1: 2013/12/05(木) 11:00:03.37 ID:1CLlTHrv0
れんげ「駄菓子屋ー!」

楓「おう、今日こそは買いに来たのか?」

れんげ「そうなん! 今日こそ駄菓子屋を買うん!」

楓「ほーう、いくら持ってきたんだ?」

れんげ「これを見て腰抜かすといいんよ駄菓子屋!」

楓「こ、これは……!」

れんげ「五百円玉なのん!」

楓「まさかれんげが五百円なんて持ってくるなんてな……」

れんげ「さあ! これで駄菓子屋買うん!」

楓「……ククッ」

れんげ「な、何がおかしいん!?」

楓「残念だったなぁ! 駄菓子屋さんはな……七百円に値上がりしたんだよ!」

れんげ「な、なんと!」

10: 2013/12/05(木) 11:10:58.38 ID:1CLlTHrv0
れんげ「駄菓子屋の嘘つき! 昨日は五百円って言ってたのん!」

楓「昨日は昨日だよ、今日からは七百円なんだ。それで、買うのか?」

れんげ「……今は550円しか持ってないん、これじゃあ駄菓子屋買えません」

楓「そうか、そいつは残念だ。ほれ、何も買わないなら帰った帰った」

れんげ「仕方ないんな……またねーねーのお手伝いするん」

楓「へぇ、先輩の手伝いしてお駄賃貰ってんのか」

れんげ「そうなん、晩御飯作ったら10円、お風呂洗ったら10円、それから肩たたきしたら10円に、あとな、あとな」

楓「なんだその10円均一、まあれんげにはそのくらいが良いか」

れんげ「そういえば昨日は昔の写真が一枚100円で売れたん!」

楓「写真? 誰に」

れんげ「ほたるんに、なっつんとこまちゃんと撮ったのが売れたん!」

楓「へぇ、まあ最近越して来たから昔も知りたいんだな」

16: 2013/12/05(木) 11:21:39.90 ID:1CLlTHrv0
楓「はぁー、れんげも帰ったし、テレビでも見てるか……」

楓「肩たたきか、そういや最近動いてないしちょっと凝ってきたな」

楓「あれ、肩叩くのどこやったっけ」

れんげ「駄菓子屋、肩凝ってるのん?」

楓「うわ、まだいたのかよ」

れんげ「肩たたき、10円なん」

楓「10円ねぇ……ほれ」

れんげ「毎度ありなのん! さあ駄菓子屋座るんな!」

楓「引っ張るなっての……よっこらしょ」

れんげ「……駄菓子屋、年寄り臭いん」

楓「う、うるさいな」

れんげ「ねーねーみたいなんなー」

楓「先輩はまだまだ若いだろ、年寄り言ってやるなよ……」

れんげ「よーし、それじゃあやるのん」

れんげ「……のんっ!」

18: 2013/12/05(木) 11:29:16.63 ID:1CLlTHrv0
れんげ「のんっ! のんっ! のんっ!」

楓「いてぇって! そんなフルスイングな肩たたきは要らん!」

れんげ「ねーねーはこれで喜ぶのに、駄菓子屋はわがままなんな」

楓(先輩はこれで良いのか? それとも我慢か?)

楓「……まあ良いか、もう少しだけ優しくしてくれ」

れんげ「わかったん、のん、のん、のん」

楓「お、そうそう、そのくらいだ」

れんげ「のん、のん、のん」

楓「丁度良いぞれんげ、その調子だ」

れんげ「……」

楓「ん?」

ぎゅっ

21: 2013/12/05(木) 11:35:13.71 ID:1CLlTHrv0
楓「おい」

れんげ「……」

楓「おいこら、肩たたきはどうした」

れんげ「やっぱり駄菓子屋欲しいん」

楓「昨日からなんだよ? 私なんか欲しがってどうすんだ」

れんげ「……ちょっと昔を恋しく感じるお年頃なん」

楓「昔って少し前だろ」

れんげ「ねーねーがいるのも嬉しいけど、やっぱり駄菓子屋もいて欲しいん」

楓「わがままな奴だなぁ」

れんげ「うち、うち……」

れんげ「うち、駄菓子屋と暮らしたいん!」

楓「」

25: 2013/12/05(木) 11:42:11.83 ID:1CLlTHrv0
楓「……」

れんげ「駄菓子屋と暮らしたいのん」

楓「私は店があるからな、一緒には無理だろ」

れんげ「じゃあうちが駄菓子屋の子になります!」

楓「先輩はどうするんだ?」

れんげ「ねーねーも駄菓子屋の子になります!」

楓「いや私の子にされても困るわ」

れんげ「ねーねーもきっと喜ぶんな、だから、だから……」

楓「れんげ……」







楓「ダメだ」

31: 2013/12/05(木) 11:52:17.37 ID:1CLlTHrv0
れんげ「なんで、どうしてそんなこと言うん? 駄菓子屋はうちが嫌いなのん?」

楓「そうじゃない」

れんげ「じゃあ……」

楓「甘えてばっかじゃダメなんだよ、れんげ」

楓「お前ももう小学生だ、すぐに中学生になって、高校生、大学生になって大人になる」

楓「今はまだ甘えてるだけだからダメだ」

れんげ「駄菓子屋……」

楓「まあもしも大人になって、まだ私と暮らしたいって思ってたら介護でもしてもらおうか」

楓「少なくともお前が二十歳になるまでは、我慢しろ」

れんげ「……二十歳になったら一緒に暮らせるのん?」

楓「ああ、そうだな」

れんげ「うん……わかったのん!」

44: 2013/12/05(木) 11:59:37.17 ID:1CLlTHrv0
れんげ「ばいばい駄菓子屋! 今日は帰って寝るん! 早く大人になるん!」

楓「おう、ちゃんと飯食って風呂入って歯磨けよ」

れんげ「わかったーん!」




楓「まさかれんげがあんなこと……まだまだガキだな」

楓「あ、そういやまだ全然肩叩いて貰ってねぇ、本当に10円分くらいじゃねーか」

楓「ふっ、本当にあいつは……」

楓「後で昔の写真でも見るか」

楓「それと久々にれんぐるみでも作るか」

楓「親離れさせる側も子離れしなきゃいけないんだから大変だな」

楓「子離れ、しないとな」


おわり

51: 2013/12/05(木) 12:09:59.18 ID:1CLlTHrv0
おまけ

れんげ「ってことで早く寝るん! お休みねーねー!」

一穂「おー、お休みれんちょん」



一穂「楓の家の子かー……」

一穂「掃除に洗濯に、家事全般任せられるよなー」

一穂「ん?」

一穂「おや?」

一穂「良いんじゃないかね、楓ん家」

一穂「よし、明日うちからも頼むか」

61: 2013/12/05(木) 12:41:12.75 ID:WPkmMPUui
おつおつ

引用元: れんげ「うち、駄菓子屋と暮らしたいん!」楓「」