2010/01/23(土) 02:06:47.76 ID:EM6jWQ3R0
梓(唯先輩なんか…唯先輩なんか…!)タタタッ

唯「あずにゃ~~~ん!!」タタタッ

梓「! なんですか!猫と遊んでればいいじゃないですか!」

唯「ダメだよ!わたしにはあずにゃんが必要なんだよ!」

梓「うそだ!そうやって適当ばっか言って…本気じゃないじゃないですか!」

唯「ほ、本気だよ!」

梓「もう聞きたくないです!…唯先輩のばか!」ダッ

唯「まって!あずにゃん!」ダッ

ブオオオオオオオン キイイイイイイイイ

梓「!」

唯「うそ…まにあわない… 」

唯「やめて…やめてええええええええええええええええええええ!!!」

ドグシャアアアアアアアア

146: 2010/01/23(土) 02:13:09.53 ID:EM6jWQ3R0


おい、大丈夫か!? 車が突っ込んだぞ! 女の子は無事か!?

唯「いててててて…」

梓「せん…ぱい?」

唯「よかったあ、あずにゃんが無事で」

梓「なんで…なんでわたしなんかをかばって…」

唯「言ったでしょ。わたしにはあずにゃんが必要だって」

梓「せんぱい…ごめんなさい…ごめんなさい…」ヒクッ

唯「いいよ。こっちこそごめんね、ひとりにして」

梓「せんぱあああああああいいい!!」ウワアアアン

147: 2010/01/23(土) 02:18:33.58 ID:EM6jWQ3R0


唯(なんでわたしはあずにゃんを助けられたんだろう…?)

唯(気が付いたらあずにゃんを助けてた…)

唯(無我夢中だったからわからないけど…今はいいや)

唯(わたしでも…未来を変えることができたんだ!)


「梓を守れ!」 ミッション成功!

