1:◆BEcuACNawuaE 2015/04/11(土)22:32:37 ID:aoF
コナンSSです。
==========================
なんでこんなことになった……
俺の名は、江戸川 コナン。外見は小学生だが、これは仮の姿。
本名は工藤 新一。高校生探偵として、数々の事件を解決したことで世間に知られていた……
しかし、謎の組織から不思議な薬を飲まされたことで体が縮んでしまい、小学生・江戸川 コナンとして生きていかざるを得なくなった。
しかも、幼馴染であり好きな女である、毛利 蘭の家で生活することとなるというおまけつきだ。
そんなこんなで小学生をもう一度やり直す羽目になった俺は、不思議と数々の事件に巻き込まれることが多くなった。
そのほとんどが殺人事件であるが、たまに窃盗事件に巻き込まれることがある。
そしてその窃盗事件の主な犯人であるのが……
「……おい名探偵、あまりモゾモゾ動くなよ。変な気分になる」
今はメイドに変装して俺を抱き枕代わりにしている、月下の奇術師と呼ばれる、怪盗キッドである。
なぜキッドがメイドに変装して俺を抱き枕にしているのか?
それは今から数時間前に遡る……
4: 2015/04/11(土)22:35:37 ID:aoF
数時間前。
「怪盗キッドから予告状が!?」
「そうじゃ、我が家にある大金庫、『鉄狸』を破るという予告状を叩きつけてきおった」
キッドからの予告状を受け取った人物。
それは鈴木財閥の相談役、鈴木 次郎吉であった。
俺たちはこのジイさんの家に小五郎のオッチャンと共にやってきたのだが……
そこで俺は出会った。
「あいた!」
「あ、ごめんなさい。ボウヤ、大丈夫?」
俺とぶつかったのは、茶髪のショートカットでいかにもドジっ子といった風貌のメイドだった。
正直言って、俺は思った。
……かわいい。
6: 2015/04/11(土)22:38:49 ID:aoF
いかんいかん、何を考えているんだ。俺には蘭がいるんだぞ。
「ワンちゃん探していて、下向いていたから……本当にごめんね」
どうやらこの人は犬を探していたようだ。
……だから四つん這いになっていたのか。
だから俺は何を考えているんだ! メイドさんが四つん這いになっていたからなんだ!
…………
くそっ! 邪念が入ってしまった。とにかくキッド対策を考えねえと。
8: 2015/04/11(土)22:40:06 ID:aoF
そして。
「おい! 金庫の部屋に予告状が置いてあるぞ!」
キッドを追い続けている刑事、中森警部が発見したのは金庫室に置いてあるキッドの予告状であった。
だがどうやって? 金庫室の前には中森警部も俺たちもいた。どうやって予告状を置いたんだ?
そんなことを考えているうちに、さっきのメイドさんがやってきた。
「ねえ、怪盗キッド見つかった?」
「え、いや、まだだけど……」
メイドさん――瀬戸 瑞紀さんっていうらしい――は食事が乗ったワゴンを押している。
どうやら、次郎吉さんに食事を持っていく最中のようだ。
だが、メイドさんは小五郎のオッチャンにワゴンを追突させてしまった。
「うわっ!」
そのおかげで、オッチャンは小銭をぶちまけてしまう。
「ごめんなさい……あっ!」
さらに、メイドさんはワゴンに乗っていた水をぶちまけてしまい、オッチャンはびしょ濡れになってしまった。
9: 2015/04/11(土)22:41:40 ID:aoF
「す、すみません!」
メイドさんはオッチャンをタオルで拭く。
――もし俺が濡れていたら俺をタオルで拭いてくれたのだろうか。
だから何を考えているんだよ俺は! そういう問題じゃねえだろ!
だが俺はその時気づいてしまった。
メイドさんがタオルで濡れた小銭を拭いているのを見て、気づいてしまった。
……なるほど、そういうことね。
12: 2015/04/11(土)23:09:04 ID:aoF
その後。
次郎吉さんがキッドだという疑いが浮上したため、中森警部と部下たちは外出した次郎吉さんを追って屋敷を離れてしまった。
今は警察の人間は誰もいない。いや、縛られた『本物の』次郎吉さんを救出する一部の人間しかいない。
俺たちは人気の無くなった屋敷に取り残されてしまった。
……さて、俺の期待を裏切った大泥棒さんに会いに行きますか。
13: 2015/04/11(土)23:16:22 ID:aoF
「好きだなオメー。女に化けるの」
「……ああ、こっちの方が萌えるんでね」
結論から言えば、このメイドさん、瀬戸 瑞紀はキッドの変装だったのだ。
つまり、瀬戸 瑞紀なる人物自体がこの世にはいないということだ。
今、俺の目の前でメイドに化けたキッドが大金庫『鉄狸』を破ろうとしている。
「うわっ!」
だがその途中で、金庫から出てきた大きな斧が俺の頭上から振り下ろされた。
14: 2015/04/11(土)23:21:10 ID:aoF
「危ない!」
寸前でキッドが俺を引っ張り上げたので無傷で済んだが。
だが、問題はそれで終わらなかった。
キッドはまだ変装を解いていない。つまりメイド姿のままだ。
かわいいメイドさんが、俺を助けてくれた……
いや違うだろ! これはキッドだぞ!
