1: ◆Cq6R5HABQBE 2017/03/03(金) 17:10:43.75 ID:a4qAwY4d.net
能力決めの時だけ安価あり

2: 2017/03/03(金) 17:11:28.07 ID:a4qAwY4d.net
鞠莉「というわけで。今日の練習は中止にして、仮想世界で能力バトルするわよ!」

ダイヤ「あなたは何を言ってるんですか」

曜「仮想世界……。VRみたいなものかな?」

鞠莉「まあそんなところね」

果南「なんかよくわからないけど、面白そう!」

鞠莉「この装置を被ってスイッチを入れれば、あっという間に仮想世界よ!」

千歌「すごい!みんなで行ってみようよ。その、仮想世界に…!」


こうして9人は、仮想世界に入った。

3: 2017/03/03(金) 17:12:50.37 ID:a4qAwY4d.net
仮想世界


シュイイイン

千歌「……ここが、仮想世界?」

曜「なんか、ゲームっぽい感じがするね」

鞠莉「みんなのアバターは3Dモデルを使ってかなり精巧に仕上げてあるわ!」

善子「たしかにそっくりね。違和感ないわ!」


梨子「………あれ? ここはもしかして、学校…?」

ルビィ「本当だ! 見知った場所だよ!」

鞠莉「ええ。今私たちがいるステージは『浦の星女学院』よ」

花丸「ステージ?」

鞠莉「ええ! 今回の、バトルの舞台よ…!」

ダイヤ「……ここが仮想世界だというのは理解できましたが、
先程から鞠莉さんが言っている、能力バトルというのは、一体何なのですか?」

鞠莉「よくぞ訊いてくれたわ! 早くゲームを始めたいから、簡単に説明するわよ!」

4: 2017/03/03(金) 17:13:46.74 ID:a4qAwY4d.net
鞠莉「この仮想世界に存在するアバターには、一つだけ『能力』が与えられるの」

鞠莉「能力はログイン時に、ランダムで振り分けられるわ。みんなも既に、何らかの能力を持っているはずよ」

梨子「つまりその能力で、バトルをするのね?」

鞠莉「オーライ! その通りよ!」


鞠莉「みんなの頭の上に『体力ゲージ』が見えるでしょ?それがそのキャラの残りHPよ。
対戦相手のHPを0にすれば勝ちで、HPを0にされたら負け。
負けたキャラは、回復された状態で適当な場所に転送されるわ」

鞠莉「対戦に勝てば1ポイント、負ければ-1ポイント。
相討ちの場合、ポイントの加減は起こらない」

5: 2017/03/03(金) 17:14:35.99 ID:a4qAwY4d.net
鞠莉「そして、一番早く10ポイントを集めた人が優勝よ!」

千歌「優勝! なんかいい響き!」

ダイヤ「優勝したら、何か賞品でもあるのですか?」

鞠莉「オフコース! もちろんよ!」


鞠莉「優勝賞品は………。ドラゴンボール7つよ!」

善子「すごい! 神龍を呼び出せるじゃない!」

曜「燃えてきたー!」

千歌「うぉー! 頑張って優勝するぞー!」

花丸「物欲の塊ズラ」

6: 2017/03/03(金) 17:15:29.97 ID:a4qAwY4d.net
鞠莉「それじゃあ、ゲームを始めるわよ!」

鞠莉「あ、そうだ。このマップの外には『見えない壁』があって出られないから、気をつけておいてね~♪」

ルビィ「なるほど…。それを利用すれば、壁ハメもできるんだね…」


千歌「ちょっと待って! 自分の能力はどうすればわかるの!?」

鞠莉「メニュー画面に表示されるわ」

千歌「あ、ほんとだ! えーと、私の能力は…」

梨子「千歌ちゃん! 自分の能力は、周りに知らせない方がいいよ」

千歌「え、なんで?」

梨子「バトルが始まれば、私たちは全員、敵同士なんだから。能力を知らせるってことは、弱みを見せてるのと同じだよ」

千歌「そ、そっか。ありがと梨子ちゃん」


鞠莉「……ふふっ。では、始めるわよ!」

鞠莉「時間無制限のデスマッチ! 開幕よー!」

7: 2017/03/03(金) 17:16:44.86 ID:a4qAwY4d.net
屋上


シュイイイン

千歌「…うわっ!」

千歌「屋上にワープした…! もうゲームが始まったんだ!」

千歌「……そうだ。まずは能力を確認しないと!」


千歌「私の能力は………」


千歌の能力>>10

10: 2017/03/03(金) 17:21:03.08 ID:O/+x3Gd6.net
思い通りになる

11: 2017/03/03(金) 17:23:26.43 ID:TgtK1ea4.net
強すぎワロタ

13: 2017/03/03(金) 17:27:34.14 ID:a4qAwY4d.net
千歌「思い通りになる能力…?」

千歌「どういうことだろう? ちょっと試してみよう」


千歌「ミカン降ってこーい!」


ピュゥゥゥウウウ………

千歌「す、すごい! ほんとに降ってき……痛っ!!」

千歌「頭に、ミカンが…!」

千歌「あぁ! 今のでHP減っちゃった!」

千歌「なるほど……。この能力、結構危険だなぁ…」

14: 2017/03/03(金) 17:28:42.55 ID:a4qAwY4d.net
二階渡り廊下


シュイイイン

曜「…おっと!」

曜「ここは…二階か。とりあえず一階に下りておこう」

曜「……そういえば、私の能力って何なんだろう?」


曜「私の能力は………」


曜の能力>>16

17: 2017/03/03(金) 17:29:59.12 ID:TUWm+k8z.net
触れた相手を即氏

18: 2017/03/03(金) 17:33:38.53 ID:a4qAwY4d.net
曜「触れた相手を即氏させる能力…」

曜「すごい! ただのチートだ!」


曜「……でも、触れられなかったら勝てないってことだよね?」

曜「もし、相手に能力がバレてたら……」


曜「……できる限り能力をバレずに使っていかないとね!」

21: 2017/03/03(金) 17:34:31.68 ID:a4qAwY4d.net
グラウンド


シュイイイン

ダイヤ「……」

ダイヤ「イヤな場所に転送されてしまいましたわ」

ダイヤ「校舎からは、私の姿が丸見えでしょうね」

ダイヤ「……とりあえず、能力の確認をしましょうか」


ダイヤ「私の能力は………」


ダイヤの能力>>24

24: 2017/03/03(金) 17:36:03.92 ID:ctDZFhJU.net
触毛

26: 2017/03/03(金) 17:40:06.79 ID:a4qAwY4d.net
ダイヤ「触毛の能力、ですか」

ダイヤ「猫の口まわりに生えてる、アレですよね?」

ダイヤ「私の場合は、髪の毛が触毛となるようですね」

ダイヤ「………………」


ダイヤ「攻撃手段が、欲しいですわね…」

27: 2017/03/03(金) 17:40:54.57 ID:a4qAwY4d.net
プール


シュイイイン

梨子「……プールか」

梨子「まあ、悪くない場所…かな?」

梨子「みんなと闘うためにも、まずは能力を確認しておかないと…!」


梨子「私の能力は………」


梨子の能力>>29

29: 2017/03/03(金) 17:41:49.28 ID:10/vGJ0n.net
マインドスキャン

34: 2017/03/03(金) 17:49:26.92 ID:a4qAwY4d.net
梨子「マインドスキャン。……相手の心を読む能力ね」

梨子「……」

梨子「もしかして私、勝っちゃった…?」

梨子「この能力なら、誰にも負ける気がしないわ!」

37: 2017/03/03(金) 17:51:01.25 ID:a4qAwY4d.net
体育館


シュイイイン

善子「……痛っ!」

善子「うわ、最悪! 早速HPが減っちゃった!」

善子「うぅ…。この調子でバトルに勝てるのかしら…?」

善子「……能力次第で、私の運命は変わる…!」


善子「私の能力は………」


善子の能力>>39

39: 2017/03/03(金) 17:51:12.22 ID:C4felZmq.net
固有結界

46: 2017/03/03(金) 17:57:13.57 ID:a4qAwY4d.net
善子「固有結界! キタコレ!」

善子「もう私に勝てる能力なんてないでしょ!」

善子「千歌あたりをハメまくって、一気に優勝してやるわ!」

47: 2017/03/03(金) 17:58:06.28 ID:a4qAwY4d.net
生徒会室


シュイイイン

果南「おわっ!」

果南「ここは…。生徒会室?」

果南「……誰かが来るまで、ダイヤごっこでもして遊んでよーっと」

果南「あ、そうだ。能力を見ておかないとね」


果南「私の能力は………」


果南の能力>>49

49: 2017/03/03(金) 17:58:33.01 ID:g2FvA9Tk.net
超身体能力強化

51: 2017/03/03(金) 18:02:53.68 ID:a4qAwY4d.net
果南「超身体能力強化か~」

果南「100mを5秒で走れたりするのかな? ……なーんてね」

果南「じゃあ、この能力を使って、ダイヤを倒しに行こうか~」

53: 2017/03/03(金) 18:04:10.00 ID:a4qAwY4d.net
正門前


シュイイイン

ルビィ「ここは……。校門だ」

ルビィ「鞠莉さんの話だと、学校の外には出られないんだよね?」

ルビィ「……ほんとだ。見えないけど、壁があって通れない!」

ルビィ「……」

ルビィ「自分の能力を確認して、今のうちに作戦を立てておこう」


ルビィ「ルビィの能力は………」


ルビィの能力>>55

55: 2017/03/03(金) 18:05:21.86 ID:oB7zVWdG.net
物理攻撃無効

63: 2017/03/03(金) 18:09:28.77 ID:a4qAwY4d.net
ルビィ「物理攻撃無効かー。思ったより大したことないなー」

ルビィ「どうせなら、かめかめ波みたいな必殺技がよかったよー」

ルビィ「…まあいいや。優勝さえすれば、何でも願いは叶うんだもんね!」

ルビィ「よーし! 優勝目指してがんばルビィ!」

65: 2017/03/03(金) 18:10:47.12 ID:a4qAwY4d.net
図書室


シュイイイン

花丸「……あれ? 突然ワープしたズラ!」

花丸「ここは、図書室…。本で闘ったりするのかな…?」

花丸「いや、それより能力を使った方がいいよね!」


花丸「オラの能力は………」


花丸の能力>>66

66: 2017/03/03(金) 18:10:55.14 ID:IgWsWFDw.net
高速で自在に伸縮しあらゆるものを切断する14枚の白翼

72: 2017/03/03(金) 18:17:40.27 ID:a4qAwY4d.net
花丸「高速で自在に伸縮しあらゆるものを切断する14枚の白翼……」

花丸「文字だけじゃ伝わらないズラ」

花丸「試しに、能力を使ってみよう!」


ギュインギュインギュインギュイン

スパンッ…!!


花丸「おお…!」

花丸「やっぱり文字だけじゃ伝わらないズラ!」

73: 2017/03/03(金) 18:18:51.29 ID:a4qAwY4d.net
放送室


シュイイイン

鞠莉「……放送室! いい場所に転送されたわ!」

鞠莉「能力を確認したら、作戦を実行するわよ…!」


鞠莉「マリーの能力は……!?」


鞠莉の能力>>75

75: 2017/03/03(金) 18:19:07.01 ID:7/DYUTFM.net
便意操作

79: 2017/03/03(金) 18:20:03.08 ID:y9JaqivF.net
最凶やんけ…

83: 2017/03/03(金) 18:23:54.88 ID:a4qAwY4d.net
鞠莉「便意操作ですって?」

鞠莉「誰よ! こんな汚らしい能力をプログラムしたのは! 私よ!」


鞠莉「相手を行動不能にさせるの能力…!」

鞠莉「ふふっ! とってもシャイニーでエキサイティングな泥試合になりそうね!」


鞠莉「……さてと。じゃあ早速作戦を始めていきましょうか」

118: 2017/03/03(金) 22:56:25.00 ID:a4qAwY4d.net
再開します


能力まとめ

千歌:思い通りになる能力
梨子:心を読む能力(マインドスキャン)
曜:触れた相手を即氏させる能力
ルビィ:物理攻撃を無効化する能力
花丸:高速で自在に伸縮しあらゆるものを切断する14枚の白翼を操る能力
ダイヤ:髪の毛が感覚器官になる能力(触毛)
果南:超身体能力強化の能力
鞠莉:便意を操作する能力

127: 2017/03/03(金) 23:03:44.51 ID:a4qAwY4d.net
『シャイニー☆ みんな自分の能力を確認したかしらー?』

『使えない能力を手にした人もいるかもしれないけど、
引いたカードで勝負してもらうわよ!』

『あ、そうそう。私は今、放送室にいるわ!』

『私を倒したい人は、すぐに放送室に来なさいー!』





千歌「………」

千歌(わざわざ呼び出すってことは、相当強い能力なんだろうなぁ)


千歌「……とりあえず、誰か対戦相手を探しに行かないと…」


ギィィィィ

千歌「っ! 扉が、開かれた…!」

128: 2017/03/03(金) 23:09:49.21 ID:a4qAwY4d.net
果南「……あ、千歌だ!」

千歌「果南ちゃん! どうしてここに?」

果南「んー。屋上だと学校中を見渡せるし、相手探しも捗るかなーって」

千歌「そ、そっか…」


果南「……千歌は、どんな能力だった?」

千歌「私の能力はね~?……って言うわけないじゃん! 今は敵同士なんだよ!?」

果南「だよね~。………でも私は、自分の能力を明かしてから闘うよ」

千歌「え?」

果南「私の能力は………」



果南「超身体能力強化」

千歌「っ!?」


ズドオオオオオオオオオオンンン!!!!!

131: 2017/03/03(金) 23:17:31.28 ID:a4qAwY4d.net
千歌「……あ、危なかった…!!」

千歌(今の、避けれなかったら即氏だったよ…!)


果南「あちゃー。かわされちゃった」

果南「でも、次は外さないよ…!」


千歌「また、来るっ…!!」

千歌(でも、どうしよう!? 腰が抜けて、動けないよ…!)


果南「よーし! いくよー!」


ドドドドドドドドドドドドドドドドッ


千歌(ああ! 来る!! 避けなきゃ…)

千歌(……ダメだ、避けれない! 一気に間合いを詰められてる…!)

千歌(なんとかしなきゃ…! でも、どうやって? ああ、やられる…!)





千歌「………と、止まれーーーーーーーーーー!!!!」

132: 2017/03/03(金) 23:21:13.07 ID:a4qAwY4d.net
千歌「………………………………」

千歌「………………………………」

千歌「…………………………あれ?」



果南「」

千歌「……か、果南ちゃん?」

千歌(果南ちゃんが、拳を振りかぶったまま動かない…!)

千歌(どうなってるの…?)


千歌「……もしかして、さっき私が『思った』ことが反映されたの…!?」

千歌「私が『止まれ!』って思ったから、果南ちゃんは本当に止まっちゃったんだ…!」

134: 2017/03/03(金) 23:28:14.05 ID:a4qAwY4d.net
千歌(すごいよ私の能力! これなら優勝間違いなしだよ!)

千歌(さて、どうやって果南ちゃんを倒そうかな…?)


千歌「さっきと、同じように…」



千歌「………果南ちゃんを一撃で倒せる武器よ、出てこーい!!」



千歌「………」

千歌(……あれ? 出てこない…)

千歌(……)

千歌(もしかして、この能力…。二つ以上のことを同時に使えないの…!?)

千歌(今、果南ちゃんを止めるために能力を使ってるから、他に何もできない…)

千歌(だから、私が果南ちゃんを倒すためには、まず、果南ちゃんを始動させなきゃいけないんだ…!)

千歌(やっぱり、そんな万能な能力はないんだね…)

136: 2017/03/03(金) 23:33:11.33 ID:a4qAwY4d.net
千歌(果南ちゃんから、できるだけ離れて……)

千歌(……果南ちゃんを、戻す!)


果南「……あれ? また攻撃外しちゃった!!」

果南「しかも千歌がいない! どうなってるの…!?」


千歌(まだ気付かれてない。今のうちに…)


千歌「果南ちゃんを、一撃で倒せる武器を…」



果南「あ。いた」

果南「いつの間にあそこまで逃げたんだろう? まあいいや。次で仕留める!」

138: 2017/03/03(金) 23:43:40.36 ID:a4qAwY4d.net
千歌「武器は…マイクスタンド!? 本当に倒せるのかな…」

千歌(でもこれで、やるしかない…!)



ドドドドドドドドドドドドドドドド

果南「どこからマイクスタンドなんて出したんだろう?」

果南「……まあいいや。そんな武器ごと、ぶっ壊す!!」

千歌「……う、うおー! 喰らえーーー!」


ピピッ

果南「……ん?」


ピピピピピピピピピピピピピピピピッ


果南「……うそでしょ……………」




ズドンッ

140: 2017/03/03(金) 23:48:08.88 ID:a4qAwY4d.net
千歌「……やった。果南ちゃんを、倒せた…!」


果南「……うぅ」

果南「まさか、あんな光線を放ってくるとは…」


HP 0

シュィィィン


千歌「これで、1ポイントだ!」

千歌「よしよし。幸先いいよ! この調子で、他のみんなも………」




アァアアァァァアアァアアアァァァ!!!


千歌「……今の、善子ちゃんの悲鳴?」

千歌「……もしくは、断末魔かな…?」

142: 2017/03/03(金) 23:53:37.02 ID:a4qAwY4d.net
図書室


ガラララ

曜「さて、図書室は誰かいるかな~?」

花丸「あ、曜さん!」

曜「花丸ちゃん! こんな所にいたんだね!」

花丸「はい。……曜さん」

曜「何?」

花丸「今、何ポイントですか?」

曜「……0だよ」

花丸「……まだ、誰とも闘ってないの?」

曜「そうだね。ここに来るまで、誰にも会わなかったから」


花丸「………」

曜「………」

花丸「じゃあ、闘おうか!」

曜「……もちろん!」

143: 2017/03/03(金) 23:56:56.56 ID:a4qAwY4d.net
花丸「曜さんの能力は何でしたか?」

曜「訊かれて答えると思う?」

花丸「いや、思わないズラ」


曜「……花丸ちゃんが先に教えてくれるなら、私も教えていいよ」

花丸「んー。それは困ったズラ」

曜「……どういうこと?」

花丸「マルの能力は、文字では表せないからね」

花丸「だから、実際に見てもらうしか、ないよね…!」

曜「っ!?」

145: 2017/03/04(土) 00:01:10.45 ID:cDWlPpUQ.net
シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ


花丸「どうしたの? 逃げるだけズラ?」


シュシュシュシュシュシュシュシュ シュシュシュシュシュシュシュシュ


曜「うわぁ!? し、氏ぬぅ!」


シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ


花丸「もっと楽しもうよ…!」


シュシュシュシュシュシュシュシュ シュシュシュシュシュシュシュシュ


曜(やばいやばいやばいやばいやばい)

曜(やばいって…!)

曜(……とりあえず、散乱した本の中で身を隠そう…!)

147: 2017/03/04(土) 00:03:22.51 ID:cDWlPpUQ.net
花丸「……あれ? 曜さんが消えちゃった」

花丸「……どこかに隠れてるんだね。探してあげるよ…!」

花丸「隠れてそうな場所を、順番に、切り刻んであげるよ……!」


曜「………」

148: 2017/03/04(土) 00:06:04.13 ID:cDWlPpUQ.net
シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ


花丸「ここかなー? それとも、ここかなー?」


シュシュシュシュシュシュシュシュ シュシュシュシュシュシュシュシュ


曜(チャンスは一度きり…)


シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ


花丸「どこに隠れてるズラ~?」


シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ


曜「………………………」

曜(……この一投に………かける!!)

