772: 2019/04/20(土) 21:09:32.72 ID:aArvLcoCo

773: 2019/04/20(土) 21:14:38.24 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! アイドル部門の一位を目指しますよー!」

大人組「シンデレラガール総選挙は……?」

武内P「確かに、前回のシンデレラガールに選ばれましたが……」

菜々「ピピッ、ウサミン電波を送信ーっ♪」


菜々「シンデレラガールになっても――」

菜々「――結婚できる訳ではないんです」


大人組「……」

大人組「!?」

ざわっ…!

武内P「いえ、あの……それはそうだと思いますが」

774: 2019/04/20(土) 21:17:23.95 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! 皆さんは、そう思ってませんでしたよね?」

大人組「……!」

武内P「えっ? 皆さんは……結婚出来る、と?」

菜々「ピピッ、ウサミン電波を送信ーっ♪」


菜々「シンデレラガールになると――」

菜々「――むしろ、結婚から遠のきます」


大人組「……」

大人組「!!?」

ざわっ…!

武内P「み、皆さん……あの、表情が強張り過ぎでは……!?」

775: 2019/04/20(土) 21:23:09.21 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! 意外でしたかー?」

大人組「……!」

武内P「シンデレラガールは、そういったものでは……」

菜々「ピピッ、ウサミン電波を送信ーっ♪」


菜々「これからも、ずっと――」

菜々「――アイドルとして輝く姿を見ていきたい」

菜々「……ですって!」ヤレヤレ!


大人組「……」

しんっ……

武内P「それは……担当プロデューサーの言葉ですか?」

776: 2019/04/20(土) 21:26:52.51 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! すっごく嬉しかったです!」

大人組「……」…コクリ

武内P「そ、そう……ですよ、ね……?」

菜々「ピピッ、ウサミン電波を送信ーっ♪」


菜々「いぃつぅまでぇええええええっ!?」

菜々「今まで! 一緒に! 頑張ってきて!」

菜々「やっと! シンデレラガールに! なって!」

菜々「いぃつぅまでぇええええええっ!?」


大人組「……!」

…ごくりっ!

武内P「あ、安部さん!? 落ち着いて下さい、安部さん!?」

777: 2019/04/20(土) 21:32:29.59 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! なーんちゃって、冗談ですよ~♪」ニコッ!

大人組「……!」ホッ!

武内P「い、い……良い、演技です……!」

菜々「ピピッ、ウサミン電波を送信ーっ♪」


菜々「……中学時代、仲が良かった友達」

菜々「今度……子供が幼稚園に入るんですって」


心「ノースウィーティー! ノースウィーティー!」

大人組「……!」ガタガタ…!

武内P「えっ!? い、良い話では!?」

778: 2019/04/20(土) 21:39:24.12 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! シンデレラガールは、大忙しです♪」ニコッ!

大人組「……!」…ゴクリ!

武内P「え、ええ……メディアへの露出も増え、新曲もありますから」

菜々「ピピッ、ウサミン電波を送信ーっ♪」


菜々「シンデレラは、魔法がかかってお城に行って……」

菜々「……魔法が解けても、王子様が迎えに来てくれるんです」

菜々「一方、シンデレラガールはぁ~?」

菜々「仕事が忙しくなってぇ、ビジホに一人で泊まったしまぁ~す!」ドヤー!


大人組「……」

大人組「……!」ギロッ!

武内P「な、何故私が睨まれているのですか!?」

779: 2019/04/20(土) 21:47:10.23 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! ナナは17歳なので、まだ平気ですけどね!」ニコッ!

大人組「……」

武内P「……そう、ですね」

菜々「ピピッ、ウサミン電波を送信ーっ♪」


菜々「憧れていたお姫様――シンデレラは……」

菜々「優雅な暮らしじゃなく、馬車馬の様に働いてたんですねぇ」

菜々「――あっ! これお伽噺じゃなく、ナナの話でしたー!」

菜々「第七代目シンデレラガールの、ナナの話でしたー! いえーい!」ビシッ!


大人組「……」ズーン…

武内P「み、皆さん? あの……え、笑顔です」

781: 2019/04/20(土) 21:53:49.03 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! ほらほら、笑顔ですよ笑顔ー!」ニコッ!

