1: ◆b2/ys3/tgw 2014/10/30(木) 09:05:14.71 ID:knXNpVTeo

  何時からでしょうか、貴女が泣かなくなったのは

  何時からでしょうか、貴女が此方を振り向かなくなったのは

  何時からでしょうか、貴女が私を必要としなくなったのは

  貴女の残した暖かさに、遠く小さくなるその背中に

  一抹の寂しさを、覚えるようになったのは



2: 2014/10/30(木) 09:08:22.72 ID:knXNpVTeo

3: 2014/10/30(木) 09:09:21.84 ID:knXNpVTeo

  貴女は言いました

  私はプロデューサーが好きだ、と

  だから私は、プロデューサーの為に頑張る、と

  私はその言葉を聞き、嬉しく感じたことを覚えています

  私を真っ直ぐに見つめる貴女の目

  其処には、確固たる意志が見えました

4: 2014/10/30(木) 09:11:19.72 ID:knXNpVTeo

  貴女は何時も強がります

  私は完璧だ、私なら何でも出来る、と

  強がりと言うと、少し違うのかもしれません

  貴女は、そう言えるだけの実力を持っていましたから

  しかし貴女自身は、そうは思っていないようでした

5: 2014/10/30(木) 09:12:52.21 ID:knXNpVTeo

  貴女は何時も自分に言い聞かせていました

  舞台袖で、何度も何度も

  私は完璧だ、私は完璧だ、と

  本当はこう、言うべきなのでしょう

   あんなに練習したんだから、完璧だ

   大丈夫、私は完璧だから

  その言葉は虚言というより、願望に近いものでした

6: 2014/10/30(木) 09:13:28.57 ID:knXNpVTeo

  貴女はそう言って、何時も自らを奮い立たせます

  しかし私には貴女が、自ら首を絞めているように思えました

  私は完璧だ、その裏には言葉が隠れていました

   私は完璧でなければならない

   完璧にならなければならない

  さらに、それらの言葉の頭にもう一言

   プロデューサーの為に

7: 2014/10/30(木) 09:14:19.74 ID:knXNpVTeo

  貴女は何時も、言葉通りに仕事をこなしました

  本当は貴女は、冗談半分に聞いて欲しかったのかもしれません

  実際、その言葉を本気にする人は多くありませんでした

  悪い意味ではありません

  皆、貴女が失敗しても構わない、そう思っているのですから

  寧ろ、貴女の失敗を許さない人など、貴女の周りには居ません

  貴女の失敗を許さないのは、


  貴女自身、唯一人でした

8: 2014/10/30(木) 09:14:59.75 ID:knXNpVTeo

  貴女は何時も、周りの期待に応えます

  努力しているのですから、当たり前です

  周りの人は次第に、貴女が期待に応えてくれると認識します

  彼女なら良い仕事をしてくれるだろう、と

  しかし貴女はそうは思いません

  自らに自信が無く、毎回何とか乗り切ったと考えます

  周りの期待は高く、重くなるばかり

  貴女は期待に潰されそうになっていました

9: 2014/10/30(木) 09:16:43.84 ID:knXNpVTeo


  そんな時

  貴女は初めて、仕事で失敗をしました


12: 2014/10/30(木) 17:48:48.51 ID:knXNpVTeo

  撮影での、ほんの些細な失敗

  焦る貴女は更に失敗を繰り返します

  厳しい監督の怒鳴り声

  

