719: 2019/07/20(土) 11:35:17.06 ID:h+W9Smybo

720: 2019/07/20(土) 11:38:58.83 ID:h+W9Smybo
凛「うん、番組の収録の時に貰って」

加蓮「凛だけズルいよねー?」

奈緒「いや、あたし達が貰っても意味ないだろ?」

加蓮「んー……」


加蓮「あ、そうだ!」

加蓮「バウリンガル、試しに使ってみない?」

加蓮「ね、良いでしょ?」


凛・奈緒「はいっ?」

武内P「……今、ですか?」

721: 2019/07/20(土) 11:46:01.63 ID:h+W9Smybo
凛「でも、犬なんてどこにも居ないでしょ」

加蓮「これって要は、犬とコミュニケーションを取るための物だよね?」

武内P「……成る程、そういう事ですか」

奈緒「どういう事だ? なあおい、説明しろって」


加蓮「アタシ達で、犬の鳴き声をやってみてさ」

加蓮「バウリンガルが、正しく判定してくれるか」

加蓮「……どう? 面白そうじゃない?」


凛「それは……確かに、ちょっと面白いかも」

奈緒「そうかぁ? 上手く出来ても、なんか複雑じゃないか?」

武内P「……此処で、ですか?」

722: 2019/07/20(土) 11:53:05.71 ID:h+W9Smybo
凛「プロデューサーって、よく犬に吠えられてるもんね」クスッ!

武内P「ええ、まあ……」

加蓮「アハッ! じゃあ、吠えられる役やってよ!」クスクスッ!

武内P「私が、ですか?」

奈緒「なんかごめんな? 二人、盛り上がってるし……良い?」

武内P「いえ、そうですね……」


武内P「……わかりました」

武内P「上手くいけば、何かの企画に使えるかも知れません」

武内P「皆さんの、バウリンガルを使用しての――相手役」

武内P「私が、勤めさせて頂きます」


凛「……いや、そんなに気合入れなくても良いってば」

加蓮「ちょっとした遊びだって、ねっ?」

奈緒「でもまあ、そう言われたら……頑張ってみるか!」

723: 2019/07/20(土) 11:58:41.92 ID:h+W9Smybo
  ・  ・  ・

武内P「――では、私がバウリンガルを持ち」

武内P「皆さんの犬の鳴き真似を判定していこうと思います」


加蓮「とりあえず、最初は凛からで」

奈緒「だな、上手く出来そうだし」

凛「私から? まあ、良いけど」


加蓮「――何かの意図を込めて、鳴き真似をして」

奈緒「――バウリンガルに、判定して貰う」

凛「――それで、意図を発表して……答え合わせ、ね」


武内P「了解しました」

武内P「では……いつでもどうぞ」

724: 2019/07/20(土) 12:03:32.50 ID:h+W9Smybo
凛「……なんか、ちょっと緊張するかも」

武内P「少し、リラックスした方が良いかも知れませんね」

凛「何で?」

武内P「緊張が乗って、判定結果が違ってしまう場合も」

凛「あ、そっか」


凛「すぅ……ふぅ……」

凛「……ん、もう大丈夫」

凛「いくよ?」


武内P「はい」


凛「――わんっ」


武内P「……」

判定中…

725: 2019/07/20(土) 12:08:40.12 ID:h+W9Smybo
加蓮「ふふっ! 凛、犬の鳴き真似上手いじゃん!」クスクスッ!

奈緒「くくっ! まさか、あんな真面目にやるなんて!」クスクスッ!

