243: ◆3Y/5nAqmZM 2013/06/26(水) 02:31:44.43 ID:F/2wF5Vqo
モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」シリーズです
前回はコチラ
『あ・・・あぁ・・・・・・』
暴れまわるバケモノ。なぎ払われていく人、人、人。
『いや・・・やだよ・・・もうやめてよぉッ・・・!!』
崩れていく建物。燃え盛る家、家、家。
『ぁ・・・ぅあ、あああっ・・・・・・!!!』
そして、ひときわ大きくて眩しい光が、視界いっぱいに広がって、『あたし』は・・・・・・・
『あ、あぁぁ・・・うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!」
暴れまわるバケモノ。なぎ払われていく人、人、人。
『いや・・・やだよ・・・もうやめてよぉッ・・・!!』
崩れていく建物。燃え盛る家、家、家。
『ぁ・・・ぅあ、あああっ・・・・・・!!!』
そして、ひときわ大きくて眩しい光が、視界いっぱいに広がって、『あたし』は・・・・・・・
『あ、あぁぁ・・・うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!」
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それは、なんでもないようなとある日のこと。
その日、とある遺跡から謎の石が発掘されました。
時を同じくしてはるか昔に封印された邪悪なる意思が解放されてしまいました。
それと同じ日に、宇宙から地球を侵略すべく異星人がやってきました。
地球を守るべくやってきた宇宙の平和を守る異星人もやってきました。
異世界から選ばれし戦士を求める使者がやってきました。
悪のカリスマが世界征服をたくらみました。
突然超能力に目覚めた人々が現れました。
未来から過去を変えるためにやってきた戦士がいました。
他にも隕石が降ってきたり、先祖から伝えられてきた業を目覚めさせた人がいたり。
それから、それから――
たくさんのヒーローと侵略者と、それに巻き込まれる人が現れました。
その日から、ヒーローと侵略者と、正義の味方と悪者と。
戦ったり、戦わなかったり、協力したり、足を引っ張ったり。
ヒーローと侵略者がたくさんいる世界が普通になりました。
「アイドルマスターシンデレラガールズ」を元ネタにしたシェアワールドです。
・ざっくり言えば『超能力使えたり人間じゃなかったりしたら』の参加型スレ。
・一発ネタからシリアス長編までご自由にどうぞ。
244: 2013/06/26(水) 02:33:21.42 ID:F/2wF5Vqo
「・・・かっ、莉嘉っ!どうしたの、莉嘉っ!」
「あ、あああああああっ!!やだ、やだやだやだっ、やめて、やめてえええええええええええっっ!!!」
「落ち着きなって、莉嘉っ!莉嘉っ、痛っ、だい、じょうぶっ、だからっ!!」
アタシの声も聞こえていないみたいで、ベッドの上から落ちそうになるくらいに暴れる莉嘉。
めちゃくちゃに振り回す腕に足に何度も叩かれながら、どうにか莉嘉をぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫、大丈夫だよ!何にも怖いことないから、アタシがついてるから!!」
背中をぽんぽんと叩きながら、必氏に声をかけてなだめすかす。
「あ、うあああっ・・・あ・・・お、ねえ、ちゃん・・・?」
涙やいろんなものでぐしゃぐしゃになった顔で、ようやく莉嘉はアタシの方を向いてくれた。