  貴女は、まるでこの世の終わりであるかの様な顔をしていました

13: 2014/10/30(木) 17:51:41.58 ID:knXNpVTeo

  その後貰った休憩で、貴女はずっと俯いていました

   やってしまった、やってしまった

  何度も、呟きました

   私は、完璧じゃないといけないのに、

  何度も、何度も、

   完璧じゃないと、完璧じゃないと

  そう一人、呟いていました

14: 2014/10/30(木) 17:53:22.14 ID:knXNpVTeo

  私は貴女に、声をかけました

  失敗など、誰にでもあることだ、と

  気にしているのは、貴女だけなのだ、と

  そう言うと、貴女は私に飛びついてきて、泣きます

  ありがとう、と

  私は頑張る、と

15: 2014/10/30(木) 17:54:26.02 ID:knXNpVTeo

  しかし今回はそうはなりませんでした

  ただ黙って私の言葉を聞き流します

   ああ、私ではもう駄目なのだ

  私は理解しました

  貴女の心の拠り所はもう、私ではないことを

16: 2014/10/30(木) 17:55:05.35 ID:knXNpVTeo

  私は急いで探しました

  貴女を助けられる存在を

  貴女の今の、拠り所を

  私は怒っていました


  貴女の思い人は、何をしているのだ、と

17: 2014/10/30(木) 17:56:29.03 ID:knXNpVTeo

  先程の撮影現場で、談笑している集団がいました

  監督やスタッフに混じり、プロデューサーが笑っていました

  楽しそうに、笑っていました


  気が付くと私は、プロデューサーの頬を叩いていました

18: 2014/10/30(木) 17:57:19.37 ID:knXNpVTeo

  私の仲間が傷ついているのに、なんだ

  私の友達が泣いているのに、なんだ

  私の親友が苦しんでいるのに、なんなんだ、お前は

  私には何もできないのに、貴方には、彼女を救うことが出来るのに

  貴方にしか…できないのに、何故


  何を言ったのかはあまり覚えていません

  ただ、酷く腹立たしく、悲しかったのです

19: 2014/10/30(木) 22:10:46.72 ID:knXNpVTeo

  気がづくと私は、スタッフに取り押さえられていました

  涙が出ていました、汚い言葉も出ていました

  心の内をすべて、吐いていました

  プロデューサーは鼻血を垂らして、こちらを見ていました

  ぽかんと口をあけて、倒れていました

20: 2014/10/30(木) 22:11:35.74 ID:knXNpVTeo

  私は、理解しました

   この人は何も、知らないのだ

   貴女の苦しみも何も、この人は知らないのだ

  なんだか、気が抜けました

  拘束を解いてもらい、プロデューサーを連れてその場を去りました

  貴女の話をするためです

21: 2014/10/30(木) 22:12:31.26 ID:knXNpVTeo

  プロデューサーは、驚いていました

  貴女はよっぽど強がっていたのでしょう

  プロデューサーに弱さを見せたくなかったのでしょう

  彼は言いました

   そんなことを考えていたなんて

   完璧である必要なんてないのに

  彼の表情は驚き、焦り、さらに心配へと変わりました

   すぐに、行かないと

  私も、同意見でした

22: 2014/10/30(木) 22:13:26.98 ID:knXNpVTeo

  扉のしまる音

  数分の静寂

  その後の、泣き声

  私は扉の外で、聞いていました

  安心するとともに、少し、寂しいような気もしました

23: 2014/10/30(木) 22:14:14.18 ID:knXNpVTeo

  出てきた貴女の目は赤く、優しくなっていました

  貴女がようやく肩の荷を下ろせたのかと思うと、ほっとしました

  貴女は一言、私に言いました

  ありがとう、と

  その一言に私は、涙が止まらなくなりました

  その一言に、貴女の安心と

  私との別れの意味も込められている気がしたからです

24: 2014/10/30(木) 22:14:44.90 ID:knXNpVTeo

  私も、プロデューサーに言いました

  ありがとう、と

  私にはできないことを、してくれて

  響のことを、助けてくれて


   響のことを、大切に、してあげてください


  プロデューサーはこくりと、頷きました
  
  私の役目は、ここまでだと、理解しました

  外では雪が、溶けはじめていました

25: 2014/10/30(木) 22:18:52.51 ID:knXNpVTeo

