26: 2019/03/23(土) 20:54:32.26 ID:nVPl9tZ2o

27: 2019/03/23(土) 20:58:51.33 ID:nVPl9tZ2o
蘭子「し、静まり給え!」

武内P「す、すみません」

蘭子「皆に知られるのは、我の望む所ではない……」

武内P「そう、ですね……」


飛鳥「蘭子、もう何も無かったと考えるべきだよ」

飛鳥「蘭子の黒いエOチな下着なんて、最初から無かったんだ」

飛鳥「そう考えれば、セカイは上手く回るんだからね」


武内P「……」

武内P「ん?」

28: 2019/03/23(土) 21:02:47.64 ID:nVPl9tZ2o
蘭子「あ、飛鳥!/// 我が友に、言うべきではない!///」

飛鳥「ああ、すまない。これは気遣いが足りなかったね」

蘭子「……だが、また再び聖域より衣が失われぬとも限らない」

飛鳥「そうだね。でも、きっと大丈夫さ」


飛鳥「手に入れ……盗まれた、蘭子の下着」

飛鳥「あれは、キミのお気に入りだったんだろう?」

飛鳥「だったら、ボク……犯人も、満足しているはずさ」


武内P「……」

武内P「あの、二宮さん?」

29: 2019/03/23(土) 21:06:37.85 ID:nVPl9tZ2o
飛鳥「どうしたんだい? 怪訝そうな顔をして」

武内P「二宮さんは、どこまでご存知なのでしょうか?」

飛鳥「これはこれは、随分と曖昧な質問だね」

武内P「……すみません」


飛鳥「それで? 具体的に、ボクに何が聞きたいんだい?」

飛鳥「下着の着け心地だったら、教えられないな」

飛鳥「何せ、ボクと蘭子はスリーサイズが違うから正確じゃない」


武内P「……」

武内P「二宮さん?」

30: 2019/03/23(土) 21:12:09.30 ID:nVPl9tZ2o
蘭子「我が友! 我に、道を示し給え!」

武内P「……お聞きしても良いでしょうか?」

蘭子「? 何を……?」

武内P「……」


武内P「昨晩、二宮さんは神崎さんの部屋に泊まりましたか?」


蘭子「うむ! 闇深き中での語らいは、至福の時となった!」

飛鳥「気付いたら、蘭子は寝てしまっていたけれどね」


武内P「……」

31: 2019/03/23(土) 21:18:00.93 ID:nVPl9tZ2o
飛鳥「蘭子の天使のような寝顔が見られて、ボクも嬉しかったよ」

蘭子「ぴっ!?/// うぅ……翼休めし時を……///」

飛鳥「だから、下着の件はもう忘れようじゃないか」

蘭子「飛鳥……」


飛鳥「あれは、消えてしまったのさ」

飛鳥「複雑に絡み合った運命の糸がほぐれるように」

飛鳥「凝ったレースの刺繍もほどけてなくなってしまったんだ」


武内P「……」

武内P「二宮さん」

32: 2019/03/23(土) 21:23:42.22 ID:nVPl9tZ2o
飛鳥「なんだい? ボクに、言いたい事がある顔だね」

蘭子「我が友? 飛鳥に、何か……?」

武内P「……二宮さん」


武内P「室内では、コートを脱いではどうでしょうか?」


飛鳥「それは出来ないな」

飛鳥「ボクは今、下着を二枚重ね……」

飛鳥「……」

飛鳥「確かに、この部屋は適温だと言えるね」

飛鳥「だけど、ボクにとってそれは関係の無い事さ」


武内P「二宮さん」

33: 2019/03/23(土) 21:30:44.09 ID:nVPl9tZ2o
飛鳥「蘭子、キミのプロデューサーは何が言いたいんだろう」

蘭子「えっ?」

飛鳥「ボクに、上着を脱がせるという行為にどんな意味があるのかな」

蘭子「そ、それは……や、優しい……から?///」


飛鳥「果たして、本当にそうなのかな」

飛鳥「ボクには、彼の目がそうではないと語っているように見える」

飛鳥「まるで、セカイの真実を見つけたと言わんばかりだ」

飛鳥「何が理解っているのかな? キミは」


武内P「……」

34: 2019/03/23(土) 21:35:31.38 ID:nVPl9tZ2o
武内P「神崎さん、耳をふさいで貰えますか?」

