431: 2017/11/21(火) 23:05:30.50 ID:eWdqW08oo
武内P「怖い体験、ですか」
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(1) (電撃コミックスEX)
432: 2017/11/21(火) 23:07:10.83 ID:eWdqW08oo
未央「そうそう、プロデューサーも怖いって思うのかなー、って」

武内P「それは、はい、ありますよ」

卯月「ええっ、そうなんですか?」

武内P「意外、でしょうか?」

未央「見た目的に、怖いものなしって感じだからねー!」

卯月「も、もう! 未央ちゃん!」

武内P「……」

433: 2017/11/21(火) 23:09:35.93 ID:eWdqW08oo
未央「ズバリ聞くけど、どんな怖い体験をしたの?」

武内P「あまり……思い出したくはないのですが」

未央「ありゃ、そんなに?」

武内P「……」

卯月「あの、でも……話して楽になる事ってあると思うんです」

武内P「島村さん?」

卯月「いつも助けてもらってるし、今度は私が助けになれたらなぁ、って……えへへ」

武内P「……」

434: 2017/11/21(火) 23:11:41.27 ID:eWdqW08oo
未央「こらこら二人共! 未央ちゃんの事を忘れちゃいませんかね!」

卯月「わ、忘れてないですよ~!」

武内P「……しかし、そうですね。島村さんの言う通りかもしれません」

卯月「プロデューサーさん?」

武内P「聞いて、いただけますか?」

未央・卯月「……」

未央・卯月「もちろん(です)!」


435: 2017/11/21(火) 23:14:31.07 ID:eWdqW08oo
武内P「……それは、貴女達ニュージェネレーションズの初ライブの後の事です」

未央「……もしかして、怖い体験って私のアレ?」

卯月「……アレ、なんですかね?」

武内P「そうですね、本田さんのあの発言には驚きましたが、その後です」

未央・卯月「……」

武内P「その……渋谷さんが全力で睨んできたのが、はい、とても怖かったですね」

未央・卯月「……」

武内P「……」

436: 2017/11/21(火) 23:17:34.98 ID:eWdqW08oo
未央「えーっと……ねえ、そんなに?」

武内P「あの時の光景をハッキリと思い出すだけで――」

卯月「……プロデューサーさん?」

武内P「」

卯月「プロデューサーさん? あの、プロデューサーさん!?」

武内P「――っぶは!……はぁ……はぁ……!」

未央「な、何……!?」

武内P「この様に、心臓が一瞬止まります」

未央「説明のために気軽に心臓を止めないで!?」

437: 2017/11/21(火) 23:21:46.25 ID:eWdqW08oo
卯月「あの……プロデューサーさんは凛ちゃんが怖いんですか……?」

武内P「いえ、そんな事はありません」

未央「でも、心臓が止まる程怖いんでしょ!?」

武内P「今は大丈夫なのですが、心の奥底にあの光景が恐怖として刻まれているようで……」

未央「トラウマになってるじゃん!」

卯月「でも、今の凛ちゃんは怖くないんですよね!? ねっ!?」

武内P「はい、なんとか大丈夫です」

未央「……なんとか」

卯月「……ですか」

438: 2017/11/21(火) 23:24:38.60 ID:eWdqW08oo
未央「そ、それじゃあさ! 他に! 他には無いの!?」

卯月「そ、そうです! 他にはないんですか!?」

武内P「……他に、ですか」

未央・卯月「……」

武内P「そうですね……あります」

未央「……ある」

卯月「……んですね」

439: 2017/11/21(火) 23:27:38.54 ID:eWdqW08oo
武内P「本田さんが事務所に来なくなり、島村さんが風邪を引いた時です」

未央「あ、もしかして!」

卯月「私まで辞めちゃうんじゃないかと怖かったんですか?」

武内P「それは……不安ではありましたが、恐怖とは違いますね」

未央・卯月「……」

武内P「その……お二人が休まれた時、渋谷さんに全力で怒鳴られたのが、怖かったですね」

未央・卯月「……」

武内P「……」

440: 2017/11/21(火) 23:30:42.20 ID:eWdqW08oo
未央「えーっと……また、しぶりん?」

武内P「あの時の光景をハッキリと思い出すのは……出来ません」

卯月「もしかして……怖くて記憶が飛んでるんですか!?」

武内P「いえ、そんな事は、決して」

未央「じゃ、じゃあどうして?」

武内P「その……今は、オムツを着用していないので」

卯月「漏らすほど怖かったんですか!?」

武内P「……その時は予め着用していたので……はい、事なきを得ました」

未央・卯月「……」

441: 2017/11/21(火) 23:36:04.14 ID:eWdqW08oo
卯月「あの……やっぱりプロデューサーさんは凛ちゃんが怖いんですよね……!?」

