菜々「今回の仕事、地味にキツかったって言ってましたからねぇ」

奈緒「あー、あたしのとこにもメール来てたよ」めるめる

ﾒｰﾙ杏【ステージ無しでたまに見切れるだけの仕事なのに拘束時間長すぎだよ】

奈緒「って」

菜々「見切れるだけいいじゃないですか、ねぇ」

奈緒「初のコス18かつCDデビューを間近に控えた超人気者が何言ってんだ」

菜々「よく考えたら、見切れるだけの仕事っていうのも大概謎ですよね」

奈緒「あやまれ！　折紙さんにあやまれ！」

奈緒「それにしても夏樹はともかく、李衣菜を呼ぶロックフェスって懐すごいよなぁ」

菜々「それが、意外とそうでもないみたいなんですよね」

奈緒「マジで？　観客だいたいガチだろうに」

菜々「『好きな事は詳しくて当然、という既成概念を打ち壊すその生き様こそがロック』」

菜々「って、昔ガールズバンドやってた知り合いが言ってました」

奈緒「……なるほどなぁ、その意味だと確かに李衣菜は誰よりもロックかも」

菜々「本人に聞かせた時もウッヒョー言ってましたよ」

奈緒「あ、これ本人確実に意味わかってないわ」

菜々「まぁそれも李衣菜ちゃんの魅力ですし」

奈緒「てか元バンドの知り合いとか、安部さん顔広いなぁ」

菜々「これでも元カリスマメイドですから♪　えっへん☆」

奈緒「なるほど」

菜々「と言っても、元々こっち側に理解のある人なんですけどね」

奈緒「へぇ、あんたもナナって言うんだ的な」

菜々「やりましたやりました、この名前ならお約束ですよねぇ」

奈緒「イカ天ブームの頃にしては早すぎない？」

菜々「あはは、さすがにその頃はナナもまだ……っ……うっ、生まれてませんよ？」

奈緒「……よく耐えた」ｻﾑｽﾞｱｯﾌﾟ

菜々「？　高島忠夫ですか？　イエーイ☆」ｻﾑｽﾞｱｯﾌﾟ

奈緒「安部さんのそれは呪いかなんかなの？」

奈緒「しかし安部さん、同郷の千葉県民だったんだな」

菜々「あー、落花生の件ですか？」

奈緒「そうそう。まぁさすがにもう散々ツッコまれたかな」

菜々「ふふんっ♪　落花生がウサミン星の特産だと――いつから錯覚してました？」

奈緒「なん……だと……？」

菜々「あれは地球で買ったただのおやつ！　つまりウサミン星人的にも何も問題ないんですよ！」ﾌﾝｽ

奈緒「……なるほど確かに。落花生は美味しいから仕方ないな」

菜々「はい♪」

奈緒「ビールにも合うし」

菜々「ナナ的にも枝豆より落花生ですねぇって違ぁぁう！」

菜々「さて、次はツアーですか」

奈緒「スペインかぁ。正直、あんまりよく知らないんだよな」

菜々「ナナもです……とりあえず、闘牛要素が出ない事だけは予想付きますけど」

奈緒「あぁ……あとはなんだろな、有名どころでサグラダファミリアとサッカー？」

菜々「それとバルセロナオリンｐ……サッカー！ まだいませんよねサッカーアイドル！」

奈緒「765プロさんの新人にいたようないなかったような……後でちひろさんに聞いてみるか」

菜々「……お金かかるんじゃないですか？」ﾋｿﾋｿ

奈緒「いやー、いくらちひろさんでも、その程度で金は取らないって」

奈緒「……弱点とかスキャンダルとかでも聞かない限りは」

菜々「えっなにそれこわい」

菜々「ナナは今回抜擢なさそうですね、先月出たばっかりですし」

奈緒「あたしは多分トライアドプリムスで出るけど、安部さんも新ユニットとか可能性はあるんじゃないか？」

菜々「どうなんですかねー……一応元本職なのに、メイド組には入れなさそうですし」

