モバＰ「...」ｽﾊﾟｰ

ありす「...お待たせしました」

モバＰ「おう、行くか」ｸﾞｼｯ


ﾌﾞﾛﾛﾛﾛ...

モバＰ「...はぁ」

ありす「...どうかしましたか」

モバＰ「...明日、なんだな」

ありす「はい、明日です」

モバＰ「...早いなぁ...特にありすは...」

ありす「そうでしょうか。アイドルの『引き際』には丁度良い歳になったと思いますけど...」

モバＰ「...ありすなら、まだまだ現役で通用すると思うんだけどな」

ありす「...もう決めた事なので」

モバＰ「だな...」

ありす「...」

モバＰ「...そう言えば、いつの間にか名前で呼ぶなって言わなくなってたな」

ありす「もう子供じゃ無いので。それに、何度注意してもやめなかったのはプロデューサーの方です」

モバＰ「はは、悪ぃ悪ぃ」

ありす「...窓、開けても良いですか？」

モバＰ「ん？あ、ゴメン、煙草臭かった？」

ありす「いえ、風が気持ち良さそうだったので...」

モバＰ「そうか」

ありす「はい」

モバＰ「......」

ありす「......」

モバＰ「...メシでも食いに行くか」

ありす「...はい」

ウエイター「お待たせしました」

ありす「ありがとうございます」

モバＰ「...」

ありす「...」

モバＰ「...俺のん待たなくて良いからな？あったかい内に食べろよ」

ありす「はい、いただきます」

モバＰ「...」

ありす「...そんなに見られると困るんですけど。何か付いてますか？」

モバＰ「口紅」

ありす「？」

モバＰ「ありすも口紅とか付けるんだな」

ありす「当たり前です。子供扱いしないで下さい」

モバＰ「大人ぶりやがって」

ありす「大人です」

モバＰ「そりゃ悪かった...お、俺のも来たな」

モバＰ「...ありす」

ありす「？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

モバＰ「お前、アイドル引退した後はどうするんだ？」

ありす「...特には、決めてませんが」

モバＰ「え？そうなのか？」

ありす「はい」

モバＰ「意外だな...結婚とかの話でも無いんだな？」

ありす「まず相手がいませんよ」

モバＰ「へぇ、好きな人とかも？」

ありす「...どうでしょうね」

モバＰ「お、はぐらかすなんて珍しい」

ありす「プロデューサーさんこそ、どうなんですか？良い歳して色恋沙汰の一つもありませんが」

モバＰ「ん？俺いるよ？好きな人」

ありす「え...そうなんですか」

モバＰ「...いや、どうだろう」

ありす「は？」

モバＰ「やっぱ無し。いないわ好きな人」

ありす「意味が分かりません」

モバＰ「あぁ、俺にも分からん」

ありす「変ですね」

モバＰ「変だな」

～～～

ありす「...今日は、ありがとうございました」

モバＰ「ホントにここで良いのか？」

ありす「はい。ではまた明日」

モバＰ「あぁ、頑張ろうな」

モバＰ「...ありす」ｽﾊﾟｰ


モバＰ「ありす......」ｼｭﾎﾞｯ ｽﾊﾟｰ

モバＰ「...」

モバＰ「...あれ、煙草無くなった」

モバＰ「...」

モバＰ（らしくないなぁ...何をセンチメンタルになってるんだか）

モバＰ（アイドルの引退なんて、今まで何人も見送ってきたじゃないか...）

モバＰ「...ありす...」

～～～

ありす「おはようございます、プロデューサー」

モバＰ「おはようありす！今日は頑張ろうな！」

ありす「...クマ出来てますけど。昨日は寝なかったんですか？」

モバＰ「いやぁちょっと忘れてた仕事があってさ。」

モバＰ（嘘だけど）

モバＰ「今日のライブに支障は出さないから大丈夫！それよりありすこそ、昨日はちゃんと眠れたか？」

ありす「もちろんです。大事なステージですから」

ありす（嘘だけど）

ﾌﾞﾛﾛﾛﾛ...

モバＰ「...このライブが終わったら、ホントに引退なんだな...」

ありす「嫌ですか？」

モバＰ「嫌っつーか、多少は思う所あるよな...」

ありす「...私が嫌だと言ったら、引き止めてくれますか？」

モバＰ「...引き止めたら、止まってくれんのか？」

ありす「いいえ」

モバＰ「だな。俺もＮＯだ」

ありす「良いライブにしましょう」

モバＰ「あぁ」

～～～

ﾜｱｱｱｱｱｱｱｱ ｱﾘｽﾁｬｰﾝ

モバＰ「...」

ありす『皆さん、今日は橘ありすの引退ライブに来て下さって、本当にありがとうございます』

ありす『私が今までアイドルを続けてこられたのも、応援してくれるファンの皆さんのお陰だと思ってます』

ありす『家族や友達、事務所の皆さん、プロデューサー...』

モバＰ「...」

ありす『そして何より私を今まで応援してくれたファンの皆様の為に、次で最後となりますが、曲をお送りします...』

モバＰ「...ありす」

ありす『本当に...ありがとう、ございました...っ！』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

～♪

ﾜｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ......

～～

モバＰ「...お疲れ」

ありす「...お疲れ様です」

モバＰ「ほら、これ...」ｶﾞｻｯ

ありす「綺麗ですね...」

モバＰ「全部、ファンや関係者からのモンだ」

ありす「...プロデューサーの分は？」

モバＰ「買ってる暇無かったんだよ。また今度な」

ありす「いえ、もう事務所に来る事もしばらくは無いので」

モバＰ「...」

ありす「送別会もして頂きましたし...」

モバＰ「...」

ありす「来週、イギリスに渡るつもりなんです」

モバＰ「あぁ、聞いたよ。そうだな、スマン」

ありす「いえ、では...」



モバＰ「あぁ、『またな』」

ありす「はい。『さようなら』」

very good だいぶイケそうだ
旅立ったら消せそうじゃん

今度は何を 歌おうか
卒業おめでとう

紅塗った 君がなんか
大人になってしまうんだ


モバＰ「...さようなら」

モバＰ「きっと好きだった」

終わりです
短くてすみません
後味悪くてすみません
ありすちゃんっぽくなくてすみません

支援ありがとうございました

おつ
たまにはこういうのも悪くない

おつ
こういうのも好き