175: 2019/05/14(火) 15:34:24.13 ID:8lK86C+1o

176: 2019/05/14(火) 15:37:30.94 ID:8lK86C+1o
ありす「はい、正直な思いを聞かせて下さい」

奏「貴方って、嘘をつけるタイプじゃないものね」

武内P「あの……」


奏「文香ってセクシーよね? 貴方もそう思わない?」

ありす「違います! 文香さんはそういうタイプじゃありません!」


武内P「……何故、私に?」

文香「すみません……すみません……!」ペコペコ!

177: 2019/05/14(火) 15:41:35.06 ID:8lK86C+1o
奏「クローネのプロジェクトルームで話題にあがったのよ」

武内P「は、はあ……」

ありす「皆して、文香さんはセクシーだって言うんです!」

武内P「え、ええ……」


奏「結論が出ないから、第三者の意見を聞いてみようって話になって」

ありす「プロデューサーという立場の人の意見なら、信用出来ますから!」


武内P「……成る程」

文香「すみません……すみません……!」ペコペコ!

178: 2019/05/14(火) 15:44:33.93 ID:8lK86C+1o
武内P「……お話はわかりました」

武内P「そこで、質問があるのですが……」

奏・ありす「質問?」

武内P「はい」


武内P「――鷺沢さんは、今のご自分をどう思っているか」

武内P「――これから、どんなアイドルとして活動していきたいか」

武内P「……それをお聞かせ頂けますか?」


文香「わ……私が、ですか……?」

179: 2019/05/14(火) 15:50:19.98 ID:8lK86C+1o
奏「そうね……確かに、それは気になるわ」

ありす「文香さん、正直に言って構わないですから!」

文香「そ、そう……ですね……」


文香「……今は、歌もダンスもまだ未熟です」

文香「けれど、クローネでの活動……」

文香「そして、ファンの皆さんとのやり取りを通じて……」

文香「……変わっていけたら、と……思っています」


奏「文香……ふふっ、貴女はもう変わってきてるわよ」

ありす「文香さん……一緒に、頑張っていきましょう!」


武内P「成る程……お答えいただき、ありがとうございます」

180: 2019/05/14(火) 15:57:02.22 ID:8lK86C+1o
武内P「……では、お答えします」

文香「……!」ドキドキ!