150: 2017/03/04(土) 00:11:07.01 ID:cDWlPpUQ.net
花丸「……えっ!?」


曜(顔面に本が飛んできて、怯んだその一瞬…)

曜(その隙に私が飛び出せば、防御も遅れる…!)

曜(花丸ちゃん。ごめんね? 私の能力は、触れば勝ちなんだ)

曜(花丸ちゃんに触れたら、もうそれだけで勝負はつくんだ)


曜「ごめんね花丸ちゃん! 私のために、即氏してもらうよ…!」

曜(あと…数センチ……)






花丸「待って………!」

151: 2017/03/04(土) 00:16:09.29 ID:cDWlPpUQ.net
曜「……え?」

花丸「この勝負、オラの負けズラ」

曜「いや、えっと…」

花丸「曜さんの能力が強いことは、とてもよくわかりました」

花丸「私の攻撃の猛攻を受けながらも反撃の隙を狙い、私が怯んだ一瞬のうちに、私を倒そうとした」

花丸「曜さんの能力は、相手を一瞬で倒せるような、そんな能力なんですよね?」

曜「……そうだね。その通りだよ」

花丸「やっぱり」

曜「え?」





花丸「曜さん。私と、組みませんか?」

曜「え…!?」

152: 2017/03/04(土) 00:22:47.35 ID:cDWlPpUQ.net
花丸「二人の能力を合わせれば、きっと優勝できます!」

曜「……」

花丸「だから、私と、組んでください!」

曜「……」


曜(花丸ちゃんが何を考えてるのか、よくわからないけど…)

曜(でも、誰かと組むなんて、考えもしなかったよ…)

曜(この二人なら、本当に………)




曜「わかった。私と組もう」

花丸「やった! ありがとうズラ! オラ感激しちゃうズラ~!」


曜(私の能力は、相手に接近しなければならないという短所があるからね)

曜(このペアなら、私の能力は最強になるかも……!)

153: 2017/03/04(土) 00:25:40.02 ID:cDWlPpUQ.net
グラウンド


梨子「………ん?」

ダイヤ「…」


梨子(ダイヤさんが、校舎の方を眺めて、立ち尽くしてる…)

梨子(……今なら、倒せるかな…?)


ダイヤ「おや、梨子さん。どうかしましたか?」

梨子「!?」


梨子(私の方を見てないのに、どうして私だとわかったの…!?)

154: 2017/03/04(土) 00:31:01.39 ID:cDWlPpUQ.net
梨子(……ああ、なるほど。これがダイヤさんの能力なんですね)

梨子(感覚器官となった髪の毛をマップ全域に張り巡らし、全てを監視している…!)

梨子(靴の大きさ、重量、歩幅から、そこに誰がいるのかを索敵し、常に『危険』から身を守れるようにしてるのね)


梨子「…」

ダイヤ「おや? 私を倒していかないんですか?」

梨子「残念ながら私は、戦闘系の能力じゃないんです」

ダイヤ「そうですか。奇遇ですね、私もです」

梨子「はは、そうなんですか…」


梨子(知ってるよ)

梨子(あなたの心は、全て見えるんだから…!)

155: 2017/03/04(土) 00:32:51.94 ID:cDWlPpUQ.net
善子「………」


善子(今、放送室には鞠莉がいるのよね)

善子(明らかに罠なんだけど、行ってみましょうか)


善子「………」


善子(私の能力も、強いもの…!)

158: 2017/03/04(土) 00:43:55.73 ID:cDWlPpUQ.net
放送室


善子「……本当にいた」

鞠莉「あら? 一番はヨッシーなのね。ダイヤはすぐに来てくれると思ってたのに~」

善子「ヨハネよ! それで、さっきの放送は何のつもり?」

鞠莉「……ここに来たってことは、わかってるんでしょ?」

善子「……ふふっ。そうよ、あなたを潰しに来たのよ…!」

鞠莉「いいわね、その好戦的な眼。私大好きよ!」

善子「……見て驚くがいいわ! 私の能力、『月夜のお茶会』を…!」





グルルルルルルルルル

善子「ふがぁ!?」

善子「お、お腹がっ…!」

鞠莉「あら? 強くしすぎたのかしら?」

善子「え? え…?」

善子(これが…。この腹痛が………、鞠莉の能力なの…!?)


鞠莉「これでもまだ、『レベル3』なんだけど…。ちょっと早すぎない?」

善子「うっ…うぅああぅ………。私の、能力を……見よ………」

鞠莉「あらら? まだ戦意喪失してなかったのね。それじゃ、レベルを上げないとね~!」

鞠莉「いくわよ! 『レベル4』!」

善子「ふがぁ!!」

160: 2017/03/04(土) 00:51:31.72 ID:cDWlPpUQ.net
善子「ひぃ…ひぃ…」

鞠莉「辛そうね~。もう見てられないわ!」

善子「ふぅ…ふぅ…」

鞠莉「今から10数えるから、それまで我慢できたら能力を解除してあげるわ♪」

善子「う……お願い、しま…………あぅ…!!」

鞠莉「じゃあ数えるわよー?」

鞠莉「いーーーーーーーーーーーーちーーーーーーー。
………にぃーーーーーーー」

善子「長いわよぉ!! うぅっ!? で、出るぅぅぅ~………」

鞠莉「あらあら。かわいそうに」

善子「………こ、この…………!」

鞠莉「かわいそうだから、私が能力で助けてあげるわ」

善子「……ほ、ほんとに…………?」

鞠莉「ええ。本当よ」



鞠莉「………『レベル10』」


グチャァ

161: 2017/03/04(土) 00:52:16.88 ID:cDWlPpUQ.net
HP 0

シュィィィン



鞠莉「……汚ねぇ花火だな」

164: 2017/03/04(土) 00:54:30.10 ID:cDWlPpUQ.net
今日はここまで


能力まとめ訂正版

千歌:思い通りになる能力
梨子:心を読む能力(マインドスキャン)
曜:触れた相手を即氏させる能力
ルビィ:物理攻撃を無効化する能力
花丸:高速で自在に伸縮しあらゆるものを切断する14枚の白翼を操る能力
善子:固有結界を持つ能力
ダイヤ:髪の毛が感覚器官になる能力(触毛)
果南:超身体能力強化の能力
鞠莉:便意を操作する能力

197: 2017/03/04(土) 22:17:38.79 ID:cDWlPpUQ.net
再開します

198: 2017/03/04(土) 22:18:14.24 ID:cDWlPpUQ.net
放送室


千歌「……さっき、善子ちゃんの悲鳴が聞こえたよね…?」

千歌「たぶん、このあたりだと思うんだけど…」

千歌「……っ!?」


千歌(な、何この臭い…!)

千歌(お腹の調子が悪い人がトイレした後の臭いがする…!)





鞠莉「あら? 千歌っちも来たのね」

千歌「ま、鞠莉さん…!?」

199: 2017/03/04(土) 22:19:02.08 ID:cDWlPpUQ.net
千歌「鞠莉さん…。そこに落ちてる薄褐色の固体か液体かわからないモノは、何ですか…!?」

鞠莉「ああ、これね。これは………」



鞠莉「善子の、遺物よ」

千歌「!?」


千歌「……やっぱり、善子ちゃんは殺されたんですね…」

鞠莉「ええ、私が頃したわ。物理的にも、社会的にもね♪」

千歌「くそっ…!」

200: 2017/03/04(土) 22:20:11.23 ID:cDWlPpUQ.net
鞠莉「あらあら。私と闘うつもりなのね。善子の仇討ちかしら?」

千歌「……いや。これは善子ちゃんのためじゃない。私のためです」

千歌「なんとなく、あなたとは……。
闘わなければいけないような、気がするんです」

鞠莉「ふーん。……じゃあ、始めましょうか」

千歌「はい!」

鞠莉「あ。言っておくけど、私は手加減しないわよ」

千歌「はい! もちろんでs………ぐあぁっ!!?」

201: 2017/03/04(土) 22:21:01.24 ID:cDWlPpUQ.net
グギュギュギュギュギュギュギュギュギュギュギュ

千歌「……お、お腹が…!」

鞠莉「あら~? さっきまでの威勢はどこに行ったのかしら?」

千歌「ちょ、タイム…! お腹が…痛いくて…!」

鞠莉「へーそうなの。おかしいわね?」

千歌「え…?」

鞠莉「今の千歌っちは『意識』だけの存在だから、腹痛や便意を感じることはないはずなのに、おかしいわね~」

鞠莉「……まあそれが、能力による作用だったら別だけど♪」


千歌「ま、まさか! これが、鞠莉さんの能力…!?」

鞠莉「ふふ、そうよ! でも、善子の時とは少し趣向を変えてみたの」

202: 2017/03/04(土) 22:22:04.38 ID:cDWlPpUQ.net
鞠莉「私に近づけば近づく程、便意を催す……」

鞠莉「名付けて、『ワンダーゾーン〈便意領域〉』よー!!!」

千歌「ワンダー、ゾーン……!?」

203: 2017/03/04(土) 22:23:02.05 ID:cDWlPpUQ.net
鞠莉「今、私と千歌との距離は、およそ5m」

鞠莉「だから現在千歌が感じている便意は、『レベル4』よ」

千歌「……これが、レベル4…」

鞠莉「そして、私に近づけば近づく程、便意レベルは反比例的に上昇し続ける…!」

鞠莉「無理に近づこうとすれば、あまりの痛さに耐えきれず、ショック氏するわ」


鞠莉「さあ千歌! あなたの能力を使いなさい!」

鞠莉「このまま何もしないなら、私から近づいて行くわよ?」


千歌「………」


鞠莉「さあ、千歌…!」

204: 2017/03/04(土) 22:23:42.73 ID:cDWlPpUQ.net
千歌「………」


スタスタスタ


鞠莉「……え?」


スタスタスタ


鞠莉「どうして、平然と近づいて来れるの…!?」


スタスタスタ


千歌「………」

鞠莉「どうして!? この距離なら、既に『レベル10』を迎えてるはずよ…!」

千歌「………鞠莉さん」

鞠莉「な、何よ……!?」



千歌「私の能力は『思い通りになる能力』なんです」

鞠莉「っ!? ま、まさか………」





千歌「……………………私は、正露丸を服用しました…!」

鞠莉「な、何ですってー!?」

205: 2017/03/04(土) 22:24:32.79 ID:cDWlPpUQ.net
鞠莉「正露丸を服用することによって、私の能力をかき消したですって…!?」

鞠莉「そんな、バナナ…!」


千歌「鞠莉さん。私の能力は『思い通りになる能力』。
……つまり、何でもありの、能力なんです」

千歌「だから、こんな卑怯なこともできちゃうの……!」





千歌「鞠莉さんのHPは0になる…!」

鞠莉「そうそう。言い忘れてたわ」

千歌「え?」

鞠莉「『思い通りになる能力』は、そういう使い方はできないの」

千歌「えぇー!?」

206: 2017/03/04(土) 22:25:19.91 ID:cDWlPpUQ.net
千歌「鞠莉さん…。今更すぎるよ…」

鞠莉「そう? 当然の規制だと思うけど?」

鞠莉「例えば、『私は優勝する』と心で思えば優勝できるなんて、そんなの反則どころの騒ぎじゃないわ」

千歌「確かに…」

鞠莉「いくら思い通りになるからと言って、ゲームシステムまでは変えられないのよ」

鞠莉「だから千歌は、この『世界』には抗えないの」

千歌「な、なるほど…」

207: 2017/03/04(土) 22:26:23.94 ID:cDWlPpUQ.net
鞠莉「……そして、その能力の欠点がもう一つあるわよね?
『同時に、二つ以上の能力を行使できない』」

千歌「あっ…」

鞠莉「千歌っちは私を倒すために、正露丸の効果を打ち切ったわよね?」

鞠莉「ここで私が『便意領域』を使えば、千歌っちは『レベル10』の便意で即氏するわ」

千歌「っ!?」

鞠莉「さあ、どうする? また正露丸に頼る? それとも……」



千歌「……逃げるっきゃないよ!」

鞠莉「ふふっ。させないわ……」





鞠莉「『ワンダーゾーン〈便意領域〉』!!!」

千歌「ぐあぁぁああぁっ!!!!」

208: 2017/03/04(土) 22:27:03.71 ID:cDWlPpUQ.net
ギュルギュルギュルギュル

千歌「ゔぅ…!」

千歌「うぐぁ………あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛……!!!」


鞠莉「今の便意は、『レベル5』よ。さあ、どんどん近づいて行くわよ…!」



鞠莉「『レベル6』!」

千歌「ぐああぁああ!!?」


鞠莉「『レベル7』!!」

千歌「ゔぉおおぉぉぉおぉぉ!!?!」


鞠莉「『レベル8』!!!」

千歌「………ぁ………………ぅあ………………」


鞠莉「さあて。次のレベルは、妊娠よりも痛いと噂の、『レベル9』よ!」

千歌「うぁ……ぐぅっ…………」

209: 2017/03/04(土) 22:28:04.19 ID:cDWlPpUQ.net
千歌(痛い痛い痛い痛い……!)

千歌(お腹が…張り裂けそうだよ…!!)

千歌(痛さが思考を邪魔する…! 落ち着け、私…!)

千歌(なんとか、この状況を打開する策を…!)


鞠莉「『レベル10』……。これで、フィニッシュよ…!」

千歌「っ………」


千歌(私の能力が、システムに逆らえないのなら…)

千歌(システムに、のっとれば…!)








千歌「私は、どこかにワープするっ…!」


シュィィィン

210: 2017/03/04(土) 22:28:30.76 ID:cDWlPpUQ.net
鞠莉「オー…。逃げられる可能性があることを考慮していなかったわ」

鞠莉「逃がした魚は大き過ぎたわね」

鞠莉「……でも、またすぐに千歌と対戦することになるでしょうね」

鞠莉「それまでは、適当にポイント稼ぎでもしてましょう~!」

213: 2017/03/04(土) 22:30:44.88 ID:cDWlPpUQ.net
3年教室


シュィィィン

果南「あー、負けちゃったー」

果南「千歌強すぎだよ…。私じゃ絶対に勝てないや」

果南「……ポイント、0のままだ。マイナスにはならないんだね」


果南「んー。これからどうしよう…?」

214: 2017/03/04(土) 22:32:26.26 ID:cDWlPpUQ.net
三階廊下


果南「……あ、ダイヤ」

ダイヤ「果南さん。ようやく会えましたね。探しましたよ」

果南「え?」

果南(待ち伏せてるように見えたけど……)



ダイヤ「果南さん。単刀直入に言います。私と組みましょう」

果南「えっ? ……それにしても突然だね…」

ダイヤ「私には、あなたの能力が必要なんです」

果南「………私の能力が何か、知ってるの?」

ダイヤ「ええ。身体能力を高める能力ですよね?」

果南「えっ!? な、なんでそれを…」

果南(さっきの千歌とのバトル、見られてたのかな…)

215: 2017/03/04(土) 22:33:19.78 ID:cDWlPpUQ.net
ダイヤ「私の能力は『触毛』なのですが、色々と実験をしてみた結果、索敵をするのにとても便利な能力だとわかりました」

果南「えっと、つまり…?」

ダイヤ「『誰が』『どこで』『何をしているか』を、常に知ることができます」

果南「な、何それ…。かなりすごくない…!?」

ダイヤ「先ほど、果南さんと千歌さんが闘っているのも、この能力を使って知り得た情報なのです」

果南「そっか。私の能力を知ってたのも、そういうことだったんだ」

216: 2017/03/04(土) 22:34:10.90 ID:cDWlPpUQ.net
ダイヤ「……ですが、この能力にも色々と欠点があります」

ダイヤ「この能力は、私の髪を感覚器官として使う能力なので、長時間の使用は集中力が散漫となり精度が著しく落ちてしまいます」

ダイヤ「そして、一番の問題は、攻撃手段がないということです」

ダイヤ「これらの欠点を補うためにも、ぜひ果南さんに協力していただきたいのです」


果南「なるほど。ダイヤが『頭』で、私が『体』か」

果南「うん。いいね! 私と組もう!」

ダイヤ「はい。これからよろしくお願いします」

果南(このペアなら、あの得体の知れない千歌を倒せるかも…!)

217: 2017/03/04(土) 22:35:08.85 ID:cDWlPpUQ.net
ダイヤ「……と、まあ、ここまで言っておいてなんなのですが…」

果南「ん? なになに?」

ダイヤ「メニュー画面にある『ルール』を改めて読んでいたのですが…」

ダイヤ「どうやら誰かとペアを組んだ場合、片方が損になるルールとなっているようです」

果南「どういうこと?」

ダイヤ「……そうですね。詳しい話は後にしましょうか」


ダイヤ「それより、誰かが近くに来ています」

果南「誰かって、誰…?」

218: 2017/03/04(土) 22:35:51.90 ID:cDWlPpUQ.net
ダイヤ「……靴のサイズと歩幅から…身長はおよそ160センチ。体重はおよそ……。
そしてこの独特のステップ。間違いありません。鞠莉さんです」

果南「鞠莉か…。挨拶くらいしておく?」

ダイヤ「いや、やめておきましょう」

果南「……どうして?」

ダイヤ「鞠莉さんは今のところ、善子さんと千歌さんの二人と闘っています」

ダイヤ「ですが、鞠莉さんと相対した二人は、どこかに転送されています。恐らく、鞠莉さんに負けてしまったのでしょう」

ダイヤ「つまり鞠莉さんは、二戦二勝で現在無敗です」

果南「しかも、あの千歌を倒したんだ…。相当強いんだろうね…」

219: 2017/03/04(土) 22:36:43.47 ID:cDWlPpUQ.net
ダイヤ「どうしますか、果南さん。逃げるなら今のうちですが」

果南「……あんまり氏にたくないし、ここは逃げようか」

ダイヤ「はい。それが得策です」


ダイヤ(鞠莉さんと闘った二人は、まるで悶えるような動きをしていました)

ダイヤ(そして、善子さんが負けた跡に、固形とも液体とも言えぬ得体の知れないモノが落ちてありました)

ダイヤ(恐らく、鞠莉さんの能力は……。いえ、考えたくもありません)

ダイヤ(嗚呼、恐ろしい……)

220: 2017/03/04(土) 22:42:45.26 ID:cDWlPpUQ.net
昇降口


ルビィ(誰もいない…)

ルビィ(できれば広い場所で闘いたいんだけど、誰も来ないんじゃ仕方ないね)

ルビィ(あー。校舎の中、怖いなー。こんな狭い場所で襲われたら、ヒトタマリモナイヨー)



曜「……あ」

ルビィ「あっ」

曜「ルビィちゃん! やっと会えたよー!」

ルビィ「え?」

曜「実は私、ずっとルビィちゃんのこと捜してたの!」

ルビィ「……」

曜「ルビィちゃん…? どうして、後ずさりしてるの…?」

ルビィ「う、うぅっ…!」

221: 2017/03/04(土) 22:43:39.54 ID:cDWlPpUQ.net
曜「ねえルビィちゃん。私はただお話がしたいだけなの」

ルビィ「……」

曜「だから、私のことを信じて、こっちにおいで…?」

ルビィ「い、いやだ…」

曜「どうして?」

ルビィ「曜さんは、信用ならないよ…!」

曜「えー。酷いな、ルビィちゃん~」

曜「私はルビィちゃんのこと、信じてるんだけどなー?」

ルビィ「………」



ルビィ「……どうして、手を後ろに隠してるの…?」

曜「……」

ルビィ「信じて欲しいなら、まずは手を見せるべきだよ…!」

222: 2017/03/04(土) 22:44:34.63 ID:cDWlPpUQ.net
曜「ああ。なんで手を隠してるかって?」

曜「実はさっき、突然襲われちゃってさ…。その時に手を怪我しちゃって…。傷が生々しいから見せたくないんだ」

曜「ほら、私のHP、かなり減ってるでしょ? さっき襲われた時に削られたんだ。ほんと危ないところだったよ~!」

ルビィ「……」


曜「ねえルビィちゃん。私とお話しようよ?」

ルビィ「い、いや…。こっち来ないで…」

曜「んー。全然信じてくれないな~」


ルビィ(……やっぱり、狭い場所じゃダメだ!)