武内P「いえ、そんな事はありません」

未央「でも、怒鳴られたら漏らすんでしょ!?」

武内P「その状況にならない様、コミュニケーションは取っているつもりです」

未央・卯月「……」

未央「やばいよしまむー、めっちゃ気軽にとんでもない蓋を開けちゃったよ」

卯月「はい……数分前に戻って未央ちゃんを止めたいです」

未央「へへっ、私も♪」

卯月「……」

未央「……ごめん」

442: 2017/11/21(火) 23:41:46.19 ID:eWdqW08oo
未央「で、でもさ! 二人きりになっても平気みたいじゃん!?」

卯月「は、はい! クローネの話の時も、二人だったって聞きました!」

武内P「それは……はい、そうですね」

未央「な、なーんだ! じゃあ今は大丈夫なんだね!」

卯月「は、はい! 良かったー! 安心しました!」

武内P「二人きりの時は、意識を保てる様、こう、舌を噛んで――」

未央「全然大丈夫じゃない! 全然大丈夫じゃないよねそれ!?」

卯月「安心できる要素が一つも無いじゃないですかぁ!」

武内P「……」

未央・卯月「……」

443: 2017/11/21(火) 23:47:19.38 ID:eWdqW08oo
武内P「……ですが、この状況が続くのは良い事ではないと私も思っていたのです」

未央「そりゃ誰だって思うよ」

卯月「はい、未央ちゃんの言う通りです」

武内P「なので、お二人には協力して欲しいのです」

未央「もしかして――」

卯月「凛ちゃんを怖がらなくなる特訓ですか!?」

武内P「いえ、違います」

未央・卯月「へっ?」

武内P「極力渋谷さんの神経を逆撫でず、かつ、私と渋谷さんが二人きりにならないよう協力を」

未央・卯月「弱気!」

445: 2017/11/21(火) 23:52:33.04 ID:eWdqW08oo
武内P「お願い……出来ますでしょうか?」

未央「そんな縋るような目で見ないで……!?」

卯月「でも……本当に、それしか方法は無いんでしょうか?」

武内P「……島村さん?」

卯月「凛ちゃんを怖がらずに、仲良くする事は出来ませんか?」

武内P「……」

卯月「私にとって、二人はどっちも大事な人なんです」

未央「しまむー……」

卯月「だから、プロデューサーさんが凛ちゃんを怖がってるのは、とても悲しいんです……」

武内P「……」

446: 2017/11/21(火) 23:56:16.25 ID:eWdqW08oo
未央「――そうだよ! 諦めちゃ駄目だよ!」

武内P「……本田さん」

未央「私にアイドル辞めるのを辞めさせた位だもん、その位出来るよ!」

卯月「はい! そのとおりです!」

武内P「……島村さん」


ガチャッ


凛「おは――」


未央「しぶりんが睨んだら心臓止まるのだって、絶対なんとかなる!」

卯月「凛ちゃんが怒鳴ったら漏らしちゃうのだって、きっとなおります!」

武内P「……!?」


凛「……」

447: 2017/11/21(火) 23:59:46.40 ID:eWdqW08oo
未央「睨まれたトラウマがなんだー! しぶりんがなんだー!」

卯月「そうです! 怒鳴られたからなんだー! オムツがないからなんだー!」

未央・卯月「えへへ♪」

武内P「……!……!」


凛「ふーん、楽しそうだね」


未央・卯月「……」

未央「えっへへ、心臓が止まるかと思った♪」

卯月「ふふふっ、私は漏らすかと思っちゃいまいた♪」

武内P「……!……!」


凛「……」

448: 2017/11/22(水) 00:05:56.85 ID:c1Cq8yxQo
未央「……さて、と」

卯月「……はい」

武内P「あ、あの……!?」

未央・卯月「お仕事お仕事」

武内P「!?」

凛「私はちょっとプロデューサーに話があるから」

未央「おっけー、しぶりん」

卯月「それじゃあ、私達は行きますね」

武内P「ま、待ってください!」

未央「本田未央! 今日も元気に行ってまいりまーす!」

卯月「島村卯月、頑張ります♪」

武内P「あの、待っ――」

……バタンッ!

武内P「……!」

凛「……」

449: 2017/11/22(水) 00:16:39.55 ID:c1Cq8yxQo
凛「睨まれたら心臓が止まるんでしょ? 睨まないよ」

武内P「……!」

凛「怒鳴られたら漏らすんでしょ? 怒鳴らないよ」

武内P「……!」

凛「ほーら、プロデューサーの好きな笑顔だよー」ニコニコ

武内P「……!」

凛「どうしたの? 何か言いなよ」ニコニコ

武内P「……良い、笑顔です。はい、確かに笑顔は好きです」

凛「ふーん?」ニコニコ

武内P「……ですが――」


武内P「――今、一番怖い体験の真っ最中です」



おわり

452: 2017/11/22(水) 01:03:48.07 ID:BdQVgrZR0

453: 2017/11/22(水) 02:16:14.12 ID:T9WAvLVeo
早く睨まれて興奮するようにならなきゃ

引用元: 武内P「大人の魅力、ですか」