278: 2019/08/28(水) 16:14:13.44 ID:+AP/mhIGo

279: 2019/08/28(水) 16:17:42.35 ID:+AP/mhIGo
奈緒「はっ、はあっ!?」

加蓮「えっ、奈緒ってそんなレベル?」

凛「ちょっと加蓮、言い方」

奈緒「いっ、良いクリームとかあればな~、って話だったろ!?」

武内P「……」


武内P「いえ……良い機会かも知れません」

武内P「神谷さんは、全身脱毛を受けられるのが良い、と」

武内P「……そう、思います」


奈緒「……!?」

加蓮・凛「……」

280: 2019/08/28(水) 16:22:01.31 ID:+AP/mhIGo
奈緒「別に良いって! マジで!」

武内P「神谷さん?」

加蓮「ねえ、脱毛って経費で落ちたりするの?」

武内P「はい、落ちます」

凛「えっ、そうなの?」

武内P「部署にもよりますが、神谷さんと北条さんの部署は……はい」


加蓮「奈緒、脱毛しちゃいなって!」

凛「まあ……タダならやってみても良いんじゃないの?」


奈緒「~~っ!」

奈緒「そういう問題じゃない!」

281: 2019/08/28(水) 16:26:46.03 ID:+AP/mhIGo
奈緒「あたしは! やりたくない! って言ってるだろ!?」

加蓮・凛「なんで?」

奈緒「なんでも! ほっといてくれって!」

武内P「……わかりました」

凛「ちょっと、プロデューサー?」

加蓮「えー? せっかくだから、した方が良くない?」


武内P「――こういった時のために」

武内P「346プロダクションが制作した映像がありますので……」

武内P「……まずは、こちらを御覧ください」


加蓮・凛「へっ?」

奈緒「はあっ!?」

282: 2019/08/28(水) 16:32:01.01 ID:+AP/mhIGo
加蓮「そんなの作ってたの?」

武内P「はい、脱毛に関しては不安になる方も多いので」

凛「……普通、そのために映像まで作る?」

武内P「必要な事だと……出演されている方の、強い要望で」

奈緒「誰が映ってたって、あたしの考えは変わらないからな!?」

武内P「……では、スタートします」


瑞樹『――瑞樹と!』

楓『――楓の、ふふっ!』

瑞樹・楓『脱毛のすゝめ~♪』


早苗『ちょっと! カメラ止めなさいよ! ねえってば!』


パラパパ~♪


加蓮・凛「……なんか、本格的」

奈緒「嫌がってる! 一人、嫌がってるだろ!?」

283: 2019/08/28(水) 16:40:02.59 ID:+AP/mhIGo
楓『この映像を見ている、画面の前のアイドルの貴女』

瑞樹『脱毛が気になってるけど、不安なのよね。わかるわ~』

早苗『騙されちゃ駄目よ! 気をしっかりもって!』


加蓮「ねえ……何かさ」

凛「……一人、反対派が混じってるんだけど」

武内P「これは、片桐さんの脱毛の際に撮影されたものですので……」

奈緒「はい! 騙されません、絶対に!」


楓『まずは……こちらを見てください』

早苗『やっ、ちょっ!? 無理! 無理無理無理無理!』

瑞樹『仕事が無いと思って気を抜いてた、早苗ちゃんのワキよ』

早苗『ほんっと無理だって! むああああ!?』コンニチハ!


加蓮・凛「……あー」

奈緒「止めてくれ! この映像、止めてくれよ!」

武内P「……すみません」

284: 2019/08/28(水) 16:46:54.62 ID:+AP/mhIGo
楓『早苗さんも、普段は気を付けてるんですけど……』

早苗『そっ、それは! なんか連日飲みが続いて!』

瑞樹『時間を取らせなかったもの、わかるわ』

早苗『えっ!? 何!? 計画的な反抗だったの!?』


瑞樹・楓『は~い♪』ニコッ!


早苗『タイホタイホ! 乙女の公務執行妨害でタイホするわ!』


加蓮・凛「え……えげつない……!」

奈緒「脱毛してないと、ここまでされなきゃいけないのか!?」

武内P「……笑顔です」

奈緒「何がだよ!?」


武内P「連日飲みに行っている時の片桐さんは……良い、笑顔をしていました」


奈緒「だから!?」

285: 2019/08/28(水) 16:51:57.28 ID:+AP/mhIGo
楓『……早苗さん、良い機会だと思うんです』

瑞樹『そうよ。脱毛しちゃえば、こんな事にならないのよ?』チラッ!

早苗『ワキを見ながら言うんじゃないわよ!』


早苗『脱毛なんて、絶対に嫌!』

早苗『だって、なんかビームを当てるんでしょ!? ビームを!』

早苗『警察だってそんなの使わないわよ!』

早苗『ビームなんてロボコップの世界じゃない! 絶・対・嫌!』


奈緒「……!」コクコクコクコク!


