962: ◆kaGYBvZifE 2013/06/24(月) 00:36:54.33 ID:EgppnLbDo
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
―
「へぇ、なかなか面白いものを持ってきたね」
薄暗い私の『製作室』その部屋の中で私ことリンとアコとの久々の邂逅が密かに行われていた。
私の前には一人の『スカベンジャー』、数少ない地上でのアンダーワールドからの知り合いだ。
…もっとも…私は大分昔から地上に住み着いていてアコと会うのも久しぶりなんだけど…。
「リン、お一つどうです?」
アコ……商魂逞しいところ相変わらず変わってないな…。
手渡されたプラズマブラスターと……これは……。
「『超小型核融合電池』…?」
プラズマブラスターなんかの比じゃない…こっちのほうが私は気になる…。
ここまで小型化出来るなんて…。中どうなってるんだろう……。
「…アコ、ただの『テクノロジスト』の私にそんなにお金がある訳ないでしょ」
…超小型核融合電池だけでいくらするのやら…。
「…やっぱり商路の確保が優先やなー」
…やっぱり最初から私を取引相手には考えて無かったんだね。
「へぇ、なかなか面白いものを持ってきたね」
薄暗い私の『製作室』その部屋の中で私ことリンとアコとの久々の邂逅が密かに行われていた。
私の前には一人の『スカベンジャー』、数少ない地上でのアンダーワールドからの知り合いだ。
…もっとも…私は大分昔から地上に住み着いていてアコと会うのも久しぶりなんだけど…。
「リン、お一つどうです?」
アコ……商魂逞しいところ相変わらず変わってないな…。
手渡されたプラズマブラスターと……これは……。
「『超小型核融合電池』…?」
プラズマブラスターなんかの比じゃない…こっちのほうが私は気になる…。
ここまで小型化出来るなんて…。中どうなってるんだろう……。
「…アコ、ただの『テクノロジスト』の私にそんなにお金がある訳ないでしょ」
…超小型核融合電池だけでいくらするのやら…。
「…やっぱり商路の確保が優先やなー」
…やっぱり最初から私を取引相手には考えて無かったんだね。
それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。
異世界から選ばれし戦士を求める使者がやってきました。
悪のカリスマが世界征服をたくらみました。
突然超能力に目覚めた人々が現れました。
未来から過去を変えるためにやってきた戦士がいました。
他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。
それから、それから――
たくさんのヒーローと侵略者と、それに巻き込まれる人が現れました。
その日から、ヒーローと侵略者と、正義の味方と悪者と。
戦ったり、戦わなかったり、協力したり、足を引っ張ったり。
ヒーローと侵略者がたくさんいる世界が普通になりました。
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
・一発ネタからシリアス長編までご自由にどうぞ。
963: 2013/06/24(月) 00:38:08.82 ID:EgppnLbDo
「あ…でもこれ欲しいかな…」
私はアコの持ってきたガラクタから傷ついて完全に壊れてしまっているプラズマブラスターを取り出す。
「…それ、持って来といてなんなんやけどぶっ壊れてて完全にジャンク……」
「うん、ジャンクだから欲しいんだよ」
…まだこのプラズマブラスターには命を吹き込める…。
「そのくらいだったら物々交換の方がワンチャンある気がするわ…」
「ってな訳で何かありまへん?」
物々交換かぁ…。あぁ、そういえば…。
私はアコの持ってきたガラクタから傷ついて完全に壊れてしまっているプラズマブラスターを取り出す。
「…それ、持って来といてなんなんやけどぶっ壊れてて完全にジャンク……」
「うん、ジャンクだから欲しいんだよ」
…まだこのプラズマブラスターには命を吹き込める…。
「そのくらいだったら物々交換の方がワンチャンある気がするわ…」
