1: 2011/08/24(水) 22:09:49.37 ID:jU7onigu0
モノクマ「やあ、オマエら。よくこのスレを開いてくれた。」
モノクマ「ネタバレを含んでいるからゲームクリアしてない人は注意してね。キラーン」
モノクマ「そうそう、8月25日発売のダンガンロンパ コミックアンソロジーはみんな買うかな?僕は買うからね♪二冊買うからね♪」
モノクマ「それじゃあレッツ投下ターイム!」
モノクマ「ネタバレを含んでいるからゲームクリアしてない人は注意してね。キラーン」
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モノクマ「それじゃあレッツ投下ターイム!」
3: 2011/08/24(水) 22:10:55.26 ID:jU7onigu0
霧切「電子生徒手帳の情報によるとこの教室に苗木君がいるはずなのに、苗木君の姿は見えないわ。」
霧切「教室の机の上に置かれている苗木君のパーカー…。」
霧切「事件の可能性もあるし調査する必要があるわ。」
霧切「これは決してやましい気持ちがあるわけではなく、あくまで探偵として調査するだけだから。もう一度言うけどやましい気持ちなんて絶対ないわ。」
霧切「まずは手にとってハスハスしましょう。」
霧切(これが苗木君の匂い…。頭がくらくらしてくるわ…。)
霧切(ん?くらくら………?)
霧切(なんだか頭がボーっとしてきて……。)
ガラッ
霧切「!」
4: 2011/08/24(水) 22:12:57.70 ID:jU7onigu0
戦刃「よし、確保だ!」
霧切(か、体が痺れて動けない…。やはり罠だったのね………。)
十神「まさかこんな罠にかかるとは…。超高校級の探偵の名も堕ちたものだ。」
桑田「すげー。戦刃の作戦通りだ!やーい、霧切のアホアホアホアホアホアホアホー!!」
苗木「そんな霧切さんがこんな作戦に引っかかるなんて…。」
戦刃「不審なものが落ちていれば調べずにはいられない探偵の性が仇になったな。よし、霧切響子確保!」
苗木(僕たちは今、サバイバルゲームをしている。どうしてこんなことになったのかと言うと………。)
―一時間前―
江ノ島「うぷぷー。ねえ、みんなサバイバルゲームしようよ。」
戦刃「盾子、ぬいぐるみで顔を隠して何してんだ。」
江ノ島「えー。だって毎日学校生活の繰り返しってつまらないじゃない。たまには刺激が欲しいと思わない?」
戦刃「確かに日本は絶望的に平和すぎる。戦場にいた頃が懐かしい。あの氏ぬか生きるかという感覚を久しく忘れていた。」
6: 2011/08/24(水) 22:14:57.03 ID:jU7onigu0
戦刃「私は盾子の意見に賛成だ。」
苗木「ちょっと待ってよ、サバイバルゲームって明らかに戦刃さんが有利でしょ!」
戦刃「なら、苗木は私と一緒のチームに入ればいい。」
苗木「えっ。」
戦刃「心配するな。苗木は私が守る。」
舞園「ちょっと何勝手にチーム決めてるんですか!私は苗木君の助手だから私が苗木君と一緒のチームになる権利があるはずです!」
霧切「いいえ、苗木君は私の助手よ。だから苗木君が私と一緒のチームになるべきなのよ。」
セレス「私のナイトを勝手に横取りしてもらっては困りますわ。苗木君、私と一緒に組みましょう。」
桑田「いや、何でやる流れになってるんだよ。」
十神「下らんな。俺は忙しい、そんな遊びに付き合うほど暇じゃない。」
江ノ島「うぷぷー。負けるのが怖いんだ。」
十神「何?俺が負けるわけないだろ。戦わずとも結果はわかっている。」
江ノ島「そう言って逃げるつもりなんですね…………。」
十神「そこまで言うならいいだろう。貴様らの下らん遊びに付き合ってやる。」
腐川「白夜様が参加するなら私も参加するわ。」
7: 2011/08/24(水) 22:16:45.22 ID:jU7onigu0
朝日奈「ねえ、さくらちゃん。私たちもやろうよ。面白そうだし。」
大神「サバイバルゲームか…。実戦形式のいい訓練になりそうだ。」
葉隠「げ!オーガも参加するのか!これは参加したら血の雨を見そうだべ。」
大神「案ずるな。素人相手に本気を出したりしない。」
葉隠「そうか?なら、少しだけ参加してもいいかなーって…。」
不二咲「わ、私はどうしようかな…。」
大和田「面白い!参加しようぜ兄弟!」
石丸「サバイバルゲームはしたことはないが…。いいだろう、兄弟が参加するなら僕も参加しよう!」
大和田「おう!それでこそ男だぜ!」
石丸「何を言う!兄弟の方こそ男の中の男ではないか!ハッハッハ。」
不二咲「男の中の男…?ぼ、私も参加するよ!」
大和田「お、不二咲がやる気になってるぞ。」
8: 2011/08/24(水) 22:18:11.48 ID:jU7onigu0
山田「女子の捕虜があんなことやこんなことをされる…ぐふふ……。キタコレ!創作意欲が沸いて来ましたぞ!拙者も参加させてもらいます!フンー!」
桑田「結局みんな参加する流れか…。仕方ねえな。俺も参加するよ。」
江ノ島「では、全員参加ということでチーム編成をしたいと思います。チームは全部で4チームに分かれて各チーム4人の構成です。」
戦刃「私と苗木は固定として後のチーム編成は適当にクジで決めてくれ。」
舞園「何で勝手に固定にしてるんですか!」
霧切「戦刃むくろ!貴女もクジを引くべきよ!」
戦刃「チッ」
江ノ島「さあ、早くみんなクジを引いちまいな。」
クジ引きの結果
Aチーム:苗木 戦刃 桑田 十神
Bチーム:霧切 舞園 石丸 大和田
Cチーム:不二咲 セレス 山田 腐川
Dチーム:大神 葉隠 江ノ島 朝日奈
9: 2011/08/24(水) 22:19:30.21 ID:jU7onigu0
苗木「みんな頑張ろう。」
戦刃「このチームの指揮は軍人である私がとる。」
十神「好きにしろ。ただし、俺が従うとは限らんぞ。」
桑田「戦刃がいる時点でかなり有利だ!ついてるぜ!」
石丸「一緒に頑張ろうではないか兄弟よ!」
大和田「おう!他のチームをボコボコにしてやんよ!」
舞園「どうして苗木君と一緒のチームじゃないの!」
霧切「こうなったら苗木君を捕虜として確保するしかないようね。」
11: 2011/08/24(水) 22:22:10.14 ID:jU7onigu0
山田「キタコレ!ハーレムキタコレ!」
腐川「ぐぎぎー!何で白夜様と一緒のチームじゃないの。」
不二咲「大和田君と一緒のチームが良かったな…。」
セレス「腐れラードと一緒だと!ふざけんじゃねえええ!!ビチグソがああああああああ!!」
山田「みんな酷い…。」
朝日奈「やったー!さくらちゃんと同じチームだ!」
大神「我も朝日奈と同じチームで嬉しいぞ。」
葉隠「オーガと同じチームか…。オーガと対決するなんて状況にならなくて良かったべ。」
江ノ島「ニンゲンよ、私様と同じチームになれたことを光栄に思え!」
サバイバルゲームのルール
1.自分のチーム全員が捕虜として相手チームに捕まったチームから敗退する。
2.捕虜になる条件は相手チームの誰かに身動きできない状態にされ「名前+確保」と言われること。
3.捕虜は基本的にゲームに参加することが出来ない、但し捕虜がゲームに復帰することは可能。復帰する条件は自分のチームの誰かに触れられて「名前+救出」と言われること。
4.ゲーム参加者は電子生徒手帳の電源を入れること。尚、電子生徒手帳は各電子生徒手帳がある場所を示す。つまり誰がどこにいるのか大体わかる。
5.電子生徒手帳に捕虜になった人が記載される。その際、どのチームの捕虜になったのかまでは記載されない。
6.捕虜に対する暴力等の虐待行為を禁止する。また、捕虜の持ち物を奪う行為も禁止とする。
7.うぷぷ。優勝チーム以外にはスペシャルなお仕置きが待っているよ。
13: 2011/08/24(水) 22:24:11.40 ID:jU7onigu0
―回想終了―
霧切「まさか最初の捕虜が私になるとはね…。」
桑田「チーム全員が捕虜として確保されたら負けってルールだったよな。」
十神「捕虜として確保したからって気を抜くなよ。捕虜が救出される可能性だってある。」
苗木「捕虜が救出されるのって自分のチームの誰かに接触した場合だけだよね。自力で逃げただけだと捕虜扱いのままだよね。」
十神「自力で逃げるのが許されたらいつまでもゲームが終わらないからな。とにかく、今は仲間からの救出を防ぐために霧切を見張る必要がある。」
霧切「いいえ、私は大丈夫よ。苗木君のチームに捕虜として確保されたら救出しなくてもいいように予め伝えてあるし。」
桑田「おい、オメー勝つ気ねーだろ!」
苗木「捕虜として確保された人は電子生徒手帳に記録されるみたい。今のところ捕虜になってるのは霧切さんだけだね。」
戦刃「次は舞園を捕獲するぞ。」
苗木「舞園さんを?」
15: 2011/08/24(水) 22:26:11.86 ID:jU7onigu0
桑田「お!舞園ちゃんか!ぶっちゃけ、俺舞園ちゃんと同じチームになりたかったんだよな。」
十神「Bチームから潰していく作戦か?」
戦刃「ああ。霧切が私たちのチームに捕まったことを舞園が知れば黙ってはいない。霧切を取り返しにくるか……。」
十神「俺たちに捕まりに来るかだな…。」
苗木「ん?どうして自分から捕まりに来る必要があるの?」
十神「そんなこともわからないとか救いようがない鈍感だな。」
苗木「どういうこと?」
十神「自分で考えろ。舞園がこのゲームに参加したのは勝つためじゃない。ゲーム参加者を募集してた時のやりとりを思い出せばわかるはずだ。」
十神「俺には到底理解出来んが、凡人には勝つこと以外にも価値を見出せるものがあると教えてきたのはお前らだろ。しつこいほどにな。」
十神「全く、こんな考えが浮かんでしまうなんて凡人に少し感化されすぎたか。」
苗木(十神クンは何のことを言っているんだろう。)
戦刃「とにかく、今の内にこの教室に罠を張るぞ。」
16: 2011/08/24(水) 22:28:09.11 ID:jU7onigu0
―Bチーム―
大和田「霧切がやられたようだな。」
石丸「うーむ。ちょっと調べたいことがあるって言って一人で出ていきながら捕まるとは…。」
舞園(なるほど…。そういう作戦だったんですか………。だから霧切さんは…………。)
大和田「あの女は時々無茶しやがるからな…。くそ、女を一人だけで行かしちまった俺の責任か。」
石丸「霧切くんも僕らのことをもう少し信用してくれてもいいだろうに。付いていこうとすると怒鳴ってくるし…。」
舞園「私、霧切さんを助けに行きます!」
大和田「おい、俺も付いていくぞ。」
石丸「そうだぞ!一人で出歩くと霧切くんの二の舞になるぞ!」
17: 2011/08/24(水) 22:29:02.17 ID:jU7onigu0
舞園「大丈夫ですよ。私に作戦があります。」
大和田「作戦ってなんだ?」
舞園「この作戦は私一人で行かないと意味がありません。」
石丸「そうか、では行きたまえ!」
舞園「ありがとうございます。」
大和田「おい、いいのかよ!せめてどんな作戦か訊いてからにした方が…。」
石丸「むむ。それもそうだったな。」
大和田「おいおい、頼むぞ兄弟。それより追いかけた方がいいんじゃないか?」
石丸「でも、僕たちが追いかけたせいで彼女の作戦とやらが台無しになってしまうことが考えられるな。ああああ僕はこんな時どうすればいいんだ。」
18: 2011/08/24(水) 22:31:41.04 ID:jU7onigu0
―Cチーム―
不二咲「霧切さんがいきなり捕まったね。苗木君のチームに捕まったっぽいね。」
腐川「キイイイイイ!!白夜様のチームに捕まるなんて羨ましすぎる!!!私も白夜様に縄で縛られたい!」
セレス「なにも縄で縛られているとは限りませんわよ。捕虜に対する虐待行為は禁止のはずですし行き過ぎた緊縛もアウトでしょう。」
腐川「わわわ私はむしろ白夜様に虐待されたいわ。」
山田「ぐふふ…。今頃霧切響子殿はあんなことやこんなことをされて…。」
不二咲「あんなことやこんなことって何?」
山田「聞きたい?ねえ聞きたい?」
不二咲「うん、気になるんだ。捕まったらどういう目にあうのかって…。」
山田「あんなことやこんなことって言うのはね…。」
セレス「山田君。それ以上変なこと言うとブチ頃しますわよ。」
山田「ヒイイイイ!!安弘多恵子殿!お許しをおおおお!!」
セレス「だからその名前で呼ぶんじゃねえええええええ!!」
19: 2011/08/24(水) 22:34:03.80 ID:jU7onigu0
―Dチーム―
朝日奈「うそ!霧切ちゃんが捕まっちゃったの!?」
葉隠「ん?苗木っちが近くにいるってことは、相手は苗木っちがいるチームだべ。流石の霧切っちも戦刃っちがいるチームには敵わないか。」
大神「やはりこのサバイバルゲームで最も強い敵は戦刃か……。面白い、戦刃と直接対決しに行こう。」
朝日奈「ちょっと待ってよ一人で行くなんて危険すぎるよ。」
大神「すまん朝日奈。こればかりは譲れぬ。」
朝日奈「だったら私もいくよ。」
大神「流石の我も戦刃が相手だと朝日奈を守りきれる自信はない。一人で行かせてくれ。」
朝日奈「でも…。」
葉隠「いや、朝日奈っちの言う通りにした方がいいべ。いくらオーガでも相手の手の内が見えない時に勝負を仕掛けるのは危険だべ。」
大神「だが、我の格闘家としての血が…。」
葉隠「いいか、オーガがやられたら誰が朝日奈っちを守るんだべ。」
大神「む…。」
20: 2011/08/24(水) 22:35:01.32 ID:jU7onigu0
葉隠「今は冷静になって朝日奈っちの傍にいて守ってやるのが一番いいべ。」
大神「それもそうだな。我を止めてくれて感謝するぞ葉隠。」
葉隠「いいってことよ。」
葉隠(危ねー。オーガがいない時に他のチームの襲撃を受けたら俺ら負け確定だべ。)
江ノ島(シイイット!葉隠がこのチーム唯一の男子でしかも最年長なのに女子を守るって発想はないのかよ。だらしねえなあ!)