ルビィ(外に出て、できるだけ空間を使って………)

223: 2017/03/04(土) 22:46:15.63 ID:cDWlPpUQ.net
ピトッ

ルビィ「ピギィ!!?」


ルビィ(私の頭に、何か、落ちてきた…!?)

ルビィ(な、何これ…!?)

ルビィ(温かくて、ちょっと重量があって、それでいて……)


フニッ


ルビィ(柔らかい……)


ルビィ(今、頭の上に乗ってるものは、何だろう……?)



ルビィ(温かくて、柔らかくて、ちょっと重くて、血の匂いがする……)








曜「………『触れた』よ」

曜「私の『切断された右手』が、ルビィちゃんに触れたよっ…!」

ルビィ「っ!!?!」

224: 2017/03/04(土) 22:47:22.45 ID:cDWlPpUQ.net
ルビィ「う、うわあぁっ!!?」


曜「私の能力は、『触れた相手を即氏させる能力』」


ルビィ「ああっ! ルビィの、HPが…!?」


曜「ありがとうね、ルビィちゃん」



HP 0

ルビィ「ぴ、ピギィィイイィィィイイィィイ!!!!!」


曜「信じてた通り、自ら校舎の外に出てくれて…!!」



シュィィィン

225: 2017/03/04(土) 22:48:07.58 ID:cDWlPpUQ.net
花丸「……よいしょっと。ルビィちゃん、申し訳ないズラ」

曜「ふぅ。なんとか上手くいったね!」

曜「私たちのコンビは、最強だよ!」

花丸「うん、そうだね!」



花丸「……あれ?」

曜「どうかしたの、花丸ちゃん?」

花丸「……オラのポイント、0のままだ」

曜「え? 一緒にルビィちゃんを倒したのに…。
………あ、私の方は1ポイント加算されてるよ!」

花丸「え…?」

曜「今回は私の能力で倒したからかな? じゃあ、次こそは二人で倒そうね!」

花丸「……そうだね…………………」

226: 2017/03/04(土) 22:53:44.68 ID:cDWlPpUQ.net
一階廊下


梨子(外には誰もいなかったし、みんな校舎側に集まってるのかな)

梨子(あー。独りだとちょっと心細い)

梨子(この辺に、誰かいないかな…?)


梨子「……何これ? 廊下の窓が、真っ黒だ……」


梨子(電気もチカチカしてるし、まるで夜の学校みたい…)




~~~♪ ~~♪
~~♫~♪~~~


梨子「え…?」


梨子(あそこの教室から、楽しそうな音楽が聴こえてくる…!)

227: 2017/03/04(土) 22:54:49.65 ID:cDWlPpUQ.net
1年教室


ガラララ

梨子「……誰か、いますか…?」

梨子「……………」


梨子(薄暗い教室の中で、キャンドルが灯ってる…)

梨子(火事とかになったら危ないよね…。仮想世界だから大丈夫なのかな?)



善子「来たわね、リリー」

梨子「えっ!?」


梨子(びっくりした…。びっくりしすぎてHP0になるかと思ったよ…)

228: 2017/03/04(土) 22:56:02.95 ID:cDWlPpUQ.net
梨子「えっと。ヨン様はここで何してるの?」

善子「ヨハネよ! ……見てわからない? お茶会を開いているの」

梨子「お茶会?」

善子「そうよ。私のリトルデーモンたちと、一緒にお茶会」

梨子「……」


善子「ねえ。リリーも私たちと一緒に、お茶会しましょう?」

梨子「……いや、遠慮しておくね。私は千歌ちゃんを捜してるから」

善子「……ふーん。まあいいわ」

梨子「うん…。それじゃあね」


梨子(よくわからないけど、危なそう…。早めに逃げといた方がいいわね)

229: 2017/03/04(土) 22:57:13.35 ID:cDWlPpUQ.net
善子「出口はーーー」

梨子「!?」


善子「出口は、その扉よ。そこから『外』に出られるわ」

梨子「う、うん…。ありがと」


梨子(扉を開けたら外に出られる…。そんな当たり前なことを、なんでわざわざ言うんだろう…?)

梨子(……………)

梨子(もしかして、この扉に、罠が…!?)



梨子「……よっちゃん!」

善子「…」ニヤニヤ

梨子「………」



梨子(なんで、ニヤニヤ笑ってるの…?)

梨子(……それより、よっちゃんの心を読まないと…)

梨子(心を読めば、罠が仕掛けられてるかどうかがわかる…!)

230: 2017/03/04(土) 22:58:39.99 ID:cDWlPpUQ.net
梨子「………………………………」

梨子「あれ…?」

梨子「なんで、心が読めないの…!?」



善子「ふふふっ」

梨子「な、何…?」



善子「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」

ドロォォォォォォリ


梨子「ひぃっ!?」

梨子(よっちゃんが溶けた…!?)



『ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ』


梨子「な、なに…! 何なの、この声?!」

梨子「どこから、聴こえてくるの…!?」



梨子(と、とにかく逃げなきゃ…! 『外』へ………!!)

231: 2017/03/04(土) 23:00:16.40 ID:cDWlPpUQ.net
一階廊下?


梨子「や、やった! 外に出られた!」

梨子(扉には、罠なんてなかったのね!)


梨子「すぐにここを離れた方がいいわよね…!」

梨子(どこでもいいから、早く逃げないと…!)

タッタッタッタッ…





善子「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」


梨子「!?」

梨子(廊下の先に、いる…!)

梨子(こっちはダメ! 反対側から逃げないと…!)

タッタッタッタッ…





善子「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」


梨子「なっ…!?」

梨子(な、なんでいるの!? さっきまで、向こう側にいたのに…!)

233: 2017/03/04(土) 23:03:42.82 ID:cDWlPpUQ.net
梨子(よっちゃんが、前にも後ろにもいる…!? どうなってるの…!)

梨子(このままじゃ、やられちゃう…!)


梨子(…………こうなったら、無理にでも行くしかない!)



梨子「や、やぁーーー!!」ペチィ

234: 2017/03/04(土) 23:04:36.79 ID:cDWlPpUQ.net
サラサラ…

梨子「……あ、あれ…?」

梨子(霧みたいに消えちゃった…)

梨子(……いや、安心するのはまだ早い! 絶対に安全な場所まで逃げないと…!)




タッタッタッタッタッタッタッタッ…

236: 2017/03/04(土) 23:13:03.47 ID:cDWlPpUQ.net
梨子「はぁ…はぁ………」



