1: 2011/01/22(土) 14:56:19.81 ID:jAzXQ86Q0
――4月・教室――

唯「それでさー」

律「おおぅ! まじかよ!」

紬「それでそれで!?」

澪「まさかそんなことがあるなんて……」

和「びっくりよね」

律「だよなー」

ドア「がちゃ」

さわ子「ホームルーム始めるわよ。席について」

紬「はーい」

唯「あれ? あの人だれ?」

さわ子「えーと、新学期が始まって2週間だけど、新任の副担任を紹介します。それじゃあ、
一言お願いします」

ウメハラ「え? ああ、新任の梅原です」

唯「・・・・・・ふぇ?」

5: 2011/01/22(土) 15:00:14.99 ID:jAzXQ86Q0
信代「だれ?」

エリ「イケメンだけど……」

姫子「あんな先生いたっけ?」

さわ子「梅原先生は今年から先生になったの。初めての赴任先が女子高で大変だろう
から皆も協力してね」

ウメハラ「いや、そんなことはないんですけど」

さわ子「あらそう? じゃあ、自己紹介でもしてくれる?」

ウメハラ「いやー、特にはないんですけど」

律(変わった人だな)

ウメハラ「まあ、頑張りたいです」

さわ子「それだけ?」

ウメハラ「はい」

さわ子「それじゃあ、ホームルームはこれでおしまい。梅原先生は軽音部の顧問補佐を
してもらうから」

澪「え!?」

7: 2011/01/22(土) 15:06:27.13 ID:jAzXQ86Q0
さわ子「……あ。一時間目は音楽の時間だったのね。梅原先生、授業はいってますか?」

ウメハラ「いや、入ってはいないです」

さわ子「それならちょうどいいわ! クラスのみんなに馴染んでもらえるように、今日の
授業は梅原先生への質問タイムに当てましょう」

ウメハラ「ハハハ」

紬「それじゃあ、今日は教室で授業ですか?」

さわ子「そうよ。ムギちゃん……じゃなかった。琴吹さん、みんなに伝えてくれる?」

紬「はーい」タタタっ

さわ子「ごめんなさい。勝手に決めちゃって。大丈夫でした?」

ウメハラ「まあ、大丈夫だと思います」

さわ子「よかったー」ほっ

さわ子(山中さわ子、彼氏いない歴に終止符を打つチャンスが来たわ!)

8: 2011/01/22(土) 15:13:45.31 ID:jAzXQ86Q0
さわ子「……と、いうことで梅原先生に質問ある人!」

唯「はい!」

さわ子「平沢さん! ……あ、あの子は平沢唯さんっていって軽音部でギターボーカルや
ってのよ」

ウメハラ「へえ」

唯「好きな食べ物はなんですか!?」

ウメハラ「うーん。色々あるんだけど、やっぱりラーメンかな。じゃんがらラーメン」

澪(そのラーメン知ってるぞ。梓と前に行ったところだ)

澪「は、はい!」

さわ子「はい。秋山さん」

澪「趣味はな、なんです……か?」

ウメハラ「食べ歩きかな。美味いものがあるって言われたら並んだり、遠くでも食べに
行こうと思う」

律「好きなスポーツ選手はいるんですかー?」

さわ子「こら田井中さん。手を挙げて発言しなさい」

ウメハラ「ホンダ」

15: 2011/01/22(土) 15:26:26.89 ID:jAzXQ86Q0
紬「女の子同士って素敵だと思いませんか!?」

ウメハラ「どうでもいい。どうでもいいと口にすることすらどうでもいい」

紬「そんな!」ガーン

姫子「いやいや」

さわ子「ほらほら。梅原先生困ってるじゃない。もう少しちゃんとした質問をしなさい。たと
えば彼女はいますかー? とか好みの女性はどんな人ですかー? とか」

律「それってさわちゃんが訊きたいだけじゃ――」

さわ子「あ?」ギロ

律「な、なんだかストレッチしたくなってきたー。おいっちに。おいっちに」

唯「そうだ! 先生にあだ名はありますか!?」

ウメハラ「あだ名かー。いや、そんなにないかな」

唯「それじゃあ――ウメちゃん先生ってのはどうですか!」

ウメハラ「いや、まあ、別にいいけど」

唯「わーい!」

チャイム「きーんこーんかーんこーん」

さわ子「それじゃあ質問の時間は終わり。梅原先生、ありがとうございました」

22: 2011/01/22(土) 15:33:15.30 ID:jAzXQ86Q0
アカネ「梅原先生、かっこよくない!?」

アキヨ「そ、そうだね。かっこいい」

エリ「この学校、男の先生といったらおっさんしかいないもんねー」

アカネ「しかも軽音部の顧問補佐なんて、唯たち恵まれすぎでしょ」

唯「そうかなー。えへへ」

律「まさか男の先生が来るなんて、予想外だったな。澪」

澪「ふえ!? そ、そそそそそうだな!」

紬「澪ちゃん、大丈夫?」

和「顔色悪いわよ?」

澪「へ、平気だ! 男の人なんて怖くもないんともないんだからな! そんなことより、梓
にも教えてやろう」ポチポチ

律「おててが震えてますわよ? 澪ちゅあん」

澪「やかましい!」ごつん!

律「甘いぜ!」カンっ!

澪「ブロッキング!?」

唯律紬和「え?」

26: 2011/01/22(土) 15:41:51.57 ID:jAzXQ86Q0
――そのころ、西横浜の廃墟――

男1「なんかさー、ウメハラが先生になったらしいんだよね」

男2「は? ありえねーだろ。冗談は顔だけにしとけよ」

男3「いやいや、実はあれ本当らしいですよ」

男2「てめーも乗っかるんじゃねえよ。調子乗るだろこいつが」

男3「五神ネットワーク舐めないでくださいよ」

男1「お、噂の五神ネットワーク」

男2「あれなんなの? 俺にも教えてくれない?」

男3「無理でしょ。だって五神じゃないじゃん」

男2(マゴ)「うっせーぞときど。黒バラでくまちょむに負けやがってよー」

男3(ときど)「それは関係ないでしょ」

男1「まあまあ」

マゴときど「うっせー顔!」

KSK「これ、配信のってるんだぞ!」

29: 2011/01/22(土) 15:45:26.69 ID:jAzXQ86Q0
ときど「おっといけないいけない。プロ意識が足りなかった」

マゴ「プロプロ言ってんじゃねーぞ」

ときど「いやー、プロだからなー俺。プロだからなー」

KSK「しかもさ。女子高らしいんだよね」

マゴ「なにが?」

KSK「ウメハラが赴任してる学校が」

マゴ「は?」

ときど「ウメさん……?」

チャット欄「先生ハラ!」

チャット欄「連絡促してみます」

チャット欄「蝿調子に乗るな」

KSK「さーて、今月中にVISION復活させないとなー」

マゴ「お前、先月の前の月もそう言ってたよな」

ときど「先々月ね」

31: 2011/01/22(土) 15:50:01.27 ID:jAzXQ86Q0
――二年教室――

純「ビッグニュース!!!!」

梓「うっとおとしい」

純「器用な噛み方!」

梓「うっとおしい」

憂「どうしたの? 純ちゃん」

純「今年、新任の先生が来たって!」

梓「そりゃあ来るでしょ」

純「ただ来るだけじゃないんだなー。なんと、イケメンらしいよ!」

憂「へー」

梓「ふーん」

純「反応薄ッ!」

憂「なんて名前の先生なの?」

純「梅原大吾って先生だよ!」

梓(……は?)

33: 2011/01/22(土) 15:55:36.87 ID:jAzXQ86Q0
梓(梅原大吾……? え? まさか、同姓同名だよね。でもイケメンって言ってたし……)

純「どしたの? 梓」

梓(ウメスレ古参で大のウメ信者の私が通う学校に……そんな馬鹿な)

憂「んー?」

純「どうしよう。梓が壊れちゃった」

憂「もうすぐ授業始まっちゃうし、放っておこう」

純「う、うん」

梓(仮令。仮令だ。もし梅原先生があのウメハラだったら。私の渾身の電波実況を聞か
せるしかない! やってやるです!)

ウメハラ「それじゃあ授業を始めます」がらり

梓「ウメハラがああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

純「うわ!」

憂「ひい!」

39: 2011/01/22(土) 16:00:36.74 ID:jAzXQ86Q0
梓「あ、あああ……あああ」

ウメハラ「ん?」

梓(ウメハラだ。マジでウメハラだ。マジハラだ……!)

ウメハラ「えーと、じゃあ日直は――」

日直の子「きりーつ」

梓「れえええええええええええええええええええい!!!!!!」

ウメハラ「!?」

憂「ちょっと、梓ちゃん!」

梓「あわわわわあわわわあわわ……」

純「な、なんかこの子体調悪いみたいなんで、保健室に連れて行きますねー。あははー」

ドア「がちゃん」

ウメハラ「……」

クラス「……」

ウメハラ「じゃあ、授業を始めます」

41: 2011/01/22(土) 16:04:11.28 ID:jAzXQ86Q0
――保健室――

純「失礼しまーす」

憂「あれ? 先生いないみたいだね」

純「それはよかった。色々訊かれると面倒だもんね」

梓「ハァ……ハァ……」

純「どうしたのさ梓。いきなりあんなことして。アンタ、日直じゃないじゃん」

梓「ウメ様ぁ……」びくんびくん

純「……」

憂「タ、タオル濡らしてくるね。今日、四月のわりには暑いもん」

純「あ、こら憂! 逃げるな!」

憂「あははー」ぴゅー

ドア「がちゃん」

純「あらら。……まったく、梓の所為なんだから」

梓「ウメ様のレバーをウメハラ持ちで、ウメ昇龍をウメ波動に暴発させたい……」ハァハァ

純「きもちわるい」

42: 2011/01/22(土) 16:04:59.57 ID:t3oHfcKW0
ドアが喋った!?

45: 2011/01/22(土) 16:08:44.31 ID:jAzXQ86Q0
梓「……フヒヒ」

純「……どうしよう。病院……いや、これはお寺でお祓いを受けたほうがいいのかな」

梓「アィィィ……」

純「変な夢見てるっぽいし」

ドア「がちゃ」

澪「あずさー。大丈夫かー?」

純「澪先輩! どうして!?」

澪「ん? ああ、憂ちゃんからメールが来たんだよ。梓が倒れたって」

純「……それで、憂は?」

澪「教室に帰っていったよ」

純「憂め」

澪「それで、梓はどうしたっていうんだ?」

純「梅原先生が教室に入ってきたら、いきなり……」

澪「ウメ……いや、梅原先生が関係あるのか」


48: 2011/01/22(土) 16:15:30.34 ID:jAzXQ86Q0
梓「……れっつごー」

澪「どうした梓! レッツゴーを歌いたいのか!?」

純「今、梓は変な夢を見ています。放っておきましょう」

澪「そうだったのか。それなら仕方ないな」

純「梅原先生、イケメンですよね」

澪「確かにな。でもsak……いや、梓が男に興味があるとは思えないんだけど」

純「その言い方はどうかと……」

澪「ここだけの話、梓が入部したころは梓の視線を感じてならなかったんだ。アレは間
違いなく私に性的な視線を向けていたな。ああ、思い出すだけで部屋の隅で震えたく
なる」

純「梓のこと、嫌いなんですか?」

澪「そんなことはないよ。大大大好きな後輩だ」

純「それならよかった」

梓「うぅ……リュウフェイロンは2:8不利だから……」

澪「なるほど……。あれを試してみよう」

純「?」

49: 2011/01/22(土) 16:23:05.76 ID:jAzXQ86Q0
澪「フフフ……」

純「澪先輩、梓の耳元でなにを……」

澪「ホアチャ」

梓「……」ぴく

澪「キャノンスパイク」

梓「…………」ぴくぴく

澪「勝ったのはウメハラァァァ、じゃなくてうりょ」

梓「――――」

澪「ヨガカタストロフィ」

梓「――――――」

澪「勝ったのはももち戦だけのプロ」

梓「――――」

澪「sakoさん最強」

梓「うわあああああああああああああああああああ!!!!!!!」がばぁ!

純「うわああああああああああああああ!!!!」

53: 2011/01/22(土) 16:35:21.28 ID:jAzXQ86Q0
梓「sakoオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

澪「どうした梓」

梓「……あれ? 澪先輩じゃないですか」

純「耳が痛い……」

澪「いきなり起きるからびっくりしちゃったぞ。ほら、大丈夫か?」

梓「え? え?」

澪「寝ぼけてるのか? 授業は休んで、この時間は横になってな」

梓「は、はい……」

梓(ウメ信者のトラウマが次々に呼び起されたけど……気のせいだよね)

澪「よしよし」なでなで

梓「あったかいです……澪先輩、お母さんみたい」

純「……うらやましいな」

ドア「がちゃ」

ウメハラ「大丈夫?」

梓「!?」

58: 2011/01/22(土) 16:40:04.00 ID:jAzXQ86Q0
ウメハラ「うーん。キミが、軽音部の中野梓さん?」

梓「は、ひゃい!」

澪「梓、落ちつけって」

ウメハラ「体調が悪いみたいだけど、平気? 次の授業は出られる?」

純(かっこいい……)

梓「だ、大丈夫だと……思います」

ウメハラ「それならよかった。じゃあ、お大事に」

ドア「がちゃん」

澪「いい先生だな」

純「ですね」

梓「ウメ様の新たな一面……。ウメスレに……いや、やめておこう。これは私だけの
思い出だもん」

63: 2011/01/22(土) 16:46:00.86 ID:jAzXQ86Q0
――放課後・音楽室――

ドア「がちゃ!」

唯「いえーい!」

律「ホイホイホイホーイ!!」

澪「なんだよそのテンション」

梓「よいしょ。よいしょ」

唯「ウメちゃん先生が来るんだよ! テンションも上がるよ!」

律「新しい顧問に、私たちの演奏を見せてやる!」

紬「そうだ! 美味しいお茶いれないと!」

梓「うんしょ、うんしょ」

唯「今日のお菓子はなーに?」

紬「モンブラ~ン」

梓「せいやせっと」

律「モンブラン大好きー!」

澪「まったく。あんまりハメを外し過ぎるなよ」

65: 2011/01/22(土) 16:50:37.50 ID:jAzXQ86Q0
唯「はーい。澪ちゃんは今日も可愛いねえ」

澪「どうしたんだよいきなり」

唯「可愛い澪ちゃんなら、モンブランの栗、くれるかなーって」

澪「褒め落としか。そうはいかないぞ」

梓「よいせっと」ドスン

紬「あのね。梓ちゃん」

梓「なんですか?」

紬「みんなで使うテーブルに、こんなに大きいテレビとゲーム機置いたら、お茶できないよ?」

梓「大丈夫です。問題ありません」

律「あるだろ」

唯「あずにゃん! これなに!?」

梓「ブラウン管テレビとXbox360です」

澪(まさか梓のやつ……!)