「ってな訳で何かありまへん?」
物々交換かぁ…。あぁ、そういえば…。
964: 2013/06/24(月) 00:39:07.22 ID:EgppnLbDo
「これなんてどうかな?」
私は懐から巾着を取りだし中からいくつかのビー玉を取り出す。
「…ただのビー玉やないですか?これは…」
ビー玉を覗きこんで訝しげな顔をするアコ。
「…ううん、ちょっと見てて」
そう言って私は緑のビー玉を一つ掴み上げて窓の外に放り投げる。
『草木よ!』
その瞬間窓の外で投げたビー玉を種子にしたかのように、一本の巨大な樹が生える。
「こいつは驚きましたわ…」
それを見て唖然とするアコ。
私は懐から巾着を取りだし中からいくつかのビー玉を取り出す。
「…ただのビー玉やないですか?これは…」
ビー玉を覗きこんで訝しげな顔をするアコ。
「…ううん、ちょっと見てて」
そう言って私は緑のビー玉を一つ掴み上げて窓の外に放り投げる。
『草木よ!』
その瞬間窓の外で投げたビー玉を種子にしたかのように、一本の巨大な樹が生える。
「こいつは驚きましたわ…」
それを見て唖然とするアコ。
965: 2013/06/24(月) 00:39:50.59 ID:EgppnLbDo
「これをどこで手に入れたんです……?」
「これは私が昔作った『杖』の持ち主の成長記録みたいなものかな…?」
「『杖』…?」
「昔作ったんだ、魔法使い用の杖」
「なるべく現代社会に溶け込みやすいものって言われてさ、たまたま胸ポケットに差してたボールペンを改造してみたんだ」
「…なるほど、それなら違和感もないわぁ…」
「うん、そんな手抜き品だったんだけどお礼がしたいって言われて送られてきたんだ」
「杖…つまり魔法のビー玉ってことかいな」
「そう、使い捨てだからさっきのも結構貴重なんだよ?」
「これは私が昔作った『杖』の持ち主の成長記録みたいなものかな…?」
「『杖』…?」
「昔作ったんだ、魔法使い用の杖」
「なるべく現代社会に溶け込みやすいものって言われてさ、たまたま胸ポケットに差してたボールペンを改造してみたんだ」
「…なるほど、それなら違和感もないわぁ…」
「うん、そんな手抜き品だったんだけどお礼がしたいって言われて送られてきたんだ」
「杖…つまり魔法のビー玉ってことかいな」
「そう、使い捨てだからさっきのも結構貴重なんだよ?」
966: 2013/06/24(月) 00:40:21.10 ID:EgppnLbDo
「こ、これはえぇもんです!」
「これが地上の魔法か…!」
興奮気味で色とりどりの硝子球を覗きこむアコ。
「でも全部持って行かないでね」
一応釘を差しておく。
「…あ、当たり前やんかぁ~!」
…怪しい…。
「赤に炎の魔法、青に氷の魔法、薄い水色に水の魔法、緑に植物の魔法、黄色に雷の魔法が入ってるから気をつけて扱ってね?」
「しかし、こない貴重なもんまで出して一体そのガラクタどうする気なん?」
「これさ、フォルムが気に入っただけだからプラズマブラスターであることはそんなに大事じゃないんだ」
「…まぁフォルムは大事やね、仕方ない」
こういうところで気が合うからアコは嫌いになれない。
「これが地上の魔法か…!」
興奮気味で色とりどりの硝子球を覗きこむアコ。
「でも全部持って行かないでね」
一応釘を差しておく。
「…あ、当たり前やんかぁ~!」
…怪しい…。
「赤に炎の魔法、青に氷の魔法、薄い水色に水の魔法、緑に植物の魔法、黄色に雷の魔法が入ってるから気をつけて扱ってね?」
「しかし、こない貴重なもんまで出して一体そのガラクタどうする気なん?」
「これさ、フォルムが気に入っただけだからプラズマブラスターであることはそんなに大事じゃないんだ」
「…まぁフォルムは大事やね、仕方ない」
こういうところで気が合うからアコは嫌いになれない。
967: 2013/06/24(月) 00:41:10.90 ID:EgppnLbDo
「その魔法のビー玉もなんだけどさ、最近は珍しいものが良く手に入ってさ…」
そう言って私は巾着から少し歪んだ球体を取り出す。
「これは魔法のビー玉やないん?」