~~~~~~~~~~~~~



梨子「はぁ、はぁ………」



~~~~~~~~~~~



梨子「………………」


梨子(………廊下って、こんなに長かったっけ……?)

237: 2017/03/04(土) 23:13:45.42 ID:cDWlPpUQ.net
梨子(どんなに走っても、壁に当たらない…)

梨子(な、なんで…?)

梨子(教室も、普通はこんなにいっぱい並んでないよね…?)

梨子(窓は真っ黒に塗り潰されてて、電気も薄明かり…)

梨子(そして廊下の先には、闇しか見えない…)



梨子(どうなってるの………?)

梨子(私は、どこにいるの………?)

238: 2017/03/04(土) 23:14:37.88 ID:cDWlPpUQ.net
梨子(………………………………)

梨子(これって、もしかして…………)



『私の能力よ』


梨子「っ!」

梨子(よっちゃんの、声………!)


『ここはリリーが創り出した、心象世界』

『つまり、リリーの心の中よ』


梨子「私の、心の中…!?」

239: 2017/03/04(土) 23:15:19.87 ID:cDWlPpUQ.net
『リリーが感じた「恐怖」「不安」「焦燥」。
これらの要素が、その世界を形付けているのよ』


梨子「……じゃあ、その不安感を取り除けば、ここから出られるの…!?」


『そうね。出られるわ。でも出られないわ』


梨子「どうして…?」


『言ったでしょう? ここはリリーの心象世界』

『「ここから出られないのでは?」という疑念がある限り、リリーは永遠に閉じ込められたままよ』


梨子「……」

240: 2017/03/04(土) 23:16:20.71 ID:cDWlPpUQ.net
梨子「……じゃあ、私はここから出られるね!」


『……どうやって出るつもり?』


梨子「千歌ちゃんだよ」

梨子「私の心の中に千歌ちゃんを召喚すれば、太陽のような輝きで、心の闇なんて吹っ飛ばしてくれるよ!」


『……………そう。それなら頑張りなさい』


梨子「うん!」

241: 2017/03/04(土) 23:17:23.46 ID:cDWlPpUQ.net
梨子(なーんだ。簡単なことよ)

梨子(明るいことを考えれば…。千歌ちゃんを思えば、ここから出られるんだ!)

梨子(そう! 千歌ちゃんがここに来れば、全て解決!)


梨子(……………)

梨子(………………本当に、出られるのかな……)

梨子(い、いや! 絶対出られる! きっと出られる)

梨子(千歌ちゃんさえ来てくれれば……)


梨子(……………千歌ちゃんが、来なかったら……?)

梨子(…………)

梨子(い、いやいや! 大丈夫。きっと出られるから!)


梨子(…………たぶん、出られる、はず……)

242: 2017/03/04(土) 23:18:07.91 ID:cDWlPpUQ.net
タンッ タンッ タンッ タンッ


梨子「っ!」

梨子(廊下の先から、足音が聴こえてくる…)

梨子(千歌ちゃんだ…! 千歌ちゃんが、来てくれたんだ…!)


タンッ タンッ タンッ タンッ


梨子(千歌ちゃんが来てる! 廊下の先から………)

梨子(……………闇の、中から………)


梨子(千歌ちゃん……だよね? ……千歌ちゃんなら、ここから出られる……)

梨子(でも、もし、千歌ちゃんじゃなかったら…………………………)

243: 2017/03/04(土) 23:19:26.77 ID:cDWlPpUQ.net
タンッ タンッ タンッ タンッ


梨子(千歌ちゃん………じゃない……?)

梨子(じゃあ、この足音は、誰なの…!?)

梨子(え、どうしよ!? どうなるの!!?)


タンッ タンッ タンッ タンッ


梨子(どんどん近づいて来てる…!)

梨子(お、お願い! 千歌ちゃん、来て…!)

梨子(千歌ちゃんが来なかったら、私は…………)

梨子(だ、ダメ…。思えば思うほど、ネガティヴな方向に流れちゃう…)

梨子(落ち着け、私……。大丈夫……。目を開ければ千歌ちゃん………………)

244: 2017/03/04(土) 23:21:37.63 ID:cDWlPpUQ.net
梨子(千歌ちゃんだ、千歌ちゃん)

梨子(千歌ちゃん千歌ちゃん)

梨子(千歌ちゃん千歌ちゃん……千歌ちゃん千歌ちゃん)

梨子(千歌ちゃん千歌ちゃん千歌ちゃん? 千歌ちゃん千歌ちゃん千歌ちゃん)

梨子(千歌ちゃん千歌ちゃん? 千歌ちゃん千歌ちゃん? 千歌ちゃん千歌ちゃん? 千歌ちゃん? 千歌ちゃん千歌ちゃん……)

245: 2017/03/04(土) 23:22:16.77 ID:cDWlPpUQ.net
梨子「     」



梨子(………ああ、氏んだ)

グチャッ

246: 2017/03/04(土) 23:23:04.11 ID:cDWlPpUQ.net
HP 0

シュィィィン



善子「……終わったようね」

善子「リリー、安心しなさい。自分の心に勝てる人間なんて、そうそういないわ」



善子「ふう。これでやっと1ポイント……。先は長いわね」

249: 2017/03/04(土) 23:29:52.02 ID:cDWlPpUQ.net
中庭


シュィィィン

千歌「………っと」

千歌「……ワープ成功だ! 鞠莉さんから、逃げ切れたんだ…!」


千歌(さて、これからどこに行こうか…?)





曜「あ、千歌ちゃんだ!」

千歌「曜ちゃん!」

250: 2017/03/04(土) 23:36:58.10 ID:cDWlPpUQ.net
曜「いやー。やっと会えたって感じだね!」

千歌「そうだねー。曜ちゃんは今、何ポイント?」

曜「私は1ポイント! 千歌ちゃんは?」

千歌「私も同じ! 1ポイントだよ!」

曜「………そっか。同じか…」



曜「同じポイント数っていうのも何かの縁だし、千歌ちゃん。私と一緒に行動しない?」

千歌「曜ちゃんと? うん、いいよ!」

曜「やったー! ………それじゃあ」


「手、繋ごうか」

253: 2017/03/04(土) 23:44:51.59 ID:cDWlPpUQ.net
千歌「………」

曜「あれ? どうかしたの?」

千歌「……曜ちゃん。さっきから、右手を隠してるよね…。どうして?」

曜「え? あ、いや、ちょっとね…?」

千歌「……」



千歌「手……かな?」

曜「え?」

千歌「右手をずっと隠してたり、手を繋ごうとか言い出したり…。曜ちゃんの能力は、『手』が関係してるの?」

曜「……」

255: 2017/03/04(土) 23:51:21.12 ID:cDWlPpUQ.net
曜「はあ…。わかった、私の能力について説明するよ」

曜「私はね、触れるだけで相手を倒す能力なの」

千歌「なるほど。だから手を繋ごうとしてきたんだ」



千歌「……でも、それだったらどうして右手を隠してるの?」

曜「そうだね。どうしてだろう?」

千歌「……どうして?」

曜「ふふ。正解は……………」





曜「屋上から千歌ちゃんの頭に落として、千歌ちゃんを即氏させるためだよっ………!!!」


ピタッ

曜「うわぁ!! 私の頭に落ちてきたー!」

258: 2017/03/04(土) 23:58:33.89 ID:cDWlPpUQ.net
花丸「……よいしょっと!」ドンッ

千歌「っ!?」

千歌(今、飛び降りて来た…!? 屋上から…!?)


曜「ちょっと花丸ちゃん! しっかり当ててよ!」

花丸「申し訳ない」

曜「……まあいいけど。今度はちゃんとしてね?」

花丸「わかったよー」


曜「……さてさて千歌ちゃん。現状は2vs1で、千歌ちゃんがピンチですが、どうしますか!?」

曜「今なら特別に、10秒逃げる時間をあげるよ! さあ、どうする?」

千歌「……」

259: 2017/03/05(日) 00:08:04.20 ID:nea00lI7.net
千歌「……曜ちゃんは自分の能力を教えてくれたから、私も教えるね」

千歌「私の能力は、大抵のことは思い通りになる能力だよ」

曜「なんでも、思い通りに…!?」

千歌「色々と制限はあるんだけどね……」

千歌「それでも、これくらいのことはできると思うんだ……」



曜「……っ!? 花丸ちゃんっ! 今すぐ千歌ちゃんを倒すよ!」

花丸「あいあいさー!」



千歌「花丸ちゃんは、のっぽパンが好きだったよね?」

花丸「うん。好きズラ」

曜「雑談しなくていいよ! 早く倒さないと、まずい……!」

千歌「……」

260: 2017/03/05(日) 00:14:35.79 ID:nea00lI7.net
千歌「曜ちゃんの『体力ゲージ』を、『のっぽパン』にする…!」



曜「……え? うわっ!? 頭の上に、のっぽパンが…!!」


花丸「の、のっぽパン…!」

曜「……ちょ、花丸ちゃん…? 目が、怖いよ…?」

花丸「のっぽパン、のっぽパン……。のっぽパンーーーー!!」シュワッチ

曜「す、ストップ! 花丸ちゃぁぁん!!」

花丸「モグモグモグ……」

曜「やめてー! 私の、HPがぁーーー!!?」



HP 0

曜「あぁ…。花丸ちゃぁぁぁ………」

シュィィィン

263: 2017/03/05(日) 00:22:32.02 ID:nea00lI7.net
千歌「……よかった。ちゃんと能力が発動してくれた…!」


花丸「……ふぅ。美味しかったズラ」

花丸「ありがとう、千歌さん」

千歌「え…? なんでお礼をするの? 私は花丸ちゃんの仲間を倒したのに…?」

花丸「曜さんは、仲間でもなんでもないよ」

花丸「2vs1…なんてほざいてたけど、本当は1vs1vs1…。みんな敵だよ」

千歌「は、花丸ちゃん…?」

花丸「千歌さんには感謝してるよ。裏切る機会を与えてくれたこと」

花丸「……でも、ごめんね? ここで氏んでもらうよ……!!」シャキーン

千歌「っ!?」

千歌(花丸ちゃんの背中に、羽がいっぱい生えてる…!!)



花丸「……いくよ!」

267: 2017/03/05(日) 00:30:14.86 ID:nea00lI7.net
花丸「ほらほら。いくズラァーーー!!」


シュ シュ シュ シュ………!!!


千歌「うわぁっ!? ば、バリアー!」バリアー



カキ--ン

花丸「……あのバリア、かなり硬い…。オラの能力じゃ打ち破れない…」


千歌(………攻撃が、止まった…?)

千歌「あー、危なかったー! 氏ぬかと思ったよ…」



花丸「……安心するのは、まだ早いズラ!!」

271: 2017/03/05(日) 00:42:00.56 ID:nea00lI7.net
花丸「千歌さんの能力が、『思い通りにする』能力なら……」

花丸「オラが、『思い掛けない』状態に追い込んでやるズラッ……!」



ドドドドドドドドドドドッ!!!!


千歌「うわっ…!?」



花丸「まず、バリアの範囲外である地面を削り取って、千歌さんの体勢を崩す…!」

花丸「そして次にーーー!」



ズドンッ!!!


千歌「……えっ!!?」



花丸「校舎を切り刻んで、瓦礫を千歌さんに向けて落とす…!」

花丸「ここで千歌さんは焦って、頭上にバリアを展開させるはず…」



千歌「……ば、バリアー!!!」



花丸「ビンゴ」

272: 2017/03/05(日) 00:48:43.01 ID:nea00lI7.net
花丸「……仕上げに、オラの翼達を打ち込む…!」

花丸「頭上にバリアを展開し、体勢が崩れた状態なら、オラの能力をかわすことは不可能…!」

花丸「これで…。オラの勝ちズラァァァァァ!!!!!」





千歌(ま、まずい…)

千歌(花丸ちゃんの方に、バリアーをしないと…)

千歌(でもそうしたら、上から降ってくる瓦礫に潰される…)

千歌(……それなら、両方バリアーすればいいんだ………けれど)

千歌(……もう、手遅れみたい……………)





グサッ

千歌「ぐぁっ…!!」

278: 2017/03/05(日) 01:02:18.07 ID:nea00lI7.net
花丸「やった! 勝った!」

花丸「これで2ポイント! あと8ポイントで、優勝ズラ~!」

花丸「優勝したら、どこか旅行にでも行きたいズラ~♪」

花丸「……いっそのこと、世界一周旅行にでも行っちゃうズラ?」

花丸「いいのかな~? マルだけこんなに幸せになっちゃって~!」



千歌「…………盛り上がってるところ、悪いけど……。この勝負、私が勝たせてもらうよ………」

花丸「あれ? まだ体力残ってたの?」

花丸「……千歌ちゃん。普通に考えて無理だよ」

花丸「今からオラを倒すなんて、できるわけないよ」

千歌「………確かに、この状態じゃ、花丸ちゃんに、勝てっこない、けど………」



千歌「………………でも……『すべて』を、なかったことにすれば……」

花丸「っ!? まさか……!」





千歌「花丸ちゃんとの勝負を、なかったことにっ……!!!」

280: 2017/03/05(日) 01:07:25.16 ID:nea00lI7.net
花丸ちゃんに抉られた地面は元に戻り、斬り刻まれた校舎も修復し…

勝負によって変動したポイントも、元に戻る………!



花丸「………な、何それ…。なかったことにするなんて、卑怯だよ……」

千歌「……」

花丸「せっかく、喜んでたところだったのにさ……」



花丸「…まあいいや。もう一回同じことをすればいいだけズラ」

花丸「何度やっても、結果は変わらないズラ…!」


千歌「………」


シュシュシュシュシュシュシュシュシュ………

285: 2017/03/05(日) 01:14:06.11 ID:nea00lI7.net
花丸「…………………………………」

花丸「……どうなってるの………?」


HP 0


花丸「なんで、オラのHPが、0に………!?」


千歌「……私と、花丸ちゃんの『体力ゲージ』を、入れ替えたんだよ」

千歌「ただ、それだけのこと」

花丸「なっ…!?」


千歌「花丸ちゃんは私に攻撃したけど、その攻撃は全て、花丸ちゃんが請け負ったんだ」

花丸「そ、そんな……」

千歌「確かに、卑怯かもしれない。褒められるようなことじゃないかもしれない……」

千歌「でもこれが、私の闘い方だよ…!」


花丸「……そうズラ。………チート相手に、勝てるわけなかったんだ……」


シュィィィン

287: 2017/03/05(日) 01:16:19.22 ID:nea00lI7.net
千歌「………」

千歌(今の闘いで、やっと2ポイントだ…)

千歌(たぶん鞠莉さんは、もっと稼いでるんだろうな…)

千歌(優勝のためにも、ペース上げていかないと……!)

292: 2017/03/05(日) 01:24:10.75 ID:nea00lI7.net
今日はここまで

夜に再開できたらします

325: 2017/03/05(日) 21:29:12.83 ID:nea00lI7.net
2年教室


シュィィィン

梨子「…………………うぅっ…」


梨子(……ここは、どこかの教室…?)

梨子(………あー、そっか。私、負けたんだ……)

梨子(………でも、よかった…。ようやくあの世界から解放されたのね…!)



梨子(………………このバトルが終わったら、よっちゃんにお仕置きしないといけないわね)

327: 2017/03/05(日) 21:39:02.53 ID:nea00lI7.net
二階廊下


梨子(やっぱり、うろうろと動き回るのは危ないかな…?)

梨子(でも千歌ちゃんに会うためには行動しないといけないし…)


梨子(せっかく『マインドスキャン』という能力を手に入れたんだから、今のうちに気になるあの子の心を読んでおかないと!)

梨子(千歌ちゃんの好きな食べ物や好きな色や好きな製菓や好きな仕草や好きなタイプを………ぐふふ)

梨子(とりあえず、千歌ちゃんさえ見つければ、あとは………)



梨子(……あっ! 中庭に、千歌ちゃんがいる!)

梨子(花丸ちゃんと戦闘中みたい。……ひぇ…校舎が崩されてる…)


梨子(……私は、あんな闘いには巻き込まれたくないなぁ…………)





果南「」スッ

梨子「っ!?」


バキィィィ!!

329: 2017/03/05(日) 21:46:11.99 ID:nea00lI7.net
梨子「……っ!」

果南「一撃で仕留められなかったかー。息を頃して近づいたんだけど、勘付かれちゃったかな?」

梨子「か、果南さ、ん……!」


梨子(痛い…! 何今の一撃…!? 人が成せる技じゃなかったよ…!)

梨子(……ああ、嫌だな…。できれば闘いたくないんだけどな……)



果南「よーし。次で終わらせるよ!」

梨子「………」


梨子(逃げたいけど、あんな速度の相手だと、すぐに捕まっちゃうよね……)

梨子(……仕方ない、か…)

330: 2017/03/05(日) 21:53:11.20 ID:nea00lI7.net
果南「ほぁ!」ズンッ


梨子「………」


果南「とぅ!」ズズンッ


梨子「………」



果南「……私の攻撃が、全部避けられてる…」

果南「まさか、見切られてる…!?」

ダイヤ(そのようですわね)

ダイヤ(梨子さんは、果南さんがどういう動きに出るかを、まるで知っているかのように躱しています)

ダイヤ(このまま攻撃し続けても、命中することはないでしょう)

果南「……じゃあ、どうしよっか?」

ダイヤ(そうですね………)



ダイヤ(果南さん。私にあなたの身体を貸してください)

333: 2017/03/05(日) 22:06:27.26 ID:nea00lI7.net
ダイヤ(私の能力、『触毛』が切り拓いた、新たな使い道……)

ダイヤ(髪の毛を通して、特定の相手と感覚を共有し、身体を共有し、意識を共有させる……!)


果南「………」

梨子「…?」

梨子(な、何だろう…。不穏な空気が流れ始めてる…)



果南「……いきますわよ!」

梨子「っ!?」

梨子(型が変わった…!?)

梨子(柔道? 空手? 合気道?)

梨子(……いや、どれだっていい。とにかく………………)





果南「はぁっ!」バチンッ

梨子「っぅう!?」ドガシャーン!!

334: 2017/03/05(日) 22:12:23.71 ID:nea00lI7.net
ドサッ

梨子「くっ…うぅう……!」

梨子(どうなってるの…)

梨子(果南さんの思考が、読めない…!)

梨子(私の能力がバレてて、その対策を施されてる……!?)



梨子(……あー、帰りたい)

梨子(ただでさえ攻撃手段がないのに、能力まで奪われたら、どうしようもないよ……)


果南「ふぅ。次で仕留めますわ」


梨子(……私はまた、殺されるんだ…………)

梨子(無抵抗の、まま…………………)

335: 2017/03/05(日) 22:17:41.87 ID:nea00lI7.net
タッ !

果南「ほぅゎあちょー!!」

梨子「っ……」





タッ タッ タッ タッ タッ………





果南「……アタタタタタタタタタタタタタ!!!!!」


ズドンッッッ!!!!!!!

336: 2017/03/05(日) 22:19:53.33 ID:nea00lI7.net
梨子「………………………………」

梨子「……………あれ……? 生きてる…………」


梨子「……………………な、なんで…………」



ルビィ「梨子さん! 助けにきたよ…!」

梨子「ルビィ、ちゃん…!?」

338: 2017/03/05(日) 22:27:58.21 ID:nea00lI7.net
梨子「助けに来たって……。どうして、ルビィちゃ…」

「どうしてルビィがここにっ!?」


ルビィ「あ、お姉ちゃん。こそこそ隠れて何してるの?」

ダイヤ「私は私なりの闘い方を模索しているんです」

ダイヤ「……それより、ルビィ! 危ないではありませんか! 
戦闘中は飛び込んではいけないと、あれほど教えましたのに…!」

ルビィ「だって、梨子さんを助けたかったんだもん」

ダイヤ「……だからといって、今の果南さんの前に立つとは…。その柔肌に傷でもついたらどうするんですか!?」

ルビィ「大丈夫だよ。ルビィには、物理攻撃は効かないからねっ!」

ダイヤ「何ですって…!?」

340: 2017/03/05(日) 22:33:15.71 ID:nea00lI7.net
ルビィ「……梨子さん。大丈夫?」

梨子「うん…。助かったよ、ありがとう」

ルビィ「よかった…。……ルビィでも、誰かの役に立てたんだ…!」



ダイヤ「ええい! イチャイチャしやがりまして!」

ダイヤ「果南さん! 早く梨子さんを倒してください! 今なら倒せるはずです!」

果南「……ルビィも巻き込んでいい?」

ダイヤ「それは許しませんわ。ルビィには指一本触れず、梨子さんを倒してください!」

果南「ええ…。そんな無茶な…」

341: 2017/03/05(日) 22:42:36.82 ID:nea00lI7.net
ルビィ「梨子さん。ここはルビィが足止めするから、梨子さんは逃げて!」

梨子「ルビィちゃん…? どうして私のために、そこまでしてくれるの…?」

ルビィ「それは………」




ダイヤ「果南さん! 早く梨子さんをやっつけておしまい!」

果南「……ルビィが梨子を護ってるんだから、ルビィに触れずに梨子を狙えないよ!」

ダイヤ「あー…。だったら、傷つかない程度なら、触れることを許します!」

果南「…………おっけー! 全力で飛ばすよーーー!」



ルビィ「梨子さんは、まもルビィ!」

果南「…………あっ」

ズドンッッッ!!!!!



ダイヤ「果南さんーーー!? 思いっきりルビィを殴ってるじゃないですか!!」

果南「ご、ごめん! 勢い余って……」

344: 2017/03/05(日) 22:49:56.66 ID:nea00lI7.net
果南「………それにしても、凄いね…」

ルビィ「……」

果南「私の渾身の一撃が、効いてない……!」


ルビィ「梨子さん! 早く!」

梨子「……わかった。ありがと、ルビィちゃん!」

ルビィ「」ニコッ



ダイヤ「くっ…! 逃してしまいましたわ…」

ダイヤ「ルビィ。あなたはどうして、梨子さんを助けたのですか!?」

ルビィ「………」





ルビィ「………『お姉ちゃん』が傷ついていたら……、それを護るのが、姉妹愛だよ…!!」

ダイヤ「っ!?」

348: 2017/03/05(日) 22:58:07.85 ID:nea00lI7.net
果南「…ん? お姉ちゃんって、ダイヤのことだよね?」

ダイヤ「そ、そうですわ。私以外にお姉ちゃんなどいませんわ…」


ルビィ「梨子お姉ちゃんを護るためなら、ルビィは自分の身体を犠牲にするよ…!」


果南「梨子お姉ちゃんって言ってるけど…?」

ダイヤ「な、何をバカなことを…。ルビィのお姉ちゃんは、私ですわ…!」


ルビィ「………知ってるんだよ、お姉ちゃん…。いや、ダイヤさん…!」

ダイヤ「る、ルビィ…?」