21: 2011/08/24(水) 22:37:54.80 ID:jU7onigu0
―Aチーム―
霧切「ねえ苗木君?」
苗木「何、霧切さん。」
霧切「苗木君は絶対に捕まらないで。」
苗木「え、うん。敵チームなのに応援してくれてありがとう。」
霧切(苗木君がどこかのチームに捕まったら、このチームに捕まった意味がないもの。)
戦刃「苗木、余り捕虜と話をするな。情報をかく乱される可能性があるぞ。」
苗木「そうだね。」
霧切「戦刃むくろめ…!」
桑田「しかし…中々他のチームのやつらも攻めてこないな。」
十神「俺らの方から仕掛けるという作戦はないのか?」
戦刃「いや、捕虜を確保している今は下手に動く必要はない。いずれ捕虜を救出にくるはずだ。」
25: 2011/08/24(水) 22:39:30.99 ID:jU7onigu0
戦刃「攻撃を仕掛けるのは舞園を確保してからだ。その時になったら、捕虜の監視役とBチームに突撃する役にわかれよう。」
霧切「当然、苗木君は監視役でしょうね。」
戦刃「敵に教える情報などない。」
霧切(効率を考えたら、敵陣に切り込むなら戦刃さんと桑田君という構成になるはず。苗木君はそれほど体格がいいわけでもないし敵陣に送り込むなんて無茶な真似はしないはず。)
戦刃「桑田、お前足速いか?」
桑田「ああ。超高校級の野球選手だから脚力にも自信があるぜ。」
戦刃「そうか、なら期待しているぞ。」
桑田「へ、任せろよ!」
苗木「あ!舞園さんがこっちに向かってくるよ。」
27: 2011/08/24(水) 22:41:30.16 ID:jU7onigu0
―Aチーム砦前廊下―
舞園(電子生徒手帳に位置情報によると、Aチームのみなさんと霧切さんがいますね。)
舞園「では作戦開始しますか。」
―Aチーム―
苗木「舞園さんの動きが止まった。」
十神「丁度俺たちのいる教室の前だな。」
戦刃「よし、奇襲をかけるぞ!」
苗木(Aチームは霧切さんしかいない教室に、チーム全員の生徒手帳を置いて実は生徒手帳の持ち主は廊下で待機している作戦を取っている。)
苗木(電子生徒手帳は他の手帳の位置を表示する機能があるから、位置情報を見ただけだと僕たちは全員あの教室にいることになる。)
苗木(でも、実際はあの教室には霧切さんしかいない。舞園さんが霧切さんを助けようと教室に入ろうとした瞬間に不意をつく作戦だ。)
Aチームは一斉に舞園の位置情報があるところまで向かった。
28: 2011/08/24(水) 22:43:27.25 ID:jU7onigu0
しかし……。
戦刃「何!いないだと……。」
桑田「お、おい。これ舞園ちゃんの電子生徒手帳じゃねーか!何でこんなところに落ちているんだ。」
十神「なるほど。舞園は俺たちと同じ作戦を取ったということか…。」
桑田「あれ?苗木はどこに行ったんだ?」
戦刃「………!まずい!舞園の狙いは私たちに捕まることでも霧切を取り戻すことでもなかった!」
―Bチーム―
舞園「ただいま。」
苗木「んーんー。」
苗木(うう…。舞園さんに包丁で脅されて捕まってしまった。ハンカチを口に詰められたから声を出すことも出来ない。)
30: 2011/08/24(水) 22:46:54.44 ID:jU7onigu0
大和田「え?苗木を捕まえたのか!?」
石丸「でかしたぞ舞園くん!」
大和田「あの女は?」
舞園「霧切さんを救出するのは無理そうだから苗木君だけ捕まえてきました。」
舞園「苗木君、苦しかったでしょ?今喋れるようにしてあげますからね。」
苗木「ぷはー。舞園さんはボクたちの作戦がわかってたの?」
舞園「はい、エスパーですから。」
苗木「エスパーって…。」
舞園「冗談です。ただの勘ですよ。軍人の戦刃さんがバカ正直に教室内で待機しているとは思えませんでしたからね。絶対何かしらの罠があるはず。」
舞園「それに、霧切さんが確保された教室では苗木君の電子生徒手帳反応しかなかった。苗木君が霧切さんと一対一で戦っても勝てるわけないし、霧切さんは何かに不意をつかれたはず。」
舞園「霧切さんが不意をつかれたということはAチームのみんなは何らかの方法で霧切さんに一斉に襲い掛かったと考えて、それでピンと来たんです。」
苗木「たったそれだけのことで、作戦全部見透かすなんて…。」
舞園「私も同じことをすれば苗木君たちを騙せるんじゃないかなって思って電子生徒手帳を囮にしました。」
32: 2011/08/24(水) 22:49:00.50 ID:jU7onigu0
大和田「おい、苗木ィ!早く霧切も解放しやがれ!」
苗木「いや、捕まってる僕に言われても。」
大和田「それもそうだな。」
舞園「ふふっ…。苗木君、このゲームが終わるまでの間は私と一緒ですよ。」
―Aチーム―
戦刃「まさか舞園に出し抜かれて苗木を奪われるとはな。」
桑田「どうすんだよ!俺たち3人になっちまったじゃねえか!」
戦刃「慌てるな。こちらには霧切がいるから4人だ。」
霧切「そうね。私も苗木君救出に協力するわ。」
桑田「なんでだよ!お前敵チームだろ!」
霧切「昨日の敵は今日の友ってやつよ!」
戦刃「私が苗木と舞園が二人っきりの状況だと吹き込んでおいた。このラブラブな状況を崩すには苗木を救出するしかないとも言っておいた。嘘だけどな。」 ヒソヒソ
桑田「流石超高校級の軍人…。情報戦も強いな。」 ヒソヒソ
34: 2011/08/24(水) 22:51:47.60 ID:jU7onigu0
十神「それでこれからの作戦をどうするつもりだ?」
戦刃「本当なら舞園も確保してからBチームを強襲したかったが、仕方ない。予定変更してBチームに一斉攻撃を仕掛けるぞ。」
戦刃「そこで苗木を救出して、ついでにBチームを一網打尽にする!」
戦刃(苗木…。お前を守るという約束を果たせなかった私を許してくれ。)
十神「待て、お前はこのまま舞園を確保するつもりか?」
戦刃「どういうことだ?」
十神「今、舞園の電子生徒手帳は俺らの手の中にある。そして、舞園は確保されていないという状況。これを利用して他のチームを潰せないか?」
戦刃「なるほど…。舞園を確保したという情報が他のチームに流れる前に餌にしようって作戦か。」
桑田「でも苗木の救出はどうすんだよ!」
十神「それはお前らで勝手にやれ。俺は舞園の電子生徒手帳を餌にする作戦をとる。」
戦刃「別行動か。いいだろう、ただしお前が捕まっても面倒だから私は助けんぞ。」
桑田「苗木は助けようとしてるのに十神は助けないのかよ!」
十神「俺は捕まらん。その可能性すらない。」
36: 2011/08/24(水) 22:53:48.12 ID:jU7onigu0
―Cチーム―
不二咲「今度は苗木君が捕まったよ。」
山田「何ィ!苗木誠殿が!2番目に捕まるなんて…主人公補正が効かなかったのか!?」
セレス「妙ですわね。」
腐川「な、何が妙なのよ。」
セレス「よろしいですか?<●><●>苗木君は一体誰に捕まったってのでしょう。」
山田「それは、近くにいた舞園さやか殿が苗木誠殿を捕まえたということになりますな。」
セレス「でもおかしいのです。苗木君と舞園さんの現在位置をよく見てください。」
山田「むむ…。これは、二人ともAチームとAチームに捕まった霧切響子殿の近くにいますな。」
腐川「それがなんだっていうのよ…。」
38: 2011/08/24(水) 22:55:38.78 ID:jU7onigu0
不二咲「確かにおかしいね。この位置情報が本当だとしたら、捕まったのは苗木君じゃなくて舞園さんだった方が自然だよ。」
不二咲「あ!もしかして実際の本人のいる位置と電子生徒手帳の位置がズレているってことかな?」
セレス「ご名答。少なくても苗木君と舞園さんの現在位置情報は間違っているのです。」
不二咲「二人が争った時に電子生徒手帳が落ちたのかな。」
セレス「何にせよ、この位置情報は当てになりませんわ。偽造出来る可能性は十二分にあります。」
セレス「それに見てくださいコレ。舞園さんの現在位置情報。如何にも一人で出歩いてて捕まえてくれって言っているようなものじゃないですか。」
セレス「最初の苗木君のように罠を仕掛けられる教室内に篭っているならまだしも、一人で出歩くなんて無防備すぎます。」
不二咲「本当だ。誰かが舞園さんの電子生徒手帳を拾ったのかな。」
セレス「これはきっと罠ですわね。」
39: 2011/08/24(水) 22:57:47.15 ID:jU7onigu0
―Dチーム―
葉隠「あちゃー。苗木っちが捕まったか。」
大神「苗木が捕まってAチームの戦力が減った今が戦刃を倒すチャンス!」
葉隠「どんだけ戦刃っちに対抗意識持ってるんだべ!」
大神「我は格闘家として強い者と戦いたいだけだ。」
朝日奈「見て、すぐ近くに舞園ちゃんが来てる。」
葉隠「一人だべ!これは捕獲するチャンスだべ!」
江ノ島(うぷぷー。どう見ても罠だけどね。)
朝日奈「よおし!ここは舞園ちゃんを捕まえてBチームの戦力を一気に下げよう!」
葉隠「舞園っち一人だけなら俺でも勝てるべ!俺の先制攻撃だべ!」
朝日奈「行っちゃった…。」
大神「流石に舞園相手なら我が出るまでもない。それに女一人によってたかって攻撃するのも忍びない…。葉隠に任せよう。」
朝日奈「そうだね。」
江ノ島(うぷぷー。流石、脳筋二人とバカ一人。罠に気づいてない。)
42: 2011/08/24(水) 23:00:44.05 ID:jU7onigu0
葉隠「この辺に舞園っちがいるはずだべ。俺の占いは3割当たる!」
十神が葉隠の背後の回りこみ飛び掛る。
葉隠「だ、誰だ!?何をするべ!」
そのまま十神は葉隠に間接技を決め押さえ込んだ。
十神「動くな。」
葉隠「と、十神っち?な、何でここに?」
十神「黙って電子生徒手帳を出せ。」
葉隠「お、おう。」
十神は葉隠から受け取った電子生徒手帳を適当な方角に投げた。
葉隠「な、何すんべか!」
十神「これでお前の現在位置はお前のチームの仲間にはわからなくなった。」
葉隠「何だと!?俺の本当の位置情報を偽装するつもりか!ってことは舞園っちの電子手帳は……。」
十神「俺が置いた罠だ。お前にしては勘がいいな。だが、気付くのが少し遅かったな。」
葉隠「くそー。嵌められたべ。」
44: 2011/08/24(水) 23:03:19.07 ID:jU7onigu0
十神「葉隠を確保した。」
葉隠「あ!お前、捕虜の持ち物を奪うのは禁止だべ!俺から電子生徒手帳を奪ったんだべ。」
十神「俺がお前から持ち物を奪ったのは捕虜として確保宣言する前だ。何の問題もあるまい。」
葉隠「あ、そうか。お前頭いいな。」
十神「お前みたいな凡人に褒められても嬉しくない。」
―Cチーム―
不二咲「今度は葉隠君が捕まったみたい。」
セレス「彼のことだから恐らく電子生徒手帳の罠に引っかかったんでしょう。」
腐川「あ、あんな罠にかかるなんてバカもいいところよね。」
山田「自分だって最初は罠だって気づかなかった癖に。」
腐川「な、何よー。あんたたちに言われなくてもいずれ気付いてたわよ。」
46: 2011/08/24(水) 23:06:59.52 ID:jU7onigu0
セレス「これでチーム内のメンバーが誰も捕虜になってないのは私たちのチームだけということになりますわね。」
山田「そうですな。」
セレス「このままやり過ごして漁夫の利作戦でいきましょう。」
山田「ふむ。確かに僕らのチームは体力自慢の兵がいませんからな。他のチームが弱っている隙をつくしかないですな。」
不二咲「でもそんなやり方でいいのかなあ。こんなの男らしくないよ。」
腐川「何で女のあんたが男らしさとか気にするのよ。唯一男のそこのデブならともかくね。」
不二咲「うぅ…。」
山田「コラー!腐川冬子殿!千尋タンを虐めるな!」
腐川「千尋タンってあんた…。」
セレス「自分もさり気なくディスられたことに気付いてないようですわね。」
山田「え?」
47: 2011/08/24(水) 23:09:24.25 ID:jU7onigu0
―Dチーム―
朝日奈「うそ!?葉隠が捕まったって。」
大神「なんと、葉隠が舞園に負けたのか!」
朝日奈「あいつそこまで弱かったんだ。身長高い割りには大したことないね。」
大神「いや、舞園が実は一子相伝の拳法の使い手だったのかも知れん。」
朝日奈「それはないって。」
江ノ島「で、どうすんの?葉隠助けに行く?」
大神「我が行こう。」
朝日奈「さくらちゃん一人だと危険だよ!私も行く!」
大神「しかし、江ノ島を一人にするわけにもいかん。」
朝日奈「そっか。そうだよね。」
江ノ島「ふん。私様が下等なニンゲン如きに捕まるわけがない。ここで待っててやるからさっさと行って来い。」
大神「しかし…。」
江ノ島「いいから行けっつってんだよ!葉隠のために出歩くのも面倒くせーしよお!」
49: 2011/08/24(水) 23:11:41.58 ID:jU7onigu0
朝日奈「江ノ島ちゃんもああ言ってるし、二人で行こうよ。」
大神「そうだな。江ノ島よ、すぐに戻ってくるから留守番を頼んだぞ。」
江ノ島「わかりました………。一人でいるのも退屈だし、早く戻ってきてくださいね…………。」
―Bチーム―
大和田「よお兄弟。」
石丸「どうした兄弟?」
大和田「俺たちで霧切を取り戻さねーか。」
石丸「しかし、僕たちが行けば舞園くんが一人になるぞ。」
舞園「いえ私は大丈夫です。護身用の包丁もありますし。それに何かあっても苗木君が私を守ってくれるはずです。ね?苗木君。」
苗木「え…。う、うん。」
大和田「苗木は敵チームだろうが!」
50: 2011/08/24(水) 23:13:45.39 ID:jU7onigu0
舞園「それに一人で苗木君を捕まえたのも私なんですよ。私を信じてください。」
石丸「そこまで言うなら仕方ないな。」
大和田「おう、舞園。俺たちはすぐ戻ってくるつもりだけど、何があるかわからない。出来るだけ目立たないところに隠れろよ。」
舞園「はい、わかりました。」
大和田と石丸がログアウトしました。
舞園「やっと二人きりになれましたね。」
苗木「ふ、二人きりってそんな…。」
舞園「あの…苗木君?敵に見つからないように掃除用具入れの中に隠れてもいいかな?」
苗木「確かにそこなら見つからないね。隠れておいでよ。」
舞園「苗木君も一緒ですよ。」
苗木「ええ!?僕も?」
舞園「そうですよ。私には苗木君を見張る義務がありますから。」
苗木「逃げるつもりなんてないよ。」
舞園「だーめ。ちゃんと私の目の見えるところにいないと。」
53: 2011/08/24(水) 23:15:47.42 ID:jU7onigu0
苗木「で、でも二人で入るには流石に狭いんじゃないかと。やっぱりどうしても体が密着しちゃうし。」
舞園「苗木君は私と体を密着させるのが嫌なんですか?」
苗木「い、嫌じゃないけど。」
苗木(むしろ嬉しいくらい。)
舞園「私も苗木君と密着できたら嬉しいですよ。」
苗木「え?」
舞園「エスパーですから。冗談です。ただの勘ですよ。」
舞園「さあ。見つからない内に隠れましょう。」
苗木「う、うん。」
戦刃「苗木ー!助けに来たぞー!」ガラッ
舞園「!?」
苗木「戦刃さん!」
58: 2011/08/24(水) 23:18:08.14 ID:jU7onigu0
舞園「空気の読めない軍人が来ましたね。石丸君並の超高校級のKYなんでしょうか。苗木君は渡しません!」
戦刃(今回のミッションは苗木救出が最優先。舞園確保は後回しだ。)
―数分前―
戦刃「それでは作戦を確認するぞ…。」
大和田「お!Aチームのやつらと霧切だ!」
石丸「霧切君!今助けるぞ!」
桑田「げ!あっちから先に来たぞ。」
戦刃「仕方ない。桑田とりあえず作戦通り走れ。霧切を連れてな。」
桑田「わかった。行くぞ霧切。」
霧切「え、ちょっと…。」
桑田は霧切の手首を掴んで強引に走り出す。
大和田「待てゴルァ!」
石丸「霧切君を返せー!」
大和田と石丸は戦刃を無視して桑田を追いかける。
戦刃(あの二人の性格上、まずは私を確保しようとせずに仲間を先に助けようとするはず。多少作戦は狂ったけど問題ない。私は苗木を救出する。)
59: 2011/08/24(水) 23:21:00.26 ID:jU7onigu0
―回想終了―
戦刃(相手はたかがアイドル。軍人の私の敵ではないわ!)
