767: 2018/06/13(水) 20:27:50.49 ID:zy6oz69ao

768: 2018/06/13(水) 20:30:13.42 ID:zy6oz69ao
ちひろ「ええ、なんだか皆盛り上がってるみたいですよ?」

武内P「あの……何故、その様な事に?」

ちひろ「ほら、プロデューサーさんって、お昼は簡単に済ませてるでしょう?」

武内P「そう、ですね」

ちひろ「それを見かねた皆が――」


ちひろ「ユニット毎に、毎日お弁当を作ろう! って」


武内P「ユニット毎に……ですか?」

769: 2018/06/13(水) 20:33:55.82 ID:zy6oz69ao
ちひろ「最初は、お料理が出来る子が、って話だったんです」

ちひろ「でも……全員が全員、そうじゃないでしょう?」

武内P「はい。それも、仕方のない事だと思いますが」

ちひろ「でもね、何もしないのは嫌だ、って流れになって」

武内P「お気持ちだけでも……十分有り難いのですが」

ちひろ「ふふっ、それだけじゃ納得出来なかったみたいですね」

武内P「……」


ちひろ「明日からのお昼は、楽しみにしててくださいね♪」


武内P「……はい、わかりました」

770: 2018/06/13(水) 20:40:29.43 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

ガチャッ!

未央「おっはよー、プロデューサー♪」

卯月「プロデューサーさん、おはようございますっ♪」

凛「おはよう」


武内P「本田さん、島村さん、渋谷さん」

武内P「おはようございます」


未央「早速だけど、ちひろさんから話は聞いてるよね?」

卯月「お弁当作り、頑張りました!」

凛「私も……まあ、なんとなくだけど、参加したから」


武内P「……皆さん」

武内P「ありがとう、ございます」

771: 2018/06/13(水) 20:46:29.33 ID:zy6oz69ao
未央「ちゃんとお腹空かせてる~?」

武内P「はい、勿論です」

卯月「でも、お弁当とかって、断られちゃうと思ってました」

武内P「いえ……皆さんの料理スキルを知る、良い機会だと思いまして」

凛「何それ? どういう事?」

武内P「今後のプロデュース方針に、活かせるかと」

未央・卯月・凛「……」

武内P「あ、あの……皆さん?」


未央「……こういう時ってさ、素直に喜んで欲しいよねぇ」ボソボソ

卯月「……で、でも、受け取ってもらえましたし!」ボソボソ

凛「……本当、仕事の事しか頭にないんだから」ボソボソ


武内P「……?」

772: 2018/06/13(水) 20:53:47.67 ID:zy6oz69ao
未央「……まあ、とりあえず気を取り直していこう!」

武内P「は……はあ」

卯月「はい、どうぞっ♪ プロデューサーさん♪」

武内P「……ありがとう、ございます」

凛「お弁当箱、その大きさで足りそう?」

武内P「かなり……大きなサイズのものですね」

未央「うんうん! メンバー全員で、大きいのにしようって選んだんだ!」

卯月「体が大きいから、いっぱい食べてもらえるかなって!」

凛「食べ終わったら、箱は渡して。洗って、次のユニットに渡すから」

武内P「いえ、箱を洗うのは、私が自分で――」

未央「良いから良いから! とにかく、開けてみてよ!」

卯月「えへへっ、かなり、上手に出来ました!」

凛「……ほら、早く」


武内P「……はい」

……パカッ!

774: 2018/06/13(水) 21:05:45.39 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

……スッ

武内P「――ごちそうさまでした」


未央・卯月・凛「……」

武内P「……あの……皆さん?」

未央「うっ、ううん!? ただ、ちょっと、ね?」

卯月「あ、あまりにも美味しそうに食べてくれてたから、その……」

凛「普段の昼の様子から、あんまり食べる事に興味ないと思ってた」

武内P「いえ、食には関心があります」


武内P「とても、美味しくいただきました、ありがとうございます」


未央「やったね! しまむー、しぶりん!」

卯月「はいっ! 喜んでもらえて、頑張った甲斐がありました!」

凛「……まあ、良かったんじゃない?」

775: 2018/06/13(水) 21:10:40.89 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

ガチャッ!