ルビィ「ダイヤさんは、私の本当のお姉ちゃんじゃないんだよね!?」


果南「えー! そうなの!?」

ダイヤ「ち、違います! 私はルビィのお姉ちゃんで……」

ルビィ「市役所に行って、確認してきたよ」

ルビィ「ルビィは、黒澤家の養子だってことをね…!」

ダイヤ「っ!?」

ルビィ「そして、本当のお姉ちゃんは、莉子さんであることも…!」

ダイヤ「っっっ!!!?!??!!」

354: 2017/03/05(日) 23:03:43.34 ID:nea00lI7.net
ダイヤ「……体力が、どんどんと削られていきます…」

果南「だ、ダイヤ!? 気をしっかり持って!!」


ルビィ「とにかく…。ここは通さないよ…!」

ダイヤ「……仕方ありませんわね。これは『躾』です」



ダイヤ「果南さん! やっておしまい!」

果南「あらほらさっさー!」



ルビィ「………」

ルビィ(私には、大した能力はないけど…)

ルビィ(………それでも、自分にできることはすべてやるよ…!)

ルビィ(梨子お姉ちゃん! ルビィ、頑張るからね……!!)

356: 2017/03/05(日) 23:05:15.32 ID:nea00lI7.net
一方その頃


梨子「…………………」


梨子(私ってルビィちゃんのお姉さんだったんだ…)

梨子(……そういう設定もありかな…?)

357: 2017/03/05(日) 23:10:27.74 ID:nea00lI7.net
梨子(……中庭、千歌ちゃんいなくなつてる…)

梨子(………あれ? 崩れてた校舎が、元に戻ってる…? 何があったんだろう…)



梨子「…………………ん?」


梨子(廊下の先に、誰かいる…!)

梨子(あれは、鞠莉さn………)


グルルルルルルルルルルルルルルル

梨子「ぅあ゛ぁぁ!!?」


梨子(お、お腹が! お腹がぁぁぁ!?)

358: 2017/03/05(日) 23:16:20.63 ID:nea00lI7.net
鞠莉「……あら、リリー。お腹を押さえてどうかしたの?」

梨子「うっ…。鞠莉、さ………」

鞠莉「………」





鞠莉「女の子が腹痛に悶えてる様子を見るのも、そろそろ飽きてきたわね」

鞠莉「時間が勿体無いから、さっさと終わらせてあげるわ」

鞠莉「ふふ。痛みなく、頃してあげるわ♪」


梨子「………………え?」


グチャァ

361: 2017/03/05(日) 23:21:49.20 ID:nea00lI7.net
HP 0


梨子(……瞬殺された………)

梨子(ルビィちゃんに救われた命なのに、こんなにも呆気なく………)

梨子(…………こういう役回りを、何て言うんだっけ……?)


梨子(……そうだ。『かませ犬』だ…)

梨子(はは…。私、ついに犬になっちゃったよ……あはは、笑えないや……)


梨子(……………千歌ちゃん)

梨子(どれだけの速度で走れば、あなたに逢えるの……?)



シュィィィン

362: 2017/03/05(日) 23:23:15.24 ID:nea00lI7.net
とりあえずここまで

376: 2017/03/06(月) 15:15:52.09 ID:EGN/LYSH.net

現在のポイント数まとめ その1

千歌 2ポイント
鞠莉 2ポイント
善子 1ポイント
梨 0
曜 〃
花 〃
ル 〃
ダ 〃
果 〃

377: 2017/03/06(月) 15:20:31.70 ID:EGN/LYSH.net
廊下


千歌「~♪」



千歌「………ん? なにこれ、看板?」


『屋上に来い。さもないと…』


千歌「さもないと、何!?」

千歌「……明らかに罠だけど、ちょっと覗いてみよーっと」








善子「………」ニヤリ

378: 2017/03/06(月) 15:30:07.90 ID:EGN/LYSH.net
屋上


千歌「……あれ? 誰もいない…?」

千歌「わざわざ看板で呼び出しておいて、誰もいないなんて酷い!」

千歌「………ん?」

千歌(……なんだろう? 何か、違和感が……)


千歌「……っ!?」


千歌(…床が、土になってる……!!)

千歌(それだけじゃない! 草が生い茂って、木々が生えて……)

千歌(ど、どうなってるの……!?)





善子(………ふふふ。罠に掛かったわね…!)

善子(この屋上に足を踏み入れた、その瞬間! 千歌の心象世界が、現実に展開されていく…!)

善子(さあ、千歌…。この『異常』に『恐怖』しなさい!)

善子(そうして不安な気持ちによって生み出された、恐怖という名の化け物に、押し潰されなさい……!!)

379: 2017/03/06(月) 15:39:35.35 ID:EGN/LYSH.net
千歌「…………………………………」


千歌「……す、すごーい! ミカンだ! 果樹園が、どこまでも広がってる……!」



善子(ちょっと! どうして夏の陽射しを浴びて育ったミカン畑が拡がってるのよ……!?)

善子(……心象世界は、その当人の『心』に依存する…)

善子(つまり、千歌の頭の中がパッパラパーだから、こんなほのぼのとした世界になったのね…!)

善子(あーもう! どんだけポジティブ人間なのよ! 屋上にミカン畑があるとか、おかしいと思いなさいよ!)


善子(………はぁ。仕方ないわね)

善子(私の固有結界を、千歌の心の中に『展開』する…!)

380: 2017/03/06(月) 15:45:40.78 ID:EGN/LYSH.net
千歌「ミカンがいっぱいだー! これ、全部食べてもいいんだよね!?」

千歌「それじゃあ遠慮なく、いただきまー………」


サラサラ…


千歌「……あれ!? ミカンが、消えちゃった…!」

千歌「それだけじゃない! 木々が枯れ、土が氏んでいく…!?」






ホー ホー


千歌「ひっ!?」


キ キ キ キ キ キ キ キ キ キ


千歌「うぅ…」

千歌「夜だ…。突然、夜になった……!」

千歌「薄気味悪い…。何か、出てきそうな気配がするよ……」

381: 2017/03/06(月) 15:54:15.03 ID:EGN/LYSH.net
「月は、満ちたわ…」


千歌「だ、誰!?」

千歌「……もしかして、善子ちゃん…?」


善子「今宵は満月…。パーティを開くには、ちょうど良い夜だわ…!」

善子「さあ、リトルデーモン達よ! 血を昂ぶらせなさい! 肉を求めて騒ぎなさい!」


善子「私のために…………、踊りなさいっ!!」





リトルデーモン「「「「「キィィィィィィィィィィィィィィィ!!!」」」」」

382: 2017/03/06(月) 16:00:50.92 ID:EGN/LYSH.net
キィィ!



キィィィィィ!!



キィィィィィィィィィィィィ!!!!!





千歌「うわあぁぁぁぁぁ!!?」

千歌「なんかよくわかんないけど…、消えろーーー!!!」


キ キィィ……………………………








善子「う、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?!??!!?!」

善子「私のリトルデーモン達がぁぁぁぁぁ!!!!!」

386: 2017/03/06(月) 16:14:54.56 ID:EGN/LYSH.net
善子「ど、どうなってるのよ! リトルデーモン達を、一瞬にして消し去るなんて……!」

善子「………ふんっ。でも残念だったわね!」


千歌「え…?」


善子「私の中には、666体のリトルデーモンがいるのよ!」

善子「その全てを『同時』に倒さない限り、氏んだリトルデーモンは何回でも蘇り続けるわ…!」


千歌「……じゃあ、全部消えろー」


善子「はんっ! そんな軽いノリで、私のリトルデーモンを倒せるわけ………」



善子「わ、私のリトルデーモン達がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!!?!」





千歌「さっきから変だなー?とは思ってたけど、やっぱり能力の仕業だったんだね」


善子「っ………」


千歌「それじゃ、終わらせようか」

千歌「スー……はー……」


千歌「……この変な世界は、壊れろー!」





ピキッ……

ピキピキッ パキッ………



善子「……嘘、でしょ…………」



パリーーーーーンッ!!!



善子「私の能力が、こんなにあっさりと……………」

388: 2017/03/06(月) 16:25:10.24 ID:EGN/LYSH.net
善子「………千歌。最期に訊いていい?」

千歌「何?」

善子「……あんたの能力は、何なの…?」

千歌「思い通りになる能力」

善子「………意味わかんない」


千歌「善子ちゃん。覚悟はいい?」

善子「…………ええ」

千歌「それじゃ、いくよ……!」



千歌「かぁーーーめぇーーーーー」

善子「………」

千歌「かぁーーーーめぇーーーーーーーーー」

善子「……………」



千歌「………波ぁーーーーーーーー!!!!!」





善子(…………こんなの、勝てっこないわよ……)


HP 0

シュィィィン

389: 2017/03/06(月) 16:29:02.01 ID:EGN/LYSH.net
シュウウウウウウウ………


千歌「はぁ…はぁ…。終わった……」

千歌「これで、3ポイント……!」



千歌「………うぅ、疲れた……」

千歌「ゲームなのに、なんでこんなに疲れるの……?」

391: 2017/03/06(月) 16:39:45.60 ID:EGN/LYSH.net
二階廊下


果南「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

ルビィ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!」


DIA「果南さんの攻撃は、ルビィにはまるで歯が立たないぃ!!!」

DIA「つまり私たちにはぁぁぁ!!!
ルビィを倒す手段が、ないということですわぁぁぁ!!!」


果南「いや、まだわかんないよ! 私のスタンド、『カナン・プラチナ』を使えば…!」

ダイヤ「果南さん。そろそろ目を覚ましてください」

果南「………」

392: 2017/03/06(月) 16:44:09.10 ID:EGN/LYSH.net
ダイヤ「果南さん。ここは引いた方が良さそうです」

果南「で、でも…!」

ダイヤ「……あの人が、近くにまで来ています」

果南「あの人って、まさか……」



ルビィ「……あれ? もう終わり?」

ダイヤ「はい。私たちは退散しますわ」

ルビィ「…やった! ルビィの勝ちだ!」

ダイヤ「………ルビィも、早く逃げた方がいいですわよ」

ルビィ「……え? それって、どういう意味…」





鞠莉「あらららら? こんな所にルビィがいたわ!」

ルビィ「鞠莉さん…!」

394: 2017/03/06(月) 16:50:33.11 ID:EGN/LYSH.net
ルビィ「………あ、あれ…?」

ルビィ「どうして、梨子お姉ちゃんが逃げた方向から、鞠莉さんが来たの……?」


ドクン…


ルビィ「鞠莉さん。……ここに来る途中で、梨子さんと会いませんでしたか……?」


ドクン…


鞠莉「梨子? あー、確かに会ったわね」

ルビィ「!」

鞠莉「………でも」



「すぐに頃しちゃったわ」



ルビィ「………………………………」

395: 2017/03/06(月) 17:00:43.87 ID:EGN/LYSH.net
ルビィ「っ……!」


鞠莉「あらあら。ルビィも恐い顔するようになったわね~」

ルビィ「………」

鞠莉「梨子を瞬頃したのは、仕方なかったことなのよ」

ルビィ「仕方ない……?」

鞠莉「ええ、仕方のないことだったの」

鞠莉「私がみんなを虐頃するシーンなんて、もう飽きちゃったでしょ?」

鞠莉「だから、適度にカットしていかないといけなかったの!」

ルビィ「っ!?」



ルビィ「………」

鞠莉「怒った顔も可愛いわよ。ルビィ」

ルビィ「……あなたは、私が倒す…!」

鞠莉「………ヤル気、みたいね」

399: 2017/03/06(月) 17:14:11.07 ID:EGN/LYSH.net
鞠莉「ふふふっ! ルビィはどこまで私を楽しませてくれるのかしら…!」

ルビィ「ルビィの能力は、『物理攻撃無効』! どんな攻撃も効かないよ!」

鞠莉「………本当に、そうかしら?」

ルビィ「え…?」





ドドドドドドドドドドドドドドド

ルビィ「ゔぅっ!!?」

ルビィ「お、お腹が……!」



鞠莉「残念ね、ルビィ。あなたの能力では防ぎきれなかったみたいね」

ルビィ「ぐっ…ぅああぁっ……!」


鞠莉「便意操作は、物理攻撃ではないのよ」

鞠莉「腸に働きかけ便意を発生させることにより、お腹の痛みを生み出す……」

鞠莉「そう! つまり、私の能力は、『内側からの攻撃』……!
そういう意味では、精神攻撃と同じなのよ……!」

ルビィ「うっ、うぐぅあぁぁっ……!!」

400: 2017/03/06(月) 17:20:00.49 ID:EGN/LYSH.net
鞠莉「そーれそーれ。ルビィはいつまで耐えられるかしらー?」

ルビィ「……うぁっ!? ぐぅゔぅぁうぁ……!!」

鞠莉「『レベル8』……。結構耐えてる方ね」

ルビィ「はぁはぁはぁはぁ…」

鞠莉「………じゃあ~! 一気にレベルを上げちゃいましょう!」

鞠莉「『レベル10』…? いや、もっと……!」



鞠莉「誰も到達したことのない、人類の境地……!」

鞠莉「『レベル99』よーーーーー!!!」

ルビィ「っ!!?」

402: 2017/03/06(月) 17:26:08.84 ID:EGN/LYSH.net
パリーンッ!



「ズラァーーーーーーーー!!!!!」


シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!!!



鞠莉「痛っ! …….ちょっと! 危ないじゃない!」

ルビィ「………は、花丸ちゃん……!」



花丸「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ



鞠莉「……あ、あら…。ちょっと、マズいかも……」

403: 2017/03/06(月) 17:28:46.41 ID:EGN/LYSH.net
花丸「ルビィちゃん。もう安心していいよ」

ルビィ「花丸、ちゃん……?」








花丸「オラが、来たっ…!!!」

422: 2017/03/06(月) 20:46:12.21 ID:EGN/LYSH.net
2年教室


シュィィィン


梨子「……………」

梨子(また、負けた……)

梨子(あんな酷い氏に様をさらすことになるとは……)

梨子(やっぱり、動かずにジッとしてた方がいいのかな?)

梨子(教室の、端っこで、ジッと………)





曜「………」ズーン

梨子「うわっ!?」


梨子(曜ちゃんが教室の端っこでジッとしてる……!)

425: 2017/03/06(月) 20:54:40.47 ID:EGN/LYSH.net
曜「………あ。梨子ちゃんだ……」

梨子「よ、曜ちゃん…? そんな所で、何してるの…?」

曜「………」ショボーン


梨子(何か、言いたくないことでもあったのかな…?)

梨子(……まあ、心を読めば、何があったかなんてすぐにわかるんだけどね)

梨子(さてさて。曜ちゃんの身に、一体何があったのかなーーー)





曜(………裏切られた)

曜(裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた裏切られた……)

曜(花丸ちゃんに、裏切られたっ……!)



梨子「ひぃっ!?」


梨子(何この心…!? 色んな感情が渦巻いて、目まぐるしい……!)

427: 2017/03/06(月) 21:01:15.21 ID:EGN/LYSH.net
曜「…………………」

梨子「………そっか。一緒にコンビを組んでいた花丸ちゃんに裏切られて、それで落ち込んでたんだね」

曜「えっ! ……なんで、知ってるの…!?」

梨子「私の能力。悪いけど、勝手に心を読ませてもらったよ」

曜「………………」



曜「……私の体力ゲージがのっぽパンに変えられた時、花丸ちゃんは食欲のままに襲ってきたように見えたんだけど……」

曜「でも、食べ終わった後の花丸ちゃん。私を見て、笑ってたんだ……」

曜「私は、裏切られた…! こんなことなら、最初会った時に倒しておけばよかった……!」

梨子「曜ちゃん……」

429: 2017/03/06(月) 21:10:37.86 ID:EGN/LYSH.net
梨子「……元気出して、曜ちゃん」

曜「……………」

梨子「ほら、私の元気を曜ちゃんにあげるから!」

曜「梨子ちゃん……」

梨子「曜ちゃん。辛い気持ちはわかるけど、一緒に頑張ろう?」

曜「………」





曜「そっか……。梨子ちゃんは、わかってくれるんだね……」

曜「………だったら、氏んでくれるよね…?」


梨子「……え?」


曜「私ね。絶対に優勝しないといけないの」

曜「優勝して、千歌ちゃんと『夜の天下一武道会』を開催しなきゃいけないの…」

曜「だから、1ポイントでも多く稼がないといけないの!」

曜「そのために、梨子ちゃん……。……………氏んで!!」

梨子「きゃぁ!?」

431: 2017/03/06(月) 21:22:26.27 ID:EGN/LYSH.net
曜「どうして逃げるの…?」

曜「私の気持ちを、理解してくれたんじゃなかったの……!?」


梨子「そ、それは……」


曜「私のために、氏んでよ…」

曜「私と千歌ちゃんのために、氏んでよ……?」

曜「ねえ……ねえ…………??」



梨子「っ……」

梨子(………ごめんね、曜ちゃん)





梨子「千歌ちゃんと『夜の天下一武道会』を開くのは、私だよ……!」

434: 2017/03/06(月) 21:30:06.23 ID:EGN/LYSH.net
ガラララ

梨子(とにかく、逃げないと……!)



曜「梨子ちゃん…。逃がさないよ……!」ダダダダダダッ

梨子「速っ!?」


梨子(本当なら、曜ちゃんの考えの逆手を取って出し抜いてやりたいけど……)

梨子(……曜ちゃん、『夜の天下一武道会』のことしか頭にないから、全然行動が読めない…!)

梨子(このままじゃ、捕まるのも時間の問題……!)



梨子(………誰か、この状況を打破してくれるような、救世主を……!)

436: 2017/03/06(月) 21:34:59.75 ID:EGN/LYSH.net
二階廊下


ルビィ「はあ…はあ…」

花丸「………」


鞠莉「くっ…」



ルビィ「は、花丸ちゃん…」

花丸「もう大丈夫だよ。オラが鞠莉さんをやっつけるズラ!」

鞠莉「………」

437: 2017/03/06(月) 21:40:21.53 ID:EGN/LYSH.net
鞠莉「……ふふっ」

鞠莉「ふふ、ふふふふふ」

鞠莉「ふふふふふ……。ふははははははははははははは……!!」



花丸「……何が、可笑しいの?」

鞠莉「私を倒す、ですって? 面白いジョークを言うわね!」

花丸「冗談なんかじゃないよ。オラは鞠莉さんを倒す」

鞠莉「無理よ無理! 不可能よ!」



鞠莉「この、戦闘力53万のマリーザ様を倒すなんて、できるはずないわ!」

440: 2017/03/06(月) 21:45:42.35 ID:EGN/LYSH.net
ルビィ「花丸ちゃん…。気をつけて」

ルビィ「……鞠莉さんの、能力は……、おなかいたに、する能力……だから………!」

花丸「……なるほど。それは厄介な能力だね」


鞠莉「ふふふふふ。言葉だけじゃ伝わらないでしょうから、実際に体験させてあげるわ!」

鞠莉「喰らいなさい! これが、私の能力…!」


鞠莉「便意操作『レベル10』……!」

442: 2017/03/06(月) 21:54:11.05 ID:EGN/LYSH.net
鞠莉「この『レベル10』の状態で汚物を出さなかった者は、誰一人としていないわ…!」

鞠莉「さあ、花丸も! 汚ねぇ花火になりなさい……!!」





花丸「………」


鞠莉「………あれ?」

鞠莉「『レベル10』になってるわよね…? あれ……?」


花丸「………」


鞠莉「どうして、平然と立っていられるの……!?」



花丸「……オラの能力は、『あらゆるものを切断する翼』ズラ」

鞠莉「……………そ、それが……どうしたっていうのよ……!?」

花丸「あらゆるものを、切断できるんだ……。だからオラは…」





花丸「痛覚を、『切断』した…!」

鞠莉「っ!!?」

446: 2017/03/06(月) 22:01:06.80 ID:EGN/LYSH.net
鞠莉「そ、そんな……嘘でしょ……?」

鞠莉「私の能力を、根本から否定する能力があるなんて……!」


花丸「正直、オラも躊躇ったよ。痛覚が失くなれば、どれだけの支障が出るかわかってるからね」

花丸「でも、苦しそうにしてるルビィちゃんを見て、覚悟を決めたよ」

花丸「鞠莉さんは、痛みを感じる身体じゃ勝てないって…!」



ルビィ「花丸ちゃん…」

花丸「大丈夫だよ。すぐに鞠莉さんを倒して、『痛み』から解放してあげるから!」

ルビィ「……うんっ!」

448: 2017/03/06(月) 22:10:01.94 ID:EGN/LYSH.net
鞠莉「…………………………………」

花丸「さあ、いくよ。次は必ず仕留める」

鞠莉「………」



鞠莉「……ルビィが、どうなってもいいのかしら?」

花丸「……もしかして、人質を取ったつもり?」

鞠莉「ええ、そうよ! 私のさじ加減で、いつでもルビィを殺せるわ!」

鞠莉「これ以上近づいてきたら、ルビィを爆破する…!」


ルビィ「は、花丸ちゃ……。ルビィのことはいいから……」

花丸「っ……」

449: 2017/03/06(月) 22:20:04.90 ID:EGN/LYSH.net
花丸「………もう、決めたズラ。二度と後ろは、振り返らない…!」

鞠莉「ふふ…。大した覚悟だわ」





ルビィ「うっ、うわああああああああ!!!」


花丸「………」


ルビィ「うあ゛ぁぁぁぁぁ!!?!?!」


花丸「……………」


ルビィ「ゔわ゛ああああああああ!!!
うゔぅっ、ゔあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?!!?!」


花丸「………………っ……」

450: 2017/03/06(月) 22:23:53.57 ID:EGN/LYSH.net
花丸「……射程に、入ったズラ」

花丸「翼で、確実に倒せる射程に、入ったよ……!」


鞠莉「ふふふ…」


花丸「………」


花丸(……なんで、笑ってるの…?)

花丸(………)

花丸(……あれ?)

花丸(ルビィちゃんの声が、止まった……?)








ルビィ「     」