舞園「動かないで下さい。」
舞園は抱き寄せ包丁を突き立てる。
苗木「え!?ちょっと舞園さん!」
舞園「動いたら苗木君を切りますよ。」
戦刃「お前に苗木を切れるはずがない。」
舞園「あ、貴女だって苗木君に傷を負わせたくないでしょ!?」
戦刃「ぐ…。捕虜に危害を加えるのは禁止されているはずだ!」
舞園「わかっています。その時はルール違反で私のチームの負けですよね。」
舞園「でも、苗木君の服だけを包丁で切ったらどうなると思いますか?」
戦刃「え?」
舞園「ふふ…。一糸纏わぬ姿の苗木君が私のすぐ傍に。」
苗木「や、やめてよ!」
60: 2011/08/24(水) 23:23:27.11 ID:jU7onigu0
戦刃(人質を取るなんて卑怯な女め…。)
舞園「苗木君、ごめんなさい。しばらく我慢して下さいね。」
苗木(舞園さん怖い…。)
舞園「怖くないですよ。大丈夫です。流石に頃しはしませんから。」
舞園「さあ、戦刃さん武器を捨てて。」
戦刃「チッ。」
戦刃は持っていたナイフを地面に捨てた。
戦刃(このまま舞園を組み伏せて苗木を救出しようとしても距離が遠すぎる。もう少し距離が近ければ苗木を助けられるのに。)
舞園「ゆっくり後ろに下がってください。」
戦刃(この女……。どうにかして出し抜けないか………。)
61: 2011/08/24(水) 23:25:29.49 ID:jU7onigu0
苗木「ま、舞園さん。」
舞園「何ですか苗木君。」
苗木「こんな時に言うのも難だけど…その……。ブラのホック外れてない?」
舞園「え?やだ!?」
戦刃(今だ!)
戦刃は舞園が気を取られた瞬間に一気に詰め寄り、舞園の包丁を叩き落して苗木を奪い返した。
舞園「く…。」
戦刃「ナイスだ苗木!いいブラフだったぞ。」
苗木「舞園さんと密着したら気付いたんだ。舞園さんのブラのホックが外れていたことに。」
戦刃(本当に外れていたのか。しかもそれをわざわざ指摘するとはなんという天然。かわいい。)
舞園「苗木君は渡しません!」
舞園は再び包丁を拾い上げた。
戦刃「苗木、とりあえず逃げるぞ!」
64: 2011/08/24(水) 23:29:28.15 ID:jU7onigu0
戦刃は苗木を抱きかかえた。
苗木「ちょ、ちょっと恥ずかしいよ。」
戦刃「そんなこと言ってる場合か。相手は武器を持っているから、お前を守りながらだと戦えない。」
戦刃は苗木を抱いたままBチームがアジトにしている教室から出て行った。
舞園「戦刃さん…。絶対に許しませんよ。」
―Aチーム・桑田サイド―
大和田「待てゴルァ!」
桑田(流石にそろそろ体力的にヤバくなってきたか?俺練習はしないからそこまで持久力ないんだよ。)
桑田(大和田に追いつかれたら喧嘩じゃ間違いなく勝てない。絶対に追いつかれる訳にはいかないんだ!)
桑田(そろそろだな。お、見えてきた!)
66: 2011/08/24(水) 23:31:27.98 ID:jU7onigu0
桑田が走っている方向に大きな箱が置いてあった。
桑田は箱の裏側に回りこんでその箱を思い切り蹴飛ばして倒した。
石丸「な、何だこれは!」
大和田「野球ボールだと!」
桑田が蹴り飛ばした箱の中から大量の野球ボールが転がって大和田と石丸の行く手を阻む。
大和田と石丸は転がった野球ボールを踏んでしまい、その場に転倒してしまった。
大和田「いててて。」
石丸「これが狙いだったのか。」
桑田「へへ。俺はただ逃げてたわけじゃねえぞ!このトラップが仕掛けてあるところを目指して走ってたんだ。」
桑田「ま、この作戦を考えたのは戦刃だけどな。」
石丸「桑田君の脚力を活かしたいい作戦だ。敵ながら天晴れ…。」
大和田「褒めてる場合か…チクショー。」
桑田「よし、大和田と石丸確保!」
71: 2011/08/24(水) 23:36:43.24 ID:jU7onigu0
桑田「あれ?霧切は?」
石丸「霧切くんは桑田くんが僕たちを確保している間に逃げたよ。」
桑田「何だと!くそ…。あいつ俺らに協力すると言っておきながら裏切りやがったな。」
霧切(戦刃さんがいる以上はAチームの捕虜のままでは苗木君とまともに会話出来ないわ。やはり、苗木君がBチームの捕虜になった状態で私もBチームに戻るのがベストね。)
霧切(このまま舞園さんのところまで逃げて彼女に救出してもらいましょう。ただ逃げるだけだとずっと捕虜の扱いのままだし。)
霧切(舞園さんが戦刃さんに捕まってなければいいのだけれど…。)
―Bチーム―
霧切「ただいま」ガラッ
舞園「霧切さん、戻ってきたんですか!?」
霧切「ええ。自力で逃げてきたわ。とりあえず、舞園さんが捕まってなくて良かった。舞園さんと接触出来たから、これで私も救出扱いでBチームに戻れる。」
舞園「そうですね。霧切さん救出です。」
霧切「ところで苗木君は?」
舞園「戦刃さんに奪われました。」
霧切「何で私が捕まってる時に苗木君を捕まえたのか、何で私が戻ってきたときに限って苗木君がいないのか。色々文句を言いたいところだけど…。」
霧切「今は苗木君を取り戻すことを考えるのが先ね。」
72: 2011/08/24(水) 23:40:09.88 ID:jU7onigu0
舞園「でもチャンスですよ。戦刃さんは武器をこの教室に置いていった。つまり今は丸腰です。」
霧切「それでも油断は出来ないわ。彼女は超高校級の軍人。武器がない状態での格闘戦も強いはず。」
舞園「それでAチームの捕虜になった感想はどうでしたか?」
霧切「まるでダメね。戦刃さんが苗木君と話すのを許してくれない。」
舞園「わざと捕まったのに残念でしたね。」
霧切「別にわざと捕まったわけじゃないわ。敵の情報を知るために捕まってもいいと思ってただけよ。罠には薄々気付いてたし。それにあの罠には引っかかるだけの魅力があったし。」
霧切「とにかく、戦刃さんがいる限りAチームの捕虜になっても苗木君と接触させてもらえない。」
舞園「ということは、苗木君をゲットするためには……。」
霧切「苗木君をBチームの捕虜にするしかない。」
舞園「協力しましょう。」
霧切「私もそのつもりでここに戻ってきたわ。」
73: 2011/08/24(水) 23:43:31.83 ID:jU7onigu0
舞園「ところで、霧切さんは電子生徒手帳を持ってますか?」
霧切「ここにあるわ。捕虜の持ち物は奪えない決まりだからAチームに奪われてない。」
舞園「良かった。これで情報を確認できます。苗木君を捕まえるために電子生徒手帳を囮にしちゃったから私持ってなかったんですよ。」
霧切「全く、囮にする作戦はいいけどちゃんと回収手段も用意しないとダメじゃないの。」
舞園「ごめんなさい。」
―Aチーム―
戦刃「なんとか全員無事だったみたいだな。」
桑田「霧切に逃げられちまった。すまねー。」
戦刃「電子生徒手帳で確認したら霧切は既に救出済みらしい。」
苗木「ということは舞園さんと合流したんだね。」
十神「全く、舞園を確保しておけばBチームの敗退は確定だったのに。」
戦刃「すまない。苗木のことで頭がいっぱいだった。反省はしている。」
76: 2011/08/24(水) 23:46:10.26 ID:jU7onigu0
苗木「ごめん…。僕が舞園さんに捕まったせいでこんなことになっちゃって……。」
戦刃「いや、苗木は悪くない。悪いのは作戦指揮をしていた私だ。私の力不足が招いた結果だ。」
十神「お前らどいつもこいつもミスばっかりで使えんな。」
桑田「んだとこらー!お前だって別行動してた癖に!あそこでお前が俺たちと一緒に行動していれば、戦刃の支援に回れて舞園ちゃんだって捕まえられたはずだぞ!」
十神「何だ?自分たちの力不足が招いた結果を俺に擦り付けるのか?俺はちゃんと葉隠を捕まえたぞ。」
桑田「てめー!」
苗木「もう言い争いはやめようよ。それよりこれからどうするかだよ…。」
桑田「まーそうだよな。捕虜の数が増えたから下手に動くのも救出のリスクが高くなってまずいし。」
戦刃「今はとりあえず他のチームの出方を伺おう。作戦を立てるのはそれからでも遅くはない。」
77: 2011/08/24(水) 23:49:34.88 ID:jU7onigu0
―Dチーム―
朝日奈「ただいまー。」 ガラッ
江ノ島「おかえりー。葉隠は見つかった?」
朝日奈「ううん。葉隠の電子生徒手帳しか見つからなかった。」
大神「きっと争った時に落としたのだろう。」
朝日奈「葉隠はあんなやつだけど仲間だよ。何とかして助けたいよ。」
大神「とはいえ、葉隠の現在位置が掴めない。一体葉隠はどこにいるんだ。」
江ノ島(こいつら本当に脳筋だな。ちょっと考えれば葉隠がどのチームに捕まったのかわかりそうなのに。)
―Cチーム―
山田「苗木誠殿と霧切響子殿が救出されましたな。」
不二咲「その代わりに大和田君と石丸君が捕まっちゃったね。」
腐川「ということはBチームは残り2人ってこと?倒すチャンスじゃないの?」
セレス「いいえ、まだですわ。私たちが動くのはどこかのチームが1つ消えてから。最低でもそれくらい待つ必要がありますわ。」
セレス「勝ちたいなら勝負を焦らないことです。特に私たちのチームでは真っ向勝負は不利でしょうから。」
山田「戦闘面では明らかに最弱ですからな。」
78: 2011/08/24(水) 23:52:18.72 ID:jU7onigu0
―Aチーム―
十神「苗木、桑田。ちょっといいか?」
苗木「何?十神クン。」
桑田「なんだよ。」
十神「俺にいい作戦がある。」
苗木「作戦があるなら戦刃さんに相談した方がいいんじゃない?」
十神「いや、この作戦の内容を知ったら戦刃は間違いなく断るだろう。それどころか俺を逆恨みしかねん。」
十神「いいか、作戦は――――。」
苗木「ええ!?」
十神「苗木、お前がいないとこの作戦は成立しない。」
桑田「く…。羨ましいぜ苗木の野郎。」
苗木「や、やだよ。」
桑田「何!この作戦を拒否するなんてお前それでも男か!」
79: 2011/08/24(水) 23:54:44.99 ID:jU7onigu0
苗木「こんなの二人を騙しているみたいで悪いよ。」
十神「当たり前だろ。騙すための作戦なんだから。」
苗木「上手くいくのかなあ。」
十神「苗木、今回ばかりはお前に期待させてもらうぞ。当然俺の期待に応えてくれるよな?」
苗木「でも…。」
十神「この俺が作戦に協力させてやるって言ってるんだぞ。」
苗木「わ、わかったよ…。やるよ、やればいいんでしょ。」
十神「では、行くぞ。苗木、桑田。」
桑田「わりー。戦刃。ちょっと俺らトイレ行ってくるわ。」
戦刃「トイレだと?三人一緒にか?」
十神「男の友情ってやつだ。少しだけ凡人とも付き合うのも悪くないと思ってな。」
戦刃「お前の口からそんな言葉が出るとは…。ますます怪しい…。」
苗木「行ってもいいよね?漏れそうなんだよ。」モジモジ
戦刃(…キュン!)
戦刃「まあいいすぐに戻って来い。」
80: 2011/08/24(水) 23:58:07.24 ID:jU7onigu0
―Bチーム―
霧切「苗木君が近くに来ているわ。」
舞園「凄く行きたい…。罠だとわかってても凄く行きたいです。」
霧切「落ち着くのよ舞園さん。今ここで出て行ったらやつらの思う壺。」
ガラッ
霧切(誰か来た!?)
苗木「えっと…。」
舞園「苗木君!?」
霧切「まさか、苗木君が単身乗り込んでくるとは。一人で私たちを捕まえられると思ってるの?」
霧切「苗木君の癖に生意気よ!」
苗木「実は僕…。チームのみんなと喧嘩しちゃって、だからあんなチームにいるくらいなら二人に捕まって足を引っ張ってやった方がいいんじゃないかと思って。」
舞園「そうなんですか。私は歓迎しますよ。」ニコ
霧切(おかしい、これはいくらなんでも話がうますぎる。落ち着くのよ。苗木君が仲間を切り捨てるわけがない。きっとこの苗木君は囮に違いない。)
霧切(観察眼!)
