1: 2010/04/01(木) 19:53:23.67 ID:AdgTFwDO
上条「今日も朝から掃除?いつも早起きだよなぁ」

神裂「いえ!例え代理だとしても、寮の管理人としての仕事はちゃんとこなしたいですから」

上条「へぇ。俺には真似出来ないよ」

神裂「ははは……えっと、そちらは?こんな朝早くからどうしたんですか」

上条「補習だよ。今まで授業サボってた分と、何やら色々あって入院してた分」

神裂「(ぎくっ)……入院ですか」

上条「そう!お陰で夏休み一週間は潰れたんだぜ。学校もそれぐらい見逃してくれたっていいのにさ……
    って、管理人さん?どうした?」

神裂「な、なんでもありません!(また借りを作ってしまった……!)」

上条「?そう」

4: 2010/04/01(木) 20:02:18.65 ID:AdgTFwDO
上条「あ、そろそろ行かなくちゃかな」

神裂「時間ですね」

上条「じゃあな管理人さん!」

神裂「いってらっしゃい。気をつけてくださいね」

上条「ああ。行ってきます!」




神裂「ふー」

土御門「ねーちん頑張ってるにゃー」

神裂「わあ!?」

5: 2010/04/01(木) 20:14:13.70 ID:AdgTFwDO
神裂「土御門ですか……背後から驚かさないでください!」

土御門「後ろからじゃなければ驚かしてもいいのかにゃー?」

神裂「そういう訳ではありません!」

土御門「ところで見てたぜさっきのカミやんとの会話!上手くいってるにゃー」

神裂「管理人とはこのような感じでいいのでしょうか?いまいち正解が掴めないというか」

土御門「おっけーおっけー!オレの予想だとカミやんは『包容力のあるお姉さん』がタイプ!
     寮の管理人はまさに恩を返す絶好の職業だと言えよう!」

神裂「は、はぁ」

9: 2010/04/01(木) 20:31:40.30 ID:AdgTFwDO
土御門「心配することないぜい。横から聞いてても何つーか、夫婦みたいだったし」

神裂「ぶっ!!ふふふっ、夫婦ぅ!?」

土御門「おうおうもしかするとあれかにゃ?この後は某漫画的な展開かにゃ?」

神裂「なななな……ッ!」

土御門「学生と未亡人が恋愛に発展したり?」

神裂「そそ、そんなこと──!」

土御門「あれ、そうするといずれねーちんとカミやんがセッ……」

神裂「土御門ォォォォオオオオ!!」

11: 2010/04/01(木) 20:40:54.79 ID:AdgTFwDO
土御門「ぎゃああああああ!!?竹箒に仕込み刀!?待って待ってお願い待ってぇぇぇぇぇええ!!」

神裂「人が黙ってたら……調子に乗ってんじゃねえぞ!?」

土御門「ストォォォォォップ!」

神裂「止まれません!」

土御門「ねーちん約束を忘れたか!?」

神裂「ッ!…………」

土御門(た……助かったぁーっ!)

12: 2010/04/01(木) 20:50:08.87 ID:AdgTFwDO
土御門「この仕事を始める前に決めたぜい?」

神裂「……忘れてません」

土御門「はい、じゃあ復唱!ひとーつ」

神裂「魔術師の私が学園都市で何かあるとまずいので、トラブルは起こさない」

土御門「ふたーつ」

神裂「もちろん魔術師であることは隠す」

土御門「みーっつ」

神裂「……裏で動いてくれた土御門には感謝し、逆らわないようにする」

13: 2010/04/01(木) 21:00:48.92 ID:AdgTFwDO
土御門「はい三つ目!最後が一番大事たい!」

神裂「……納得いきません」

土御門「ねーちんだってカミやんに恩返しするだけじゃなく、インデックスを近くで守れたりと得することばっかだぜい?
     感謝されこそすれ恨まれる道理はないにゃー」

神裂「む」

土御門「ほらほらありがとうは?」

神裂「……ありがとう」

土御門「聞こえないにゃー」

神裂(こいつ頃す)

15: 2010/04/01(木) 21:13:51.48 ID:AdgTFwDO




神裂(さて、掃除は済んだ──というか、ロボットが全てきれいにしてくれるんですよね……)


神裂「どうしましょう?」

禁書「とうまぁ……どこー……?」

神裂「インデックス!」

禁書「管理人さん……、とうま見なかった……?」

神裂「上条当麻なら先程、登校しましたよ」

禁書「えぇー!!?」

16: 2010/04/01(木) 21:22:53.30 ID:AdgTFwDO
禁書「お、お腹空いたんだよ……(バタンッ)」

神裂「インデックス!?大丈夫ですか!?」

禁書「うう……ごはん……」

神裂「彼に食事を取らせてもらっていないのですか!?酷い……!」

禁書「そんなことはないんだけど」

神裂「え?」

禁書「でもやっぱり白米ニ合と味噌汁三杯に焼き魚三尾、お漬物一袋じゃ足りないんだよ……」

神裂「ま、まだ食べ足りないのですか……」

17: 2010/04/01(木) 21:32:53.62 ID:AdgTFwDO
禁書「とうまはいつ帰ってくるか知らないし……」

神裂「インデックス……」

禁書「ごはん……」

神裂「……分かりました」

禁書「え……?」

神裂「私がインデックスの為、上条当麻の代わりに食事を用意します!」

禁書「ほ、本当!?」

神裂「料理はそれほど得意というわけではありませんが、腹を満たすぐらいはできると思います」

禁書「やったー!!ありがとう管理人さん!じゃあ早速」

神裂「その前に」

18: 2010/04/01(木) 21:39:35.16 ID:AdgTFwDO
神裂「食管理は彼の役ですからね」

禁書「?」

神裂「ちゃんと本人に伺ってから作ります」

禁書「えー!?じゃあそれまでどうすればいいの!?」

神裂「彼の学校まで行きましょう。休み時間ぐらいは会えるでしょう」

禁書「な……な……」

神裂「おそらく歩いて三十分もかからないだろうし。では行きましょうか」

禁書「わ、私……」

19: 2010/04/01(木) 21:48:17.03 ID:AdgTFwDO
禁書「もう……歩けないんだよ……(ガクッ)」

神裂「インデックス……インデックスーッ!!」






禁書「……真面目過ぎるのも難点かも。とにかくとうまに訊いてきてほしいんだよ」

神裂「生き返りましたか」

禁書「私は部屋で待ってるね」

神裂「……どこで間違えたのでしょう」

20: 2010/04/01(木) 22:00:03.76 ID:AdgTFwDO




上条「補習がないというのに学校に来てしまうなんて……不幸だー」

上条「……暑ぃ。あそこのコンビニで涼んでいこっかなー。まだ今週のジャ〇プ読んでなかったし」


店員「らっさいあせー」

上条「えーと、あったあった……ってボロボロじゃねえか!」


上条「不幸だー」

21: 2010/04/01(木) 22:10:03.70 ID:AdgTFwDO
上条「時間はまだまだ余裕だし……ファミレスでも行くかな」

神裂「上条……さん!」

上条「あれ、管理人さん?どうしたんだこんな場所まで」

神裂「実はあなたに会いたくて」

上条「……え?」

神裂「あなたに会いにここまできたんです」

上条「ええええええええええええ!?」

22: 2010/04/01(木) 22:19:42.94 ID:AdgTFwDO
神裂「補習はどうしたのです?」

上条「いや、今日は休みだったんだ……っつか俺に会いたいってどういう意味でせうか!?」

神裂「え?そのままの意味ですが?」

上条(わー!わー!なになに!?俺の知らぬ間にフラグ立ってた!?上条当麻……管理人さんにまで手を出してたとは)

上条「グッジョブ!」

神裂「何故こそこそとガッツポーズをとっているのですか?」

上条「いえいえ何でもありませんのことよ」

神裂「おかしな人」

23: 2010/04/01(木) 22:32:21.14 ID:AdgTFwDO
上条(よし……これを機に仲良くなろう!どうやら俺には彼女がいないみたいだし、インデックスは……違うようだし)

上条「あー、えー」

神裂「顔が真っ赤です上条さん」

上条「かかかかかんりにににんさん」

神裂「どもりすぎです上条さん」

上条(落ち着け……落ち着け俺!やればできる男!それが俺!)

神裂「汗を流しすぎです上条さん」

上条「あの!」

24: 2010/04/01(木) 22:42:28.70 ID:AdgTFwDO
神裂「もしかして熱中症でしょうか?(ぴた)」

上条(ひぃ!?おでこで体温測定!?)

神裂「少し熱いですね……水分を補給した方がいいのかも」

上条(近い近い!顔が近…………)

神裂「上条さん……上条さん!!!」




上条「……申し訳ないんだけど俺をどっかの木陰にでも連れてってやくれまいか」

神裂「生き返りましたか。って何これデジャヴ」

25: 2010/04/01(木) 22:54:49.54 ID:AdgTFwDO




上条「……ん」

神裂「気が付きましたね。水飲みますか?」

上条「あ、ありがとう。ここは……」

神裂「あなたが倒れた近くの公園です。ベンチがあって助かりました」

上条(この状況……なんと膝枕だと!)

神裂「あ、もう水がない……すみません、自販機行ってきますね。ここで寝ていてください」

上条「あ、ああ」

26: 2010/04/01(木) 23:15:56.63 ID:AdgTFwDO
上条「行っちまった……」

上条(というかこれって脈アリなのか?ここまで世話されてたら勘違いしちゃいますよね?
    管理人さんの本名知らないけど。でも)

上条「きっとあの人が好きなのも、記憶をなくす前の上条当麻なんだろうなぁ……」




神裂「自販機自販機……」

神裂(彼が目を覚ました瞬間すごく安心した。これってただ単に恩人が無事だったから?それとも)

神裂「私……上条当麻を恋愛感情含んで見ている……?」

神裂(いやいやそれはない!そんなこと言ったらまるでそういう関係になりたがっているみたいじゃないですか!)




土御門『セ』

神裂「ふんぬぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!」

27: 2010/04/01(木) 23:31:06.98 ID:AdgTFwDO
書いてて恥ずかしくなってまいりました
超助けて




神裂「頭から!!頭から離れろぉぉぉおおお!!(ガンッ!ガンッ!)」


ピー、ピー


神裂「ん?」


ビィィィィィィィィ!!