大人組「……」

武内P「そ、その通りです!」

菜々「ピピッ、ウサミン電波を送信ーっ♪」


菜々「笑う門には、福来たる」

菜々「……まあ、今のこの感じは、正直言うとですね?」

菜々「なんかもうおかしくて笑っちゃいますよ、プークスクス!」ケラケラ!


大人組「……」ズーン…

大人組「……ぐすっ!」ウルッ!

武内P「っ!?」

782: 2019/04/20(土) 22:00:29.93 ID:aArvLcoCo
武内P「――た、高垣さん!」

楓「はい?」

武内P「高垣さんからも、何かおっしゃって下さい!」

楓「私が、ですか?」パチクリ!


楓「ええ、と……今は、仕事が恋人のようなものですし」

楓「だから、ファンの人と一緒に階段を登っていきたいんです」

楓「一緒に――笑顔で!」ニコッ!


大人組「……!」パアッ!

武内P「……良い、笑顔です……!」

783: 2019/04/20(土) 22:09:34.42 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! とっても良いお話ですね~!」

大人組「っ……!」

武内P「皆さん! 頑張って、耐えて下さい!」

菜々「ピピッ、ウサミン電波を送信ーっ♪」


菜々「階段を登って、登って、登り続けて……」

菜々「……いつまでも、階段は終わらないんです」

菜々「屋上に着くと思うでしょう? 着かないんです」

菜々「見えるのは、そう……窓から見える青空だけ……」


大人組「……」ズーン…

楓「窓から外は見える……窓際族?」

武内P「高垣さんは、お酒を楽しんでいてください」

784: 2019/04/20(土) 22:16:53.37 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! だ・れ・に・し・よ・う・か・な~♪」

大人組「!?」

武内P「あの、その指差しは……何が目的なのですか!?」

菜々「ピピッ、ウサミン星からアドバイスを受信しましたよー♪」


早苗「セクシー・チェ――ンジッ!」

早苗「――セクシー・チェンジとは!」

早苗「あたしがピンチに陥った時、美優ちゃんに代わって貰う必殺技!」


美優「え゙っ!?」


菜々「了解しました! チェンジオッケーでーす!」


美優「ええっ!?」

武内P「三船さん……頑張って下さい!」

785: 2019/04/20(土) 22:27:08.63 ID:aArvLcoCo
菜々「担当プロデューサーさんと、仲が良いですね?」

美優「えっ!? ええ、と……はい」

菜々「キャハッ! ぶっちゃけ、良い感じですよね?」

美優「ええっ!?/// その……は、はい///」


菜々「……今の、その想い」

菜々「大人になってからの、少女時代にも感じた甘酸っぱい感情」

菜々「……しっかり胸にしまって、大事にしてくださいね」フッ…


美優「しまわないといけないんですか!?」


大人組「……!」ゴクリ…!

武内P「もう……もう、この話はやめませんか!?」

786: 2019/04/20(土) 22:34:43.17 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! だ・れ・に・し・よ・う・か・な~♪」

大人組「!!?」

武内P「待ってください! これ以上の犠牲者は!」

菜々「ピピッ、ウサミン星からアドバイスを受信しましたよー♪」


瑞樹「わからないわ」

瑞樹「いやもう、本当にわからないわ……ええ、わからない」

瑞樹「わかる?」


心「えっ?」


菜々「チュクシュイーン! AH~♪ 全速力で♪」


心「うっそだろ!? マジ!?」

武内P「……笑顔です!」

787: 2019/04/20(土) 22:46:53.82 ID:aArvLcoCo
菜々「担当プロデューサーさんに、グイグイいってますね?」

心「う……うっす☆ はぁとは、いつでもスウィーティー☆」

菜々「キャハッ! ナナ達、魔法少女ですもんね♪」

心「そうだぞ☆ 菜々パイセン、ネガんなネガんなー☆……やめて?」


菜々「これからも、一緒に頑張りましょうねっ!」ニコッ!


心「……!」

心「モチのロンだってー☆ はぁと達は、みんなのアイドル☆」

心「でもでも、責任を取ってくれる人は決まってるぞ☆」


菜々「これからも、一緒に頑張りましょうねっ!」ニコッ!