82: 2011/08/25(木) 00:01:12.29 ID:ygGaiPo90
霧切(苗木君の後ろに人影…?)
霧切「舞園さん、気をつけて。その苗木君は囮よ。」
舞園「え?」
苗木「今だ桑田君!」
桑田「おう!」
桑田は苗木の後ろから飛び出して教室に思い切り足を踏み入れた。
勢いよく走るものの、滑って転んでしまった。
桑田「アポ…?」
舞園「残念でした。入口付近にワックスをばら撒いて滑りやすくしてました。霧切さんのアイディアによってね。」
霧切「包丁なんて物騒なもの持ち出さなくても頭脳で敵を倒せるのよ!(キリギリッ」
霧切「苗木君、私たちを騙そうとしてたのね。」
苗木「あ、いやその…。」
86: 2011/08/25(木) 00:06:02.24 ID:ygGaiPo90
―Aチーム・戦刃サイド―
戦刃「何だと!苗木と桑田が捕まっただと!」
石丸「おお!舞園君と霧切君がやってくれたか!」
大和田「このまま逆転あるぞ!」
戦刃「あいつら…トイレに行くだなんて私を騙したな。勝手な行動を取りやがって…!」
戦刃(苗木に騙された…絶望的だ………。氏にたい…。)
葉隠「なんかよくわかんねーけど。Aチームが敗退したら、俺にも逃げるチャンスがあるんじゃねーか!?希望が沸いてきたべ。」
―Bチーム―
舞園「苗木君は私たちにどうされたいのかなー?」
苗木「で、出来れば優しくして欲しいかなって。」
霧切「優しくして欲しいだなんて苗木君の癖に生意気よ!」
舞園「そうですよ。お仕置きなんですから。甘やかしませんよ。」
苗木「あ、あまり怖いことされると二人のこと嫌いになるかも知れないよ…。」
霧切 舞園(!?)
88: 2011/08/25(木) 00:08:16.06 ID:ygGaiPo90
霧切「そうね。あまり厳しすぎるのもアレよね。」
舞園「これは、ただのゲームですからね。少しだけなら優しくしてあげてもいいですよ。」
桑田(苗木爆発しろ。)
霧切「それにしても困ったわ。優しいお仕置きなんて思いつかないわ。」
舞園「そうですね。お仕置きとは厳しいものですからね。」
苗木「それじゃあ、こんなのはどうかな。」
苗木は舞園と霧切の二人に抱きついた。
霧切「え?な、苗木君!?」ドキ
舞園「え…え?」ドキ
桑田(マジ爆発してくんねーかな。)
89: 2011/08/25(木) 00:10:16.90 ID:ygGaiPo90
舞園と霧切が突然のことに正常な思考が出来ないまま、何者かが教室に入ってきた。
十神「苗木救出。」
苗木「舞園さん、霧切さん確保。」
桑田「よっしゃあああ!作戦がうまく行った!これでBチーム敗退だ!」
霧切 舞園「は?」
十神「お前たちは苗木が捕虜になってるからと言って油断したな。確かに自分たちが捕まえた捕虜に捕まってもルール上は自分は捕虜にならない。」
十神「だけど、その捕まえている最中に捕虜が救出されたらどうなる?」
霧切「捕虜はゲームから復帰して私たちが逆に捕虜になるということね。」
苗木「僕は最初から捕まるつもりでここに来たんだ。」
桑田「ただ捕まるだけだと怪しまれるから、俺が苗木を囮にして突撃するというダミーの作戦をすることで二人の警戒をといた。」
舞園「それじゃあ桑田君の突撃も最初から失敗が前提だったってこと?」
十神「そうだ。お前たちが俺らの作戦の上を行ったと思わせて油断させるためにな。」
91: 2011/08/25(木) 00:13:19.06 ID:ygGaiPo90
舞園「そんな苗木君に抱きつかれて嬉しかったのに、作戦だったなんて……。」
霧切「酷いわ苗木君…。」
苗木「あ、僕だってこの作戦は出来ればしたくなかったんだよ。でも十神君がどうしてもって言うし。」
霧切「それは私に抱きつくのが嫌だったってことなの?」
苗木「あ、そうじゃなくて二人を騙すのが気が引けたというか…。」
舞園「でも実際に騙したじゃないですか!」
苗木「いや、だからこれは…。」
苗木(なんとかして二人の機嫌を直さないと。)
桑田「十神もえげつねー作戦考えるもんだな。二人の気持ちを利用するなんて…。」
十神「利用できるもんは何でも利用するさ。苗木が抱きつけばあの二人は拒否して振りほどいたりしないからな。身動きが取れなくなったのと一緒だ。」
桑田「っつーかさ、苗木が舞園ちゃんと霧切に抱きついたことを戦刃が知ったら…。」
十神「間違いなくキレるだろうな。」
桑田「俺ら殺されるだろうなー。」
十神「俺は殺されん。」
93: 2011/08/25(木) 00:16:14.31 ID:ygGaiPo90
―Aチーム―
戦刃「苗木・桑田救出。舞園・霧切確保だと…。」
大和田「何ィ!!ってことは…。Bチーム敗退が決定したのか。」
石丸「まさか僕たちのチームが一番最初に負けるなんて。」
戦刃「苗木が無事で良かった。あの二人に変なことされてないだろうな…。」
桑田「戻ったぜー。」ガラッ
戦刃「随分と長いトイレだったな。」
桑田「いやー。ちょっと道に迷ってBチームのアジトまで行っちゃったんだよ。」
戦刃「自分が通っている学校で道に迷うわけないだろ!このアポが!それで苗木は無事なんだろうな。」
苗木「うん、僕は大丈夫だよ。」
霧切 舞園「………。」
苗木(二人の沈黙が怖い…。)
95: 2011/08/25(木) 00:19:45.03 ID:ygGaiPo90
苗木「ああ、そうだ。戦刃さんのナイフを取り戻してきたよ。」
戦刃「Bチームのアジトで落としたナイフか…。わざわざ取り返してきてくれたのか?」
苗木「うん。失くしたままだと戦刃さんが困ると思って見つけてきたんだ。」
戦刃「そうか。ありがとう苗木。」デレ
霧切 舞園「…………………。」
苗木(気のせいだ。後ろから無言の圧力が感じるのはきっと気のせいだ。)
舞園「気のせいじゃありませんよ。」ボソ
苗木「え!?」
舞園「エスパーですから。フフフフフ。」ボソボソ
十神「これでBチームは全員確保したことになる。次はどのチームを潰すかだ。」
桑田「既に一人捕まっているDチームがいいんじゃねえの?」
葉隠「Dチームはやめておいたほうがいいんじゃないか?だってあのオーガいるんだべ。」
戦刃「別に大神を倒すつもりはない。ただ確保すればいいだけだから作戦次第ではどうにでもなる。」
葉隠「頼むよー。Dチームを見逃してくれよ!」
十神「何故敵であるお前の意見を聞き入れなければならない。」
97: 2011/08/25(木) 00:23:12.82 ID:ygGaiPo90
―Cチーム―
不二咲「Bチームの敗退が決定だって。」
山田「ということは…。」
セレス「ようやく私たちが動く時が来たようですわね。」
セレス「それは作戦を説明いたします。よろしいですか?<●><●>カッ」
不二咲(セレスさんの目が怖い。)
セレス「作戦内容は――――。」
98: 2011/08/25(木) 00:24:51.42 ID:ygGaiPo90
山田「なるほど。それぞれのチームが弱っていたり戦力が分散している時にそれをやるとより効果的ですな。」
セレス「勝負事において奇襲は有効な手ではありますが、そう何度も使える手ではありません。」
セレス「刺す時は容赦なく、それこそ頃す勢いでやらないと反撃されてこちらが逆に負けてしまいますわ。」
不二咲「大丈夫かなあ。」
山田「むふふ。心配しなくても不二咲千尋殿は僕がお守り致しますぞ!」
不二咲「ありがとう山田君。気を使わせてゴメンネ。」
山田(なんかキタ。フラグ立ってる。)
腐川「白夜様ー。早く私を捕まえてください。」
山田「ダメだこいつ…早くなんとかしないと。」
103: 2011/08/25(木) 00:31:31.95 ID:ygGaiPo90
―Dチーム―
朝日奈「嘘!Bチーム負けちゃったの?」
大神「Bチームは頭脳戦や格闘戦でみてもバランスがいいチームだった。そのBチームを倒せるほどの力を持っているのは…。」
朝日奈「戦刃ちゃんがいるAチームだね。」
大神「うむ。AチームもBチーム同様バランスが良いチーム構成だ。」
朝日奈「私たちのチームってあんまり頭脳戦が得意な人っていないよね…。」
大神「クビ引きで決まった結果だから多少バランスが悪くても仕方あるまい。」
江ノ島(私様の頭脳を持ってすれば他のチームなんて取るに足らない存在だ。)
江ノ島(だけど。やっぱりラスボスは最後に出た方が盛り上がるでしょ?だから、私はこのまま出番が来るまで待機してまーす。)
江ノ島(うぷぷー。でも、待つのも飽きたしこの二人を使って面白いことでもしようか。)
江ノ島「ねえ、私にいい作戦があるんだけどさ…。」
大神「作戦?」
朝日奈「作戦って何の?」
江ノ島「うぷぷー。Aチームのむくろお姉ちゃんを倒して葉隠を取り戻す作戦だよ。」
106: 2011/08/25(木) 00:38:16.46 ID:ygGaiPo90
―Aチーム―
苗木(やれるだけのことはやった。後は大神さんが僕の仕掛けた罠にかかることを祈るだけだ。)
戦刃「さて、そろそろ昼時か。昼休憩にしよう。私が教室の入口を見張っているからお前らはレーションを食べてくれ。」
桑田「おー!丁度腹減ってたんだよな。」
十神「捕虜の分はここに置いておくぞ。各自好きなように食え。」
葉隠「俺らの分まであるのか!サンキュー十神っち。」
十神「勘違いするな。捕虜に対する虐待が禁じられているだけだ。食事抜きも該当するからな。」
石丸「では、いただきます!」
大和田「意外にいけるな。これ。」
苗木「戦刃さんは食べないの?」
戦刃「私は後でいい。流石にチーム全員が休憩するわけにもいかない。その隙を敵に襲われたら終わりだからな。」
苗木「だったら、僕も一緒に見張るよ。」
戦刃「え?」
109: 2011/08/25(木) 00:43:06.02 ID:ygGaiPo90
苗木「だって、3人と1人で交代制を取ると戦刃さんが一人で食べることになっちゃうでしょ?」
戦刃「わ、私は軍人だ。そんなこと気にしない。」
苗木「でも僕も戦刃さんと一緒に食べたいし。ダメかな?」
戦刃「!!!」ズキュウウン
戦刃「そ、そうだな。二人で見張りをした方が効率がいいし、そうするか。」
苗木「うん。じゃあ僕は右側を見張るから戦刃さんは左側をお願い。」
桑田「あれ?舞園ちゃんと霧切は食わないの?」
舞園「まだお腹が空いてません。」
霧切「そうね。見張りが交代し終わったタイミングでお腹が空きそうな感じがするわ。」
霧切(戦刃さん。苗木君に情けをかけられたからっていい気にならないでね。)ドドド
舞園(二人っきりで食事なんて絶対にさせませんからね。)ゴゴゴ
戦刃(チッ。捕虜の分際で調子に乗って…!)