151: 2010/01/23(土) 02:24:34.33 ID:EM6jWQ3R0


梓「おはよう」ガラッ

憂「ああっ!あずさちゃん!」

純「聞いたよ!車にひかれかけたんだって!?」

梓「うん。でも唯先輩に…助けられちゃった」

憂「本当に!?」

純「…やっぱりあの人はすごいね」

梓「うん…///」

憂「……」ムー

梓「憂、わたしやっぱり唯先輩のこと好きだと思う」

憂「!…負けられないね」

梓「望むところよ!」

純「あらら、いつの間にか火花散っちゃってるよ」

152: 2010/01/23(土) 02:29:59.47 ID:EM6jWQ3R0


唯「やっほ~」ガラッ

律「ああっ!唯、大丈夫だったか!?」

唯「うん。っていうかみんな知ってるんだね」

紬「もうほとんどの生徒が知ってると思うわ。奇跡的に事故から救った少女がいるって」

唯「いや~照れますなあ」

律「うむ!軽音部部長としても鼻が高いぞ!」

155: 2010/01/23(土) 02:34:53.95 ID:EM6jWQ3R0

キーンコーンカーンコーン

律「おっ、じゃあまたな」

唯「うん」

紬「…唯ちゃん」ボソ

唯「えっ?なにムギちゃん」

紬「あとで二人っきりで話があるの。いいかしら?」

唯「? うんいいよ」

紬「じゃああとで」

唯「…なんだろう」

156: 2010/01/23(土) 02:40:12.67 ID:EM6jWQ3R0


唯「ムギちゃん、きたよー」

紬「ありがとう。唯ちゃん」

唯「お安い御用だよ!」

紬「…唯ちゃん、今から変な質問するけどいい?」

唯「うん」

紬「最近、突然未来が見えたりした?」

唯「! な、なんのこと!?」

紬「本当のこと言って。未来が見えた?」

唯「う、うん…」

紬「そう…やっぱり…」

157: 2010/01/23(土) 02:45:12.07 ID:EM6jWQ3R0
唯「な、なんでムギちゃんが知ってるの?」

紬「…今から話すことは馬鹿げてるかもしれないけど事実なの。だから信じてね」

唯「うん…」ゴクリ

紬「唯ちゃん、わたしはね…未来からきたの。未来人なの」

唯「へっ?」

紬「正確にいえば”タイム・ダイバー”…時を超える能力をもつ人間なの」

唯「??」

紬「わたしがここへと跳躍してきた理由…それは唯ちゃん、あなたを監察するため…」

唯「えっ」

紬「唯ちゃん、あなたは未来を予知できる能力者…”プレディクション”なの」

唯「???」

紬「…ごめんなさい、難しすぎたわね」

159: 2010/01/23(土) 02:50:37.96 ID:EM6jWQ3R0


唯「つまり、ムギちゃんがこの時代にきたのは…未来を予知することができるわたしを監察するためなんだね」

紬「そう。未来を予知できることは同時に世界を支配できる能力をもっているのと同じことなの」

唯「へえ、これってすごいんだね」

紬「だから唯ちゃんを、その能力を悪用しないかどうか判断するためにわたしが来た、ってわけなの」

唯「わ、わたしはそんなことしないよ!」

紬「ええ、知ってるわ。軽音部のみんなや和ちゃんを助けたり、守ったりしてたものね」

唯「し、知ってたの?」

紬「うん。だから唯ちゃんはその能力を持っていても問題ないってわたしは思うわ」

唯「うはー!照れますね!」

紬「うふふ」

161: 2010/01/23(土) 03:00:06.23 ID:EM6jWQ3R0
唯「ねえムギちゃん、質問があるんだけど」

紬「なにかしら」

唯「この能力で見える未来は確実に起こる未来なの?」

紬「その時点で見た未来ならそうと言えるわ。だけど、もし唯ちゃんが『その未来を変えたい!』って思って何かしらのその未来に関わる行動を起こすと、未来が変わってしまう場合もあるの」

紬「でも、その行動の影響力が小さかったら、そのままの未来になってしまうわ」

唯「そうなんだ…」

紬「うふふ、でも澪ちゃんのときはびっくりしたわ。あそこまでするなんて、唯ちゃんらしいわ」

唯「えへへ~照れる…」ポリポリ

162: 2010/01/23(土) 03:07:16.79 ID:EM6jWQ3R0
唯「じゃあさ、この未来を見る能力の発動条件ってなに?」

紬「能力者によってさまざまだけど…唯ちゃんの場合は未来が見たいと思った相手に対しての感情が一定より超えている場合、それに合わせてその人に大きな危機が迫るとその人の未来が見えるわ。未来予知というよりは危険察知能力というべきかしら」

唯「へえ。その感情って何?」

紬「いわゆる正の感情、例えば愛情とか友情とか…そして、その人に対して向けられる感情が大きいといいの。」

紬「でもね。大半の場合、そういう感情というのは自分に無意識に向けられてるの。自分が一番かわいいってやつね。だから未来を見るといっても自分の未来だわ。でも唯ちゃんはそれが相手に向けられてる…。だから自分の未来は見てないと思うわ」

唯「そうなんだ…」


163: 2010/01/23(土) 03:14:08.12 ID:EM6jWQ3R0
唯「ところで、ムギちゃんは未来から来たんだよね。じゃあ未来のことは知ってるの?」

紬「ええ。でもわたしはこの時代に干渉するのは許されない。唯ちゃんみたく行動を起こすことはできないわ」

唯「なんで?」

紬「タイム・ダイバーはあくまで傍観者…。その時代に干渉すると未来が変わってしまう恐れがあるの。もし何らかのアクションを起こせば罰があたえられてしまうわ」

唯「大変だね…あ、でもわたしは未来を変えちゃってるよ!大丈夫なの?」

紬「唯ちゃんはこの時代の人間よ。別に問題はないわ」

唯「よかったあ…じゃあムギちゃんはいつかいなくなっちゃうの?」

紬「いいえ。わたしはまだ監察をするという仕事があるの。だからまだどこへも行かないわ」

165: 2010/01/23(土) 03:21:01.52 ID:EM6jWQ3R0
唯「ところで、ムギちゃんは未来から来たんだよね。じゃあ未来のことは知ってるの?」