花丸「………」



鞠莉「私の忠告を破るから、こうなるのよ…!」

鞠莉「ふふふ! ざまあないわね……!!!」

花丸「……………………………………………………………………」

451: 2017/03/06(月) 22:25:30.29 ID:EGN/LYSH.net
「………ルビィちゃんの…………………………」



鞠莉「……え?」





花丸「ルビィちゃんの、仇っ……!!!」

453: 2017/03/06(月) 22:42:12.16 ID:EGN/LYSH.net
花丸「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ シュ!!!!!



鞠莉「あははははっ! 全然ヒットしてないわよー!!」


花丸「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


鞠莉「闇雲に攻撃したって無駄よ! ちゃんと私を狙わないと~!」


花丸「うぅ…! うわぁぁぁぁぁ!!!」

454: 2017/03/06(月) 22:50:50.33 ID:EGN/LYSH.net
鞠莉(……花丸の能力の欠点は、ある程度の間合いを詰めないと、確実に攻撃を当てられないこと…!)

鞠莉(自分の痛覚を切断することができるのに、
私を切り刻むために、わざわざ近づいてきたのは、そういうことだったのね…!)

鞠莉(距離が遠くなればなるほど、攻撃の精度が落ちていく…!)

鞠莉(でも今の花丸は、ルビィを失ったショックで、ただがむしゃらに暴れているだけ)

鞠莉(距離さえとってしまえば、絶対に当たることはない!)


鞠莉(………ふふっ。今回も、私の勝ちみたいね…!)

460: 2017/03/06(月) 23:14:39.59 ID:EGN/LYSH.net
鞠莉「さあ、花丸! フィナーレよ!」

花丸「………」

鞠莉「あなたが『自分の痛覚を切断した』…と聞いた後も、私は能力の使用をやめなかったわ」

鞠莉「あなたの腸は、痛覚が失くなった後も、便の製造を続けていたのよ!」

鞠莉「見てみなさい! そのボヨボヨのお腹を!
そこには夢でも希望でもなく、便が詰まっているわ…!」

鞠莉「ふふ。痛覚がないから、今まで気付かなかったみたいね」

鞠莉「……花丸が暴走している間に、私は既に、手筈を整えていたのよ…!」



鞠莉「これで終わりよ! 痛みを感じぬまま、頃してあげるわ……!」



花丸「………」








花丸「……私が『暴走』していると思っていたのなら……。
………………オラの、勝ちズラ…!」

鞠莉「な、何…!?」

461: 2017/03/06(月) 23:25:42.66 ID:EGN/LYSH.net
花丸「闇雲に攻撃していたわけじゃない…」

花丸「あの暴走は、ちゃんと目的を持っていたんだよ」

鞠莉「目的…?」

花丸「……鞠莉さんも、気付かなかったみたいだね」



花丸「オラが、天井を切り落とそうとしていたことを…!」

鞠莉「天井を!?」


花丸「距離が離れてる分、精度も落ちて、こんなに時間がかかっちゃったけど……」

花丸「……でも、終わったよ」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ


鞠莉「……天井が…!」

花丸「これで、鞠莉さんは氏ぬ! つまり、オラの勝ち………」

パーンッ

462: 2017/03/06(月) 23:29:05.67 ID:EGN/LYSH.net
花丸「……………」

花丸「……体が、吹き飛んじゃった…」


HP 0


花丸「………負けた…」

花丸「でも、私も勝ったよ……」

花丸「鞠莉さん、……に……………」


シュィィィン

464: 2017/03/06(月) 23:35:56.16 ID:EGN/LYSH.net
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…


ドガーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!





鞠莉「………うっ……」

鞠莉「頭に、直撃しちゃった……」

鞠莉「………………」

鞠莉「でも、よかったわ……」



HP 1



鞠莉「『気合いのハチマキ』を、待ってて…!」


鞠莉「……でも、体力が残り1の状態でいるのは危険よね?」

鞠莉「………」



鞠莉「確か職員室に、『回復アイテム』があったはずだから、取りに行きましょー!」

467: 2017/03/06(月) 23:42:53.36 ID:EGN/LYSH.net
「梨子ちゃん……。梨子ちゃん……」





曜「ぐへへ~。梨子ちゃん~!」

梨子「こ、来ないでー!」


梨子(だ、誰か! 誰でもいいから、助けて……)





曜「ふぐぅっ!?」

梨子「ぐあぁ!?」





鞠莉「……2人で追いかけっこなんて、楽しそうね」

梨子「ま、鞠莉さん…!?」


梨子(誰でもいいとは言ったけど…)

梨子(……まさか、悪魔が来るとは…)

468: 2017/03/06(月) 23:53:21.77 ID:EGN/LYSH.net
鞠莉「……悪いわね」

梨子「え…?」

鞠莉「すぐにでも2人を倒してしまいたいんだけれど、私は先に、職員室に行くわ」

梨子「職員室…?」

鞠莉「……おっと。これ以上はシークレットよ!
それじゃ、すぐに頃しに戻るから、ちょっとウェイトよー!」

タタタタタタ…





梨子「………回復、アイテム…!?」

梨子「そんな物があるなんて、聞いてないよ…!?」



曜「ぐぁ…! うっ、うあぁ…」

梨子「……曜ちゃん!」

曜「うぅ……。な、何……?」

梨子「……私は今、確信したよ」


梨子「鞠莉さんは、1人だけズルしてるんだ!」

曜「!?」

梨子「あの人を、絶対に優勝させちゃいけない…!」

471: 2017/03/07(火) 00:20:10.72 ID:EakC4CZv.net
梨子「そうよ…。そもそもこのゲームは、鞠莉さんのグループが作ったゲームだもの…」

梨子「鞠莉さんが、ゲーム内の情報を知っていても、何もおかしくないのよ…。最初からわかってたことじゃない」

梨子「……それでも、公平なゲームにしてくれるって、信じてたのに…」

梨子「なるほどね。性格が汚いと、与えられる能力も汚いものになるのね」


曜「……ねえ…! この腹痛は、鞠莉さんの、能力、なの……!?」

梨子「うん。便意操作。このゲームで一番強い能力、らしいよ」

梨子「この能力があれば、10ポイントなんてすぐに集まるし、簡単に優勝できちゃうのよ…!」

梨子「このゲームは、鞠莉さんが勝つために設定された、出来レースだったのよ!」

曜「そ、そんな…! 『夜の天下一武道会』は…!?」

梨子「実現不可能、ということね」

曜「なっ…!?」

472: 2017/03/07(火) 00:36:25.49 ID:EakC4CZv.net
梨子「………でもね。一つだけ、鞠莉さんの優勝を阻む方法があるよ」

曜「え…、ほんとに!?」

梨子「うん。それは………」





梨子「千歌ちゃん!」

曜「千歌ちゃん?」

梨子「千歌ちゃんなら、鞠莉さんを抑えて、優勝できるはず…!」

曜「確かに千歌ちゃんの能力は強いけど、さすがに鞠莉さんには勝てないんじゃ…?」

梨子「直接対決する必要はないよ。優勝の条件は、『10ポイントを獲得すること』だから…!」

曜「そっか! じゃあ私たちが千歌ちゃんが勝つよう導けば…」

梨子「鞠莉さんの代わりに、千歌ちゃんが優勝してくれる!」

曜「すごい! 完璧な作戦だ!」



曜「……で、まずは何をすればいいの?」

梨子「まず、鞠莉さんにできるだけ勝ち星を獲らせないようにしないと」

梨子「そのために、まずは鞠莉さんから逃げないと………」





鞠莉「……残念っ! もう遅いわ!」

梨子「っ!!」

473: 2017/03/07(火) 00:41:57.80 ID:EakC4CZv.net
鞠莉「職員室からアクエリ持ってきたのよ。2人も飲む?」

梨子「……いや、結構です」

曜「こんな状態で、飲めるわけないよ!」

鞠莉「あらー、残念ね~? 2人が飲まないなら、私が全部飲んじゃうわよ!」



ゴクゴクゴクゴク…

梨子「………」

曜「………」


鞠莉「………不味いわね…。味の調整も今後の課題かしら……」

474: 2017/03/07(火) 00:50:23.02 ID:EakC4CZv.net
鞠莉「……さて、私はこれから2人を頃すわけだけど、何か言い残すことはあるかしら?」


曜「うぅ…。鞠莉さんの能力は、便意の能力なんですよね…?」

鞠莉「ええ、そうよ」

曜「……じゃあ、できるだけキレイな頃し方をしてください…」

鞠莉「……善処するわ」



鞠莉「梨子が破裂するのはこれで2回目だけど、何か言いたいことはある?」

梨子「………」

梨子「私は……。いや、私たちは………」

梨子「絶対に、鞠莉さんを倒してみせます…!」

鞠莉「………」



グチャァァッ


HP 0

シュィィィン

476: 2017/03/07(火) 00:53:48.11 ID:EakC4CZv.net
鞠莉「……私を、倒す?」

鞠莉「ふふふ……。いいわね、やれるものならやってみなさい…!」





鞠莉 6ポイント
千歌 ?ポイント

478: 2017/03/07(火) 01:02:46.72 ID:EakC4CZv.net
屋上


千歌「……結局、ここに戻って来ちゃった」


千歌(うわ…。校舎がボロボロだ…)

千歌(みんなそれぞれ、色んな闘いを繰り広げてるってことなのかな?)





「やっと追いつきましたわ」

「また、千歌と闘えるよ…!」


千歌「えっ…?」

479: 2017/03/07(火) 01:03:57.17 ID:EakC4CZv.net
果南「千歌。今度こそ、私が勝つよ!」

ダイヤ「果南×ダイヤの、無限の可能性の前にひれ伏しなさい!」


千歌「………」





ゴゴゴゴゴゴゴゴ…


因縁の再戦…

今、静かに…

ゴングが鳴った…

494: 2017/03/07(火) 15:59:32.17 ID:EakC4CZv.net
屋上


千歌「………果南ちゃん。それに、ダイヤさんも…」


果南「この場所で、千歌と初めて闘ったんだよね」

千歌「うん。そうだね」

果南「あの時は負けちゃったけど……。もう負けないよ!」


果南「私は、前よりも強くなったから……!」

ダイヤ「ええ、そうですわ」

ダイヤ「私のサポートにより、果南さんは120%の力を発揮することができるようになりました」

ダイヤ「果たして、今の果南さんに、千歌さんは太刀打ちできるのでしょうか?」


千歌「………」

495: 2017/03/07(火) 16:09:37.63 ID:EakC4CZv.net
ダイヤ「私の能力で、常に千歌さんの『動き』を読み取り、
千歌さんの行動を数手先まで予測します」

ダイヤ「そしてその情報を果南さんに伝達することにより、果南さんの攻撃の精度は増し、
すぐに千歌さんを捉えることができるでしょう!」


果南「……それじゃ、千歌! …いくよ!」

ドドドドドドドドドドドッ





千歌「………」

千歌「そらをとぶ…!」


果南「なっ…!」

ダイヤ「何ですって!?」

496: 2017/03/07(火) 16:14:31.41 ID:EakC4CZv.net
ダイヤ「くっ…! 私の能力は、平面でこそ活きる能力…。
宙に浮かれては、全くの無意味…!」

ダイヤ「……果南さん! 千歌さんを叩き落としてください!」

果南「言われなくとも、そうするつもりだよっ!」

ダンッ!!!





千歌(優に10mは超える高さまで来た…)

千歌(ここならさすがに、手出しできないよね………)



果南「千歌っ! 来たよっ!」

千歌「ええっ!?」


千歌(ジャンプで、この高さまで上がってきたの…!?)

497: 2017/03/07(火) 16:20:15.87 ID:EakC4CZv.net
果南「さあ、ここから落ちてもらうよ!」

千歌「っ…!」


千歌(今、そらをとぶ能力を使っているから、他の能力を使うと下に落っこちちゃう…)

千歌(……いや、結局落とされるんだから、ここはやるしかない…!)





千歌「果南さんだけ、重力100倍…!」

果南「うっ!?」

498: 2017/03/07(火) 16:29:45.47 ID:EakC4CZv.net
千歌(先に果南さんを落としてから、私は優雅にパラシュートで降りれば………)





果南「おおぉおおおぉぉおおおぉおおおぉぉおおおぉおお!!!!!」

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!!



千歌「な、何ぃー!?」

千歌「重力100倍にしたはずなのに、果南さんは、まだ宙に浮いたままだ…!」

果南「重力100倍? そんなもの、私には効果ないよ…!」


ダイヤ「流石ですわね、果南さん」

ダイヤ「パンチの力で重力を相頃し、空を飛び続けるなんて…」

ダイヤ「果南さんは、万有引力という物理法則すらも覆してしまう、超常的存在となったのですね……!!」

499: 2017/03/07(火) 16:39:35.24 ID:EakC4CZv.net
千歌(ま、まさか、果南さんより先に私が落ちるなんて……)

千歌(このまま落ちたら氏んじゃう!よーし、『アレ』を召喚するしかないね……!)





千歌「出でよ! ハイパージャンボ寝そべりぬいぐるみ……!」


HJNN「」ドドンッ!!

千歌「うぅっ!」ポスゥ…


千歌(……なんとか、助かった…)





果南「……よっと!」スタッ

果南「ありがとね、千歌。重力100倍なんて、滅多に経験できるもんね! 楽しかったよ!」

千歌「楽し、かった…?」


千歌(果南さんがどんどん、化け物になっていく…!!)



果南「………たぶん、次の一撃で決まるね」

千歌「っ…!」

果南「じゃあね、千歌ぁぁぁっ!!」

500: 2017/03/07(火) 16:43:53.40 ID:EakC4CZv.net
千歌「………多重影分身の術!」

果南「!?」





ポンッ…ポンッ…

ポンポンポンポンポンポンポンポンッ…



ポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポーーーーーーンッ!!!

503: 2017/03/07(火) 16:56:26.87 ID:EakC4CZv.net
1歌「わーい! 分身せいこーだー!」

2歌「やったやったー!」

5歌「みんなちっこーい!」

11歌「あはははは!」


果南「うわっ!? 小ちゃい千歌が、いっぱい……!」


18歌「ねーねー」

33歌「ちかたち、何匹いるとおもうー?」

87歌「せいかいはねー?」

156歌「どぅるどぅるどぅるどぅる………」

220歌「もー! 156歌はドラムロールへたっぴ!」

241歌「はやくせいかいをいわないと、あきれられちゃうよー!」

555歌「それじゃあ正解のはっぴょーです!」

999歌「ちかたちは……ジャーン! 千匹もいるんだよー!」

1歌「『千歌』、だけにね!」

888歌「あはは! たのしー!」



ダイヤ「な、何ですの…」

ダイヤ「何がどうなっているんですか……?」

506: 2017/03/07(火) 17:04:46.37 ID:EakC4CZv.net
果南「ちょっ……。ダイヤ! 私はどうしたらいいの…!?」

ダイヤ「わ、わかりませんわ…。とにかく、しらみ潰しに倒していくしか…」

果南「結局そうなるんだ……」



541歌「わー! かなんちゃんが来たー!」

867歌「にげろー!」

279歌「こ、来ないでください~!」


果南「くっ…! 小さい上にすばしっこいから、攻撃が当たらない……!」

507: 2017/03/07(火) 17:20:18.15 ID:EakC4CZv.net
101歌「逃げるですわー!」

210歌「うわー! あぶないよー!」

304歌「氏んじゃうズラー!」

417歌「小さな体躯を活かして、逃げるでありますっ!」

613歌「ベリーエキサイティングー! ヒャッハー!」

713歌「ぎゃー! だれかわたしを守りなさいよー!」

801歌「わーい! わーい!」

919歌「きゃー! に、逃げなきゃ…!」

921歌「にげルビィ!」





果南「ダイヤ! 何とかしてよ…!」

ダイヤ「うぅ…。この量を相手にするとなると、私の脳の処理が追いつきません…」


972歌「あははー!」

734歌「あれー?」

167歌「果南ちゃんが困った顔してるよー!」

372歌「わたしたちで、えがおにしてあげよー!」

235歌「こちょこちょこうげきー!」


果南「………」イラッ


54歌「ひぃっ!?」

418歌「こ、こわいよ…」

508: 2017/03/07(火) 17:29:44.60 ID:EakC4CZv.net
果南「あー、もー! ちょろちょろと鬱陶しいなー!」

果南「……ダイヤ。ちょっと離れてて」

ダイヤ「は、はい…」



242歌「あれー?」

821歌「なにかするのー?」

503歌「たのしそー!」



果南「」タッ



818歌「とんだー!」

109歌「たかいたか~い!」

682歌「すごーい!」



果南「」ヒュゥゥゥ…





315歌「落ちてきましたー!」

444歌「あぶないよー?」

666歌「……あれ? もしかして…」



ズドォォォォォォォォォォォォォォォォンンンッ!!!!!



全歌「きゃぁーーーーーーーーー!!!!?!!!!」

509: 2017/03/07(火) 17:37:56.26 ID:EakC4CZv.net
果南「……そっか。最初からこうしてればよかったんだ」

果南「一匹ずつじゃなく、一気に潰せばよかったんだ…!」


ダイヤ「果南さん。よくやりましたわ」

果南「あ、ダイヤ。怪我はなかった?」

ダイヤ「ええ。おかげさまで」



ダイヤ「さて、これで千歌さんを倒したはず………。きゃあぁ!!?」

果南「だ、ダイヤ!?」

ダイヤ「うわぁ、うわあああ!! 果南さん、果南さんっ!」

果南「どうしたの、ダイヤ!?」

ダイヤ「虫が…。服の下で虫が、這いずり回っているんですっ…!!」

果南「虫…?」

ダイヤ「私の服を脱がせて、虫を払ってくださいぃ!!」

果南「う、うん…。わかった」

511: 2017/03/07(火) 17:43:58.26 ID:EakC4CZv.net
ヒラリ

果南「えっと、虫を払えばいいんだよね…?」

ダイヤ「そうですわ! 早くしてくださいっ!!」

果南「虫…。虫……、あっ! 見つけた!」

ダイヤ「早くっ! 早くしてくださいっ!!」

果南「うん」



果南「……………」

ダイヤ「な、何してるんですか!? 早く、虫を…」

果南「ダイヤ…。これ、虫じゃないよ……」





果南「これは、千歌だ……!!」

ダイヤ「っ!?」

512: 2017/03/07(火) 17:57:05.69 ID:EakC4CZv.net
192歌「あ、かなんちゃんだー!」

751歌「こっちみてるー!」

249歌「おーい! かなんちゃんー!」



果南「な、なんで…。千歌は倒したはずなのに……」



792歌「さっきのかなんちゃんのこうげきでねー?」

1130歌「ちかたち、さらにふえたよー!」

4298歌「こんどは、なんびきになったとおもうー?」

2402歌「なんびきだろうねー?」

583歌「それじゃあせいかいはっぴょー!」

5936歌「せいかいはー!」

855歌「どぅるどぅるどぅるどぅる…」

7334歌「もー! どらむろーる、へたっぴだよ!」

5290歌「だれか、どらむろーるできないの?」

1252歌「わたしできるよー! どぅるどぅるどぅるどぅる…」

6469歌「へたっぴ!」

3862歌「もういいや。せいかいはー?」

9999歌「……じゃーん! 一万匹だよー!」

0歌「すごい! きせきだよー!」



果南「はぁ…???」

513: 2017/03/07(火) 18:01:35.96 ID:EakC4CZv.net
ダイヤ「ひぃ…!! 登って、来ないで……!」


2498歌「だいやさんぷにぷにしてるー!」

6353歌「やわらかーい!」



果南「ひゃっ!?」


6293歌「かなんちゃんはかたーい!」

7815歌「きんにくしつっていうんだよ!」

3233歌「すごーい!」

514: 2017/03/07(火) 18:07:41.39 ID:EakC4CZv.net
ダイヤ「あぁっ! 口の中には……もがっ!?」


1337歌「きゃー! たべられたー!」

4248歌「きょじんだー!」

1978歌「くちのなか、ぬめぬめしてるー!」

9624歌「うぇー! きもちわるーい!」



果南「ちょっ…! 耳に、入らないで……!!」


2317歌「とつにゅー!」

3566歌「わー!」

8548歌「かなんちゃんのなかだー!」

2654歌「あたたかーい!」

515: 2017/03/07(火) 18:14:36.28 ID:EakC4CZv.net
ダイヤ「もがっ…! おぁ…うっ………。おぇぇ!」


3434歌「きゃー! ふきとばされるー!」

5506歌「うわー! おぼれるー!」

4545歌「ひるんじゃだめ! まえにすすむよ!」

6969歌「おー!」



果南「あぁっ!? うわあああっ!!?」


1830歌「うわ! このかべ、ぴくぴくしてる!」

1723歌「こまくだよ! きっと!」

1196歌「つきやぶっちゃおー!」

1432歌「いけいけー!」

517: 2017/03/07(火) 18:16:37.81 ID:EakC4CZv.net
ダイヤ「ぁっ……がはっ…ぅ………」


果南「うぁ……うっ、あぁぁ………」





HP 0

シュィィィン
シュィィィン

518: 2017/03/07(火) 18:22:37.45 ID:EakC4CZv.net
千歌「………ん…?」

千歌「あれ……? 2人を、倒したの……?」

千歌「何があったんだろう…。思い出せない……」

千歌「……確か、果南ちゃんとダイヤさんが巨人になって……」



千歌「………まあなんでもいいや。これで5ポイント! あと半分!」





ピンポンパンポーン

千歌「!」


千歌(この音、校内放送…?)

519: 2017/03/07(火) 18:24:26.12 ID:EakC4CZv.net
『千歌ぁぁぁ!!! 今すぐグラウンドに集合ぉぉぉ!!!』



千歌「えっ…? 今の声、善子ちゃんだよね……?」

千歌「なんか、嫌な予感がするな…」

520: 2017/03/07(火) 18:29:20.10 ID:EakC4CZv.net
グラウンド