神裂「うわあ!?」

上条「管理人さん!って何だぁ!?」

神裂「よくわかりませんが、いきなり鳴りだして」

上条「とにかく逃げろ!」

28: 2010/04/01(木) 23:42:48.52 ID:AdgTFwDO
神裂「はぁ、はぁ、はぁ」

上条「……はぁ。やっと寮に着いたー!疲れたー!」

神裂「す、すみません。きっと私があのロボットを壊したから」

上条「……壊したの?」

神裂「(土御門からトラブルは起こさぬよう言われていたのに)……管理人失格です」

上条「ちょ、そんなしょげるなよ」

神裂「いえ、あなたにも迷惑をかけて……私は」

上条「うーん」

30: 2010/04/01(木) 23:55:26.54 ID:AdgTFwDO
上条「管理人さんはさ」

神裂「え?」

上条「倒れた俺に優しく介抱してくれたし、毎日たくさんの仕事を一人でこなしたり、誰かの為に頑張ってる。
    ってだけでもすっげぇ尊敬してる。確かにそれが空回りだったとしても、俺にとっちゃあ有り難いよ」

神裂「いきなり何を」

上条「あんたに感謝してる人間がここにいるってこと!
    迷惑かけてるとか、そんな小さなもんで落ち込んでる方が、俺は寂しいよ」

神裂「……ありがとうございます」

31: 2010/04/02(金) 00:03:39.86 ID:rADE8UDO
神裂「……そういえば何か思い出さなきゃいけないことがあったような」

上条「?」

神裂「確か……」



禁書「とうまぁ……」

上条「イ、インデックスサン!?」

禁書「二人ともどこ行ってたの!?私はお腹が減り過ぎて氏にそうになっていたっていうのに!」

上条「いったぁぁぁぁああああああ!!!だからといって俺を噛むなぁぁぁぁあああ!!」

32: 2010/04/02(金) 00:15:35.68 ID:rADE8UDO
神裂「仲良さそうでよかったです」

上条「これが!?これが仲良さそうに見えんの!?」

禁書「管理人さんも管理人さんなんだよ!ごはん作ってくれるって言ったのに!」

上条「お前ッ……!なんて失礼なこと頼んだんだ!!そんな風に育てた覚えはありません!」

禁書「だったらとうまが早く作ればいいかも!」

神裂「いえ、私が用意しますよ。これからスーパーに行って材料買ってきますね」

上条「そこまでしてくれるなんて……!どっかの居候とは違……いってぇ!!」

33: 2010/04/02(金) 00:33:20.35 ID:rADE8UDO




神裂「♪」

土御門「ご機嫌そうだにゃー?ねーちん」

神裂「土御門」

土御門「“必要悪の教会”から命令だぜい。『今すぐ戻ってこい』だってよ。
     やっぱり聖人クラスは自由に動けないんだにゃー」

神裂「そう、ですか。なら最後に彼らに」

土御門「会いに行く時間はない。お前の本職は魔術師だ。言いたいことはオレから伝えとくよ」

神裂「……『ご馳走できなくてスミマセン』と」

土御門「それだけ?」

34: 2010/04/02(金) 00:38:11.55 ID:rADE8UDO
神裂「……ではもう一つ」




『また今度ごはんを作りますから、待っていてください』




 おわり

35: 2010/04/02(金) 00:50:09.28 ID:rADE8UDO
時期が一巻とニ巻の間にしたからかな、途中でややこしくなった
本当は実験中の一方通行に遭遇神裂敗北ルートにするつもりだったんだ


気力があれば明日もやります
次は堕天使メイド出したい

ではおやすみなさい

42: 2010/04/06(火) 23:29:47.95 ID:MtOG7Fco
―――ある朝


上条「Zzz……」

ポタリ

上条「Zzz……zz……」

ポタリ ポタリ

上条「う……何だ、冷たっ」


ポタリポタリポタリポタリ

上条「うわわ、何だ何だ!? 天井が!!」



バンバンバン!!



禁書「とうま、とうま!大変なんだよ!!」

にゃー!にゃー!!

上条「今度はなんだ!?どうしたインデックス!?」ガバッ

43: 2010/04/06(火) 23:36:24.85 ID:MtOG7Fco

上条「何があった!?」

禁書「いきなりテレビと明かりが消えたんだよ!」

上条「何、停電か??」


禁書「とうまが前に触ってた……ぶれーかー?も異常ないみたいなんだよ!」


上条「何があったんだ、こんな朝っぱらから……」


ボタボタボタボタ



上条「って風呂場も大変なことにいっ!?」


上条「ハッ」


上条(まさかこれは……)

上条「インデックス、おとなしく部屋で待っててくれ。少し出かけてくる」

禁書「う、うん」



バタン

44: 2010/04/06(火) 23:47:04.91 ID:MtOG7Fco

上条「朝早くからすんません! 管理人さんいますか!?」ピンポーン



…………




上条「くそ、いるはずなんだけど……  ん?」

バタバタ ガタン!



上条「中から物音が……。 よし」

上条「すいません管理人さん、入りますよ!!」バンッ

上条「!!??」



ゴウンゴウン モコモコモコモコモコモコ



上条(何だこりゃ、泡!?)

上条「うわっぷ……げほ、ゲホ!」



上条「管理人さん!!」

45: 2010/04/06(火) 23:49:13.42 ID:MtOG7Fco

神裂「これはどうしたものでしょうか……?」オロオロ



神裂「あ、上条当麻、良いところに……」

神裂「この洗濯の機械、壊れているようなのですが。見ていただけませんか?」チョイチョイ



上条(何でアンタはこの状況でそんなに冷静なんだッ!)

上条「管理人さん、ひとまずその洗濯機止めてください!!多分これはそれのせいです!!」モコモコモコモコ


神裂「し、しかしどうやって止めれば……? きゃ!?」モコモコー


上条「管理人さん、危ない!!」ガバッ

神裂「あっ……!」

ガバッ ドタン! バタン!


―――
――


47: 2010/04/07(水) 00:00:05.31 ID:udQoQVMo


上条「……いってぇ」




神裂「あの、本当に申し訳ありません……。私を助けに来てくださったというのに、その、殴ったりして」

上条「いえ……。助けようとしたとはいえ、俺が押し倒しちまったのは事実っすから」


神裂(お、押し倒……ッ!!///)

上条「それより部屋、どうすんですか?結構大変なことになっちゃいましたけど」



神裂「……え、ええ。そうですね……。でも、頑張って片付けるしかありません」

上条「これを一人でですか?一日かかりますよ。ひとまず配電盤見たら、俺も手伝いますって」

神裂「そんな、そこまでさせるわけには……」


上条「いいですって。管理人さんにはいつもお世話になってますから。こんくらい」

48: 2010/04/07(水) 00:09:37.60 ID:udQoQVMo

神裂「でも……」


上条「わかりました。じゃあこうしましょう。片付けが昼までに終わったら、飯おごってください」

神裂「あ……。 ……わかりました。それではまず泡を流すことから……」


…………



彼女の名前は神裂火織さん。この寮の管理人さんで、若くてきれいな女性だ。

格好が少し(?)変だけど、いつもは優しくて厳しい時にはトコトン厳しい大和撫子、とでも言うのだろうか、

……とにかくとてもいい人だ。相当な機械オンチで今回みたいなハプニングもままあるものの、料理を

おすそ分けしてくれたりと俺、上条当麻にとっては理想の管理人さんだと思う。



そう、とても素敵な人なんだ。火織さんは。

50: 2010/04/07(水) 00:23:02.50 ID:udQoQVMo

上条「このカーペットを干せば……っと。管理人さん、こっちは大体終わりましたよ!」

神裂「ありがとうございます。こちらももうすぐ終わりますので、居間で待っていてください」


上条「はぁい~っと」



神裂「…………♪」ゴシゴシ




上条「…………」ジッ

上条(火織さん、やっぱり綺麗だなぁ……。スタイルもいいし)

上条(今朝みたいなおっちょこちょいなとこも、凛としたこの人の可愛らしさみたいなとこあるし)

上条(正直、もっとお近づきになりてぇ……)







製作速報初めてなんだけど、sage必要なのかな?

51: 2010/04/07(水) 00:30:47.78 ID:udQoQVMo

神裂「上条当麻、こちらも終わりましたよ」

上条(でも火織さんからしたら俺なんてただの高校生なんだろうな……)


神裂「上条当麻?」

上条(しかも銀髪チビシスターを居候させているときてる……どう思われてるかわかったもんじゃねぇ)


神裂「ちょっと、聞いていますか?」

上条(いやあれは不可抗力なんだ!俺のせいじゃないんだ!そうd



神裂「上条当麻ッ!!」



上条「ひゃい!?」

神裂「先ほどから話し掛けていたのですが。聞いていましたか?」

52: 2010/04/07(水) 00:36:22.54 ID:udQoQVMo

上条「あ、えと」

神裂「……全く」

上条「……スンマセン」



神裂「それで、何が食べたいのですか?」


上条「へ?」

神裂「あなたが言ったのではありませんか。『昼までに終わったら、昼食をご馳走して欲しい』と」


上条「あ、あぁ。そうでした。……あれ、でももう二時くらいに……」

神裂「そうでしたか?おや、先ほどの騒ぎで時計が壊れてしまったようで。……まだ、昼前では?」ニコ



上条「あ……」


神裂「ふふふ。それで、腹ペコの高校生君は何をご所望ですか?」

上条「あ、う。そんじゃ、お茶漬けで……」

54: 2010/04/07(水) 00:48:08.69 ID:udQoQVMo

上条(くっそ……火織さんかわいすぎる……ッ!)


神裂「では今準備しますので。待っていてくださいね」


上条「は、はい。  ……あ、ちょっとだけ家の様子見てきます。すぐ戻りますんで」

神裂「分かりました」


パタン



神裂「……」

神裂「……いけませんね、このような……このような目で、彼を見るなど……」



神裂「管理人失格です、ね……」ソ…ッ






>>53ありがとうございます!

64: 2010/04/08(木) 18:35:06.56 ID:0jhzKek0
上条「管理人さーん」

神裂「はい、なんでしょうか?」

上条「いや、実はちょっとお願いがありまして……」

神裂「? はぁ、なんでしょう?」

上条「付き合って下さい!!」

神裂「……」

上条「あの、ダメ、ですか?」

神裂「えぇぇえええ?!」

~~~~~~

~~~スーパー~~~

神裂「えぇえぇ、そうだと思いましたよ。最初からそうだと分かっていましたよ、えぇそうですとも。勘違いオチと言うのは誰でも同じ考えに至りますとも」ブツブツ

上条「いやー助かりました、特売に付き合っていただいて。これでなんとか一週間は持ちます!」

神裂「他にこのようなこと、頼める方いらっしゃらないにですか?」ムスッ

上条(あれ、機嫌悪い……? やっぱり、俺なんかと来るの嫌だったのかな?)シュン

上条「いえ、その、こう言うの頼めるのは管理人さんだけで……迷惑、でしたか」ZUーN

神裂「(私だけ、か……フフッ♪)いえいえ、迷惑なんて思ってませんよ」

神裂「あ、そうです。今度、私に何か作って下さい。あぁ、勿論材料費は出すので」

上条「え? あ、はい! 勿論喜んでやります!! いえやらせてください!!!」

65: 2010/04/08(木) 18:57:40.61 ID:znZRBvQo

……数日後


―あ、そうです。今度、私に何か作って下さい。あぁ、勿論材料費は出すので

―え? あ、はい! 勿論喜んでやります!! いえやらせてください!!!