紬「ええ。でもわたしはこの時代に干渉するのは許されない。唯ちゃんみたく行動を起こすことはできないわ」

唯「なんで?」

紬「タイム・ダイバーはあくまで傍観者…。その時代に干渉すると未来が変わってしまう恐れがあるの。もし何らかのアクションを起こせば罰があたえられてしまうわ」

唯「大変だね…あ、でもわたしは未来を変えちゃってるよ!大丈夫なの?」

紬「唯ちゃんはこの時代の人間よ。別に問題はないわ」

唯「よかったあ…じゃあムギちゃんはいつかいなくなっちゃうの?」

紬「いいえ。わたしはまだ監察をするという仕事があるの。だからまだどこへも行かないわ」

168: 2010/01/23(土) 03:23:20.24 ID:EM6jWQ3R0
間違えた 眠気がやばい


唯「よかった~~!ムギちゃんがいないと軽音部は楽しくなくなるもん!」

紬「ありがとう唯ちゃん。わたしも軽音部が楽しいからここにいるの。だからすぐにいなくなったりしないわ」

唯「うん!わかった!」

紬「こんなところかしら」

唯「でもムギちゃん。こんなことわたしに話していいの?」

紬「ええ。あなたには知ってもらう権利がある。これ以上その能力で混乱しないためにも…」

唯「逆に混乱しちゃったよ…」

紬「ふふふ、唯ちゃんらしいわ」

169: 2010/01/23(土) 03:30:11.80 ID:EM6jWQ3R0

――放課後

梓「唯先輩!これもおいしいですよ!」

唯「うん!おいしいね!ありがとうあずにゃん!」

梓「えへへ~」

律「梓のやつ、唯にベッタリだな」

澪「まあ命の恩人だしな。わたしも梓だったら唯に惚れちゃうかも…」

律「な、なんだとー!わたしのことが嫌いなのかー!」

澪「ば、ばか!もしもの話だ!」

紬「うふふ」ニコニコ

171: 2010/01/23(土) 03:36:18.38 ID:EM6jWQ3R0
唯(ねえねえ、ムギちゃん)

紬(なあに?)

唯(わたしの能力のこと、みんなに話した方がいいかな)

紬(う~ん…みんなのことは信用してるけど…その能力の話は話しちゃだめよ?何があるかわからないから)

唯(そうだね)

梓「ゆ、唯先輩!わたしともお話しましょうよ!」グイッ

唯「おわわわわ」

172: 2010/01/23(土) 03:42:23.55 ID:EM6jWQ3R0
ガチャ

憂「こんにちは~」

唯「あっうい~!」

梓「どうしたの?」

憂「そんなに大した用事じゃないけど…お姉ちゃんにこれを届けに」

唯「ああっ、ケータイのストラップ!これ探してたんだよ!ありがとううい~」

憂「どういたしまして!」

キーーーーーーーーーーーーーーーン


唯「いてっ!」

唯(うう…もうないと思ったのに…)

173: 2010/01/23(土) 03:48:11.96 ID:EM6jWQ3R0


?『……もうダメだ、こいつは頃す』カチャ

憂『お姉ちゃん…ごめんね…』

ターーーン

ドサッ


唯(なに…これ…ういが…ういが…)

唯(いやあああああああああああああああああああああ!!)

サーーーーーーーーーーーーーーーー

174: 2010/01/23(土) 03:55:08.01 ID:EM6jWQ3R0
唯「はっ!?」

憂「お姉ちゃん?」

唯「うい…うい!!」ダキッ

憂「うわっ!?ちょ、お姉ちゃん、恥ずかしいよ…///」

梓「……」ムー

紬(あの様子だと…また未来を見たようね)

紬(人の不幸を見るだけの能力なんて…神様はひどいことするわ…)

唯(わたしが憂を守らなきゃ…わたしにしかできないんだ!)

