1: 2016/05/29(日) 17:20:32.65 ID:FQ6FOFKY0

2: 2016/05/29(日) 17:27:12.96 ID:FQ6FOFKY0
ダージリン「ふんふんふーん、ふっふっふーん」ガサガサ ギュウギュウ

オレンジペコ「ダージリン様何をされているんですか?」

ダージリン「ペコですか、私はこれから料理修行の旅に出ようと思いますの」フンス

オレンジペコ「そうですか、がんばってください」ペラッ ペラッ

ダージリン「ペコ・・・そのなんと言うか・・・もうちょっと興味を持ってくれてもいいではなくて?」

オレンジペコ「はぁ・・・めんどくさいですね、どうしたんですか?ダージリン様」

ダージリン「ペコ、実はこの前の大会で実感したんです。私にはまだまだ料理が極めれていないと」

オレンジペコ「それで料理修行ですか・・・」

ダージリン「そうですの!では、早速行きますわよ」グイグイ

オレンジペコ「私も行くんですか?」ズルズルズル

ダージリン「当たり前です!一人では寂しいでしょ」

オレンジペコ「はじめから付いてきてくださいと言ってくれればいいのに・・・」ハァ
ガールズ&パンツァー 最終章 第4話 (特装限定版) [Blu-ray]
3: 2016/05/29(日) 17:33:50.16 ID:FQ6FOFKY0
オレンジペコ「それでまずは何処に行くんですか?」

ダージリン「まずは黒森峰よ!将を射んと欲すれば先ず馬を射よと言うでしょ、みほさんのハートを射止めるためにもまずはドイツ料理を極めますわ」

ダージリン「と言うことでよろしくお願いします」ペコッ

まほ「いきなり来て料理を教えろというかと思えば、そういうことだったのか」

オレンジペコ「すいません急に来てしまって」ペコッ

まほ「なに、気にすることはない。エリカ、もうすぐ昼食の準備が始まる、一緒に行って指導してやってくれ」

エリカ「私が行くんですか!?」

まほ「ああ、こんなことはエリカにしか頼めないからな、よろしく頼む」ポンポン

エリカ「は、はい!!畏まりました」ビシッ

6: 2016/05/29(日) 17:49:42.45 ID:FQ6FOFKY0
ゴゴゴゴゴゴオオオオ

エリカ「ここが黒森峰のソーセージ工房です」

オレンジペコ「大きな肉挽き機ですね」テクテク

エリカ「本当は豚の解体からやっていきたいんですが今日はそういうわけには行きませんからね、ここから見ていきましょう」

ダージリン「お肉がいっぱいありますわね、全部黒森峰で作られてますの?」

エリカ「そうですね、ソーセージには新鮮な豚肉が必要不可欠ですから、黒森峰では良質な豚を育てています」

オレンジペコ「本当に綺麗なピンク色ですね、脂肪も白くて申し分ないですね」


7: 2016/05/29(日) 17:53:32.04 ID:FQ6FOFKY0
エリカ「次にこの肉挽き機で肉をミンチにしていきます」 

ゴロゴロゴロ ポイポイ

ダージリン「あの白い塊はなんですの?」

エリカ「あれはドライアイスですね、肉を挽くときの熱で肉の旨味が損なわれるのを防ぐためにああして肉を冷やしているんです」

オレンジペコ「ドライアイスなら昇華して二酸化炭素になるだけで水っぽくはなりませんからね」

ダージリン「なるほど・・・よく考えられてますわね。ところで、黒森峰では各家庭にこんな肉挽き機が有りますの?」

8: 2016/05/29(日) 17:57:03.56 ID:FQ6FOFKY0
エリカ「え!?ないですよ、何言っているんですか?」

ダージリン「じゃあこんなところを見てもしょうがないではないですか、私は料理を習いに来たんです」

エリカ「・・・チッ!工場見学で凌ごうと思ったけどだめみたいね」

ダージリン「なにか言いまして?」

エリカ「いえなんでもないです、じゃあキッチンへ行きましょう」

オレンジペコ「みほさんを狙っていることがバレているんではないですか?」ヒソヒソ

ダージリン「それでも構いませんは、恋と戦争には手段は選びません」ヒソヒソ

9: 2016/05/29(日) 18:06:52.95 ID:FQ6FOFKY0
~キッチン~
エリカ「今日はソーセージを作ってみましょう」コトッ

ダージリン「ではみほさんの好みの好きなソーセージの作り方を教えて下さい」

エリカ「・・・今日はオーソドックスな生ソーセージにしましょう」

ダージリン「ちょっと!!」プンプン

エリカ「これが家庭用の肉挽き器です」ガチャン

オレンジペコ「先程のと比べると可愛らしいサイズですね」

エリカ「これを冷蔵庫に入れて冷やしておいてください」

ダージリン「なるほど、熱が掛からないように挽き器ごと冷やしておくのね」フムフム

エリカ「ではこれで肉を弾いていきます、部位はもも肉やロース、バラ肉などを混ぜて使います」

エリカ「硬くプリっとした食感にしたければもも肉を多めに、ジューシーに仕上げたければバラ肉を多くしてください」

10: 2016/05/29(日) 18:15:43.31 ID:FQ6FOFKY0
ダージリン「なるほど、硬くしたければ・・・・」カキカキ

オレンジペコ「ダージリン様、随分熱心ですね」

ダージリン「ソーセージはみほさんの好物ですからね、しっかりと覚えて食べてもらいますの」

エリカ「今日は肉を200g用意しました。ケーシングの太さにもよりますが今日は一般的な羊の腸を用意しました。ケーシング1mで200g程度の肉を使います」

ダージリン「これが羊の腸ですの、随分硬いですね」ツンツン

オレンジペコ「ダージリン様、これはまだ塩漬けの状態です、これを水で戻して使います」ヒソヒソ

エリカ「これを水につけて優しく洗います、一旦水を捨ててまた水に漬けておいてください」

11: 2016/05/29(日) 18:24:37.04 ID:FQ6FOFKY0
エリカ「では早速肉を挽いていきましょう、このハンドルを回してください」

ダージリン「こうですね」グルグルグル

エリカ「では肉を入れていってください」

オレンジペコ「行くますよ、ダージリン様」ポイポイポイ

ダージリン「結構力がいりますのね」グイグイグイ

エリカ「できるだけ一定の力加減で弾いてくださいね、肉の粗さに差ができちゃいますから」

ダージリン「ぐるぐるぐる、これ面白いですわね」ニコニコ

エリカ「次は味付けですね、水40gに肉の1%の塩と砂糖を入れてください、味は好みもありますから何度か作って自分にあった味を探してください」

オレンジペコ「一度水に溶くことで味が回りやすくなるんですね」

エリカ「はい。それからこの後、胡椒も入れますからだまになりやすいですからね」

ダージリン「1%というと2gですわね、こんなものかしら?」パラパラパラ

エリカ「ちょ、ちょっと何で量らないのよ!?」

ダージリン「え!? 2gならこのぐらいですわよ?」


12: 2016/05/29(日) 18:31:38.81 ID:FQ6FOFKY0
エリカ「大体なんてだめよ!きっちり量ってください」

ダージリン「ずいぶん細かいんですね」キリキリ

オレンジペコ「ドイツ人は几帳面ですからね、世界最古の食品法もドイツのビール純粋令と言われてますからね」

ダージリン「なんですのそれは?」

オレンジペコ「ビールの原材料を麦芽、ホップ、水、酵母のみとする事を定めた法律です、これに反するものはビールとはいえなかったんです」

ダージリン「そんなものがあったのね、それにしても細かすぎるんではなくて?これくらい加減でいいじゃない」

エリカ「ダメなものはダメです。キッチリしてください。料理というのは材料と調味料の化学反応です、分量もしっかり守ることが大切です」

ダージリン「そうですのね、はい!これで2gです」

オレンジペコ「料理下手な人に限って分量を量らずに作りたがりますからね」

ダージリン「なにか言いましたかペコ?」

オレンジペコ「いいえなんでもないです」

13: 2016/05/29(日) 18:38:17.30 ID:FQ6FOFKY0
エリカ「次は胡椒ですね、今日は粗挽き胡椒を0.5%です。これをハーブやスパイスに変えても面白い味にできますよ」

