2: 2023/06/11(日) 19:48:57.08 ID:A1n79ERS.net
千砂都「それじゃ、今日の練習はここまで!」
きな子「今日の練習もハードだったすー!」
夏美「でも新曲もだいぶ形になってきましたの!」
可可「あと一息な感じデス!」
かのん「ねぇ、すみれちゃん。この後時間ある?」
すみれ「え? 大丈夫だけど」
きな子「今日の練習もハードだったすー!」
夏美「でも新曲もだいぶ形になってきましたの!」
可可「あと一息な感じデス!」
かのん「ねぇ、すみれちゃん。この後時間ある?」
すみれ「え? 大丈夫だけど」
3: 2023/06/11(日) 19:51:15.74 ID:A1n79ERS.net
すみれ「どうしたのよ。改まって話なんて」
かのん「その、すみれちゃんに折り入ってお願いしたいことがあって……」
かのん「実はさ、今度、デート行くことになって……」
かのん「それで、そのさ……」エヘヘ
すみれ「……」
すみれ「ふーん、なるほどね」
すみれ「そういうことなら、この平安名すみれに任せてちょうだい!」
すみれ「かのんのデートがうまくいくよう、服もメイクもバッチリコーディネートしてあげる!」
かのん「すみれちゃん……!」パァァ
すみれ「さっそく買い物に行くわよ! 大船に乗ったつもりでいなさい!」
かのん「ありがとう!!」
かのん「その、すみれちゃんに折り入ってお願いしたいことがあって……」
かのん「実はさ、今度、デート行くことになって……」
かのん「それで、そのさ……」エヘヘ
すみれ「……」
すみれ「ふーん、なるほどね」
すみれ「そういうことなら、この平安名すみれに任せてちょうだい!」
すみれ「かのんのデートがうまくいくよう、服もメイクもバッチリコーディネートしてあげる!」
かのん「すみれちゃん……!」パァァ
すみれ「さっそく買い物に行くわよ! 大船に乗ったつもりでいなさい!」
かのん「ありがとう!!」
4: 2023/06/11(日) 19:55:21.07 ID:A1n79ERS.net
◆
すみれ「かのん、次はこれ着てみて!」ファサッ
すみれ「次はこれ!」ファサッ
すみれ「次は……」
かのん「……」
かのん「すみれちゃん、随分楽しそうだね」アハハ
すみれ「そう? これでも真剣なのよ」
すみれ「素材がいいからね。楽しくもなるわよ……」ボソッ
かのん「え?」
すみれ「あ、やっぱりこれがいいわ! かのん着てみて!」ファサッ
かのん「え、これ!?」ギョッ
すみれ「かのん、次はこれ着てみて!」ファサッ
すみれ「次はこれ!」ファサッ
すみれ「次は……」
かのん「……」
かのん「すみれちゃん、随分楽しそうだね」アハハ
すみれ「そう? これでも真剣なのよ」
すみれ「素材がいいからね。楽しくもなるわよ……」ボソッ
かのん「え?」
すみれ「あ、やっぱりこれがいいわ! かのん着てみて!」ファサッ
かのん「え、これ!?」ギョッ
8: 2023/06/11(日) 20:04:48.03 ID:A1n79ERS.net
◆
すみれ「あら、似合ってるじゃない!」
すみれ「やっぱり私の目に狂いはなかったわね!」
かのん「すみれちゃん、ちょっとこれ可愛い過ぎないかな……?」
すみれ「何よ。可愛い衣装は着慣れてるでしょ?」
かのん「衣装と私服は違うの!!」
かのん「こんな服、私普段着ないし……」
かのん「もうちょっといつもの感じで……」
すみれ「ダメよ!」
かのん「え゛っ!!」
すみれ「あら、似合ってるじゃない!」
すみれ「やっぱり私の目に狂いはなかったわね!」
かのん「すみれちゃん、ちょっとこれ可愛い過ぎないかな……?」
