892: 2019/03/12(火) 21:47:22.58 ID:uVoEwQHIo
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(7) (電撃コミックスEX)

893: 2019/03/12(火) 21:50:53.34 ID:uVoEwQHIo
みく「そうにゃ! Pチャン、協力して!」

武内P「あの……それは、どういった意味でしょうか?」

みく「李衣菜ちゃんをギャフンと言わせたいの!」

武内P「ま、前川さん!?」


みく「実写そのままじゃないと泣けない、って!」

みく「吹き替えとかロックじゃないー、なんて言われたんだよ!?」

みく「だから、教えてやるにゃー!」


武内P「……成る程、そういう事でしたか」

894: 2019/03/12(火) 21:54:12.91 ID:uVoEwQHIo
みく「みく、声のお仕事ってすっごく大切だと思うの!」

武内P「ええ、とても頑張っていると思います」

みく「でしょー!? なのに……泣けない、だなんて!」

武内P「それで……協力、とは?」


みく「――泣ける、アニメ映画!」

みく「Pチャンのオススメの、泣けるアニメ映画を教えて欲しいにゃ!」

みく「Pチャン、アイドルを泣かせるの得意でしょ!?」


武内P「ま、待ってください!」

武内P「前川さんの、私へのイメージは……そういった感じなのですか!?」

895: 2019/03/12(火) 21:58:17.25 ID:uVoEwQHIo
みく「ねえ、Pチャン! 何か無い?」

武内P「しかし、突然そう言われましても……」

みく「出来れば、不意をついて泣かせるのが良いにゃ!」

武内P「そう、ですね……」


武内P「――『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』」


武内P「……は、どうでしょうか?」


みく「……」

みく「えっ、ポケモン?」

896: 2019/03/12(火) 22:02:12.58 ID:uVoEwQHIo
みく「えー? ポケモンって泣けるのー?」

武内P「今年、丁度リメイク版の映画がやりますから……」

みく「あっ、それと見比べたりも出来るから?」

武内P「はい。公開は先ですが、何かの参考になるかと」


みく「……そう、だね」

みく「わかったにゃ! 李衣菜ちゃんを誘って――」

みく「『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』!」

みく「――この映画の鑑賞会をやってみるにゃー!」


武内P「はい」

武内P「……ハンカチは、忘れないでください」

897: 2019/03/12(火) 22:07:26.69 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

みく「――さあ、李衣菜ちゃん! 覚悟は良い!?」

李衣菜「覚悟って……映画を見るだけでしょ?」

みく「ま、まあ、そうだけどぉ~?」

李衣菜「……みくちゃん、何か企んでない?」

みく「べっ、別に!? そんな事ないにゃ!」

李衣菜「……なーんか怪しいなぁ」

みく「ほほっ、ほらほら! 始まるよ!」

李衣菜「……ま、良いか」


李衣菜「ポケットモンスターって、子供向けでしょ?」

李衣菜「それに、アニメだし……」

李衣菜「……ま、気楽に楽しもうかなー」


みく「にゅっふっふ……!」

898: 2019/03/12(火) 22:11:37.36 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

後日


みく「――Pチャン! 聞いて聞いて!」

武内P「前川さん?」

みく「作戦、大成功だったにゃ! ボロッボロ泣いてた!」

武内P「それは……おめでとうございます、で良いのでしょうか……?」


みく「もうね! 最後の方なんか涙が止まらなくて!」

みく「ぷぷぷっ! 李衣菜ちゃんったら!」

みく「みくがティッシュ使い切ってて、鼻かめずに困ってたんだよ!」


武内P「あの……」

武内P「前川さんの方が、号泣していませんか……?」

899: 2019/03/12(火) 22:16:31.78 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

ガチャッ!

菜々「――失礼しますっ!」


武内P「……安部さん?」

武内P「おはよう、ございます」


菜々「おはようございますっ☆ キャハッ!」ビシッ!