  数週間後、貴女はオーディションを受けました

  ドラマの主役を決める、大事なオーディションです

  そこには貴女と私の他、水瀬伊織も参加していました

  久しぶりに見た貴女の顔は、笑顔でした

  何も考えていないわけではない

  でも、何かを負っているわけでもない

  とても良い、清々しい笑顔でした

26: 2014/10/30(木) 22:19:41.00 ID:knXNpVTeo

  結果として受かったのは、水瀬伊織でした

  貴女はオーディションを落とされました

  しかし貴女は、以前とは違いました

  落ち込むことも、泣き喚くようなこともせず

  ただ、結果を受け止めていました

   私に勝つなんて、さすがは伊織だ

  その言葉は、笑顔は、自信に溢れていました

27: 2014/10/30(木) 22:21:33.65 ID:knXNpVTeo

   貴音も、凄かった

  ふと、貴女と話すのは久方ぶりだと気づきました

  そして、私は理解しました

  貴女に私は、必要なかったことに

  貴女が私を必要としていたのではなく

  私が貴女を必要としていたことに

  私に顔を見せなくなったあの日から、貴女は強くなりました

  心も、体も、精神も

  依存していたのは私だけだっ

「ちょっとまって!」

28: 2014/10/30(木) 22:23:27.52 ID:knXNpVTeo

静まった会場を突然割った声

その声の主は、この会場の主役だった

「自分には貴音が必要ないってどういう事さー!」

ざわめく会場

隣の男が、立ち上がろうとする女性、我那覇響を止める

「貴音のこと、親友だと思ってたのは自分だけだったのか!」

29: 2014/10/30(木) 22:23:59.27 ID:knXNpVTeo

響はステージの上の女性、四条貴音に向かって声を荒げる

「そんなことなら…挨拶なんて、頼まなかったぞ!」

響は半分、泣いていた

「響、待ってください」

そんな響とは対照的に貴音は、落ち着き、笑う

「まだ、続きがあります」

そう一言、響を嗜め、祝辞を続ける

「…だから、」

30: 2014/10/30(木) 22:24:30.19 ID:knXNpVTeo

  だから

  だからこの挨拶の話を持ち掛けられた時

  とても、嬉しかったのです

   貴音、お願いがあるんだ

  貴女は、頬を染めて言いました

   私の結婚式の挨拶をして欲しい

   仲間である、貴音に

   私の親友である

   私の一番の親友である貴音に

   挨拶をお願いしたい

  親友だと思っていたのは、私だけではありませんでした

  私だけが、貴女だけが互いを必要としていたのではなく

  互いが互いを、掛け替えの無い相手だと

  そう思っていたのです

31: 2014/10/30(木) 22:28:23.08 ID:knXNpVTeo

  改めて、響は私の親友です

  そして私は、響の親友です

  その親友が保証します

  響は優しく、明るく、楽しく、可愛らしい

  私の知る限り、いえ、私が知らない人達を含めても

  貴女に勝る人はいないでしょう

32: 2014/10/30(木) 22:29:48.92 ID:knXNpVTeo

  貴女が選んだ彼は、それはそれはいい人なのでしょう

  私も、彼はとてもいい人なのだと思います

  何故なら、そうでなければ13人分の我儘など聞けるはずがないからです

  これまで、私たちの我儘を聞いて下さり、ありがとうございました

  これからは、貴方の隣の女性の我儘だけを聞いてあげてください

  そして…

33: 2014/10/30(木) 22:30:22.10 ID:knXNpVTeo


…今、寧ろ大変そうだという声が聞こえましたが、続けます


34: 2014/10/30(木) 22:31:19.30 ID:knXNpVTeo

  そして、私達765プロのアイドルからの最後の我儘です

  隣の女性、響を、幸せにしてあげてください

  きっと響も、貴方のことを幸せにしてくれることでしょう

  時には失敗することもあるでしょう

  しかし、そんなときもへこたれず

  二人抱き合い、泣き合い、笑い合い

  貴方たちならその壁を乗り越えていけます

  何回転んでも、何回だって起き上がれます

  貴方たちなら、大丈夫です

  …長くなりましたが、之にて、祝辞とさせて頂きます

  二人とも、どうか末永く、お幸せに

35: 2014/10/30(木) 22:32:12.71 ID:knXNpVTeo

「たかねぇぇぇ!」

大きな拍手とともに会場を白い塊が横切る