―それでは、今度の……




上条「……いよいよ、いよいよこの日が来た……!」プルプル

上条「まさか管理人さんが俺の部屋に来る日がこようとは!」



上条「……しかしッ、まだゴールじゃない……。管理人さんが来るまでに解決しなければならない問題が山積している……!」

上条「まずは……。と」




上条「おーい、インデックス」

69: 2010/04/08(木) 20:52:28.82 ID:znZRBvQo

禁書「どうしたのとうまー」ニャー

上条「頼むインデックス!」ガバッ

禁書「ど、どうしたのとうま、ドゲザなんて」

上条「なにも聞かずに小萌先生のとこにしばらく居てくれ。後で俺から迎えに行く」



禁書「へ?」



上条「俺はお前に嘘をつきたくはない。けど、これからやることの詳細についてもできれば話したくは、ないんだ……」

禁書「……とうま……」

上条「頼むインデックス。大切なことが待ってるんだ」



禁書「……また危ないことじゃ、ないよね?」

70: 2010/04/08(木) 20:57:24.51 ID:znZRBvQo

上条「あ、ああ。魔術師と戦うとかそういうことじゃない。ただ……」 カサッ…ポトリ



禁書(……ん?あれは…… そっか)






禁書「……そう」

上条「……インデックス?」



禁書「うん、わかったんだよ」

上条「あ、ありがとうインデックス!」

禁書「じゃあ、こもえの家で待ってるから」


上条「ああ、後で行くよ!」


パタン

71: 2010/04/08(木) 21:00:49.74 ID:znZRBvQo


上条「ありがとう……インデックス。  さて」



禁書「~♪」



禁書(『おいしい肉じゃがのつくりかた』かぁ)

禁書(とうまってば、私に隠れて料理を用意してくれるなんて)


禁書「楽しみだね!」ニャー




―――
――

72: 2010/04/08(木) 21:07:33.28 ID:znZRBvQo

神裂「お邪魔します」


上条「どうぞ、もう準備できてますんで。座って待っててください」

神裂「ありがとうございます。この香り……楽しみですね」



上条(さて、あとはコレを……)カチャカチャ



神裂「……」キョロキョロ

神裂(これが、上条当麻の部屋……)

神裂(よく片付いていますね。管理人としては嬉しい限りです)


神裂(……あ、あれは。上条当麻のベッド……)


神裂「……ッ!」ブンブン

神裂(何を考えているのですか私は!ここに来たのは料理をご馳走になる為であって!)

神裂(決して、決して……そんなやましいことは何も!)

73: 2010/04/08(木) 22:07:55.78 ID:znZRBvQo
上条「……よし」

上条「できましたよ管理人さん。今持っていきますんで」



神裂「あ、はい!」



上条「よっ……と」コト


神裂「肉じゃがですか。良い香りですね、楽しみです」

上条「自信作っす!どうぞ」


神裂「ええ、それでは……」パク



上条「……」ドキドキ

神裂「……」ムグムグ

74: 2010/04/08(木) 22:09:29.53 ID:znZRBvQo

上条「……ど、どうですか?」

神裂「……ええ、とても美味しいです。正直な所驚きました。上条当麻の腕前がこれほどとは」

上条「あ、ありがとうございまっす!」

神裂「私一人で食べるのがもったいないほどで……。  っと」

上条「へ?あ、あの」

神裂「自分でも召し上がっては?どうぞ」ヒョイ


上条「え」


神裂「……?」



上条「……え~。 い、いただきます!」パク

上条「……」ムグムグ

上条「……お、思ってたより上手くできててよかったっす!は、はは!そ、それに」

75: 2010/04/08(木) 22:10:30.36 ID:znZRBvQo

神裂「?」


上条「管理人さんに食べさせてもらったんでさらに美味しかったっつーか……はは」




神裂「……あ」



神裂(わっ……私は無意識になんてことを~っ!!)

神裂(こ、これではこれではこれではまるでしn

上条「まるで新婚夫婦みたいな……なんて、失礼っかね、はは」



神裂(……っっ!!///)ボンッ!!

上条「あははははは……」ポリポリ



神裂「……」プシュー

76: 2010/04/08(木) 22:12:11.79 ID:znZRBvQo
…………


上条(火織さん、俯いて押し黙っちまった……。いや、そりゃそうか……)

上条(『新婚夫婦みたい』なんてこんな非モテツンツン頭に言われたらそりゃ不愉快だわな……)

上条(俺、何やってんだか……)

上条「……あの、管理人s


神裂「……ご」



上条「……え?」

神裂「ご馳走様でしたっっ!!」バタバタ バタン!!



上条「……あ、……っ」


―――
――


77: 2010/04/08(木) 22:16:53.28 ID:znZRBvQo

神裂(ついあの空気に耐えられずに飛び出してきてしまいました……)

神裂(せっかく彼の部屋にお邪魔できたのに、私はいったい何をやっているのか……)

神裂(今度顔を合わせた時は、今日の事を謝らなければいけませんね……)


神裂(……でも、さっきは)

神裂(上条当麻と、間接的に……その……)



神裂(……っ!)ブンブン



神裂(いっ、いけませんいけませんいけません!!こんな不純なっ!)

神裂(彼は先のある高校生、私はただの一管理人)


神裂(……そう)

神裂(こんなの、きっと彼には……迷惑なだけ……)

78: 2010/04/08(木) 22:23:45.19 ID:znZRBvQo
上条「……」コンコン


?「は~い」ガチャ


小萌「あら上条ちゃん。ずいぶんお早いお迎えですね」

上条「ええ。まぁ」

小萌「……?? どうかしましたか上条ちゃん?何か調子が悪そうですけど」

上条「何でもないっす。インデックス預かっていただいてありがとうございました……。ほら帰るぞ、インデックス」

禁書「う、うん」ニャー

禁書(どうしたんだろうとうま……。まさか肉じゃがが失敗したとか?)



上条「ハァ……」


上条(終わった……。不幸だなんてもんじゃねぇ……)

上条(火織さんきっと怒ってるだろうだろうなぁ……当然か)

上条(次会ったら謝るだけ謝るか……無駄だろうけど。ケジメってやつか)

上条「……はぁ」

88: 2010/04/11(日) 18:37:07.55 ID:PzcWr2DO
上条「うーん」

神裂「何です、上条当麻。そんなに険しそうな表情で見ないでください」

上条「俺、神裂のことどっかで見たことあるんだよなぁ」

神裂「……インデックスの件ですか?」

上条「え?……あ、いや……。もっと身近な所で会ったことある気がするんだ」

神裂「……気のせいでしょう」

上条「……あ」



上条「神裂ってうちの寮の管理人に似てるんだ!」

神裂「ぶほっ?!!」

89: 2010/04/11(日) 18:44:00.69 ID:PzcWr2DO
神裂「げほっげほっ」

上条「神裂ぃーっ!!大丈夫か!?いきなりそんな盛大に吹き出して!」

神裂「だ、大丈夫です!心配は無用です!」

上条「そうは見えないんだけど……」

神裂「大丈夫と言っています!」

上条「はいぃ!」

神裂(あの変装を見破るとは……上条当麻、さすがですね)

土御門(眼鏡にエプロンかけただけじゃあ、そりゃ気付くぜ)

神裂「何でしょう土御門!?」

土御門「何でもないにゃー」

93: 2010/04/11(日) 18:58:12.51 ID:PzcWr2DO
上条「もしかして双子の妹がいたりする?」

神裂「いませんよ!」

上条「あ、じゃあ親戚とか!」

神裂「……………………」

上条「……どうしたんだ?」

神裂「内部情報につき教えることは出来ません」

上条(……いるんだ。でも神裂の親戚なら魔術サイドだろうし、また別人だろうなぁ)

神裂(聖人に似た者が何人もいるわけないでしょう。嘘はついてません)


上条「とにかくお前ら本当に似てるんだよ。一度会わせてみたいわ」

神裂(無理に決まってますよ。あれは私なんだから)

94: 2010/04/11(日) 19:05:54.22 ID:PzcWr2DO
上条「紹介したい……んだけど」

神裂「……?」

土御門「カミやん、ボーッとしてるぜよ」

上条「えっ?そうか!?」

土御門「何を考えてたにゃー?」

上条「大したことじゃねぇよ。ただ……」

神裂「???」



上条「また、管理人さんに会いたい……なって」


神裂(こ、この彼の周りに漂う甘い雰囲気は一体……!?)

土御門「……ライバルは自分」ボソッ

神裂「っ!!?」

95: 2010/04/11(日) 19:14:59.48 ID:PzcWr2DO
神裂「土御門ちょっとこちらへ!」

土御門「ふぐほぅ!?」

上条「く、首があらぬ方向に!?」


こそこそ

神裂「……つまりどういうことだってばよ」

土御門「だからー、カミやんはあの『管理人』に再会したい程に好意を抱いてるってことだにゃー」

神裂「な、なんてふしだらな……!」

土御門「言っておくけど」

神裂「ん?」

土御門「あの姿で頑張っても恩を返したことにはならないから」

神裂「は?」

98: 2010/04/11(日) 19:23:43.28 ID:PzcWr2DO
土御門「だってカミやんは『管理人』と『神裂火織』は同一人物だと思ってないんだぜ」

神裂「それがどうしたんです。だからこそあんな恥ずかしい事ができたのですから」

土御門「だからさー」

神裂「?」



土御門「それ、神裂本人が恩を返したわけにならないじゃん」


神裂「!!?」

土御門「ねーちん残念だったにゃー」

神裂「な、なら私の今までの苦労は……」

土御門「『管理人』という架空の奴に手柄を全部横取りされて、水の泡ってことだにゃー☆」

神裂「はああああああああああ!!?」


上条(びくぅ!?)

99: 2010/04/11(日) 19:32:21.78 ID:PzcWr2DO
上条(何の話をしてるんだろ?そろそろ夕飯の準備しなきゃいけないんだけど)


神裂「そ、そんなぁ」

土御門「ふっ。諦めるのはまだ早いぞねーちん!」

神裂「本当ですか!?」

土御門「方法は簡単で単純」

神裂(ごくっ)

土御門「正体をバラせばいいんだにゃー」

神裂「………………え」

土御門「正体を」

神裂「き、聞こえました!二度も言わなくていいです!」

土御門「へぇ?」

神裂(私が管理人だって……バラす?)

100: 2010/04/11(日) 19:42:53.29 ID:PzcWr2DO
上条「おい」

神裂「へい!」

上条「俺もう部屋に戻るわ」

神裂「え……」

土御門「待ちたまえカミやん!ねーちんが貴殿に話があるみたいだぜい!」

神裂「ちょっちょっと土御門!?」

上条「なに?」

神裂「ええと……」

土御門「頑張れねーちん!」

神裂「あ……うう……」

101: 2010/04/11(日) 19:56:24.43 ID:PzcWr2DO
神裂(バラす?バラす?あんなことやこんなことをしたっていうのにバラす?あんな……)

神裂「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理」

上条「神裂が光の早さで首を振っている!?落ち着いて!なにがなにやら不明だけど!」

神裂「っ!はい!」

上条「……で、俺に話って何さ?」

神裂「あう……」

神裂(私は正体を明かして今後、彼の顔をまともに見れるのでしょうか?
    恥ずかしくてきちんと話せなくなってしまうじゃないでしょうか。
    ……でもこのままじゃ)

神裂「関係は進みませんよね……」

上条「……?」

土御門(関係だとぉぉぉぉぉぉ!?神裂アンタどんな妄想しているんだ!?)