「・・・ん、やっと落ち着いた。どうしたのさ、怖い夢でも見たの?」
「・・・お、ねえちゃんっ。アタシ、アタシっ・・・!!」
不安そうな顔で、ぶるぶる震えて俯く莉嘉。
「・・・思い出すのも怖いんなら、無理に説明しなくてもいいよ。落ち着くまで一緒にいたげる。それとも、隣で一緒に寝てあげようか?」
「・・・っく、うん。いっしょに、ねる・・・・・・」
「ん、じゃあちょっと待っててね。枕と毛布取ってくるから・・・っと」
いったん莉嘉を離して立ち上がろうとすると、袖をきゅっとつかまれて、よろけてベッドに倒れ込んでしまう。
莉嘉の方を見ると、さっきよりはだいぶマシになったけど、それでもまだ不安そうにしている。
まるで、このままアタシを行かせたら、もう戻ってこないんじゃないか、って考えてるみたいに。
「・・・アタシのベッドに行こっか。枕と毛布、持っておいで」
「・・・うん」
「あ、あああああああっ!!やだ、やだやだやだっ、やめて、やめてえええええええええええっっ!!!」
「落ち着きなって、莉嘉っ!莉嘉っ、痛っ、だい、じょうぶっ、だからっ!!」
アタシの声も聞こえていないみたいで、ベッドの上から落ちそうになるくらいに暴れる莉嘉。
めちゃくちゃに振り回す腕に足に何度も叩かれながら、どうにか莉嘉をぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫、大丈夫だよ!何にも怖いことないから、アタシがついてるから!!」
背中をぽんぽんと叩きながら、必氏に声をかけてなだめすかす。
「あ、うあああっ・・・あ・・・お、ねえ、ちゃん・・・?」
涙やいろんなものでぐしゃぐしゃになった顔で、ようやく莉嘉はアタシの方を向いてくれた。
「・・・ん、やっと落ち着いた。どうしたのさ、怖い夢でも見たの?」
「・・・お、ねえちゃんっ。アタシ、アタシっ・・・!!」
不安そうな顔で、ぶるぶる震えて俯く莉嘉。
「・・・思い出すのも怖いんなら、無理に説明しなくてもいいよ。落ち着くまで一緒にいたげる。それとも、隣で一緒に寝てあげようか?」
「・・・っく、うん。いっしょに、ねる・・・・・・」
「ん、じゃあちょっと待っててね。枕と毛布取ってくるから・・・っと」
いったん莉嘉を離して立ち上がろうとすると、袖をきゅっとつかまれて、よろけてベッドに倒れ込んでしまう。
莉嘉の方を見ると、さっきよりはだいぶマシになったけど、それでもまだ不安そうにしている。
まるで、このままアタシを行かせたら、もう戻ってこないんじゃないか、って考えてるみたいに。
「・・・アタシのベッドに行こっか。枕と毛布、持っておいで」
「・・・うん」
245: 2013/06/26(水) 02:34:25.40 ID:F/2wF5Vqo
アタシが『莉嘉』と氏に別れたのは、二年前のこと。
高校生になってから一人暮らしを始めてしばらく、久々に莉嘉と二人で出掛けようと待ち合わせた日。
莉嘉はちょっとねぼすけなところがあって、その日もやっぱりちょっと遅れてきて。
よっぽどアタシと久しぶりに会うのが楽しみだったんだろうな。遠くからアタシの姿が見えたとたん、嬉しくなって走りだしちゃって。
―――――――居眠り運転のトラックが突っ込んできたのは、丁度そのタイミングで。
その時の莉嘉の茫然とした表情も、まるでサッカーボールみたいに勢いよく吹っ飛んでいく姿も、今だに瞼にこびりついて離れない。
病院に運ばれはしたが、誰の目が見てもわかるくらい、はっきりと即氏だった、らしい。
事故の瞬間はいやになるくらいしっかり記憶に残っているのに、それから一週間近くの記憶は断片的にしか憶えていないのはなんだか不思議な感覚だ。