ダージリン「1gですわね。 パラパラ そうだ、せっかくなのでこのハーブも入れてみましょう」

オレンジペコ「ダージリン様、それはチリパウダーですよ、辛くて食べられなくなっちゃいます」トリアゲ

ダージリン「ああ、もう酷い取り上げなくてもいいじゃないペコ・・・」ムー

オレンジペコ「まったく、何で一度も作ったことがないのにアレンジしたがるんでしょう」ハァ

ダージリン「なにか言いましてペコ?」

オレンジペコ「いえ、なんでもないです・・・」

エリカ「ではそれを混ぜあわせてよく練ってください、ひっくり返しても落ちてこないくらいですよ」

ダージリン「こうですね、グイグイグイっと」



14: 2016/05/29(日) 18:44:49.15 ID:FQ6FOFKY0
エリカ「次はタネ空気を抜きます、団子状にしてボールに叩きつける感じで空気を抜いてください」

オレンジペコ「空気を抜かないと温めた時爆ぜる原因にもなりますからね」

ダージリン「よいしょ、よいしょ」ペチーン ペチーン

エリカ「ではこの絞り袋に入れてください」

ダージリン「ソーセージと言うと専用の器械がいると思っていましたが、普通の絞り袋でもできるんですのね」

オレンジペコ「専用の口金がいりますけどね、これなら300円程度で売ってますからね」

エリカ「その口金にさっきの羊の腸を被せてはめていきます」

ダージリン「なんだかあれみたいですわね/////」

オレンジペコ「ダージリン様、はしたないですよ」


15: 2016/05/29(日) 18:49:57.93 ID:FQ6FOFKY0
エリカ「では絞っていきましょう。まずは少し絞り出した肉を捨てます」

ダージリン「なんだかもったいないですわね」ポイッ

エリカ「じゃあ、腸の先っちょを結びましょう」

ダージリン「よいしょっと」グルングイイイ

エリカ「ゆっくり絞り出してくださいね、勢い良くやると爆ぜますよ」

ダージリン「ぐぐぐぐぐ」グニュウウウウン

ダージリン「ペコ!!ペコ!!見てみなさいソーセージですよ」

オレンジペコ「本当ですね、よく見るソーセージです」

エリカ「初めてでは結び目を作るのは難しいので、一気に絞り出しちゃってください」

ダージリン「むむむむ」グニュグニュグニュウウウウウン

17: 2016/05/29(日) 18:57:37.45 ID:FQ6FOFKY0
エリカ「絞り終わったら最後をもう一度縛ってください、後は好みの長さで2、3度捻じれば完成ですよ」

ダージリン「こんなものかしら?」グルグル

オレンジペコ「ちょっと長いんじゃないですか?」

エリカ「最後にねじったところをハサミで切れば完成です」

チョキン チョキン
ダージリン「見て見てペコ!!ソーセージが出来ましたわ」ワイワイ

エリカ「これを燻製にしても良いんですが今日は肉の新鮮さを味わうためにグリルとボイルにしましょう」

エリカ「焼く時はフライパンよりも魚用のグリルがいいですよ。茹でる時は沸騰させ過ぎに気をつけてくださいね」

オレンジペコ「生のソーセージはフライパンにこびりついて皮が破れちゃいますからね」

エリカ「片面ずつひっくり返しながら15分も焼けば完成です」

ダージリン「出来ましたわ、ペコどうです、私もソーセージが作れましたわ」

オレンジペコ「美味しそうな焼き目ですね」ジュウウウウ

18: 2016/05/29(日) 19:07:26.42 ID:FQ6FOFKY0
エリカ「隊長、完成しました」

まほ「エリカか!?よし全員降車、大休止とする」

ワー ワー ワー

まほ「随分いい香りをさせているな」クンクン

ダージリン「私達でソーセージを作りましたの、まほさんも召し上がってください」

まほ「ああ頂くとしよう、エリカ全員に”あれ”を配ってくれ」

エリカ「はい!了解です隊長」タッタッタッ

エリカ「お待たせしました」ガチャン

ダージリン「随分真っ黒ですわね、なんですのこれは?」

まほ「黒森峰特製のシュヴァルツビールだ、ソーセージに合うぞ」グビッ

オレンジペコ「ドイツの黒ビールですね、ロースとモルト特有のキレとコク、鼻を抜けるフルティーな香りが特徴のビールですね」

エリカ「肉料理との相性は抜群よ、マスタードを付けてかぶりついてみなさい」

20: 2016/05/29(日) 19:16:44.35 ID:FQ6FOFKY0
ダージリン「ではいただきましょう」カプッ ブリュン ジュワワワアアア

ダージリン「んん~美味しいですね!パリッとした皮と中からあふれる肉汁がたまりませんわ」パクパク

まほ「そこにこの黒ビールを流し込むんだ」グビグビグビ

ダージリン「グビグビグビ  プフゥ~すっきりとしていて飲みやすいですわね、これなら幾らでも食べられますわね」パクパク

オレンジペコ「このボイルしたソーセージも美味しいですよダージリン様、プリッっとしていてとってもジューシーです」

ダージリン「ふふふ、これでソーセージ作りをマスターしてしまいましたわ。これでみほさんに一歩近づきました」

エリカ「何言ってるの!こんなんじゃまだまだ足りないわよ。ドイツには1500種類を超えるソーセージがあるのよ、これだけ覚えただけじゃみほを満足なんてさせられないわよ」

ダージリン「せ・・1500・・・そんなにあったんですの」

オレンジペコ「地方ごとに独特のソーセージがありますからね、ダージリン様どうされますか?覚えて帰りますか?」

21: 2016/05/29(日) 19:22:43.64 ID:FQ6FOFKY0
ダージリン「ちょっと目眩がしますわ・・・もう少し腕を上げてからにしましょう・・・」クラクラ

