1: 2013/01/25(金) 00:14:00.63 ID:GM6rKL9/0
P「ああ。思いの外と言ってはなんだが、すごく家庭的な料理が出てな。とても美味しかった」

凛「ふーん…」

P「しかし美嘉は家じゃ髪を下してるんだな。あれはあれで良いな、今度そういうスタイルで売り出してもいいかもしれない」

凛「どんな感じだったの?」

P「きれいだったぞ。普段と違ってしっとりした雰囲気が出てて色っぽかった」

凛「………へぇー…」

P「担当アイドルが家でどんな感じなのか知る機会ってあまりないし、意外な発見があるもんだな」

凛「………………………………」
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(9) (電撃コミックスEX)

2: 2013/01/25(金) 00:15:53.06 ID:GM6rKL9/0
P「凛は最近誰かの家に行ったりしたのか?」

凛「加蓮の家にお見舞いに行ったくらいかな。特に変わったことはないかも」

P「そっか。俺も一度行っておこうかなー」

凛「…………」

――――――

美嘉「あ、凛!おっはよー★」

凛「…おはよ、美嘉」

美嘉「どしたの?元気ないじゃん」

凛「そういう美嘉はご機嫌だね。何かあったの?」

美嘉「えっへへー、内緒★」

4: 2013/01/25(金) 00:17:02.68 ID:GM6rKL9/0
凛「もしかしてあれかな?プロデューサーが美嘉の家でごちそうになった、ってやつ?」

美嘉「え?誰から聞いたの!?」

凛「当のプロデューサー本人から」

美嘉「うっ…プロデューサーめ、口の軽い…」

凛「楽しかった?」

美嘉「うん!あれで泊まっていってくれてたらサイコーだったんだけどなー、さすがにそれはダメだってプロデューサーが…」

凛「…ふーん…」

美嘉「まあゆっくりしていってもらったし、私も楽しかったからいっか!」

5: 2013/01/25(金) 00:17:42.89 ID:GM6rKL9/0
凛「…ご飯食べていっただけじゃないんだ?」

美嘉「えっ?」

凛「ゆっくりしていってもらった、って言ったよね?ご飯食べていっただけじゃないんだ?」

美嘉「うっ…」

美嘉(や、ヤバい。部屋で二人っきりになった時のこと思い出してどぎまぎしちゃってる…)

凛「どうしたの?」

美嘉「へ?う、ううん!何でもないよ!?」

7: 2013/01/25(金) 00:18:30.20 ID:GM6rKL9/0
凛「何かテンパってない?プロデューサーと何かあったの?」

美嘉「い、いや何にも?り、莉嘉もいたしね!」

凛「莉嘉がいなかったら何かあったの?」

美嘉「ううっ…」

凛「……まあいいや。訊いてもしょうがないし」

凛「私これから仕事だから。じゃあね、美嘉」

美嘉「う、うん。またねー」

美嘉(こ、怖かった…)

9: 2013/01/25(金) 00:19:40.89 ID:GM6rKL9/0
――――――

凛「……」

凛(最近、プロデューサーと過ごすことってあんまりないな)

凛(私が力をつけて、経験を積み重ねて、売れるようになるほどに)

凛(プロデューサーはより経験の浅い子のために時間を割く。それは仕方のないこと)

凛(…でも、今回のことは違う)

凛(……)

凛(プロデューサーは、私から離れていっちゃうのかな)

10: 2013/01/25(金) 00:20:11.91 ID:GM6rKL9/0
凛「…ん?」

ちひろ「お疲れ様です、プロデューサーさん。何してるんですか?」

P「ああ、お疲れ様です。新しく入った子たちの中で、誰をプッシュしていこうかなと考えてたんですよ」

ちひろ「今回も個性的な子が入りましたよね。みんな輝く可能性を秘めてるって感じがします!」

凛「……………………」

ちひろ「この事務所も大きくなりましたねえ。初めにいた子たちも、今じゃ売れっ子ばかりですよね」

P「そうですね…やっぱり感慨深いです」

12: 2013/01/25(金) 00:20:56.88 ID:GM6rKL9/0
ちひろ「最初に担当したのって、確か凛ちゃんでしたよね」

P「ですね。ここまで成長してくれて、感無量ですよ」

凛(プロデューサー…)

ちひろ「あらあら、まだまだ先は長いですよ、プロデューサー?感無量なんて言ってる場合じゃないです」

P「はは、それもそうですね」

P「ですが…」

凛(……?)

P「最近の凛を見てると、もう自分は必要なくなってるんじゃないかって思うんですよ。もしかしたら、俺がいなくてもやっていけるんじゃないかな、って」

凛(……!!!)

