757: 2019/07/21(日) 20:36:02.52 ID:iGJ+U9/To

758: 2019/07/21(日) 20:39:44.42 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「ダー……間違いない、です」

武内P「いえ、ですが」

アーニャ「シトー?」

武内P「……」


のあ「真実は一つでも、見えているとは限らない」

のあ「……つまりは、そういう事よ」


CPアイドル達「…………」


武内P「……すみません」

武内P「高峯さん、話に乗らないで下さい」

759: 2019/07/21(日) 20:44:25.35 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「プロデューサーとノアは……静かな人、ですね?」

武内P「いえ、ですが」

アーニャ「シトー?」

武内P「……」


のあ「思考を止めているのではないわ」

のあ「……ただ、それを全て伝達する術は、言葉だけに限らない」


CPアイドル達「…………」


武内P「……高峯さん」

武内P「アナスタシアさんの、話に乗るのは、やめてください」

760: 2019/07/21(日) 20:48:42.10 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「プロデューサーとノアは……食べるのが好き、ですね?」

武内P「いえ、ですが」

アーニャ「シトー?」

武内P「……」


のあ「人が己の欲を満たそうとするのは、当然の行為」

のあ「食事というのは、当然、必要……そして、娯楽でもあるわ」


CPアイドル達「…………」


武内P「確かに」

武内P「……待ってください、食事に関して同意しただけです」

761: 2019/07/21(日) 20:51:55.31 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「プロデューサーとノアが……好きな食べ物は、何ですか?」

武内P「えっ?」

アーニャ「トゥリー♪ ドヴァー♪ アジーン♪」

武内P「えっ、あっ」


武内P・のあ「ハンバーグ」


アーニャ「……ハラショー♪」


CPアイドル達「…………」


武内P「まっ、待ってください!」

武内P「咄嗟に出たのがハンバーグなだけであって……!」

762: 2019/07/21(日) 20:59:17.94 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「プロデューサー、アーニャの趣味、知っていますね?」

武内P「天体観測、ですね」

アーニャ「ダー♪ ズヴィズダー、星を見るのが好き、です♪」

武内P「……」


のあ「私達の目に映る星の輝きは、遥か過去のもの」

のあ「けれど、それを見ている瞬間は、現在と過去が繋がっている」


CPアイドル達「……」


武内P「……いえ、確かに」

武内P「高峯さんの趣味も、天体観測ですが……」

763: 2019/07/21(日) 21:09:13.74 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「オイ シトー ジェーラチ? ンー?」キョロキョロ!

アーニャ「あれ、どうしましょう? ンーッ?」キョロキョロ!

アーニャ「プロデューサー、大変、です!」

武内P「……何が、ですか?」


アーニャ「プロデューサーの子供が、ノアですね?」

アーニャ「アーニャとノアの趣味が、一緒ですね?」

アーニャ「オイ シトー ジィィェ~~ラチ?」ニコッ!


のあ「夜空に無数に存在する星を一人で見るのは、むしろ強欲」

のあ「でも、誰かと分け合う事が出来るのなら、より価値のあるものになるわ」


CPアイドル達「…………」


武内P「……すみません」

武内P「皆さん、何か言って下さい……!」

764: 2019/07/21(日) 21:21:34.41 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「オーッ! アー! 大変、です!」ペチンッ!

武内P「……どうしましたか?」

アーニャ「ニェート! 言えない、です! ニェ~~ット!」フルフル!

武内P「は、はあ……」


アーニャ「アーニャ、ハンバーグを作る練習、しています!」

アーニャ「プロデューサーとノアが好きな、ハンバーグ!」

アーニャ「ニェート! ニェニェニェニェ――~~ット!」アチャー!


のあ「誰のためかは、さほど重要ではないわ」

のあ「重要なのは、貴女の感情が、どれだけ込められているかよ」


CPアイドル達「…………」


武内P「はい、料理は愛情と言いますから」

武内P「……」

武内P「……待ってください、今のは……待ってください」

765: 2019/07/21(日) 21:33:07.50 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「ニェート……! そんな、まさか……!」

武内P「いえ、ですが」

アーニャ「ニェッ!」シ~ッ!

武内P「……」


のあ「……三人で、囲む食卓」

のあ「そこにハンバーグがあるのなら、私にとってはパーティーに等しい」

のあ「……ええ、味わい深い時間になりそうね」


アーニャ「ニェ~~~~ット!///」クネクネッ!

アーニャ「アーニャは、ホームパーティーが趣味、です!///」イヤンイヤン!


CPアイドル達「……」


武内P「まっ、待ってください!」

武内P「そこに、私の意見は何も反映されていません!」

766: 2019/07/21(日) 21:42:26.46 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「シトー?」

アーニャ「プロデューサー、ハンバーグが好き、ですね?」

武内P「それは……ええ、まあ」


アーニャ「シトシトー?」

アーニャ「ノア、ハンバーグが好き、ですね?」

のあ「ええ、ハンバーグの持つ引力は、私を惹きつけてやまない」


アーニャ「シトシトシトー? ンー……パーティーは?」

武内P「……」


アーニャ「………………嫌、ですか?」ウルッ!