まほ「ダージリンもうよかったのか?」

ダージリン「ええ、今日はありがとうございました」ペコ

まほ「ふふ、頑張ってみほのために料理を覚えてくれ」

ダージリン「あら?エリカさんのお味方では無かったんですの?」

まほ「みほを慕ってくれる者は多いほうが良いからな」クス

ダージリン「それではごきげんよう ペコッ またお会いしましょ」

まほ「ああ、また会おう」

ダージリン「エリカさんもごきげんよう、今日は助かりましたわ」

エリカ「ええ、でもみほは譲らないわよ」

オレンジペコ「ありがとうございました」フリフリ

22: 2016/05/29(日) 19:26:19.82 ID:FQ6FOFKY0
オレンジペコ「これで料理修行も終わりですね」フゥ~

ダージリン「何言ってますの?まだ旅は始まったばかりですよ」

オレンジペコ「ええ!?まだ他にも行くんですか?」

ダージリン「当たり前よ、みほさんのハートを射止めれるような料理を作れるまで続けます」

オレンジペコ「それって終わらないんじゃ・・・」

ダージリン「ペコ?なにか言いましたか?」

オレンジペコ「いいえ、ところで次は何処へ行くんですか?」

ダージリン「そうですね・・・・次はもう少し難易度の低い所にしましょう」

オレンジペコ「・・・疲れたんですか?」

ダージリン「いきなりソーセージはハードルが高かったみたいです・・・」

32: 2016/05/30(月) 13:45:43.11 ID:Du5X+m4m0
オレンジペコ「ダージリン様きょうはどちらに向かわれるんですか?」

ダージリン「今日はサンダースに行こうと思いますの、あそこならうちと大してレベルも変わらないから簡単なはずよ」

オレンジペコ「最初の意気込みはどうしたんですかまったく・・・」ハァ

ダージリン「料理があそこまで大変なんて思ってなかったのよ、その点サンダースならきっと簡単なはずですわ」

オレンジペコ「そんな低い志ではみほさんのハートを射止めるのは無理そうですね」

ダージリン「少しずつよ、少しずつレベルを上げていくだけですわ・・・」

オレンジペコ「では、早速行きましょうか」

33: 2016/05/30(月) 13:49:46.33 ID:Du5X+m4m0
ケイ「それでうちに来たってわけね」

アリサ「なんだか随分馬鹿にされていますね」

ダージリン「と言うわけでよろしくねケイ」ペコッ

オレンジペコ「「すいませんよろしくお願いします」

ケイ「OK!でも料理ねえ、何を作ろうかしら?」ムフムフ

オレンジペコ「できるだけ簡単な物にしてあげてください」

ダージリン「ペコッ!」プンプン

ケイ「ハハハッじゃあサンダースの感謝祭に欠かせないローストターキーを作りましょ」

ダージリン「七面鳥の丸焼きですね、それなら私もクリスマスに食べたことがありますわ」

34: 2016/05/30(月) 13:56:15.02 ID:Du5X+m4m0
オレンジペコ「イギリスではクリスマスに欠かせませんからね」

ケイ「アメリカでもそうよ、でもなんといっても11月の感謝祭ね、サンダースもこの日は祝日なのよ、七面鳥を焼いてみんなでお祝いするの」

オレンジペコ「アメリカでは感謝祭の日に屠殺される七面鳥を大統領が恩赦で開放してあげるそうですよ」

ケイ「サンダースでは代わりに生徒会長がしてるわね、じゃあ早速作りましょうか」

ダージリン「そうですね!これでいつ、みほさんとクリスマスを過ごすことになっても大丈夫ですわね」ニコニコ

35: 2016/05/30(月) 14:06:17.05 ID:Du5X+m4m0
ケイ「じゃあ早速作るわよ、まずは七面鳥の下ごしらえね」

ダージリン「あらそのまま焼くのではないんですの?」ハテッ

ケイ「ダメよそれじゃあ!ちゃんとブライニングしてしっとりジューシーな七面鳥にしなくちゃ」

オレンジペコ「肉の下味の付け方一種ですね、こい塩水に肉を漬け込んで味をつけるんです」

ダージリン「へ~そんな風にしてたんですね」フムフム

ケイ「じゃあまずはブランニング液を作るわよ、まずは水を1ガロン用意するわ」

ダージリン「1ガロンですね」ドボドボドボ

ケイ「ちょっと、これじゃあ多すぎるわよ?」

ダージリン「えっ!? 確かに1ガロン入れましたわよ」

オレンジペコ「ダージリン様、アメリカの1ガロンは3.8㍑ですよ」

ダージリン「そうでしたの?まったく何で合わせないのかしら」プンプン

36: 2016/05/30(月) 14:12:09.25 ID:Du5X+m4m0
オレンジペコ「面倒なので、ここはリットル単位に合わせましょう」

ケイ「まったく面倒くさい国ね」ハァ

ダージリン「まったく面倒な国ですこと」ハァ

オレンジペコ「はいお水3.8㍑です」ゴト

ケイ「じゃあそれに塩と砂糖を入れるわね、3/4カップってところね」サササー

ダージリン「量らなくても良いんですの?」

ケイ「良いのよ、料理は芸術なんだから感性の赴くまま入れればいいのよ」

オレンジペコ「この間の学園とはだいぶ違うようですね」

37: 2016/05/30(月) 14:22:45.64 ID:Du5X+m4m0
ケイ「あとはスパイスね、今日は黒胡椒にローリエとローズマリー、パセリを入れるわ」

オレンジペコ「どのくらい入れるんですか?」

ケイ「胡椒はスプーン2杯くらいね、ローリエは2,3枚、ローズマリーとパセリは1本ずついれればいいわ」

ダージリン「これに七面鳥を漬けるんですのね」ツンツン

ケイ「そうよ、七面鳥はしっかり解凍しておいてね。水気をしっかり拭きとってブライニング液に漬け込んでね」

オレンジペコ「どのくらい漬け込むんですか?」

ケイ「今日の七面鳥は9kgだから一晩くらいね、小さい若鶏で作るなら5時間位、鶏もも肉なら2時間ってところね」

38: 2016/05/30(月) 14:30:29.92 ID:Du5X+m4m0
オレンジペコ「今日は時間の関係でもう漬け込んだものを用意しました」ガタッ

ダージリン「誰に向かって言ってますのペコ?」

オレンジペコ「なんでもないですダージリン様」

ケイ「次は中に詰めるスタフィンを作るわよ」

ダージリン「スタフィー?」

オレンジペコ「スタフィンですダージリン様」

ケイ「今日はベーコン1パック(5枚程度)に玉ねぎ1個、人参にセ口リを1本ずつそれからバケットを半分よ」

ダージリン「バケットってフランスパンですわよね?」

39: 2016/05/30(月) 14:37:54.58 ID:Du5X+m4m0
オレンジペコ「そうですね、70~80cmのものをバケットといいますね」

ケイ「じゃあ材料を切っていくわよ、全部5mm角に切ってね」

ダージリン「ずいぶん細かいんですのね」トントントン

ケイ「じゃあスタフィンを作っていくわよ、まずは温めたフライパンにオイルを敷いてベーコンから炒めていくのよ」

ダージリン「わかりましたわ」ジュージュー

ケイ「次は野菜よ、最後にバケットを入れて塩コショウで味を整えてね」

ダージリン「随分しっとりしてきましたね」

ケイ「もう良いわよ!バットに移してしっかり冷ましてね」

40: 2016/05/30(月) 14:47:59.52 ID:Du5X+m4m0
ケイ「じゃあ七面鳥に詰めていくわよ、奥までしっかり詰め込んです」

ダージリン「よいしょ、よいしょ」グイグイ

オレンジペコ「パンパンになりましたね」

ケイ「最後におしりをタコ糸で縫い付けるのよ」

オレンジペコ「料理用の縫い針がなければ爪楊枝で留めるだけでも良いですよ」

ケイ「OK!いい出来ね。次は表面に溶かしバターを塗るのよ」

ダージリン「溶かしバターね。そう言えば昔、世界の料理ショーって番組がありましたね」ヌリヌリ

ケイ「カナダの番組ね、主演のグラハム・カーがもこみちさんのオリーブオイル並にバターを使ってたわね」

オレンジペコ「追いオリーブオイルならぬ追い溶かしバターなんてよくやってましたね」

41: 2016/05/30(月) 14:59:14.30 ID:Du5X+m4m0
ケイ「じゃあ焼いていくわよ、鉄板にたまねぎの輪切りを敷き詰めてその上に七面鳥を置くのよ」ドシーン