112: 2011/08/25(木) 00:48:07.72 ID:ygGaiPo90
―Dチーム―
朝日奈「江ノ島ちゃんの作戦が上手くいくといいね。」
大神「うむ。我も戦刃と直接対決出来そうで嬉しく思うぞ。」
朝日奈「そうだ。Aチームに襲撃かける前に倉庫に寄ってもいいかな?」
大神「倉庫に?」
朝日奈「うん。葉隠もお腹空いてると思うし、何か持ってってあげたいんだ。」
大神「朝日奈は優しいな。」
朝日奈「えへへー。まあ、私もお腹空いたからドーナツ食べたいってのもあるけどね。」
大神「確かに今は丁度昼時だからな。」
朝日奈「さくらちゃんはお腹空かないの?」
大神「出来るだけエネルギー消費を抑える呼吸法をしているから空腹はある程度なら抑えられる。心配はいらん。」
朝日奈「なにそれ凄い。」
114: 2011/08/25(木) 00:51:09.83 ID:ygGaiPo90
―Cチーム―
セレス「Dチームに動きがありましたわ。」
不二咲「作戦うまく行くといいなあ。」
山田「俺、この作戦が無事に終了したら結婚するんだ。」
不二咲「ええ!?山田君結婚するんだ。」
山田「あ、いや。冗談ですぞ。ちょっとふざけて氏亡フラグ立てただけです。」
不二咲「何だ嘘か。えへへ。」
山田「天使だ。天使がいる。なんかキタ!」
不二咲「天使?」
山田「不二咲千尋殿は正に地上に舞い降りた天使(エンジェル)。僕と結婚してください。」
不二咲「え?け、結婚なんて困るよ。色々と………。」
山田「ぐふふ。まあ、僕は二次元専門ですけど。でも、不二咲千尋殿が二次元になったら確実に惚れますな。ほっほっほ。」
セレス「山田君。私語は慎んでください。じゃないとブチ頃すぞゴラアアアア!!」
山田「ヒイイイイ!!安弘多恵子殿はどうして怒ってるんですか!?」
腐川「ふ、ふん。あんたのその喋り方が不快なんじゃないの?」
116: 2011/08/25(木) 00:54:37.56 ID:ygGaiPo90
腐川「ど、どうせ。私の喋り方も不快だってみんな思ってるんでしょうけど。」
不二咲「そ、そんなことないよ。」
腐川「何よ!私を憐れんでるの?ちょっと可愛いからっていい気にならないでよ!」
不二咲「か、可愛い…?」 ガーン
―Aチーム―
桑田「しかし、全然人こねえな。」
十神「黙って見張ってろ。敵はいつ来るのか分からんのだぞ。」
桑田「敵も腹減って飯でも食ってるんじゃねーのか?だから今の時間帯は攻めて来なかったりして。」
十神「アホか。敵が食事をしている時は一番の狙い時だろ。」
桑田「あー!アホっつったな!アホって言ったやつの方がアホなんだからな!アホアホアホアホアホー!!」
十神「お前だけには言われたくない。」
117: 2011/08/25(木) 01:02:25.80 ID:ygGaiPo90
戦刃「苗木…。」
苗木「何、戦刃さん。」モグモグ
戦刃「ほっぺにご飯粒付いてるぞ。」
苗木「え?ウソ!?」
戦刃「私が取ってやる。」
舞園「いいえ、私が取ります。私は苗木君の助手ですから、苗木君の世話は私がします!」
霧切「苗木君は私の助手よ。助手の面倒を見るのも探偵としての務めよ!」
戦刃「何を言う!最初に気付いたのは私だ!」
舞園「私も気付いてました。でも言うタイミングが少し遅れただけです!」
霧切「それを言うなら私も気付いてたわ。観察眼でじっくり観察してたから言ってなかっただけよ。」
戦刃「その場で言わなかったら気付いていないのと一緒だ!戦場でも敵に気付いていても発砲しなかったら敵は倒せない!重要なのはどれだけ早く敵に向かって発砲するかなのだ!」
苗木「ちょっと三人共喧嘩はやめてよ…。」
石丸「ん?苗木君。ご飯粒が付いているではないか。どれ、僕が取ってあげよう。」
苗木「ありがとう石丸君。」
戦刃 舞園 霧切「!?」
119: 2011/08/25(木) 01:05:22.72 ID:ygGaiPo90
石丸「いいか!食事というのは行儀よく食べるべきなのだ!今度僕が君にテーブルマナーを教えてあげよう!ハッハッハ。」
苗木「いや、いいよ…。」
石丸「遠慮することはないぞ!これも風紀委員としての務めだからな!」
戦刃「いや、苗木にはテーブルマナーだけではなく色々と叩き込まなければならないことがある。」
苗木「ちょっと戦刃さん何言ってるの。」
戦刃「ここは規律を重んじる軍に所属していた私に苗木の教育を任せて欲しい。」
石丸「なるほど。よし、戦刃君。君に苗木君のことを任せたぞ!」
霧切「ちょっと何勝手に話を進めてるの!」
舞園「そうですよ。そうやって、苗木君と二人っきりになろうって作戦なんですね!」
戦刃「将来私の伴侶になるであろう男にマナーを叩き込むのは当然のことだ。」
桑田「あ!おい、オーガと朝日奈がこっちに向かってくるぞ!」
十神「むこうから来るなんてわざわざ襲撃する手間が省けたな。」
122: 2011/08/25(木) 01:09:44.36 ID:ygGaiPo90
―Dチーム―
大神「残るはこの教室だけだな。」
朝日奈「それにしても囮の電子生徒手帳を設置して居場所を撹乱させるなんてよく考えるよ。」
大神「うむ。江ノ島が気付いてくれなければ我も真実には辿りつけなかった。」
―回想―
江ノ島「では、まず私がこのサバイバルゲームで実際に起こった流れを簡単に説明します。」
朝日奈「え?どうして?」
江ノ島「葉隠の居場所を探るのに必要だからに決まってんだろがあああYO!」
江ノ島「まず、最初に行動を起こしたのはAチームです。とある教室に苗木君の電子生徒手帳だけを置いて、苗木君一人だけが無防備な状態にあると誤解させたのです。」
朝日奈「苗木の電子生徒手帳だけ置いてってどういうことなの?何で電子生徒手帳を手放す必要があったの??」
江ノ島「電子生徒手帳の位置情報確認機能を使ったのでしょう。電子生徒手帳には発信機が取り付けられていて学校内のどこにいるのかが把握できますから。」
大神「というと実際には苗木はあの教室にいなかったということか?」
江ノ島「そう考えるのが自然でしょう。そして、そのことに気付かずに教室に入って捕まったのが霧切さんです。」
江ノ島「霧切さんが教室にいるときにAチームのメンバーが教室に押し寄せて霧切さんを捕獲した。霧切さんが入ったタイミングをAチームが知るには、Aチームが持っている電子生徒手帳で確認できます。」
123: 2011/08/25(木) 01:13:49.40 ID:ygGaiPo90
朝日奈「え?でも、何で霧切ちゃんは電子生徒手帳を持ったまま行動したの?自分の位置がバレちゃうじゃん。」
江ノ島「シット!もう少し頭使えよ!自分が電子生徒手帳持ってないと他人の位置情報や誰が捕まって誰が捕まってないのかという情報も把握できないだろ!」
朝日奈「そっか。」
江ノ島「霧切ちゃんは単独行動しちゃったから、電子生徒手帳を手離すわけにはいかなかったんだよね。」
江ノ島「そこがAチームに突かれる隙になったのです。」
大神「ふむ。ということは電子生徒手帳の位置情報が本人の位置情報であるとは限らないということか。」
朝日奈「葉隠も電子生徒手帳落としちゃったから居場所掴めなくなったし。江ノ島ちゃん電子生徒手帳眺めてただけなのによく気付いたね。」
江ノ島「っつーか、苗木が一人で霧切に勝ったという状況の時点で疑問に思っとけってんだ!苗木が霧切に勝てる訳ないし、そこから推理できるだろ!」
江ノ島「うぷぷー。次は苗木君が捕まった件について説明するよ。舞園さんがAチームのいる教室の前に立った時に苗木君が捕まったんだよね。」
大神「そうだな。あの時は苗木が誰に捕まったのかということを気にも留めてなかったが、確かにAチームしかいない教室で苗木が捕まったのは妙だった。」
朝日奈「私は苗木が捕まった時の状況なんて全然覚えてないよ!」
江ノ島「あれも電子生徒手帳に表示されている各個人の位置と実際の位置が異なっていたのです。」
江ノ島「少なくても舞園ちゃんと苗木君の位置は違ったみたい。だから、舞園ちゃんが敵陣の近くに囲まれているという状態でも苗木君の捕獲が成立しちゃったのー。」
江ノ島「そこで次に問題になるのは舞園の電子生徒手帳だ。確か、葉隠が舞園を捕まえようとして飛び出して行ったはずだろ?」
朝日奈「そうだよね。そこで葉隠が返り討ちにあって捕まったんだよね。」
125: 2011/08/25(木) 01:17:40.25 ID:ygGaiPo90
江ノ島「これも偽装工作さ。誰かが舞園のフリをしてあたしらに近づいたのさ。」
大神「誰かとは誰だ?」
江ノ島「それはAチームの誰かでーす。あ、苗木君はこの時捕まっているから違うけどね。つまり、桑田君。十神君。残念なお姉ちゃんの内の誰かでーす。」
江ノ島「舞園が電子生徒手帳を落とした位置から予測すればわかんだろ!」
朝日奈「ってことは、葉隠はAチームの誰かと一緒にいる可能性が高いってこと?」
江ノ島「ピンポンピンポンだいせいかーい!!賞品はないけどおめでとー!」
大神「しかし、Aチームは位置を偽装する戦術を取っているのが基本であろう。電子生徒手帳だけだと位置を割り出せないのではないか?」
江ノ島「だから、甘いんだよスットコドッコイ!長時間チーム全員が電子生徒手帳を手放すなんて状況はまずありえねーんだよ!」
朝日奈「どうして?」
江ノ島「だって………。誰かが電子生徒手帳を持ってないと、他のチームの動向がわからないじゃないですか………。」
朝日奈「あ、確かに!」
江ノ島「ということは、電子生徒手帳に記されているAチーム。若しくはAチームに捕虜として捕まっている可能性があるやつらの現在位置を虱潰しに調べていけばいずれは葉隠がいる場所は辿り着く。」
朝日奈「江ノ島ちゃんすごーい。」
江ノ島「キャー。褒められちゃった。」
―回想終了―
126: 2011/08/25(木) 01:22:05.63 ID:ygGaiPo90
大神「江ノ島の推理が正しければこの教室に葉隠はいるはず。」
朝日奈「Aチームのみんなもいるんだよね。私たち二人で勝てるかな。」
大神「勝つしかあるまい。我らが負ければ残るは江ノ島ただ一人。我らの負けは確実だ。」
朝日奈「そうだね。私たちが頑張らないとね。」
―Aチーム―
桑田「ありえねー…。本当にそれであのオーガを捕まえられるのかよ。」
戦刃「実際にやってみないとわからん。」
桑田「霊長類ヒト科最強なんだぞあいつは!」
戦刃「それは素手での格闘戦に限った話。野生動物の世界では自分より何倍も強い相手に勝てる動物だっている。」
苗木「野生動物って…。そういえば戦刃さんって野生動物とも戦った経験があるんだっけ?」
戦刃「ホームレス時代にな。」
十神「驚いた。まさかホームレスなんて人種が本当にいたとは……。そんな希少な存在を見られただけでもこの学園に入学した価値はある意味あったかもな。」
桑田「んなもんちょっと都会の駅に行けばいくらでもいるっつーの。」
十神「電車なんて庶民の乗り物だ。俺は乗ったことはない。」
苗木(確かに十神君は僕らと住む世界が違うからホームレスなんて見たこともないんだろうな。)
129: 2011/08/25(木) 01:25:53.89 ID:ygGaiPo90
そんな雑談をしているといきなり敵襲がきた。
大神「葉隠を返せー!」 バリーン
葉隠「オーガ!助けに来てくれたのか!ありがたいべ。」
桑田「ありえねー!何で窓壊して侵入すんだよ!まず登場のスケールの仕方が他のやつとちげー!」
十神「堂々と入口から入ったら罠にかかる恐れがあるだろう。現にどこかのアホも入口から入って罠にかかったしな。」
桑田「誰のこと言ってんだよ!」
十神「お前のことだ。」
大神の全身にワイヤーが巻きついていく。
大神「む!」
戦刃「そのワイヤーは人の力ではとてもじゃないけど千切れない。いや、下手に動くと肉を切るぞ。」
大神「こんなもん、ふん!」 ブチイイ
戦刃「え?」
巻きついたワイヤーを力を入れただけで破壊してしまった大神の脅威に戦刃は恐怖した。
大和田「チクショウ。ブルっちまったぜ。」
葉隠「味方であるはずの俺ですらこえーぞ。」
131: 2011/08/25(木) 01:30:40.14 ID:ygGaiPo90
戦刃「ありえない。あいつは人間じゃない。私が今まで戦ったどの野生動物よりも危険だ。」
桑田「おい!お前で勝てなかったら俺らじゃオーガに勝てないぞ!」
苗木「いや、諦めちゃダメだ!出来るだけ大神さんの体力を削るんだ。」
苗木(大神さんの体力を削らないとあの作戦が意味をなさなくなってしまう。)
大神は葉隠のいるところまでダッシュで詰めより、葉隠を担ぐ。
葉隠「ちょ…。いきなり持ち上げんなよ。びっくりするべ。」
大神「すまぬ。あまり長居する時間もなくてな。葉隠、本当にすまぬ。」
葉隠「え?ちょっと何謝ってるべ?」
大神「朝日奈アアァ!!行くぞ!」
朝日奈「おっけーさくらちゃん!」
大神は葉隠を投げて割れた窓の先にいる朝日奈へと受け渡した。
134: 2011/08/25(木) 01:38:11.28 ID:ygGaiPo90
葉隠「ギャアアアアアア!!勘弁してくれよー。」
朝日奈「よっと…。いたた……。流石に葉隠の体重を受け止めんのは腕が痛かったかも。」
葉隠「い、いきなり投げるなんてありえねーべ。もし朝日奈っちがキャッチに失敗したら俺氏んでたぞ。」
葉隠(朝日奈っちが巨Oでよかったべ。あのクッションがなかったら俺は今頃氏んでたべ。)
朝日奈「ごめんごめん。流石のさくらちゃんもあんたを庇いながらだと4人を相手にするのは無理だからさ。」
朝日奈「葉隠救出完了!それじゃ、葉隠!逃げるよ!」
葉隠「お、おい!待ってくれよお!」
戦刃(大神が敵陣に切り込み、葉隠を素早く回収し朝日奈に受け渡す。なるほど、戦う係と葉隠を逃がす係と別れたか。)
戦刃(そして、葉隠を追わないとすぐに見失ってしまうだろう。誰かが葉隠を追わないといけないという状況を作り出して意図的に戦力を分散させるつもりか。この作戦を考えたのは盾子だな。脳筋がここまで頭が回るとは思えない。)
戦刃(いくら、大神でもワイヤーと4人がかりで押さえ込めば捕まえることも出来ただろう。もちろん葉隠という足手まといを庇いながら戦うという前提として考えても成功するかどうかギリギリのラインだけど。)
大神「さあ、次はお前たちを捕まえる番だ!」
大神が構える。しかし、すかさず戦刃は先ほどと同じようにワイヤーを大神の体に巻きつける。
戦刃「苗木!十神!桑田!朝日奈と葉隠を追え!大神は私がなんとかする。」
苗木「そんな、戦刃さんを置いていけないよ。」
戦刃「バカ!こいつは強い。苗木たちがいると逆に足手まといなんだよ!」
135: 2011/08/25(木) 01:45:11.13 ID:ygGaiPo90
大神「ふんぬ!」ギリギリ
大神(流石に一度目と同じようにいかぬか。我の筋肉は最初のワイヤーの巻きつきから脱出するときにダメージを負ってしまった。いつもの力が出せぬ。)
戦刃「このワイヤーが切れるのも時間の問題だ。早く行け!」
十神「行くぞ苗木。ここで俺ら全員で立ち向かっても全滅するだけだ。」
苗木「でも…。」
桑田「何でもいいから早く逃げようぜ!戦刃もああ言ってることだしさ。」
大和田「ざけんなてめえら!女一人置いて逃げるつもりか!?」
桑田「そう言われると、女を置いておくのはちょっと抵抗が…。」
138: 2011/08/25(木) 01:54:09.82 ID:ygGaiPo90
十神「構うか。これは女同士の戦いだ。何も問題なかろう。それに大和田は普段は女に手を出すなと言ってる癖に今になって俺たちに大神を攻撃しろと?」
大和田「ぐ…それは…。そう言われると返す言葉がなくなっちまうな……。」
桑田「そうだな。よし、戦刃!後は頼んだ。」
戦刃「いいから行け!葉隠たちを見失うぞ!」
苗木「戦刃さん。必ずボクが助けるからね。」
苗木、十神、桑田の三人は教室から出て行った。
大神「ふん!」 ブチイイ
戦刃「勝負だ、大神!」
大神「ああ!我もお前と戦いたかったぞ!」
140: 2011/08/25(木) 02:03:56.61 ID:ygGaiPo90
―Dチーム 朝日奈・葉隠―
葉隠「なんとか逃げ切れたか?」
朝日奈「みたいだね。電子生徒手帳は江ノ島ちゃんに預けてあるから私たちの位置がバレる心配はないよ。」
葉隠「そうか。それならいいんだべ。」
朝日奈「それより、葉隠。お腹空いたでしょー。」
葉隠「いや、既にAチームからレーションを貰ったべ。」
朝日奈「え?そうなんだ。折角、葉隠がお腹空かせてると思って倉庫からお弁当持ってきたのに。」
葉隠「あ、いや。別にあるなら食うぞ。折角朝日奈っちが持って来てくれたものだしな。ハハハハハ。」
朝日奈「え、でも…。」
葉隠「俺も走り回って疲れたべ。丁度体力回復したいと思ってたし、弁当はありがたいべ。」
朝日奈「うん。じゃあはい。」
葉隠「よし、それじゃ食うべ。お、これうまい。」
朝日奈「えへへー。」
葉隠「なんとか逃げ切れたか?」
朝日奈「みたいだね。電子生徒手帳は江ノ島ちゃんに預けてあるから私たちの位置がバレる心配はないよ。」
葉隠「そうか。それならいいんだべ。」
朝日奈「それより、葉隠。お腹空いたでしょー。」
葉隠「いや、既にAチームからレーションを貰ったべ。」
朝日奈「え?そうなんだ。折角、葉隠がお腹空かせてると思って倉庫からお弁当持ってきたのに。」
葉隠「あ、いや。別にあるなら食うぞ。折角朝日奈っちが持って来てくれたものだしな。ハハハハハ。」
朝日奈「え、でも…。」
葉隠「俺も走り回って疲れたべ。丁度体力回復したいと思ってたし、弁当はありがたいべ。」
朝日奈「うん。じゃあはい。」
葉隠「よし、それじゃ食うべ。お、これうまい。」
朝日奈「えへへー。」
144: 2011/08/25(木) 02:11:10.74 ID:ygGaiPo90
―Aチーム 苗木・十神・桑田―
桑田「くそ!朝日奈と葉隠はどこ行ったんだ。」
十神「そう遠くへは行ってないはずだ。」
苗木「電子生徒手帳を見ても二人は動いている様子はない。」
十神「つまり、二人の電子生徒手帳は別の場所に保管されているってことだな。」
苗木「そうだね。ボクたちの位置情報を把握するための電子生徒手帳は恐らく大神さんが持っていて、朝日奈さんの電子生徒手帳はどこかに置いてきたんだ。」
桑田「俺たちに追跡されないためにか。くそ!そこまで考えてやがったのか!」
十神「葉隠は元々電子生徒手帳は持ってないからな。完全に見失ったわけだ。」
桑田「おい、どうして葉隠から電子生徒手帳を奪ったんだ!お前のせいで葉隠の位置がわからなくなっただろ。」
十神「バカか。仮に俺が奪ってなくても、どっちにしろ葉隠は逃亡する際に電子生徒手帳をどこかに置いて逃げるはずだ。逃亡中は自分の電子生徒手帳を持っておくデメリットの方が大きいからな。」
苗木「だったらさ、江ノ島さんがいるところに行ってみない?」
十神「なるほど。あの二人はいずれ同じチームの江ノ島と合流する。江ノ島がいるところまで逃げた可能性が高いか。」
桑田「でも、江ノ島が電子生徒手帳をどこかに隠して身を潜めてたら……。」
十神「手がかりを完全に失うな。」
苗木「でも、行くしかない。Dチームの戦力を先に潰しておかないと、もし戦刃さんが大神さんに捕まった時に助けるのが困難になる。」
148: 2011/08/25(木) 02:19:01.85 ID:ygGaiPo90
「それはさせませんわ。」
苗木「その声は、セレスさん!」
桑田「でも、どこから声がしたんだ?」
苗木「視聴覚室のドアが空いている。」
桑田「入ってみようぜ。」
十神「おい、罠かも知れんぞ。」
―視聴覚室―
セレス「来てくれたのですね。嬉しいです。」
十神「さっきの言葉は何なんだ、安弘。俺たちの邪魔をしようっていうのか?」
セレス「はい。それと安弘って呼ぶのはやめて頂けます?」
不二咲「えっと…。ごめんね、みんな。AチームとDチームの戦力がそれぞれ分散した時に狙い撃つのが私たちの作戦なんだ…。」
桑田「おい、根暗とブーデーはどこ行ったんだ?」
セレス「江ノ島さんを捕まえに行ってますわ。だから、貴方たちと江ノ島さんが接触すると混戦になって困るのです。」
149: 2011/08/25(木) 02:22:41.13 ID:ygGaiPo90
セレス「よろしいですか<●><●>。貴方たちを捕まえるのはわたくしと不二咲さんだけで十分なのですよ。」
十神「女二人に対して男三人に勝てると思っているのか。俺たちも舐められたものだな。」
セレス「あらあら、わたくしたちが今まで何の策を考えてきてなかったとでも?」
苗木(不二咲さんがさっきから目を瞑って俯いている?何で目なんか瞑ってるんだ?敵を目の前にしているというのに不自然すぎる。)
桑田「ケッ。策があるとか知らねーけど、速攻でかたをつけてやるぜ!」
苗木(それにこの部屋なんかおかしい。何か違和感が……。あれ?昼間なのに電気がついている?………視聴覚室の窓にはブラックカーテンが降りている…。ハッ!)