菜々「それで、早速本題なんですけど!」


菜々「――泣かせたいんです!」


武内P「……」

武内P「はい?」

900: 2019/03/12(火) 22:22:19.23 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

武内P「……成る程。前川さんが、安部さんと話しているのを聞いて」

菜々「そうなんです!」


菜々「――さすがに、この歳になるとアニメじゃ泣けないわ」

菜々「――そうねぇ。あたし達、もうお姉さんだし」

菜々「――ふふっ、菜々さんのそういう所、可愛らしいですね」

菜々「――パイセンは、中身も若いんだな☆ 無理すんな?」


菜々「……って、生暖かい視線を向けられたんですよ!?」

武内P「は、はあ……そう、ですか」

901: 2019/03/12(火) 22:27:54.94 ID:uVoEwQHIo
菜々「そりゃあ、アニメって子供っぽいかも知れませんけど……!」

武内P「……そういう考えも、否定は出来ませんね」

菜々「でもっ! 良いものは、良いですよね!?」

武内P「……はい、私もそう思います」


菜々「だから! 皆を泣かせる、オススメ映画!」

菜々「それをナナに教えてください!」

菜々「さりげなーく、それを見る流れにして……」

菜々「涙で化粧を落として、顔をグッチャグチャにしてやりたいんです!」


武内P「……安部さん」

武内P「その発想は、少し子供っぽすぎるのでは……?」

902: 2019/03/12(火) 22:32:16.60 ID:uVoEwQHIo
菜々「お酒も入れて、倍率ドンですよー!」

武内P「ですが……安部さんは、お詳しいのでは?」

菜々「それは……そうなんですけど……」

武内P「?」


菜々「ナナは、その……」

菜々「……すぐ、感動しちゃって……ですね?」

菜々「この歳になると、何を見ても泣いちゃ――」

菜々「――じぇ、JK! JKだから、年代が違うかなー、って!?」


武内P「……成る程」

903: 2019/03/12(火) 22:42:04.14 ID:uVoEwQHIo
菜々「お願いします! 何か、オススメを!」

武内P「そう、ですね……」

菜々「あの大人達に、目にもの見せられるようなのを!」

武内P「大人達……」


武内P「――『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』」


武内P「……は、どうでしょうか?」


菜々「……」

菜々「本気で、泣かせる気ですね……!?」

904: 2019/03/12(火) 22:46:19.37 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

菜々「――せっかくの宅飲みで、話してるだけも何なので……」

菜々「……ちょっと、映画でも流しません?」


瑞樹「あら、良いじゃない」

早苗「たまにはそういうのも悪くないわね」

楓「映画は、何があるんですか?」

心「やっぱり、スウィーティーな恋愛映画かな☆ でしょ?」


菜々「まあまあ……それは、始まってからのお楽しみで」…ニヤリ


瑞樹・早苗・楓・心「……?」

907: 2019/03/12(火) 22:51:35.39 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

鑑賞開始~


瑞樹「……うわ、クレヨンしんちゃんじゃない」

早苗「懐かしいわねー! 小さい頃、たまに見てた!」

楓「オトナ帝国の逆襲? なんだか、物騒ですね」

心「ギャグアニメだから、どうせ大したこと無いぞ☆ 余裕☆」


菜々「泣けはしないでしょうけど、笑えますからね!」

菜々「まま、流し見程度で♪ キャハッ!」


菜々「……ふっふっふ」

908: 2019/03/12(火) 22:58:55.19 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

鑑賞中~


瑞樹「あはは、昔の作品って大らかよね~!」

早苗「あっはは、下ネタきっつい! あっははは!」

楓「素敵ですよね、笑いの耐えない家庭って」

心「おーい? その感想はちょっとズレてるぞ?」


菜々「いやー、笑えますよね!」

菜々「やっぱり、アニメは泣けるものじゃなないですよねぇ!」


菜々「……ふっふっふ」

910: 2019/03/12(火) 23:02:54.05 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

鑑賞中~


瑞樹「ん……ん……? あ、グラス空だったわ……」

早苗「ちょっと何よ……って、あたしもだった……」

楓「皆……どう、なってしまうんでしょうか……」

心「ごめん、ちょっと……集中したい……」


菜々「……」ジーッ…


大人達「……」ジイイッ…

911: 2019/03/12(火) 23:07:23.96 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

鑑賞中~


瑞樹「いや、これは……ちょっと……」グスグスッ…!