心「……こらこらー☆」

心「その台詞さっきも聞いたぞ……こらこらー☆」


一同「……」

788: 2019/04/20(土) 22:56:06.33 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! シンデレラガールって、ゴール感があるんです!」

大人組「……」

武内P「は、はい! なので、そこへ向かって……!」

菜々「ピピッ、ウサミン電波を送信ーっ♪」


菜々「でも、ゴールしても終わりじゃないんです」

菜々「頑張って、登って……辿り着いて」

菜々「ゴールした後にも、カチカチ回し続けるんですよ」

菜々「……職業アイドルの、人生ゲームって」


大人組「……」

大人組「……」ジッ…

武内P「そ、そんな目で見られましても……!?」

790: 2019/04/20(土) 23:04:40.08 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ! だから、お嫁さんにしたい有名人アワードです!」

大人組「……!」

菜々「そこでぇ! アイドル部門でぇ! 一位を取ってぇ!」

大人組「……!」ウンウン!


菜々「さすがに! さぁっすがに、結婚を意識して貰ってぇ!」


大人組「はい!」


菜々「さーて、ここでクエスチョン!」

菜々「どうしたら良いんでしょうね!」

菜々「わっかんないです! ナナ、もーお手上げですよ!」


大人組「……」

武内P「……」

791: 2019/04/20(土) 23:16:20.17 ID:aArvLcoCo
菜々「キャハッ!……わかりますか?」

大人組「……」

武内P「えっ!?」

菜々「ピピッ、ウサミン星から電波を送信ーっ♪」


菜々「シンデレラガールには、なりました」

菜々「でも、お嫁さんには……なれる気がしないんですよ」

菜々「……むしろ、シンデレラガールになってから」

菜々「担当のプロデューサーさん、他の子の方を気にかけるように……」


大人組「……」


武内P「……」

792: 2019/04/20(土) 23:23:50.30 ID:aArvLcoCo
武内P「それは……信頼です」

菜々「信頼?」

武内P「はい」

菜々「本当ですか? 放置少女と間違えてませんか?」


武内P「……それまで、一緒に歩いてきた道のり」

武内P「時に躓き、挫けそうになっても……頑張ってきた」

武内P「その経験を共有しているからこそ、信頼しているのです」

武内P「そう……『ガールズ・イン・ザ・フロンティア』の歌詞にもあります」


武内P「自分の足で歩けシンデレラ、と」


菜々「蘭子ちゃん、凛ちゃん、卯月ちゃんに伝えて良いですか?」


武内P「土下座で許して頂けますか?」

793: 2019/04/20(土) 23:31:09.61 ID:aArvLcoCo
  ・  ・  ・

ちひろ「――プロデューサーさん」

武内P「……」

ちひろ「あの、プロデューサーさん」

武内P「っ!? す、すみません……何でしょうか?」

ちひろ「どうしたんですか? 朝から様子が変ですけど……」

武内P「ああ、いえ……」


武内P「シンデレラプロジェクトのメンバーを……」

武内P「……十代で固めると、そう判断した」

武内P「あの時の自分は間違っていなかった、と」

武内P「……そう、考えていました」


ちひろ「……はい?」

794: 2019/04/20(土) 23:35:24.84 ID:aArvLcoCo
武内P「いえ……お気になさらず」

ちひろ「はあ……?」

武内P「それよりも、何かありましたか?」

ちひろ「ああ、いえ――」


ちひろ「――お嫁さんにしたい有名人アワードのアイドル部門」

ちひろ「……ふふっ!」

ちひろ「皆、やる気になってるみたいですよ?」


武内P「……」

武内P「えっ?」

795: 2019/04/20(土) 23:42:53.67 ID:aArvLcoCo
武内P「あの……何故、でしょうか?」

ちひろ「う~ん……」


ちひろ「……346プロのプロデューサーさんは」

ちひろ「時たま、思わせぶりな態度を取るからじゃないですか?」


武内P「そう、なのですか?」

ちひろ「ええ、困ったことに」

武内P「成る程……私も、気をつけるようにします」

ちひろ「ええ、そうしてくださると助かります」


武内P「――千川さん、ありがとうございます」

武内P「貴女が居て本当に良かった、と」

武内P「……そう、いつも思っています」


ちひろ「……私の話、聞いてました?」




おわり

796: 2019/04/20(土) 23:59:31.63 ID:yofH3Czgo
【既成事実!】を図る時、一番いいスタートを切れそうなのはやっぱりちっひだね!

引用元: 武内P「泥酔、ですか」