「これはね……『カース』の核だよ」
私がそう言うとアコは少し驚いた顔をする
「カースの核ぅ!?でもそんなもん素手で掴んだら…!」
「…そう、侵食される…」
…普通はね。
「これはね、浄化されてるんだ」
「浄化って一言に言われても反応に困るなぁ」
…うーん、確かにそうかも。
そう言って私は巾着から少し歪んだ球体を取り出す。
「これは魔法のビー玉やないん?」
「これはね……『カース』の核だよ」
私がそう言うとアコは少し驚いた顔をする
「カースの核ぅ!?でもそんなもん素手で掴んだら…!」
「…そう、侵食される…」
…普通はね。
「これはね、浄化されてるんだ」
「浄化って一言に言われても反応に困るなぁ」
…うーん、確かにそうかも。
968: 2013/06/24(月) 00:42:44.04 ID:EgppnLbDo
「…精神感応系の能力者がまっさらにしたカースの核って言えばいいかな?」
「それでもよくそんな恐ろしいもん素手で持てますなぁ…」
「…鍛えてるから?」
「んなの関係あるかい!」
「まぁ、それはともかくカースの特性って知ってる?」
「七罪の名前が付いてること、核を壊すまで復活する…くらいしか知らんなぁ…」
「うん、カースの核は周囲から黒い感情を吸って自己修復や回復するんだ」
「…それならまっさらな浄化すれたカースの核はどうだと思う?」
「…もしかして前向きな感情を糧にするんか?」
…引っかかると思った。
「残念ハズレ。清濁問わず全ての感情を取り込むよ」
「…それって危なくないん?」
「それでもよくそんな恐ろしいもん素手で持てますなぁ…」
「…鍛えてるから?」
「んなの関係あるかい!」
「まぁ、それはともかくカースの特性って知ってる?」
「七罪の名前が付いてること、核を壊すまで復活する…くらいしか知らんなぁ…」
「うん、カースの核は周囲から黒い感情を吸って自己修復や回復するんだ」
「…それならまっさらな浄化すれたカースの核はどうだと思う?」
「…もしかして前向きな感情を糧にするんか?」
…引っかかると思った。
「残念ハズレ。清濁問わず全ての感情を取り込むよ」
「…それって危なくないん?」
969: 2013/06/24(月) 00:43:49.44 ID:EgppnLbDo
「これはリミッターを掛けて持ち主以外からは感情を吸えないようにしてあるから大丈夫」
「まぁもし私が思いっきり負の感情抱えたら一気にカースになって私ごと取り込まれちゃうけど」
「全然大丈夫ちゃうやないか!」
「大丈夫、私が持つのは探究心だけだから!」
「自慢にならんわっ!」
「……まぁ見ててよ」
私は慣れた手つきでプラズマブラスターに細工を始める。
アンダーワールドの『テクノロジスト』…舐めないで欲しい。
「…はぁ、どうでも良くなりましたわ…」
夢中でプラズマブラスターを弄り始める私を呆れた目で見るアコ。
「まぁもし私が思いっきり負の感情抱えたら一気にカースになって私ごと取り込まれちゃうけど」
「全然大丈夫ちゃうやないか!」
「大丈夫、私が持つのは探究心だけだから!」
「自慢にならんわっ!」
「……まぁ見ててよ」
私は慣れた手つきでプラズマブラスターに細工を始める。
アンダーワールドの『テクノロジスト』…舐めないで欲しい。
「…はぁ、どうでも良くなりましたわ…」
夢中でプラズマブラスターを弄り始める私を呆れた目で見るアコ。
970: 2013/06/24(月) 00:44:45.66 ID:EgppnLbDo
―
「…こんな感じかな…?」
プラズマブラスターへの細工を終えて私は顔を上げる。
「相変わらず仕事の早いことですなぁ…」
そんなに褒めないで欲しい。
「多分いけると思うんだけど…」
そう言って私はプラズマブラスターの引き金を引き、唱える。
『氷よ!』『氷よ!!』
立て続けに二発。
軽い反動の後にプラズマブラスターから二発の力の塊が飛び出し、被弾した製作室の壁が凍りつく。
「…こんな感じかな…?」
プラズマブラスターへの細工を終えて私は顔を上げる。
「相変わらず仕事の早いことですなぁ…」
そんなに褒めないで欲しい。
「多分いけると思うんだけど…」