梓「梅原先生がいらっしゃるんですから、これくらいはしないとです!」ふんす

唯「ふぇ?」

73: 2011/01/22(土) 16:56:39.70 ID:jAzXQ86Q0
紬「えっくすぼっくす?」

律「うちにあるのはPS3だからなー。ちょっとよくわからない」

梓「ええー!? 律先輩の家、ラグステしかないんですかー!?」

律「な、なんだよ」

梓「延髄してるラグステでゲームなんて信じられなーい」

澪「それを言うなら遅延な」

梓「それに、有名人がいないラグステのPPなんてアテになりませんよー!」

律「なんの話してるんだよ」

唯「あずにゃん?」

梓「ていうか、箱でしか主要大会やってませんからねー。カァー!」

唯「あずにゃん!」ぎゅっ

梓「ほわー」

律「どうしたってんだよ。梓のやつ」

澪「さ、さあな」

ドア「がちゃ」

78: 2011/01/22(土) 17:00:11.03 ID:jAzXQ86Q0
ウメハラ「ここが部室でいいんだよね?」

梓「は、はい!」

ウメハラ「へぇー」きょろきょろ

紬「今お茶入れますねー」

唯「ささ、ここに座ってくだせえ!」

ウメハラ「うん」きょろきょろ

澪「どうしました?」

ウメハラ「いや、どうしよ。鞄の。鞄の置き場所がわからなくて」

梓(キター!)

律「ああ。それなら、このソファにでも置いてくださいませ」

ウメハラ「安心した」

紬「あの、紅茶で大丈夫でしたか?」

ウメハラ「うん。紅茶好きだよ。……ここ、軽音部だよね」

梓「はい! ここにスパ4も用意してます! もちろんスティックはマッドキャッツです!」

ウメハラ「!?」

81: 2011/01/22(土) 17:05:06.45 ID:jAzXQ86Q0
梓「どうしたました……?」

ウメハラ「あ。いや、大丈夫」

唯「なにが大丈夫なんですか?」

ウメハラ「もしかして、中野さん。知ってるわけ?」

梓「――」こくり

ウメハラ「それなら話は早いんだけど、俺は今先生だから、学校ではウメハラじゃなくて
梅原大吾教諭としていたいんだ」

梓「――!」

ウメハラ「もしかしたら、学校内でもこういうことがあるかもしれないと思ってたんだけど、
今はゲームは……」

梓「ご、ごめんなさい。先生」

ウメハラ「わかってくれればいいんだよ。ごめんね」

唯「どうしたの? ウメちゃん先生」

ウメハラ「大丈夫。心配しないで」

梓「それじゃあ、このテレビとゲームは片付けます」

ウメハラ「いや、それは俺がやるよ。生徒にこんなに重い物は持たせられないよ」

85: 2011/01/22(土) 17:11:28.00 ID:jAzXQ86Q0
律「よーし! それじゃあウメちゃんに私たちの演奏を見せてやろうぜ!」

唯「おー! ……お茶飲んでからね」

律「おいおい」がくっ

澪「でもいいじゃないか。梅原先生と親睦を深めよう」

律「澪がそんなこと言うなんて珍しいな。ついに澪もこっち側かー?」

澪「た、たまにはいいってこと! 別に毎日これでいいなんて言ってない!」

ウメハラ「この辺に置いておけばいい?」

梓「はい! ありがとうございます!」

ドア「がちゃ」

さわ子「ちょりーっす」

ウメハラ「ん?」

さわ子「……あれ? 梅原先生?」

唯「あ、さわちゃんちょりーっす」

さわ子「えと……ごほん。こんにちはぁー、梅原先生。お疲れ様ですぅ」

律「さわちゃん。きついです」

90: 2011/01/22(土) 17:16:57.19 ID:jAzXQ86Q0
さわ子「田井中さん。ちょっと」

律「んー? これ食べてからねー」

さわ子「ちょっと」

律「……」ちらり

さわ子「さっさと来い。頃すぞ」←律にはこう見える

律「……はい」

ウメハラ「?」

唯「おーいふぃー」

紬「よかったー。梅原先生、お口に合いますでしょうか?」

ウメハラ「うん。美味しい。モンブランは良い」

澪「モンブラン好きなんですか」

ウメハラ「かなり好き。というより、このモンブランは別格」

紬「よかったー」

梓(ウメハラって食べ方も綺麗なんだ)

92: 2011/01/22(土) 17:20:18.18 ID:jAzXQ86Q0
律「……ふぅ。それじゃあ、そろそろやるか」

澪「そうだな。まずはふわふわから」

唯「ボーカルは私?」

梓「私という選択肢は?」

紬「今までそんな形はなかったよね」

澪「普通に唯がボーカルでいこう」

唯「らじゃー」

律「よぉし! それじゃあいっくぜー! 1・2・3・4・1・2・3!!」

唯「キミを見てると、いつもハートドキドキ!」

ウメハラ「へえ」

さわ子「うんうん」

94: 2011/01/22(土) 17:25:15.83 ID:jAzXQ86Q0
――演奏終わって――

ウメハラ「これはみんなオリコン。いや、オリジナルの曲?」

さわ子「はい。曲は琴吹さんで詞は秋山さんが主に書いてます」

ウメハラ「高校生でこの楽曲を作るのは、なんていうか始まってる」

唯「えへへー」

律「唯は作ってないだろー」

唯「む! そんなことないもん! 私だってギターのピロピロとか考えてるもん!」

ウメハラ「平沢さんのギターって結構いいやつじゃない?」

唯「わかりますか!」

ウメハラ「いや、全然」

律「じゃあなんで言ったんだよ!」

ウメハラ「知り合いがインディーズのバンドやってて、ちょっと聞きかじったんだよね」

澪「す、すごい」

梓「もう外も暗くなってきてます。そろそろ終わりましょう」

紬「そうね。梅原先生。明日からもよろしくお願いします」

97: 2011/01/22(土) 17:31:27.54 ID:jAzXQ86Q0
――都内のあるゲーセン――

ウメハラ「――」

ネモ「ウメさん、先生は大変そう?」

ウメハラ「どうだろう。まだ初日だし」

ネモ「でも女子高でしょ? 多感な年頃だからなー(笑)」

ウメハラ「それはある。そっちも大変な時期じゃないの?」

ネモ「結婚ってのも大変ですよ。……でも、『これ』に理解のある嫁でよかったっす」

ウメハラ「……のろけ?」

ネモ「(笑)」

ウメハラ「結婚か。それもいいけど、やっぱり好きなこともしたいよね」

ネモ「人生、誰かに縛られるってのは嫌ですよ。それがたとえ惚れた女でも」

ウメハラ「好きなこと……か」

99: 2011/01/22(土) 17:35:07.52 ID:jAzXQ86Q0
ネモ「どうしました?」

ウメハラ「いや、なんでもない」

マゴ「てめー、厨キャラすぎんだろそいつ!」

ウメハラ「お前が言うなよ」

マゴ「うっせー! この変態教師!」

ウメハラ「相変わらずだなお前は」

マゴ「こうやって仲間とゲームして、煽りあったりしてる時間が好きなんだよ俺は。ここ座る
ぞ」

ネモ「ぷっ」

マゴ「笑ってんじゃねーぞコラ」

ネモ「ぷっ! マゴぷっ!」

マゴ「うわあああああああ!!!!」

ウメハラ「ハハハハ」

101: 2011/01/22(土) 17:41:39.40 ID:jAzXQ86Q0
――次の日――

唯「いってきまーす」

唯母「いってらっしゃい。今日はお母さんたち、家にいるからご飯でも食べに行く?」

唯「うーん。どうする? 憂」

憂「私はお母さんのご飯が食べたいかな」

唯父「はっはっは。お母さんの料理はおいしいからな」

唯母「もう、パパったら」

唯母父「あはははははは」

唯「あはははは」

唯母「それじゃあ、今日は唯と憂が好きなハンバーグにするわね」

唯「わーい! それじゃあ、改めていってきます!」

憂「いってきまーす」

唯母「はいはい。いってらっしゃい」

102: 2011/01/22(土) 17:50:31.15 ID:jAzXQ86Q0
メハラ「あれ?」

唯「あれま」

ウメハラ「おはよう。平沢さん」

唯「おはようございます!」

憂「梅原先生、このあたりに住んでるんですか?」

ウメハラ「うん。近所に住んでるみたいだね」

憂「それなら、これからもばったり鉢合わせするかもしれませんね」

唯「なんだか変な感じだねー」

ウメハラ「そう?」

唯「だって、ウメちゃん先生って先生って感じしないもん」

ウメハラ「そうかな」

唯「なんだかお兄ちゃんって感じ?」

ウメハラ「へえ。ところで、時間は大丈夫なの? 朝練するって言ってたけど」

唯「あ! 忘れてた! 憂、行くよ!」すたたー

憂「う、うん!」タタタっ

123: 2011/01/22(土) 18:54:03.88 ID:jAzXQ86Q0
――部室――

唯「おはよー」

澪「遅いぞ唯。ほら、早く準備して」

紬「私、朝練するの夢だったの~」

律「どんな夢だよっ」

梓「まったく、仕方ないですね。唯先輩は」

唯「えへへ~。ウメちゃん先生と話してたら遅れちゃった」

梓「マジですか!?」

唯「ど、どうしたの?」

梓「ウメハラ先生、唯先輩の近所に住んでるんですか!?」

唯「そ、そうみたいだけど」

梓「わかりました。放課後の部活は休みます。ウメハラ先生の家を捜しますので」

律「おちつけ」

さわ子「梓ちゃん、私も行くわ。車出してあげる」

梓「さわ子先生素晴らしい」

126: 2011/01/22(土) 18:58:19.18 ID:jAzXQ86Q0
澪「馬鹿なこと言ってないで、折角集まったんだから練習しよう」

紬「うん! まずはカレーからいきましょ」

唯「準備おーけーだよ!」

さわ子「それじゃあ、私は職員室行ってくるわね」

梓「お疲れ様です!」

ドア「がちゃ」

律「よーし! いっくぞー!」

ドア「がちゃ」

ウメハラ「おはよう」

律「――と。おはようウメちゃん!」

澪「梅原先生、こんな早くにどうしたんですか?」

ウメハラ「いや、今日の一時間目はテストだけど大丈夫なのかなと」

紬「え?」

唯「忘れてた……」

梓「皆さん仕方ないですね。私はウメハラ先生と練習しますので、みなさんは勉強しに
教室へ行ってください」

127: 2011/01/22(土) 19:01:51.78 ID:jAzXQ86Q0
律「くそぅ! ウメちゃんめ!」

唯「ばーかばーか!」

澪「私も忘れてたぞ!」

紬「それじゃあ梓ちゃん、あとおねがいね!」

ドア「がちゃん!」

梓「……ふう」

ウメハラ「……」

梓「……ウメハラ先生は、ギターとか弾きます?」

ウメハラ「弾いたことない。ていうか、昨日初めてギターを見た」

梓「ふふっ。そんなわけないじゃないですか。弾いてみますか?」

ウメハラ「でもコードわからないんだよね」

梓「それくらいなら教えてあげます。ソファに座ってください」

ウメハラ「じゃあ、やってみようかな」

梓「それじゃあ、まずはCコードを……」

ウメハラ(……すげー、いい匂いするんですけど)

130: 2011/01/22(土) 19:08:49.01 ID:jAzXQ86Q0
梓「そうそう、上手ですよ。ここはこうするといい音が出るんです」

ウメハラ「へえ」

梓「流石ウメハラ先生です」

ウメハラ「そんなことないよ」

梓「綺麗な手……。この手が、私たち格ゲーマーの夢を見せてくれていたんですね」

ウメハラ「……」

梓「でも、今は――この手はギターを弾くための手です」

ウメハラ「……中野さんは」

梓「梓でいいです」

ウメハラ「――梓は、ギター好き?」

梓「……好きです。昔から、大好きでした」

ウメハラ「じゃあ、ギターをやることに、使命感はある?」

梓「使命感、ですか?」

ウメハラ「そう。好きなことが、いつからかやらなくてはいけないモノに変わってしまったら、
それはきっと、もう好きなこととは違うものになってしまうと思う。梓は、ギターを弾くことに
義務感、使命感を持っている?」

133: 2011/01/22(土) 19:14:13.36 ID:jAzXQ86Q0
梓「……わかりません」

ウメハラ「わからない?」

梓「私にとって、ギターを弾くことっていうのはご飯を食べることと同じなんです。手が、自然
とギターに向いてしまう。だから、弾いてみる。そうやって上手く弾けたら、嬉しいじゃないで
すか。また弾きたい。もっと弾きたい。そう思うんです。――それに、私はまだ高校生です
から」

ウメハラ「……」

梓「どうしたんですか?」

ウメハラ「梓は、俺がプロゲーマーだってことは知ってるよね」

梓「――はい」

ウメハラ「ミュージシャンでもスポーツ選手でも、プロというのはお金を貰うものだ。だから、
中途半端なパフォーマンスは許されない。常に最高の力を発揮できないといけない」

梓「それは、わかります」

ウメハラ「でもさ。最近になって思うんだ。俺はオンゴッズで1勝しかできなかった。プロ
なのに、勝てなかった。好きだった筈のゲームにプレッシャーを感じて、素直に楽しめ
なくなった。――逃げられなくなってしまった」

梓「……」

ウメハラ「――ごめん。こんな話をして。さあ、職員会議に行かないと」すくっ

135: 2011/01/22(土) 19:19:09.11 ID:jAzXQ86Q0
梓「待ってください……」

ウメハラ「え?」

梓「確かに、先生は負けました。でもそれは! 不利キャラのフェイロンやダルシム。運の
要素が大きいヴァイパーやキャミィにじゃないですか! 負けたなんて言いません」

ウメハラ「どんな相手でも負けは負け。そのキャラクターを選んでいる以上。キャラ差なん
ていうのは言い訳にもならないんだよ」

梓「……そう、ですけど……」

ウメハラ「勝者ではなく、強者を決めるのがオンラインゴッズガーデンだった。それに負けた
俺は――」

梓「違います!」

ウメハラ「!?」

梓「私たちの――いいえ。私のウメハラはそんな人じゃありません! もっとふてぶてしく
て、もっと図々しくて、いつだって強いビーストじゃないといけないんです! だから、そん
なこと、言わないでください……」