102: 2010/04/11(日) 20:08:38.37 ID:PzcWr2DO
神裂「上条当麻!」


ぎゅっ!


上条「は、はい!」

上条(手がー!手が握られてるー!?)

神裂「私は……」

上条「お……おう(ドキドキ)」

神裂「私の正体は……」

上条「………………?」



神裂「か「とうまー!!ごはんはまだできないのー!?」



上条「インデックス!」

105: 2010/04/11(日) 20:20:30.80 ID:PzcWr2DO
禁書「ごはんごはんごはんー!私はいい加減お腹ペコペコなんだよ!」

上条「へいへいわかりましたよっと。そんで神裂、話って何だっけ?」

神裂「いえ!なんでもありません!」

上条「?そう」

禁書「今日のごはんはなに?」

上条「今日は白菜のロールキャベツだぞー」

禁書「!!?」

上条「白菜がキャベツに巻かれてるのだ。ヘルシーで健康的だぞ……ってきゃああああああああああ!!?
    お腹が空きすぎておかしくなったかインデックス!?」


神裂「……………………」

106: 2010/04/11(日) 20:28:01.37 ID:PzcWr2DO



神裂「……はは、は」

土御門「ねーちん……」

神裂「笑うなら笑ってください」

土御門「いや……哀れすぎて見てるこっちが涙出てくるにゃー……」

神裂「笑いのネタにもならないというわけですか」

土御門 (;ω;)

神裂「ふふふ……」


神裂「はーっはっはっは!!」

108: 2010/04/11(日) 20:39:38.49 ID:PzcWr2DO
神裂「いいでしょう!夜は魔術師!昼は管理人代理!その名は神裂火織!
    二足のわらじを完璧にこなし、上条当麻をぎゃふんと言わせてやりますとも!」

土御門「そっその意気だぜい!」

土御門(元はオレが『混乱させちまうから、正体は隠せ』って言ったのが原因だが
     なんとか誤魔化せたみたいだにゃー)

神裂「わはははははははー!」






ぶるっ


禁書「どうしたのとうま?もしかして風邪かも?」

上条(新たな駄フラグの予感がする……不幸だー)




終わり!

110: 2010/04/11(日) 20:56:38.28 ID:PzcWr2DO
短くなったけど小ネタがいくつかあるんで、またこんな感じで書きたいです
お疲れ様でした


112: 2010/04/11(日) 22:31:24.46 ID:PzcWr2DO
神裂「エレベーターの故障ですか……修理はお願いしましたか?」

『未然。どっかのバカがマンションにべったべた大量の落書きを貼って
そいつが隙間に入ってレールに巻き込まれたらしいのだがな』

神裂「はあ……迷惑な方もいるもんですね」

『惘然。扉の辺りに注意書きでも置いてくれるか?』

神裂「わかりました」

『当然。よろしく頼む』


ピッ


神裂「さて、注意書きは何と書きましょうか」

114: 2010/04/11(日) 22:40:37.82 ID:PzcWr2DO
舞華「普通でいいんじゃないかー。普通で」

神裂「普通……それが一番難しいのですが」

舞華「管理人さんは服装からして普通じゃないからなー」

神裂「そ、そうですか?」

舞華「うん。見た目も中身も変わってるぞー」

神裂(むぅ……魔術的観点からこれ以上バランスを崩したくはないのですが)

舞華「安心しろー。学園都市ではもっと変わった奴がいるよー」

神裂「もっと変わった……ですか?」

115: 2010/04/11(日) 22:55:35.40 ID:PzcWr2DO
舞華「例えば頭に花をたくさん付けてたりー」

神裂「脳内がお花畑なんですね」

舞華「もやしっこが特撮ヒーローみたいなTシャツを来てたりー」

神裂「正義の味方に憧れているんですね」

舞華「私よりも小さい年齢不詳の口リ合法化先生もいるんだぞー」

神裂「永遠の12才なんですね、羨ま」

舞華「うんー?」

神裂「いえ、別に」

116: 2010/04/11(日) 23:06:49.29 ID:PzcWr2DO
舞華「とにかく適当でいいんだよ適当でー」

神裂「ならばこのような感じでどうでしょうか」


『このエレベーター 乗るべからず』


舞華「達筆ですなー。なんだか一休さんを連想させるがー」

神裂「お褒めにあずかり光栄です。では早速貼ってきますね」

舞華「おー」

神裂「あら?あなたはどちらへ?」

118: 2010/04/11(日) 23:31:23.29 ID:PzcWr2DO
舞華「んー?帰るんだよー」

神裂「土御門に会わなくてよろしいのですか?」

舞華「エレベーターが壊れてちゃあ上れないからなー。今日は帰るよー」


ぐるぐるぐる


神裂「……清掃ロボットから下りればいいのでは?」

舞華「管理人さんは面白いなー。じゃーねー」

神裂「…………」

神裂(私より変わった人とはあの子も含まれている気がします……)

119: 2010/04/11(日) 23:43:58.10 ID:PzcWr2DO



神裂「これでよし……と」

神裂(うん、さすがにエレベーターの扉に貼られていたら気付くでしょう)

神裂「あ、笑っていいとも!が始まる時間!」


ぱたぱたぱた……

チーン ガガガガー


上条(ん?エレベーターの開きが悪かったな。何か引っ掛かったか?)

上条「扉には何もないし、気のせいか」



121: 2010/04/12(月) 00:16:33.58 ID:G/epqYDO


神裂(昼ドラがこんなにも面白いとは……日本の娯楽も捨てたものじゃありませんね)

上条(サンデーがどこにも売っていないなんて……でもコンビニにガンガンがあったし、いっか)


神裂「上条さん、お帰りなさい」

上条「ただいまー」

神裂「今日は暑いですね」

上条「そうそう、外歩くのが大変だよ」


ぽちっ


神裂「確かに汗だくですね。タオルをお貸ししますよ」

上条「いいよ、そんな気を遣わなくて!すぐ上が俺ん家なんだから」


うぃーん


神裂「ちょちょちょ待ってください」

上条「はい?」

122: 2010/04/12(月) 00:33:46.31 ID:G/epqYDO
神裂「なにしてんですか!?」

上条「エレベーターに乗ろうと……」

神裂「そこの貼り紙に書いてあるでしょう!?」

上条「貼り紙?何もないけど……」

神裂「そんなわけ……」

神裂(なっ!本当にない?!)

上条「じゃあ俺……」

神裂「待ちなさい!とにかくエレベーターに乗ってはいけません!」

123: 2010/04/12(月) 00:37:52.97 ID:G/epqYDO
上条「えー?だって上に行かないと俺の部屋……」

神裂「行かないでください!」

上条「え……それって、ずっとここにいてほしいってこと……?」

神裂「だから何でエレベーターに乗り込んでるんですか!赤面しないで!」

上条「はははーすぐ戻るよ待っててね!」

神裂「わー!このわからず屋ー!」


ガガガガー


神裂「くっ!」

125: 2010/04/12(月) 00:48:40.47 ID:G/epqYDO
神裂(間に合えっ……!)

神裂「おっ……うおおおおおおおおおおお!」

上条「わあっ!?どうして転がり込んできたの!?」

神裂「このエレベーターは故障しているので乗らないでください!!」


上条「……もう動いてるけど」

神裂「……!」

上条「ちょっとぐらいなら大丈夫じゃない?下りる時も乗って来たん……」


がこん!


神裂「きゃあ!」

上条「危ない!」

126: 2010/04/12(月) 00:52:27.39 ID:G/epqYDO
上条「大丈夫か!?」

神裂「はい……」

上条「……やばい」

神裂「……まさか」

上条「エレベーターが止まったみたいだ」

神裂「ええ!?」




続く

129: 2010/04/12(月) 01:05:46.65 ID:G/epqYDO
寝ます


【補足】

一巻

さよなら管理人さん編

ニ、三巻

ドキドキ密室編 NEW!

四巻

決意の神裂編


愛を込めて肉じゃが編は
おそらく上条さんが管理人さんを意識し始めているので
さよなら編以降だと思います

参考までにどうぞ
ではおやすみなさい

139: 2010/04/12(月) 17:43:06.67 ID:G/epqYDO
上条「とにかく外に連絡を……!ああ、くそ!携帯の電池が切れてる!」

神裂「私は携帯電話を持っていません……」

上条「じゃあ非常用の電話(名前忘れた)で管理室に……!」

神裂「……………………」

上条「…………はは」

神裂「……ごめんなさい」

上条「……いや、元はといえば俺が人の話を聞かなかったから」

神裂「いいえ、私の仕事に対しての意識が不足していたから……」

上条「いや!」

神裂「いいえ!」

140: 2010/04/12(月) 17:51:40.06 ID:G/epqYDO
上条「……………………」

神裂「……………………」

上条「言い争っていても仕方ないな……」

神裂「ですね……」

上条「とりあえず人が来るまで待とうか」

神裂「あ、一応緊急時のボタンがあるので押しておいてください」

上条「わかった」


ぽちっ ブツン


神裂「…………」

上条「…………」

神裂「……電気が消えましたね」

上条「す、すいませんー!変な所押したみたいですー!」

141: 2010/04/12(月) 18:04:47.13 ID:G/epqYDO
神裂「気にしませんよ。あなたと一緒にいるとトラブル続きでもう慣れました」

上条「…………」

神裂「……!……べ、別にあなたを責めているわけでは……」

上条「いいんだ管理人さん。俺自身も同じこと考えてるから……」

神裂「…………あー」

上条「…………」

神裂「あ、そのビニール袋にナマモノは入っていませんか?」

上条「ん?漫画雑誌とペットボトルのお茶だけど……何で?」

142: 2010/04/12(月) 18:16:25.91 ID:G/epqYDO
神裂「だってダメになってしまったら勿体ないじゃないですか」

上条「?」

神裂「これから私達、長時間密室にいるんですよ」

上条「……?!!」

神裂「ね?」

上条(まさかこの状況)

神裂「ナマモノは危ないでしょう?」



上条(俺の理性が一番危ない!!?)

143: 2010/04/12(月) 18:30:43.42 ID:G/epqYDO
上条「ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

神裂「上条さん!?頭を抱えてどうしたのです!」

上条(落ち着け俺!慌てるな俺!状況を整理しようぜ俺!)

神裂(大丈夫でしょうかこの人……)

上条(狭いエレベーター……密室……管理人さんと二人っきり……男と女……昼の暗闇)ブツブツ


上条「管理人さん」

神裂「な、何でしょう」

上条「暗いのと明るいの、どっちが好きですか?」

神裂「は?」


上条(ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!)

146: 2010/04/12(月) 18:45:07.48 ID:G/epqYDO
上条(あかんもうダメだ……そうだ!こんな時にこそ素数を数えるんだ!)


