1: 2014/01/06(月) 13:06:35.61 ID:qlhVW7Bz0
れんげ「ねーねー、朝なん、起きるん」

ゆさゆさ

一穂「おおれんちょん、とうとう普通に起こしてくれるようになったんだね、今日はお祝いに二度寝しようかー」

れんげ「ねーねー、起きるん……」

ぽふっ

一穂「あれー、れんちょん? 突っ込みもないしおまけにれんちょんも二度寝?」

一穂「んー……」

ぴと

れんげ「はぁ、はぁ……」

一穂「あー、風邪だねこりゃ」

3: 2014/01/06(月) 13:17:34.06 ID:qlhVW7Bz0
一穂「ってな訳で、れんちょん今日は欠席でーす」

夏海「れんちょん風邪かー」

小鞠「後でお見舞いに行ったげよっか」

蛍「そうですね、れんちゃん大丈夫かなぁ……」

卓「」ガサガサ

夏海「ん? 兄ちゃんなにしてんの?」

卓「」ガサガサ

夏海「鶴じゃん! よっしゃ! 今日はれんちょんのためにみんなで鶴折ろうよ!」

蛍「あっ、良いですね、私も折りますよ」

一穂「はいはーい、鶴は勉強が終わってからだよー?」

夏海「えぇー! こんな一大事に勉強なんてしてらんないよ!」

小鞠「あんたはそう言って勉強したくないだけでしょ、兄ちゃんを見なよ」

夏海「兄ちゃんがどうしたのさ」

卓「」カリカリカリカリカリ

夏海「うっわすっげぇ勢いで勉強してる! 負けてらんねぇ!」

7: 2014/01/06(月) 13:25:32.26 ID:qlhVW7Bz0
夏海「うーん……」

夏海「うーん……」

夏海「……ほたるん、ここわかる?」

蛍「えっ!? わ、私まだ中学生の勉強なんて無理ですよ!」

夏海「じゃあ兄ちゃ――」

卓「」ガサガサガサガサガサガサ

夏海「――んは、良いか、姉ちゃん姉ちゃん!」

小鞠「そのくらい自分で解きなよ」

夏海「早く終わらせないとれんちょんのお見舞いに行けないんだよ! お願い姉ちゃん!」

小鞠「はぁ、仕方ないなぁ」

一穂「はいはーい、不正は駄目だよー、そんなことしてもれんちょんは喜ばないよー?」

夏海「先生! うち、うち、間違ってたよ!」

一穂「うん、わかったかい」

夏海「こんなものを姉ちゃんにやらせるよりも今すぐお見舞いに行った方がれんちょんのためになるんだよ!!」

一穂「うんうん、そうだねー、間違ったまんまだね」

9: 2014/01/06(月) 13:35:10.72 ID:qlhVW7Bz0
れんげ「……あれ?」

れんげ「朝なんな、起きて学校行くん、よいしょ」

れんげ「ねーねー起こす……のん?」

ふらっ、ギュッ

楓「馬鹿、危ないだろ」

れんげ「んお? こんな朝っぱら店ほっぽり出してなにしてるん?」

楓「今は昼だ、店は今日は休みだ、看病してるんだ」

れんげ「看病なのん?」

楓「ああ、熱も高いしな」

れんげ「ねーねーったら風邪引くなんて情けないのん」