ウメハラ「……」

ウメハラ「……ごめん」

ドア「がちゃ」

梓「……逃げたっていいんですよ……先生……」

153: 2011/01/22(土) 20:44:19.91 ID:jAzXQ86Q0
――5月・部室――

澪「……なあ」

唯「あにー?」もぐもぐ

澪「私たち、何週間練習してないと思う?」

唯「うーん……」ひーふーみー

紬「今日のお茶、よくいれられたと思うんですけど」

ウメハラ「よく頑張りましたね」

唯「三日!」

澪「2週間だ!」

律「そんなに練習してなかったのか! いやー、時間が経つのは早いなー」

澪「呑気なこと言ってる場合か! いいか!? もう今年で受験生なんだぞ! 梓のため
に頑張ろうよ! 新入部員もいないんだから、もしかしたら、来年軽音部は潰れてしまう
かもしれないんだぞ! だから――」

唯「だから?」

澪「ゴールデンウィークを使って合宿をします! 朝から夜まで練習するの!」

155: 2011/01/22(土) 20:51:48.81 ID:jAzXQ86Q0
律「でも、ゴールデンウィークは明日からだぞ。きつくないかー?」

澪「う……それは……」

さわ子「今からじゃあ、場所も見付けられないわよ」

澪「ムギ……別荘、使えないか?」

紬「ごめんなさい。さすがに明日からは……」

澪「だよなぁ」

梓「でも、二週間も練習してないのは異常です! 学校に泊まり込みでも構いません!」

さわ子「それにも許可はいるのよ。今からは厳しいわよ」

ウメハラ「うーん」

律「どうした? ウメちゃん」

ウメハラ「自由に使える場所に心当たりがあるんだけど」

澪「本当ですか!?」

ウメハラ「うん。ただ、持参したほうがいいものはあるよ」

唯「なにそれ?」

ウメハラ「ファブリーズとゴミ袋」

156: 2011/01/22(土) 21:03:39.46 ID:jAzXQ86Q0
――その夜・西横浜の廃墟――

ウメハラ「――そういうことだからよろしく」

KSK「はい?」

ウメハラ「いやだから、明日からゴールデンウィーク終わりまで、俺の生徒がここに来る
からよろしく」

KSK「ごめん、なに言ってんの?」

ウメハラ「俺も来るけど、一応片付けておけよ。女子高生なんだから」

ときど「JKですかウメさん」

マゴ「黙ってろ口リコンがよぉ!」

ウメハラ「部員5人と顧問の先生がもう一人来ることになるから。それじゃ」

KSK「待て待て待て!」

ウメハラ「なんだよ」

KSK「……ちょっと周りを見渡してみろ」

160: 2011/01/22(土) 21:10:03.17 ID:jAzXQ86Q0
ウメハラ「……」

KSK「どう思った?」

ウメハラ「きったねー店」

マゴ「だろ!? マジきったねーんだけど!」

KSK「お前とマゴの言う通りだ。この店は、いいや、店でもないんだが汚い」

ときど「到底JKが泊りこむ場所ではないですよね」

ウメハラ「だから片付けろっていうの。とりあえず置くファブリーズ買ってきたから」どさどさ

KSK「そういう問題じゃない。もう一回見渡してみろ」

ウメハラ「……」

KSK「どう思った?」

ウメハラ「むっさい店」

KSK「そうなんだよ。この店には女性客なんかそもそも見込んでないくらいに、むさいんだ
よ。こんなところに女子高生を泊められるか」

ウメハラ「ときど」

ときど「はい」

ウメハラ「あの名言集、ネットでバラまけ」

161: 2011/01/22(土) 21:12:43.12 ID:jAzXQ86Q0
ときど「わかりました」

KSK「それだけは勘弁してくれ」

ウメハラ「だったら明日の昼12時までに片付けろ。なんとしてもだ」

KSK「……背に腹は代えられないか」

マゴ「なにそれ」

ときど「仕方ないってこと」

マゴ「難しい言葉使っていい気になってんじゃねえぞ顔がァ!」

KSK「うっせえ。お前らも手伝え」

ときどマゴ「ふざけんな」

KSK「くっ。バイトのくせに……」

ウメハラ「じゃあ、また明日」

ドア「がちゃ」

KSKマゴときど「……」

KSK「配信しよ……」

マゴときど「おいこら」

162: 2011/01/22(土) 21:18:57.62 ID:jAzXQ86Q0
――中野宅――

梓「――」カチカチ

梓「――――」カタカタ

梓「……チッ」

梓「――」ターンッ

梓「――まったくもう」

梓「顔TVにコテで書き込む奴は消えろ」

梓「ていうか、今日の顔TVおかしいな」

梓「……掃除? いや、これは――」

梓「模様替えとも違う」

KSK「おーいマゴー! ここおさえといて!」

マゴ「はいよー」トンチンカン!

ときど「いて、指打った」

マゴ「おいおい大丈夫かよ。見せてみろ」

梓「ヌッ」ずいっ

165: 2011/01/22(土) 21:28:12.38 ID:jAzXQ86Q0
チャット「BLきた!」

チャット「ホ〇勢消えろ」

チャット「飛翔さんの悪口はやめろ!」

チャット「連絡促しておきます」

チャット「蝿うぜええええええええええ」

梓「ハァハァ……と。明日の準備しないと」

梓「もうこんな時間だ。早く準備して寝ないと」

梓「……ウメハラ先生のツテってなんだろ」

KSK「とりあえず女の子はピンクだよなー」

マゴ「安直じゃね?」

ときど「概ね合ってるからいいでしょ」

梓「……」

KSK「これで明日もばっちりだな」

梓「……まさか……」

166: 2011/01/22(土) 21:45:31.10 ID:jAzXQ86Q0
――次の日・桜高正門前――

さわ子「それじゃあ行くわよ!」

唯「さわちゃんの車に乗れるの?」

さわ子「そういうと思って、レンタカーで来ました! これなら全員乗れるわよ!」

澪「すごいですね!」

紬「なんだかピクニックみたい!」

梓「……」

律「それじゃあ乗り込むぜー!」

さわ子「そうそう! 全員乗れるのよ! 梅原先生でもそれは例外ではないわ! さあ!
梅原先生! 助手席に!」

澪「梅原先生なら、先に行ってるみたいですよ」

さわ子「ガッデム! 返してくるわこの車!」

律「おちつけさわちゃん!」

唯「あずにゃん、くまできてるよ? 大丈夫?」

梓(結局モノ思いにふけっていて眠れなかった……。まさか、あそこじゃないよね……)

172: 2011/01/22(土) 21:52:26.08 ID:jAzXQ86Q0
律「私が部長だから、私が助手席!」

さわ子「ちぇー」

唯「さわちゃん残念だったねー」

紬「?」

唯「さわちゃん、梅原先生のこと……」

紬「あらまー」

澪「ハハハ」

さわ子「梓ちゃんも乗りなさい。12時までにはつかないといけないんだから」

梓「わ、わかりました。ところで、どこに行くんですか?」

さわ子「うーん。よくわからないんだけど、西横浜のVISIONってところみたいよ?」

梓「マジですか!?」

澪(まじかよ)

さわ子「なんか、梅原先生の知り合いがやってるお店みたいなんだけど、閉まっちゃってる
から好きに使っていいみたい」

唯「へー。すごいね! ウメちゃん先生!」もぐもぐ

律「だなー。憂ちゃんのおにぎり美味しいなー」もぐもぐ

173: 2011/01/22(土) 21:57:12.48 ID:jAzXQ86Q0
紬「りっちゃんの、なにが入ってるの?」

律「梅干しー」

さわ子「梅……」

紬「そっかー。梅干しかー。えへへー」

さわ子「……」

澪「ムギ、わざとやってる?」

紬「なんのことでしょー。あははー」

梓「ムギ先輩……」

唯「私のは鮭!」

梓「私のはなんだろ……あ、梅干しだ」

さわ子「……」ぶつぶつ

澪「なんか怖い」

175: 2011/01/22(土) 22:07:48.65 ID:jAzXQ86Q0
唯「どんな建物なんだろー」

さわ子「黒い建物って言ってたわよ」

律「黒?」

さわ子「黒いみたい」

澪(あー)

梓「おにぎりおいしっ」

紬「たのしみー」

さわ子「……このあたりだと思うんだけど」

唯「黒い建物黒い建物」

律「なんか不気味な響きだな」

唯「……あ」

さわ子「……まさか、アレ?」

梓(実際に来たことはないけど、あんな感じだったんだ)

澪「ひいいいいい!!!! あそこに入るの?」

紬「澪ちゃん大丈夫よ。梅原先生のお知り合いのお店だから、怖いのは外装だけよ」

176: 2011/01/22(土) 22:11:50.42 ID:jAzXQ86Q0
さわ子「……」

唯「……」

律「……閉まってるぞ」

梓「入口、どこなんでしょう」

さわ子「……」コンコン

澪「……誰も来ないな」

紬「……」

さわ子「……」ピッポッパ

さわ子「もしもし、梅原先生? 到着しました」

ドア「がちゃ」

ウメハラ「あ、お疲れ様。入って」

紬「は、はーい」

澪「――」がくがく

梓「アングラ……」


179: 2011/01/22(土) 22:17:35.31 ID:jAzXQ86Q0
さわ子「あの……失礼ですけど、ここで三日も?」

ウメハラ「一応掃除させといたから、多分大丈夫だとおもうんですよね」

ドア「がちゃ」

パンパンパーン!!!

澪「ひいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」

KSK「放課後ティータイムさん、ようこそ!!」

マゴ「歓迎するよ!」

ときど「いらっしゃい!!」

律「……」

梓(KSKさんたちがピ工口の恰好でクラッカー鳴らしてる……)

唯「こ、これは……」

KSK「さあ入って入って! あ、そこの床、ぎぃって鳴るけど元からだから皆が重いわけ
じゃないから気にしないで!」

マゴ「うっせえ! テンションあげんな!」

ときど「ここはのっておきましょう」

唯「たのしそー!」

185: 2011/01/22(土) 22:27:33.35 ID:jAzXQ86Q0
KSK「それじゃあ、歓迎会ということで食事会でも開こう」

マゴ「いきなりだな」

澪「あの、お気遣いなく……」

紬「わくわく」

ときど「それじゃあ、ピザでもとりましょうか」

ウメハラ「それじゃあお願い」

マゴ「ときどぉ! ピザでも食ってろピザでもォ!」

ときど「なんで嬉しそうに言うんだよ」

マゴ「こくじんさんが言ってたから、一度言ってみたかった」

梓「あ、それじゃあ私、飲み物買ってきます!」ぴゅー

律「私も行くよ」

KSK「待って。これ、飲み物代ね」

梓「1万円? こんなに買ってくるんですか?」

KSK「おつりはとっておきなさい」ニコっ

マゴ「金もねえのにかっこつけんじゃねえよ! でけえ顔で笑いやがって!」

187: 2011/01/22(土) 22:31:51.87 ID:jAzXQ86Q0
――買いだし――

律「すごいところだったなー」

梓「でも、いい人そうでしたよね」

律「それはまあ、そうだな」

梓「……なに買いましょうか。とりあえず、お酒は買わなくていいみたいですけど」

律「ていうか買えないだろ」

梓「ですね」

律「……一応これと、これと……こんなもんか」

梓「結構重いですね」

律「うん。ちょっと持つの大変そうだな」

マゴ「あ、いたいた。重いでしょ? 持つよ」

律「あ、ありがとうございます。えーと……」

マゴ「マゴでいいよ。そのほうが呼ばれ慣れてるし」

律「マゴさん、どうも」

マゴ「いや、大丈夫。お客さんにこういうことさせる顔の奴がわりいから」

189: 2011/01/22(土) 22:42:41.92 ID:jAzXQ86Q0
梓「顔って……」くすっ

マゴ「あいつ無神経だからなー。昨日も店ン中ピンク色にするとか言いだしやがってよー」

律「あはは! 黒い外装にピンクって!」

マゴ「俺もときども『やべえ店にしか見えねえからやめろ』って言ってんのにペンキ20キロ
くらい買ってきて、塗れとか言いやがるのよ」

梓「それでああなったんですか……」

マゴ「ウメハラも昨日言いだすんだもんなー。おかげで殆ど寝てないんだ」

律「なんか、わざわざすいません」

マゴ「いや、やってて結構楽しかったし、可愛い子がきて役満? な気がするし全然オー
ケー!」

梓「それを言うなら役得では?」

マゴ「まじで? よく知ってんな」

律「あそこってなんのお店だったんですか?」

マゴ「ゲーセン」

律「えっ?」

マゴ「えっ?」

192: 2011/01/22(土) 22:51:13.47 ID:jAzXQ86Q0
律「失礼ですけど、そんなようにはまったく」

マゴ「そうかもなー。確かに俺は見慣れてるけど、初めて見た人はゲーセンには見えない
よなー」

梓「マゴさんはあそこで働いてるんですか?」

マゴ「正確には働いてたかな。一応店員だったんだよね」

律「へえー。じゃあ、ゲーム上手なんですか?」

マゴ「大分うまいと思うよ。なんていったって2D神だから」

律「ハハハ、2D神ってなんですか」

マゴ「神がかった強さを持っちゃうのが俺。だから2D神」にやり

律「なんだかすごいっす!」

ドア「がちゃ」

KSK「遅いぞマゴー」

マゴ「買って来たぞー」

唯「私、オレンジジュース!」

さわ子「それじゃあ、紙コップ配りまぁす」

澪(さわ子先生の仮面もいつまで持つんだろう)