メイドさんじゃない! キッドだ! 惑わされるな俺!
19: 2015/04/11(土)23:31:07 ID:aoF
そうこうしている内に、キッドは瞬く間に金庫を破り、扉は開かれた。
そして中から、ゴーグルを掛けた犬が出てくる。
そうキッド、そして次郎吉さんの目的は金庫に閉じ込められてしまったこの犬を助け出すことだったのだ。
金庫の開け方を書いてあるメモは犬のスカーフの中にあった。つまり次郎吉さん自身も金庫を開けられず、キッドの手を借りるしかなかったのだ。
「さて、目的は済んだけど、ちょっと中も気になるな」
金庫を開けたキッドは、メイド姿のまま中に入る。
「おい、うかつに中に入って大丈夫かよ?」
俺はそれを追うように、金庫の中に入った。
入ってしまった。
そして、金庫の扉が閉められる。
20: 2015/04/11(土)23:33:41 ID:aoF
「なに!?」
バカな!? 俺たち以外には誰もいなかった。
誰が金庫を閉めたっていうんだ!?
「あーあ。閉じ込められちまったな」
俺とは対照的に、メイドキッドはいたって冷静だった。
な、何だ? なんでこいつはこんなに落ち着いているんだ?
「おいおい忘れたか名探偵? この金庫、中からは簡単に開けられるんだぜ?」
あ、そうか。
閉じ込められても、中から開ければいい話か。
22: 2015/04/11(土)23:35:12 ID:aoF
「それにしてもこの中、随分と寒いな」
メイドキッドがそんなことを言う。
確かに寒い。鉄板に覆われているからだろうか。
いや……それでもこれは寒すぎないか?
「あー寒いなあ、名探偵、お前ちょっと服を脱げよ」
「は?」
「いや、脱げよ」
「……全く話の流れが見えねえんだけど」
なんでこの寒さの中で、服を脱がなければならないんだよ!
それに……女装とは言え、メイドさんの前で服を脱ぐってのはどうも……
23: 2015/04/11(土)23:38:12 ID:aoF
「あれ、何お前? 女の人の前で裸になるのは恥ずかしいという、そういうタイプ?」
「バ、バカ言うなよ! 何でこの状況で服を脱がなければならないのかということだよ!」
「おいおい、お前の服を燃やして暖をとろうってことに決まっているだろ? 名探偵のくせに鈍いなあ」
何で俺の服を燃やされなきゃいけねえんだよ!
「大体、こんな寒さの中で裸になったら氏ぬだろ!」
「ああ、確かにそうだなあ」
全く、何でこんなことを言い出したんだこいつは……
24: 2015/04/11(土)23:41:32 ID:aoF
「じゃあ、こうなったら、お前を抱き枕にするしかないな」
「えっ?」
「お前の服を燃やして暖をとりつつ、俺がお前を抱き枕にすれば、二人とも温まるだろ?」
「うん、まあ……いや違うだろ!」
「あれ、もしかして何? 女の人に抱き枕にされるのは恥ずかしいタイプ?」
「バカ言うな! 大体お前は女装しているだけだろ!」
……くそっ、このままじゃなんか負けた気がする。
こうなったら、乗ってやる。こいつの挑発に。
「いいじゃねえか。脱いでやるよ」
「おっ、さすが名探偵、男だねえ」
「茶化すんじゃねえ!」
そう言って俺は、この寒い中ブリーフ一枚になる羽目になった。
27: 2015/04/11(土)23:43:17 ID:aoF
「ほら、これでいいか?」
メイドキッドはまじまじと俺を見ている。
「おい名探偵、まだ一枚残っているように見えるけどなあ」
「えっ?」
キッドはメイド姿のまま、俺の裸を凝視している。
…………
なんで変な気分になっているんだよ俺は!
こいつはキッドだぞ! メイドさんじゃない、キッドだぞ!