14: 2013/01/25(金) 00:21:42.74 ID:GM6rKL9/0
ちひろ「ちょ、ちょっとプロデューサーさん…凛ちゃんがそんなこと聞いたら…」

凛「………………………」ガタンッ!!

ちひろ「えっ?あっ、凛ちゃん!」

P「凛っ!?」

凛「………………………」ダッ!!

ちひろ「り、凛ちゃん!」

ちひろ「凛ちゃん、もしかして今の聞いてて…」

P「……俺、凛のこと追いかけてきます」ダッ

ちひろ「はっ、はい!」

15: 2013/01/25(金) 00:22:13.94 ID:GM6rKL9/0
――――――

凛「……」

凛(自分は必要ない、か)

凛(私は、プロデューサーと一緒に居たい)

凛(でもきっと、プロデューサーは私と一緒に居たいわけじゃなかったんだ)

凛(…ははっ、何考えてんだろ、私)

凛(あの人にとって、私は仕事の相手でしかない)

凛(仕事だから一緒にいてくれて、私を支えてくれた)

凛(そんなことにも、気が付けないなんて…)

17: 2013/01/25(金) 00:23:04.29 ID:GM6rKL9/0
P「こんなとこにいたのか。探したぞ」

凛「わざわざごめん。大丈夫、ちゃんと事務所に戻るから」

P「ああ、だがその前に…誤解を解かせてくれないか」

凛「…誤解?何の?」

P「俺が、凛について言ったことだよ」

凛「ああ…いいよ別に。気にしてないから」

P「…俺があの時言った言葉は、本心だ」

凛「……だろうね」

20: 2013/01/25(金) 00:25:55.64 ID:GM6rKL9/0
凛「私とあなたは、アイドルとプロデューサーだもんね」

凛(……仕事の関係に、過ぎないもんね)

P「その通りだ。俺と凛は、アイドルとプロデューサーだ」

P「だからこそ、俺はお前から離れたくない」

凛「……えっ?」

P「俺は凛のプロデューサーで、凛は俺のアイドルだ」

P「その俺が、途中で凛から離れると思うか?俺はそんなの認めない」

P「凛をもっと輝かせることができるのは俺だけだ。例え凛が『もうあんたなんか要らない』って言ったとしても、俺は最後の最後まで凛を担当するぞ」

凛「………プロデューサー…」

21: 2013/01/25(金) 00:27:31.85 ID:GM6rKL9/0
凛「…ふふっ。そんな恥ずかしいことを言ってもらえるなんて、思ってもみなかったな」

P「う…よく考えると、すげー恥ずかしかったかも」

凛「…これからもよろしく、プロデューサー。あんなこと言ったからには、きっちり最後までプロデュースしてね?」

P「おう、任せとけ」

凛(ずっと一緒だよ、プロデューサー)

―――――

凛「美嘉、おはよ」

美嘉「お、おはよう、凛」

22: 2013/01/25(金) 00:28:20.00 ID:GM6rKL9/0
美嘉「そういえば凛、昨日荒れてたって聞いたけど、大丈夫なの?」

凛「うん、全然平気」

美嘉「そ、そっか、良かったー★」

凛「……」

美嘉「……」

美嘉(き、気まずい…)

美嘉「そ、そういえば今日、プロデューサーと仕事なんだよねー。はりきっていかなきゃ…」

凛「………………………………………………」

24: 2013/01/25(金) 00:30:16.01 ID:GM6rKL9/0
美嘉(し、しまった、よりにもよってプロデューサーの話をしちゃうとか…!)

凛「……」

美嘉(アイエエエ…)

凛「…大丈夫だよ?」

美嘉「へ?」

凛「プロデューサーが言ってたんだ。あの人は私のプロデューサーで、私はあの人のアイドルだって。私たちはそういう関係なんだって」

25: 2013/01/25(金) 00:31:03.07 ID:GM6rKL9/0
美嘉「ぷ、プロデューサーとアイドルの関係?」

凛「そう。男女の関係とか恋愛とか、必要ない。プロデューサーとアイドルだから、ずっと一緒に、ずっと離れずにいられる」

凛「あの人が言ってたんだよ、凛から離れたくないって。私から離れたくないって。だから、私とプロデューサーはずっと一緒なんだよ?」

美嘉「り、凛…?」ゾッ

凛「だから…」

凛「だから私は、大丈夫だよ?」ニコッ

おわり

27: 2013/01/25(金) 00:32:01.54 ID:GM6rKL9/0
支援してくださった方、アドバイス下さった方、読んでくださった方、ありがとうでした。
しぶりんと姉ヶ崎育ててきます。

28: 2013/01/25(金) 00:32:42.96 ID:KGPBSsw20
アイエエエエ!?もう終わり?おつ

引用元: 凛「……へえ。美嘉の家でご飯食べてきたんだ、プロデューサー?」