唯(未来は…変えてみせる!!)


LAST MISSON  「憂を守れ!」

175: 2010/01/23(土) 03:59:15.60 ID:EM6jWQ3R0


律「じゃあな、みんな」

澪「またな」

梓「さよならです!」

紬「またね、唯ちゃん、憂ちゃん」

唯「うん、バイバ~イ」

憂「さようなら!」


176: 2010/01/23(土) 04:03:08.68 ID:EM6jWQ3R0


唯「うい!お姉ちゃんからお願いがあります!」

憂「ん?なに?」

唯「今日はわたしから離れないこと!」

憂「ええっ!?ずっと?」

唯「うん!」

憂「なんでまた?」

唯「ええーっと…今日はういに甘えたくなったの!」

憂「もうお姉ちゃんったら」

唯(あの未来だと憂は誰かにつかまってた…)

唯(つまり誘拐されたんだ)

唯(それを防ぐにはわたしがついてなきゃ…)

178: 2010/01/23(土) 04:09:44.74 ID:EM6jWQ3R0


ガチャンコ

唯「ただいま~」

憂「ってだれもいないね」

唯「そうだね」

憂「先にごはんから食べる?」

唯「うん!」


179: 2010/01/23(土) 04:16:18.62 ID:EM6jWQ3R0


憂「お姉ちゃん」

唯「な~に~?」ゴロゴロ

憂「ちょっと醤油が切れちゃったから買いに行ってくるね」

唯「だ、だめ~~~!!!ういは外に出たらだめ!」

憂「えっ?なんで?」

唯「そ、外は危ないんだよ!?」

憂「いつも外で買い物してるよ?」

唯「うっ…なんかわたしの勘でういが危ないって言ってるの!!」

憂「そこまで言うなら…じゃあ今日は出前にしようか」

唯「そうそうそれがいいよ!」

180: 2010/01/23(土) 04:22:13.44 ID:EM6jWQ3R0


憂「お姉ちゃん!そこで寝たら風邪ひくよ!」

唯「……zzz」

憂「もう寝ちゃってる…」

憂「……」

憂(お姉ちゃんがあそこまで言ってくるってことは…本当に危ないんだよね)

憂(昔あったように…お姉ちゃんが知らせてくれてるんだ)

憂(お姉ちゃんはわたしのヒーローだもん…いつもわたしを救ってくれるんだ)

憂(あっ、女の子だからヒーローじゃないか)

憂(…ありがとう、お姉ちゃん)

182: 2010/01/23(土) 04:28:08.62 ID:EM6jWQ3R0

ピンポーン

憂「あっ出前だ!は~い!」トトト

憂「おつかれさまで…」ガチャ

?「平沢憂ちゃんだね?」バチッ

憂「あうっ…!?」ストン

憂(おねえちゃ…ん)ドサッ

183: 2010/01/23(土) 04:34:09.79 ID:EM6jWQ3R0


律「次はどこいこっか?」

澪「もう帰らないか?夜遅いし」

律「え~?わたしと遊ぶのはいやなの?」

澪「そ、そうじゃないけど…」

律「それじゃあ行こうぜ!」チリンチリン

澪「うわ!急にこぐな!」

184: 2010/01/23(土) 04:40:17.29 ID:EM6jWQ3R0


男1「こいつが平沢の娘か?」

男2「ああ。妹の方らしい」

男3「身代金はいくらぐらいにしましょうか」

男2「一億ぐらいは…いかないとな~」

男1「やつは金を持っている。それぐらいは出せるはずだ」

憂「…う~ん」パチッ

憂(ここは…?車の中?)

憂(わたし、誘拐されちゃったんだ…お姉ちゃんがあれだけ言ったのに…)

185: 2010/01/23(土) 04:46:30.61 ID:EM6jWQ3R0
憂(なんとかして助けを呼ばなきゃ…)

憂(! あれは律さんと澪さん!?)

憂(窓から助けを呼べば…!)