善子「………よくもノコノコと現れたわね!」

千歌「呼び出しておいて、その言い草はいかがかと思うよ!」


善子「ふふふ。自ら罠に引っかかりに来るとは、学習しないわね…!」

千歌「大丈夫だよ。善子ちゃんの能力なら、すぐに破れるし」

善子「………それは、どうかな…?」

千歌「え…?」





花丸「ズラッ!」

ルビィ「ルビッ!」


千歌「花丸ちゃん!? ルビィちゃんも!!」

521: 2017/03/07(火) 18:33:48.35 ID:EakC4CZv.net
善子「ふふふ。今回は3vs1のバトルよ!」

花丸「オラたちは、千歌さんを倒すために結成された、即席チーム!」

ルビィ「チーム名は………」



1年生「ルーキーズ!!!」


千歌「な、何だってー!?」

522: 2017/03/07(火) 18:39:46.99 ID:EakC4CZv.net
善子「……でもやっぱり、普通の勝負じゃ千歌には勝てないわ」

千歌「うん、そうだね。私は負けないよ」

善子「だから、私たちは考えたのよ………」





善子「千歌! 私たちと、サッカー勝負しなさいっ!」

千歌「ええっ! ルーキーズなのにサッカーするの!?」


ルビィ「いくよ! 翼くん!」

善子・花丸「うんっ!」

千歌「翼くんが、2人いる…!?」

523: 2017/03/07(火) 18:40:15.25 ID:EakC4CZv.net
夜に再開します

529: 2017/03/07(火) 22:06:53.12 ID:EakC4CZv.net
再開

531: 2017/03/07(火) 22:18:05.80 ID:EakC4CZv.net
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


善子「……ここが勝負のステージよ!」

千歌「ぐ、グラウンドが…、サッカースタジアムに変わった!?」



善子「ズラ丸。この勝負のルールを説明してあげなさい」

花丸「はいズラ! えーとね……」



「勝負の内容は、PK対決!」

「交互にPKを3回行ない、ゴール数の多い方が勝ちになるよ!」

「負けたチームのメンバーは、全員HPが0になるから、気をつけてね!」

「ちなみに、従来のサッカーのルールで反則じゃないなら、何をしてもいいことにするズラ!」



善子「……というわけよ」

千歌「なるほど…」


千歌(私にはこの能力があるし、勝てるはず…!)

532: 2017/03/07(火) 22:28:47.05 ID:EakC4CZv.net
善子「先行は私たちよ」



千歌(……善子ちゃんたちのチーム、特に強いシュートを決められる人はいなさそうだけど…)

千歌(まあ私は、来たボールを止めればいいだけだもんね!)



善子「……いくわよ」


キィ キィ

キィィ キィィ

キィィィィィィィィィィィィ…



千歌「なっ…!」

千歌(リトルデーモンが、ボールの周りに集結してる…!!)

533: 2017/03/07(火) 22:36:17.22 ID:EakC4CZv.net
善子「リトルデーモン達が、私とボールを持ち上げ…」

善子「私を回転させ、ボールに火をつければ、完成っ…!」


善子「いくわよっ! ファイヤートルネード……!!!」



千歌「!?」

千歌(なんて作為的なの…!)

千歌(いや、感心してる場合じゃない! あのシュートを止めないと…!)



千歌「ゴッドハンド!」


ジュゥゥゥゥゥ…

536: 2017/03/07(火) 22:43:35.02 ID:EakC4CZv.net
花丸「ちょっと善子ちゃん! なにそのシュート? ふざけてるの!?」

ルビィ「しっかりしてよ!」

善子「ご、ごめん…」



千歌「さーて。次は私がシュートを決める番だね!」

千歌(音速を超えるシュートをすれば入るかなー?)



千歌「……って、ええ!?」


善子「」デンッ!

ルビィ「」デンッ!!

花丸「」デデンッ!!!


千歌「なんで、3人でゴールを守ってるの…!?」

善子「ふふ。ゴールを守るのはキーパーだけじゃないのよ!」

花丸「ルール的には問題ないズラ!」


千歌「くっ…!」

千歌(とりあえず光速シュートを顔面に当ててアンパンマン状態にしよう)

538: 2017/03/07(火) 22:51:44.70 ID:EakC4CZv.net
千歌「いくよ! 光速シュート……」

花丸「」シュパパッ

千歌「…!」


千歌(今、花丸ちゃんが何かしたような…)

千歌(まあいい。このシュートを誰かにぶつける…!)



シュ…


ズゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンンンンンンッ!!!!!!!!!!!!!!





千歌「やった! ルビィちゃんに当たった!」

千歌「これで、1人減ったはず………」



ルビィ「………や、やった! ルビィ、ボール止めたよっ!」


千歌「な、なんで!? どうして生きてるの……!?」



花丸「ルビィちゃんの能力ズラ」

善子「ルビィには、どんな物理攻撃も効かないのよ」

千歌「そ、そんなぁ…」

541: 2017/03/07(火) 23:00:38.13 ID:EakC4CZv.net
花丸「次は、オラのシュートだよ!」


千歌(花丸ちゃんのシュートか…。一体、どんな技を……?)



花丸「……はなまるシュート!」エイッ


千歌(え…?)

千歌(普通のシュートだ…)





花丸「………と、見せかけてからの…!」


花丸「高速で自在に伸縮しあらゆるものを切断する14枚の白翼!」

花丸「ボールを、切断するっ…!」


千歌「ぼ、ボールが! 無数のかけらにっ…!?」

千歌「うわ! いろんな方向に散らばってる!? どうやって守ればいいの…!!」



千歌(というか、ルール的に大丈夫なの…? 普通に反則だと思うんだけど)

542: 2017/03/07(火) 23:06:34.75 ID:EakC4CZv.net
善子「…………………………………」

善子「……よしっ! ボールのかけらがゴールに入ったわ!」

善子「これで1ポイントよー!」

3人「わーいわーい!」



千歌「ひ、卑怯だよ…!」

善子「それはお互い様でしょ?」

千歌「ぐうの音も出ない……」


花丸「ほら。次は千歌ちゃんのシュートだよ」

千歌「ぐう…」

543: 2017/03/07(火) 23:17:55.82 ID:EakC4CZv.net
千歌「………」


千歌(この3人相手なら、普通に蹴ってもゴールするかもしれない…)

千歌(ルビィちゃんの近くだと確実に止められるから、
守備がザルな善子ちゃんを狙おう)



千歌「いくよ! 普通のシュート…!」ポンッ


善子「ひぃ!? こっちに来た!!」





花丸「」シュパパッ





ルビィ「……あ。やった! またルビィが止めたよ…!」

千歌「っ!?」


千歌(お、おかしい…!)

千歌(私は確かに、善子ちゃんに向かってシュートしたはず…!)

千歌(そしてボールも、善子ちゃんの方に転がっていったのに…)

千歌(どうして、ルビィちゃんがボールをキャッチしてるの…!?)

544: 2017/03/07(火) 23:30:03.81 ID:EakC4CZv.net
千歌「………」

花丸「ん? どうしたの? オラのことをそんなに睨んで」

千歌「……花丸ちゃん。私がボールを蹴った後に、何かしてたよね?」

花丸「ほえ? 何のことズラ~?」

千歌「……とぼけたって無駄だよ」

千歌「私には、『卑怯』な能力があるんだから…!」



千歌「花丸ちゃんは、私の質問に正直に答える…!」


花丸「はい。私は能力を使いました」

千歌「!? やっぱりね…!」

千歌「花丸ちゃんは、どういうふうに能力を使ったの?」

花丸「はい。空間を切り取ることにより、ボールがルビィちゃんの元に行くよう操作していました」

千歌「空間を、切り取る…!?」



善子「あーあ。バレちゃあしょうがないわね」

善子「ズラ丸はずっと、ジョジョ4部のスタンド『ザ・ハンド』のように空間を切り取り、全てのボールをルビィに集めていたのよ」

千歌「善子ちゃんには訊いてないよ」

善子「えっ!? 人が親切に教えてあげたのに……」

546: 2017/03/07(火) 23:38:53.79 ID:EakC4CZv.net
ルビィ「……あれ? 今の時点でポイント数が1:2だから、ルビィたちの勝ちじゃない…!?」

千歌「え…」

善子「……でも、最初のルール説明の時に、3回勝負って言っちゃったし、もう一戦してあげるわ!」

千歌「………そう。わかったよ」



ルビィ「次は、ルビィがシュートを撃つよ!」

花丸「ルビィちゃん! 頑張ろうね!」

ルビィ「うんっ!」



千歌(ルビィちゃんのシュートなら、大したことなさそうだな…)

千歌(ここを止めないと私の負けが確定しちゃうから、絶対に止める…!)

548: 2017/03/07(火) 23:46:08.48 ID:EakC4CZv.net
ルビィ「よーし! がんばルビィ!」

花丸「頑張るズラ!」

善子「………………」グテェ



千歌「………」

千歌(善子ちゃんが、仰向けで足を上にあげてる…)

千歌(ひっくり返ったゴキごっこでもしてるのかな…?)



善子「ボールはリトルデーモン達が良い位置に持っていくから、
ルビィは自分らしく、羽ばたきなさい……!」

ルビィ「うんっ!」



千歌(………え? 今の会話、何っ!? これからPKをする人の会話には聞こえなかったよ…!?)

550: 2017/03/07(火) 23:55:15.87 ID:EakC4CZv.net
善子「………ズラ丸! 行くわよ!」

花丸「うん!」



千歌(な、何ぃ!?)

千歌(花丸ちゃんが善子ちゃんの足の裏に乗って……)

千歌(……善子ちゃんが、花丸ちゃんを蹴り上げた……!?)


千歌(……あれ? ルビィちゃんがシュートするのに、どうして花丸ちゃんを空に打ち上げたの…?)





善子「次はルビィよ!」

ルビィ「うんっ!」



千歌(ルビィちゃんも、さっきと同じ要領で蹴り上げられた…!)


善子「………そして、更に!」



ルビィ「花丸ちゃん…!」

花丸「タイミングはぴったり…。いくズラ!!」

ルビィ「うんっ!!!」



善子「空中で、ズラ丸がルビィを蹴り上げる…!!」

千歌「な、何ぃぃぃ!!?」

552: 2017/03/08(水) 00:00:34.39 ID:gIm4vFl2.net
ルビィ「」スゥゥゥゥゥ…



千歌「なっ…!」

千歌(高い! なんて高さなの…!?)



善子「千歌ぁ!!! 見なさい! そして、戦きなさい!!!!!」

善子「これが………」


「「「私たちの、スカイラブハリケーンだっ!!!」」」

554: 2017/03/08(水) 00:07:32.23 ID:gIm4vFl2.net
善子「ルビィ! 今よ、シュートを決めちゃいなさい…!!」


ルビィ「うん!」

スカッ

ルビィ「あ、外しちゃった」


善子「何やってるのよー!?」

花丸「善子ちゃん! ここは作戦変更ズラ!」

善子「……そうね」


善子「ルビィ! そのまま落下して、ボールをゴールに叩き込みなさい!!」


ルビィ「うん…!」





千歌「……そうはさせないよ!」

千歌「ゴッドハンドを超えた、究極奥義……」



千歌「魔神・ザ・ハンド!!」

555: 2017/03/08(水) 00:15:35.06 ID:gIm4vFl2.net
ルビィ「シュートォォォォォ!!!!!」ドドドドドド

千歌「させないよっ!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ



花丸「両者、どちらも譲らない戦いズラ…!」

善子「……でも、ルビィが押され始めてる…! このままじゃ……」



善子「………………花丸…!」

花丸「何ズラ?」

善子「………もう一回、スカイラブハリケーンをするわよ…!」

花丸「ええっ!? ……するにしても、ボールがないよ!!」

善子「いや、大丈夫よ。私を信じなさい」

花丸「善子ちゃん…」

556: 2017/03/08(水) 00:19:27.82 ID:gIm4vFl2.net
善子「打ち上げるわよ、花丸!」

花丸「うんっ!」

善子「……発射!!」


ドォォォンッ!!!!!








花丸三三三三三三三

557: 2017/03/08(水) 00:25:29.81 ID:gIm4vFl2.net
善子「スカイラブハリケーン!!!」

善子「私がズラ丸を打ち上げ……、そして!」

善子「ズラ丸は、ルビィを蹴り込む……!!!」



花丸「ルビィちゃん! 力を貸すよ!!」

ルビィ「ありがとう、花丸ちゃん!!」


ルビィ・花丸「シュートォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」ドドドドドドドド



千歌「くっ…!!」

千歌(魔神・ザ・ハンドが、ジョジョに押され始めてる…!!)

千歌(これじゃあダメだ! もっと強い必殺技を…!!)

千歌(魔神を超える、超越的存在……………)





千歌「仏・ザ・ハンドォォォ!!!」

558: 2017/03/08(水) 00:32:44.00 ID:gIm4vFl2.net
千歌「うおおおおおおおおお!!!!!」ニルヴァーナ



花丸「………」

ルビィ「は、花丸ちゃん…?」

花丸「ごめん、ルビィちゃん……」

花丸「オラ、仏様に足の裏を向けるなんてこと、できないよ……」

ルビィ「は、花丸ちゃん!?」



千歌「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

ルビィ「うぅっ!! どんどん、押されていく…………!」





「「ぎゃーーーーー!!!」」


ズボッ ズボッ

善子「ルビィ!! ズラ丸ぅ!!」



千歌「………氏守したよ…!」

千歌「これで、望みは繋がった……!!」

559: 2017/03/08(水) 00:39:39.64 ID:gIm4vFl2.net
千歌「………」



善子「ズラ丸! ルビィ! ここは絶対に止めるわよ!」

花丸「大丈夫だよ。オラとルビィちゃんで、必ず止める」

ルビィ「ルビィも頑張るよ!」



千歌「………」

千歌(花丸ちゃんの能力を突破しないと、ゴールすることはできない…)

千歌(ボールをゴールにワープさせたとしても、花丸ちゃんに切り取られたら意味がないし…)

千歌(こうなったら、アレしかないね……)

561: 2017/03/08(水) 00:47:58.12 ID:gIm4vFl2.net
千歌「いくよ…! 増えるシュート……!!!」



花丸「っ!?」

善子「ボールが、増殖してる…!!」



千歌「ボールは、1秒毎に倍の数となる…!」

千歌「64…、128…、256…、512………」



花丸「なっ…!? お、多すぎるよ…!!」

善子「ちょっと! これ、ヤバいでしょ…?!」

ルビィ「ぴ、ピギィィィィィィィィィィ!!?!!!?!」





ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンンンンン………

562: 2017/03/08(水) 00:50:59.09 ID:gIm4vFl2.net
PK対決 結果発表



ルーキーズ     1ゴール

高海 千歌  1358ゴール

563: 2017/03/08(水) 00:53:45.90 ID:gIm4vFl2.net
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ………


ルビィ「うぅ…」

花丸「無念…」

善子「この……チートがっ…!」


HP 0

シュィィィン
シュィィィン
シュィィィン

564: 2017/03/08(水) 01:01:38.40 ID:gIm4vFl2.net
千歌「……………勝った」

千歌「やった…! 一気に3ポイント獲得だ…!」

千歌「これで8ポイント…! 残り、2ポイント……!!」

千歌「優勝は、すぐ目の前だ……!!!」








「ごきげんだね、千歌ちゃん♪」



千歌「………梨子ちゃん…!」

梨子「ふふふ……」

565: 2017/03/08(水) 01:02:36.36 ID:gIm4vFl2.net
梨子「ねえ、千歌ちゃん……………」





「私と、バトルしましょう?」

579: 2017/03/08(水) 22:20:57.80 ID:gIm4vFl2.net
生徒会室


シュィィィン

曜「………」

曜「千歌ちゃんを、優勝に……」


曜(梨子ちゃんが、殺される前に教えてくれた…)

曜(卑怯な手を使ってゲームの優勝を目論む鞠莉さん)

曜(彼女の優勝を阻止するためには、千歌ちゃんを勝たせるしか方法がない)


曜(だから、私と梨子ちゃんで、千歌ちゃんに勝ち星をあげさせる…!)

曜(そして、鞠莉さんの陰謀を打ち砕く…!!)

580: 2017/03/08(水) 22:24:56.43 ID:gIm4vFl2.net
曜(……いいね! 主人公をサポートする、脇役!)

曜(私らしいポジションだ!)

曜(よーし! すぐにここから飛び出て、千歌ちゃんを捜しにいくよー!)


ガラララ








鞠莉「オー! ナイスタイミングね!」

曜「っ!? ま、鞠莉さん!!」


曜(さ、最悪だ…)

曜(まさか転送先の教室近くに、鞠莉さんがいるなんて……!)

581: 2017/03/08(水) 22:31:28.86 ID:gIm4vFl2.net
曜「っ………」

鞠莉「ふふ。そんなに身構えなくてもいいのよ」

曜「……また、私を苦しめて、頃す気なんですよね…」

鞠莉「そうねー。それもいいけど」



鞠莉「でも今回は、会話を楽しんでから、頃したいわね」

鞠莉「やっと、あの2人に会えたことだし…!」

曜「え? 2人…?」





果南「っ…」

ダイヤ「………」


曜「か、果南ちゃんに、ダイヤさん!?」

582: 2017/03/08(水) 22:42:01.38 ID:gIm4vFl2.net
曜(な、何この状況…)

曜(鞠莉さんと、果南&ダイヤが、にらみあってる…!?)

曜(今にも頃し合いが始まりそうな空気…! 私だけ完全にアウェーだよ…)



ダイヤ「………最悪の状況ですわね」

ダイヤ「まさか、転送された教室のすぐ近くに、鞠莉さんがいるとは…」

鞠莉「いやー。偶然会えて、よかったわ!」

ダイヤ「……本当に『偶然』なのですかね…」

鞠莉「そんなこと、今はどうだっていいのよ!」


鞠莉「私が近づくなり、すぐに逃げていくダイヤと果南を、ようやく捉えられたのよ…!」

鞠莉「これだけで、奇跡と呼べるわ…!!」

ダイヤ「……鞠莉さんにとっての奇跡とは、いとも容易く起きてしまうものなのですね…!」

鞠莉「ふふっ。そうよ! 私が『世界』だもの!」


曜「世界………」

583: 2017/03/08(水) 22:49:27.17 ID:gIm4vFl2.net
鞠莉「………千歌は、もう8ポイントなのね…」

鞠莉「あーあ。ついにポイント数で千歌に負けちゃったわ」

鞠莉「………でも、今ここに揃ってる獲物を仕留めれば…」

鞠莉「私は9ポイント…! 優勝に、王手をかけるわ…!」

曜「!?」





ダイヤ「曜さん。残念ながら、あなたも鞠莉さんの標的となってしまいましたね」

曜「……うん」

ダイヤ「そこで曜さん。私たちから、一つ提案があります」

曜「提案…?」

ダイヤ「………」



ダイヤ「鞠莉さんを倒すため、私たちと一時的に共闘しましょう…!」

曜「っ!!」

584: 2017/03/08(水) 22:58:37.07 ID:gIm4vFl2.net
曜「私が、2人と組む…!?」

ダイヤ「鞠莉さんを倒すためには、この方法が一番だと判断しました」

曜「え…? ダイヤさんは私の能力を知りませんよね?
なんで、そんなことを言えるんですか…?」

ダイヤ「そうですわね……。それは………」

果南「私たちは、曜を信じてるんだよ」

曜「私を……」

ダイヤ「まあ、例えロクでもない能力だったとしてと、私たちが使いこなしてみせます」

曜「………」



曜「……わかりました。2人と、組みます…!」





鞠莉「ふふふ…。どう足掻こうと、結果は同じなのにね……」

585: 2017/03/08(水) 23:08:01.68 ID:gIm4vFl2.net
ダイヤ「………で、曜さんの能力は何ですか?」

曜「私の能力は、触れた相手を即氏させる能力です」

果南「え、即氏!?」

ダイヤ「思いのほか、強い能力でしたね…」



曜「………あの。私たちで、鞠莉さんを倒せるんですか…?」

曜「鞠莉さんの能力は、殺人的に強力ですよ…?」

ダイヤ「倒せる保証はありません。確率も、少数以下の話となるでしょう」

ダイヤ「鞠莉さんの能力は、私たちの想像を簡単に超えてくるでしょうから」


果南「……でも、こっちは曜がいるし、大丈夫だって!」

曜「え、私!?」

ダイヤ「触れるだけで即氏できる。……この能力があれば、私たちにはまだ、勝機はあります…!」

586: 2017/03/08(水) 23:14:40.46 ID:gIm4vFl2.net
ダイヤ「作戦名は、『人間ロケット』です!」

曜「既に物騒だね!?」


ダイヤ「まずは、果南さんが曜さんをぶん投げます」

曜「ええ…。もうフラグ回収したよ…」

果南「よしっ! 任せておいて!」


ダイヤ「投げる方向は、私が指示します」

ダイヤ「鞠莉さんの動きを分析し、発射時点で誤差0mmのデータを叩き出しますわ」

587: 2017/03/08(水) 23:23:50.25 ID:gIm4vFl2.net
ダイヤ「そして、この作戦の要である、曜さん」

ダイヤ「曜さんは、果南さんに投げられた後、ただ手を伸ばすだけでいいです」

曜「え…? 私はそれだけ…?」

ダイヤ「あなたは鞠莉さんに、『触れる』だけでいいのですから、何も考える必要はありませんわ」

曜「そ、そっか…」

曜「一番重要だけど、一番楽な仕事なんだ……」


ダイヤ「………しかし、一切のミスは許されませんわ」

ダイヤ「この作戦は一度きり。やり直しは効かないでしょう」

ダイヤ「なぜなら、この作戦が成功しようが失敗しようが、
その時には私たちは間違いなく、氏んでいますから」

曜「っ!?」

588: 2017/03/08(水) 23:29:08.65 ID:gIm4vFl2.net
鞠莉「もう作戦会議は済んだかしらー? 私、さっきから暇を持て余してるのよー?」



ダイヤ「曜さん。あなたは飛ばされている最中に、氏ぬでしょう」

曜「っ…」

ダイヤ「ですが、焦らないでください」

ダイヤ「あなたはただ、『触れる』だけでいいんです」