194: 2011/01/22(土) 23:19:21.16 ID:jAzXQ86Q0
KSK「――それじゃあ、飲み物は回ったかな」

律「はーい!」

唯「いえー!」

ときど「ピザも到着しましたよー」

ウメハラ「それじゃあKSKが乾杯の音頭とってよ」

KSK「そういうのはなー」

マゴ「黙ってやれよォ!」

KSK「わかったからそう怒るなよー」

梓「わくわく」

紬「なんだか面白くなりそー」

KSK「それじゃあ、乾杯」

唯澪律紬梓さわ子ウメハラマゴときど「それだけかよ!!」

196: 2011/01/22(土) 23:30:09.32 ID:jAzXQ86Q0
唯「――ピザうまー」

ウメハラ「KSK、あと10枚は注文したほうがいいよ」

KSK「なんでだよ!」

マゴ「そういえば、なんで放課後ティータイムって名前なの?」

澪「えと、先生が勝手に決めたんです。でも、結構気に入ってるんでいいかなって」

ときど「へえー。俺、プロで東大だけどわかんなかった」

マゴ「ときどてめーいい気になってんじゃねえぞ」

ときど「ハハハ」

紬「お茶入りましたよー。それと、お菓子をどうぞー」

マゴ「カフェオレある?」

紬「お作りいたしまーす」

KSK「モンブラン貰うわ」

ウメハラ「お前がモンブランは論外」

KSK「だからなんでだよ! じゃあチョコケーキ貰うからな!」

マゴ「てめえ、それは俺のだボケ!」

199: 2011/01/22(土) 23:44:34.36 ID:jAzXQ86Q0


唯「そんな感じで、1日目の歓迎会は終わりました」

律「誰に話してるんだ?」

唯「わかんない」

澪「でも、みんないい人でよかったな」

紬「そうね。KSKさんもマゴさんもときどさんも、とってもいい人」

梓「そういえば、皆さんはどうしたんですか?」

さわ子「梅原先生とマゴさん、ときどさんは帰ったわよ」

澪「KSKさんは?」

律「掃除させられてる」

紬「……手伝った方がいいんじゃないかしら」

梓「いいんですよ。あの人は結構楽しんでますから」

唯「お掃除配信するって言ってたけど、どういう意味かな」

梓「唯先輩は知らなくていいんです。KSKさんにも色々あるんですよ」

唯「ふーん。なんか、面白いね」

200: 2011/01/22(土) 23:49:13.63 ID:jAzXQ86Q0
澪「……この布団、新品だ」

律「ホント、気使ってくれてるんだな」

さわ子「本当ね。感謝しないと」

唯「そうだね。人の善意は気にしないと気がつかないよ!」ふんす

梓「なに言ってるんですか」

紬「でも、唯ちゃんの言うとおりね。梅原先生にもありがとう言わないとね」

梓「ムギ先輩……。隣、いっていいですか?」

紬「どんとこいです♪」

梓「こんばんわです♪」

紬「?」

梓「なんでもないです」

唯「あー! あずにゃんもムギちゃんもずるいー! 私もぎゅってするー!」

律「みおー!」

澪「うっとおしい!」ゴチン

律「痛い!」

205: 2011/01/23(日) 00:00:36.00 ID:jAzXQ86Q0
澪「まったく、調子に乗るな!」

律「おっOい……」

唯「私も触ってみたい……」

澪「さわ子先生に言え」

さわ子「あら唯ちゃん、おっOい飲みたいの?」

唯「……なんか枯れてそうだしやだー」ぶー

さわ子「失礼ね! まだまだ若いわよ!」

紬「みんな」

唯律澪さわ子「?」

紬「しー」

梓「くー」ZZZ

唯「……可愛い」

澪「梓のために、残してやらないと。軽音部」

律「そうだな。私たちの後輩だもんな」

さわ子「私にとっては生徒で後輩よ。あなたたちが卒業しても、この子の面倒は見てあげる
わよ」

207: 2011/01/23(日) 00:05:22.96 ID:AitC0j/D0
律「そういえば」

唯「ん?」

律「後輩といえば、憂ちゃんは家に一人で大丈夫なのか?」

唯「大丈夫だよ。純ちゃんが遊びに来てるみたいだし、問題全くなし!」

澪「連れて来てあげてもよかったかもな」

律「そうだなー。ワンチャン、入部もあるしな」

唯「ワンチャン?」

律「マゴさんたちがよく使ってた。もしかしたらって意味みたい」

さわ子「憂ちゃんかー。いいわね。メイド服似合いそう」

澪「どんな判断ですか」

律「さわちゃんの基準はわからん」

唯「私の妹だもん。似合うに決まってるよー」

紬「なでなで。梓ちゃんなでなで」

梓「くー」ZZZ

209: 2011/01/23(日) 00:11:40.59 ID:AitC0j/D0
――そのころ・西日暮里のあるゲーセン――

ヌキ「段位戦でいきなりあがってきたのはなんとなんと女性プレイヤー!」

紅春「うそだろ……」

ヌキ「紅春も散ったあああ!! なんだこの12は!」

憂「――」タンタン

純「淡々としてるけど、アンタもしかしてすごいことしてるんじゃ……」

憂「純ちゃん、つまんない」

純「シャレで言ったんじゃないよ!?」

ヌキ「さあ! 残るはメスターだけ! これで20人抜きかぁ!?」

憂「――――」タンタンタンタン

ヌキ「メスターも倒れたあああ!!!! これはもはや5神しかいない! 早く来てくれ
ウメハラァァァ!」

憂「?」

ヌキ「俺? 俺いっちゃっていいの?」

憂「どうぞ」ニコニコ

ヌキ「アイイイイイイイイイイイイ!!!!」

212: 2011/01/23(日) 00:17:22.06 ID:AitC0j/D0
憂(このゲーム、家で遊んでたけど私ってこんなに強かったんだー)タンタン

ヌキ「……」

憂「――!?」

ヌキ「アイ! アイ!! アイイイイイイイイイイイイイ!!!!」

純「!?」

憂「これは……中足確認鳳翼!?」

ヌキ「いやあ! さすがは格ゲー5神ヌキ! でも危なかったあ……」

憂「負けちゃった」

純「でもすごいじゃん! あの人、なんかすごい人みたいだよ!」

憂「そうみたいだけど、やっぱりコントローラーが違うとやりにくいね。えへへ」

ヌキ「え!?」

純「あー。そういえば憂の家はこういうのないもんねー」

憂「そうなんだー。ゲームセンターなんて久しぶりだよー」

ヌキ「……スパ4、始めようかな」

215: 2011/01/23(日) 00:30:19.28 ID:AitC0j/D0
――そうして、合宿最終日になった――

唯「昨日もたくさん練習したねー」

澪「うん。新しい曲もできそうなんだよな。ムギ」

紬「もう絶好調なんだから!」

梓「楽しみですね」

KSK「あ、ちょっといいかな」

律「どうぞー」

ドア「がちゃ」

KSK「なんか、ウメハラに呼ばれてきたんだけど」

梓「ウメハラ先生が? どうしてでしょう」

唯「さあ?」

ウメハラ「ちょうどいいから演奏してほしいんだよね」

マゴ「あ、俺も聞きてえ!」

ときど「確かに」

梓「よ、喜んでやらせてもらいます! みなさん! 準備ですよ準備!!」

216: 2011/01/23(日) 00:32:58.00 ID:AitC0j/D0
律「張り切ってるなー」

梓「お世話になったんだから当然です!」

澪「なんか、梓はマゴさんたちが来るとテンション上がるよな」

ウメハラ「俺も2週間は聞いてないから、聞きたいな」

梓「はい!」

紬「準備おっけーよ!」

澪「私も大丈夫だ!」

唯「じゃあ、ふわふわ、カレー、ふでぺん、ホッチキスで、最後にcagayakeでいくよー」

梓「おー! です!」

さわ子「みんなぁ、がんばってぇ!」

澪(結局最終日まで仮面被り続けた……)

律「いっくぞー! 1・2・3・4・1・2・3!!」カンカン!!

217: 2011/01/23(日) 00:37:07.72 ID:AitC0j/D0
――――

ジャン!

唯「……ふう」

澪「よし。いい演奏だったぞ」

マゴ「……」

ときど「……すっげえ」

KSK「ほえー」

ウメハラ「フフン」

マゴ「すっげー!! やっべえ! やばくね! ときど!!」

ときど「テンション上がりすぎでしょ」

マゴ「すげーだろ! なあ、あれできる!? とらドラの曲! あれできる!?」

梓「あれはちょっとできないです……」

マゴ「じゃあイカ娘! 侵略のススメ!!」

紬「?」

ウメハラ「マゴきもちわりいなあ」

223: 2011/01/23(日) 00:45:54.37 ID:AitC0j/D0
ときど「落ち着こう。職に就こう」

マゴ「おめーに俺のなにがわかんだよ!」

ウメハラ「それじゃあ、そろそろ時間だから帰ろうか」

唯「はーい」

さわ子「色々、お世話になりました」

KSK「いえいえ」キラン

マゴ「さわ子先生に同情してんじゃねえぞ顔がよォ!」

ときど「それを言うなら欲情じゃない?」

KSK「そんなわけあるか! すいません、まだ子どもみたいなもんでして」

さわ子(……あれ? なんかかっこいいかも)

律「さわちゃんがまたろくでもない恋をしようとしている」

澪「おいおい」

梓「それじゃあ、ありがとうございました! またお邪魔させてもらいますね!」

マゴ「おー。その時にはとらドラの曲マスターしといてくれよー」

唯「じゃあーねー!」

225: 2011/01/23(日) 00:52:54.90 ID:AitC0j/D0
――1ヶ月後・部室――

梓「……そういえば」

澪「ん?」

梓「VISIONって、開店したんですか?」

澪「さあ?」

梓「ウメハラ先生。どうなんですか?」

ウメハラ「いや、まだだよ。なんか、ピンクの壁を元に戻してるんだって」

唯「あの壁を戻してるんですか!?」

ウメハラ「そうそう。この間見に行ったけど、あれは開店までまだまだかかるだろうなぁ」

澪「確か、5月中に開店とか言ってませんでした?」

ウメハラ「なんでだろうね。」

梓(顔TV、どうなるんだろ。今なら、もしかしたら出してもらえるかも)

ウメハラ「あいつ、どうしようもないからなー」

さわ子「あはは……」

226: 2011/01/23(日) 01:00:23.05 ID:AitC0j/D0
とりあえず6月まで終わり
次からは夏休み。

それと、そろそろ眠ろうと思う。
保守してくれると嬉しい。
おやすみなさい。

254: 2011/01/23(日) 12:47:35.37 ID:AitC0j/D0
保守ありがとう

もう少ししたら再開する

267: 2011/01/23(日) 14:19:34.50 ID:AitC0j/D0
――夏休み直前・部室――

紬「暑いねー」ぐでー

唯「うえー」ぐでー

梓「唯先輩、ムギ先輩まで机に貼りつかないでください。練習しますよ!」

律「梓はいつもそれだなー」

梓「練習しないと、学祭のライブでいい演奏ができませんからね」

澪「私たちは今年で最後なんだ。みんな、練習するぞ」

ウメハラ「あのさ」

梓「どうしました?」

ウメハラ「ここって音楽準備室でしょ? となりには吹奏楽部が使ってる音楽室なわけで」

梓「それがなにか?」

ウメハラ「エアコンはないの?」

澪「エア……コン……? たしか、申請したよな。律」

律「……」

澪「このやろう」

268: 2011/01/23(日) 14:23:21.17 ID:AitC0j/D0
律「申し訳ない! 忘れてた!」

唯「机のなかから申請書が出てきた!」

澪「り~~つ~~~!!」がっつん!

律「いべぇ!!」

紬「道理で暑いと思った。りっちゃん、忘れてたのね」

ウメハラ「サファリかと思った」

澪「今からでも申請しよう! 生徒会室へ行くぞ! 律!」

律「暑いし、明日でもいいじゃん」

澪「律!」ぶわっ!

律「殴るな! 行くから!」

ウメハラ「いってらっしゃい」

梓「私たちは練習してましょう!」

唯「ええ~。やだ~」

紬「少ししたら帰ってくるから、待ちましょ?」

梓「う~……。練習……」

271: 2011/01/23(日) 14:32:57.97 ID:AitC0j/D0
唯「まあまあ。あずにゃんっ」ぎゅっ

梓「にゃっ」

ウメハラ(にゃっ?)

唯「……あったかあったか」

梓「……もう……仕方ないですね」

唯「……暑い」

梓「うぇ~」ぐでー

紬「こんなに暑いのに、いいもの見させていただきましたー」ほえー

唯「あれ? ムギちゃん。ウメちゃん先生のカップの色……」

紬「うん。なんだか、色がよくないから変えてほしいって頼まれたの。でも、家に余ってる
カップを気に入ってもらえたから良かったわ」

ウメハラ「形もそうだけど、色は超重要なんだけどね」

梓(やっぱり色を気にするんだ)

唯「でも、このカップ高いんじゃない?」

紬「よくわからないけど、ベルギー王室のカップなんだって。でも、使わないよりはいいから」

ウメハラ「ベルギーだかなんだかは知らない。そんなもんシカトでいい」

272: 2011/01/23(日) 14:37:26.31 ID:AitC0j/D0
梓「もう、離れてください! 暑苦しいです!」

唯「あぅ~」

ウメハラ「ただ、ベルギー王室御用達のカップはいい。なんというか、使うこと自体が
格好いい」

紬「そうなんですか?」

ウメハラ「おしゃれ度の段階からして全く違うんだよね。これがタイとかインドだと少し落ち
る。ヨーロッパっていうのが凄い」

唯「そうなんですかー。ていうか、澪ちゃんたち遅いね」

ドア「がちゃ」

律「うわああああああああん!!」

澪「……」

紬「ど、どうしたの!? りっちゃん! 澪ちゃん!」

澪「……もう、エアコンは入れられないみたいなんだ」

律「ごめんよ……みんな……情けない部長で……」

ウメハラ「……」

273: 2011/01/23(日) 14:50:34.19 ID:AitC0j/D0
律「梓、ごめんな」

梓(本当にへこんでる……。こんな律先輩、初めて見たかも)

澪「でも、これから夏休み。去年も一昨年もエアコンなしでやってきたわけだから、
きっと乗り切れるよ」

律「……うう」

ウメハラ「……」

紬「りっちゃん。お菓子食べて元気出して」ことり

唯「そうだよ。元気のないりっちゃんなんてりっちゃんじゃないよ! おでこ光らせて!」

ウメハラ「……よし」

梓「?」

ウメハラ「ちょっと、聞いてくれない?」

唯澪律紬梓「はい?」

ウメハラ「夏休みの中の1週間ほど。アメリカに行く気はない?」

唯「……ふぇ?」

276: 2011/01/23(日) 15:00:28.68 ID:AitC0j/D0
梓「アメリカ……?」

ウメハラ「うん。学校がエアコンをとりつけてくれないなら、買っちゃおうかなって」

澪「そんな簡単に」

紬「でも、それでどうしてアメリカ?」

ウメハラ「ちょっとね。色々とちょうどいい機会だし」

唯「?」

澪梓(もしかして……)