加蓮「いや、すっごい頷いてるけど……」

凛「……ビームじゃないでしょ」

武内P「ええ、まあ……」

286: 2019/08/28(水) 16:58:28.13 ID:+AP/mhIGo
楓『まず、医療脱毛とエステ脱毛の違いを説明していきま~す♪』

瑞樹『似ているようだけど、全然違うから覚えておいてね♪』

早苗『無視!?』

楓『私達がオススメするのは――』

瑞樹『――ズバリ!』


瑞樹・楓『医療脱毛!』

『バキューン♪』


早苗『あたしの声じゃない! あたしの声じゃないの!』

早苗『勝手にエフェクトに使ってんじゃないわよ!』


加蓮・凛「医療脱毛……」

奈緒「だっ、脱毛は脱毛だろ!?」

武内P「……映像の続きを」

287: 2019/08/28(水) 17:08:29.11 ID:+AP/mhIGo
楓『――医療脱毛は』

楓『お医者様の監督が無いと扱えない、医療用のレーザーを使います』

楓『このレーザーで、組織を完全に破壊して永久脱毛する……』

楓『ふふっ! 医療用は、良い要領……うふふっ!』


早苗『ピピーッ! 楓ちゃんストップ、待ちなさい!』

早苗『破壊は何も生まないわ!』

早苗『ちゃんとタイホして、罪を償わせないと!』


瑞樹『何言ってるの?』



奈緒「そうだ! 『フルボッコちゃん』でも……今の無し!」

凛「フルボッコにするしね」

加蓮「へー、そうなんだ」

武内P「ちなみに、プロダクション内でも医療脱毛は受けられます」

288: 2019/08/28(水) 17:18:20.99 ID:+AP/mhIGo
瑞樹『――そして、エステ脱毛。美容脱毛とも言うわね』

瑞樹『これは、エステティシャンの人でも扱えるパワーの、光脱毛になるわ』

瑞樹『パワーが弱いけれど、肌トラブルのリスクも比較的に低い』

瑞樹『……でも、ダメージを与えるだけだから、効果は一時的なものになるわ』


早苗『へー!』

早苗『じゃあ、ちょっとリスクはあっても医療脱毛の方が得なのね!』


楓『お医者様が居らっしゃいますから、対応の速度も違います』

楓『脱毛自体、リスクのあるものなので……』

楓『事前の診断もしっかりしてるので、リスクとしては同じ位だと思います』


早苗『なるほどー! 確かに、その方が安心ね!』



奈緒「騙されちゃ駄目だって――っ!」

奈緒「なんか……なんかもう、引っ張られてる!」

加蓮・凛・武内P「……」

289: 2019/08/28(水) 17:27:45.74 ID:+AP/mhIGo
楓『後は、料金や期間に関してなんですけど……』

瑞樹『早苗ちゃん、ここまでで何か質問はある?』


早苗『……でも』

早苗『やっぱり……痛いのよね?』


瑞樹・楓『個人差』


早苗『そこ! そこが問題なのに、個人差ってのが!』

早苗『あたし、痛いのやーよ!? だって、痛いじゃないの!』



奈緒「……!」コクコクコクコク!

加蓮「アタシも……うーん、やっぱり苦手」

凛「私は……結構、我慢出来るかな?」

武内P「待ってください、続きが」

290: 2019/08/28(水) 17:36:53.43 ID:+AP/mhIGo
楓『私の場合は、麻酔入りのクリームを』

瑞樹『私は、笑気麻酔でやったわね』

早苗『えっ!? 麻酔とか使ってくれるの!?』

楓『それでも、人によっては痛みを感じるらしいですけど……』

瑞樹『施術回数を増やして、一回の負担を減らす方法もあるわね』

早苗『……』


早苗『ちょっとカメラ止めて、考えるから』


瑞樹・楓『はーい』


スウッ―


奈緒「!? おい、これで映像終わりか!?」

加蓮「何~? 奈緒、ちょっと気になってきてるじゃん」

奈緒「いや!? この終わり方だと、気になるだろ!?」

凛「まあ……私も、ちょっと気になるかも」

武内P「待ってください、まだ続きがありますので」

291: 2019/08/28(水) 17:41:53.66 ID:+AP/mhIGo
―パッ!

早苗『――考えたわ!』



奈緒「……あれっ」

加蓮「なんか……」

凛「……服装、変わってない?」

武内P「……」



瑞樹・楓『その結果は?』

早苗『……ふっふっふ!』


早苗『見てよ、このワキ! もうツルッツル!』ビシィッ!

早苗『ねえ、凄くない!? ほら! ほ~ら!』ツルーンッ!