上条「あれ?」

神裂「落ち着きましたか?」

上条「素数って何?」

神裂「さあ?二で割ると一余る」

上条「そら奇数」

神裂「酸味のある調味料」

上条「そらお酢」

神裂「おっす!」

上条「おら悟空!違うわ!つーか知ってんのかよ管理人さん!」

147: 2010/04/12(月) 18:56:08.13 ID:G/epqYDO
上条「はぁー、あっちぃ……」

神裂「興奮のし過ぎです」

上条(悟空で思い出した、漫画でも読んで気を紛らわせるかぁ)

上条「……暗くてなんにも見えない」

神裂「そうですか。私はあなたの顔がバッチリ見えますが」

上条「そんなバカな。視力2.0の上条さんがそう言ってんですよ?」

神裂「私は8.0です」

上条「ははは!面白いなぁ管理人さんは!」

神裂「?」

148: 2010/04/12(月) 19:08:21.20 ID:G/epqYDO
神裂「暑いなら先ほど買ったお茶を飲んだらどうです」

上条「そうすっか……管理人さんも飲むだろ?」

神裂「!!?」

神裂(そんな事したら間接キスになってしまうじゃないですか……!
    いやでもいくら私でもこの暑さで水分補給無しでは)

上条「うわー、これマッズイ炭酸だった……でも冷たいしいいよな?はい管理人さん」

神裂「は、はい!頂きますです……」

上条「ほら」

神裂「………………」

上条「どうしたの?」

149: 2010/04/12(月) 19:16:08.07 ID:G/epqYDO
神裂(彼は別になんとも思ってないんですから!)

神裂「では!」


ごくっ


神裂「マズッ!!?げほっげほっ!」

上条「だっ、大丈夫かー!?」

神裂「お茶じゃないのですかこれ!?」

上条「うん、そうみたい。と、とにかくしっかりしろー」

神裂「心配かけま……」



ふにゅっ



神裂「?!!っっっ!!」

150: 2010/04/12(月) 19:25:51.75 ID:G/epqYDO
上条「何だ?手のひらに柔らかくてふにふにした感触が……」

神裂「きっ……」

上条「これって……」

神裂「きゃあああああああああ!」

上条「おわっ!?」


ばしゃーん


神裂「……………………」

上条「……………………」

神裂「……………………」

上条「……なにやらわからんが、大丈夫?」

神裂「……お茶、かけてしまいましたね」

上条「うん……ベトベトする……」

神裂「私もです……」

152: 2010/04/12(月) 19:34:02.88 ID:G/epqYDO
神裂「あ、謝りませんからね!」

上条「いいよ……炭酸苦手なのに飲ませちゃった俺が悪いんだから」

神裂「……そこじゃないんですが」

上条「?」

神裂「何でもありません!」

上条「しかし、エレベーターは暑いし服はベトベトするし最悪かもなー」

神裂「はぁ……」

153: 2010/04/12(月) 19:40:33.17 ID:G/epqYDO
神裂(どうしてこうなってしまうのでしょう……。上条当麻に恩を返したいのに素直になれません)


上条「まあ本当は」

神裂「……?」

上条「俺、管理人さんとこうして話してるのすっごい楽しいかな。
    こんな大変な状況だけどさ」

神裂「…………!」

神裂(この人は)

154: 2010/04/12(月) 19:46:22.89 ID:G/epqYDO
神裂(いつも自分にも他人にも素直で、私とは違う。私もこんなふうになりたいな……)

神裂「……って」

上条「暗い中は難しいな……」

神裂「何脱ぎだしているんですか!?」

上条「えー?だって服を脱いだら涼しくなるしベトベトしないし一石二鳥じゃん」

神裂「女性の前ですよ!」

上条「見えないんだから気にしなくていいだろ?」

神裂「……」



神裂「……それもそうですね」

上条「んん?」

162: 2010/04/12(月) 20:24:34.53 ID:G/epqYDO
>>160
しまった本気で被った

163: 2010/04/12(月) 20:37:14.79 ID:G/epqYDO
神裂「私も素直になろうと思います」

上条「んんん?」

神裂「えいっ」


するっ


上条「こ、これは衣擦れの音?」

神裂「正直私もこの飲料水の不快感には耐えられません」

上条「はっ!はい!」

神裂「確かあなたは暗闇で見えないとおっしゃいましたね」

上条「はい」

神裂「そうだとしても恥ずかしいものは恥ずかしいので」

上条「まさか」



神裂「こっちを向かないでくださいね?」

165: 2010/04/12(月) 20:51:17.92 ID:G/epqYDO


するするっ


神裂「ふぅ」

上条「もしもしつかぬことをお聞きしますが」

神裂「どうぞ」


上条「今何をお召しになっておりますのでしょうか管理人さん」

神裂「……………………」

上条「……………………」





神裂「……………………えOち」


上条(おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
    おさまれ俺の熱いパトスぅぅぅぅぅうううううううううううううううっっっ!!)

168: 2010/04/12(月) 21:12:27.94 ID:G/epqYDO
上条「あっあわあわ管理人さま?」

神裂「……慌てないでください」

上条「はひ」

上条(俺の隣には生まれたままの姿の管理人さんが……!)

神裂「…………」

上条(ちょっとだけなら……いや、管理人さんに失礼だぞ!)

上条「…………」


ちらっ


上条(おおおおおわああああああああああああああああああああ暗くてわかんねええええええええええ)

171: 2010/04/12(月) 21:42:18.61 ID:G/epqYDO
上条(やばいやばい今サイコメトラーがここにいたらやばいってぐらいやばい)

神裂「太ももの間が汗でヌルヌルします……」ボソッ


上条( 誘 っ て ん の ?)


上条(いや勘違いするな上条当麻今までの経験によるとこれはインデックス乱入ビンタ&噛み付きルート
    の予感がするぞもしそうなったら俺の社会的立場は抹消される)

上条「ガガガンガン読んじゃおっかなー?上条さんの心の目ならいけるし!」

神裂「無理だと思いますが……あ、そこにはありませんよ」

上条「え?じゃあここ?」

神裂「違……」


ぽゆん


上条(……これはわかるぞ。この顔に当たるもの)

神裂「私の胸……です」

174: 2010/04/12(月) 21:49:51.09 ID:G/epqYDO
ガラガラガラ ←上条の理性が崩れた音


上条「管理人さん!」

神裂「あ……!」

神裂(細いとは思いましたがよく見ると筋肉もついていて、いくつかの傷がワイルドで……)

神裂「上条さん……」

上条「あの……」

神裂「はい……」

上条「俺……俺!」

176: 2010/04/12(月) 22:05:28.06 ID:G/epqYDO


チーン ガガガガー


上条「……………………」

神裂「……………………」

上条「……………………扉」

神裂「……………………開きましたね」

上条「……………………明るく」

神裂「……………………なりましたね」



「にゃー」



上条・神裂「「?!!」」


上条「なんだ猫か」

神裂「猫ですね」


「実は私」

177: 2010/04/12(月) 22:14:55.54 ID:G/epqYDO
姫神「姫神秋沙ちゃんでーす」

上条「……………………」

神裂「……………………」

姫神「出現フラグは既に。>>112であったんだけど。気付いた?」

上条「……全然気付かなかったよ!」

姫神「最近。姿を隠すのが得意になったみたい」

上条「そうなのか姫神!それにしてもその魔法のステッキ素敵にグレードアップしてるな!」

姫神「……………………」

上条「……………………」

姫神「とりあえず」

上条「はい」

姫神「一本いっとく?」

上条「不幸だあああああああああああああああああああああああああ!!!」

178: 2010/04/12(月) 22:27:23.67 ID:G/epqYDO
神裂(……助かってホッとするはずなのに、どこか残念な気持ちもあります)

神裂「……今日のところはこれでよかったのでしょう」

神裂(聞き損なった話はまた今度にしましょう。機会はいつでもあるんですから!)



姫神「そういえば上条くん」

上条「…………あい」

姫神「防犯カメラって。知ってる?」

上条「……………………」

姫神「よかったね。変なことしなくて」

上条「……………………あい」




 おわり!

184: 2010/04/12(月) 22:43:58.12 ID:G/epqYDO
期待させてごめんなさい
ざまあwwwwwwwwww
神裂さんに変なことはさせられませんでした
上条さんは早く男になってください
お疲れ様でした


【一覧】

一巻

さよなら管理人さん編>>1-34

洗濯機の反乱編>>42-54
愛を込めて肉じゃが編>>64-78
ドキドキ密室編>>112-178 NEW!

四巻

決意の神裂編>>88-108

193: 2010/04/13(火) 01:54:46.57 ID:CKqM4EDO
神裂「ここでは日本食の材料が簡単に買えていいですね」

神裂(でもそろそろレパートリーを増やしたい所)

神裂「あら?この店は……」



本屋


神裂「お料理の本でも買うとしましょう。えーと料理コーナー」


おいしい料理で彼のハートをガッチリ掴んじゃお!


神裂「……こんなふざけたものしかないのですか?」


手軽に出来るモテ料理!

かわいい料理一覧

女の子のレ・シ・ピ


神裂「はぁ……古き良き日本の伝統はどうしたのです。媚び売るのはやめ、料理なら味で勝負しなさい」

196: 2010/04/13(火) 02:05:21.07 ID:CKqM4EDO
神裂「あ」

オルソラの書 20XX版

神裂「これは良さそうですね。これにしましょう。えーと、レジレジ」


きゃっ きゃっ


少女「やっぱ────上条ですよね!」

神裂(ん?上条?)

神裂「…………彼の知り合いですか?」

少女「えー?それよりも上条────だよぉ!」

神裂「…………?」

神裂(聞き耳はいけませんが、何の話をしているのでしょう)

198: 2010/04/13(火) 02:15:34.60 ID:CKqM4EDO
少女「いやそれは邪道ですよ佐天さん!」

少女「初春もわかってないなぁ!……あ、でも結局それにするんだ」

少女「ええ、参考程度ですけどね」

少女「あははは!」


ありがとうございましたー


神裂「まったくわかりません……。彼女達がいた場所は」



BL本



神裂「…………びー、える?」

199: 2010/04/13(火) 02:30:08.56 ID:CKqM4EDO
神裂「何ですか、これ?」


上条当麻×一方通行

一方通行×上条当麻


神裂「何故一般人の彼がたくさん漫画になっているのでしょう」


ぺらっ


神裂「っ?!!?!」


ばたんっ!


神裂(今……ものすごく見てはいけないものを見た……!)


ぺらっ


神裂(何度表紙を見ても上条当麻かける一方通行……ていうか、
    『俺の幻想頃してくれェ……』って書いてあるし間違いなく彼です)

200: 2010/04/13(火) 02:40:21.00 ID:CKqM4EDO
神裂(許可はちゃんと取ってあるんですか?ていうか男同士で何やってんですか……)

「ふんふんふーん♪」

神裂(びくぅ!?)