奈緒「CD記念ユニットにしても、3人だけだと角が立ちそうだしなぁ」

菜々「17歳トリオ的なのも、もうAge16でやっちゃってますからね」

奈緒「………･…あ、ニューイヤー組なら行けるか？」

菜々「……ツッコまれないのもそれはそれで寂しいんですね……」

菜々「……まぁ、海外行きはいろいろキツいのでナナは別にいいかなぁーと」

奈緒「杏ッ！　君の意見を聞こうッ！」めるめる

菜々「はさみ打ちの形ですかっ！」＼ｴｱｺﾝｶﾝﾋﾞ／

奈緒「お、返事来た。えーとなになに……」

ﾒｰﾙ杏【早苗さんとコンビでいいんじゃないの？】

菜々「」

奈緒「切り込んできたな……」

菜々「ナナさすがにジュリ扇は振りませんよぉぉ！」＼ｴｱｺﾝｶﾝﾋﾞ／

ﾒｰﾙ杏【もちろん童顔トランジスタグラマー的な意味でだよ？】

奈緒「oh…」

菜々「ぐぬぬ」

加蓮「奈緒、何してるの？　それに菜々も」

奈緒「おっす加蓮、ツアーに向けて安部さんの新ユニット考えてた」

菜々「これですよこれ！　ありがとう加蓮ちゃん！」ｶﾞﾀｯ

加蓮「えっ、何！？」

奈緒「ああうん、そのまま菜々って呼んであげてくれ」

加蓮「？　よくわかんないけど、そうするね」

菜々「あぁ……いいですねぇ……」

加蓮「菜々、ちょっと怖いんだけど……」

奈緒「ヘブン状態の愛海みたいな表情になってるな……」

加蓮「それで、どういう話になってるの？」

奈緒「杏に聞いたら、早苗さんとコンビでいいんじゃないかってさ」

菜々「……へへ……♪」ﾎﾜﾝﾎﾜﾝ

奈緒「安部さんまだヘブン状態か」

加蓮「ちっちゃくてスタイルいいコンビ、みたいな感じかな」

奈緒「そういうことだな」

加蓮「それだと、奈緒も入っていいんじゃない？」

奈緒「いや加蓮あたしと身長変わんないだろ」

加蓮「あ、そっか」

奈緒「それ以前に、あたしはトライアドプリムスだ」

加蓮「お、やる気だね。よしよし♪」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

奈緒「だぁー、撫でんなっ！」///

菜々「これが生トライアドプリムスの生奈緒ちゃんいじりですかぁ」

通りすがりのうどん県民「拝見してもよろしいんだじぇ？」

通りすがりのｻｲﾊﾞｰｸﾞﾗｽ「よしなさいッス」

菜々「ナナなんの事だかわかりません」

奈緒「なんか聞いた事あるっぽいネタなんだけど」

菜々「ナナも奈緒ちゃんも加蓮ちゃんもまだ知らなくていいんですよー」

加蓮「掘り下げない方がよさそうかな」

加蓮「まぁでも、奈緒いじりなら負けるわけにはいかないよね」

菜々「おー、さすがの自信ですねぇ♪」

奈緒「いじんなっつってんだろ！」///

加蓮菜々「「えー」」

奈緒「えーじゃない！　加蓮も凜にしても、あたしが一番年上なんだぞ！」ﾌﾟﾝｽｶ

菜々「えっ」

奈緒「えっ」

加蓮「？」

菜々（ナナの扱い考えたら、年上＝いじられで合ってるじゃないですかぁ！）ﾋｿﾋｿ

奈緒（安部さん落ち着け、そもそも安部さんは年上じゃない。オーケー？）ﾋｿﾋｿ

菜々（！　お、おっけー牧場……）ﾋｿﾋｿ

加蓮「よくわかんないけど、奈緒も菜々もいじられてる時がすごく可愛いと思うよ」

奈緒「安部さんはどっちかって言うと自爆タイプだけどな」

菜々「あれっ、矛先がナナに！？」

加蓮「奈緒も割と自爆する方だと思うけど？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

奈緒「意味もなく撫でんなっ！」///