美波「おはようございます、プロデューサーさん」

アーニャ「プロデューサー、おはよう、ございます」


武内P「新田さん、アナスタシアさん」

武内P「おはようございます」


美波「今日は、私達ラブライカの番ですよ♪」

アーニャ「ダー♪ 美波と、一緒に頑張りました♪」


武内P「……お二人とも」

武内P「ありがとう、ございます」

776: 2018/06/13(水) 21:15:26.35 ID:zy6oz69ao
美波「私達は、ちょっと変わったお弁当にしたんです」

武内P「変わったお弁当、ですか?」

アーニャ「ダー♪ プロデューサー、これ、です」

…コトンッ

武内P「これは……鍋、ですか?」

美波「ふふっ! ラブライカ特製の――」

アーニャ「――ボルシシ、です!」

武内P「随分と……本格的、ですね」

アーニャ「私は、寮に住んでいますね?」

美波「だから、せっかくだから、温かいものをと思ったんです」

アーニャ「お弁当箱は、ランコに渡してあります」

武内P「……成る程、そういうことでしたか」


美波・アーニャ「温かい内に、召し上がれ♪」


武内P「……はい、いただきます」

777: 2018/06/13(水) 21:21:56.05 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

……スッ

武内P「――ごちそうさまでした」


美波・アーニャ「はいっ♪」

武内P「……一つ、質問を宜しいでしょうか?」

美波「えっ? 何ですか?」

アーニャ「シトー? 何か、問題でも?」


武内P「体の火照りが止まらないのですが、何を入れたのですか?」


美波「えっと……美味しく、なかったですか?」

武内P「味は……はい、とても良かったです」

アーニャ「ハラショー! そう言ってくれると、私も、嬉しい♪」

武内P「あの……何を入れたのですか?」


美波「元気になるよう、愛情をたっぷり入れちゃいました♪」

アーニャ「美波? 愛情ではなく、スッポンでは?」


武内P「……」

武内P「……ラブライカは危険、と」

781: 2018/06/13(水) 21:42:08.16 ID:zy6oz69ao
蘭子「さあ! 我が友よ、パンドラの箱を開ける時が来た!」

小梅「寮の皆で、い、色々……作ったんだ」


武内P「そう……なのですか」

……パカッ!

武内P「これは……とても、美味しそうに出来ていますね」


蘭子「本当ですかっ? え、えへへっ///」

小梅「味見も、ちゃんとしてる……よ」


武内P「オカズがキノコ中心なのは――」

小梅「輝子ちゃんが、やっぱりキノコだ、って」

武内P「このハートは……?」

蘭子「わ、私じゃなくて、幸子ちゃんです!」

武内P「これは……想像していた以上に、豪華なお弁当ですね」


武内P「――いただきます」

782: 2018/06/13(水) 21:50:09.76 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

……スッ

武内P「――ごちそうさまでした」


蘭子「どっ、どうでしたか……?」ソワソワ

小梅「お、美味しかった……?」ソワソワ

武内P「はい、とても、美味しかったです」

蘭子・小梅「!」

蘭子・小梅「えへへっ!」ニコニコ!

武内P「しかし……あの……」


武内P「お弁当に、トリュフは……やりすぎかと」


蘭子「否! 我が友よ、それこそが、究極というもの!」

小梅「じ、時期になったら……マツタケも入れる、って」

武内P「……そ、そう……ですか」


武内P「……注意が必要、と」

武内P「いえ……あとで、全員に注意をしましょう」


蘭子・小梅「?」キョトン

784: 2018/06/13(水) 22:02:11.45 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

ガチャッ!

かな子「お昼ゴハンの時間ですよっ♪ おはようございます~♪」

智絵里「プロデューサー……おはよう、ございます」

杏「ふわぁぁ……ぉはよ~ございま~……」


武内P「三村さん、緒方さん、双葉さん」

武内P「おはようございます」

武内P「あの……三村さん? その、両手に持っている包みは何ですか?」


かな子「あっ、これですか?」

かな子「こっちが、ザッハトルテ」

…ガサッ

かな子「こっちが、ガトーショコラです♪」

…ガサッ


武内P「……どちらも、チョコレートケーキ、ですか」

785: 2018/06/13(水) 22:08:12.27 ID:zy6oz69ao
かな子「チョコレートは、栄養がたっぷりですから♪」

武内P「そ、そう……ですね」

智絵里「あ、あの、プロデューサー……これも、どうぞ」

武内P「お弁当箱……ありがとう、ございます」

智絵里「えへへ……皆で、頑張って作ったんです」

かな子「味見も……ほ、ほんのちょっとしかしてないですよ!」

杏「杏も、ちゃんと料理してる横で寝てたよ~」

武内P「あ、あの……先に、お弁当箱を開けても?」

かな子・智絵里「はいっ!」

杏「ま、良いんじゃない?」


……パカッ!