男1「~~~~!」

男2「~~~~?」

男3「~~~~~」

憂(よし、三人の意識はわたしに向いてない!)

憂(…いまだ!)ガラッ


186: 2010/01/23(土) 04:52:27.24 ID:EM6jWQ3R0
憂「だれかあああああああああああ!!たすけてえええええええええええええええええ!!」

澪「! 今の声…憂ちゃんじゃ…」

律「見ろ!あの車に乗ってる!」

男2「てめえ!!」バキッ

憂「あうっ…!?」

男1「おとなしくしてろよ?大事なお客さんだからなあ」

憂「ぐっ…!」

律「澪!わたしはあの車を追うから、唯に連絡してくれ!!」

澪「わ、わかった!」タタタ

律「おっしゃあああ!チャリンコりっちゃんをなめんなよ!」チリンチリン


187: 2010/01/23(土) 04:58:31.96 ID:EM6jWQ3R0


梓「まったく…こんな時間に買い物行かせるなんて…」

澪「あ!あずさ~~!」ハアハア

梓「澪先輩?どうしたんですかそんなに慌てて…」

澪「ハア…憂ちゃんが、誘拐されたんだ!」

梓「ほ、ほんとうですか!?」

澪「唯に電話してもとらないんだ、だから唯の家に行く途中なんだ」

梓「警察には知らせたんですか!?」

澪「ああ。でも律が先に追跡してるからわたしたちも行こうかと…」

梓「じゃあ唯先輩を呼びましょう!」

澪「ああ!」

188: 2010/01/23(土) 05:02:25.35 ID:EM6jWQ3R0


梓「唯先輩!」ガチャ

澪「唯!」

唯「むにゃ…誰?」

澪「大変だ!憂ちゃんが誘拐された!」

唯「えっ?でもういはここに…あれ!?いない!?」

梓「憂は外に出てたんですか?」

唯「ううん!今日は出前をとらせたのに…どうして」

澪「とにかくいこう!律も追ってるから!」

唯「うん!」

唯(どうしよう…わたしのミスでういが…)

唯(まっててうい!絶対に助けるからね!)

189: 2010/01/23(土) 05:08:24.01 ID:EM6jWQ3R0

――倉庫

律「あそこか…見張りが一人いるな…」

澪「りつ~!」

梓「律先輩!」

唯「りっちゃん!」

律「おお来たか!憂ちゃんはあそこの倉庫にいる」

澪「うっ…こわいな…」

梓「もうここまで来たんです!今さら黙ってなんかいられません!」

唯「そうだよ!ういを助けなきゃ!」

191: 2010/01/23(土) 05:14:24.58 ID:EM6jWQ3R0
律「なあ、ムギも呼ばないか?ムギの家の財力ならどうにか…」

唯「ダメだよ!ムギちゃんは呼べない!」

唯(ムギちゃんはこの時代に干渉しちゃダメなんだ…巻きこんじゃダメだ!)