奏「貴方は、文香のことをセクシーだと思う?」

ありす「文香さんは、そういうタイプじゃありませんよね?」

武内P「……」


武内P「鷺沢さんの現状を考えると、セクシーとは言い切れません」


ありす「ですよね! やっぱり、貴方に聞いて正解でした!」

奏「ふぅん……貴方の答えは、それなのね」


武内P「ですが、これからの頑張り次第では――」

武内P「――セクシー枠に入る事も、十分に可能です」


文香「せ……セクシー枠……!?」

181: 2019/05/14(火) 16:01:35.26 ID:8lK86C+1o
ありす「待ってください! そんなの有り得ません!」

武内P「本当にそうでしょうか?」

ありす「そうです!」

武内P「……橘さん」


武内P「貴女の知る鷺沢さんは……努力を怠る様な方でしょうか?」

武内P「鷺沢さんが、自ら進んでセクシー枠への道を歩もうとした時……」

武内P「……橘さんは、それを応援してはあげられませんか?」


ありす「応援するに決まってます!」

ありす「――文香さんが頑張れば、絶対にセクシー枠に入れます!」

ありす「……」

ありす「……あっ」


武内P「はい、私もそう考えています」

182: 2019/05/14(火) 16:07:58.82 ID:8lK86C+1o
奏「これからの文香次第……って事ね」

武内P「ええ、そうなります」

奏「随分とお行儀の良い、当たり障りの無い答えじゃない?」

武内P「……すみません」


武内P「……しかし、速水さん」

武内P「貴女も、これからの頑張り次第では――」

武内P「――十分に、セクシー枠に入る事が可能です」


奏「もう、すぐそうやって誤魔化すんだから」

奏「……ふふっ!」

奏「誤魔化し方が下手なのは、長所と短所どっちかしらね?」

奏「……」


奏「ん……?」

183: 2019/05/14(火) 16:13:44.67 ID:8lK86C+1o
武内P「鷺沢さん」

文香「は、はい……」

武内P「貴女は、色々な可能性を秘めた方だ、と」

武内P「……そう、私は考えています」

文香「可能性……」

武内P「はい」


武内P「――貴女自身で見つけた、答え」

武内P「それが、重要な事なのでは無いでしょうか」


文香「……!」


奏「待って、ちょっとストップ」

奏「私って、セクシーという枠には入ってないのかしら?」

184: 2019/05/14(火) 16:18:59.56 ID:8lK86C+1o
文香「私自身で見つけた……答え……」

ありす「一緒に見つけていきましょう、文香さん!」

文香「ありすちゃん……」

文香・ありす「……ふふっ」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


奏「悪いんだけど、少しだけ待って貰える?」

奏「……ちょっと、聞き捨てならないんだけど」

奏「私が……速水奏が、セクシー枠じゃない?」


武内P「?」

武内P「はい、違います」


奏「……!」

185: 2019/05/14(火) 16:25:00.99 ID:8lK86C+1o
奏「……私、よく色っぽいって言われるんだけど?」

武内P「ええ、そうですね」

奏「なのに、セクシー枠じゃないって事?」

武内P「はい、その通りです」


武内P「話の流れで、比較して申し訳ありませんが……」

武内P「鷺沢さんと、速水さんならば――」

武内P「――鷺沢さんの方が、セクシー枠に近い、と」

武内P「……そう、考えています」


文香「えっ……えっ……!?///」


奏「……!?」

186: 2019/05/14(火) 16:30:01.69 ID:8lK86C+1o
ありす「文香さんの方が、その……色っぽい、という事ですか?」

武内P「そうですね、その表現が近いと思います」

文香「あ……ありがとう、ございます……?///」モジモジ!

奏「……理由は聞かせて貰えるんでしょうね?」

武内P「理由、ですか」


武内P「お話するのは構いませんが……」

武内P「……他言無用でお願い出来ますか?」

武内P「そして、最後まで冷静でいてくれる、と」

武内P「……そう、約束して頂けるなら」


奏「……良いわ、聞かせてちょうだい」

187: 2019/05/14(火) 16:35:54.99 ID:8lK86C+1o
武内P「例えばの状況になりますが……」

武内P「――お二人に、それぞれ目を閉じて欲しい、と」

武内P「……そう、言われた時です」


文香「目を……は、はい……///」

奏「ふぅん……それで?」


武内P「鷺沢さんの場合は――危険」

武内P「速水さんの場合は――安全」

武内P「……と言った違いがあります」


文香「きっ、危険……!?///」

奏「あ、安全ですって……!?」

188: 2019/05/14(火) 16:41:23.72 ID:8lK86C+1o
ありす「待ってください! どうして文香さんが危険なんですか!?」

武内P「それは、これから説明させて頂きます」

ありす「納得のいく理由を聞かせて下さい!」フンス!