苗木「これは罠だ!逃げt…。」
何かがブツっと切れる音と共に周囲一体が暗くなった。
桑田「お、おい!何なんだこれは!」
十神「停電か!?」
光に慣れていた苗木たちに訪れた突然の暗闇。周囲が全く見えない状態だったけど、苗木はいち早く違和感に気付いたために何とか外へと逃げ出すことが出来た。
苗木(十神クンと桑田クンは…。)
急いで電子生徒手帳を確認したら、二人は既に確保された後だった。
苗木「突然の暗闇で不意を付かれたんだ。無理もない。」
苗木(ボクも気付くのが後少し遅かったら捕まっていた……。)
154: 2011/08/25(木) 02:33:14.61 ID:ygGaiPo90
更に十神と桑田が確保される前に既に捕まっていた人物がもう一人いた。
苗木「戦刃さんも………。ということはAチームで残ったのはボクだけ?」
苗木(二人はまだ視聴覚室にいるはず。今ならまだ救出が可能だ。)
苗木(でも、セレスさんのことだからまだ罠を仕組んでいるに違いない。ボクはどうすればいいんだ……。)
苗木(このまま入口で張っていればいつかはセレスさんたちも出てくるはずだ…。でも、その前にボクには気がかりなことがある。)
苗木(それは、Dチームの存在。もし、ボクが視聴覚室の前で動いていないことに気付かれたらボクが狙われるのは間違いない。)
苗木(Dチームにボクの本当の位置が電子生徒手帳通りの位置だとバレてしまう前に何とかして二人を助け出さないと。)
―Dチーム―
江ノ島「あーあ。退屈だ。誰か攻めて来ないかなー。」
江ノ島「なあ、そこの入口前にたむろしているオタクカップル。お前らに言ってるんだ。」
山田「なぬ!気配を完全に消していたのに気付かれただと!」
腐川「だ、誰がオタクよ!それにこんなやつとカップルだなんて気持ち悪い!」
山田「とにかく先手必勝!標的が一人ならこれで確実に潰せる!食らえ!ブラッディサミング!」
山田は保健室から持ってきた輸血パックから血を噴出させ江ノ島の目を潰した。
江ノ島「が!シット!よくもやってくれたな!」
157: 2011/08/25(木) 02:40:27.33 ID:ygGaiPo90
腐川「ああああ……血が……。」
腐川は気絶してしまった。
山田「すかさず目覚ましビンタ!」バチーン
ジェノサイダー翔「呼ばれて飛び出てジェノサイダー!」
山田「よし、ジェノサイダー。僕と一緒に江ノ島盾子殿を倒すぞ。」
ジェノサイダー翔「なんかよくわかんないけど、おっけーひふみん。あいつが目潰しで食らった血が最高にそそる!あーやべえ。萌える男子一人頃したい気分だわ。」
山田と腐川がとった、血液での目潰しで相手の行動を制限させつつ、鋏を武器にできる殺人鬼であるジェノサイダーを呼び出すコンボ。
ジェノサイダーは武闘派がいないCチームにとって切り札とも言える存在だった。
相手が複数いない限りは大抵これで倒せるはずだったが、1つ誤算があった。超高校級の絶望と言われる彼女が隠し持っていた絶望的兵器の存在を知らなかったということが………。
江ノ島「ニンゲンの分際で私様の高貴な顔に血をつけるとは。許さん!」
158: 2011/08/25(木) 02:43:18.08 ID:ygGaiPo90
―Cチーム セレス・不二咲―
セレス「苗木君には逃げられてしまいましたわね。」
不二咲「う、うん。苗木君はこの部屋の異常事態にすぐ気付いたみたい。」
セレス「だから逃げられてしまいましたか。」
セレス「それにしても流石超高校級のプログラマーですわね。視聴覚室の電源を一瞬にして落とすなんて。」
不二咲「うん。電源供給システムをハッキングして一時的にストップさせたんだ。時限式のスイッチを使って。」
桑田「くそ!よくもやってくれたな。」
十神「こんな古典的な手法に引っかかるなんて、十神の名折れだ……。」
セレス「とはいえ、苗木君もすぐ近くでこの部屋を見張っているはずでしょう。」
セレス(ここからが本当のギャンブル勝負。わたくしを楽しませてくださいね、苗木君。)
不二咲「た、大変だ!」
セレス「どうなされました?」
不二咲「山田君と腐川さんが捕まった。」
セレス「なんですって!」
セレス「ビチグソがああああ!!満足にギャル一人すら捕まえられねーのかよ!」
161: 2011/08/25(木) 02:49:06.31 ID:ygGaiPo90
―Dチーム―
江ノ島「うぷぷー。山田君と腐川さんにはしばらく眠っててもらうよ。」
江ノ島「それにしてもAチーム残り一人。Bチーム敗退。Cチーム残り二人。Dチーム残り四人と随分と余裕すぎる戦いになったもんだ。」
江ノ島「このままだとDチームが余裕勝ちするからつまんなーい。てへ。」
江ノ島「Aチームが一気に三人消えたのが大きいです………。正にAチームは今、絶望的状況ですね………。」
江ノ島「私様の力が本当に恐ろしい。少しばかりニンゲン共の相手をするだけでこんなに戦況が覆るとはな。」
朝日奈「江ノ島ちゃんただいまー。」 ガラッ
葉隠「いやー、心配かけたべ。」
大神「江ノ島の作戦通り上手くいったぞ。」
朝日奈「三人逃がしちゃったけど、戦刃ちゃんさえ捕虜にすれば残りを捕まえるのも時間の問題だよ!」
江ノ島「おかえりなさーい。葉隠君無事だったんだー。良かったよー。」
葉隠「Aチームのやつらよりもオーガに殺されかけたべ。」
朝日奈「ちょっと、さくらちゃんはあんたのことを助けてあげたんだよ!」
162: 2011/08/25(木) 02:53:39.12 ID:ygGaiPo90
江ノ島「あ、お姉ちゃん。捕虜になった気分はどう?」
戦刃「く…。私の力が及ばなかったばっかりに。」
大神「戦刃クラスの相手と戦うのは久方振りでな。楽しかったぞ。」
江ノ島「お姉ちゃん絶望してますね………。Aチームの残りが苗木君なんてもう敗退は決まったも同然じゃないですか…………。」
戦刃「苗木は必ず私を助ける!」
江ノ島「どうしてそう言い切れるんですか?」
戦刃「あいつが私に約束してくれたからだ。必ず助けると。」
江ノ島「もしかして、お姉ちゃんって王子様の助けを待っている囚われの姫状態?キャーロマンチックー。」
江ノ島「でも絶望的に似合いませんね…………。姫役が似合わないなんて残念なお姉ちゃんです………。」
戦刃「やかましいわ!」
朝日奈「あれ?ここにいるの山田と腐川ちゃんじゃない!」
江ノ島「シット!この豚と妄想女が私に襲い掛かったから返り討ちにしてやったのさ!」
大神「なぬ!お主、見かけによらず強いな。今度手合わせ願いたい。」
江ノ島「いえ、私はお姉ちゃんに比べたら全然弱いですよ………。お姉ちゃんに勝った大神さんの相手が務まるはずありません………。」
大神「そうか……。」
163: 2011/08/25(木) 02:58:03.75 ID:ygGaiPo90
朝日奈「そんなことよりさ、さくらちゃんプロテイン飲もうよ!」
大神「そうだな。我も戦刃の相手をして疲労が溜まっていたところだ。プロテインで回復するとしよう。」
葉隠「プロテインで回復するのかよ。」
朝日奈「何言ってんの!?プロテインは万能薬なんだよ!」
大神「逆に疲れた体にプロテイン以外の何を与えればいいと言うのだ!」
葉隠「ハハ、そんな力説されても困るべ。」
朝日奈「葉隠も走って疲れたでしょ?プロテイン飲みなよ。」
葉隠「ええ!俺もか?」
大神「我らのプロテインが飲めぬと言うのか……!?」ゴゴゴゴゴ
葉隠「ヒイイイ!!飲むから殺さないで。頼むよー。」
朝日奈「それじゃあ葉隠も戻ってきたことだし、かんぱーい!」
三人は一斉にプロテインを飲み始めた。
165: 2011/08/25(木) 03:01:22.32 ID:ygGaiPo90
葉隠「ぷはー。うん、プロテインも悪くはないべ。」
朝日奈「そうでしょそうでしょ。」
大神「この一杯のために生きているようなものだ。」
朝日奈「ちょっとさくらちゃんそれオヤジくさいよ。」
大神「そうか?」
朝日奈「さくらちゃんは女の子なんだから。」
大神「フフ。」
葉隠「あれ?なんか眠くなってきたべ…。」
朝日奈「私も……。」
大神「葉隠!朝日奈!どうし………た………。」
江ノ島「え!?これは………。」
戦刃「プロテインに仕込んだ睡眠薬が効いたんだ。この睡眠薬は強力だからちょっとやそっとのことでは起きない。」
江ノ島「えー。ってことはお姉ちゃんは最初からこの状況を狙ってたってこと?」
戦刃「いや、大神を眠らせて無力化させようと案を出したのは苗木だ。」
168: 2011/08/25(木) 03:05:42.57 ID:ygGaiPo90
―回想―
桑田「でもよー。あのオーガの身動きを止める方法ってあるのか?」
戦刃「私がワイヤーを使って大神を縛り上げる。流石にこのワイヤーは人間の力では絶対に切れん。」
苗木「大神さんの場合、それでも切りそうだけど。」
戦刃「そうか。では、このワイヤーがダメだった場合のことも考えるか。」
苗木(確保の条件は、相手を動けなくすること。大神さんを動けなくする方法を考えるんだ………。)
苗木(大神さんは霊長類ヒト科最強……。つまり人間ってことだ。人間の動きが止まらないってことは絶対にないはずだ。大神さんがいくら強くても人間の生理現象には逆らえないはず…。)
閃きアナグラム発動
□い□ん
バシューンバシューン
すいみん
苗木「そうか、分かったぞ!」
十神「何か策を思いついたようだな。」
苗木「いくら大神さんでも眠くなれば眠るのは人間である以上は避けられないことだ。」
桑田「ってことは、オーガに睡眠薬を盛るのか?」
170: 2011/08/25(木) 03:08:06.59 ID:ygGaiPo90
苗木「うん、大神さんは戦いが終われば疲労を回復するためにプロテインを飲むはずだ。それこそがあの大神さんに付け入る唯一の隙なんだ。」
戦刃「なるほど。私と大神が戦って私が勝てばそれでよし、負けても後でプロテインを飲むから無力化できてよしの二段構えか。」
戦刃「いや、負けるにしてもある程度まで体力を削らないとプロテインそのものを飲まないかも知れないな。やはり本気で戦わなければならない相手だ。」
十神「苗木にしてはいい考えだな。」
苗木「科学室に行こう。今の内にプロテインに睡眠薬を仕込んでおくんだ。」
―回想終了―
江ノ島「はー。なるほどね。大神の疲労回復のためにプロテインを飲むという習慣を利用されたか。」
戦刃「まさか、葉隠まで飲んでくれるとは思わなかった。これでDチーム三人を無力化できた。」
江ノ島「うぷぷー。面白くなってきた。そうだよ!それでこそ、潰しがいがあるんだよ!最後の最後まで希望を捨てずに立ち向かうからこそ絶望が大きくなるんだよ。」
戦刃「Dチームで残ったのは盾子、お前一人だけだ。それでも私たちに勝つつもりか?」
江ノ島「ったりめえだろ!こちとら全員絶望させてやりたくてたまんねんだからな!ってかお前のチームだって生き残りは今のところ一人じゃねえか!」
江ノ島「と言っても出来れば早く苗木君にお姉ちゃんを救出してもらいたいです………。今のお姉ちゃんは捕虜だから危害を加えることが出来ないので………。」
173: 2011/08/25(木) 03:12:48.38 ID:ygGaiPo90
―Aチーム 苗木―
苗木(考えろ…。どうすれば二人をセレスさんと不二咲さんの手から救出できるかを……。)
苗木(出来るだけ視聴覚室には入りたくない。というか入ったらどんな罠が待ち構えているかわからない。)
苗木(ボクに出来ることはどうにかしてセレスさんと不二咲さんを視聴覚室から出せないかを考えることだ。)
―Cチーム―
不二咲「苗木君が中々視聴覚室の前から離れないよ。」
セレス「電子生徒手帳だけを置いてどこかに行ったという可能性もありますわね。」
不二咲「それって私たちをこの視聴覚室から出させないために?」
セレス「かも知れません。何らかの細工をするための道具を取りに行っているのかも。」
不二咲「でも本当はどこにも行ってないって可能性も。」
セレス「考えられますわね。仲間想いの苗木君が二人を置いて逃げるという選択肢を取れるのでしょうか?」
174: 2011/08/25(木) 03:16:10.35 ID:ygGaiPo90
セレス「どちらにせよ、わたくしたちは今動く必要はありません。」
不二咲「それって、大神さんたちが苗木君を捕まえる可能性が高いから?」
セレス「流石、超高校級のプログラマーだけあって頭がよく回りますね。そうです、苗木君の位置情報がここから離れるか苗木君が捕まるかのどちらかになれば私たちは堂々と視聴覚室から出られるのです。」
セレス「焦ることはありません。待てば待つほどわたくしたちが有利になるだけですから。」
不二咲「視聴覚室にいる私たちよりもずっと廊下にいる苗木君の方が大神さんたちに捕まるリスクは高いしね。」