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「嫌だとは、決して思いません」


CPアイドル達「プロデューサー!!!」


武内P「はい、土下座する心の準備は出来ています」

767: 2019/07/21(日) 21:53:31.67 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「アー、家族水入らず、ですね?」

武内P「待って下さい、アナスタシアさん」

アーニャ「ニェート、時計の針、動き始めました」

武内P「その時計は修理に出してください」


武内P「パーティーならば……」

武内P「……三人である必要は、無いとは思いませんか?」


アーニャ「っ……!」


智絵里「でも……お父さんとお母さんと、三人でテーブル囲んで」

智絵里「美味しいご飯があって、会話が弾んで……笑顔があって」

智絵里「それだけじゃ……ダメ、ですか?」

智絵里「あったかい食卓なだけで……わたしは、幸せだと思うんです」


武内P「待ってください!」

武内P「緒方さん、その……待ってください!」

768: 2019/07/21(日) 22:00:33.16 ID:sVy99lNDO
重いよ、ちえりん!

769: 2019/07/21(日) 22:07:36.55 ID:iGJ+U9/To
CPアイドル達「……」スンッ…


武内P「皆さん! えっ、笑顔です!」

武内P「くっ……緒方さんの奇襲は、あまりにも……!」


アーニャ「オー! 今、気付きました!」

アーニャ「アーニャと、ノアの、髪の色!」

アーニャ「ハラショー♪ とっても、似ています♪」ニコッ!


のあ「似ているけれど、同じでは無い……」

のあ「混じり合い、溶け合って生まれた、新たな色」


アーニャ「ニェート/// ノア、いけません///」テレテレ!

アーニャ「プロデューサー、頑張りますか?///」チラッ!


武内P「何をですか!?」

武内P「……待ってください、言わないでください!」

770: 2019/07/21(日) 22:22:00.03 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「でも……アーニャはアイドル、です」

武内P「! はい!」

アーニャ「プロデューサーが……皆が、困ってしまいますね?」

武内P「はい、その通りです!」


のあ「困難や苦難は、どの道にも待ち受けているものよ」

のあ「しかし、それは実像ではなく、虚像の時もある」

のあ「実像だとしても、それを乗り越えていけるのが……アイドル」

のあ「歌と踊りは、それを助ける神と呼ばれる存在へ、奉納へされていたもの」


CPアイドル達「……!」


武内P「……」

武内P「待ってください」

771: 2019/07/21(日) 22:27:14.72 ID:iGJ+U9/To
武内P「高峯さんは……この状況を楽しんでいませんか?」

のあ「私が? 楽しんでいる?」

武内P「はい」

のあ「どうかしら。判明している……三つの要素」

武内P「……それは、一体?」


のあ「――ハラハラ」

のあ「――ドキドキ」

のあ「――ワクワク」


のあ「……これらが、私の中で高まり、上手く感情を言葉に出来ないわね」


武内P「……成る程」

武内P「高峯さんが、私の想像以上に楽しんでいるのがわかりました」

772: 2019/07/21(日) 22:42:10.42 ID:iGJ+U9/To
CPアイドル達「困難を……乗り越える……!」


武内P「み、皆さん!?」

武内P「何故、噛みしめるように……その言葉を!?」


アーニャ「ニェ――ット! ダメ、です! ムリ、です!」

アーニャ「プロデューサーは、子供が、います!」

アーニャ「アーニャが、お腹を痛めて、生みました!」

アーニャ「星の! 綺麗な! 夜でした!」


武内P「何故、そんなわかりきった嘘を!?」


のあ「世界には、無限の可能性が溢れているわ」

のあ「有り得ないという言葉は……」

のあ「……有り得ない事が起きた時にも、使われる」

のあ「なら、全ては有り得る、起こり得るのではないかしら?」


武内P「まず、貴女はアナスタシアさんより歳上です!」

773: 2019/07/21(日) 23:07:25.50 ID:iGJ+U9/To
  ・  ・  ・

のあ「――労いの言葉は、必要かしら?」


武内P「いえ、大丈夫です……」


のあ「貴方なら、そう言うとわかっていたわ」

武内P「……」

のあ「けれど、聞きたかった。いえ、聞いてみたかったのかも知れない」

武内P「何を……ですか?」

のあ「貴方が、自分から労って欲しい時は、何と言うのかを」

武内P「……」


のあ「――肩を揉ませて頂戴」

のあ「まだ、今の貴方には必要ないかも知れないけれど」

のあ「……これは、とても重要なコミュニケーションだから」


武内P「? はあ……いえ、しかし」



のあ「時を超えても、変わる事は無いわ」

のあ「そして……真実は、闇の中」




おわり

774: 2019/07/21(日) 23:09:04.27 ID:gJZgH8Qi0
おや・・・?

775: 2019/07/22(月) 00:37:54.68 ID:xObBiqjSo
第四の壁を超える系アイドルがここにも

777: 2019/07/22(月) 01:39:24.13 ID:4CL/2FEjo
急に出て来て空気をどん底まで重くするちえりん好き

引用元: 武内P「ラッキースケベです」