楓「風邪引いたのは先輩じゃなくてお前だよれんげ」

れんげ「なんと!」

楓「ほらさっさと布団に入れ」

れんげ「はーい」

10: 2014/01/06(月) 13:44:55.31 ID:qlhVW7Bz0
楓「れんげ、お腹は空いているか?」

れんげ「空いてるん」

楓「そうか、なら丁度良いな、お粥作ってきたぞ」

れんげ「駄菓子屋……」

楓「別にお礼なんて言わなくて良いから、ほら食え」

れんげ「ごまじゃなくて梅干しが良いのんな」

楓「あーはいはい今持って来てやるよ!」

れんげ「急に怒ってどうしたん?」

楓「何でもねーよ!」

11: 2014/01/06(月) 13:52:49.73 ID:qlhVW7Bz0
楓「ほらよ、これで良いだろ」

れんげ「駄菓子屋、ありがとなのん」

楓「……おう」

れんげ「いただきます」

れんげ「あつっ」

楓「あ、熱かったか!? 大丈夫か!?」

れんげ「だ、大丈夫なん」

楓「水っ、水飲むか!?」

れんげ「ん」

れんげ「んっんっ……ぷはっ」

楓「ふーっ、ふーっ……ほられんげ、これなら大丈夫だ、口開けろ」

れんげ「はむっ」

楓「ど、どうだ?」

れんげ「美味しいんな」

楓「そ、そうか、ふーっ、ふーっ、ほらまだまだあるからな」

12: 2014/01/06(月) 14:02:35.61 ID:qlhVW7Bz0
れんげ「……すぅ……すぅ」

楓「食うだけ食ったら寝るのは昔のままだな」

楓「さてと、皿でも洗うか」

ぎゅっ

楓「ん? おいれんげ、離せよ」

れんげ「……すぅ……すぅ」

楓「離せって、皿洗えないだろ」

れんげ「だがしや……ありがと……なのん……」

楓「……」

16: 2014/01/06(月) 14:14:34.32 ID:qlhVW7Bz0
夏海「ぶっわわーん! おじゃましゃーっす!」

小鞠「こら夏海! れんげは風邪なんだから静かにしなさいよ!」

夏海「分かってるって! 全く、母ちゃんみたいなこと言うなよなー」

小鞠「誰がお母さんみたいよ!」

蛍「お母さん、小鞠先輩が……」

蛍「……えへへぇ」

小鞠「ん? どうしたの蛍?」

蛍「い、いえなんでもありませんよ!」

一穂「さてさて、楓はしっかりやってくれたかなー」

卓「」ガサガサ

一穂「お兄ちゃんもうちょっとでその鶴も置けるからねー」

18: 2014/01/06(月) 14:21:56.31 ID:qlhVW7Bz0
夏海「れーんちょーん!」

ガラッ

夏海「おやおやぁ、これはこれは」

小鞠「だから夏海! あんまりうるさくしちゃ――」

夏海「シッ! 姉ちゃん静かに」

小鞠「なぁっ! あんたがうるさいから――」

夏海「ほたるん姉ちゃんの口塞いで!」

蛍「は、はいっ!」

小鞠「んーっ! んーっ!」

蛍(あああ! 先輩の、先輩の唇が手にっ!)