蘭子「? 封印を?」

武内P「はい、お願いします」

蘭子「……封印は成された」


武内P「貴女が犯人ですね?」


飛鳥「もしもそうだとしたら、どうするんだい?」

飛鳥「そうだとしたら、ボクは蘭子の下着を手に入れている事になる」

飛鳥「つまり、無敵だ」

飛鳥「いずれにせよ、ボクを責めるというのは無意味になる」


武内P「……」

35: 2019/03/23(土) 21:42:11.44 ID:nVPl9tZ2o
武内P「神崎さん、ありがとうございます」

蘭子「……我が友?」

武内P「神崎さん、落ち着いて聞いてください」

蘭子「な……何を……?」


武内P「下着を盗んだ犯人は、この部屋の中に居ます」


蘭子「!?」


飛鳥「いや、ちょっ!?」

飛鳥「キミは、あくまでも傍観者な立ち位置……普通、言う!?」

飛鳥「再構築不能な決壊を招いても構わな……普通、言うかい!?」


武内P「言います」

36: 2019/03/23(土) 21:49:39.19 ID:nVPl9tZ2o
蘭子「そ、そんな……!?///」

飛鳥「蘭子、違うんだ!」

蘭子「で、でも……!///」

飛鳥「彼は……んんん、馬鹿! 馬鹿なだけさ!」

蘭子「その……い、いつの間に……!?///」


武内P「神崎さんが、眠っている間に……」

飛鳥「蘭子! 彼の言葉に耳を傾けてはいけない!」


蘭子「そ、そんな……プロデューサーが……!///」


武内P・飛鳥「……」

武内P「待ってください! 誤解です!」

飛鳥「凄い……! 蘭子の下着を着けていると、本当に無敵だ……!」

37: 2019/03/23(土) 21:55:58.12 ID:nVPl9tZ2o
武内P「神崎さん! 今の二宮さんの言葉を聞きましたか!?」

蘭子「ぴっ!?///」ビクゥッ!

武内P「今、彼女は神崎さんの下着を着用しています!」

蘭子「あ……飛鳥?」


飛鳥「ボク、そんな事しない」

飛鳥「盗み、良くない」

飛鳥「良くない事、しない」


蘭子「やはり……そのような事、あり得ないわ」


武内P「片言! 片言になっていますよ!?」

38: 2019/03/23(土) 22:03:12.72 ID:nVPl9tZ2o
蘭子「プ、プロデューサーは……その……///」

蘭子「わ、私の下着が……欲しかったんですか……?///」

武内P「神崎さん、それは誤解です!」

蘭子「ご、誤解……?」


飛鳥「蘭子、彼を許してあげようじゃないか」

飛鳥「彼は、盗もうと思って盗んだんじゃないんだよ」

飛鳥「キミの、年齢にそぐわないエOチな下着が悪いんだ」

飛鳥「犯人が居るとすれば、正しくこの黒い下着こそ、黒なんだから」


蘭子「飛鳥……」


武内P「‘この’と言っています!」

武内P「‘この黒い下着’と、自分を指さしています!」

39: 2019/03/23(土) 22:13:16.40 ID:nVPl9tZ2o
蘭子「こ……此度の事は、我が胸に秘める///」

飛鳥「蘭子は優しいね」

蘭子「だが、黒き衣失われし時、我とて焦燥に身を焦がさん///」

飛鳥「焦った姿もまた、蘭子の魅力の一つだと認識したよ」


蘭子「な、汝が求めんと欲するならば……///」

蘭子「言ってくれれば、えと、その……///」

蘭子「や……やぶさかではない!///」ビシッ!


武内P・飛鳥「……」


武内P「神崎さん!? 何を仰っているんですか!?」

飛鳥「次は、ワインレッドの下着が良いと思うよ」

40: 2019/03/23(土) 22:23:02.86 ID:nVPl9tZ2o
蘭子「わ、ワインレッドの……!?///」

飛鳥「蘭子、下着泥棒は犯罪だ」

飛鳥「……だけど、キミが進んで下着を差し出すならば?」

蘭子「く、供物を捧げるのは……あ、在るべき姿///」


武内P「犯罪です!」

飛鳥「渡す時の様子は、映像として記録しておく価値があるね」


蘭子「う、う~っ……///」チラッチラッ!

蘭子「衣に移りし魔力を清めたならば……///」モジモジ!