「響、化粧が崩れてしまいますよ」

涙をボロボロと流し、貴音に抱き着く響

その笑顔には先程の怒りは微塵も感じられない

貴音もそれに応え、微笑む

36: 2014/10/30(木) 22:33:19.17 ID:knXNpVTeo

「響、戻らないと、新郎が寂しそうですよ」

新郎新婦席にぽつりと佇むプロデューサー

「そんなのいいさー」

「よくありません、貴女が待たせてしまったのですから」

例の約束のことを言っているのだろうか

渋々、響は離れる

37: 2014/10/30(木) 22:35:04.50 ID:knXNpVTeo

「響、結婚、おめでとうございます」

「へへへ…ありがとう、貴音」

駆け足で席に戻る響

貴音もステージから降り、席に戻る

「…貴音!」

貴音の背中に声をかける

振り返ると同時に、貴音の腕の中に塊が収まる

手で抱えられるほどの大きさの、花束

38: 2014/10/30(木) 22:36:26.25 ID:knXNpVTeo

ぶんぶんと手を振る響

新婦席の飾りが一つ、無くなっている

「次は、自分が!お祝いするからねー!」

貴音はクスリと笑い、手を振り返す

 結婚、おめでとう、響

スポットライトの当たる彼女は白く眩しく

まるで太陽の様に、輝いていた



おわり

40: 2014/10/30(木) 22:40:49.02 ID:knXNpVTeo
ちょっとつづきます

41: 2014/10/30(木) 22:46:56.24 ID:knXNpVTeo

「ああああああ……」

「小鳥さん、うるさいですよ」

「ブーケトスぅぅぅぅ……」

「小鳥さん、大丈夫でしょうか…」

「やよい、ほっときなさい」

42: 2014/10/30(木) 22:49:03.50 ID:knXNpVTeo

「音無さぁ~ん…」

「なんか同じようなのがもう一人いるの」

「美希ちゃんは平気なの?」

「ミキ?平気だよ?ちょっとだけ悔しいけど、響ならーって」

「そっか」

「えっと、今日で響が18ってことは、あずささんが23で小鳥さんが…」

「真ちゃん言わないでぇぇぇぇぇ」

「小鳥がかわいそうだから、雪歩、行ってあげてなの」

「あ、うん、そうだね」

43: 2014/10/30(木) 22:49:39.15 ID:knXNpVTeo

「あずささぁぁぁぁん真ちゃんがぁぁぁ…」

「音無君…」

「社長、お注ぎしますよ」

「お、おお、すまないねぇ律子君」

「いえいえ」

「律子君は飲まないのかい?もうお酒は飲めるんだろう?」

「はい、でも車で来たので」

44: 2014/10/30(木) 22:50:13.47 ID:knXNpVTeo

「りっちゃんが運転できないと亜美たち帰れないしねー」

「ねー」

「こーら、行儀悪いことしないのー」

「はっはっは!しかし、タクシー代くらい出すが、いいかい?」

「はい…ああはなりたくないですし」

「音無さぁぁ~ん…」

45: 2014/10/30(木) 22:51:09.21 ID:knXNpVTeo

「…音無さんとあずささん、大丈夫かしら…」

「あはは…そうだね…」

「それにしても、あんなブーケトス見たことないよ」

「あ、真、小鳥さんいじめはやめたの?」

「雪歩に止められちゃって」

「えへへ…」

46: 2014/10/30(木) 22:53:09.38 ID:knXNpVTeo

「確かに、あんな高速ブーケトス見たこと……ぶふっ…」

「あ、千早ちゃんツボっちゃった」

「しょうがないよ、ボクだって笑っちゃったもん」

「次は四条さんかぁ…」

「よりによって一番わからない人に…」

「ふ…ふふっ」

「で…あれ?その貴音さんは?」

「あれ本当だ、いないね」

「なんであれでブーケトス終わりなのよぉぉぉ…」

47: 2014/10/30(木) 22:57:01.85 ID:knXNpVTeo


「美希」

「ああ、貴音どうしたの?こんなところに」

「こちらの台詞です」

「ミキは、少し夜風に当たろうかなって」

「そうですか、では、私も」

「…うん」

48: 2014/10/30(木) 22:59:15.84 ID:knXNpVTeo

「星が、綺麗ですね」

「月も出てるの」

「少し、冷えますね」

「そうだね、寒いの」

「……」

「まだ秋なのに、すっごく、寒いの」

「そう、ですね」

「寒いよ……ハニー…」

「…」

49: 2014/10/30(木) 23:00:59.39 ID:knXNpVTeo

「あんた、響を泣かせたら承知しないんだからね」

「わかってる、もう二度と、響に寂しい思いはさせない」

「二度とって…あんたこの二年で何回響を泣かせたと思ってるのよ」

「うう…」

「響さん、助けなくていいんですかー?」