不二咲「ああ!!」
セレス「どうしました?」
不二咲「苗木君の位置情報がここから離れていく。」
セレス「え!?」
不二咲「大神さんたちがいる方に向かっている。」
セレス「なるほど。桑田君と十神君の救出を諦めて先に戦刃さんを助けようって考えですわね。」
セレス「でもその考えは浅はかですわ。私たちの行動をフリーにさせてしまうんですもの。」
177: 2011/08/25(木) 03:21:09.95 ID:ygGaiPo90
セレスと不二咲は視聴覚室から出るために扉を開けて廊下へと出た。
しかし、そこで待っていたのは…。
セレス「な、苗木君!?」
苗木はセレスと不二咲に飛び掛り押さえ込んだ。
苗木「安弘さん、不二咲さん確保。」
セレス「その名前で確保しないで下さい。」
苗木「いや、だって一応本名で呼ばないといけないルールだし…。」
不二咲「うう…。どうして苗木君はここにいるの?電子生徒手帳が動いている状態で苗木君がここにいるのはありえないよ。」
セレス「そうですわ。それこそ、電子生徒手帳が自動的に動かない限りは…。」
苗木「助け舟があったからね。」
不二咲「助け舟?」
苗木「今、ボクの電子生徒手帳を持って歩いているのは舞園さんなんだ。」
セレス「何ですって!?」
苗木「二人をここから出すためにボクが離れたと見せかけるために頼んだんだ。」
179: 2011/08/25(木) 03:26:20.17 ID:ygGaiPo90
セレス「ど、どうして舞園さんがこんなところまで来れたんですか!既に捕虜になっているはずなのに!」
苗木「え?だって、そりゃあAチームの捕虜だった舞園さんたちを今は誰も監視してないから自由に出歩き放題になってるからだよ。」
不二咲「確かに苗木君がここにいて、桑田君も十神君もここにいる。戦刃さんはDチームの捕虜になってるから誰もAチームの捕虜になってる人を監視する人はいないね。」
苗木「だからボクが頼んだんだ。ボクの電子生徒手帳を持って大神さんの位置情報があるギリギリの近くまで行って欲しいって。」
苗木「ボクがここから離れたって知ったらセレスさんたちは出てくるかなって思ったんだ。それは嘘情報だけどね。」
不二咲「でも、自由に出歩けるからってどうして舞園さんがこんなところに来たんだろう。」
十神「それは、俺がこれを持っているからだろう。」
セレス「それは舞園さんの電子生徒手帳。」
十神「俺が舞園のやつを返し忘れてな。舞園はそれを返してもらうために霧切辺りに舞園の電子生徒手帳の位置を教えてもらったんだろう。」
十神「俺は丁度捕虜になっていて、動けない状態だったしな。返してもらうには絶好のチャンスのはず。」
セレス「そ、そんな…。まさか、他チームの人が協力するなんて…。苗木君はチーム唯一の生き残りだから協力者なんていないはずって思い込んでました…。」
苗木「舞園さんは既に敗退が決定していたからね。ボクに協力しても何ら不思議ではない。そのことに気付かなかったセレスさん、君の負けだよ。」
セレス「はあ。負けを宣告されたら大人しく認めるしかないようですね。」
183: 2011/08/25(木) 03:31:49.03 ID:ygGaiPo90
不二咲「これでCチームは敗退か…。はあ、私がもっとしっかりしてたらなあ。」
十神「フン、不二咲。貴様は仮にもこの十神白夜を捕まえた功績がある。それは十分誇っていい、胸を張れ。ま、俺は屈辱を感じてるがな。」
不二咲「あ、ありがとう。」
桑田「おー。十神がデレた。ヒューヒュー」
十神「黙れ!そんなことより苗木、とっとと俺らを救出しろ。」
苗木「あ、そうだった。十神クンと桑田クンを救出。」
185: 2011/08/25(木) 03:37:04.89 ID:ygGaiPo90
―Dチーム―
江ノ島「ほう、苗木がCチームのやつらを倒して十神と桑田を救出させたか。やるじゃないか。」
戦刃「流石私の嫁だ。」
江ノ島「あ?お姉ちゃん何か言った?」
戦刃「空耳だ。気にするな。」
江ノ島「それくらいでなければ私様の相手は務まらない。ニンゲン風情がどこまで私様を楽しませてくれるのか興味が出てきたぞ。」
―Aチーム―
苗木「残るはDチームだけだね。」
桑田「オーガのやつが眠っててくれればいいんだけどな。」
十神「所詮、苗木の考えた作戦だ。失敗前提で考えた方が良さそうだな。」
苗木「ちょっと酷いなそれ。最初は褒めてくれてたのに。」
十神「覚えがないな。」
桑田「何だお前。さっき不二咲にデレたから今度はツンが多めか?」
十神「そんなことは今はどうでもいい。さっさとDチームを倒しに行くぞ。」
187: 2011/08/25(木) 03:40:40.12 ID:ygGaiPo90
霧切「苗木君。」
苗木「霧切さん!」
霧切「私がDチームの様子を見てきたわ。大神さん、朝日奈さん、葉隠君は眠っていたわ。」
桑田「葉隠もかよ!あいつもプロテイン飲むんだな。」
十神「というと、残るのは江ノ島ただ一人ということだな。」
苗木「霧切さん情報を教えてくれてありがとう。」
霧切「いえ、偶然近くを通りかかったついでに教えただけよ。」
霧切「それと苗木君。これも渡しておくわ。」
苗木「何これ。」
霧切「睡眠薬の中和剤。これを飲めば睡眠薬を盛られたとしても起きることが出来るはずよ。」
188: 2011/08/25(木) 03:44:25.97 ID:ygGaiPo90
桑田「何でそんなもん渡すんだよ。」
霧切「念のためよ。」
苗木「一応貰っておくよ。それじゃあ、行って来るね。」
霧切「ええ。苗木君たちが勝つのを信じてるわ。」
桑田「へ、江ノ島一人に俺らが負けるか。」
十神「そこの凡人二人が俺の足を引っ張りさえしなければ確実に勝てるだろうけどな。」
桑田「なんだとー!」
霧切(頑張ってね苗木君。今回のゲームで私が苗木君に何かをしてあげることが出来るのはこれで最後だから。)
霧切(その中和剤の使い方を間違えれば恐らく江ノ島盾子には勝てない。)
190: 2011/08/25(木) 03:48:11.33 ID:ygGaiPo90
―Dチームアジト前―
舞園「苗木君!」
苗木「舞園さん。」
舞園「苗木君から預かっていた電子生徒手帳返しますね。」
苗木「ありがとう。やっぱりこの生徒手帳がないと落ち着かないな。」
十神「俺からも電子生徒手帳を返しておくぞ。もう使わんだろうからな。」
舞園「ありがとうございます。」
舞園「それで、苗木君。電子生徒手帳をここまで運ぶ代わりにした約束の方は…?」
苗木「ああ。サバイバルゲームが終わってからでいい?」
舞園「はい。楽しみにしてます。」
桑田「おい、苗木ィ!お前舞園ちゃんと何を約束したんだ?」
苗木「秘密だよ。」
桑田「なんだよ教えろよ。」
十神「ここは敵地の前だぞ。遊んでる場合じゃない!」
191: 2011/08/25(木) 03:51:48.83 ID:ygGaiPo90
舞園「皆さん、負けないで下さいね。」
桑田「ラスボス前にアイドルからの応援が来るなんて熱い展開じゃないッスか!」
苗木「みんな、このドアを開ければ江ノ島さんがいる。当然そこには戦刃さんも捕らえられている。」
十神「わざわざ確認するまでもない。」
苗木「準備はいい?」
桑田「おう!」
苗木「行くよ!」ガチャ
―Dチームアジト―
江ノ島「真正面から来るとはいい度胸をしてるじゃないの。」
戦刃「みんな、助けに来てくれたのか!」
苗木(何とかして江ノ島さんの注意を引き付けて戦刃さんを助けないと。)
江ノ島「苗木君たちのチームはお姉ちゃんを入れて完成するんでしょー?だったら今の内に助けていいよー。」
江ノ島「あたしの気が変わらねー内にな!」
桑田「なんだそれ!苗木、こんなの絶対罠に決まってるぞ。」
194: 2011/08/25(木) 04:01:10.81 ID:ygGaiPo90
江ノ島「ついでにそこに寝ている三人の役立たずも捕まえていいよー。どうせ最終決戦にチームにいられても意味ないしね。」
十神「確かに、強力な睡眠薬を飲まされているからもう役には立たないな。」
江ノ島「あ、でも。オデブちゃんと根暗ちゃんは私たちのチームの捕虜だから捕まえちゃダメだよ。」
桑田「ブーデーと根暗も捕まってたのか。まあ、俺らが捕まえたんじゃなければ消去法的に考えて江ノ島が捕まえたんだろうけどな。」
江ノ島「さあ、お姉ちゃんを助けに来るの?来ないの?どっちなんだ!」
桑田「罠かも知れないのに行けるわけないだろ!」
江ノ島「かわいそー。お姉ちゃんチームのみんなに見捨てられちゃうんだー。」
苗木「ボクがいくよ。」
桑田「苗木…!お前この状況がわかってんのか?」
苗木「罠かも知れないのはわかってるさ。でも、ここで立ち止まってちゃいけない。仲間を助けられるという希望があるなら、それに向かって進むだけだ!」
苗木は迷わず戦刃に向かって進んでいく。地雷原の近くを歩くかのように一歩一歩確かめながら確実に歩いていく。
195: 2011/08/25(木) 04:05:55.41 ID:ygGaiPo90
苗木「戦刃さん、救出。」
戦刃「苗木、助けてくれてありがとう。」
苗木「助けるって約束したからね。」
戦刃「苗木、そこの三人はお前が確保しろ。お前が考えた作戦で倒したのと同じようなものだしな。」
苗木「わかった。葉隠クン、朝日奈さん、大神さん。確保。」
江ノ島「感動の再開は終わったみたいだねー。それじゃあ張り切っていこうかー。」
江ノ島「イッツ絶望タアアアアイム!!ヒャッハアアアア!!!」
江ノ島は銃を取り出して桑田に向かって発砲した。
桑田「あ…アポ…?」
桑田はその場に倒れてしまった。
苗木「え?銃!?」
江ノ島「安心しな。これは麻酔銃さ。命に別状はない。」
江ノ島「ですがそこにいるCチームの二人みたいに眠ってもらいますけどね。」
十神「なるほど。これがお前の言う絶望か。飛び道具である銃を見せ付けることで俺たちを屈服させようとしている。」
196: 2011/08/25(木) 04:10:28.13 ID:ygGaiPo90
江ノ島「さあ、次は誰を狙おうかなあ…。」
戦刃「苗木!十神!とりあえずここから逃げるぞ!」
戦刃は懐から何かを取り出して地面へと思い切り投げつけた。
教室中に煙が立ち、視界を完全に奪う状態だ。
苗木「ちょ、戦刃さんボクまで見えない。」
戦刃「こっちだ!」
戦刃は苗木の手を引いて教室の出口まで誘導し、教室を後にした。
江ノ島「けほけほ………。お姉ちゃんやりますね…………。お姉ちゃんのこと残念とばかり思ってましたけど、やはり戦場では輝いています……………。」
江ノ島「フフフ………。自分より劣っていると思っていたお姉ちゃんに出し抜かれるなんて絶望的に屈辱です…………。」
江ノ島「それにしても本日2回目の目潰し攻撃を受けるなんて………。絶望的で気持ちいいです…………。」
198: 2011/08/25(木) 04:17:04.68 ID:ygGaiPo90
―Aチーム―
苗木「結局またここまで戻ってきたね。しかも、桑田クン置いてきちゃったし、悪いことしちゃったな。」
戦刃「あの状況なら置いていかざるを得ない。」
十神「それにあいつは基本そういう役回りをするのが仕事だ。気にすることはない。」
戦刃「相手は麻酔銃を持っている。どうにかしてそれを攻略しなければな。」
苗木「戦刃さんの使ってたワイヤーで縛り上げるのは?」
戦刃「大神との戦いでワイヤーは全て使い切った。盾子に使う分は残っていない。」
苗木「そっか。」
十神「そうなると…麻酔銃に対抗するための武器が必要だな。」
200: 2011/08/25(木) 04:23:23.07 ID:ygGaiPo90
苗木「ちょっと待って。その前に江ノ島さんの麻酔銃って残り何発まで撃てるんだろう。」
戦刃「あいつが撃ったのは"桑田に撃った一発だけ"のはず。だとすると弾はまだ残っているだろうな。」
苗木「それは違うよ!」
苗木「江ノ島さんは僕たちが来る前に既に山田クンと腐川さんを眠らせてるんだよ。それって麻酔銃を使ったからじゃないのかな。」
戦刃「む…。確かにあの二人も大神たちと同じように氏んだように眠っていたからな。盾子もそんなようなこと言ってたし。」
苗木「ということは既に三発以上撃っていることになる。だとすると残りの弾数はそんなに多くないんじゃないか?」
十神「どうしてそういいきれる。」
苗木「だって、そんな強力な武器を持っていたなら最初からそれを使ってたはずだよ。なのに江ノ島さんはたった3回しか使ってないなら弾数がそんなに多くない証拠だよ。」
セレス「山田君と腐川さんに使ったのは自分の守るためでしょう。山田君と腐川さんは江ノ島さんに襲撃して返り討ちを受けた。つまり、江ノ島さんは本当に必要最低限の数しか麻酔銃を使ってない。」