ケイ「じゃあオーブンで焼いていくわよ」

ダージリン「温度は何度くらいですの?」

ケイ「そうね170℃てところかしら、焼き時間は3時間から4時間よ」

ダージリン「随分焼くんですのね?」

ケイ「焦げやすいから焦げる前にアルミホイルを巻いてあげてね。そうしたらオーブンでじっくり焼くのよ」

ダージリン「後は焼くだけですのね、ふぅ~疲れましたわ、これで少し休めますわね」

ケイ「何言ってるの、この後30分おきに下に落ちた肉汁をかけながら焼いていくのよ」

ダージリン「まだありましたの!?」

42: 2016/05/30(月) 15:04:51.37 ID:Du5X+m4m0
ケイ「そうよ、美味しいものを作ろうと思ったら手間を惜しんじゃダメなのよ」

~3時間後~
ケイ「そろそろね、焼き加減を見てみましょ」

ダージリン「焼き加減はどうやって測りますの?」

ケイ「いつもは温度計で測るわね80℃になったら完成よ!温度計がない時は金串や竹串を刺すのよ」

ダージリン「こうね」ブスウウ

ケイ「中から透明な肉汁が出て来ればOKよ、生焼けだと血が混じって赤くなるから追加で焼いてあげてね」

ダージリン「これは透明だから大丈夫ね」

43: 2016/05/30(月) 15:09:47.72 ID:Du5X+m4m0
ケイ「さあ完成よ、お皿に盛り付けるわよ。茹で野菜やパセリなんかで飾り付けしてあげてね」

ダージリン「ふうう、出来ましたは!どうですペコこれでクリスマスも完璧ですわ」

オレンジペコ「これは美味しそうですね、皮もパリパリでいい匂いです」クンクン

ケイ「早速食べましょ、切り分けるわよ」カチャカチャ

アリサ「隊長、ワインも持ってきました」トクトクトク

ケイ「やっぱり感謝祭には七面鳥と赤ワインね」

44: 2016/05/30(月) 15:17:40.70 ID:Du5X+m4m0
ダージリン「ではいただきましょう!」カチャカチャ パクリ

ダージリン「ん~皮はパリッとしていてお肉はしっとりジューシー、今まで食べていたローストターキーとは比べ物になりませんわ」

オレンジペコ「ブライニングの効果ですね、パサパサになりやすい七面鳥がしっとりとしていて本当に美味しいです」パクパク

ダージリン「七面鳥ってこんなに美味しかったんですのね、ハーブの香りと肉の旨みがたまりませんね」

ケイ「どう?これがサンダースの力よ!!このクランベリーソースや焼けた煮汁を煮詰めたグレイビーソースをつけるともっと美味しいわよ」

オレンジペコ「ローストターキーといったらグレイビーソースですね。イギリスでもおなじみですね。肉汁の旨味がたまりません」パクパク

ダージリン「私はクランベリーソースが好みですね・・・・ってこの立体的なものはなんですの?」

45: 2016/05/30(月) 15:23:41.39 ID:Du5X+m4m0
ケイ「なにってクランベリーソースよ?」

ダージリン「なんですのペコこの円柱は ヒソヒソ」ツンツン プルルーン

オレンジペコ「恐らく缶詰のクランベリーソースですね、缶から開けてそのまま出したんでしょう」ヒソヒソ

ダージリン「だからってあんなふうに固まりますの?」ヒソヒソ

オレンジペコ「アメリカのクランベリーソースには砂糖がたっぷり入ってますからね。ジャムのようになっているんでしょう」

ダージリン「そういうこのですか・・・パクッ んん!!?食べてみるといけますね」

ケイ「どう?これが感謝祭の晩餐よ」

ダージリン「ええとっても美味しかったわ、これでまた一つみほさんに近づきましたわね」ウンウン

オレンジペコ「まだ肉料理を2つ覚えただけですけどね」

46: 2016/05/30(月) 15:28:01.83 ID:Du5X+m4m0
ダージリン「でもこれで肉料理は完璧ですね!!」

ケイ「肉料理が完璧??」ピクッ

ダージリン「ええ、もうサンダースの肉料理はマスターしました、後は魚料理でも勉強しに行きましょうかね」

ケイ「ダージリンは肉料理をこの程度でマスターしたつもりなの??」ドドドド

ダージリン「ええ、どうしたのケイそんなに怖い顔をして?」

ケイ「アリサ、オペレーションB.B.Q発令よ、ダージリンに肉料理の真髄というモノを教えてあげるわ」

アリサ「YESMAM!!」


47: 2016/05/30(月) 15:40:45.98 ID:Du5X+m4m0
ダージリン「どうしましたのケイ?」

ケイ「せっかくサンダースに来たんだから特製のバーベキューを食べていってね」ニコ

ダージリン「ケイ??」

ケイ「まずはバーベキュープルドポークよスパイスを摺りこんだ豚肉を低温のチャコールを使ったオーブンで8時間焼くのよ、途中で何度もバーベキューソースを塗るからね」

ダージリン「は・・・8時間・・・・」アワワワワ

ケイ「途中で温度が高くなり過ぎないようにオーブンにはつきっきりよ、さあ楽しくなってきたわね、みんな準備はいい?」

サンダース生「yeahaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!」

オレンジペコ「ダージリン様、私は先に帰ってますね」コソコソコソ

ダージリン「ちょっとペコ・・・まってちょっとペコオオオオオオオオオ」グイグイグイ

ケイ「楽しい時間はこれからよダージリン」ズリズリズリ

ケイ「部位ごとに美味しい焼き方を教えてあげるからね、豚が終わったら次は牛よ」ズリズリズリ 

ダージリン「いやあああああああああああ」 ズリズリ ギイイイイイイイ バタンッ!!