すみれ「何よ。可愛い衣装は着慣れてるでしょ?」
かのん「衣装と私服は違うの!!」
かのん「こんな服、私普段着ないし……」
かのん「もうちょっといつもの感じで……」
すみれ「ダメよ!」
かのん「え゛っ!!」
9: 2023/06/11(日) 20:09:22.32 ID:A1n79ERS.net
すみれ「いい? かのん。デートは勝負なの」
すみれ「相手に『いつも通りだな』なんて思われたら負けなのよ!」
かのん「……!!」
すみれ「普段と違う、おめかししたかのんを見せてあげましょ」
すみれ「どうせなら、あっと言わせたいでしょ?」ウインク
かのん「すみれちゃん……!」
すみれ「相手に『いつも通りだな』なんて思われたら負けなのよ!」
かのん「……!!」
すみれ「普段と違う、おめかししたかのんを見せてあげましょ」
すみれ「どうせなら、あっと言わせたいでしょ?」ウインク
かのん「すみれちゃん……!」
11: 2023/06/11(日) 20:14:53.40 ID:A1n79ERS.net
◆
すみれ「さ、服もメイクもこれで一通りバッチリかしらね」
かのん「うん。すみれちゃんに頼んで良かったよ」
すみれ「こういうことなら、いつでも相談に乗るわ」
かのん「もう忘れてることないよね? 大丈夫だよね?」
すみれ「うーん。あと必要なのは……」
すみれ「さ、服もメイクもこれで一通りバッチリかしらね」
かのん「うん。すみれちゃんに頼んで良かったよ」
すみれ「こういうことなら、いつでも相談に乗るわ」
かのん「もう忘れてることないよね? 大丈夫だよね?」
すみれ「うーん。あと必要なのは……」
12: 2023/06/11(日) 20:20:54.67 ID:A1n79ERS.net
すみれ「キラーキューンね」
かのん「キラーキューン……?」
すみれ「そう。かのんなら、そうねぇ……」
すみれ「……」ジーッ
かのん「……?」
かのん「キラーキューン……?」
すみれ「そう。かのんなら、そうねぇ……」
すみれ「……」ジーッ
かのん「……?」
13: 2023/06/11(日) 20:26:09.03 ID:A1n79ERS.net
すみれ「かのん、少し斜め向いて」
すみれ「そう。もう少し目線をこっちに」
すみれ「それで右目でウインクしてみて」
かのん「こうかな……?」ウインク
すみれ「うん。悪くないわね」
かのん「すみれちゃん、これって……?」
すみれ「相手にトドメを刺す、必殺のキラーキューンよ」
すみれ「さ、今から私を相手だと思って、たっぷり練習するわよ!」
かのん「ええっ!?」
すみれ「そう。もう少し目線をこっちに」
すみれ「それで右目でウインクしてみて」
かのん「こうかな……?」ウインク
すみれ「うん。悪くないわね」
かのん「すみれちゃん、これって……?」
すみれ「相手にトドメを刺す、必殺のキラーキューンよ」
すみれ「さ、今から私を相手だと思って、たっぷり練習するわよ!」
かのん「ええっ!?」
14: 2023/06/11(日) 20:32:00.66 ID:A1n79ERS.net
◆
すみれ「もう1回!」
すみれ「まだまだ、もう1回!」
すみれ「あと10回いくわよ!」
かのん「はぁ……はぁ……」ゼェゼェ
かのん(今日で一生分のウインクした気がする……!)
すみれ「すごく良くなったわ!」
すみれ「これなら相手もキュンとしてイチコロね」
かのん「これが、キラーキューン……!」
すみれ「もう1回!」
すみれ「まだまだ、もう1回!」
すみれ「あと10回いくわよ!」
かのん「はぁ……はぁ……」ゼェゼェ
かのん(今日で一生分のウインクした気がする……!)