凛「いや、だって! 付き合って貰ってるんだし!」

加蓮「それで、今のってどんな鳴き声?」

奈緒「お腹が空いた、とかか?」

凛「違うから」


凛「――信頼してる、かな」


加蓮・奈緒「おー!」


凛「ちょっと! そういう反応やめてくれる!?」


武内P「判定結果は――」



『好き』



武内P「……」

武内P「えっ?」

726: 2019/07/20(土) 12:13:41.80 ID:h+W9Smybo
凛「? どうしたの?」

武内P「あ、いえ……」

凛「もしかして、エラーとか出た?」

武内P「! はい、すみません……」

凛「じゃあ、今度は大きな声でやってみるから」

武内P「……はい、お願いします」


凛「――わんっ!」


加蓮「う~ん、ちゃんとやってよ、とか?」

奈緒「声が大きくなっただけで、信頼してる、のままだろ?」

凛「奈緒が正解」



武内P「……」


『大好き!』


武内P「…………」

728: 2019/07/20(土) 12:20:33.05 ID:h+W9Smybo
凛「どうだった?」


武内P「あ、いえ!」

武内P「どうしても、犬用なので細かいニュアンスは違いますが……」

武内P「同じ意味の言葉が出てきました……その、概ね」


凛「? なんか、ひっかかる言い方だけど……」

加蓮「へー! 凛、凄いじゃん!」

凛「え、あ、うん……そう、なのかな」

奈緒「ハナコに話しかける時は、犬語でも良いんじゃないか?」

加蓮「でも、信頼してる、だなんて……ふふっ! 凛~?」

凛「っ!?/// いや、今のは……!///」

奈緒「あはは! 照れるなって~!」


武内P「……!」ホッ!

729: 2019/07/20(土) 12:25:21.69 ID:h+W9Smybo
加蓮「それじゃあ、もう一言だけやっとこっか!」ニコニコ!

奈緒「だな! 信頼してるプロデューサーさんに!」ニコニコ!

凛「私は、もう良いってば!///」

加蓮・奈緒「まあまあ!」


武内P「……」


凛「~~っ!///」

凛「――わんっ!」


加蓮「ねね、今のはどんな意味?」ニヤニヤ!

奈緒「なあ、早く教えろよ! り~ん~!」ニヤニヤ!

凛「……こういう時はフォローして、って意味!」


武内P「……」


『もっと構って~!』


武内P「…………はい、合っています」

730: 2019/07/20(土) 12:34:44.27 ID:h+W9Smybo
凛「もう……! ほら、次は加蓮!」

加蓮「私? えー、キャラじゃなくない?」

奈緒「お前、その逃げ方はズルいだろ!?」

凛「加蓮?」

加蓮「あははっ、ジョーダンだって!」


加蓮「ん~……どんなのにしよっかな」

加蓮「……」

加蓮「よし、決めた。準備オッケー?」


武内P「……はい」

武内P「いつでもどうぞ……」

731: 2019/07/20(土) 12:42:38.56 ID:h+W9Smybo
加蓮「それじゃ、いくよ~……」

武内P「……はい」


加蓮「――わんっ♪」


凛「ちょっと……それ、なんか違わない?」

奈緒「犬っていうか、思いっきり加蓮だろそれ」

加蓮「どう? 可愛かったでしょ?」ニコッ!

凛「加蓮……?」

加蓮「アハハッ! 今のは練習だって!」

奈緒「次は、真面目にやれよな~?」


武内P「っ……!」


『可愛いでしょ?』


武内P「……!!」

732: 2019/07/20(土) 12:49:09.42 ID:h+W9Smybo
加蓮「それじゃ、本番ね!」ニコッ!

武内P「……あっ、あの――」


加蓮「――わんわんっ」


『もっと見て』


武内P「っ!?」


加蓮「――わんわーんっ」


『もっと知って』


武内P「ほ、北條さん……!?」


加蓮「――わぉ~んっ」


『好きになって』


武内P「……!?……!?」

734: 2019/07/20(土) 12:57:56.99 ID:h+W9Smybo
加蓮「どう? ポン、ポン、ポンッ、ってやってみたんだけど」


武内P「え、ええ……」


凛「ねえ、今のってもしかして……長文?」

加蓮「そっ! 長い文章も出来るのかな~、って!」

奈緒「ちなみに、どんな意味だったんだ?」

加蓮「んー?」


加蓮「――担当じゃないけれど」

加蓮「――お仕事で絡むこともあるし」

加蓮「――宜しくお願いしま~す」


加蓮「って意味!」

凛「そんなの、犬が言う筈ないでしょ!」

奈緒「真面目なフリして、それはズルくないか!?」


武内P「……!」

735: 2019/07/20(土) 13:05:17.70 ID:h+W9Smybo
加蓮「それで、判定の結果はどうだったの?」


武内P「あ、いえ!」

武内P「仕事等の単語は出てはきませんでしたが……」

武内P「似たような言葉が出てきて、はい……宜しくお願いします」


加蓮「えーっ! バウリンガル、超凄くない?」

凛「ふーん、よく出来てるね」

奈緒「気持ちを込めたら、言葉って通じるもんなんだな」

加蓮「私の犬の鳴き真似が上手かったのもあるんじゃない?」

凛「確かに、結構本格的だったかも」

奈緒「やめろよ~! なんかプレッシャーを感じるだろ~!」


武内P「……!」

736: 2019/07/20(土) 13:11:03.89 ID:h+W9Smybo
凛「ふふっ! 奈緒、期待してるから」ニコッ!