少女「んー」じろじろ

神裂「…………!」

少女「……お姉様×黒子がありませんの。まったく、この書店は使えませんわね」

神裂「…………」

少女「まったく。殿方の本ばかりが増えて!真の需要は百合にあるというのに!」

神裂「…………」

少女「ん?」

神裂「!!レジはどこかなー?」

少女「あの女性に見られていたような……気のせいでしたの」

201: 2010/04/13(火) 02:47:50.67 ID:CKqM4EDO





神裂「……はぁ」

神裂(あんな衝撃的なものが街中の書店に普通に置いてあるとは……)

神裂「学園都市の闇を見てしまいました……」


がさごそ


神裂「あれ?」

神裂(何で料理本と共にこれが……?)



上条×鈴科百合子




 続く

210: 2010/04/15(木) 21:46:19.99 ID:YE432kDO



御坂妹「あの時はお世話になりました、とミサカは改めて頭を下げます」

上条「やめろって!お礼が聞きたくて助けた訳じゃないんだから」

御坂妹「でも……」

上条「それよりもお前が楽しそうに過ごしてる姿を見た方が俺は嬉しいかな」

御坂妹「……はい。わかりました、とミサカは返事をしました」

上条「おう……あっ!管理人さん!」

神裂「(ビクゥ!)……ははははいっ!」

上条「……?これからスーパーに行くんですけど、一緒にどうですか?」

神裂「えっ!?いえっ、結構でしゅ!」

上条「…………?」

212: 2010/04/15(木) 22:05:57.92 ID:YE432kDO

上条「えっと……どうしたんだ?すっげぇ慌ててるぞ?」

神裂「いーえ!私は全く慌てていませんが!?」

上条「いや……目ぇ泳いでるし」

神裂「泳いでいませんが!!?」

上条「俺を真っ直ぐ睨み付けても怖いだけだよ……」

神裂「とにかく絶対に慌ててません!では!」

上条「……行ってしまった」

御坂妹「彼女の慌ててないというのは嘘ですね、とミサカは冷静に判断します。
     あなたは彼女に何かしたのですか?とミサカはどうせ何かしたんだろうなぁと思いつつも質問します」

214: 2010/04/15(木) 22:22:59.74 ID:YE432kDO
上条「思い当たる事はないんだよなぁ……」

御坂妹「それならばあの反応はあり得ないでしょう、とミサカは反論します」

上条「うーん……もしかして嫌われたのかなぁ……はあ」

御坂妹「落ち込まないでください。出会いならいつでも近くにあります、
     とミサカは肩をポンポン叩きながらさりげなく自らアピールしてみました」

上条「え?どこに?」

御坂妹「…………………」

上条「痛ぇ!?どうして!?」

御坂妹「強く叩いてしまってスミマセン、とミサカはきちんと謝罪するも鈍感な彼に内心イラッとしています」

215: 2010/04/15(木) 22:38:40.16 ID:YE432kDO
上条「失礼な事したんだったら謝りたいんだが……それが分からないなら無駄ですよねぇ……」

御坂妹「意外に大した理由じゃないのかもしれませんよ」

上条「そうだったら良いんだけど……はあ」

御坂妹「溜息をするたびに幸せが逃げると言われていますが?とミサカは下らない迷信を口にします」

上条「幸せなんてもとより無い俺には関係ない話だよ……はあ」






神裂「……………………」

神裂「……………………」

神裂「……………………」

神裂(うわあああああああああああああああ!)

217: 2010/04/15(木) 22:54:12.04 ID:YE432kDO
神裂(どうしよう!彼の顔がまともに見れない!今までそんなことなかったのに!!)


『百合子……お前、女だったのか……』

『いや……本当は俺ァ……ふ(両方の性別を持っているようです)なンだ……』

『関係ないぜ』

『アッー』


神裂(あのシーンが……あのシーンが頭から離れない!リアリティーがなさすぎて逆に現実かもしれないという想像が!)

神裂「あれが……私の自分だけの現実ですか……」

神裂(もし本当にそっちの趣味があったらどうしましょう。今後どう接すれば……)

220: 2010/04/15(木) 23:31:25.86 ID:YE432kDO
上条「……あ」

神裂「あ……また会いましたね」

上条「さっきの場所からあまり離れてないからさ。……あの」

神裂「な、何でしょう」

上条「もしかして俺、管理人さんに変な事した?」

神裂「していませんよ!全然!ただ……」

神裂(私が変な想像をしてるからいけないのであって、彼に非はありません)


『アッー』

221: 2010/04/15(木) 23:44:20.70 ID:YE432kDO
上条「確かによく問題に巻き込まれるし、色々迷惑をかけてきた。
    でも俺、これからも管理人さんと付き合っていきたいんだ!」

神裂(あああまた思い出してしまったああああああ)

上条「だから正直に言って!真剣に向き合って!目の前の男を見てくれ!こいつをどう思う!!?」

神裂(きゃああああああああああああああああああ)


神裂「すごく……わかりません」

上条「……どういうこと?」

神裂「自分があなたをどう思っているのかわからないんですよ!」

222: 2010/04/15(木) 23:56:18.62 ID:YE432kDO
神裂「あなたが(普通とは)違う人と恋愛をしていると思うとどうすればいいのかわからないんです!」

上条「え……恋愛?俺は別に」

神裂「他の人と話しているたびにドキドキするんです(緊張で)!」

上条「……!管理人さん」

神裂「苦しくはないんですか!?世間の目に耐えられるんですか!?」

上条(15才の俺と38才管理人の年の差恋愛!?)

神裂「あなたこそは私(を含めた女性)のことをどう思ってるんですか!!?」

上条「────!」

225: 2010/04/16(金) 00:04:42.29 ID:YRj5YEDO
上条「俺は!」

神裂「…………」

上条「あなたのことを……」

神裂「…………」

上条「あなたのことが……」

神裂「…………」






上条「あなたが工口いと思っています!」

神裂「…………は?」

上条「あなたはぁぁぁぁ工口いとぉぉぉぉ思いますぅぅぅぅぅぅ」

神裂「ちょ……!?」

226: 2010/04/16(金) 00:16:32.91 ID:YRj5YEDO
上条「だから……管理人さんはぁぁぁぁ」

神裂「やっ、やめっ……こんな町中で叫ばないでください!」

上条「聞こえなかったみたいだから……」

神裂「そんな大声で失礼な言葉を言われたのは初めてです!」

上条「失礼とかじゃないんだ!」

神裂「……!」

上条「とにかく俺が言いたかったのは……」

神裂「…………」






上条「俺は管理人さんを恋愛対象として見ているんだ……!」

神裂「……なるほど」

228: 2010/04/16(金) 00:26:59.44 ID:YRj5YEDO
神裂「あなたは私の事をそう見ていたのですか……」

上条(通じた!ひゃっほおおおお)


神裂「あなたは私を男だって思っていたんですね!?」

上条「…………はい?」

神裂「あれだけ接していたのに……裸で触れ合ったのに!」

上条「ごめんなさい上条さん話がよく通じませ」

神裂「このっ……ばかぁ!」

上条「……………………」

神裂「うわぁぁぁぁん!」

上条「……………………」


上条「……不幸だー……はあ」

229: 2010/04/16(金) 00:40:10.14 ID:YRj5YEDO



上条「どうしてこうなってしまったのだろうか……」

上条(絶対に嫌われてる……もう立ち直れねぇ)

上条「はあ…………ん?」

上条(管理室の前に本が落ちてる……何だあれ?)




上条×一方通行




即座に理解した上条が神裂の誤解を解いたのは三日後であった。




 終わり

230: 2010/04/16(金) 00:48:30.75 ID:YRj5YEDO
百合子について突っ込まれたから書いた
勢い出ずにグダグダになったわ反省
同人ネタはまた別スレでやってみたいな
お疲れさまでした




僕はやっぱり下ネタが書きたいんだお

238: 2010/04/16(金) 18:31:58.50 ID:YRj5YEDO
上条「流しそうめん?」

禁書「イエス!ジャパニーズパスタ!夏といえばこれってこもえが教えてくれたんだよ。橋に麺を流すのが風流なんだって」

上条「あのな、今の日本人はそんなことしないぞ?」

禁書「嘘!テレビではやってたもん!」

上条「テレビはテレビ、うちはうち!お前は日本を勘違いしている。侍だって忍者だっていないんだから」

禁書「そんなこと知ってるよ。とにかく私はそうめんがたくさん食べたいの」

上条「な……武士をあっさり否定しやがった!?そんな薄情な奴に流しそうめんをさせる訳にはいきません!」

禁書「じゃあいるってことでいいから!」

上条「どっちにしろやりません」

禁書「やりたいやりたいやりたい!」

上条「駄々をこねてもやりません!いいか、上条家は明日の食料さえも危ういんだから!」

239: 2010/04/16(金) 18:58:44.66 ID:YRj5YEDO
上条「食費を圧迫する大食らいがいるからなー」

禁書「むむむ」

上条「ま、どこかの誰かさんが材料と橋と広い場所を準備できるってんなら別だけどー」

禁書「むむむむむ」

上条「そういう事で諦めろインデックス。今日はもやしの踊り食いだ」

禁書「むわーっ!」

上条「さーて、洗濯しよ。どうせ居候はやってくれないから」

禁書「はー……とうまとは違う、流しそうめんをさせてくれる優しい人はいないかな」


ピンポーン

240: 2010/04/16(金) 19:22:25.07 ID:YRj5YEDO
上条「お、チャイム。はいはーい」



神裂「……こんにちは」

上条「……こんにちは管理人さん。えーと、それについて聞いてもいいか?」

神裂「ははは……」

禁書「あ!管理人さんだ!……その手に持っている竹は何?」

神裂「えっと、良かったら流しそうめんやりませんか?」

上条「……マジで?」

神裂「実は今、材料等全てがそろっているんです。それで二人もどうかな、と」

上条「…………」

禁書「……とうま、私は管理人さんが神様に見えるかも!」

神裂「大袈裟過ぎやしませんか、それ」

243: 2010/04/16(金) 20:34:23.35 ID:YRj5YEDO
禁書「きゃー!!すごーい!」

上条「おお……一人で準備するの大変だったろ」

神裂「実行は私ですが組み立て方は土御門から学んだので、そこまで苦労しませんでした。お気に召したようで幸いです」

上条「でもこんなものどこから手に入れたんだ?」

神裂「イギリスから贈られてきたんです。まったく……彼女の事になると甘いんだから」

上条「へ?イギリス?もしかして管理人さんて英国出身だったり?」

神裂「あ、いや……」

上条「……?」

禁書「ねえねえ!これはいつ流れてくるの!?」

神裂「これはまずそうめんを流さなきゃ始まらないんですよ」

245: 2010/04/16(金) 20:46:58.98 ID:YRj5YEDO
禁書「じゃあ早くやるんだよ!私が流すね!」

上条「おー、サンキュー」

神裂「ありがとうございます」

禁書「よーし!…………それでどうやるの?」

上条「……珍しくやる気になってると思えば」

神裂「じゃあ私が」

上条「いや。インデックス代われ」

神裂「え?上条さん?」

上条「だって準備してくれたの全部管理人さんだろ?ここは俺がやるよ」

神裂「でも……」

246: 2010/04/16(金) 20:59:53.88 ID:YRj5YEDO
上条「あーもうやるっんだって!ここでも管理人さんにやらせちゃあ俺の立つ瀬がなくなっちまう!」

神裂「そんな事気にしないのに……」

上条「いつもお世話になりっぱなしなんだよ。たまには任させてくれよ、……な?」

神裂「……はひ」



禁書「あれ?管理人さん顔真っ赤だよ?」

神裂「そ、そうですか?」

神裂(あんな不意討ちで笑顔を向けられるなんて……!)