ウメハラ「旅費も滞在費も俺が出すよ。山中先生も一緒に来てもらおう」

紬「そ、そんな。悪いですよ」

ウメハラ「まったく問題ないよ。むしろ、おつりが出るんじゃないかな」

唯「……?」

ウメハラ「今年は良くても、来年、再来年になって軽音部の後輩たちが困るのもよくない
よね。だから、この夏休みに買ってしまうのも手かな」

唯「ちょっと、ウメちゃん先生?」

ウメハラ「決めた。アメリカに行こう。詳しいことはあとで連絡するから、よろしく」

唯(いったい、どうやって稼ぐ気なんだろ……)

279: 2011/01/23(日) 15:08:16.94 ID:AitC0j/D0
――夏休み・成田空港――

唯「……来ちゃったね」

澪「まさか、本当に行くことになるとは」

さわ子「びっくりしちゃったわよ。いきなりよ? いきなり」

梓(この時期にアメリカ、やっぱり、そうだよね)

紬「アメリカなんて久しぶりー」

律「なんか、大きなことになっちゃったな」

ウメハラ「全員集まったかな」

ときど「ウメさん、もしかしてみんな行くんですか?」

ウメハラ「当然でしょ」

唯「ときどさんも行くんですか?」

ときど「行くよー。プロだからなー俺」

唯「? それで、マゴさんは?」

ウメハラ「おいてきた」

梓(マゴさん……)

281: 2011/01/23(日) 15:11:32.49 ID:AitC0j/D0
――そのころ・あるお花屋さん――

マゴ「ああー、この花キレーだなぁ。いっちょVISIONに飾っとくか」

KSK「精が出るな」

マゴ「おう、KSKさん。今の時期は墓参りのシーズンだから、花屋が忙しいんすよ」

KSK「俺も花でも買おうかな」

マゴ「あげる相手も飾る場所もねーだろ」

KSK「いや、あげる相手はいるよ」

マゴ「てめっ! まさか裏切ったんじゃねえだろうな!」

KSK「フフフ。女教師っていいよな」

マゴ「おまえ! まさかさわ子先生に!」

KSK「まあ、キミもがんばってくれたまえ」

マゴ「畜生!」

283: 2011/01/23(日) 15:17:06.30 ID:AitC0j/D0
KSK「やべ。忘れてた」

マゴ「なにをよ」

KSK「さわ子先生、ていうかウメハラたちはアメリカ行ったんだった!」

マゴ「は? ときどは?」

KSK「行きました」

マゴ「なんで行ったんだっけ?」

KSK「おまえ、この時期にアメリカってことはわかるだろ」

マゴ「……あ」

KSK「マゴ、残念だったな」

マゴ「やっべー。忘れてたわ。まあ、どっちにしろ招待されてないから行けないんだけどね」

KSK「言ってて哀しくならないのか?」

マゴ「もうこの感じも慣れてきたのが嫌だ」

KSK「……今日は配信しよう。そして忘れよう」

マゴ「おめーはいっつもそれだな」

286: 2011/01/23(日) 15:22:41.23 ID:AitC0j/D0
――アメリカ――

唯「ここがアメリカー!」

律「すげー! でけー! 広ーい!」

澪「はしゃぐとはぐれるぞー!」

唯「大丈夫だよ! 子どもじゃないんだよ!」タタタタ!

澪「まったく……」

梓「あの、ウメハラ先生。これからどこに行くんですか?」

ウメハラ「時差ボケもあるだろうし、このままホテルに直行。俺はときどと同室で、他に3つ
部屋はとってあるから」

ときど「ウメさん、熱い夜を過ごしましょう」

ウメハラ「冗談でも気持ち悪い」

さわ子「私はぁ、梅原先生と一緒でもいいですよぉ」

紬「先生。節操を持って、私と同室しましょう」

さわ子「ちぇー。ムギちゃん、コスプレは頼んだわよ」

紬「は、はい?」

澪「よし、じゃあ行くぞ。……って、唯と律がいない! どこだー!!」

289: 2011/01/23(日) 15:29:16.22 ID:AitC0j/D0
唯「うぇーい!!」タタタ

律「ヤーウェーイ!!」ぴゅー

唯「広くてどこまでも走れるー!」ぎゅーん

律「風になろうぜー!」シュパァン!

唯「でも、澪ちゃんたち見失っちゃったね!」

律「え!?」キキッ

唯「ほら。後ろ見てもいないよ」

律「……やっべ。はぐれた」

唯「……ふぇ?」

律「空港で遭難した」

唯「ちょ! やばくない!?」

律「やばい! とりあえず来た道戻るぞ!」タタっ

唯「うん!」

男「アウチ!」ドン!

唯「いたっ!」

290: 2011/01/23(日) 15:35:51.03 ID:AitC0j/D0
男「ヘイガール! ××××!!!!」

唯「ふぇ? ご、ごめんなさい! アイムソーリー!」

律「なに言ってるかわかんねえ……」

男「××××――!!」さわ

唯「身体触られてるよ、りっちゃん……」

律「や、やい! 唯に触るな!」

男「――××?」

ウメハラ「あ、いた」

紬「よかったよかった」

男「――OH! DAIGO! TOKIDO!」

ときど「おー! アレックス!」

アレックス「ウェルカム!」

澪(生アレックスだ……。でっかい……)

さわ子「どなた?」

ときど「アメリカでもっとも有名なゲーマーの一人です。僕らの友人です」

293: 2011/01/23(日) 15:45:42.31 ID:AitC0j/D0
さわ子「あら、ゲームをされる方なんですか」

ときど「アメリカでは先駆者的な存在です。ヘイ、アレックス!」

アレックス「××××」

ときど「HAHAHA!」

ウメハラ「それじゃあ、俺たちは行こうか。明日からやることがあるし」

唯「そのやることってなんなんですか? わざわざアメリカまで来て」

ウメハラ「……あとで教えるよ」

梓「ウメハラ先生……」

紬「ほら、さわ子先生、行きますよ」

さわ子「マイネームイズさわ子。シングル! アイアムシングル!」

アレックス「Oh……」

ときど「先生……」

澪「まったく、心配したんだからな」

律「えへへ。すいましぇん」

澪「反省しろっ」ゴツン!

298: 2011/01/23(日) 15:52:29.89 ID:AitC0j/D0
――ホテル――

唯「――ウメちゃん先生、どうやってお金稼ぐんだろ」

梓「……先生が、教えてくれますよ。悪いようにはしないと思います」

唯「だよね。ウメちゃん先生はいい人だもん」

梓「ですよ」

唯「……あずにゃんは、アメリカ来たことある?」

梓「ああ、そういえば本土はないですね。両親は何回か来てたみたいですけど」

唯「私も、家族旅行でハワイには行ったことあるけど、こっちはないんだよ」

梓「……貴重な体験ですね」

唯「そうだね。旅費も滞在費も出してくれるし、ウメちゃん先生サマサマだよ」

梓(先生、あの様子だと言うつもりなんだ)

唯「りっちゃんたちはどうしてるかなー」

梓「よしときましょうよ。澪先輩たち、もう寝てるかもしれませんよ」

唯「そうかな。――ふわぁあ。私も寝よう」ころん。すーぴー。

梓「はやっ。……ウメハラ先生。がんばってください」ごろん。すー……

302: 2011/01/23(日) 16:02:47.74 ID:AitC0j/D0
――翌日・ホール――

ウメハラ「……」

唯「人がたくさーん」

紬「みんな、ゲームしてるみたい」

律「ゲーム?」

ときど「……ウメさん」

ウメハラ「うん。……みんな、聞いて欲しい」

澪「――」

ウメハラ「俺がどういう人間なのか、これからどんな手段で金を稼ぐのかを、見てほしい
んだ」

さわ子「梅原先生?」

ウメハラ「俺は格闘ゲームで、世界一をとった男なんだ。この大会は世界選手権と呼ばれ
るほどに大きいもの。賞金もかなりの額が出る。俺はそれをとって、部室にエアコンを
取り付け、キミたちの滞在費を稼ぐ」

律「……」

紬「そんなこと、できるんですか?」

ときど「できるよ。ウメさんなら間違いなくね」

303: 2011/01/23(日) 16:07:41.14 ID:AitC0j/D0
律「でも! どうして私たちをここに――!」

ウメハラ「知ってほしかった。俺の生徒として、俺のことを。俺は先生として、キミたちに
知ってもらわなくちゃいけない」

唯「……ウメちゃん先生」

ウメハラ「それじゃあ、見ていてほしい」ごそり

紬「あれって、4月に梓ちゃんがテーブルにおいてあった――」

ウメハラ「そう。俺はこのアケステを作ってるマッドキャッツと契約しているプロゲーマー
なんだ」

律「梓……知ってたのか」

梓「……はい」

ウメハラ「……梓は言いふらさないでくれた。でも、それに甘えているわけにはいかない」

ときど「ウメさん! 俺もいきますよ!!」ダッ

男「はっ! ビーストも堕ちたもんだぜ! 女侍らせて来やがって!」

ときど「お前は!」

ジャスティン「しかも、よく見れば小便臭いガキどもじゃねえか。ダイゴよ。そんなことで
よくここに来られたものだな」


306: 2011/01/23(日) 16:12:15.50 ID:AitC0j/D0
ウメハラ「……」

唯「なに!? なに言ってるのあの人!」

ときど「……心配しないで。害のある人じゃないんだ」

ジャスティン「……相変わらずのだんまりか。いくぞマーン!」

マーン「うぇっへっへ」

ときど「あいつ……自分もブロンド美女連れてきてるくせに……」

ウメハラ「やめておこう。口でなにを言ってもここでは意味がない。これで見せつけよう」

ときど「ウメさん……はい! そうっすね!!」

男「おいおい、久しぶりやな。梅原くん、ときどくん」

ときど「!?」

sako「まいど~。俺もここに招待されたんやけど、なにぶん初めてや。仲良くしたってや」

澪「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッッ!!!!!!!!!!」

sako「それにしても珍しいやん。梅原くんが女の子連れてくるなんて」

ウメハラ「いや、ちょっとね」

sako「フム。それじゃあ、お互いがんばろうや」

311: 2011/01/23(日) 16:20:49.00 ID:AitC0j/D0
マーン「ジャスティン、あんな安い挑発なんてお前らしくない。どうしたんだ?」

リッキー「そうよ。このおバカさん」

ジャスティン「別にいいだろ。今日こそ、あいつの首をとってやる――!」

リッキー「あらあら、気合十分って感じね。そういうあなたも、嫌いじゃないわよん」

ジャスティン「気色悪いからやめろ」

リッキー「ああん。イケズぅ」

マーン「それにしても、今回はすごいな。ダイゴにTOKIDOにsakoときてる。この3人は
日本では格ゲー5神と呼ばれているんだぞ」

ジャスティン「仏教の国の神なんて関係ないね。俺たちEGで3位までを独占するぞ」

マーン「そう首尾よくいけばいいんだが」

リッキー「……ダイゴをやるのはこのアタシよ?」

ジャスティン「それはトーナメントだからな。なんともいえん」

マーン「……そろそろ時間か」

ジャスティン「それじゃあな。健闘を祈る」

リッキー「バアーイ」

314: 2011/01/23(日) 16:25:59.89 ID:AitC0j/D0
ウメハラ「それじゃあ、俺の側を離れないでね。特に唯と律」

唯「はーい」

律「悪いのは唯だもん」

澪「言い訳するな」

ときど「俺とウメさん、それにsakoさんは違うブロックですね。今回もダブルエリミネーション
だから……って! ウメさん! 大変ですよ! トーナメントを見てください!」

ウメハラ「どうした? ……!」

ときど「NUKIにHAITANIって……まさか!」

梓「もしかして……揃うんですか!? 格ゲー5神が!」

澪「な……こんなことって……」

ときど「奇跡的に全員違うブロックだ。8つのブロックで俺、ウメさん、sakoさん、ヌキさん、
ハイタニ、ジャスティン、マーン。それにリッキーがばらけてる。すごい、今回はすごい
大会になりますよ!」

さわ子「そんなにすごいの?」

ときど「格ゲー界が変わります! この大会で、誰が世界一かが決まります!」

紬「なんだか、すごいのね」

唯「わくわくだね!」

322: 2011/01/23(日) 16:34:31.08 ID:AitC0j/D0
アナウンス「××××――」

ウメハラ「1回戦か。それじゃあ、頑張るよ」にこ

梓(あふぅ……かっこいい……)

ときど「いってきます」

さわ子「頑張ってくださいね」

グーテックス「さあ! これから1回戦が始まるぞ! 2セットを二本先取した選手が勝ち
あがり、負けた選手はルーザーズに落とされるルールだ! レディー! ファイト!」

ジャスティン「さあ、これが始まりだ」

マーン「そろそろタイトルが欲しい」

リッキー「ダイゴにリベンジしないと♪」

sako「はじめましょか」

ときど「――」ギ口リ

ヌキ「ウメちゃんに内緒で参加しちゃったけど、怒られないよね」

ハイタニ「……ふう」

ウメハラ「……」

唯「そうして、世界選手権は始まったのです!」

325: 2011/01/23(日) 16:40:17.26 ID:AitC0j/D0
澪「やっぱり、すごいな」

律「ああ。私もこのゲームはやったことないけど、すごいのはわかる」

梓「……ごくり」

ウメハラ「――」タンタン

紬(先生の顔がいつもと違う。まるで物静かな獣のよう)

さわ子(かっこいい……)

唯「ときどさんはすごい顔してるね」

ときど「――」ギヌロ

梓「ときどさんの持ち味。マーダーフェイスですよ。怒ってるわけではありません」

観衆「うわああああああああああああああああああああああ!!!!」

澪「ひいいいいい!!!!」

グーテックス「ダイゴ強し! 勝負を一瞬で決めたああああああ!!」

ウメハラ「……」

律「すごい……ウメちゃんが勝つと、会場が一つになる……」

律「本当に、すごい人だったんだな……」

326: 2011/01/23(日) 16:45:18.58 ID:AitC0j/D0
梓「二回戦はだれですかね?」

律「ゲーマービーって人だって。なんか台湾人らしいよ」

ゲマビ「おお! ウメハラさん! 久しぶりでーす!!」

ウメハラ「うん。久しぶり」

ゲマビ「まさか二回戦で当たるなんて、予想だにしてませんでした! でもでも、容赦は
しませんよー」

紬「なんだか明るい人ね。日本語もすごくお上手」

ゲマビ「サンキューレディ! それじゃあ、始めましょうか!」

ときど「優勝候補の一人、ゲーマービーか。さて、俺の二回戦の相手はっと」

女「よろしくおねがしますね」

ときど「あら。日本人ですか」

女「はい! このゲームはよくわかりませんけど、お手柔らかにお願いします!」

ときど(プレイヤーネームはU&Iか……。使用キャラは……ハカン?)