苗木「うわ、セレスさんいたんだ。」
202: 2011/08/25(木) 04:27:09.73 ID:ygGaiPo90
不二咲「ごめんね。どうせ私たち敗退が決まってるから、苗木君たちがアジトとして使ってた教室にいさせてもらうことにしたんだ。」
苗木「別に気にしなくていいよ。」
戦刃「ただし、盾子がここに攻めてきたらここが戦場になることは忘れるなよ。」
不二咲「うん。わかってるよ。」
苗木「話を戻すけどセレスさんの言ったことが本当だとすると、やっぱり麻酔銃には弾数という無視できないような制限があるんだよ。それがいつ尽きるのかはわからないけど、弾切れが近いうちに起こるのは間違いない。」
十神「まあ、弾切れ起こさす前に江ノ島を倒すのが一番いいけどな。」
戦刃「でも、可能性の一つとして考えておいても損はあるまい。と言っても弾が切れたかどうかわからないなら、その情報はこちらにとっても無意味な情報だがな。」
苗木(無意味?本当に無意味なのだろうか。弾数制限があるとしたら江ノ島さんの取った行動は余りにも不自然だ。)
苗木「それは違うよ!」
苗木「弾数制限があるという情報は決して無意味なんかじゃない。江ノ島さんを倒すための手がかりを得るのに一番重要なことなんだ。」
203: 2011/08/25(木) 04:29:46.47 ID:ygGaiPo90
戦刃「どういうことだ?」
苗木「あの時一番江ノ島さんの近くにいたのは戦刃さんだよね?」
戦刃「ああ。」
苗木「だったら、一番最初に狙われるのは桑田クンじゃなくて戦刃さんになるべきなんだ!戦刃さんが超高校級の軍人なら尚更だよ。」
十神「確かに妙だな。どうして江ノ島はあの時戦刃を狙わなかったのか。」
苗木「おかしいよね。弾数制限があるなら弾数に余裕がある内に自分にとって脅威な敵を先に倒したいと思うはずだよ。」
苗木「貴重な弾を使ってでも、戦刃さんではなく桑田クンを狙った理由―――。」
苗木「それは桑田クンが江ノ島さんにとって一番厄介な存在だったからだよ。」
十神「桑田が厄介?あんなやつのどこが?」
苗木「それは………ボクにも思いつかないや。」
十神「まあ、何にせよ対抗する武器は必要だ。出来れば飛び道具がいい。」
苗木(麻酔銃に対抗できる飛び道具。そんなものあるかな………。)
苗木「ああ!!」
十神「どうした苗木。」
204: 2011/08/25(木) 04:34:50.63 ID:ygGaiPo90
苗木「勝てる!この方法なら、飛び道具も用意できるししかも江ノ島さんの予測外の最高の作戦がある!」
戦刃「それはどんな作戦だ。」
苗木「それは――――。」
十神「なるほど。気に食わんが、一応それが現時点での最良の選択肢のようだな。先ほどまでの議論とも筋が通ってる。」
戦刃「そんなものがあったなんて。私は知らなかったぞ。」
苗木「多分江ノ島さんも知らないと思うよ。この場で知ってるのはボクと十神クンだけだ。」
苗木「江ノ島さんの現在位置は……。うん、いける。この位置なら江ノ島さんの注意を引き付ける係と武器を用意する係に別れて行動することができる。」
十神「それが本当に江ノ島の位置だったらな…。」
苗木「うん、偽装工作の可能性もあるよね。そうしたら……。」
戦刃「私たちは負けるな。」
苗木「でも、行こう。江ノ島さんを倒すんだ。」
205: 2011/08/25(木) 04:37:05.79 ID:ygGaiPo90
―Dチーム 江ノ島―
江ノ島「あーあ。至るところに偽装工作の電子生徒手帳を仕込んでくれるね全く。」
江ノ島「お陰でAチームのやつらを探すのが絶望的に面倒です………。」
戦刃「盾子!」
江ノ島「お姉ちゃん。もしかして単独で私に挑むつもりですか?」
戦刃「来いよ盾子!銃なんて捨ててかかって来い!」
江ノ島「いえ、銃を捨てたら勝ち目はないので捨てません。」
江ノ島「お姉ちゃんには眠ってもらいます。」
江ノ島は銃の引き金を戦刃に向けてひこうとした。
江ノ島「妙ですね。いくらお姉ちゃんが残念でも勝ち目のない勝負に挑むのでしょうか。」
江ノ島「ねえ、十神君!」
江ノ島は後方を振り返り、至近距離で十神に麻酔銃を撃ち込んだ。
十神「ぐ…。」
十神は麻酔銃の効果で眠ってしまった。
江ノ島「危なかったです………。まさかお姉ちゃんが私を引きつけて十神君が背後から私を襲うなんて………。」
208: 2011/08/25(木) 04:40:23.89 ID:ygGaiPo90
戦刃「チィ…。」
江ノ島「でもー。もしこれが注意をひきつける役が十神君で私を襲う役がお姉ちゃんだったら私負けてたかもー。」
江ノ島「お姉ちゃんは本当に残念ですね…………。適材適所という言葉すらわからないんですか………?ああ、だから女子高生で軍人なんてやってるんですね…………。」
江ノ島「さあ行くぜむくろちゃんよお!麻酔銃の弾はまだ残ってるんだぜ!つっても残り一発しかねえけどな!苗木相手なら麻酔銃がなくても余裕だぜ!ヒャッハー!ゆっくりとおねんねしな!」
今度こそ江ノ島は戦刃に向かって銃をひく…はずだった。
不意に江ノ島の手の甲に鈍痛が走り、思わず銃を落としてしまった。
江ノ島「痛っ……。これは野球ボール。」
桑田「へ、超高校級の野球選手を舐めんなよ!」
江ノ島「バカな!どうして桑田がここに!」
江ノ島がここにいるはずのない桑田がいるのに驚いている暇もなく、戦刃が江ノ島を押さえつける。
戦刃「盾子、確保!」
戦刃が江ノ島に敗北という現実を突きつける一言を言い放つ。これでDチームも敗退し、優勝はAチームになった。
213: 2011/08/25(木) 05:00:16.62 ID:ygGaiPo90
苗木「江ノ島さん。実はあの麻酔銃には中和剤があったんだ。」
江ノ島「苗木ィ!ナンだって!!そんなものがあったなんて聞いてねえぞシイイィイット!!」
苗木「霧切さんがくれたんだ。戦刃さんを助けに行く前にね。」
江ノ島「霧切ィ!!そういえばあいつが嗅ぎまわってたぽかったな。気のせいかと思って放置していたらこんなことになるとは…。」
苗木「霧切さんはきっと、君が麻酔銃を使うところを目撃したんだ。山田君と腐川さんに使った時にね。」
江ノ島「迂闊でした………。この麻酔銃は最後までとっておくつもりでしたが………。余りにも追い詰められたのでつい使ってしまいました………。だって血の目潰しですよ………絶望的に怖いじゃないですか…………。」
苗木「ボクが霧切さんに貰ったそれを桑田クンに飲ませてここに連れてきたんだ。江ノ島さんに飛び道具で攻撃するためにね。」
桑田「野球ボールなら丁度大和田と石丸に仕掛けた罠で使ったやつがあったからな。そこから持ってきたんだ。」
苗木「桑田クンを完全に眠らせたままだと油断したことが君の敗因だよ。もし、寝ている桑田クンの身体がどこかに隠されていたら、ボクたちに勝ち目はなかった。」
江ノ島「あーん。始末したと思って適当に放置していた相手に決定打を浴びせられて負けるなんて…なんて絶望的なのー。」
こうして、僕たちのサバイバルゲームは終わった。
214: 2011/08/25(木) 05:03:54.94 ID:ygGaiPo90
―お仕置きタイム―
舞園「うう…。どうして私がこんなに短いスカートを履かないといけないんですか?」
霧切「お仕置きだからよ。私だって何故かバナナの皮を頭に乗せたまま今日一日を過ごさないといけないし。せめて、カップ麺にして欲しかった。」
山田「おお!頭にバナナの皮とか工口イ!なんかキタでブヒイイイイ!」
桑田「ブーデーの語尾にブヒイを付けろはあまりお仕置きになってないような気がするんだけど…。」
苗木「いつも言ってそうだしね。」
山田「ブー子ちゃんブヒイイイイイイ!!」
舞園「ところで苗木君。今日は私に付き合ってくれる約束でしたよね。」
苗木「ああ、僕の電子生徒手帳持って目的地まで歩いてくれるっていう代わりにした約束?」
舞園「私、このスカートのまま苗木君とデートすることになるのかな。恥ずかしいです。」
苗木「ブッ!!あ、さ、流石にそれは………。」
舞園「苗木君さえ良かったらこのままでいいですよ。」
216: 2011/08/25(木) 05:07:51.44 ID:ygGaiPo90
霧切「苗木君、私には何かないのかしら。」
苗木「そ、そうだね。霧切さんのお陰で優勝できたようなものだし霧切さんにも今度何かお礼するよ。」
霧切「そう、楽しみにしているわ。」
霧切(よし、苗木君とデートできる口実ゲット!)
舞園(便乗するなんて汚いですね。)
大和田「チィ!苗木と桑田はいいよな。優勝したからお仕置きは免除だし、俺なんて兄弟と制服を入れ替えろとか…。ダア!こんなピシっとした服着られっか。」
石丸「ぼ、僕だって、こんな学生らしくない服装したくなかった。これじゃあまるで僕が暴走族になったみたいに………。」
石丸「ゴルァアアアアアアアアアア!!」
葉隠「石丸っちどうしたんだb…!あっぶない。つい言いそうになった。」
苗木「葉隠クンはだべ禁止令だったよね。~べって言ったら大神さんからの鉄拳制裁が待ってるとか怖すぎる…。」
石丸「ああ!石丸ってのはどこのどいつだ!」
大和田「いや、お前だろ!何寝ぼけたこと言ってんだ兄弟。」
石田「石丸と大和田の服が合わさって石田ってところか。」
217: 2011/08/25(木) 05:10:04.36 ID:ygGaiPo90
不二咲「えへへ。」
大和田「ん?不二咲、何か嬉しそうだな。お仕置きされて無理矢理こんな格好させられてるのに。」
山田「不二咲千尋殿は男装がお仕置きでしたなブヒイイイイ!!男装している千尋タンもいいですぞブヒイイイイイイイイイ!!」
不二咲「実は僕、こういう格好してみたかったんだ。」
山田「チクショオオオオ!!!三次元の癖に萌えるブヒイイイイイイイイイイ!!」
セレス「う、うるさいですよ。この豚野郎。だ、黙らないと酷いんだからねっ///」
セレス「あーもう氏にたい。誰かわたくしを頃して…って別に思ってないんだからっ///」
山田「セレス殿のツンデレ口調強制もいいですなブヒイイイイイイ!!」
セレス(今すぐこの腐れラードをぶち頃したいですわ。)
葉隠「ギャハハハハ!!セレスっち似合わねーべ…あ。」
大神「鉄拳制裁だよ……。お兄ちゃん。」パキゴキ
葉隠「いやその…。ギャアアアアアア!!」
苗木(大神さんの妹キャラ強制って強烈すぎるよ…。)
219: 2011/08/25(木) 05:15:52.94 ID:ygGaiPo90
十神「ええい、付きまとうな鬱陶しい。」
腐川「……………………。」
戦刃「腐川のお仕置きは十神と口をきくなだったな。」
桑田「いつも命令されてることじゃねーか。」
腐川「ハックチュ」
ジェノサイダー「呼ばれて飛び出てジェノサイダー!」
ジェノサイダー「あれ?白夜様どうしたんですか?」
十神「口をきくなと言ったのがわからんのか!」
ジェノサイダー「あの根暗と記憶を共有してないので何のこと言ってるのかわかんないですー。ゲラゲラゲラ。」
220: 2011/08/25(木) 05:18:49.80 ID:ygGaiPo90
朝日奈「うう…。何で私が水着で今日一日過ごせなの。確かに超高校級のスイマーだけどさ。」
桑田「おお!朝日奈の水着姿いいな!」
葉隠「確かにないいb…な。」
山田「ブヒイイイイイイイイイイ!!」
大神「お兄ちゃんたち。朝日奈をそういう目で見るとさくらが許さないんだから。」ゴオオオオ
桑田 葉隠「ヒイイイイイ!!ごめんなさい。」
山田「ブヒイイイイイ!!ありがとうございます。」
江ノ島「お兄ちゃんとお姉ちゃんたち!そろそろ授業が始まるから席に付かないとダメなんだからねっブヒイイイイイイイ!!」
苗木「何で江ノ島さんだけみんなに与えられたお仕置き全部遂行してるんだろう。しかも何か嬉しそう。」
戦刃「しかも妹キャラ強制って、私にとっては盾子は元々妹なのに。」
霧切「不二咲さんの男装と朝日奈さんの水着を同時遂行したらどうなるか。ここまで言えばわかるわよね?」
終わり
222: 2011/08/25(木) 05:21:05.87 ID:ygGaiPo90
モノクマ「長くなったけどこれで終わりだよ。たまにはこんなぬるいお仕置きもいいよね。」
モノクマ「ここまで支援してくれた人ありがとうございます。じゃあまたねー。」
224: 2011/08/25(木) 05:21:56.24 ID:hBlm2MqP0
おっつおっつ
225: 2011/08/25(木) 05:23:44.89 ID:PVaEFz6U0
乙々
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