48: 2016/05/30(月) 15:41:15.62 ID:Du5X+m4m0
今日はここまでもしかしたら夜にまた書くかも

52: 2016/05/30(月) 18:59:57.21 ID:Du5X+m4m0
ダージリン「うううう~ターキがターキが襲って・・・」ウーンウーン

オレンジペコ「大丈夫ですかダージリン様」フキフキ

ダージリン「・・・お肉が・・・もう許して下さい・・・」ウーンウーン

ダージリン「バーベキューはもう嫌あああああ」ガバアア  ハァハァ

オレンジペコ「だ、大丈夫ですか!?!?」

ダージリン「ハァハァ、ひどい目に合いましたわ・・・」ポタポタ

オレンジペコ「一体何があったんですか?」

ダージリン「・・・三日三晩延々とバーベキューをしていましたわ・・・終わっても終わっても次々お肉が出てきて・・・」

オレンジペコ「そ、それは凄いですね」ハハァ・・・

ダージリン「あの方たちときたら最後にはバーベキューの肉が焼ける間に肉を焼こうなんて言い出しますのよ」

ダージリン「厚底ブーツみたいな分厚いステーキを何枚も・・・」ガタガタ

53: 2016/05/30(月) 19:12:13.25 ID:Du5X+m4m0
オレンジペコ「低温で煙で燻すように焼くバーベキューとグリルで焼き上げるバーベキューは別腹ということですね」

オレンジペコ「でも美味しくはなかったんですか?」

ダージリン「美味しかったですわ、特にじっくりと時間を掛けて焼かれた豚は触っただけでもホロホロと崩れるような柔らかさでした・・・」

ダージリン「それを特製のバーベキューソースと一緒にバンズに挟んだサンドイッチは本当に美味しかったです。柔らかくほぐされてお肉と燻したことでもたらされたスモーキーな香り、コクのあるソースが絡まり豚肉の旨味を最大限に引き出していました・・・」

オレンジペコ「じゃあ良かったじゃないですか。今日は何処に行きますか?」

ダージリン「・・・・牛肉とスパイスの組み合わせも・・・酸味のきいたパイナップルが・・・」ブツブツブツ

オレンジペコ「本当に大丈夫ですかダージリン様」ペシペシ

ダージリン「・・・・ハッ!! ええ大丈夫ですわ、今日の修行先でしたわね」

オレンジペコ「はい、何処に行きましょうか」

ダージリン「今日は知波単学園に行こうと思います」

オレンジペコ「・・・・お肉」ボソッ

ダージリン「ひぃぃぃぃぃぃぃ」ガクブル

54: 2016/05/30(月) 19:15:51.46 ID:Du5X+m4m0
~知波単学園~
オレンジペコ「というわけで今日はよろしくお願いします」ペコ

絹代「はい!!こちらこそよろしくお願いします」ペコ

ダージリン「・・・・お肉はもう嫌・・・・」ブツブツブツ

絹代「だ、ダージリン殿は大丈夫ですか?」

オレンジペコ「ダージリン様、ダージリン様。知波単学園につきましたよ」ペシペシ

ダージリン「・・・これは失礼、今日はよろしくお願い致しますわ」ペコ

絹代「はい、ではこちらへどうぞ」

55: 2016/05/30(月) 19:32:34.00 ID:Du5X+m4m0
絹代「それでは料理指導ということでしたがどんなものがよろしかったですか?」

ダージリン「そうですわね・・・さっぱりとしたものがいいですわね。あと、きゅうりを使った料理も教えていただけますか」

絹代「さっぱりとしたものにきゅうりですね・・・・ふーむ」ムムム

絹代「では冷汁と素麺ではいかがでしょうか」

ダージリン「分かりました。では、その二品でおねがいしますわ」

オレンジペコ「冷汁というとあの宮崎県の郷土料理ですか?」

絹代「今日はそちらではなく江戸時代の夏の名物料理です」

56: 2016/05/30(月) 19:39:14.94 ID:Du5X+m4m0
絹代「白瓜で作ったりもするんですが、今日はきゅうりで作りましょう」

ダージリン「ではお願いしますわ」

絹代「ではまず、出汁を取りましょう。昆布を濡れ布巾で拭いてから水に付けます」

ダージリン「どうして拭くんですの?」

絹代「昆布の表面についている粉がありますよね、これも実は旨味成分なんです」

オレンジペコ「マンニトール、糖アルコールの一種ですね」

絹代「はい!なのでこれを取り過ぎないように布巾でホコリや砂を拭き取るんです」

57: 2016/05/30(月) 19:43:27.42 ID:Du5X+m4m0
絹代「一晩水に漬けた昆布を鍋ごと火にかけます」

ダージリン「ふむふむ」カチッ

絹代「この時、絶対に沸騰させないでください」

ダージリン「沸騰させないように・・・」カキカキ

オレンジペコ「ダージリン様、今日は一段と集中されてますね」

ダージリン「なんといっても和食ですからね、みほさんも食べ慣れた味でしょう。しっかり勉強しておかないといけませんからね」

58: 2016/05/30(月) 20:02:27.97 ID:Du5X+m4m0
絹代「もう少しで湧いてきますね、では昆布を取り出してください」

ダージリン「つるつる滑りますわね」ツルンツルン

絹代「沸騰したら次は鰹節を入れます、これを全部入れてください」ワサワサ

ダージリン「随分多いんですわね、こんなに入れるものなんですか」

絹代「今日は一番だしを作るので1リットルに対して50グラムは入れてください」

ダージリン「一番だし?」

オレンジペコ「吸い物や茶碗蒸しなんかに使われる出汁ですね、大量の鰹節を短時間で抽出することでカツオの旨味だけを引き出して、苦味や臭みを抑えた出汁のことです」

ダージリン「美味しいアイスティーを作る時みたいですわね」フムフム

絹代「鰹節を入れたらもう火は切ってください、鰹節が沈んだらサラシで漉して完成です」

ダージリン「カツオのいい香りがしますわね」クンクン

絹代「今日はダージリン殿がいらっしゃるとお聞きしたので本枯節の3年ものの雌節を用意しました。削るのは3年ものともなると固たすぎて危ないのでうちの福田にさせておきました」

59: 2016/05/30(月) 20:12:46.28 ID:Du5X+m4m0
福田「頑張りましたであります」フンス

ダージリン「本枯とか雌節とか3年ものってどういう意味ですの」ヒソヒソ

オレンジペコ「本枯節は焙乾を行った後カビ付けを行って水分を極端まで少なくした鰹節のことです」

ダージリン「カビが生えた鰹節なんですの!?」

オレンジペコ「カビが生える際にカビが水分を消費するんです、そのカビを落として何度も繰り返すんです。最後にはカビすら生えないほど水分量が減るんです」

ダージリン「なるほど、そういうからくりだったんですの・・・でも・・・」

オレンジペコ「大丈夫ですよダージリン様、カビが生えただけで直接食べるわけではないですからね。それに、使われるカビも麹カビの一種で安全です。その本枯を3年熟成させたものということでしょう」

ダージリン「雌節と言うのは?」

オレンジペコ「カツオの身の腹側で作った鰹節のことです。雄節と雌節に別れるんです。小さいカツオで作った亀節なんてのもありますよ」

61: 2016/05/30(月) 20:26:13.09 ID:Du5X+m4m0
ダージリン「それはなにか違いがあるんですの?」

オレンジペコ「腹がわの雌節は脂肪が多いのでコクがあると言われてますね、その逆に雄節は脂肪が少なく筋肉が多いのですっきりとしていますがアミノ酸が多く強い旨味がありますね」

絹代「よくご存知ですね流石はオレンジペコ殿、今日は冷汁にするので冷たい分コクを強くしようと雌節を用意しました」

オレンジペコ「紅茶で言うとF.T.G.F.O.P.の茶葉を用意していただいたという意味です」

ダージリン「まぁ~そうでしたの、それはありがとうございますわ、なんとお礼を言ったらいいのか・・・」ポロポロ

絹代「ああの・・・ええっと・・そのふぃななんちゃらぺこーと言うのは?」

オレンジペコ「紅茶の等級のことですフィナー・ティピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー」

ダージリン「特に品質の良くゴールデン・ティップスを多く含んだ最上級品という意味ですわ」

オレンジペコ「ゴールデンティップスとは茶の木の表面に生えている新芽のことです」

絹代「なるほど、手摘み新茶のようなものですね、勉強になりました」ペコッ

62: 2016/05/30(月) 20:31:37.73 ID:Du5X+m4m0
ダージリン「いえいえ、こちらこそこんないいものを用意していただいてありがとうございますわ」