U&I「フフフ……」

332: 2011/01/23(日) 16:53:17.52 ID:4kTUeWJZ0
sako「案外簡単やな。キャミィとローズだけでブロックは勝ち抜けそうやな」

ヌキ「アイ! アイ! アイイイイイイイイイイ!!!!」

ハイタニ「貫いたね」

グーテックス「さあ! 注目選手たちが次々と勝ち名乗りをあげていくぅ!」

唯「歓声とか悲鳴がすごいねー」

紬「私だって、見てるだけでドキドキしちゃうもの」

ゲマビ「――」タンタン

ウメハラ「――――」タンタン

ゲマビ「!?」

ウメハラ「――ふう」

グーテックス「ここでダイゴも三回戦へ進出! さあ、残る注目選手はマーダーフェイス
TOKIDOだが!」

ときど「……え?」

ハカン「いくでぇ!」

KO!!

U&I「ありがとうございます。楽しかったですよ」ニコっ

336: 2011/01/23(日) 16:57:52.96 ID:4kTUeWJZ0
ときど「この俺が……ハカンに負けるなんて……」

さわ子「どうしました?」

ときど「ウメさんに伝えてください。U&Iに気をつけろ、と」

さわ子「U&Iって、あの帽子かぶってる小さな女の子?」

ときど「はい。あれは、ハカンじゃあない……」

グーテックス「なんと! なんとなんとなんと! TOKIDOが散ったあああああああ!!!」

ヌキ「な!」

ハイタニ「!?」

グーテックス「TOKIDOを破った選手は詳細一切不明の女性プレイヤー! 使用キャラは
なんとハカン!」

唯「弱いの?」

梓「最弱キャラっていわれてます。まさか、ハカンでときどさんに勝つなんて……」

澪「それくらい強いってことだな……」

ゲマビ「ダイゴ! 優勝してくださいね!」

ウメハラ「うん」

343: 2011/01/23(日) 17:05:51.37 ID:4kTUeWJZ0


観衆「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

梓「ウメハラ先生が勝った!」

唯「これでブロック代表が全部決まったみたいだね」

澪「Aブロックがsako(さん)で」

律「Bブロックがジャスティン」

紬「Cブロックがヌキって人で」

さわ子「DブロックがU&I」

唯「Eブロックがウメちゃん先生で」

ときど「Fブロックはリッキー」

梓「Eブロックはハイタニ、Fブロックがマーンです」

唯「ただのトーナメントじゃなくって、明日はル―ザーズっていうのも一緒にやるんだよね」

澪「みたいだな。ルールがややこしいから頭がめちゃくちゃになりそうだ」

律「まあ、優勝はウメちゃんに決まりだけどな!」

梓「当然です!」フンス

353: 2011/01/23(日) 17:14:52.07 ID:4kTUeWJZ0
律「インタビュー! 今日終わってどうでしたか!?」

ウメハラ「いや、なんか。意外によえーなって」

梓(かっこいい……)

澪「そこまで言っちゃいますかー」

ウメハラ「なんだろ。結構時差ぼけきつかったんだけど、でも勝っちゃうっていう」

唯「あははははー」

ときど「さすがはウメさんっすよ!」プルルル

さわ子「ケータイ鳴ってますよぉ」

ときど「おっと。……なんだマゴからメールか。高くなるからメールすんなっつんてんのに」

澪「なんて書いてあるんですか?」

ときど「……ざまあみろ。俺をおいて行った罰と思え。てんぷらだ! ってさ」

梓「それを言うなら天罰では……」

ときど「よし。日本に帰るまで電源切っておこう」

ウメハラ「それじゃあ、みんなは部屋にいて。食事はボーイが持っていくと思うから」

354: 2011/01/23(日) 17:18:16.20 ID:4kTUeWJZ0
紬「先生はどうさせるんですか?」

ウメハラ「うーん。なんていうんだろ」

ときど「お子様が来ちゃいけない場所かなー」

紬「もう! 子ども扱いしないでください!」ぷんぷん

ウメハラ「いや、子どもだよね」

紬「もー! 先生ったら!」

梓(もしかして、マネーマッチ? なるほど。これで賞金以上のお金を稼ぐんだ)

澪「それじゃあ、部屋で休んでいよう。よかったら、私たちの部屋に来なよ。トランプでも
して遊ぼう」

律「怪談でいいぜー」

澪「それはやめろ!」ごちん!

律「あべし!」

ときど「あっはっはっはっは!」

唯「よーし! それじゃあご飯食べたら澪ちゃんりっちゃんの部屋に行こう!」

紬「はーい!」

357: 2011/01/23(日) 17:25:25.45 ID:4kTUeWJZ0
少し休憩する

408: 2011/01/23(日) 20:51:24.71 ID:4kTUeWJZ0
唯「そういえばさ」

澪「ん?」

唯「今日の試合、ときどさんは負けたけど、明日のルーザーズがあるからまだ敗退して
はいないんだよね」

澪「ああ。それもそうだな。本人はすでに敗退の気分でいるみたいだけど」

ときど「……忘れてた。ただ、このタイミングで思い出すってことは、これはいただきました
な」

律「そうだよな! まだ準優勝のチャンスはあるぜ!」

ときど「準優勝?」

律「優勝はウメちゃんだからな」

ときど「なーる」

ウメハラ「――それじゃあ、いくか」

ときど「了解です」

紬「いってらっしゃーい」

梓「私たちも部屋で食事でもしましょうか」

さわ子「そうね。食べ終わり次第澪ちゃんたちの部屋に集合ね」

410: 2011/01/23(日) 20:56:03.35 ID:4kTUeWJZ0
梓(マネーマッチでどんな感じなんだろ。一回覗いてみたいな)

澪「梓、気になるのか?」

梓「にゃっ!」

澪「マネーマッチ、見てみたいんだろ」

梓「な、なんでそのこと知ってるんですか?」

澪「私だってネットはやってるんだ。最近、格ゲーはネット上でも流行ってるからな」

梓「……それじゃあ」

澪「梅原先生が来た時も、あのウメハラだって気が付いてたよ」

梓「そ、そうだったんですか!? それじゃあ、マネーマッチ見に行きましょう!」

澪「sakoさん」

梓「はい?」

澪「sakoさんまじsakoさん」

梓「もしかして澪先輩は……」

澪「sakoさん信者だ」

梓「……」

411: 2011/01/23(日) 21:00:05.04 ID:4kTUeWJZ0


律「ふう、あんまり美味しくなかったな」

澪「……」こそりこそり

律「あれ? 本当ならここで澪の鉄拳が……」

澪「こそこそ」

律「澪ー? どしたー?」

澪「ちょ、ちょっとおトイレに」

律「へえ……」

澪「いってきます」

ドア「がちゃ」

律「……」

律「……いや」

律「トイレに行くのに外には出ないよな」

律「……澪が逃げた?」


414: 2011/01/23(日) 21:05:03.17 ID:4kTUeWJZ0
唯「……あずにゃーん!」

唯「あずにゃーん!?」

唯「あずさー!」

唯「中野ー!!」

唯「アズハラー!」

唯「……」

唯「いない」

唯「あずにゃんが、どこにもいない」

唯「冷蔵庫のなかも、トイレの中も電子レンジの中も捜したのに」

唯「……りっちゃんたちの部屋かな」

唯「そうか。そうに決まってるよ!」

唯「私も行ってこようっと」

416: 2011/01/23(日) 21:08:50.91 ID:4kTUeWJZ0
――ホテルの一室――

格ゲーマー「HAHAHA!!」

格ゲーマー「OH! ダイゴ!」

ウメハラ「?」

格ゲーマー「20!」

ウメハラ「オーケー」

ときど「ウメさん、稼いでますか?」

ウメハラ「ぼちぼち」

KO!

格ゲーマー「OHHHHHHHHH!!!!」

ウメハラ「サンキュー」

澪「……す、すごい」

梓「現ナマが飛び交ってます。こんなに狭い部屋でこんなことが行われているなんて……」

ウメハラ「30」

格ゲーマー「おーけー!」

419: 2011/01/23(日) 21:13:46.66 ID:4kTUeWJZ0
格ゲーマー「ビースト! ダイゴイズビースト!!」

ウメハラ「ハハハ」

澪「なんかすごいな。アメリカ人がいっぱいの部屋で、一番なのは私たちと同じ日本人
の梅原先生なんだから」

梓「そうですよね。ここにいる人がみんな、ウメハラ先生を尊敬しているんですもの」

ときど「あれ?」

澪「やばっ」

ときど「秋山さんに中野さん。どうしたの? なにかあった?」

梓「えと、えと……」

ウメハラ「……」

梓(叱られる……!)

ウメハラ「興味あったんでしょ? 入ってきな。見てるだけなら賭けなくてもいいから」

ときど「だってさ。来なよ」

澪「あ、ありがとうございます」

格ゲーマー「?」

澪「ひい!」

422: 2011/01/23(日) 21:18:37.94 ID:4kTUeWJZ0
ときど「大丈夫だよ。取って食おうってわけじゃないんだ」

澪「本当ですか?」

ときど(ドキっ)

ときど「だ、大丈夫大丈夫。なななな、なにかあったら俺が守ってあげるよ」

澪「よかったぁ……」ほっ

梓「――」じー

ウメハラ「……」タンタン

格ゲーマー「……Oh」タンタン

KO!

ウメハラ「うん」

梓(すごい……まるで手足みたいにキャラクターが動いてる。これが……ウメハラ)

ウメハラ「面白い?」

梓「は、はい! このゲームって、見てるだけでも面白いです!」

ウメハラ「そっか。でも、やってみたらもっと面白いと思うよ?」

梓「私なんて、ウメハラ先生みたいにできませんよ!」

424: 2011/01/23(日) 21:21:40.27 ID:4kTUeWJZ0
ウメハラ「それは無理だよ」

梓「ですよねー」

ウメハラ「でも、楽しむのに技術はいらないよ。それが好きっていうことだけで楽しめる
から」

梓「あ……」

ウメハラ「今は無理だけど、日本に帰ったら教えてあげるよ。澪だって、興味あるんで
しょ?」

澪「……はい」

ウメハラ「じゃあ、部活の合間に格ゲーでもしよう。学校でも、少しはプロゲーマーでいるの
も悪くないね」

梓「お、お願いします!」

澪(ウメハラに教わるなんて、夢みたいだ……!)

ウメハラ「うん。それじゃあ、二人はそろそろ帰りな。ときど、送ってやって」

ときど「アイアイサー」

梓「それじゃあ、おやすみなさい。がんばってください」

ウメハラ「ありがとう。おやすみ」

426: 2011/01/23(日) 21:33:05.17 ID:4kTUeWJZ0
――次の日――

律「まったく。ウメちゃん所行くならそう言ってくれればよかったのに」

澪「言ったらついてくるだろ」

律「それはもちろん」

澪「だから言わなかったんだ」

律「でもさー。こっちも大変だったんだぞ。さわちゃんの愚痴を延々延々と聞かされて。
ムギはよく同じ部屋にいられるよ」

澪「ムギは人の愚痴でも楽しみそうだよな」

律「確かに。あ、唯たちいた」

唯「遅いよりっちゃん!」

律「ごめんごめん。澪のトイレが長くってさー」

澪「そんなわけないだろ! お前が忘れ物したからだろ!」ごつんごつん!

律「いったい!」

紬「今日でル―ザーズも含めて全試合を終わらせるんですよね」

ウメハラ「うん。そうみたい。詳しくは知らないんだけど」

ときど「ウメさん、知っときましょうよ! ……決勝で会いましょう」

429: 2011/01/23(日) 21:43:58.87 ID:4kTUeWJZ0
ときど「フフフ」とことこ

唯「決勝で会いましょうだって。すごいね」

紬「なんだか憧れる台詞です」

ウメハラ「いや、ただかっこつけたいだけだよ」

梓「ありゃりゃ」

律「ウメちゃんの相手はリッキーか。どんなプレイヤーなんだ?」

梓「全米トップクラスの人間性能の持ち主です。早い話が最強のプレイヤーです」

律「そりゃすげーなー。でも、ウメちゃんは負けないだろ」

ウメハラ「まあね」

澪「さすが梅原先生だ」

唯「それと並行してル―ザーズもやるんだって」

律「ときどさんも応援しないとな!」

紬「うん!」

さわ子(飲み過ぎて頭痛い……)

430: 2011/01/23(日) 21:50:08.30 ID:4kTUeWJZ0
リッキー「あらダイゴ。チャオ」

ウメハラ「……」

リッキー「このあいだのリベンジしにきたんだけど、相変わらず無愛想さんね」

ウメハラ「……」

リッキー「まあいいわ。私のルーファスちゃんがあなたをぼっこぼこにしちゃうんだから」

ウメハラ(なに言ってるかわかんねぇ)

梓「ウメハラ先生は当然リュウ。リッキーはルーファスのウルコン2ですね」

澪「弾抜けか」

梓「それに、跳びも抑制できます。ただ、ウメハラ先生はあのウルコンの弱点を知ってる
はずです」

グーテックス「さあ! 世界選手権スーパーストリートファイター4部門も、二日目! 今日
でフィナーレだ! ダイゴやジャスティンなどの有力選手に加え、超新星のU&Iが割り込ん
できた! もちろん、ルーザーズのTOKIDOやアレックスも忘れてはならないぞ!」

唯「こうして、世界選手権の二日目が開始しました!」

431: 2011/01/23(日) 21:55:32.69 ID:4kTUeWJZ0
ウメハラ「――」タンタン

リッキー「♪~」タンタン

梓「……手に汗握る試合です」

律「そうだな……。ん?」

観衆「レッツゴー! レッツゴージャスティン! レッツゴー! レッツゴージャスティン!」

律「すごい歓声だな。あそこの試合か」

sako「――」ッタタタタタタン

ジャスティン「――――」タンタン

澪「sakoさんがんばれsakoさん頑張れsakoさんsakoさん……!」

ジャスティン「!?」

キャミィ「キャノンスパ――キャノンスパイク!!」

KO!