武内P「これは……生クリームが、ぎっしりと」


かな子「ザッハトルテは、その砂糖の入ってない生クリームと一緒に食べてください♪」

智絵里「甘さが丁度よくなって、すごく、美味しいんです♪」


武内P「……」

武内P「……そう、ですか」

787: 2018/06/13(水) 22:15:01.74 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

……スッ

武内P「……――ごちそう……さまでした」


かな子「わ~っ! 全部食べて貰えたね、智絵里ちゃん!」

智絵里「う、うんっ! えへへ、やったね、かな子ちゃん!」

武内P「……」

かな子「作りすぎかと思ったけど、やっぱり、美味しいから大丈夫だったね!」

智絵里「プロデューサー、甘い物も好きだって、前に言ってたもんね!」

武内P「……」

杏「はい、塩飴」

武内P「! あ、ありがとうございます!」


武内P「確かに、絶品ではありましたが……はい」

武内P「今日で、向こう一年分のチョコレートを食べた気がします」

788: 2018/06/13(水) 22:23:54.25 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

ガチャッ!

莉嘉「ヤッホー☆ P君、お昼の時間だよー☆」

みりあ「おはようございまーす! えへへ、お弁当持ってきたよ!」

きらり「おっつおっつ☆ これを食べてぇ、午後も頑張ってにぃ☆」


武内P「城ヶ崎さん、赤城さん、諸星さん」

武内P「おはようございます」


莉嘉「チョー美味しく出来たんだよ!」

みりあ「ねえねえ、開けてみて開けてみて!」

きらり「も、もうっ、二人共? あんまり焦らせちゃ、Pちゃん困っちゃうゆ!」

莉嘉・みりあ「は~い」


武内P「では……早速」

789: 2018/06/13(水) 22:30:58.44 ID:zy6oz69ao
……パカッ!

武内P「これは……とても、楽しい見た目のお弁当ですね」


莉嘉「でしょでしょ!? アタシ達、チョー頑張ったんだから☆」

みりあ「作ってる時も楽しかったー! ねっ、きらりちゃん!」

きらり「うんうん☆ 二人とも、と~っても頑張ってたにぃ☆」

莉嘉「きらりちゃんね、お料理スッゴク上手なんだよ!」

みりあ「ねー! 教えるのも、すっごく上手かった!」

きらり「りっ、莉嘉ちゃん、みりあちゃん!?」

莉嘉・みりあ「えっへへ~♪」

きらり「……あ~っ、からかったな~っ!?」

莉嘉・みりあ「あははっ♪ ごめんなさーい♪」

きらり「も~っ……しょうがないにぃ☆」


武内P「……では、いただきます」

790: 2018/06/13(水) 22:39:58.08 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

……スッ

武内P「――ごちそうさまでした」


莉嘉「P君P君っ! どうだった? 美味しかった!?」

武内P「はい。どれも、とても素晴らしい出来栄えでした」

みりあ「あのねあのね、みりあ、お米といだんだよ!」

武内P「ええ、ご飯も、丁度良く炊かれていました」

きらり「Pちゃん、煮物は美味しかった~?」

武内P「はい、とても味が染みていて、美味しく頂きました」

きらり・莉嘉・みりあ「……」

武内P「あの……皆さん?」


きらり・莉嘉・みりあ「何でも無~い♪」


武内P「?……はあ」

791: 2018/06/13(水) 22:44:00.00 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

ガチャッ!

みく「今日こそ、李衣菜ちゃんをギャフンと言わせてやるにゃ!」

李衣菜「はぁ!? ギャフンって言うのは、みくちゃんだからね!」


武内P「あ、あの……前川さん、多田さん?」

武内P「お、おはよう……ございます」


みく・李衣菜「おはようございます!」

みく「Pチャン! やっぱり、お昼でもお肉が食べたいよね!?」

李衣菜「お弁当だったら、お魚も食べたくなりますよね!?」


武内P「は……はあ」

793: 2018/06/13(水) 22:50:36.72 ID:zy6oz69ao
みく「もーっ! ハッキリして、Pチャン!」

李衣菜「プロデューサー! どっちか決めてください!」


武内P「ど、どちらも良い所がありますので……」


みく「ほら、言うと思った!」

李衣菜「やっぱり、勝負するしかないみたいだね」


武内P「しょ、勝負……ですか?」

武内P「! お弁当で勝負とは、まさか――」

……パカッ!