絹代「ということはオレンジペコ殿も成長するに連れて名前が変わっていくということですね!!」フンス

ダージリン「一番劣るのがペコー、その上がブロークン・オレンジ・ペコー、オレンジペコーとなっていますね。あなたはまだまだ変身が残っているそうですよ」クスクスクス

福田「激しい怒りで伝説のグ口リアーナ生、ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコになるんですね」

ダージリン「そうですわ」クスクス

オレンジペコ「嘘を教えないでくださいダージリン様」プンプン

63: 2016/05/30(月) 20:42:44.69 ID:Du5X+m4m0
絹代「ではこの出汁で味噌汁を作っていきます」

ダージリン「冷汁とは味噌汁のことでしたのね」

絹代「途中までは一緒ですね、冷まして飲むのですこい薄めにしておいてください」

オレンジペコ「汁物は冷めると辛くなりますからね」

ダージリン「味噌を溶くんですね、シャカシャカ こんなものかしら」

絹代「少し失礼 スー、ゴクン、そうですねもう少し濃くてもいいですね」

ダージリン「汁物は味を見ながら味付けできるので良いですわね」

絹代「何度も作っていればあたりを何回も見ずにさっと付けれる様になりますよ」

絹代「ではこれを冷蔵庫で冷やします。江戸の頃は井戸水で冷やしていたそうですよ」

ダージリン「では冷やしますね」バタンッ

64: 2016/05/30(月) 20:47:44.72 ID:Du5X+m4m0
絹代「じゃあ次は胡瓜ですね、縦に半分に割ってタネを取ります」

ダージリン「ここは捨ててしまうんですね」タンッ スススウウ

絹代「どうしても水っぽくなりますからね、それを斜め薄切りにしてください」

ダージリン「なかなか難しいですわね」トス トス

絹代「む!? ダージリン殿もっと薄く、それでは分厚すぎます」

ダージリン「え!? こ、こうですか?」スト スト

絹代「これなら良いですよ、残りも全部同じ薄さに切ってください」

ダージリン「全部ですね・・・・・」ストストスト

オレンジペコ「気をつけてくださいねダージリン様」

ダージリン「話しかけないですださい、集中できません」プルプル ストスト 

66: 2016/05/30(月) 20:59:41.34 ID:Du5X+m4m0
絹代「次はみょうがとしょうがを千切りにします」

ダージリン「しょうがはジンジャーよね、みょうがは?」

オレンジペコ「ジャパニーズジンジャーですダージリン様」

ダージリン「では、どっちもジンジャーなんですね」

絹代「しょうがは薄くカツラにするか、繊維にそって薄切りにしてください。それを重ねて細切りにすれば針生姜になります。みょうがは縦半分に切って根本をV字に切り取ってから千切りにします」

ダージリン「なかなか難しいですわ」ソロソロソロ

絹代「まだ太いです、水に晒した時に華が咲くように広がるまで細くです」

ダージリン「ひいいいいいいい」ストスト

絹代「まだまだ太い、このぐらいは細くしてください」スススススススト フワァァァァァン

ダージリン「凄いですわ・・・・・」ポケッー
オレンジペコ「流石ですね・・・・」ポケェー

絹代「いやいやそんなことは」テレテレ


67: 2016/05/30(月) 21:08:44.44 ID:Du5X+m4m0
絹代「次は胡瓜をさっと茹で氷水に落として水気を切ります、茹でるのはさっと、色が出る程度でいいですよ」

ダージリン「しゃぶしゃぶしゃぶこんな感じですわね」パチャ

オレンジペコ「火の入った胡瓜も綺麗な色ですね」

絹代「最後に先ほど冷やした味噌汁をキッチンペーパーで漉します」

ダージリン「味噌汁を漉すんですの?」

絹代「味噌風味のすまし汁なんです、何度か濾して濁りがなくなるまで漉します、最後に碗に盛って薬味を入れたら完成です」

ダージリン「随分シンプルですわね」

絹代「この料理の時は汁物ですが陶磁器の碗を使ってくださいね、木の椀では冷やせませんからね」

ダージリン「わんわん?何がないやらわかりませんわね」

オレンジペコ「恐らく木偏の椀と石偏の碗ですね、きょうの料理は冷やして食べるので陶器の器で冷たく食べようということでしょう」

絹代「茶漬け茶碗でもいいですしガラスの器でも涼しげがあっていいですよ」

68: 2016/05/30(月) 21:25:37.52 ID:Du5X+m4m0
絹代「次は素麺ですね、実は素麺は日本で一番古くからある麺料理なんですよ」

ダージリン「あらそうなんですの、てっきりうどんかそばかと思っていましたわ」

オレンジペコ「素麺は平安時代の文献にも登場しているそうですよ。江戸の頃には今のように七夕に素麺を食べる風習があったそうです」

絹代「今日は豆腐麪を作ろうと思います」

ダージリン「豆腐でできた素麺ですの?」

絹代「それもありますが今回も江戸時代の料理です、豆腐百珍という本をご存知ですか?」

ダージリン「聞いたことがありませんわね」

オレンジペコ「天明2年に刊行された江戸の豆腐料理を網羅した料理本ですね」

絹代「はい、今日はその豆腐麪を作ります」

ダージリン「豆腐料理だけで100品もあるんですか・・・・」

オレンジペコ「その後あまりの人気に続編や鯛料理百珍や大根などでも刊行されたようですよ」

69: 2016/05/30(月) 21:31:51.32 ID:Du5X+m4m0
絹代「今日は夏らしい素麺と豆腐を使った料理がありますのでそれを作りたいと思います」

絹代「材料は素麺と木綿豆腐、青菜、今日は小松菜を用意しました材料は以上です」

オレンジペコ「こちらも随分とシンプルですね」

絹代「まずは素麺を茹でます、少し芯が残るように仕上げてください」

ダージリン「パスタみたいですわね」パラパラ

絹代「では中華鍋を温めごま油を敷いて温め、水気を切ったもめん豆腐を手でちぎりながら入れて炒めてください」

ダージリン「こうですね」チギチギチギ ジュウウウウウウ

絹代「ではそこに青菜を入れてさっと混ぜあわせます」

ダージリン「ホッホッよっと」ジュウワアアア

70: 2016/05/30(月) 21:35:24.09 ID:Du5X+m4m0
絹代「そこに醤油を回し入れてください、最後に茹でた麺を入れて混ぜあわせれば完成です」

ダージリン「ほっほっほっ ジュウウウウウ」

絹代「味をみて足りなければ醤油を足してください」

オレンジペコ「随分簡単な料理でしたね」

絹代「ささ、席を用意してありますから、そちらへ行きましょう」

71: 2016/05/30(月) 21:40:01.35 ID:Du5X+m4m0
ダージリン「わ~見てみなさいペコ、川の上にベランダができていますわ」ワイワイワイ