ジャスティン「GG」

sako「Thank you only for here. It was a beautiful game. 」

澪「すごい。流石はsakoさんだ。英語も完璧だ」

433: 2011/01/23(日) 22:02:40.55 ID:4kTUeWJZ0
グーテックス「おおっと! ここでジャスティンがルーザーズへ落ちてしまったぞ!」

ジャスティン「まあいいさ。これから上がっていけばいい。まだチャンスはあるんだ」

グーテックス「おっとB台に注目だ! ここは日本人同士の戦いだ! NUKI対U&I!」

ヌキ「アイ! アイ! アイイイイイイイイイ!!!」

春麗「千烈脚!!」

U&I「……」

グーテックス「NUKIが1本とった! このまま決まってしまうのかー!?」

U&I「――こんなものでいいですか?」

ヌキ「この声は……!?」

U&I「このレバースティックでも大丈夫なように練習しましたから。もう、負けません」

ハカン「いくでぇ!」

KO!

ヌキ「あ……あ……」

U&I「このままもう一本とりますね」


438: 2011/01/23(日) 22:08:42.02 ID:4kTUeWJZ0
グーテックス「強い! 強いぞU&I! NUKIの春麗が付いていけない!」

KO!

ヌキ「アィィ……」

U&I「ありがとうございました」

ときど「ヌキさんまで負けた……。あの子、一体何者なんだ!」

sako「日本人でここまで強かったら話題にならん筈がないわな」

ときど「はい。もしかして……」

sako「トレモ勢ってやつかもしれんな」

ときど「そんな! ハカンのトレモでできることなんて――」

sako「確かに大したことはあらへんな。ただ、実際問題、キミとヌキくんが負けとるんや」

ときど「……次は、sakoさんが戦うんですよね」

sako「せやなー。でも、観衆は俺と梅原くんの試合を期待しとるやろ?」にやり

澪(sakoさんかっこいい……)

リッキー「……負けたわ。完全敗北よ」

唯「ウメちゃん先生が勝ったよ!」ぐっ

443: 2011/01/23(日) 22:16:36.31 ID:4kTUeWJZ0
ハイタニ「――――」タタン

マーン「―――――」ダダダダっだダダ!!!

ハイタニ「……ふう」

梓「すごい! さすがは五神! 噂通りの魔王のような雰囲気――!」

ハイタニ「……これで終わりですね」

ヴァイパー「ハァ!!!!」

KO!

マーン「ハァーハァーハァー!!!」

ハイタニ「次はウメハラさんか。最強の盾を貫くのは最強にぶっぱなしでありたいよね」

sako「決勝で待っとるで。ぶっぱなしてるところ以外のところも見せてみ」

ハイタニ「面白い。僕のぶっぱなしがsakoさんに炸裂する」

ときど「すごいなー。これが格ゲー五神かー!! って、俺もそうかー!」

ヌキ「U&Iには気を付けてください。sakoさん」

sako「……ああ。ありがとうな」

ウメハラ「――」

449: 2011/01/23(日) 22:26:48.04 ID:4kTUeWJZ0
ときど「ルーザーズを勝ち抜かないとなー」タタン

サビン「――」タン! タン!

ときど「よし。ヨガブラストミスったな」

豪鬼「一瞬千撃!」

ダルシム「ヨガアアアアアアアアアア!!!!」

ときど「フフン」のっしのっし

no title


ヌキ「ぶふっ!」

sako「なにやっとるん!?」

ハイタニ「これは……」

ウメハラ「きもちわりいなぁ」

唯「ときどさんの背中に『天』だって!」アハハハハ!!

観衆「わあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

ときど「それじゃあ、ウメさんと戦うまでもう負けられないので」

サビン「申し訳ないが、彼はビXチだよ」

451: 2011/01/23(日) 22:32:55.15 ID:4kTUeWJZ0
グーテックス「と~き~ど~さ~ん!!」

ときど「いやー、魅せてしまいましたね。我ながら」

ウメハラ「まあまあ面白かったよ」

ときど「そのために白いTシャツ着てきたんですよ。本当は決勝でやりたかったんですけど
ねー」

紬「あれ、またやってください!」キラキラ

ときど「ま、まっかせておきなさい!」

ウメハラ「さて、俺の試合か」

ときど「ハイタニくんでしょ? 五神対決か~」

ウメハラ「だから、それなんだよ」

梓「ウメハラ先生とハイタニ。どっちが勝つんだろ」

律「そんなの、ウメちゃんに決まってるだろ!」

sako「それじゃあ、いってくるわ」

ヌキ「気をつけて」

U&I「フフフ」くすくす

グーテックス「それじゃあウィナーズセミファイナル! レディー! ファイっ!」

454: 2011/01/23(日) 22:41:54.70 ID:4kTUeWJZ0
ウメハラ「ヴァイパー?」

ハイタニ「はい」

ウメハラ「じゃあ、リュウ」

sako「ハカンやろ?」

U&I「今回はハカンでいこうかと」

sako「だったらローズやな」

唯「ウィナーズの4人が全員日本人だよ」

澪「これって、すごいことなんだよな」

律「すごいって。世界選手権なんだぜ?」

梓「ウメハラ先生……」

ウメハラ「それじゃあ、始めるよ」

ハイタニ「おっけーです」

sako「始めますか」

U&I「はい!」

456: 2011/01/23(日) 22:48:05.08 ID:4kTUeWJZ0


ときど「ウメさん……動きがオカシイ」

梓「明らかにヴァイパーに動かされてます」

ヌキ「ウメちゃん……」

ウメハラ「――?」タンタタン

ハイタニ「――!」タンタンバンタン!

ヴァイパー「ハァ!」バン!

澪「まずい! 浮かされた!」

リュウ「うわああああああああああああ!!!!」

KO!

ウメハラ「……」

紬「梅原先生が負けた……」

ハイタニ「貫いたね」

唯「ウメちゃん先生が、ルーザーズに……」

梓「……ウメハラ先生、もしかして――!」

460: 2011/01/23(日) 22:53:38.41 ID:4kTUeWJZ0
U&I「いきます!」タン!

sako「させへんで!」タタン!

ローズ「リフレクッ!」

ハカン「スライディイイイイイイイイイイイイン!!!!」

U&I(すごい……! これが話に聞く格ゲー五神――! 一度戦ったヌキさんとは違って
やりにくい!)

sako「よう頑張ったなお嬢ちゃん。でも、これで終わりや!」

ローズ「魂が導くままに!」

澪「sakoさんがソウルサテライトを張った!」

U&I「それはどうでしょうか」

sako「――な!」

ハカン「避けてみぃイイイイイイイイイイ!!!」

ローズ「きゃああああああああああ!!!!」

KO!!

sako「今のは一体……」

澪「あ……ああ……。うおおおおおおおおおおおおおお!!!!! sakoさん最強!!!」

461: 2011/01/23(日) 22:57:59.16 ID:4kTUeWJZ0
グーテックス「さあ! これでウィナーズファイナルはU&I対HAITANIに決定したァ!」

ウメハラ「……」

sako「ルーザーズから、また戻ってくるで」

ウメハラ「……ああ」

ときど「あの……」

ウメハラ「ん?」

ときど「ジャスティンに負けちゃったんですけど。俺」

ウメハラ「そう。知らなかった」

ヌキ「アイイイイイイイイイイ!!!」

グーテックス「NUKI勝利! これでル―ザーズセミファイナルのメンツも決まったぞ!」

アレックス「グッドゲーム!」ぐっ

ヌキ「アイイイイイ!!」

sako「まずは俺がヌキくんとか」

ウメハラ「俺はジャスティンか」

梓(ウメハラ対ジャスティンがルーザーズで!? 今大会は明らかに異常だ!)

491: 2011/01/23(日) 23:37:09.89 ID:4kTUeWJZ0
ヌキ「よろしく」

sako「よろしゅうな」

ヌキ「僕は春麗でいきますんで」

sako「そかそか。それじゃあ、キャミィでいこかな」

ウメハラ「――リュウ」

ジャスティン「オーケー。ルーファス」

観衆「レッツゴー! レッツゴージャスティン! レッツゴー! レッツゴージャスティン!」

唯「ジャスティンって人にすごい歓声だね」

梓「言ってしまえば、あの人がアメリカ最強の男ですからね。当然です」

澪「梅原先生とジャスティン……あの試合のこともあるしな」

紬「あの試合?」

梓「背水の逆転劇と呼ばれた試合です。残り0ドットから、ウメハラ先生がジャスティンの
春麗が繰り出す鳳翼を全段ブロッキングして逆転したんです。他のゲームでの話ですけ
どね」

律「因縁の対決ってやつか」

観衆「ジャスティイイイイイイイン!!!!」

495: 2011/01/23(日) 23:42:36.04 ID:4kTUeWJZ0
唯「うう……」

観衆「レッツゴージャスティン! グッバイビXチ!!」

唯「ぬ~……」

澪「どうした? 唯」

唯「……がんばれえええええええええええええ!!!!! ウメちゃん先生!!」

梓「!?」

唯「だって、ウメちゃん先生の応援しようよ! 見てるだけじゃない! 応援しないと!」

梓「……そうですね! 応援しましょう! 先輩!」

律「おう!! ウメちゃん! がんばれー!」

紬「どんとこいです!」

ときど「ウメさん!」

ウメハラ「――」ちらり

唯「!!」

ウメハラ「――」こくり

ときど「ウメさんが頷いた……これはいただきましたな」 

497: 2011/01/23(日) 23:47:18.85 ID:4kTUeWJZ0


sako「ヌキくん。キミは天才や。でもな、さすがにこのゲームに対する経験値では俺が勝っ
てるんや」

ヌキ「……そう、ですね」

春麗「キャアアアアア!!!!」

KO!

澪「うおおおおおおおおおおお!!!! sakoさん最強!!!!!」

ウメハラ「――」タンッ

唯「リュウがジャンプした!」

ジャスティン「――!」

ルーファス「全米が泣いた!」

梓「対空ウルコン!? スペースオペラにしてたのはこのため!? 駄目だ!」

ウメハラ「――」タン

リュウ「真空竜巻! 昇龍ッ! 滅! 波動拳!!!!」

観衆「うわあああああああああああああああああああ!!!」

KO!

498: 2011/01/23(日) 23:52:41.24 ID:4kTUeWJZ0
梓「うわああああああああああああああああ!!!!!」

律「なんだあれえええええええええ!!!」

紬「きゃああああああああ!!」

ウメハラ「――――」

ジャスティン「……ジーザス」

ときど「対空ウルコンを空中真空竜巻でかわしてセビ滅。やっぱりウメさんには敵わない
なあ」

さわ子「すごいですね。この歓声。一気に観衆を味方にした」

ときど「カリスマなんだから困る」

ウメハラ「今の俺強すぎるよ」

唯「え?」

ウメハラ「生徒が見てるわけじゃん? 負けられなくない?」

ときど「痺れること言いますねえ」

sako「せやな。これじゃあ、オンゴッズの再現がしにくくなるやないか」

ウメハラ「――フフ」

梓(今年の大会はすごい! ウメsako戦までやるなんて!)

509: 2011/01/24(月) 00:00:09.76 ID:hvRl3bC+0
観衆「ワアアアアアアアアアアア!!!!」

グーテックス「ルーザーズの興奮冷めぬままに始まったウィナーズファイナル! さあ、
ファイナルでルーザーズを待つのはHAITANIか! それともU&Iか!?」

ハイタニ「――――え?」

U&I「……」にやり

ヴァイパー「ハァ!」バァニ!

ハカン「ホオオオオオオオオオオ!!」ツルンっ

唯「!?」

ときど「まずい! ハイタニくんッ! よけろ!」

ハイタニ「遅すぎですよ」

ハカン「いくでぇ!」

ヴァイパー「きゃああああああああああああああああ!!!!」

KO!

グーテックス「決まったああああああああああああああ!!!! U&I! ウィナーズ
を勝ちあがったのは! 負け知らずで駆け上がったのはU&Iだあああああああ!!!」

ハイタニ「……もう一度。俺はここに帰ってくる。梅原さんだろうがsakoさんだろうが関係ない」

512: 2011/01/24(月) 00:06:02.16 ID:hvRl3bC+0
グーテックス「さあ! ここでこれからの流れをまとめていくぞ!」



ルーザーズセミファイナル Daigo 対 sako

ル―ザーズファイナル HAITANI 対 セミファイナルの勝者

ファイナル U&I 対 ル―ザーズファイナルの勝者

※ ファイナルではU&Iは二本先取で優勝。挑戦者は二本先取でグランドファイナルへ。

グランドファイナル U&I 対 ル―ザーズファイナルの勝者

※ 二本先取したプレイヤーがワールドチャンピオン。ファイナルの獲得セットは関係なし。



唯「なにはともあれ、ウメちゃん先生が勝つことだね!」

律「そうだ! 勝てばややこしいルールなんて関係ないぜ!」

ウメハラ「そうだね。勝つよ。俺」

sako「言ってくれるやん」

ハイタニ「U&Iに勝たないことには、僕の世界選手権は終わりませんよ」

梓「今日、ここで世界王者が決まるんだ……!」

517: 2011/01/24(月) 00:14:58.55 ID:hvRl3bC+0


澪「ルーザーズセミファイナルか。すごい組み合わせだ」

梓「日本の大会でもこんな組み合わせはなかなかありませんよ」

紬「そんなにすごいの?」

梓「恐らく、日本、いや。全格ゲーマーの夢の試合でしょうね。ウメsako戦は」

澪「……ものすごい試合になるぞ」

ウメハラ「――――」

梓「……」

梓(さっきのハイタニ戦を見る限り、ウメハラ先生はもしかして……)

律「どうした? 梓」

梓「ウメハラ先生」

ウメハラ「ん?」

梓「……これ、オンゴッズじゃないんですよ。大丈夫です」

ウメハラ「……ハハ。こっちこそ大丈夫だ。もう、目が覚めてる」

sako「リュウやろ? 俺はキャミィで」

518: 2011/01/24(月) 00:19:46.75 ID:hvRl3bC+0
ウメハラ「……ふう」

sako「――」

ヌキ「……ウメちゃん」

紬「始まるね」

澪「うん。これからの試合、全部がこの緊張感なのか」

律「私たちのライブの何倍も……すごいな。雰囲気が」

唯「うん」

U&I(さて、私は誰と試合をすることになるのかな)

ハイタニ「……」

グーテックス「準備が整った! それじゃあ始めるぞ! Daigo対sako! レディー、
ファイッ!!!」

ウメハラsako「……」

唯「静かな立ち上がりだね」

梓「これからです。これから、この試合は始まります」

sako「――!」タンッ

グーテックス「さあsakoが動いた! 戦闘開始だァッ!!」

521: 2011/01/24(月) 00:28:01.96 ID:hvRl3bC+0
sako「―――!」タタッタタタタタン!!!!