武内P「――これは……!」


みく「そう! 片側が、みくのお肉とお野菜のバランスおかず!」

李衣菜「反対側が、私のお魚とお野菜の超バランスおかずです!」

みく「あっ、ズルい! 後から‘超’って付けるのは反則にゃ!」

李衣菜「へっへっへ! 焦ったみくちゃんが悪いんだよ!」


武内P「あの……ご飯は、無いのでしょうか?」


みく・李衣菜「……あっ」

794: 2018/06/13(水) 22:57:38.18 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

……スッ

武内P「――ごちそうさまでした」


みく「ご、ごめんね……Pチャン」

李衣菜「す、すみません……プロデューサー」

武内P「? はい? あの……何故、謝られているのでしょうか?」

みく「だって……ゴハンを忘れちゃったし」

李衣菜「おかずだけなんて……お弁当失格かな、って」

武内P「いえ、そんな事はありません」


武内P「食後、体が変に火照る事もなく」

武内P「高級食材がふんだんに使われているでもなく」

武内P「チョコレートの暴力でも無い」

武内P「……良い、お弁当でした」


みく・李衣菜「……は、はあ」

795: 2018/06/13(水) 23:03:38.70 ID:zy6oz69ao
  ・  ・  ・

ちひろ「一週間、お弁当を作って貰ってどうでしたか?」

武内P「そうですね……良い、経験になりました」

ちひろ「……なんだか、お弁当の感想じゃないですね」

ちひろ「でも、今回の事で、料理に目覚めた子が居るみたいですよ?」

武内P「そう、なのですか?」

ちひろ「はい。自分が作った物を美味しく食べて貰えるのって、励みになりますから」

武内P「……なるほど」

ちひろ「……そういえば、明日は、プロデューサーさんはお休みですね」

武内P「? はい、そうですね」

ちひろ「……」

武内P「……千川さん?」

796: 2018/06/13(水) 23:10:32.42 ID:zy6oz69ao
ちひろ「えっと……実は――」


ガチャッ!


アイドル達「失礼します!」


武内P「み、皆さん? あの、お揃いで……何か、ありましたか?」

ちひろ「……もう、変なタイミングで」ボソッ


アイドル達「……」

…スッ


武内P「あの……その包みは……何でしょうか?」


アイドル達「明日の分の、お弁当」


武内P「……」

武内P「!?」

797: 2018/06/13(水) 23:19:29.18 ID:zy6oz69ao
武内P「ま、待ってください! ユニット毎というお話では!?」

タベテ、アオイカゼガ、ヌケガケルヨウニ

武内P「皆さん、一人一つずつ包みを持っていませんか!?」

アンタ、ニモノトカスキダッタンダー★

武内P「あまりにも! あまりにも量が多すぎます!」

フフッ、オヤスミノヒハ、ビールヲアビールホド、ノメマスネ、ウフフッ♪

武内P「ビールのケース!? それでは、お弁当ではなくお中元です!」

武内P「待ってください! さすがに、食べきれません!」


アイドル達「……」


武内P「……」


武内P・アイドル達「……」

798: 2018/06/13(水) 23:39:06.03 ID:zy6oz69ao
ちひろ「……はぁ、こうなるとは思ってました」

武内P「千川さん?」

ちひろ「プロデューサーさんにも責任がありますからね」

武内P「私に……ですか?」

アイドル達「はいっ!」

武内P「あの……はい、ではなく」

ちひろ「少しずつでも良いので、頑張って全員分食べてください」

…スッ

武内P「せ、千川さん!? 何故、貴女もお弁当を!?」

武内P「それに、あの、頑張っても食べ切れる人数では!」


ちひろ「このお弁当箱は、最優先のやつですからね」


武内P「……!?」

799: 2018/06/13(水) 23:45:00.42 ID:zy6oz69ao
武内P「待ってください、それは、あまりにも!」

ちひろ「全部食べないと、次の人に回せませんから」

武内P「……こ、この状況で、全て食べろと……!?」


アイドル達「……」ジッ


ちひろ「はい♪」

武内P「……!?」


武内P「……わかりました、今日は、私も氏力を尽くします」

武内P「ですが、今後は、お弁当の差し入れは……結構ですので」

武内P「頑張らせて、いただきます」


アイドル達「……」

アイドル達「失礼しました!」


バタンッ!


武内P「……」

武内P「えっ?」

800: 2018/06/13(水) 23:53:50.74 ID:zy6oz69ao
ちひろ「皆、一回無理に食べて貰うより、順番を待つのを選んだみたいですね」

ちひろ「そうすれば、二回目以降も機会があるでしょうし」

武内P「……なるほど、それで」

ちひろ「良かったですね♪ 手作りのお弁当が、毎日食べられて♪」

武内P「……あの、一つ、疑問に思ったのですが」

ちひろ「はい、何ですか?」


武内P「休日分のお弁当を受け取った場合――」

武内P「――箱は、いつお渡しすれば良いのでしょうか?」


ちひろ「あっ、そうですね……その箱が、その日の担当の印ですから」

ちひろ「どうしたら良いと思いますか?」


武内P「……そうですね」


武内P「日替わりしないよう、大事に保管しておこうと思います」



おわり

引用元: 武内P「アイドル達に慕われて困っている?」