加蓮・凛「おぉ~……」

奈緒「さっ……早苗さ――んっ!?」

武内P「……」

292: 2019/08/28(水) 17:49:15.48 ID:+AP/mhIGo
楓『ふふっ! 脱毛してみた感想は、どうですか?』

早苗『ちょっぴり痛かったけど、やって良かったわ!』

瑞樹『何が良かったのか、カメラに向けて一言!』

早苗『カメラどっち? あ、そっち!』


早苗『……もう、とにかく楽なの! 楽!』

早苗『お手入れの手間も、時間も全っ然無くなったし!』

早苗『VIOラインなんかもう特に……!』

早苗『あ、見せる!? 証拠提出した方が、わかりやすい!?』


瑞樹『待って、早苗ちゃん! それは駄目!』



凛・加蓮・奈緒「……」

武内P「……」

293: 2019/08/28(水) 17:58:17.05 ID:+AP/mhIGo
楓『確かに、一時的にはお肌に負担がかかるかも知れません』

瑞樹『でも、クリームやカミソリ、シェーバーでも負担がかかっていくわ』

楓『かかる時間や料金、手間の事を考えたら……』

瑞樹『……脱毛しちゃった方が、断然良かったりするわよね』


早苗『警官だった頃は、そこまでしなくても良いと思ってたけど……』

早苗『……あたしも、アイドルやってくって決めたからね!』

早苗『っていうかさ、警官してた頃も脱毛しとけば良かったって思ってる!』

早苗『もう、その位楽なのよ! 凄いわよ!?』

早苗『……やっぱり見る!? ちょっとだけ見て欲しい位!』


楓『そこまで言うなら……じゃあ、ちょっとだけ♪』

瑞樹『駄目に決まってるでしょ!? カメラ止めて!』


…パッ


凛・加蓮・奈緒「……」

武内P「……」

294: 2019/08/28(水) 18:02:54.40 ID:+AP/mhIGo
武内P「……如何でしたか?」

加蓮「気になってはいたけど……本格的に、調べてみよっかな」

凛「ねえ、この映像って……他にも誰か見てたりするの?」

武内P「はい」

加蓮・凛「誰が?」


武内P「シンデレラプロジェクト内では――」

武内P「――島村さんと、諸星さんが」


加蓮・凛「そうなの!?」

武内P「ええ、以前相談を受けまして……」


奈緒「…………」

295: 2019/08/28(水) 18:08:52.77 ID:+AP/mhIGo
武内P「本人から、聞いて居ませんでしたか?」

凛「聞いてない! 卯月が!? 脱毛してるの!?」

武内P「え、ええ……」

加蓮「きらりちゃんは、モデルの仕事もしてるしね……」

武内P「はい」


武内P「お二人とも、17歳ですし」

武内P「アイドルという仕事に向き合っていく以上……」

武内P「……こういった事は避けられない、と」


加蓮・凛「……」


奈緒「…………」

296: 2019/08/28(水) 18:18:25.20 ID:+AP/mhIGo
凛「……私、卯月に話聞いてみる」

加蓮「その時、アタシも一緒に聞いても良い?」

武内P「同年代の方の感想を聞くのは、良いかも知れませんね」

凛「でも、二人は映像を見て決心したんでしょ?」

武内P「いえ、それだけでなく……城ヶ崎さんにお話を聞いていました」

加蓮「あ、美嘉ちゃんは元モデルだから!」

武内P「交流があるので、聞きやすかったのでしょう」


加蓮・凛「……奈緒」


奈緒「……ああもう! わかったよ!」

奈緒「とりあえず、話を聞いてみてからだからな!?」


武内P「はい、それで問題ないかと思います」

297: 2019/08/28(水) 18:46:34.54 ID:+AP/mhIGo
奈緒「うぅ……まさか、こんな大事になるなんて……!」

凛「でも、良い機会なんじゃない?」

加蓮「お手入れの時間、アニメ見るのに使えるじゃん」

奈緒「そういう事じゃ……それは、あるかも」


武内P「皆さんは、本格的にアイドルとして活躍していくと思います」

武内P「その点を踏まえると……渋谷さんの仰った通り」

武内P「良い機会なのではないか、と」

武内P「……そう、思います」


加蓮・凛「……はいっ!」

奈緒「ううっ……はいっ! そうですねっ!」


武内P「……では、宜しくお願いします」

武内P(やはり……先輩アイドルの言葉というのは、重みがある)

武内P(私の言葉だけでは、決してこうはいかなかっただろう……)



武内P(……脱帽ですね)




おわり

301: 2019/08/28(水) 19:54:00.35 ID:sMjsSBWbo
奈緒はボーボーだという風潮

302: 2019/08/28(水) 20:10:44.65 ID:/JZquBXro
奈緒はボーボボ

引用元: 武内P「キスします」