神裂「あう~」

禁書「?」

249: 2010/04/16(金) 21:15:50.51 ID:YRj5YEDO
上条「じゃ、いくぞー!二人とも用意はいいかー?」

禁書「いつでも来いなんだよ!」

神裂「宜しくお願いします」


だばー


禁書「おりゃ!(ガッ)」

神裂「(ひょい、もぐもぐ)」

上条「どんまいインデックス。管理人さん箸の使い方上手いなぁ」

禁書「も、もっかい流して!」

神裂「そうですか?ありがとうございます」


だばー


禁書「うしゃ!(ゴッ)」

神裂「(ひょい、もぐもぐ)」

251: 2010/04/16(金) 21:46:22.80 ID:YRj5YEDO
禁書「おかしいんだよ!何で全然取れないの!?」

上条「ど、どんまいインデックス!」

神裂「そうだ!今度は箸で待ち構えてみてはどうですか?」

禁書「うん……!」

上条「待ってろ今からたくさん流しちゃうぞー!」


ざばー


禁書「ふおりゃっ!(ガキン)」

神裂「(ひょい)」

禁書「……………………」

神裂「インデックス……」

禁書「……私は諦めないんだよ!そうめんを口にするまでずっと挑戦し続けるんだから!」

253: 2010/04/16(金) 22:06:08.99 ID:YRj5YEDO
神裂「これを食べてください」

禁書「え……いいの?」

神裂「はい。頑張っている人を放っておけませんよ。それに一番楽しみにしていたのはあなたですから」

禁書「……管理人さん」

神裂「ふふ」

禁書「…………うぅぅぅぅぅ管理人さぁんありがとうぅぅぅ!」

神裂「涙は水と共に流して下さい。気を取り直してそうめんを食べましょう」

禁書「うん!次こそは絶対自らの手で掴み取るんだよ!」




上条「あのー……そろそろいいっすか?」

神裂「あ、どうぞ」

禁書「キャモーン!」

254: 2010/04/16(金) 22:26:20.69 ID:YRj5YEDO



禁書「…………次は私が流すね」

上条「ああ……」

上条(結局一回も取れなかったな……)

神裂「ではお願いしますね……」

神裂(あんなに張り切ってたのに……インデックス……)

禁書「流すよー……」

上条「わー!」

神裂「楽しみだなー!」

256: 2010/04/16(金) 22:43:27.04 ID:YRj5YEDO
どぼどぼどぼどぼ


上条「えー!!?そんな一気に流しちゃうの!?」

神裂「ああっ……掴めない!まるで生き物のように逃げていく!」

上条「くそっ!インデックス、どうしちまったんだ!?」

禁書「流しそうめんなんて滅べばいい」

上条「インデックスーっ!?」

神裂「たくさんのそうめんを逃してく……!」

上条「いいぜ……てめぇが食べ物を粗末に扱うってなら、まずはその幻想をぶっ壊す!」

神裂(まぁ橋の一番最後にざるを置いてるから無駄にはならないんですが)

257: 2010/04/16(金) 22:59:01.37 ID:YRj5YEDO
禁書「私は誰にも止められないんだよ!」

上条「うおらああああああああ!!」

神裂「なっ……右手を水の中に入れたですって!?まさかそれで全部を掬うつもりですか!!?」

禁書「どれだけの量があると思ってるの!とうまの右手だって限界があるんだから!」

上条「ふっ……狙いはそこじゃねぇよ」

禁書「何っ!?」

上条「せいあっ!」

神裂(橋を持ち上げて角度を変えた!!?逆流でそうめんがインデックスに向かって……!)

禁書「きゃあああああああああ!」

258: 2010/04/16(金) 23:06:39.17 ID:YRj5YEDO
がっしゃーん


上条「……………………」

禁書「……………………」

神裂「……さて、辺りが水浸しになったのは誰のせいでしょう?」

「イン「と」デッ「う」ック「ま」ス」

神裂「せっかく準備したのになー。どうしてこうなっちゃったのかなー」

上条「……………………」

禁書「……………………」

神裂「何か言う事は?」

上条・禁書「「ごめんなさいでした」」

神裂「よろしい」

259: 2010/04/16(金) 23:13:22.65 ID:YRj5YEDO
神裂「さて、余ったそうめんは家でゆっくり食べましょう」

上条・禁書「「はーい」」


禁書「ねぇとうま」

上条「何だいインデックス」

禁書「さっきふと思ったんだけど」

上条「うん」

禁書「管理人さんてお母さんみたい」

神裂「聞こえていますよ」




 終わる!

261: 2010/04/16(金) 23:18:50.56 ID:YRj5YEDO
終わらない!


禁書「それでもう一つ思ったんだけど」

上条「うん」

禁書「とうまってお父さんみたい」

上条「ってことはインデックスが子どもで、管理人さんと俺が夫婦に「ぶはっ!!?」



神裂「……聞こえていませんよ」




 終わった!

266: 2010/04/17(土) 12:14:18.31 ID:OCVc/wDO
神裂「ふわぁああ……」

神裂(今日はいい天気で眠くなってきますね……どうしましょう……お昼寝でも……しよ……う……)

神裂「すー」




上条「管理人さん!……ありゃ」

神裂「Zzz」

上条「あー……完璧に眠ってる」

上条(つか寝顔かわええ!写メとっとこ)パシャッ

神裂「はぁう……?ふわぁあ……上条さん……おはようございます……」

上条「もうおやつの時間だけどおはよう!ゴメン、もしかして起こした?」

268: 2010/04/17(土) 12:43:22.72 ID:OCVc/wDO
神裂「いえ、そんな事はありませんよ。少しうたた寝をしてしまっただけですし。んーっ」

上条「っ?!!」

神裂「……?そんないきなり首を回すと痛めますよ。どうかしましたか?」

上条「な、何でもないですの。大丈夫ですの」

上条(言えねぇ管理人さんの身体が反って胸が強調されたなんて絶対言えねぇ)

神裂「本当に大丈夫でしたか?」

上条「────!」

神裂「あ……す、スミマセン!突然顔を近付けちゃって……」

上条「……はは、管理人さんほっぺ染めてりんごみたい」

神裂「上条さんこそ耳まで赤いですよ」

270: 2010/04/17(土) 12:55:08.82 ID:OCVc/wDO
上条「…………ははは」

神裂「…………あはは」

スフィンクス(何だコイツら)

神裂「そういえば、上条さんが抱えているその子はいったい?」

上条「ああコイツ?実はインデックスがどっかから拾ってきちゃったんだよね」

神裂「では上条さんが飼うんですか?」

上条「いや。これからちゃんと世話をしてくれそうな人を探すんだ」

神裂「へぇ……」

上条「きちんとした里親の所で暮らした方が、コイツの為になるだろうし」

272: 2010/04/17(土) 13:11:16.76 ID:OCVc/wDO
神裂「でもインデックスさんは怒りませんかね……勝手に飼い主を探しても」

上条「それはない。インデックスはもう説得済みなんだ。今、アイツも一生懸命探してくれてる」

神裂「ふふ……この子は幸せですね。こんな優しい方に尽くしてもらえて」

上条「そうかぁ?当たり前の事をしているだけなんだけど」

神裂「その当たり前をできるというのが、あなたの素晴らしい所です」

上条「…………ははは」

神裂「…………あはは」

スフィンクス(何だコイツら)

273: 2010/04/17(土) 13:25:16.08 ID:OCVc/wDO
上条「そうだ!管理人さん飼ってみない?」

神裂「私ですか?」

上条「それなら俺は安心して任せられるし、インデックスも賛成してくれると思うんだ!」

神裂「出来るなら引き受けたいのですが……」

上条「あ、スマン。動物とか苦手だった?」

神裂「そういう訳ではなくて……仕事柄、どうしても世界各地を回るので、きちんとした世話は無理なんです」

上条「そっか……確か管理人さんは他の仕事もやってたんだっけ」

神裂「役に立てず申し訳ありません」

上条「気にしなくていいよ!んじゃ、俺も出かけるかな」

274: 2010/04/17(土) 13:43:21.84 ID:OCVc/wDO
神裂「探しに行かれるんですね。なら私も手伝わせてください」

上条「本当か!助かるよ。でも迷惑じゃない?」

神裂「いえ、弱きものを見捨てる訳にはいきませんから……」チラッ

上条「ん……?」

上条(手の辺りに視線を感じる……)

神裂「…………」ウズウズ

上条「……管理人さん、触る?」

神裂「えっ?いいんですか!?」

275: 2010/04/17(土) 13:51:53.21 ID:OCVc/wDO
上条「気を付けて、はい」

神裂「わあ……」

「クゥン」

神裂「……かわいいーっ!もふもふもふ!」

上条「成る程……管理人さんは犬派だったのか」

神裂「猫も兎も好きなんですが、犬は特に好きなんです!」

子犬「クゥン」

神裂「ああ……かわいいなぁ」

上条(かわいいのは管理人さんだよーっ!!)

スフィンクス(何なんだコイツら)

277: 2010/04/17(土) 14:33:01.77 ID:OCVc/wDO



上条「取り敢えず知り合いから当たってみるか」

神裂「残念ながら私はあまり人づてがなくて……」

上条「じゃあ俺の友達に電話してみるよ。……もしもし?青ピか?オレオレー」

神裂(上条当麻の友人とは女性でしょうか。……ていうか私は何故モヤモヤしてるの)

上条「……わかった、じゃあな。……アイツは駄目かぁ。土御門も無理だったし他に電話できるような奴はいねぇよ……どうすっか」

神裂「……………………」

上条「……管理人さん?」

神裂「……はい」

278: 2010/04/17(土) 15:17:22.99 ID:OCVc/wDO
上条「……何か拗ねてません?」

神裂「……何でもありませんよ」

上条「はぁ……それにしても俺のあまりの交流の無さに泣けてきた。野郎ばっかりなんだもん」

神裂「は?野郎?」

上条「うん。男臭くて嫌になっちゃう」

神裂「へー、へー。つまり女の子はいないと」

上条「?うん、管理人さんぐらいだよ。……はっ!」

上条(しまった!女性相手にこんな話は引かれたか!?)