それでも、お葬式のとき、自分でもどうかしてるんじゃないかって位、一滴も涙が出なかったのははっきりと思い出せる。
たぶん、どうしても納得できなかったんだろう。理解できなかったんだろう。
それでもどうにか現実をなんとか呑みこんで、受け入れて。
高校生になってから一人暮らしを始めてしばらく、久々に莉嘉と二人で出掛けようと待ち合わせた日。
莉嘉はちょっとねぼすけなところがあって、その日もやっぱりちょっと遅れてきて。
よっぽどアタシと久しぶりに会うのが楽しみだったんだろうな。遠くからアタシの姿が見えたとたん、嬉しくなって走りだしちゃって。
―――――――居眠り運転のトラックが突っ込んできたのは、丁度そのタイミングで。
その時の莉嘉の茫然とした表情も、まるでサッカーボールみたいに勢いよく吹っ飛んでいく姿も、今だに瞼にこびりついて離れない。
病院に運ばれはしたが、誰の目が見てもわかるくらい、はっきりと即氏だった、らしい。
事故の瞬間はいやになるくらいしっかり記憶に残っているのに、それから一週間近くの記憶は断片的にしか憶えていないのはなんだか不思議な感覚だ。
それでも、お葬式のとき、自分でもどうかしてるんじゃないかって位、一滴も涙が出なかったのははっきりと思い出せる。
たぶん、どうしても納得できなかったんだろう。理解できなかったんだろう。
それでもどうにか現実をなんとか呑みこんで、受け入れて。
246: 2013/06/26(水) 02:35:09.96 ID:F/2wF5Vqo
アタシが『リカ』に出会ったのは、一か月前のことだった。
シャンプーが切れてるのを忘れてて、慌てて近所のドラッグストアまで行った帰り道だった。
通りかかった公園から、いきなりぴかーっ、て光がして。一体何だろう、って恐る恐るそっちを向くと、
―――――――氏んだはずの莉嘉が、そこにいた。
きっとあれから成長したらこうなるだろうな、っていう姿で、ぼろぼろのまま茫然と立ち尽くす『莉嘉』を見て、居てもたってもいられなくなったアタシは、すぐに『莉嘉』にかけよって声をかけた。
―――莉嘉、莉嘉っ。わかる、アタシだよ、おねえちゃんだよっ。
―――お、ねえ、ちゃん?
光のない目で、そう一言だけつぶやいて気を失った『莉嘉』を、アタシは家まで運んだ。
それから一日たって目を覚ました『莉嘉』は、
―――あなたは、だれ?
それまでの記憶を、一切失っていた。
かろうじて『リカ』という自分の名前と、ここが自分の生まれた『世界』ではないことだけはわかるみたいだったけど、それ以外は何一つ憶えていなかった。
これだけ瓜二つの見た目で、しかも名前が同じ『りか』。偶然とは思えないし、きっと思いたくなかったんだろう。
―――アタシが、あなたの『お姉ちゃん』になってあげる。だから、しばらくここに居なよ。
そう言って、彼女の面倒を見ることに決めた。
シャンプーが切れてるのを忘れてて、慌てて近所のドラッグストアまで行った帰り道だった。
通りかかった公園から、いきなりぴかーっ、て光がして。一体何だろう、って恐る恐るそっちを向くと、
―――――――氏んだはずの莉嘉が、そこにいた。
きっとあれから成長したらこうなるだろうな、っていう姿で、ぼろぼろのまま茫然と立ち尽くす『莉嘉』を見て、居てもたってもいられなくなったアタシは、すぐに『莉嘉』にかけよって声をかけた。
―――莉嘉、莉嘉っ。わかる、アタシだよ、おねえちゃんだよっ。
―――お、ねえ、ちゃん?
光のない目で、そう一言だけつぶやいて気を失った『莉嘉』を、アタシは家まで運んだ。
それから一日たって目を覚ました『莉嘉』は、
―――あなたは、だれ?