武内P「洗濯をすれば大丈夫、ではありません!」

飛鳥「むしろ、その逆。洗わない方が、セカイが広がる」

41: 2019/03/23(土) 22:27:48.77 ID:nVPl9tZ2o
蘭子「わ……我、しばしの時を求める!///」

蘭子「お、おお、お疲れ様でした!///」


武内P「神崎さん!? あの、待ってください!」


蘭子「~~っ!///」

ガチャッ! バタンッ!


武内P「神崎さん! 待ってください!」

武内P「神埼さーん!」

武内P「……」

42: 2019/03/23(土) 22:33:31.02 ID:nVPl9tZ2o
武内P「何故……こんな事に……!?」

飛鳥「それが、セカイの選択というわけさ」

武内P「……」

飛鳥「だけど、良かったんじゃないかな」


飛鳥「下着を盗まれたと思っていた蘭子に、笑顔が戻った」

飛鳥「ボクも、これで罪の意識を感じる事なく、この下着を楽しめる」

飛鳥「キミは、蘭子の使用済み下着が今後手に入るかも知れない」

飛鳥「……どうだい?」

飛鳥「考えようによっては、全員が幸せな結末だよ」


武内P「……」

武内P「…………」

43: 2019/03/23(土) 22:39:28.14 ID:nVPl9tZ2o
武内P「……神崎さんの誤解を解きます」

飛鳥「おっと、それはオススメ出来ないな」

武内P「……何故、ですか?」

飛鳥「そんなの、決まってるじゃないか」


飛鳥「誤解を解いたら、ボクが犯人だと蘭子にバレるだろう?」

飛鳥「そうなった時、彼女はどう思うかな」

飛鳥「いずれにせよ……」

飛鳥「ボクが、蘭子の部屋に泊まる機会は失われるだろうね」


武内P「……あの」

武内P「それは、完全に二宮さんの都合では……?」

44: 2019/03/23(土) 22:50:34.18 ID:nVPl9tZ2o
飛鳥「けれど……そうだね、取引をしようじゃないか」

武内P「……取引ですか?」

飛鳥「ああ、そうさ。ボクが、橋渡しをしよう」

武内P「それは……どういう意味ですか?」


飛鳥「蘭子が、キミに下着を渡す」

飛鳥「キミは、ボクにそれを渡す」

飛鳥「そこでちょっと、まあ……うん」

飛鳥「そして、ボクが下着を洗って、蘭子に返す」

飛鳥「どうだい? 悪い取引じゃないだろう?」


武内P「……あの」

武内P「それに、何の意味が……いえ、言わなくて結構です」

45: 2019/03/23(土) 22:57:06.17 ID:nVPl9tZ2o
飛鳥「マネー・ロンダリングならぬ、下着・ロンダリングさ」

武内P「言わなくて結構です、と言いました」

飛鳥「キミも強情だね。土下座でもするかい?」

武内P「お願いします、やめてください」


飛鳥「ハッキリ言おう」

飛鳥「ボクは、蘭子の使用済み下着が欲しい」

飛鳥「このインパルスは、誰にも止められないよ」

飛鳥「例えそれが、誰かを傷つける事になってもね」


武内P「……あの」

武内P「それは、今度は使用済みのものを盗むという宣言ですか……!?」

46: 2019/03/23(土) 23:04:36.56 ID:nVPl9tZ2o
飛鳥「盗むなんて、人聞きが悪いな」

武内P「事実です」

飛鳥「ボクはただ、蘭子の黒いエOチな下着を着けただけさ」

武内P「訂正します。より、悪いです」


武内P「そして……二宮さん」

武内P「神崎さんが退室してからの会話」

武内P「これを……全て、録音させていただきました」


飛鳥「……ははっ」

飛鳥「土下座でもするかい?」

47: 2019/03/23(土) 23:39:56.67 ID:nVPl9tZ2o
  ・  ・  ・

蘭子「……す、すみませんでした」

武内P「いえ、誤解が解けて何よりです」

蘭子「よく探したら、ちゃんとありました……」

武内P「はい、良かったです」


飛鳥「下着泥棒なんて、最初から存在しなかったんだ」

飛鳥「ただ、少しばかり下着は出かけていただけ……」

飛鳥「……そうだろう?」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


蘭子・飛鳥「……ふふっ!」ニコニコ!


武内P「今後、泥棒が入ることは無いと信じていますが……」


武内P「出かける際は十分に注意してください」





おわり

49: 2019/03/24(日) 00:25:57.43 ID:fyivF1NDO
なんかこの蘭子は腹パンしたくなる鈍臭さを感じる

引用元: 武内P「泥酔、ですか」