神裂「えへへ……私だけですか」

上条「…………???」

280: 2010/04/17(土) 15:23:31.09 ID:OCVc/wDO
神裂「上条さん!あてが無いならここから別行動しませんか!?」

上条「え……?そっちの方が効率は良いかもしれないけど」

神裂「ではこうしましょう!あなたはこっち、私は向こう。絶対に私が見つけますからね!」

上条「あ……行ってしまった」

288: 2010/04/19(月) 22:47:48.49 ID:pIUtCYDO
神裂(さて。何やかんやでこちらへ来てはみたものの……)

神裂「飼い主を探すには見知らぬ者に話し掛けなければならないのですね……」

神裂(こんなことなら彼と一緒にいれば良かったかもしれません……失敗しました)


通行人「結局、フルーツ系の缶詰めはみかんが最高って事」

通行人「いや、食べてみると鉄臭くない?」

通行人「超正直に言うと、わざわざみかんを缶詰めで食べる意味が超わかりません」

通行人「みかんよりも、寒天派かなぁ」

神裂「あ……」


神裂(は、話し掛けれない……)

子犬「クゥン」

神裂「すみません犬……私が不甲斐ないばかりに……!」

290: 2010/04/19(月) 23:06:05.52 ID:pIUtCYDO
神裂(諦めて彼の元に戻ろうか……いや、でもあんな事言っておいて……)

神裂「うーん……うぅーぅん」

子犬「CanCam!」

神裂「あ……逃げた!待って!」


―――――


神裂(ここは公園?あの子はいったいどこに行ってしまったのか……)

神裂「い、犬ー!?出てきてくださーい!」

291: 2010/04/19(月) 23:20:15.44 ID:pIUtCYDO
「クゥン」

神裂「この声は後ろ!……って、あなたは誰です?」

少女「子犬の飼い主はあなたですか?とミサカは問い掛けます」

神裂「違う……んですけど……」

少女「そうですか。失礼しました、とミサカは対象人物の言葉の切れに疑問を持ちつつ頭を下げました」

神裂「あっ、そういう事ではないんですが……」

少女「ならばどういう意味が?とミサカは再度疑問を投げ掛けます」

神裂「えと……話すと長いのですが」

少女「時間の浪費についてなら心配はいりません、とミサカはあなたを安心させます。なぜならこの世界には『カクカクシカジカ……

292: 2010/04/19(月) 23:29:44.06 ID:pIUtCYDO
―――――


少女「なるほど」

神裂「思ったより説明の時間が長くなってしまいましたね……」

少女「そうそう上手くはいかないものです、とミサカは少し上から目線の発言をしました」

神裂「……あなたは変わった話し方ですね。ゴーグルも大き過ぎませんか?」

少女「それはあなたには言われたくないです、とミサカは相手の服装を指して反論します」

神裂「わ、私が変……!?」

少女「自覚していなかったのですか、とミサカは嘆息しました」

神裂「涼しいし快適なんですけど……」

少女「そりゃ涼しいでしょうね」

293: 2010/04/19(月) 23:43:08.83 ID:pIUtCYDO
少女「しかし子犬の事は放っておけません、とミサカはあなたに手を貸す事にしました」

神裂「本当ですか!助かります。私一人だと誰にも話せなくて」

少女「社会面、金銭面、そして子犬をきちんと世話できる人物がベストでしょう、とミサカは考えを主張します」

神裂「そうなるとやはり、学生より教師や科学者に尋ねた方がいいのかもしれません」

少女「ここまでまとまっていれば楽勝ですね、とミサカは作戦の成功を予期します」

神裂「あの……真面目に探しましょうね?」

少女「勿論です、とミサカは返事をします」

神裂「……やっぱり変わってるなぁ」

少女「あなたに言われたくないと何度申せば」

296: 2010/04/20(火) 00:01:45.83 ID:KFo9bADO
1.積極的に話し掛ける


神裂「さすが学生の街。なかなか大人に会えませんね」

少女「まぁ適当に話し掛けます……すいません、犬を飼ってみませんか?」

少年「はぁ?俺が犬を?くっだらねぇ用事で呼び止めてんなよ」

神裂「そんな事言わずに……意外にかわいいかもしれませんよ、ほら」

少年「しつけぇな!飼わねぇよ。失せろ、女」

神裂「……ご迷惑おかけしました」

少年「……そんな冷酷非道なあなたの将来は冷蔵庫でしょう、冷たいから、とミサカは予言します」

神裂「さようなら冷蔵庫さん」

少年「……常識を知れ」

298: 2010/04/20(火) 00:12:10.71 ID:KFo9bADO
2.張り紙を作る


少女「古典的にいきましょう、とミサカはアイデアを出しました」

神裂「電子機器やカメラは手元にありませんし、早いのは手書きでしょうか」

少女「犬の絵もあると良いでしょう」

神裂「芸術方面は苦手なのですが……頑張ります」

少女「実はミサカはお絵描きは初めてです、とミサカは初体験にドキドキしています」

神裂「その年齢で珍しいですね」

少女「そうでしょうね。終わったら見せあいっこしましょう、とミサカは提案します」

神裂「はい。……ではいざ!」

300: 2010/04/20(火) 00:36:19.10 ID:KFo9bADO
3.押しつける


少女「あんなに大笑いしたのも初めてです、とミサカは思い出し笑い……ふっ」

神裂「あなたのも相当酷かったですよ……ぷぷ」

少女「まぁ気を取り直して次の作戦です、とミサカはスイッチを切り替えます」

神裂「そうですね。えーと確か『人のいい善人に押しつける』……でしたっけ」

少女「何だかんだいってそういう人は飼い続けてしまうものなのですよ、とミサカは腹黒い一面を見せます」

神裂(すぐに彼の顔を思い出してしまいました……)

少女「あの方はどうでしょう、とミサカは白衣を来た子ども連れの女性を指差します」

神裂「くまが出来てて顔色悪そうですけど……」

少女「大丈夫です、子ども達と共にいてあんな笑顔の人が優しくない筈がありません、とミサカは決めつけます」

302: 2010/04/20(火) 00:42:41.77 ID:KFo9bADO
神裂「すみませーん!ちょっといいですか?」

女性「……ん?何か用かい?」

神裂「実はこの犬があなたと一緒に暮らしたいと言うんです!」



少女裏声「わんわん!お姉さんご飯くれわん!」



女性「……………………」

少女「……………………」

神裂(……やっぱりダメだったか)

女性「……面白い」

神裂「へ?」

303: 2010/04/20(火) 00:54:49.89 ID:KFo9bADO
女性「今の子犬はヒトの言葉を話せるのか……少し入院していただけで、こうも世間から置いていかれるとは」

子ども「……キヤマせんせぇ?」

女性「しかしどうやってこんなはっきり声を出せるのだろう……声帯のみ変化させたのか?」

神裂「あの……もしもし」

女性「しかも仲間内での疎通は今のままで充分であるのにわざわざ無駄な単語を付け加えたり……脳が人間に近付いたのか?いかん、暑くなってきた」

少女「……よ、妖怪脱ぎ女……!」

女性「妖怪?今妖怪と言ったか?ますます気になってきた……すまないが一度こちらに預けてみてはどうだろう?」

神裂「……………………」

女性「悪いようにはしない。少し研究させてもら「「失礼しましたーっ!!」」

304: 2010/04/20(火) 01:05:00.13 ID:KFo9bADO
少女「ぜー、ぜー……」

神裂「ぜ、全速で走ってきてしまいましたね……大丈夫ですか?」

少女「はい……、とミサ……けほっけほっ」

神裂「それにしても上手くいきませんね……彼と一度合流してみましょうか」

少女「…………けほっ」

神裂「宣言した手前、残念ですが」

少女「…………方法ならもう一つだけ、とミサカは人差し指を立てます」

神裂「…………方法?」

305: 2010/04/20(火) 01:18:00.45 ID:KFo9bADO
少女「…………最後の手ですが……そしてあなたに多大なるリスクを伴います、とミサカは緊張感を漂わせます」

神裂「……………………」

子犬「クゥン」

神裂「……この子の為ならどんな事もする覚悟があります!」

少女「……二言はありませんね」

神裂「……はい!」

少女「ミサカはこれから予定があるので最後まで付き合えません、とミサカはあらかじめ言っておきます」

神裂「…………」

少女「なのでよく聞いておいてくださいね。作戦名は

307: 2010/04/20(火) 01:33:00.23 ID:KFo9bADO
―――――


上条「はー。インデックスが見つけてくれたみたいで良かったよ」

土御門「シスターと里親は寮で待ってるにゃー。あとはねーち……いや、管理人さんと犬を呼ばないと」

上条「確かこの辺で別れたんだけど……」

土御門「んじゃ、少し探せば見つかるたい。オレは向こうを見てくるぜい」

上条「おう」

上条(今日はインデックスが頑張ってくれたし、管理人さんの写真も撮れたし良い事づくめだなぁ……)

上条「まぁ、そんなん考えてると最後にどかんと不幸が降り注ぐんですがね……はは」

「わんわん」

上条「路地裏から犬の声……管理人さん?」

308: 2010/04/20(火) 01:55:15.00 ID:KFo9bADO
上条「何でこんな場所に……?」





神裂「お兄さん!捨てカオリを拾ってほしいわん☆」





上条「……………………え?」

神裂「……………………ッッ?!!」

上条「…………何故段ボールの中でメイド服にイヌ耳を付けて待ち構えていらっしゃるのでしょうか?」

神裂「……………………」

上条「……捨てカオリとは?」

神裂「……………………」

上条「……あの、管理人さん?」

312: 2010/04/20(火) 02:00:50.28 ID:KFo9bADO
神裂「……………………管理人サン?……別人じゃないですか?」

上条「っ!!?しらを切った!?ダメだよどこからどうみても管理人さんだからね!?」

神裂「……っ!忘れてください!今のは全部忘れてくださいーっ!」

上条「無理だよ!これはもう記憶喪失にならない限り心の奥で」

神裂「わ・す・れ・ろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」ゴンッ

上条「そげぶッ!?」

神裂「……………………」

上条「……………………」

神裂「……………………着替えよ」

313: 2010/04/20(火) 02:12:30.73 ID:KFo9bADO
―――――


上条「う……うん?ここは……」

神裂「気が付きました?こんな所で倒れていたのでビックリしました」

上条「……俺が?」

神裂「はい。……何も覚えていませんか?」

上条「……ああ、とても大事だったような気がするんだが……わからねぇ」

神裂「本当に大事だったら心に覚えていますよ。だからきっと大した事じゃないんですね!」

上条「そっか。あ、そういや里親見つかったぞ!」

神裂「それは良かった!………………ふ」

上条「……管理人さん?」

神裂「何でもありません」


4.色仕掛け




 おわり

315: 2010/04/20(火) 02:26:43.78 ID:KFo9bADO
最初に甘くしたから最後は…ねぇ
捨てカオリは僕もほしいお( ^ω^)
風呂入って寝ます
お疲れ様でした


【一覧】

一巻後
さよなら管理人さん編>>1-34
洗濯機の反乱編>>42-54
愛を込めて肉じゃが編>>64-78
流しそうめん編>>238-261
神裂さんと小動物編>>266-313
ドキドキ密室編>>112-178
vs鈴科百合子編>>193-229

四巻後
決意の神裂編>>88-108

358: 2010/07/03(土) 13:07:34.14 ID:caN9BWgo
案内から1週間レスが全くなかったので放置スレと判断してHTML依頼してきます
おつかれさまでした

引用元: 上条「管理人さーん」神裂「はいっ!?」