曜「………はい」





ダイヤ「…………さて、準備は整いました」

ダイヤ「作戦を………施行しますっ!!」

590: 2017/03/08(水) 23:31:46.61 ID:gIm4vFl2.net
ダイヤ「まず、果南さんは曜さんを、投げやすい持ち方で持ってください」

果南「投げやすい持ち方…。こうかな?」

591: 2017/03/08(水) 23:35:11.38 ID:gIm4vFl2.net
ダイヤ「次に、鞠莉さんの正確な位置を、果南さんに伝達します」

ダイヤ「そして最後に………」


曜「私が、ぶん投げられる…」

ダイヤ「Yes! 頑張ってください!」

592: 2017/03/08(水) 23:38:02.31 ID:gIm4vFl2.net
果南「………いくよ?」

曜「………うん!」



ダイヤ「人間ロケット、発射ですわぁぁぁぁぁ!!!」





果南「ぉらあああぁぁぁぁぁ!!!!!」ビュンッ!!!


曜「ぅうっ!?!?!?」

593: 2017/03/08(水) 23:40:20.67 ID:gIm4vFl2.net
曜(うぅ…! すごい速度で飛ばされてる…!!)

曜(……意識が、とんじゃいそう…………)


曜(……だ、だめだめ! しっかりしないと!)

曜(私が、この作戦の、要なんだから……!!)



曜(そうですよね? ダイヤさん。果南ちゃん…?)

596: 2017/03/08(水) 23:46:56.23 ID:gIm4vFl2.net
ダイヤ「    」

果南「  」




曜(…………………………………)

曜(あれ……? 2人が、いない……?)

曜(………ああ。お腹から上が、吹っ飛んでるだけか…)

曜(2人は既に、殺されたんだ……)








ボトッ

曜(………ん? 何かが落ちた音だ……)

曜(何が、落ちたんだろう………?)

曜(……………あれは、誰かの下半身……?)

曜(千切れた下半身が、床に落ちたんだ……………)

曜(…………一体、誰の下半身何だろう……?)

曜(…………………………………)

597: 2017/03/09(木) 00:00:09.76 ID:sRjXukHh.net
曜(私のだ)

曜(私の下半身が、取れたんだ……)


HP 0


曜(あぁ…。私も、殺されてたんだ……)

曜(鞠莉さんまで、あと少し……)

曜(私が、転送されるまでが、勝負だ……)

曜(私が鞠莉さんに触れたら、私たちの勝ち………。
触れられなかったら、鞠莉さんの勝ち………)


曜(………でも、大丈夫…)

曜(今、私は、ちょうど鞠莉さんの正面に、飛んでいる……!)

曜(これなら、確実に触れる……!)


曜「勝った……。私たちの、勝ち…」





鞠莉「………と、思うでしょ? でも違うのよね!」



曜「っ………」


曜(着ていた服で、ガードした…?)



鞠莉「私の『所持品』に触れただけじゃ、私を殺さないわよねー!?」

鞠莉「あとちょっとのところなのに、残念だったわね!」

曜「………」

598: 2017/03/09(木) 00:03:54.03 ID:sRjXukHh.net
鞠莉「さーて。これで9ポイントだから、あと1人殺せば優勝!」

鞠莉「シャイニー!!! すべては順調よー!
ここまで順調だと、何か途轍もないことが起こるんじゃないかって不安になってくるわね!」





ゴソッ

鞠莉「!?」

599: 2017/03/09(木) 00:12:06.24 ID:sRjXukHh.net
鞠莉「………今、曜の氏体が、動いた…!?」

鞠莉「い、いや、そんなこと、あるわけな………」





鞠莉「…………………………………あれ?」

鞠莉「………HPはとっくに尽きてるのに、どうして曜の氏体は転送されてないのっ…!!?」

鞠莉「氏んだ人間は、すぐにどこかへ転送されるはずなのに…!!」

鞠莉「ど、どうして!? Why!! どうなってるの……!??」








曜「っ…………はぁ……………………」ゴソッ


鞠莉「っ!!?」

鞠莉「動いてる…!? HPが無くなってもなお、動いている……!?」



曜「っ……ぅっ……………ぁ、くっ…………………………」


鞠莉「ぞ、ゾンビ…! 氏んでもなお、生きようとするこの執念……!!」

鞠莉「何が、曜の身体を、突き動かしているの……!!?」

600: 2017/03/09(木) 00:16:23.07 ID:sRjXukHh.net
曜「…………っ………はぁ…………………ぅっ…………………」



(絶対に、勝たなきゃ……)



曜「ぁ………ぅぅ……………っぁ…………くっ………………」



(鞠莉さんを、倒さなきゃ……)



曜「はぁ……………っぁ………ぅぅっ………ぐぁっ…………………」



(千歌ちゃんのために……)



曜「………………………千歌、ちゃんの…………ため、に…………!」

601: 2017/03/09(木) 00:19:38.96 ID:sRjXukHh.net
曜「千歌、ちゃんを……………ゆう、しょ………………させ、……」

曜「……の、ために…………………まり、さ…………ん……を、たお………………し………………て……」

曜「まり、さん………………の、……………ぽい……ん…………と、を……………………減ら……………し……………」



鞠莉「う、うわあああああああ!!?!?」

鞠莉「」

602: 2017/03/09(木) 00:20:36.21 ID:sRjXukHh.net
曜「千歌、ちゃんを……………ゆう、しょ………………させ、……」

曜「……の、ために…………………まり、さ…………ん……を、たお………………し………………て……」

曜「まり、さん………………の、……………ぽい……ん…………と、を……………………減ら……………し……………」



鞠莉「う、うわあああああああ!!?!?」

鞠莉「テケテケみたいに、歩いて来ないで……!!!」

604: 2017/03/09(木) 00:26:01.63 ID:sRjXukHh.net
曜「千歌、ちゃんを…………………………」

曜「千歌ちゃんを……………千歌ちゃん、を…………………」

曜「千歌ちゃんを、千歌ちゃんを…………」

曜「千歌ちゃんを………千歌ちゃんを、千歌ちゃんを……………………千歌ちゃんを………千歌ちゃんを………………………千歌ちゃんを…………千歌ちゃんを……………………………」



曜「千歌ちゃんを……………勝たせ、るんだ…………………!!!」








グチャ





曜「……………………………………………………………………」

曜「………ちか、ちゃ………ん…………………………………」


シュィィィン

605: 2017/03/09(木) 00:29:31.63 ID:sRjXukHh.net
鞠莉「はあ、はあ、はあ、はあ、はぁ……………」

鞠莉「………まさか、私が『直接』手を下すことに、なるとはね……」

鞠莉「渡辺曜……。氏んでもなお、揺るがないその執念…………」

鞠莉「敵ながら、天晴れだわ………」





鞠莉「………………いよいよ、ね」

鞠莉「最終対決が……、いよいよそこまで迫っているわ………!」

618: 2017/03/09(木) 16:16:04.14 ID:sRjXukHh.net
ズドドドドドドドドドドドドドドドッッッ!!!!!





千歌「風遁・螺旋手裏剣!」クルクル!



ピュロロロロ!!!



千歌「月牙天衝!!」スパーン



シュドドドドド!!!



千歌「ゴムゴムの銃!!!」ビヨーン



シュルルルルル!!!



千歌「かめ は め波ぁぁぁ!!!!!」ビビビビ



チュドォォォォォォォン!!!!!

619: 2017/03/09(木) 16:24:05.70 ID:sRjXukHh.net
千歌「はあ はあ はあ はあ …………」

千歌「…………やったか……?」





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


梨子「ふふふ…」



千歌「なっ!? まだ、生きてる…!」

千歌「あれだけの攻撃を、すべて躱したっていうの……!?」


梨子「私の能力は、マインドスキャン…」

梨子「千歌ちゃんが何を『思った』か、すべてお見通しよ……!」





『第8話 桜内、氏す』

621: 2017/03/09(木) 16:33:27.55 ID:sRjXukHh.net
千歌「考えていることを、読み取る能力…!?」

梨子「そうよ。千歌ちゃんが何を『考え』何を『思った』のか、
私にはすべて、見えているの」

千歌「だから、私の攻撃が全く当たらなかったんだね……」

梨子「そういうこと♪」



千歌(私の能力は、思い通りになる能力…)

千歌(でも梨子ちゃんは、私の『思い』を見て読み取り、どんな攻撃でも回避してしまう…)

千歌(……ここにきて、こんなにも『思い通りにならない』状況に陥るなんて…!)

622: 2017/03/09(木) 16:46:28.41 ID:sRjXukHh.net
梨子「……ふーん。そっか~」

梨子「千歌ちゃんは、そういう趣味があるんだね~」

千歌「な、何?」

梨子「……私ね。この能力を手に入れてから、まず最初にしようと思っていたことがあったの」

千歌「…………何を、しようと思ったの?」

梨子「千歌ちゃんの心の中を覗くこと!」

千歌「え」



梨子「いやー。千歌ちゃんはすごいねー」

梨子「心を読んでいるだけで、こんなにも幸せになれるなんて…!」

千歌「えっ…?」

梨子「はぁ…! はあぁ……!!!」

千歌「な、何なの!? 梨子ちゃん怖いよ!!」





梨子「いいねいいね…! ありのままの千歌ちゃん……!!」

梨子「千歌ちゃんの思考や嗜好が、私の中に入ってくるぅ…!!!」


梨子「自分より胸の大きい人がいたら、つい見ちゃったり…」

梨子「湯船に浸かったときに、自分のふくらはぎを触って興奮したり…」

梨子「プールに入ったあとはそのまま………」


千歌「うわぁぁぁぁぁ!!?!? やめてーーーーーーー!!!!!」

623: 2017/03/09(木) 17:01:19.10 ID:sRjXukHh.net
梨子「……………と、まあ、ここまで話したところで、そろそろ本題に入ろうか」

千歌「え……? 本題…………?」



梨子「千歌ちゃんには、10ポイントを獲って優勝してもらうわ」

千歌「ええっ!? どうして梨子ちゃんが、そんなことを…?」


梨子「………色々と訳あって、鞠莉さんの優勝を阻止しなくてはならないの」

梨子「そのために、優勝の可能性を秘めた千歌ちゃんに、このゲームを制してもらいたいの」

千歌「え……、えっと………」



千歌「……つまり、私を応援してくれるってこと?」

梨子「うん。そういうこと」

千歌「じゃあ私たち、仲間?」

梨子「いいえ。敵同士よ」

千歌「ええっ!?」

624: 2017/03/09(木) 17:08:34.45 ID:sRjXukHh.net
梨子「千歌ちゃんにはまず、私を倒してもらうね」

千歌「なんで!? 梨子ちゃんは、私に協力してくれるって……」



梨子「私を倒せば、千歌ちゃんに1ポイント入る」

梨子「そうして、優勝へと、一歩ずつ近づいていくの」

梨子「………これが、私のできる最大限の応援…」



梨子「……だから! 千歌ちゃん! 私を倒して、前に進んで…!!」

千歌「梨子ちゃん……」





千歌(最初のバトルの件は必要だったのかな…?)

625: 2017/03/09(木) 17:15:41.30 ID:sRjXukHh.net
千歌「それじゃあ、いくよ…?」


ピピッ

ピピピピピピピピピピピピピピピ………





梨子「千歌ちゃん」

梨子「私は氏んだ後、またすぐに戻ってくるよ」

梨子「そしたら、もう一回私を頃して……」

梨子「そうすれば……。このゲームは、終わる…………」


千歌「……うん」


梨子「絶対に、戻って来るからね…?」

梨子「だから、ここで待ってて………!」


千歌「うんっ…!」











スドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンンンンンンンンンッッッッッ!!!!!!!!

626: 2017/03/09(木) 17:20:05.36 ID:sRjXukHh.net
千歌「…………………………………」



千歌(………ついに、終わる…)

千歌(長かったこのゲームが、終わるんだ……)

千歌(私の、優勝で…………)

千歌(………………………………………)



千歌「本当に……これでいいのかな…?」








「やっぱり、よくないわよねーーーーーーーーー!!!!!!!!!」


千歌「!?」

627: 2017/03/09(木) 17:29:09.54 ID:sRjXukHh.net
千歌「ま、鞠莉さん…!」


鞠莉「やっぱりよくないわよね!」

鞠莉「こそこそとポイント集めをして、優勝するなんて…!!」

千歌「………」

鞠莉「こういうのは、因縁の対決を制して優勝をもぎ取るっていうのが燃える展開なのよ!!」

鞠莉「千歌も、そう思っているんでしょう?」

千歌「………そうですね」



千歌「今は、優勝したいって気持ちよりも、あなたを倒したいって気持ちの方が大きい…!」

千歌「私は、鞠莉さんを倒したい……!!」

鞠莉「Good! よく言ったわ、千歌! それじゃ、バトルを始めましょう!!」

628: 2017/03/09(木) 17:33:48.96 ID:sRjXukHh.net
千歌「………」


千歌(……ごめんね、梨子ちゃん)

千歌(私のために協力してくれるって言ってたのに、裏切っちゃって…)

千歌(………でも、安心して)

千歌(私は鞠莉さんを倒して、必ず優勝を掴んでみせるから………!)





鞠莉「卑怯な能力者同士、最後は正々堂々とバトルしましょう!」

千歌「………はいっ!」




千歌 9ポイント
鞠莉 9ポイント

638: 2017/03/09(木) 21:56:27.34 ID:sRjXukHh.net
いよいよ、私と鞠莉さんの最終決戦が始まる!

………と思ったら、鞠莉さんからこんな提案が!





鞠莉「ねえ千歌。私たちの能力を、決め直さない?」

千歌「決め直す…?」


鞠莉「このまま闘ったとしても、千歌が防御に徹すれば、
お互いに相手を攻撃することができなるでしょ?」

鞠莉「そんなグダグダ展開になるのは見えているから、
いっそのこと、新しい能力に変えちゃいましょう!」

千歌「え……? 能力ってそんな簡単に変えられるの…!?」

鞠莉「ええ! 安価で決めるだけだもの!」

千歌「安価…」

639: 2017/03/09(木) 21:59:54.14 ID:sRjXukHh.net
鞠莉「千歌は、新しい能力に変更することに、異論はないわね?」

千歌「……そうですね。今の鞠莉さんには勝てる気がしませんし」

鞠莉「オーケー! それじゃあいくわよっ!!」



鞠莉「安価、スタートォ!」



鞠莉の能力>>640
千歌の能力>>642

640: 2017/03/09(木) 22:00:11.10 ID:6rb+eRL/.net
UBW

642: 2017/03/09(木) 22:04:53.09 ID:/++hvyjs.net
目の前の人間を100パーセント八つ裂き

648: 2017/03/09(木) 22:35:42.28 ID:sRjXukHh.net
鞠莉「無限の剣製〈アンリミテッド・ブレイドワークス〉……!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………


千歌「!?」

千歌(グラウンドが、突然荒野になった…!? 世界が、一変した…!)

千歌(この感覚、前にも体験したことあるっ! 確か、善子ちゃんの能力を喰らったときに感じた、あの感覚……)



鞠莉「UBW…。これが、私の固有結界よ…!」

鞠莉「この世界では、私がイメージした武器を具現化できるのよ!」

鞠莉「千歌っ! ここで八つ裂きにして、頃してあげるわっ!!」

千歌「………」





「……その言葉、そっくりそのままお返しします」



ズバッ! ズバッ!! グサッ!!!



千歌「目の前の人間を100%八つ裂きにする……」

千歌「これが私の、新たな能力ですっ!!」





鞠莉「……………う、嘘、でしょ……?」


HP 0


鞠莉「わ、私が………! 負ける、なんて……………!?」

649: 2017/03/09(木) 22:44:28.03 ID:sRjXukHh.net
鞠莉「私の、負…………け………………………?」

鞠莉「………………ありえない……」

鞠莉「ありえないありえないありえないあらえないありえない……!」



千歌「鞠莉さん。あなたの負けです」



鞠莉「違うっ! 違う違う違うっ!!!」

鞠莉「私は、負けないわ! 絶対に、勝たなきゃいけないのよっ!!」

鞠莉「ママに、会うために………! 私は勝たなきゃいけないのっ!!」

ガチャッ


千歌「っ!? 銃が出てきた?!」

鞠莉「さあ…………氏になさいっ! 千歌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」





バンッ!!!!!

650: 2017/03/09(木) 22:52:39.53 ID:sRjXukHh.net
……………………………………………………………………………





鞠莉「…………な、なんで……」


善子「全く、鞠莉は往生際が悪いわね」

千歌「善子ちゃん!?」


ルビィ「ひぃ…。銃で撃たれたの、初めてだよ…」

千歌「ルビィちゃんまで! どうして、2人がここに…!?」

善子「忘れたの? 私の能力は、『固有結界』よ」

善子「他人の固有結界に侵入するなんて、朝飯前だわ!」





鞠莉「……………」

千歌「……鞠莉さん」

鞠莉「…………わかってるわ。私の、負けよ……」

鞠莉「優勝は、千歌……あなたよ。おめでと、う……………」


シュィィィン


千歌「ま、鞠莉さぁぁぁん!!!」

651: 2017/03/09(木) 22:54:07.85 ID:sRjXukHh.net
……こうして、長きに渡った醜い能力バトルは、
私の優勝で幕を下ろしたのだった。

653: 2017/03/09(木) 23:02:16.79 ID:sRjXukHh.net
現実世界


鞠莉「………これが、ドラゴンボールよ」

千歌「わぁ…。すごい…!」

鞠莉「私を倒して優勝したんだから、変なお願い事をしたら承知しないわよ!」

千歌「うん! わかってるよ」



曜「千歌ちゃんは、神龍に何をお願いするの?」

千歌「んー。そうだなー。私の願いは……………」



「これからも9人で、ずっと仲良くすごしたい…!」

657: 2017/03/09(木) 23:14:16.58 ID:sRjXukHh.net
鞠莉「……千歌。『出でよ、神龍!』って唱えて、早く神龍を呼び出しなさい」

千歌「うん! ………出でよ、神龍!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…





善子「き、きた…!」

千歌「あれが、神龍…!!」



神龍『………なんや? お願い事か? それなら早よ言い』

千歌「ええ!? めちゃくちゃ関西なまり!!」

神龍『ん? だぁれもお願い事ないん? それならうち、帰るな~』

千歌「ち、ちょっと待って! 今から、願いを言います!」

658: 2017/03/09(木) 23:16:54.88 ID:sRjXukHh.net
千歌「………………………………」





千歌「……これからも、ずっと9人で…」

「千歌ちゃんのパンティをくれーーー!!」

千歌「っ!?」

659: 2017/03/09(木) 23:25:09.64 ID:sRjXukHh.net
曜「ふふふふ…。勝ったよ……」

曜「私の方が先に言ったから、私の願いが叶う! わーい、ばんざーい!」

千歌「よ、曜ちゃん!?」

ダイヤ「人の願いを奪うとは、最低ですわ!!」

梨子「しかも童Oくさい!」


曜「ふふふ! 何とでも言うがいい!」

曜「千歌ちゃんのパンティが貰えれば、私はもう満足………」



神龍『いやー……。パンティとか、恥ずかしいやん……////』

神龍『だから、うちはもう帰るわ。ほなな~』



曜「……え?」

曜「ええええええええええええええええええええええええ!!!!?!?!」


果南「これは酷い…」

花丸「自業自得ズラ」

ルビィ「曜さんってそういうとこあるよね…」

660: 2017/03/09(木) 23:35:02.42 ID:sRjXukHh.net
千歌「………」

曜「ち、千歌ちゃん…? 私のこと、怒ってる……?」

千歌「………怒ってないよ」

曜「ほんとに…?」

千歌「うん怒ってないから、うん」

曜「顔が引きつってるけど!?」



善子「………ねえ。あの神龍って本物だったの?」

ルビィ「関西弁だったし…」

鞠莉「本当に決まってるじゃない!」

鞠莉「クソソソって言う人から譲り受けたドラゴンボールなんだから!」

千歌「クソソソって誰!?」

ダイヤ「最初から胡散臭い話だとは思っていましたが…」

梨子「まさか、こんなオチだなんて…」

果南「………今日はもう帰ろっか」


9人は解散し、疲れ切った表情のまま家に帰った。

662: 2017/03/09(木) 23:41:19.84 ID:sRjXukHh.net
数日後


美渡「千歌ー。千歌宛てに荷物届いてるぞー」

千歌「うん、ありがと」



千歌(差出人が書いてない……。誰からの荷物だろう…?)


ビリビリビリ

パカッ


千歌(下着…? …………あ、手紙が付いてる)

663: 2017/03/09(木) 23:45:56.88 ID:sRjXukHh.net
『千歌ちゃんに似合うと思って選んでみたで!
かわいいパンティやん!

               神龍』


千歌「ええ…。私にパンティを送ってきたの…!?」





千歌「……んー。試しに履いてみたけど、なんか………………………」



「落ちつかないなぁ」

664: 2017/03/09(木) 23:49:32.52 ID:sRjXukHh.net
おわり





最近キングカメカメハを調べる機会があってそれでかめかめ波と勘違いしてましたすみません

665: 2017/03/09(木) 23:50:45.26 ID:NLe7SiO5.net
どこぞのスピリチュアル神龍なんだ…
おつ楽しかった

667: 2017/03/10(金) 00:06:15.85 ID:TUtTWypE.net
突然のスピリチュアルさん

引用元: 千歌「仮想世界で能力バトル?」