「うん、ほっといて大丈夫さー」

50: 2014/10/30(木) 23:02:07.29 ID:knXNpVTeo

「そうですか……はわっ!?」

「おやおやおや~さっそく夫婦の亀裂ですかにぃ」

「う~重いよ真美~」

「がんばって!やよいっち!あんたならできる!」

「亜美も意味わかんない~」

51: 2014/10/30(木) 23:03:32.40 ID:knXNpVTeo

「おい、亜美真美、怪我するなよー」

「ちょっとプロデューサー!聞いてるの!?」

「まあまあいおりん、その続きはまた今度でもいんじゃない?」

「そうそう、別に兄ちゃん、事務所辞める訳じゃないんだし」

「そ、それはそうだけど…」

「自分からも言っとくさー」

「それなら…いいんだけど…」

52: 2014/10/30(木) 23:04:18.75 ID:knXNpVTeo

「まあ少しだけ社長に休みをもらったけどな」

「え?そうなの?」

「ああ、二週間くらいだけど」

「そう…」

「おやおや~?もしかしていおりん、寂しいの~?」

53: 2014/10/30(木) 23:07:36.04 ID:knXNpVTeo

「ばっ…そんなわけないでしょぉー!」

「うあうあ~!いおりんが怒ったー!」

「ちょっと!亜美!真美!待ちなさーーーい!」

「こーーーらぁ!騒がないの!!」

「音無さぁぁん~」

「あずささぁぁぁぁん…」

54: 2014/10/30(木) 23:09:18.04 ID:knXNpVTeo

「なんだか、いつも通りって感じだな」

「ああ、そうだな」

「でも、それが一番、楽しい」

「ああ」

「一番それが、いい」

「ああ」

55: 2014/10/30(木) 23:11:00.09 ID:knXNpVTeo

「…プロデューサー」

「ん?」

「ごめんね?二年も、待たせて」

「いやいや、本当はまだ全然早いくらいだぞ?」

「そう?」

「せめて高校卒業してからでも…」

「そんなの、自分が待てないぞ」

「…そっか」

56: 2014/10/30(木) 23:11:56.77 ID:knXNpVTeo

「…プロデューサー…」

「どうした?」

「…えへへへ」

「何かおかしかったか?」

「もう、プロデューサーじゃなくていいんだ…」

「…ああ」

「もう、我慢しなくて…いいんだ」

「ああ」

57: 2014/10/30(木) 23:12:54.33 ID:knXNpVTeo

「ねぇプロデューサー…」

「好きだ」

「……ふぇ!?」

「俺も…大好きだ、響」

「……うん、自分も」

「自分も、幸せ、だぞ」

58: 2014/10/30(木) 23:13:52.69 ID:knXNpVTeo

「響…」

「あ…」

「……」





「って何してんだみんな」

「え?……ふぇ?」

59: 2014/10/30(木) 23:16:01.92 ID:knXNpVTeo

「あれ、止めちゃうの?」

「面妖な…」

「ほらー春香がごそごそうるさいからー」

「え、私のせい!?」

「私は何も、見てませんから」

「私もですぅぅ」

「千早お姉ちゃん、カメラ」

60: 2014/10/30(木) 23:16:39.46 ID:knXNpVTeo

「ま、いいんじゃないですか?夫婦なんですし」

「はっはっは、そうだねぇ」

「伊織ちゃんなにー?見えないよー」

「いおりーん、さすがにやよいっちも高校生なんだから」

「う、うるさいわね!」

「響ちゃぁぁぁんもう一回ブーケ投げてぇぇ」

「プロデューサーさんでもいいですから~」

61: 2014/10/30(木) 23:17:25.05 ID:knXNpVTeo

「…もおおおぉぉぉぉ!!!!」

「なぁ、響、響」

「え?なにさ…………」

「ん…」




「ぷは」




一同「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」パシャッパシャッ

62: 2014/10/30(木) 23:18:10.46 ID:knXNpVTeo

「響、幸せになろうな」

「もう、うるさい、皆、ばか」

「皆…」



「…大好き」



一同「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」パシャッパシャッシャシャッ



「もおおおおお!うるさぁーーーい!」



おわり

63: 2014/10/30(木) 23:19:51.64 ID:knXNpVTeo
すいません、前回からの続きで完全に自己満足です
読んでくれた人、ありがとうございます

65: 2014/10/31(金) 04:26:53.73 ID:0ZHOvP9Do
乙です

引用元: 貴音「響は太陽の如く」