加蓮「奈緒~? 手を抜いたりはしないよね~?」ニヤニヤ!

奈緒「ぐっ!? にっ、逃げ道を塞ぐなぁ!」


武内P「……!」


奈緒「っ……!」

奈緒「――こんにちは!」

奈緒「――ワンッ!」


凛「えっ? 先に、答えを言うの?」

加蓮「それにしたって、こんにちは、って……」

奈緒「しょ、しょうがないだろ!? 思いつかなかったんだから!」


武内P「……」


『お腹空いた~!』


武内P「……成る程」

737: 2019/07/20(土) 13:17:42.15 ID:h+W9Smybo
奈緒「なあ、どんな判定が出た? 合ってたか?」

武内P「あの……神谷さん、お聞きしても?」

奈緒「うん?」

武内P「……お腹は、空いていますか?」

奈緒「へっ?」

武内P「……」

奈緒「……」


凛・加蓮「……ぷっ!」

凛「なっ、奈緒……帰りにどっか寄ってこうか……ふっ、ふふふっ!」

加蓮「うっくくく……! あー、ダメ……お腹痛い、あははっ!」


奈緒「~~っ!///」

奈緒「お前ら、笑いすぎだろぉっ!?///」

738: 2019/07/20(土) 13:23:51.98 ID:h+W9Smybo
奈緒「バウリンガルが間違ってるだけだって!///」

武内P「す、すみません……」

奈緒「謝るなってぇ!///」


凛・加蓮「あははははっ!」

凛「なっ、奈緒……もう一回、やってみたら?……ふふっ!」

加蓮「そ、そうだね……! そしたら、わかる……あーダメ、おっかしっ!」


奈緒「~~っ!///」

奈緒「――ワァンッ!」


『ゴハンちょうだい~!』


武内P「…………笑顔です」


奈緒「なんで申し訳なさそうに言ってるんだよぉっ!?///」

凛・加蓮「あはっ、あははははっ!」

739: 2019/07/20(土) 13:28:16.37 ID:h+W9Smybo
  ・  ・  ・

その夜


奈緒「……くっそ~っ!」

奈緒「凛も加蓮も、散々笑いやがって……!」


奈緒「……」


奈緒「でも、まあ……」

奈緒「あの後、ゴハン連れてって貰えたし……」

奈緒「……結果的にはアリ、か?」


奈緒「…………」


奈緒「いや、なんか納得出来ない!」

奈緒「次の機会があったら、今度は絶対上手くやってやる!」

740: 2019/07/20(土) 13:32:11.20 ID:h+W9Smybo
  ・  ・  ・

加蓮「何々~?」

加蓮「……へぇ、バウリンガルってよく出来てるんだ」

加蓮「……」

加蓮「ん? アプリもあるんだ」


加蓮「……」


加蓮「面白そうだし、入れてみようかな」

加蓮「犬の言葉で、ドキッとするような事言ってみたり?」

加蓮「……マズったら、翻訳がおかしいって言えるし」


加蓮「…………」


加蓮「ん、オッケ」

加蓮「それじゃ、寝る前にちょっと遊んでみよっかな~」

741: 2019/07/20(土) 13:38:55.67 ID:h+W9Smybo
  ・  ・  ・

凛「設定は……うん、これで良いかな」

凛「ハナコを驚かせないように、小さな声でやらないと」

凛「……でも、どうしようかな」

凛「最初は、どんな言葉を練習しようか……」


凛「……」


凛「……ありがとう、かな」

凛「今までもそうだし、それに今日だって……」

凛「……いや、プロデューサーは関係無いから」


凛「――わんっ」


凛「…………」



凛「嘘でしょ?」




おわり

引用元: 武内P「ラッキースケベです」