それまでの記憶を、一切失っていた。
かろうじて『リカ』という自分の名前と、ここが自分の生まれた『世界』ではないことだけはわかるみたいだったけど、それ以外は何一つ憶えていなかった。
これだけ瓜二つの見た目で、しかも名前が同じ『りか』。偶然とは思えないし、きっと思いたくなかったんだろう。
―――アタシが、あなたの『お姉ちゃん』になってあげる。だから、しばらくここに居なよ。
そう言って、彼女の面倒を見ることに決めた。
247: 2013/06/26(水) 02:35:43.40 ID:F/2wF5Vqo
一か月たった今でも、三日に一回は『怖い夢』―――おそらく、『元の世界であったこと』なんだと思う―――を見て、夜中に飛び起きて、パニックを起こす。
きっと、どうしても受け止められない、受け入れたくない出来事だったんだと思う。そして、それだけの出来事なら、きっと簡単に逃れる事なんてできない。
いつか、リカのもとに、『怖い夢』を見せた元凶がやってくるんだろう。
そのときまで、ううん、そのときがきても。アタシが、この子を守らなきゃ。
たとえ何が起こったって、もう二度と、『大切な妹』を失って、たまるもんか。
きっと、どうしても受け止められない、受け入れたくない出来事だったんだと思う。そして、それだけの出来事なら、きっと簡単に逃れる事なんてできない。
いつか、リカのもとに、『怖い夢』を見せた元凶がやってくるんだろう。
そのときまで、ううん、そのときがきても。アタシが、この子を守らなきゃ。
たとえ何が起こったって、もう二度と、『大切な妹』を失って、たまるもんか。
248: 2013/06/26(水) 02:36:18.98 ID:F/2wF5Vqo
城ヶ崎 莉嘉/リカ(12?)
職業:???(異世界人)
属性:???
能力:???
何者かによって滅ぼされてしまった名も知れぬ異世界から次元転移してきた少女。かつての記憶の殆どを失っている。
心身ともにボロボロで佇んでいたところを美嘉に保護され、以来彼女の妹として生活している。
普段は明るく振る舞っているが、時折「故郷が何者かの手によって壊滅させられる光景」を夢に見てパニックを起こすことがある。
城ヶ崎 美嘉(17)
職業:高校生
属性:お姉ちゃん
能力:特になし
特にこれといった能力も持たない普通の高校生。見た目はギャルだが中身は割と真面目さん。
交通事故で妹を亡くしており、まるでその生き写しの姿をした「リカ」を放っておけず保護した。
細かい事情は一切わからなくとも、莉嘉を守るためならばなんだってやる、という固い決意を持つお姉ちゃん。
職業:???(異世界人)
属性:???
能力:???
何者かによって滅ぼされてしまった名も知れぬ異世界から次元転移してきた少女。かつての記憶の殆どを失っている。
心身ともにボロボロで佇んでいたところを美嘉に保護され、以来彼女の妹として生活している。
普段は明るく振る舞っているが、時折「故郷が何者かの手によって壊滅させられる光景」を夢に見てパニックを起こすことがある。
城ヶ崎 美嘉(17)
職業:高校生
属性:お姉ちゃん
能力:特になし
特にこれといった能力も持たない普通の高校生。見た目はギャルだが中身は割と真面目さん。
交通事故で妹を亡くしており、まるでその生き写しの姿をした「リカ」を放っておけず保護した。
細かい事情は一切わからなくとも、莉嘉を守るためならばなんだってやる、という固い決意を持つお姉ちゃん。
249: 2013/06/26(水) 02:37:11.68 ID:F/2wF5Vqo
以上、ファンタジーな世界ならこういうのもアリかなーって
不快に思われた方がいたら申し訳ない
「いせかいじん」で一発変換したら「伊勢怪人」って出た。なんだこれは、エビの怪人か何かなのか。
不快に思われた方がいたら申し訳ない
「いせかいじん」で一発変換したら「伊勢怪人」って出た。なんだこれは、エビの怪人か何かなのか。
250: 2013/06/26(水) 02:42:02.42 ID:UVjbLkLK0
乙ですー
平行世界の妹的な…悲しいな
記憶喪失のお陰かいろいろ想像が掻き立てられる
平行世界の妹的な…悲しいな
記憶喪失のお陰かいろいろ想像が掻き立てられる
【次回に続く・・・】
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