一穂「みんなこんなとこで騒いでないで部屋に入りなさいな……ああ、なるほど」

夏海「みんな一旦居間に行こうよ」

一穂「そうだねぇ」

卓「」コクッ

19: 2014/01/06(月) 14:28:26.96 ID:qlhVW7Bz0
小鞠「ぷはぁっ!」

蛍「す、すみませんでした先輩」

小鞠「ううん、いいよ。だけどみんななんで居間に行ったんだろ?」

蛍「さあ? この部屋を見てからみんな……あっ」

小鞠「ん? どしたの蛍?」



楓「……すぅ……すぅ」

れんげ「うぅん……くぅ……」

ぎゅっ



小鞠「なるほどね、私達も居間に行こっか」

蛍「そうですね」

22: 2014/01/06(月) 14:45:59.43 ID:qlhVW7Bz0
一穂「みんなみかんは食べるかい?」

夏海「食べる食べるー! やっぱり炬燵にはみかんだよねー!」

卓「」コクッ

蛍「あの、れんちゃんのお見舞いどうしましょう?」

小鞠「駄菓子屋かれんげが起きて来たらで良いんじゃない?」

一穂「そうだねー、どっちか起きて来たらにしよっかねぇー、それまではうち寝てるから、起こしてね」ゴロッ

夏海「やっぱ寝るんかーい!」

蛍「この間の学校に泊まった日といい、どうしてこんなに寝るんでしょう?」

小鞠「さぁ、一姉はいつも寝てるからなぁ」

夏海「気にしたら負けだよほたるん」

蛍「は、はぁ……」

24: 2014/01/06(月) 14:58:26.09 ID:qlhVW7Bz0
れんげ「んお? みんなどうしたん?」カチャカチャ

夏海「おっ、れんちょん起きたんだ!」

小鞠「れんげ風邪大丈夫?」

れんげ「もう平気なん」

蛍「お皿は私が洗ってあげるね」

れんげ「ほたるんありがとなん」

卓「」ガサガサ

れんげ「おおお! にーにーこれって千羽鶴なんな!?」

卓「」フルフル

夏海「時間足りなくて二百羽鶴なんだよね」

小鞠「夏海は三羽しか折ってないしねー?」

夏海「だって仕方ないじゃん! 勉強終わらないんだもん!」

小鞠「それよりほら、一姉起こそうよ」

卓「」ポンポン
卓「」ユサユサ
卓「」ユサユサユサユサ

28: 2014/01/06(月) 15:10:02.66 ID:qlhVW7Bz0
楓「ん……あれ、れんげ?」

楓「れんげ、どこだ……?」

楓「おい、れんげ?」

楓「……トイレかもしれないな」

楓「れんげ、いるのか?」コンコン

楓「トイレじゃないとすると居間の方か?」

楓「ん? そこにいるのは」

夏海「れんちょんだと思った? 残念、夏海ちゃんでしたー!」

楓「なんだ越谷家の不出来な方か」

夏海「うっわ駄菓子屋ひっでぇ!」

楓「れんげは?」

夏海「れんちょんなら今は居間にいるよ、林檎食べてる」

楓「そうか……」

夏海「それにしてもさっきは仲良く寝てましたなぁ!」

楓「うっせぇ!」

32: 2014/01/06(月) 15:19:26.13 ID:qlhVW7Bz0
一穂「おー楓、れんちょん見ててくれてありがとうねー」

楓「いえ」

一穂「ほられんちょんもお礼言いな」

れんげ「駄菓子屋ありがとなん!」

楓「……おう」

夏海「あれあれぇ、駄菓子屋照れた? 照れたん?」

楓「あ?」

夏海「すんませんっした!」

小鞠「あんたねぇ……まあれんげも良くなったみたいだし良かったよ」

蛍「そうですね、良かったねーれんちゃん」

れんげ「のん!」

楓「さて私はそろそろ失礼します」

一穂「うん、すまなかったね」

楓「いえ、それじゃあ――くしゅっ!」

一穂「んー?」

34: 2014/01/06(月) 15:26:16.29 ID:qlhVW7Bz0
れんげ「駄菓子屋、お粥なん」

楓「……悪いな」

れんげ「気にしないん、お互い邪魔なん」

楓「邪魔なのかよ」

れんげ「?」

楓「まあ良いか、いただきます」

れんげ「ふーっ、ふーっ、駄菓子屋、あーんするん」

楓「じ、自分で食えるからいらん!」

れんげ「あーん」

楓「あ、あーん」

夏海「あらあらぁ」ニヤニヤ

卓「」コクッ

楓「見てんじゃねーよ!」

38: 2014/01/06(月) 15:31:46.65 ID:qlhVW7Bz0
夏海「いやー、今日は良いもん見させてもらったわー!」

卓「」コクッ

小鞠「夏海、あんたねぇ……」

蛍「でも、あんなに優しい顔した駄菓子屋さんは初めて見たかもしれません」

小鞠「まあ駄菓子屋はれんげに甘いしねー、だから看病だってしてあげたんでしょ」

夏海「それで風邪移ってちゃどうしようもないけどね!」

小鞠「だからさっきからあんたは……」

夏海「へいへいすみませーん……はっくしゅっ!」

夏海「……あれ?」


おしまい

40: 2014/01/06(月) 15:40:51.57 ID:qlhVW7Bz0
のんのんびよりのSSを書いたら風邪が悪化しました!(二十代・男性)

引用元: れんげ「風邪なのん」