武内P「はい」


武内P「鷺沢さんは、そういった事を言う方ではありませんね?」

武内P「その鷺沢さんが……目を閉じて欲しい、と言った」

武内P「これは、踏み出せない一歩を踏み出した、という事です」

武内P「……橘さん」

武内P「鷺沢さんは、踏み出した足を戻すような方ですか?」


ありす「違います! 文香さんは、そんな人じゃありません!」

ありす「……」

ありす「……あっ」


武内P「はい、私もそう考えています」

189: 2019/05/14(火) 16:51:16.97 ID:8lK86C+1o
武内P「色っぽさ……つまり、セクシーさの中には」

武内P「……一種の、危険さの様な部分が含まれている、と」

武内P「……そう、私は考えています」

武内P「鷺沢さんは、新田さんとも最近は親しくされていますね?」

文香「は、はい……」

武内P「人は、周囲の方から受ける影響というものがあります」

ありす「……」


武内P「お二人は、新田さんはセクシー枠だ、と」

武内P「……そう、思いませんか?」

武内P「その影響を鷺沢さんが受けていない、と」

武内P「……言い切れはしないと思いますが」


ありす「た、確かに……美波さんは色っぽいです……」

文香「……!///……!///」

190: 2019/05/14(火) 16:57:23.63 ID:8lK86C+1o
武内P「勿論、鷺沢さんは目を閉じろと言われる方ではありません」

武内P「ですが……この先どうなるかは、わかりません」

ありす「文香さんは……どうなりたいんですか?」

文香「そ、それはこの流れだと……き、決められない……///」

武内P「ええ、焦る必要は無いと思います」


奏「――それじゃあ、聞かせて貰える?」

奏「どうして、私が安全なのか」

奏「あんまり甘く見られるの……好きじゃないんだけど?」


武内P「……」

武内P「はい、わかりました」

191: 2019/05/14(火) 17:03:03.96 ID:8lK86C+1o
武内P「速水さんは、クローネでもそうですが……」

武内P「色々なユニットで、リーダーの役目を果たされていますね?」

奏「まあ……なんだか、自然とそうなるのよね」

奏「それで? それが何だって言うの?」


武内P「速水さんは、とても責任感の強い方だ、と」

武内P「……私は、そう認識しています」

武内P「その様な方が、困難な道ならば兎も角――」

武内P「――周囲を巻き込む様な、危険な道を選ぶでしょうか?」


奏「……それで?」

奏「褒めて誤魔化そうとしても……許さないから」


武内P「いえ、これは本心を口にしているまでです」


奏「そ……そう」

192: 2019/05/14(火) 17:10:05.60 ID:8lK86C+1o
武内P「そして、他の方から受ける影響です」

奏「……私の周り、自由人が多いんだけど?」

武内P「速水さんは、そんな方達を纏めていますね?」

奏「まあ……うん、そうね。ごめんなさい、続けて」

武内P「……危険な様で居て、とても安全な方」

奏「……」

武内P「速水さんは、心当たりがありませんか?」


奏「……」

  ・  ・  ・

美嘉『ヤバーイ★』

  ・  ・  ・

奏「……」


奏「…………」

194: 2019/05/14(火) 17:19:13.19 ID:8lK86C+1o
奏「……悔しいけれど、納得せざるを得ないわね」

武内P「ですが、安全というのは悪い事ではありません」

奏「まあ……そうだけど」

武内P「速水さんは、まだ十七歳ですし……」

武内P「あまり若い内から、危険と判断されるのも……はい」

奏「それ……フォローのつもり?」

武内P「……出来て、いませんでしたか?」

奏「……」


奏「……ふふっ!」

奏「頼れるリーダーって立場で満足しておこうかしら」

奏「――今は、ね」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

195: 2019/05/14(火) 17:29:32.76 ID:8lK86C+1o
ありす「つまり……色っぽい、ええと……」

ありす「――影響力の強い、色っぽい人」

ありす「その人と一緒にいれば、セクシー枠に入るかもしれない」

ありす「……そういう事ですか?」


武内P「勿論、それだけではありませんが……」

武内P「当然、何かしらの影響は出る、と」

武内P「……そう、思います」


ありす「……」

ありす「な、なるほど……///」

197: 2019/05/14(火) 17:34:10.78 ID:8lK86C+1o
文香「? ありすちゃん……?」

ありす「えっ!?///」

奏「顔が赤いけど、どうしたのありすちゃん?」

ありす「た、橘です!/// それと、赤くありません!///」

文香・奏「……?」


ありす「その……一般的な質問なんです、けど///」

ありす「色っぽいのと、色っぽくないのだと……」

ありす「……ど、どっちが良いと思いますか!?///」


武内P「……」

武内P「えっ?」

198: 2019/05/14(火) 17:39:18.99 ID:8lK86C+1o
ありす「その……文香さんも美波さんも、素敵な女性ですし……///」

ありす「文香さんが、美波さんの影響で色っぽくなっていくと……///」

ありす「二人と一緒に居る私も、その、えと……///」

ありす「……///」


文香・奏「……」


武内P「橘さん……?」


文香「――あの……一般的にはどちら、でしょうか?」

奏「――ええ、あくまでも一般的な答えが聞きたいだけだから」


武内P「鷺沢さん……速水さん……?」

199: 2019/05/14(火) 17:49:12.35 ID:8lK86C+1o
武内P「……すみません、お答え出来ません」


文香・奏・ありす「……」


武内P「……私は、プロデューサーですから」

武内P「私の意見は、一般の方とは違うかと……」

武内P「ですが、一般の方でしたら色っぽい方が……はい」


文香・奏・ありす「……」


武内P「あの……皆さん、何故無言に?」

200: 2019/05/14(火) 18:07:23.37 ID:8lK86C+1o
ありす「一般の方とは違う、という事は……」

文香「色っぽくない方が好み……という意味でしょうか?」

奏「……今の言葉を素直に受け取ると、そうなるわよね」


武内P「ああ、いえ……そういう意味ではなく」

武内P「水着のグラビア撮影等の仕事も多く入れた方が良い、等の……」

武内P「……仕事的な部分が先に立ってしまい、はい」


文香・奏・ありす「つまり……どっち?」


武内P「すみません、質問の意図が……よく」

武内P「何故、その様な質問を私に……?」


文香・奏・ありす「……///」



武内P「皆さんは、何を思っているのですか?」





おわり

引用元: 武内P「援助交際、ですか」