オレンジペコ「納涼床ですね、これは風情がありますね」

絹代「どうですか知波単名物の納涼床は」

ダージリン「素敵ですわね、最近蒸し暑くなってきましたしこの浴衣も気持ちいいです」クルクル

オレンジペコ「よくお似合いですよダージリン様」

絹代「夏はこれに限りますよ、さあさあ食事にしましょう」パタパタ

72: 2016/05/30(月) 21:47:26.46 ID:Du5X+m4m0
絹代「ではまずは冷汁をどうぞ」コト

ダージリン「胡瓜の冷汁ですね、いただきますわ」コクコク

ダージリン「ふぅ~体の熱気がすべて出て行くようですね」スッキリ

オレンジペコ「冷たい味噌風味のすまし汁ですね、最高級の出汁の旨味と味噌のコクがありながら、味噌汁独特のざらつき感がなくてすっと入ってきますね」

ダージリン「それにこの薬味が良いわね、熱い日なのに生姜とみょうがで体の熱が取れるようね」

絹代「どうですか、夏バテにはこれが一番ですよ」

オレンジペコ「これはいいですね、井戸水で冷やすことでキンキンではなく体に入りやすい温度になってるのがいいですね、胡瓜のシャキシャキとした食感も食欲を増しますね」

73: 2016/05/30(月) 21:57:09.49 ID:Du5X+m4m0
絹代「次は豆腐麪ですどうぞ」コト

ダージリン「つるつる・・・ん~これも美味しいですわ、ごま油で炒めた豆腐の適度なボリューム感と青菜のシャキシャキとした食感、それを細く淡白な素麺が繊細な食感を包み込んでますわ」

オレンジペコ「この素麺がいいですねごま油の香ばしさと青菜の清涼感、醤油の味をうまく吸っていますね、食べれば食べるほど食欲が湧いてくる感じです」

絹代「喜んでいただけたようでよかったであります」ふぅ~

ダージリン「こちらこそありがとうございました、こんな素敵な夜が過ごせて最高でしたわ」

オレンジペコ「ダージリン様も食が戻ってよかったですね」

ダージリン「そうですわね、先ほどの料理を食べていたらもっと食べたい気分になってきましたわ」

絹代「そう言われると思って準備させておきました、福田~」パチパチ

74: 2016/05/30(月) 22:15:02.29 ID:Du5X+m4m0
福田「お待たせしました、鰹の刺身とカツオの筒切りキジ焼き風です、ごはんも炊いてきましたであります」

絹代「初鰹でまとめてみました。ささ、ダージリン殿も一献、夜はまだまだ長いですよ」

ダージリン「これは美味しいわね、カツオの香りと日本酒の相性はいいわ」

絹代「生元(きもと)作りの純米酒です、生元作りは日本酒製法の中で最も伝統的なものです、今日の江戸づくしには合うかと思いまして用意しました」

ダージリン「キメの細かい味わいですわね、まったりとした吟味がありながらすっと消えていくようにお腹の中に落ちていきますね、温かい肴にも冷たい肴にも相性抜群ですね」

絹代「そう言っていただけるとは感謝感激ですね、ささもう一献」トトト

ダージリン「よーし、今日は徹底的に飲むわよー」


76: 2016/05/30(月) 22:21:38.73 ID:Du5X+m4m0
チュンチュン チュンチュン
ダージリン「ううう~頭が痛いですわ・・・・」

オレンジペコ「ダージリン様起きてください、もう朝ですよ」パンパン

ダージリン「もうダメですわ氏んでしまいます・・・・」バタッ

オレンジペコ「馬鹿なことをしてないで西さんは訓練があるともう行ってしまいましたよ」

オレンジペコ「西さんが朝ごはんを作ってくれましたからいただきましょ」

ダージリン「うう~まともに食べられそうもないですわ・・・」

オレンジペコ「そうおっしゃられると西さんがおかゆを用意してくれました」

ダージリン「おかゆ??」

オレンジペコ「朝粥といって祇園で夜遊びした今日の旦那衆のために作られたのが始まりらしいですよ。京都の老舗の味を再現してくれたそうです」

ダージリン「あむあむ・・・おいしいですわ、このトロッとした餡がたまりませんね」

オレンジペコ「こういった細かい気配りを今回は覚えて帰りましょ」

ダージリン「そうですわね・・・ふぅ~染み渡りますわ」

77: 2016/05/30(月) 22:24:21.76 ID:Du5X+m4m0
今日はここまで ありがとうございました
>>75あくまでもお米のジュース、サンダースで飲んでいるのは発酵ぶどうジュース、ドイツでは麦ジュースです
そのへんは前作の続き的な位置取りです

次回の訪問先は未定 何か希望があればやるかも

87: 2016/05/31(火) 07:54:28.75 ID:TblSglqv0
秋山優花里の紅茶講座

優花里「どうも不肖秋山優花里です、本日は司会をさせていただきます」

ダージリン「解説のダージリンです皆様よろしく」

優花里「今回は紅茶の解説ということですが、ダージリン殿はどんな紅茶がお好きですか?」

ダージリン「私はやはり・・・・ダージリンですね。マスカットを思わせるフルティーな香りと、極上の爽快さを感じさせる渋み。そしてなんといっても深みのあるコク。紅茶のシャンパンともいわれる所以ですわね、特に私はダージリンの中でもセカンドフラッシュが好みですわね、美しい琥珀色は最高級の紅茶の名に恥じない輝きですわ」

優花里「わわわわ、いきなり飛ばし過ぎであります、ダージリン殿」

ダージリン「これは失礼しました」フフフ

88: 2016/05/31(火) 08:05:15.92 ID:TblSglqv0
優花里「そもそもダージリンとはどういった紅茶なんですか?」

ダージリン「ダージリンとはそもそもインドの地名ですの、西ベンガル州の最北に位置するインド有数の避暑地でネパールやブータンに挟まれた交易の街ですの」

ダージリン「街の中心でも標高が2300mにもなる高地で日中と朝夕の寒暖差が激しく一日に何度も霧がかかりますの、この霧をヒマラヤの冷たい風が晴らすことでダージリン独特の風味が生まれますの」

優花里「なるほど・・・そういった土地だからこそ生まれる味わいだったんですね」

ダージリン「それからダージリンはインドでは唯一、中国種の茶樹で作られる紅茶ですの」

優花里「お茶の木にも種類があるんでありますか?」

ダージリン「もちろんです、インドで主に育てられているインド種は葉が大きく繊維も粗く寒い地域では育ちませんの、中国種は色が濃くツルリとした葉っぱが特徴ですね、日本の茶葉もこちらになりますの」

89: 2016/05/31(火) 08:29:52.95 ID:TblSglqv0
優花里「茶葉にも種類があるんですね、ところで先ほどおっしゃていたセカンドフラッシュとはなんでありますか?」

ダージリン「セカンドフラッシュとは紅茶のクオリティーシーズンの一つです。言うなれば紅茶の旬と言ったところでしょうか、ダージリンの茶葉は一年を通して3回収穫しますの。3~4月にファーストフラッシュが、5~6月にセカンドフラッシュ、10~11月にオータムナルが収穫されますわ」