早苗「ズルいでしょ……こんなの……」メソメソッ…!

楓「はい……これは……」ポロポロッ…!


心「パイセン、ティッシュ……ティッシュ……!」ダバー!

菜々「ずみ゙ま゙ぜん゙……ぢー゙ん゙っ!」グチャア!


大人達「……!」スンスンッ…!

914: 2019/03/12(火) 23:12:41.89 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

~鑑賞終了


大人達「……」


瑞樹「はぁ……泣いたわ……」

早苗「そうね……やられた、って感じ……」

楓「……ふふっ、皆……ひどい顔ですね……」

心「ファンには見せられない……見せないぞ……」


菜々「……はふぅ」


菜々「やっぱり、映画って良いものですねぇ……!」


大人達「……!」クスクスッ…!

916: 2019/03/12(火) 23:19:53.92 ID:uVoEwQHIo
瑞樹「駄目ね……涙もろくなってるのかしら」

早苗「子供が頑張ってるのを見ると、アレじゃない?」

楓「年少組の子達を思い出しちゃいました?」

心「そうそう! 頑張れー、ってなった! なれ!?」

菜々「なりましたよ!? 勿論じゃないですか!」


菜々「……それと、子供時代を思い出して」

早苗「そうそう! あたしも、無邪気だったわー!」

瑞樹「あら、今でも皆は無邪気だと思うわ」

楓「はーい♪ 無邪気でーす♪」

心「はぁとは、いつでもフレッシュだぞ☆」


大人達「……ふふふっ!」ニコッ!

917: 2019/03/12(火) 23:31:50.52 ID:uVoEwQHIo
瑞樹「でも、今日のこれは……」

早苗「この前の話の、逆襲ってわけ?」

楓「だとしたら……ふふっ、見事にやられちゃいましたね」

心「やるじゃん、ウサミンパイセン! やってくれたな?☆」

菜々「ぎくっ!?……あはは、実はそうなんですけどね」

菜々「でも……」

菜々「アニメ映画も、泣けますよね?」ニコッ!


瑞樹・早苗・楓・心「そうですね!」ニコッ!


大人達「ふふふふっ!」ニコニコ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「――しかし……何故、宅飲みの会場が私の家なのですか?」


大人達「?」キョトン


武内P「……」

武内P「泣いても、良いですか?」




おわり

918: 2019/03/12(火) 23:42:01.43 ID:wPS7Q7Xgo
だって武内Pの家ってホームシアターとか置いてそうだし…

919: 2019/03/12(火) 23:43:14.69 ID:cD4+kIPuo
宵乙女+瑞樹-美優とか癒やしのかけらもないw

920: 2019/03/13(水) 00:13:04.12 ID:qpON0aXDO
三十路近くで秒速5センチメートルを観終わった時自然と頬が濡れてた

921: 2019/03/13(水) 00:38:14.42 ID:S6IZRG83O
確かに年食うともう何でも泣いてしまうんだよなあ
この前ヨヨとネネで泣いたわ
もう子供が青臭く頑張ってるので大体あかん

922: 2019/03/13(水) 00:51:21.05 ID:AjBDpAKj0
そういや武Pが泣いてるところって想像つかないな

923: 2019/03/13(水) 01:15:08.65 ID:27hIyuFj0
年取ると親の目線になってたまゆらでも泣ける様になるとか
カリスマさん年取ったらすごい涙脆くなりそう

引用元: 武内P「理由あって、飲み会」