梓「でもムギ先輩の力なら助けになりますよ?」

唯「きょ、今日は忙しいって言ってた!」

澪「そうか…それなら仕方ない」

律「…よし!作戦を立てたぞ!」

唯「さすがりっちゃん!どんな感じ?」

律「まず……」



192: 2010/01/23(土) 05:20:35.19 ID:EM6jWQ3R0


見張り「はあ、暇だなあ」

澪「あのうすみません…」

見張り「(おっ、かわいこちゃん)どうしたんだいお嬢ちゃん」

澪「ちょっと道に迷っちゃって…」

見張り「いいよいいよ!俺が案内してあげる!」サワサワ

澪「!」

律「ひっさーつ!りっちゃん鉄パイプ!」ドガッ

見張り「ぐえーーーっ!」ドサッ

律「うし!まずはひとり!」

194: 2010/01/23(土) 05:29:16.65 ID:EM6jWQ3R0
澪「遅いぞ律!」

律「ごめんごめん」

唯「いい演技だったよ澪ちゃん!」

梓「よかったです!」

律「じゃあ澪は外で警察を待っててくれ。わたしと唯と梓で中に突入する!!」

澪「警察をまったほうがいいんじゃ…」

唯「ダメだよ!もう待てない!」

梓「唯先輩…」

律「よし!いくぞ!」

律「放課後ティータイム…」

唯澪律梓「ファイヤーーーーーー!」


195: 2010/01/23(土) 05:35:16.46 ID:EM6jWQ3R0


男1「身代金はまだか?」

男2「連絡は取れたが、時間がかかるようだ」

男3「自分の娘が可愛くないのかねえ」

憂(…助けて、お姉ちゃん!)

ガラララララララ…

唯「ういーーーーーーーーーーーーっ!!」

憂「! お姉ちゃん!」

律「助けに来たぜ!憂ちゃん!」

梓「今助けるからね!」

196: 2010/01/23(土) 05:40:20.52 ID:EM6jWQ3R0
男1「ちっ、ガキどもが…おまえら、やれ」

男2「おらあ!」

男3「氏ねえ!」

律「梓、右は任せた!唯は憂ちゃんを!」

梓「はい!」

唯「うん!」ダッ

男2「このデコ野郎が!」

律「へっ!律さまをなめんなよ!」

男3「へへへ、おじさんとにゃんにゃんしようか?」

梓「だれがしますか!」

197: 2010/01/23(土) 05:45:12.66 ID:EM6jWQ3R0
唯「ういーーーーーー!」

憂「お姉ちゃん!」

男1「おおーっと、動くなよお姉さん」カチャ

唯「!」

憂「お姉ちゃん、来ちゃダメだよ!殺されちゃうよ!」

唯「関係ない!ういが危ないんだ!わたしはういを助ける!」

男1「威勢はいいようだが…後ろのお友達は捕まったみたいだぞ」

律「すまん、唯…」

梓「面目ないです…」

唯「はやっ!」

198: 2010/01/23(土) 05:51:15.48 ID:EM6jWQ3R0
男1「そうだ、取引をしようか」

唯「!」

男1「そこのお友達ふたりを差し出せば妹は解放してやろう。どうだ?おまえは損しないぞ?」

憂「そんなこと決まってる!お姉ちゃん、この人の言うことは無視して!」

唯「そんなの決まってるよ。わたしが人質になる」

律「唯!?」

梓「唯先輩!?」

憂「ダメ!お姉ちゃん!」

男1「ははは、すばらしい姉妹愛だな…でもな、おじさんはそういうのが一番嫌いなんだよ!」カチャ

唯「!!」

男1「まずはお姉ちゃんから氏ね」

199: 2010/01/23(土) 05:56:43.28 ID:EM6jWQ3R0
律「逃げろ!唯!」

梓「せんぱあああい!!」

憂「いやあああああああああああああああああああ!!」

唯(ごめん、うい。守ってあげられなくて)

ターーーーーーーーーーン



200: 2010/01/23(土) 06:01:50.17 ID:EM6jWQ3R0


唯「~~~~~!!」

唯「あれ、生きてる…」

男1「た、弾が消えた!?だ、誰だてめえは!!」

紬「あなたたちに名乗る名前はない!!」

唯「ムギちゃん!」

紬「ごめんね唯ちゃん。遅れちゃって」

唯「どうしてここに?」

紬「澪ちゃんから連絡があったの。わたしを仲間はずれにしないでよ」

唯「でもこの時代に干渉しちゃうのはダメなんじゃ…」

紬「確かにそうよ。でもわたしたちは仲間じゃない!罰なんて関係ないわ!」

唯「ムギちゃん…」

202: 2010/01/23(土) 06:06:45.62 ID:EM6jWQ3R0
男1「ぐっ!やれてめえら!」

男2「この眉毛野郎が!」ダッ

男3「へへへ、おじさんと遊ぼうか?」ダッ

紬「遅い!」ドカッ

男2「ぐわっ!」ドサッ

紬「のよっ!」バキッ

男3「あへっ!」ドサッ

律「つえええ…」

梓「さすがです…」

203: 2010/01/23(土) 06:10:51.33 ID:EM6jWQ3R0
紬「さあ、あとはあなただけよ」

男1「ぐっ…!きさまら動くな!!」カチャ

憂「!!」

唯「ういーーー!!」

紬「くっ!遠すぎて間に合わない…」

男1「一歩でも動くなよ…動いたらパーンだ!」

憂「お姉ちゃん…」

唯(どうすれば…どうすればいいの!?)