すみれ「すごく良くなったわ!」
すみれ「これなら相手もキュンとしてイチコロね」
かのん「これが、キラーキューン……!」
15: 2023/06/11(日) 20:50:58.69 ID:A1n79ERS.net
すみれ「いい? キラーキューンは秘密の技」
すみれ「こんなに練習したなんてこと、絶対悟らせちゃダメよ」
すみれ「間違っても、私に言われてやったなんて言わないこと」
すみれ「もちろん乱発も厳禁」
すみれ「デート中、ここぞというタイミングで1度だけ使うの」
すみれ「あくまでさりげなくね」
かのん「……!」
すみれ「こんなに練習したなんてこと、絶対悟らせちゃダメよ」
すみれ「間違っても、私に言われてやったなんて言わないこと」
すみれ「もちろん乱発も厳禁」
すみれ「デート中、ここぞというタイミングで1度だけ使うの」
すみれ「あくまでさりげなくね」
かのん「……!」
16: 2023/06/11(日) 21:08:58.73 ID:A1n79ERS.net
かのん「できるかな、私に……」
すみれ「不安なら、まだまだ練習付き合うわよ」
かのん「ひえー」
すみれ「不安なら、まだまだ練習付き合うわよ」
かのん「ひえー」
17: 2023/06/11(日) 21:18:45.24 ID:A1n79ERS.net
◆
すみれ「それじゃ、明日は頑張ってね」
かのん「うん!」
かのん「すみれちゃん、私のためにいろいろありがとう」
かのん「ファッションにも詳しいし、さすがすみれちゃんだね!」
すみれ「当然でしょ! ショービジネスの世界にいた身として、流行のチェックは欠かさないの」
かのん「ふふっ」
かのん「すみれちゃん、大好きだよ!」ウインク
すみれ「……っ!!」
かのん「どう? 今、キュンとした?」クスッ
すみれ「……はいはい、したした」
かのん「何そのテキトーな返しー!」
すみれ「良かったから、それ明日成功させなさいよ」
かのん「う、うん……!」
すみれ「それじゃ、明日は頑張ってね」
かのん「うん!」
かのん「すみれちゃん、私のためにいろいろありがとう」
かのん「ファッションにも詳しいし、さすがすみれちゃんだね!」
すみれ「当然でしょ! ショービジネスの世界にいた身として、流行のチェックは欠かさないの」
かのん「ふふっ」
かのん「すみれちゃん、大好きだよ!」ウインク
すみれ「……っ!!」
かのん「どう? 今、キュンとした?」クスッ
すみれ「……はいはい、したした」
かのん「何そのテキトーな返しー!」
すみれ「良かったから、それ明日成功させなさいよ」
かのん「う、うん……!」
20: 2023/06/11(日) 21:38:33.31 ID:A1n79ERS.net
夜 すみれの部屋
すみれ「あ、もうこんな時間……」ハッ
すみれ(この本面白くて、ついつい読み耽っちゃったわ……)パタン
すみれ「もう寝なきゃ……お肌にも悪いしね……」カタッ
ピロリロリン♪
すみれ「……!」
すみれ(こんな時間に電話……?)カチャッ
すみれ「え、かのん……?」
すみれ「あ、もうこんな時間……」ハッ
すみれ(この本面白くて、ついつい読み耽っちゃったわ……)パタン
すみれ「もう寝なきゃ……お肌にも悪いしね……」カタッ
ピロリロリン♪
すみれ「……!」
すみれ(こんな時間に電話……?)カチャッ
すみれ「え、かのん……?」
21: 2023/06/11(日) 21:41:19.67 ID:A1n79ERS.net
かのん「もしもし、すみれちゃん?」
すみれ「アンタ明日デートでしょ?」
すみれ「もう寝ないとムクむわよ」
かのん「あはは……なんか緊張して眠れなくて……」
すみれ「私は今から寝るとこなんだけど?」
かのん「ごめん、ちょっとだけ!」
すみれ「仕方ないわね……」
すみれ「アンタ明日デートでしょ?」
すみれ「もう寝ないとムクむわよ」
かのん「あはは……なんか緊張して眠れなくて……」
すみれ「私は今から寝るとこなんだけど?」
かのん「ごめん、ちょっとだけ!」
すみれ「仕方ないわね……」
22: 2023/06/11(日) 21:43:09.39 ID:A1n79ERS.net
かのん「なんかさ、いよいよ明日だって思ったらワクワクしちゃって」
かのん「深夜のハイテンションって感じ?」
すみれ「それで電話してきたの?」
かのん「えっと、それと、その……」