くそっ、だけどこんなかわいい顔の人が薄笑いを浮かべて俺の裸を見ているというのはなんか……
28: 2015/04/11(土)23:44:41 ID:aoF
「ほら、それも脱いだ脱いだ」
「わあっ!」
そして、メイドキッドが強引に俺のブリーフを下におろす。
「あれ、さすがに小学生名探偵は、股間にはパイプはぶら下げていないか、せいぜいココアシガレットって感じかな」
「み、見るんじゃねえよ!」
「あれ、何お前? 俺は怪盗キッドですよ? メイドさんじゃありませんよ? それなのにねえ……」
わかっている、こいつはキッドなのはわかっている。
なのになんで……勃っているんだよ俺は!
なんというか……情けない。
29: 2015/04/11(土)23:46:21 ID:aoF
「うう……みるなあ……」
「おいおい、名探偵ともあろう者が、裸を見られて泣き出すんですか? やっぱり小学生なんですか?」
「ち、ちげえよお……」
だが、俺の両目からは涙が止まらない。
なんでだ、なんでこんなことになった。
「さあさあ名探偵、抱き枕になってもらいましょうか」
「うう……」
情けなさに心を支配されていた俺は、特に抵抗することなくメイドキッドに後ろから抱きつかれる。
なんでこんなことになった……
31: 2015/04/11(土)23:48:30 ID:aoF
「……おい名探偵、あまりモゾモゾ動くなよ。変な気分になる」
そう言いつつも、メイドキッドはスカートの下から伸びる足で、俺のモノを挟む。
「な、なにしてるんだよ!?」
「いやあ、抱き枕に抱き着くわけだから、こういう体制になるだろ?」
「や、やめろお……」
メイドキッドは両足を上下に動かす。
そんな動きをされたら俺は……
「や、やめろちくしょお……」
「え、なに? やめてほしい?」
「あ、え、いや……」
「まあなあ、ここで俺が離れたら、名探偵は凍えてしまうしなあ。離れるわけにはいかないんだよなあ」
確かにここでメイドキッドに離れられたら俺は凍えてしまう。
いやいや、こいつが離れれば俺は金庫を開けられるだろ!
32: 2015/04/11(土)23:50:08 ID:aoF
「おい! いい加減離せよ!」
「おいおい名探偵。なんで俺の胸の辺りに体を押しつけるんだ?」
「え、いや、そんなつもりは……」
「まあなあ、こんなかわいいメイドさんだったらなあ、気持ちはわからないでもないけどなあ」
「ち、違う!」
必氏に否定する俺に対し、メイドキッドはまたも両足で俺のモノを挟む。
「はひゅっ!」
「あれ、なんだ今の声? 名探偵は女装した怪盗に欲情してそんな声を出してしまうんですか?」
「あ、ああ……」
ああやばい、これはやばい。
なんかもう、キッドでもいい気がしてきた。
こんなかわいいメイドさんが俺を、俺を……
俺の……
34: 2015/04/11(土)23:51:41 ID:aoF
「じゃあ、そろそろ出ようかな」
「えっ?」
メイドキッドは唐突に俺から離れ、金庫の扉を開ける。
金庫の中に光が差し、外の景色が見えた。
「おーい、名探偵、もう出ようぜ」
「え? えっと……」
「どうした? 早く出ないと、愛しの彼女に裸のみっともない姿を見られるぞ?」
「え? あっ!」
俺を探す蘭の声が聞こえる。
やばい、早く服を着ないと。
35: 2015/04/11(土)23:53:22 ID:aoF
「さて名探偵、この姿から……本来の俺の姿に戻ります」
メイドキッドはようやく変装を解き、本来の怪盗キッドになった。
「名探偵、お前がよければいつでもメイドにはなってやるけど、どうだ?」
「な、なに言ってるんだよ!?」
「……気持ち良くなかったのか?」
いつになく真剣な表情で問いかけてくるキッドに対して俺は……
「あ……その、き……」
「コナンくん!」
「えっ?」
いつの間にか、キッドはいなくなっていて、蘭が俺の前にいた。
36: 2015/04/11(土)23:54:49 ID:aoF
「コナンくん、大丈夫だった!? なんか変なことされなかった!?」
「えっ?」
「だって、コナンくん、その格好……」
「わ、わあっ!」
俺は服を着る途中だったため、シャツとブリーフしか着ていなかった。
「い、いや、大丈夫だったよ?」
「そう? それなら良かったけど……一体何があったの?」
「えと、その……」
その後、俺は蘭に対する言い訳を必氏に考える羽目になった。
だがその最中でも俺の脳内では……
メイドキッドの姿が焼き付いて離れなかった。
頼めば……
何を考えているんだ! 今回の俺はよお!
しかし当分、俺の夢にメイドキッドが出ない日は無かった。
完
38: 2015/04/11(土)23:55:58 ID:aoF
終わり!
ホ〇ではない、おねショタなのだ。
ホ〇ではない、おねショタなのだ。
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります