879: ◆yIMyWm13ls 2013/06/23(日) 00:43:48.51 ID:qgAsbwRwo



モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです


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『ついてない』

今の俺を表現するにはこの言葉以外は思いつかない。

「…カインドも居ないのにな…」

目の前には二体のカース。

放っておけば街中に被害を及ぼすだろう。

「…くっ!」

二体のカースは交互に触手による攻撃を加えてくる。

「クソッ!」

避けきれなかった触手を当たる前に思い切り上に蹴り飛ばす。

『グァァ!?』

反撃を予想していなかったであろうカースから苦悶の声があがる。









それは、なんでもないようなとある日のこと。


その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
 
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。

 
それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。

異世界から選ばれし戦士を求める使者がやってきました。
悪のカリスマが世界征服をたくらみました。
突然超能力に目覚めた人々が現れました。
未来から過去を変えるためにやってきた戦士がいました。
他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。

それから、それから――
たくさんのヒーローと侵略者と、それに巻き込まれる人が現れました。

その日から、ヒーローと侵略者と、正義の味方と悪者と。
戦ったり、戦わなかったり、協力したり、足を引っ張ったり。

ヒーローと侵略者がたくさんいる世界が普通になりました。



「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。

・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
・一発ネタからシリアス長編までご自由にどうぞ。


・アイドルが宇宙人や人外の設定の場合もありますが、それは作者次第。





シリーズはここからご覧ください
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズ一覧
    




880: 2013/06/23(日) 00:44:42.41 ID:qgAsbwRwo
『ユルサナイ!ユルサナイィィ!』

蹴り飛ばしたほうのカースが激昂して体当たりをしてくる。

「あぐっ!?」

為す術もなく吹っ飛ばされる俺。

「こんなところで倒れてて何がシビルマスクだ…」

…14年前に戦ったやつらはもっと強かった。

『ユルサナイィィィィィ!』

二体のカースが同時に触手を飛ばしてくる。

「はは、歳には勝てないかぁ…」

畜生!……畜生…!

881: 2013/06/23(日) 00:45:37.45 ID:qgAsbwRwo
『雷よ!』

頭の中に渋く、低い声が流れこんでくると同時に突然割り込んできたものにぶつかり二体のカースが吹っ飛ぶ。

「…なんだこいつ…?」

目の前には二本の角を生やし、鼻水を垂らしやたら目に輝きを秘めた良く分からない生き物。

『…トナカイだ』

トナカイらしい。

『…通じてるのか?』

小首をかしげる自称トナカイ。

「あ、あぁ…なんか頭の中に直接流れ込んでくるみたいだ…」

『…能力も力も持っていないようだが…まさか…』

『何かの力を持つ存在と長い期間共に過ごしたことはあるか?』

…あー…。

882: 2013/06/23(日) 00:46:08.87 ID:qgAsbwRwo
「あるな。14年ほど」

美優と、もっとも現在進行形だが。

『なるほど、影響されたか…』

…影響…?

『今はそれどころではないか』

吹っ飛んだ二体のカースが混ざり合いひとつになる。

『…核が二つになったか、少々面倒だな』

「…地道に一つづつ破壊していくしかなさそうだ」

俺がそういうとトナカイは少し驚いた顔をする。

…多分驚いた顔なんだろう。

……恐らく…。

『その芯の強さ、気に入ったぞ』

なんかトナカイに褒められた。

『私に乗るといい』

…えっ。

883: 2013/06/23(日) 00:47:24.35 ID:qgAsbwRwo


『雷よ!』

トナカイは雷を帯びた角を振り回しカースを抉る。

「落ちる!?落ちるー!?」

必氏で背中に捕まる俺。

『…私の角を引き抜け!』

こうなりゃヤケだ。やってやる。

「うらっ!」

カースを抉ったほうの角を思いっきり引っ張る。

「…抜けたけど凄い放電してるなこれ」

ゴム製の手袋で良かった…。

『…その割には冷静ではないか』

うぉっ、引きぬいた瞬間に新しいの生えてきた…。

「…まぁこれでも人生経験豊富なおじさんだからな、トナカイ」

『ブリッツェンだ。ドイツ語で雷の意味がある』

なるほど雷、そういうことか。

「…シビルマスクだ」

『…精々振り落とされないように頼むぞ』

「…上等だ」

884: 2013/06/23(日) 00:47:52.04 ID:qgAsbwRwo
ブリッツェンが角で何度もカースを抉る。

何度も何度も何度も。

何度も何度も何度も。何度も何度も何度も。何度も何度も何度も。

そして…抉られた泥の隙間から。

「見えた!左上肩のあたり!」

『雷よ!』

俺が指示した場所をブリッツェンが抉る。

そして抉られた隙間から見えた一つ目の核に

「せいっ!」

引きぬいた角を突き立てる。

耳障りな音を立てて核が砕ける。

885: 2013/06/23(日) 00:48:33.81 ID:qgAsbwRwo
「『一つ目っ!』」

核が一つになったことによりカースがどろどろと溶けて小さくなる。

『グゾォォォォ!』

「見苦しいぞ、泥んこ!」

ブリッツェンがカースの前まで全力で走る。

「大人しく消えてろ!」

ブリッツェンに乗ったまますれ違いざまにカースの胴体を思い切り引きぬいた角で振りぬく。

それと同時に振りぬいた角が一際激しく放電する。

『アグァ!アグァァァァァ!』

カースの断末魔と核の破砕音が同時に響いた。

886: 2013/06/23(日) 00:49:06.96 ID:qgAsbwRwo


「て、店長!?大丈夫ですか!?」

お店の前には傷だらけの店長。

「ははっ、ちょっとカースが二匹ほど出てきてなぁ…ちょっとだけ危なかったよ…」

「一人でやっつけちゃったんですか!?」

二匹出てきたのに…?

「…あー、ある意味『一人』ではあるかもなぁ…」

…どういう意味でしょう?

「いや、たまには乗馬もいいかもな、うん、あれトナカイだけど」

「…本当に大丈夫ですか?」

……あれ?

887: 2013/06/23(日) 00:50:23.89 ID:qgAsbwRwo
「そのうねうねした棒ってなんですか?」

店長はその棒を杖にしてゆっくりと立ち上がりました。

「これか?これな…俺の戦友がくれたんだ」

…戦友…?

「四足歩行のな」

余計訳が分からなくなりました。

「見てろよー、ほっ!」

バチリと棒から電撃が弾けます。

「だからその棒なんなんですか!?」

「だから戦友から…」

…これじゃ堂々巡りです。

888: 2013/06/23(日) 00:51:05.17 ID:qgAsbwRwo
終わり。


ブリッツェン

職業 トナカイの使い魔
属性 雷、イケメン
能力 雷を宿した角での攻撃

イヴ・サンタクロースの使い魔。
雷を宿した角で攻撃をする。角は引っこ抜ける。
すぐに角自体は生えるが長い年月を共に過ごした角ほど武器として強力になる。


薫ちゃんで竜騎士もありだな→そういやブリッツェン活躍してないな→なぜか美優さん抜きのシビルマスク単体で活躍
どうしてこうなった。

889: 2013/06/23(日) 00:52:50.87 ID:3FwvDmer0
乙ー

ブリッツェンかっけー
シビルマスクがブリッツェンに乗ってる姿を想像すると吹いてしまうがwwww




【次回に続く・・・】



引用元: モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」