かのん「やっぱり不安で、すみれちゃんと話したくて……」
すみれ「……」
かのん「深夜のハイテンションって感じ?」
すみれ「それで電話してきたの?」
かのん「えっと、それと、その……」
かのん「やっぱり不安で、すみれちゃんと話したくて……」
すみれ「……」
23: 2023/06/11(日) 21:45:37.89 ID:A1n79ERS.net
すみれ「かのん、目を閉じて」
かのん「え?」
すみれ「いいから。目を閉じて、リラックスするの」
かのん「うん……」
すみれ「それから深呼吸。ゆっくり吸って、吐いて」
かのん「スー、ハー」
すみれ「明日楽しみね」
かのん「うん」
すみれ「いろいろレクチャーしたけど、力みすぎず、楽しんできてね」
かのん「うん」
すみれ「楽しい報告待ってるわ」
かのん「うん。ありがとう」
かのん「え?」
すみれ「いいから。目を閉じて、リラックスするの」
かのん「うん……」
すみれ「それから深呼吸。ゆっくり吸って、吐いて」
かのん「スー、ハー」
すみれ「明日楽しみね」
かのん「うん」
すみれ「いろいろレクチャーしたけど、力みすぎず、楽しんできてね」
かのん「うん」
すみれ「楽しい報告待ってるわ」
かのん「うん。ありがとう」
24: 2023/06/11(日) 21:46:32.04 ID:A1n79ERS.net
すみれ「少しは落ち着いた?」
かのん「うん」
かのん「ねぇ、すみれちゃん」
すみれ「ん?」
かのん「あと20分だけ話そ」
すみれ「もう寝なさいったら寝なさい!」
かのん「うん」
かのん「ねぇ、すみれちゃん」
すみれ「ん?」
かのん「あと20分だけ話そ」
すみれ「もう寝なさいったら寝なさい!」
25: 2023/06/11(日) 21:49:00.06 ID:A1n79ERS.net
翌日 神社
すみれ妹「お姉ちゃん、私あっち掃除してくるね」
すみれ「はいはい」
すみれ「…………」ボーッ
箒を持った手を動かしてはいるけれど、気付けば同じ場所ばかり掃いている。
なんだか今日は集中できない。
(かのん『やっぱり不安で、すみれちゃんと話したくて……』)
すみれ「…………」
かのんは今頃デート中よね。
楽しんでるかしら。
私は持てる力をすべて使って、かのんをコーディネートした。
デートの成功を本気で願ったからだ。
だから「すみれちゃん、デートダメだった……」なんて、泣きながらかのんが電話してくるわけもなく。
きっとデートはうまくいってるんだ。
当然よ。キラーキューンまで伝授したんだもの。
(かのん『どう? 今、キュンとした?』クスッ)
すみれ「はぁ……」
すみれ「キュンとするに決まってるじゃない……」
その時だけじゃない。
1日ずっと、かのんにはキュンとさせられっぱなしだった。
こんなこと絶対に秘密だけど。
すみれ「もう、ほんと」
すみれ「どうにかなっちゃいそうだったわよ……」ギュッ
おわり
すみれ妹「お姉ちゃん、私あっち掃除してくるね」
すみれ「はいはい」
すみれ「…………」ボーッ
箒を持った手を動かしてはいるけれど、気付けば同じ場所ばかり掃いている。
なんだか今日は集中できない。
(かのん『やっぱり不安で、すみれちゃんと話したくて……』)
すみれ「…………」
かのんは今頃デート中よね。
楽しんでるかしら。
私は持てる力をすべて使って、かのんをコーディネートした。
デートの成功を本気で願ったからだ。
だから「すみれちゃん、デートダメだった……」なんて、泣きながらかのんが電話してくるわけもなく。
きっとデートはうまくいってるんだ。
当然よ。キラーキューンまで伝授したんだもの。
(かのん『どう? 今、キュンとした?』クスッ)
すみれ「はぁ……」
すみれ「キュンとするに決まってるじゃない……」
その時だけじゃない。
1日ずっと、かのんにはキュンとさせられっぱなしだった。
こんなこと絶対に秘密だけど。
すみれ「もう、ほんと」
すみれ「どうにかなっちゃいそうだったわよ……」ギュッ
おわり
26: 2023/06/11(日) 21:55:03.46 ID:A1n79ERS.net
ありがとうございました!
27: 2023/06/11(日) 22:17:41.40 ID:nzr9fW3+.net
面白かった!
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