そう言って私はプラズマブラスターの引き金を引き、唱える。
『氷よ!』『氷よ!!』
立て続けに二発。
軽い反動の後にプラズマブラスターから二発の力の塊が飛び出し、被弾した製作室の壁が凍りつく。
971: 2013/06/24(月) 00:45:53.11 ID:EgppnLbDo
「…出来た…!『魔法銃』」
「こいつはまたどえらいもんを…」
「カースの周囲の感情を取り込んで力を蓄える性質と魔法を込めたビー玉…」
「要はビー玉自体の魔力を使わないで魔法の発射口に出来ればって思ったんだ!」
「ビー玉を取り替えれば色んな魔法が擬似的に使えるよ!」
「……うん、満足した。これあげるね?」
「は?」
そんなこいつアホかみたいな目で見ないで欲しい。
「これ、使う時にくれぐれもカースの核に飲み込まれないようにね?」
「それとまた面白そうな素材が見つかったら持ってきて欲しいな」
「…リン、アンタやっぱり偉くはなれんわ…」
…うん、知ってる。
「…それにしてもやっぱり地上は面白いものに溢れてて飽きないね」
今日も私は地上で『テクノロジスト』として生きている。
「こいつはまたどえらいもんを…」
「カースの周囲の感情を取り込んで力を蓄える性質と魔法を込めたビー玉…」
「要はビー玉自体の魔力を使わないで魔法の発射口に出来ればって思ったんだ!」
「ビー玉を取り替えれば色んな魔法が擬似的に使えるよ!」
「……うん、満足した。これあげるね?」
「は?」
そんなこいつアホかみたいな目で見ないで欲しい。
「これ、使う時にくれぐれもカースの核に飲み込まれないようにね?」
「それとまた面白そうな素材が見つかったら持ってきて欲しいな」
「…リン、アンタやっぱり偉くはなれんわ…」
…うん、知ってる。
「…それにしてもやっぱり地上は面白いものに溢れてて飽きないね」
今日も私は地上で『テクノロジスト』として生きている。
972: 2013/06/24(月) 00:46:54.97 ID:EgppnLbDo
終わり。
渋谷凛
職業 テクノロジスト
属性 製作者
能力 なし
地底世界アンダーワールド出身。何年も前に地底の技術に飽々して地上に昇った。
名前はリン。地上では渋谷凛と名乗っている。未知の技術に触れることやアイテム作りが生き甲斐だと感じている。
特殊偏光グラスではなく独自に開発したコンタクトレンズを使っている。
Item 魔法銃
現在の所有者 土屋亜子
浄化されたカースの核をエネルギーとして魔法のビー玉に込められた魔法を再現する。
取り付けられたビー玉の種類を取り替えることで魔法の種類も変わる。
…邪悪な心の持ち主が使うと…?
予め撒いておいたボールペンの製作者フラグとアンダーワールドの親和性の高さに愕然。
渋谷凛
職業 テクノロジスト
属性 製作者
能力 なし
地底世界アンダーワールド出身。何年も前に地底の技術に飽々して地上に昇った。
名前はリン。地上では渋谷凛と名乗っている。未知の技術に触れることやアイテム作りが生き甲斐だと感じている。
特殊偏光グラスではなく独自に開発したコンタクトレンズを使っている。
Item 魔法銃
現在の所有者 土屋亜子
浄化されたカースの核をエネルギーとして魔法のビー玉に込められた魔法を再現する。
取り付けられたビー玉の種類を取り替えることで魔法の種類も変わる。
…邪悪な心の持ち主が使うと…?
予め撒いておいたボールペンの製作者フラグとアンダーワールドの親和性の高さに愕然。
973: 2013/06/24(月) 00:55:51.67 ID:bRfTjqgr0
おっつし☆
沙織が浄化したカースの核とアンダーワールドの設定を拾ってもらえて歓喜
沙織が浄化したカースの核とアンダーワールドの設定を拾ってもらえて歓喜
974: 2013/06/24(月) 01:01:10.20 ID:eXeLsawt0
乙でしたー
…亜子ちゃん(強欲的な意味で)大丈夫か…?
…亜子ちゃん(強欲的な意味で)大丈夫か…?
【次回に続く・・・】
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