加蓮「あ、そうそう奈緒、Ｐさんから伝言。パスポート絶対忘れるな、って」

奈緒「あーそうだった、出しとかないとな。凜には？」

加蓮「もう荷造り終わってるって」

奈緒「さすが売れっ子は練度が違うな」

菜々「あ、そう言えばナナのパスポート、まだ期限大丈夫だったかな……」

加蓮「未成年用でも5年だから、そうそうは切れないと思うよ」

奈緒「そ、そうだな。そもそもウサミン星人だから日本国旅券じゃないけどな！」

加蓮「ふふっ、そうかもね」

菜々（た、助かりましたよ、奈緒ちゃんっ）

＼ｱｼﾀ ｵｸﾚﾅｲﾃﾞﾈｰ／

奈緒「正直、わざとやってんじゃないかって常々思ってる」

菜々「うぅ……気を付けてるつもりなんですけどねぇ……」

奈緒「まぁ、その辺のガードのゆるさも安部さんの売りだしな」

菜々「そ、そんなとこを売りにしたつもりはないですよぉ！」

奈緒「あたしだって恥じらいを売りにしたつもりはない……はずなのになぁ……」

菜々「この話題はこの辺にしておきますか……」

奈緒「そうだなぁ……」

菜々「ま、まぁツアーもですけど、奈緒ちゃん総選挙ですよ！　総選挙！」

奈緒「安部さんそれ別事務所の持ちネタだから」

菜々「持ちネタて」

奈緒「実際総選挙って言われてもなー」

菜々「あれ、あんまり乗り気じゃないですか？」

奈緒「むーりぃー」

菜々「どこの乃々ちゃんですか」

奈緒「そもそも、第二回があるとは思ってなかったんだよなぁ」

菜々「あー……それはわかりますけど」

奈緒「急に　選挙が　来たので」

菜々「実は奈緒ちゃんも年齢詐称してません？」

奈緒「も？」

菜々「ナナ何にも言ってません」

奈緒「実際のとこ、あたしのファン数って読めないんだよなぁ」

菜々「あー」

奈緒「ファンを数で計るのって本当はあんまり好きじゃないんだけどさ」

菜々「そこは、まぁうちはみんなそうですよね」

奈緒「単独グッズもまだ出てないし、参考になるものがないらしいんだよ」

菜々「あれ？　クリアポスター発売決まりましたよね？　ナナのと一緒に」

奈緒「いやあれセットだからさ、もちろん出るのは嬉しいけど」

菜々「なるほど」

奈緒「まぁなんにせよ、あたしには多分あんまり関係ないよ」

菜々「むぅ……それでもアイドルですか！　軟弱者！」

奈緒「お高くとまりやがって……あんた、ウサミンとか言ったよな」

菜々「そんな不良みたいな口の利き方、おやめなさい！」

奈緒菜々「「いえーい☆」」ﾊｲﾀｯﾁ

奈緒「安部さんはファーストネタがさらっと通じるからいいな」

菜々「ナナもさすがにリアルタイム世代ではないですけどね」

奈緒「げふんげふん」

菜々「う、生まれる前ですからね！　当たり前ですよね！」

奈緒「とは言ってもさ」

奈緒「最低でも圏外からCD組16人ぶち抜きとか、さすがに現実的じゃないよな」

菜々「奈緒ちゃん？」

奈緒「うん？」

菜々「現実的じゃない事をやってのけるから『シンデレラ』ガールなんですよ♪」

奈緒「！」

菜々「と言っても、魔法使いはみんなに付いちゃってますからね。条件は対等ですけど」

奈緒「……そうだな、うん、どうかしてた。やるんだ、あたしも！」

菜々「それでこそ♪　ナナも負けませんよ☆」

奈緒「こうしちゃいられない、とりあえずツアー用の荷造りしないとなっ」

菜々「手伝いましょうか？　これでも元メイドですよ♪」

奈緒「安部さんはウェイトレスメイドでしょうが」

菜々「てへっ」

おわり

おつ！

ほのぼのしてて良かったわぁ
乙乙