唯(神様お願い!私に力を貸して!)

唯(わたしが…ういを…)

唯「守るんだああああああああああああっ!」

キュイイイイイイイイイイイイイイイ

204: 2010/01/23(土) 06:17:20.84 ID:EM6jWQ3R0
唯「!」

ドーーーーーーーーーーーーーーーン

唯「周りの風景が…消えていく…?」

男1「」ノロー

紬「」ノロー

憂「」ノロー

唯「みんなの動きがゆっくりになった…」

唯「はっ!今の内に…」

唯「ういーーーーーーーっ!!」ダッ

憂「」バッ

唯「よし!救出成功!!」

唯「……」

唯「金玉蹴っちゃえ」ゴシュ


206: 2010/01/23(土) 06:22:51.23 ID:EM6jWQ3R0
シュバアアアアアアアアアアアアア


男1「なっ!?いない…ぐああっ!?股間がああっ!」

憂「ふえっ!?お姉ちゃん?」

唯「大丈夫だった?うい」

憂「うん…!きっと、助けてくれるって信じてた」

唯「当たり前だよ!お姉ちゃんなんだもん!」

憂「うん!」

男1「くっそおおおおお!よくも…よくもおおおおおおおお!!」

紬「女の敵は…」

男1「!?」

紬「消えなさい!」ドゴオオオオオオ

男1「ぐおおわあああああああ!!」ドサッ

律「うわ…股間に思いっきり…」

207: 2010/01/23(土) 06:27:14.28 ID:EM6jWQ3R0
ピーポーピーポー

澪「大丈夫か!」ダッ

律「ああ!憂ちゃんも助け出したぜ」

澪「どうやって?」

律「さあ?いつのまにか唯が助け出してた」

梓「せんぱああああああああい!ういいいいいいいいいいいいい!」ダッ

憂「心配掛けてごめんね、梓ちゃん」

梓「ううん、無事でよかったよおおおお」ウワアアアン

憂「…お姉ちゃん」

唯「なあに?」

憂「大好き!」

唯「わたしもだよ!うい」


「憂を守れ!」 ミッション成功!

209: 2010/01/23(土) 06:30:27.78 ID:EM6jWQ3R0

あの事件の後、わたしは未来をみることが出来なくなった
ムギちゃんが言うには力の使い過ぎでオーバーロードしちゃったみたい
でも、みんなの悲しい未来を見るよりはずっとましだ
…ちょっともったいないけど

最後にあらわれた力はどうやらムギちゃんでもわからない隠された力だったらしい
たぶんあずにゃんを助けた時もこの力が無意識に出たんだろう

ムギちゃんはあの後この時代に干渉した罰をうけた
…はずだけど今回は厳重注意だけになったらしい
ムギちゃんは『運がよかったわ』なんて言ってたけど、わたしは優しいムギちゃんを偉い人が許したんだと思う


そして今、わたしはとても平和な時間を過ごしている

210: 2010/01/23(土) 06:32:48.06 ID:EM6jWQ3R0


梓「せんぱーい!はやく行きますよ!」

唯「ああ、まってよあずにゃん!」ダッ

キーーーーーーーーーーーーーーーン


唯「いてっ!」



おわり


211: 2010/01/23(土) 06:34:46.27 ID:PizFAvy7O
乙!
すごく良かった。

213: 2010/01/23(土) 06:47:29.38 ID:29pg1SJA0

何か珍しい感じのSSだったけど楽しかった
終わり方も好きだ

引用元: 唯「みらいよち!」