梓「sakoスペシャル決まった!」

ハイタニ「これが最強の矛――!」

ウメハラ「――――!!!」タタン! タタタタン!!!

澪「梅原先生も起き攻めはさせない! 凌ぎきって切り返した!」

ハイタニ「最強の盾は破れない!!」

唯「あの女の子キャラがたくさん攻撃してるのに、ダメージは……」

澪「キャミィのほうが喰らっている……」

紬「すごい……すごいとしか言えない……」

さわ子「この試合、いつまでも見ていたいわね」

ときど「ここにいる人。いいえ、この大会を配信で見ている人がみんな思ってますよ」

sako「―――――――!!!!」

キャミィ「―――――キャノンストライク!」

リュウ「昇龍ッ! 滅!! 波動拳―――――――――!!!!」

KO!

522: 2011/01/24(月) 00:33:19.72 ID:hvRl3bC+0
ウメハラ「――――ふう」

紬「勝った……」

澪「ああ。信じられない昇龍拳だ」

観衆「わああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

梓「あの局面で、低ストに昇龍だなんて……」

ヌキ「あれこそウメ昇龍!」

ときど「ありがたやああああああああああ!!!!」

唯「ありがやああああああ!!!」

律「すっげええええええええええ!!!!」

sako「――梅原くん」

ウメハラ「?」

sako「お前の昇龍は見苦しい。……でも、最高の昇龍やったで」

ウメハラ「……ハハ」

ハイタニ「さて、今一度砕きますか。最強の盾を」

ウメハラ「――もう、迷わない。だから、負けないよ」

527: 2011/01/24(月) 00:45:36.38 ID:hvRl3bC+0
グーテックス「このままインターバルなしでルーザーズファイナルを始めるぞ!」

観衆「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

グーテックス「素晴らしい盛り上がりだ! ここで、解説にアメリカ格ゲー界のパイオニア
ことアレックスを紹介するぜ!」

アレックス「よろしく!」

グーテックス「Daigoとアレックスが対戦したのは、あまりにも有名だ。しかし、HAITANI
との対戦経験は?」

アレックス「もちろんないよ。ただ、彼は見る限りかなりアグレッシブなプレイヤーだ。波に
乗るという表現よりも、自分で作った波に乗って勝っていくスタイルの持ち主に見えるよ」

グーテックス「確かに。さきほどの試合でDaigoを屈辱のルーザーズに叩き落としたのも
HAITANIだったね!」

ハイタニ「もう、帰ってなどこられない」

ウメハラ「――」

梓「神対魔王……」

澪「キャラクターは変えずにヴァイパーとリュウか……」

グーテックス「二人も準備オーケーなようだ! それじゃあ、アレックス、頼むぜ!」

アレックス「オーケー! ル―ザーズファイナル! レディー! ファイッッッ!!!!」

531: 2011/01/24(月) 00:51:00.52 ID:hvRl3bC+0
律「梓、この組み合わせはどんな感じなんだ?」

梓「……はっきり言うと五分ですね。でも、ヴァイパーの火力は一瞬で体力ゲージを
持っていきます」

澪「律、まばたきしてたら終わってるかもしれないぞ。克目しろ」

ときど「五神対決目白押しだなー」

ヌキ「そういえばときどだけ五神とやってなくない?」

ときど「……あ」

さわ子「そういってるうちに、ハイタニくんがものすごいラッシュかけてるわよ!」

ヴァイパー「砕けろ! ハァ! ハァ!!」

リュウ「――!」

ウメハラ「……」

グーテックス「耐える! Daigoは耐えるぞ!」

アレックス「要所要所は中足すかしや垂直飛びでバーニングを抑えてる。やはり勝負は
セイスモかな」

ときど「浮いたら終わりっすよ……」

澪「セイスモとサンダーを喰らわないように……」

532: 2011/01/24(月) 00:58:11.82 ID:hvRl3bC+0
グーテックス「少しずつ、少しずつリュウがヴァイパーを画面端に持っていく!」

アレックス「リュウのスパコンゲージはマックス!」

ハイタニ「……!」バシュン

グーテックス「しっかりグラップとっていくぅ!!」

ウメハラ「……」バシュン

グーテックス「もう一度! しっかりグラップとっていくぅ!」

ハイタニ「!?」

リュウ「せいやあ!」

グーテックス「三回! 三回連続で投げにいく! 起き上がりにセビを――」

梓「重ねない! バクステにまさか――!」

sako「あれは!」

グーテックス「鳩尾砕き→屈中P→屈大P→波動拳→セビキャン→屈中P→屈大P→
波動拳→セビキャン→屈大P→弱竜巻→大昇龍!!!!」

ときど「ウメ乱舞キタあああああああああああああああ!!!!!!!」

ヌキ「アアアイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!」

KO!

533: 2011/01/24(月) 01:01:31.62 ID:hvRl3bC+0
ハイタニ「――」

ウメハラ「……」

観衆「どわああああああああああああああああああああ!!!!」

澪「なんだあれえええええええええ!!!」

梓「もうなにがなんだか!」

ときど「ここでやるかよ~!」

ハイタニ(まだ1本だ。俺が格ゲー五神に数えられるからには、ここで心を折るわけには
いかない)

ウメハラ「……」

sako「勝負ありや」

紬「え?」

sako「あいつ、心が折れないようにしとる。そんなことを考えとる時点で負けや」

ヌキ「……最強の盾についていたのは――」

さわ子「最悪の棘ってことね」

ヴァイパー「キャアアアアアアアアアア!!」

KO!

539: 2011/01/24(月) 01:07:28.05 ID:hvRl3bC+0
グーテックス「ついに! ついにファイナリストが決定したああああ!!」

アレックス「日本人対決は予想で来てたけど、まさか無名の選手が来るなんてことは予想
していなかったよ!」

グーテックス「オーライ! U&Iはすでに強豪プレイヤーを何人も屠ってきている! しか
も、最弱キャラといわれているハカンでだ!」

U&I「……」

唯「……」

sako「がんばってな」

ウメハラ「うん」

唯「あのさ、あずにゃん」

梓「なんですか?」

唯「あのU&Iって子。どっかで見たことある気がするんだよね。帽子にマスクしてるから
顔が見えないんだけど、体格とか」

梓「唯先輩もそう思ってました? 実は私も」

澪「アノ手の美人はいくらでもいるだろ」

律「顔は見えてないけどな」

紬「今は梅原先生を応援しましょ! それしかないわ!」

541: 2011/01/24(月) 01:13:52.00 ID:hvRl3bC+0
グーテックス「さあ、この世界選手権もついにファイナル! 二人のプレイヤーに盛大
な拍手を!」

観衆「うおおおおおおおおおおおおお――――――――!!!」パチパチパチパチ

グーテックス「1P側! 極東から来た超新星! 弱キャラで踏みつぶしてやる! U&I
イイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」

U&I「……」ぺこり

グーテックス「2P側! もはや知らない人はいない! 誰が呼んだかビーストダイゴ! 
Daigo Umeharaアアアアアアアアアアア!!!!!」

ウメハラ「……」

グーテックス「さあ、ルールは説明した通り。2本で1セットを2セットとったほうがこのステ
ージの勝者だ! つまり、U&Iはワールドチャンピオンになり、Daigoがとるとグランドファ
イナルへと移行する!」

アレックス「こんなに興奮する決勝は見たことがないよ! 早く始めよう!」

グーテックス「オーケー! それじゃあ始めよう! 世界選手権ファイナル!」

ウメハラ「リュウで」

U&I「ハカンで」

グーテックス「レディイイイイイイ!!! ファイト!!!!」

545: 2011/01/24(月) 01:18:49.46 ID:hvRl3bC+0
リュウ「波動拳!」

ハカン「!」パシュン!

梓「ハカンはウルコン1のコマ投げですか」

ときど「オイル塗ってればかなり強いからね。あれ」

sako「かなり動けるキャラだから、俺もコマ投げのほうがいいと思う」

リュウ「波動拳!」

ハカン「――!」パシュン

ヌキ「セビでとっていくんだ」

ときど「このハカン、普通にハカンじゃないですよ」

唯「え?」

ときど「ヌキさんとハイタニくん、sakoさんはわかりますよね?」

sako「あのハカン、セットプレイやない。立ち回りでこっちを圧倒してきた」

ヌキ「スパ4をやった期間が短いとはいえ、あんな動きをするハカンは見たことがない」

ハイタニ「山、ですね。梅原さんが盾とするなら、U&Iは山」

梓「……リュウが動き出しました!」

547: 2011/01/24(月) 01:23:59.04 ID:hvRl3bC+0
sako「アカン!」

ハカン「避けてみぃ!」

唯「投げられちゃう!」

ときど「起き攻めはきつい!」

ウメハラ「――」タンタン

グーテックス「さすがはDaigo! 冷静にかわしていく!」

アレックス「彼は鉄の心臓を持ってるんだ。あのときの試合を思いだすよ」

ジャスティン「すごい……」

リッキー「どちらも最高じゃないの」

マーン「……まだ、敵わない」

唯「やった! ウメちゃん先生が1セットとったよ!」

澪「よっし!」

U&I「……」ぶるぶる

sako「……震えとるな。あの子」

ヌキ「ウメちゃんに比べて、大舞台での経験がない。だからだ――これはU&Iには厳しい」

551: 2011/01/24(月) 01:28:56.87 ID:hvRl3bC+0
ときど「加えて、このアウェーな空気」

ハイタニ「見たところ、まだ高校生くらいの女の子。相当きついですよ」

唯「うーん……」

ウメハラ「――――」タンタン!

U&I「―――――!」

ハカン「ぐわあああああああああ!!!!」

グーテックス「さあ! あと1ラウンドでグランドファイナル! このままの勢いでいって
しまうのか!」

アレックス「ここまでの注目を浴びても、汗一つかいていない……もはや鉄の心臓どころ
ではないね」

U&I「――」ちらり

唯「――?」

U&I「―――――――」

唯「―――――あ」

ハカン「ぬああああああああああ!!!!」

グーテックス「Daigoがストレート勝ち! なんとなんと! グランドファイナルに突入だ
ああああああ!!!!」

552: 2011/01/24(月) 01:32:17.90 ID:hvRl3bC+0
唯「わかっちゃった」

紬「え?」

唯「―――!!」タタタ!

澪「おい! 唯!」

グーテックス「おや! これはどうしたことだ!? グランドファイナルを前に、一人の
ギャラリーがプレイヤーに走り寄って来たぞ!」

U&I「……」

唯「……憂、でしょ?」

U&I「!?」

唯「今、お姉ちゃんって言ったよね? 私に、助けてもらいたかったんでしょう?」

U&I「……」

唯「ほら。こんなのとっちゃえ!」ぴゃい!

憂「お、お姉ちゃん……?」

唯「うん。私の可愛い妹」

ウメハラ「!?」

グーテックス「なんとなんと! U&Iはギャラリーの妹だったああああああ!!!」

555: 2011/01/24(月) 01:37:12.43 ID:hvRl3bC+0
憂「私……私……」

唯「大丈夫だよ。私は、憂の味方だから。いつだって、どんなときだって」ぎゅっ

憂「お姉ちゃん……」

唯「代わってはあげられないけど、憂のこと、応援するからね!」

憂「うん! お願いね!」

ウメハラ「え? え?」

憂「Excuse me!」

グーテックス「おや? U&Iがスタッフになにか言ってるぞ」

アレックス「……パットだね。アケステをパットに換えてくれって」

グーテックス「ということは?」

アレックス「今まで、彼女は不慣れな手段で戦っていたということになるね」

観衆「ざわざわ」

律「あれ、憂ちゃんだったのか!?」

唯「えへへー。そういうことだから、私は憂を応援するよ」

律「それはいいけど……。ずいぶん根性あるよな。お前の妹」

561: 2011/01/24(月) 01:42:31.80 ID:hvRl3bC+0
憂「よし! これでよし! いきますよ! 梅原先生!」

グーテックス「さあ! グランドファイナルの前にプレイヤーの意気込みをきいておくぞ!」

憂「お姉ちゃんのために負けられません! お姉ちゃん大好き!」

通訳「ぺらぺら」

観衆「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

律「すごい人気だな」

澪「そりゃあ、憂ちゃん可愛いもんな」

唯「えへへー」

梓「唯先輩のことじゃないですよ」

グーテックス「さあ、次はDaigoだ!」

ウメハラ「いや、えーと。負ける要素はない」

観衆「どわあああああああああああああ!!!!」

ヌキ「言うなああいつ!」

グーテックス「オーケー! それじゃあ世界選手権グランドファイナル! レディーファ
イ!!!」

564: 2011/01/24(月) 01:45:48.01 ID:hvRl3bC+0
――――

唯「いやあ! この三日間は楽しかったねえ!」

律「だなー。色んな人に会えたし」

ときど「また来たいと思った?」

紬「はい! また応援したいです!」

梓「今度は選手としてもっていうのもいいかもです」

澪「選手かー。きつそうだけど、がんばってみる?」

憂「みなさんならきっとできますよ!」

sako「アカン。眠い」

ハイタニ「飛行機なんで、乗り過ごす心配無くていいですね」

ヌキ「いや、もう寝てるやついるぞ」

ウメハラ「くー」ZZZ

唯「……ウメちゃん先生、寝てる」

梓「……お疲れ様です。ワールドチャンピオンの梅原先生」


――――

568: 2011/01/24(月) 01:47:42.19 ID:hvRl3bC+0
これで夏休み編は終わり
次からは学祭編と最終章

まだまだ出てきていない格ゲーマーが目白押しの予定
でも、今晩はお休みさせてもらう。
お昼くらいから再開しようと思うから、保守と感想をお願いしたい。

おやすみなさい

【けいおん】ウメハラ「新任の梅原です」唯「ふぇ?」【後編】

引用元: 【けいおん】ウメハラ「新任の梅原です」唯「ふぇ?」【後編】