ダージリン「アッサムなんかは一年を通して収穫できますの。クオリティーシーズンではその時期ごとに特徴や味わいが違いますのよ」

優花里「それぞれどんな違いがあるんですか?」

ダージリン「そうですね・・・ファーストフラッシュですと一年目の最初の収穫ということでゴールデンチップを多く含んでいて希少性の高い茶葉ですね。発酵期間が他の2つに比べて短いため日本茶や中国茶のように緑色をしているのも特徴ですね」

ダージリン「飲み口も新茶独特の爽やかさがありますね紅茶というより烏龍茶や中国茶といったところですね。ただ、あまり飲み慣れない人には紅茶っぽさが少なく水色も独特の緑がかった白茶の様な色をしているので好みが分かれるお茶ですね」

優花里「ゴールデンチップは茶葉の先端のくるりと丸まった状態の芽のことですね、芯芽ともいわれたりしますね。まだ開いていない丸まった状態の茶葉でうぶ毛が生えているのが特徴ですね」

ダージリン「ゴールデンチップが多いということはそれだけ茶葉が若いということですわ」






90: 2016/05/31(火) 08:45:22.30 ID:TblSglqv0
ダージリン「セカンドフラッシュは味、香り、水色ともにファーストフラッシュよりも強くなりますね。最高級のダージリンの多くがこのセカンドフラッシュから生まれますわ」

ダージリン「ダージリン特有のマスカットフレーバーも楽しむことが出来ますわ」

優花里「そして最後が秋摘みのオータムナルでありますね」

ダージリン「深い渋みと赤い水色が特徴ですね、ストレートというよりもミルクティーなどに用いられることが多いですね」

優花里「なるほど・・・それぞれで違った美味しさが楽しめるんですね」

ダージリン「ダージリンはブレンドをせずに農園ごとの違いを楽しむのも面白いですわよ」

優花里「ダージリン殿のおすすめは何処の農場なんでありますか?」

ダージリン「私はやはりキャッスルトン茶園ですわね、ダージリンでも最も有名な茶園の一つで。だれもが美味しいと思える香りと味のバランスを持っていますわ」

ダージリン「特にムーンライトと呼ばれる朝摘み茶が一番好きですわね、まだ日の出ないうちに摘まれた茶葉は得も言われない味わいですわよ」(この辺は私の趣味です)

優花里「日本茶でも朝詰みが美味しいと言われていますね、ではダージリン殿にその紅茶を入れていただきましょう」ガラガラ



91: 2016/05/31(火) 08:55:58.84 ID:TblSglqv0
優花里「今日はダージリンのセカンドフラッシュを用意しました」

ダージリン「まずはティーポットの選び方ですね、今はジャンピングが起こしやすい丸型が主流になっていますね」

優花里「今日は2人用の陶磁器のポットを用意しました」

ダージリン「2人用といっても5杯分は入れれる大きさですので注意してくださいね700cc程度の容量が2人前のポットです」

ダージリン「次にお水ですが、無理にミネラルウォーターなどを用意しなくても十分ですわ、それよりも大切なのは空気を含んでいることと、1.5㍑以上のたっぷりの水で沸かすことですね」

優花里「それもジャンピングのためでありますか?」

ダージリン「そうですわ、ペットボトルの水でしたら一度かるく振ったり、高い位置から注いで空気を含ませてあげてください、水道水の場合は勢い良く水を出してあげてください」

92: 2016/05/31(火) 09:06:17.21 ID:TblSglqv0
ダージリン「次はポットをお湯で温めて茶葉を入れますわ、この時の分量は2人前ならティースプーンで2杯とポットのために1杯です、日本の軟水は味を引き出しやすいので少し少なめでもいいですわ」

優花里「ポットのために一杯というのがイギリスらしくていいでありますね」

ダージリン「そしてお湯をポットに注ぎます、よく高い位置から入れることをジャンピングだと思っている方がいらっしゃいますがこれは正しくありません」

優花里「そうだったんでありますか?てっきりあれがジャンピングだと思っていました」

ダージリン「高い位置から入れているのはあくまでも空気を含ませるためですの、ジャンピングはポットの中で起きている現象のことです」

ダージリン「まず、勢い良くお湯を注ぎます。そうしたら蓋をしてティーコジーという保温ようのカバーをします、後は待つだけですわ」

優花里「これでジャンピングが起こるんでありますか?」

ダージリン「そうですわ、わかりやすいようにガラスのポットで入れてみましょう。ポットにお湯を注ぎますそうすると茶葉の周りに気泡がくっつき茶葉が表面に浮き上がります」

優花里「本当ですね茶葉が全部上に浮かんでいます」ワクワク

94: 2016/05/31(火) 09:13:14.24 ID:TblSglqv0
ダージリン「水面に浮かんだ茶葉が次第に水分を吸って重くなって雪のように沈んでいきますの」

優花里「本当ですね、雪がふるようにパラパラと沈み始めました」パラパラ

ダージリン「よく見ていてくださいね、そうして下に溜まった茶葉が今度はポットの熱の対流で上に茶葉が舞い上がりますの、この茶葉の動きをジャンピングといいますのよ」

優花里「本当であります、茶葉がポットの中でクルクル回っているであります」

ダージリン「そうして最後には茶葉が全部沈みますの、これで茶葉の一つ一つからしっかりと香りや味が引き出されるんですのよ」

優花里「なるほど・・・所で蒸らし時間はどのぐらいが良いんでありますか?」

ダージリン「今日の茶葉なら5分ほどですね、茶葉によって抽出時間が変わりますから注意書きを参考に自分で調節してみると楽しいですわよ」

95: 2016/05/31(火) 09:26:11.16 ID:TblSglqv0
ダージリン「ではカップに注ぎますわ、ストレーナーをカップの上に置いてゆっくり揺らすように注ぎます」トポポポ

優花里「いい香りでありますね、まるで部屋中が花畑になったようです」クンクン

ダージリン「今日はストレートでいただきましょう、二杯目はミルクティーでも美味しいですわよ」

優花里「そう言えば昔、英国王立化学協会が紅茶にミルクを入れる時は先にミルクを注ぐほうが美味しいという研究結果を発表していましたね」

ダージリン「紅茶論争ですわね、アンドリュー・スティープリー博士が発表した研究です。常温のミルクを先にカップに注ぎ、そこに温かい紅茶を少しずつ加える事でカゼインの変性が抑えられておいしく飲めるんですのよ」

オレンジペコ「ダージリン様、サンドイッチとスコーンの準備も出来ましたよ」カチャカチャ

優花里「アフタヌーンティーですね、胡瓜のサンドイッチが美味しそうですね」

ダージリン「新鮮な胡瓜を食べられるのが上流階級のステータスの一つでしたのよ」

オレンジペコ「お茶が冷めてしまいますよ、早くいただきましょう」

ダージリン「そうですわね、ではいただきましょう」



96: 2016/05/31(火) 09:38:42.14 ID:TblSglqv0
優花里「変わったカップですね、ソーサーが深くて把手がないであります、絵柄もなんだか茶碗みたいですね」

ダージリン「今日は18世紀の茶器を用意してみましたの、当時はまだ中国からお茶が伝わったばかりでこうした把手のない茶器もあったんですわよ」

オレンジペコ「当時は把手付きはカジュアル、把手のないものはフォーマルというような使い分けもされていたようですよ」

ダージリン「当時のイギリスは白色粘土が手に入りにくかったので中国や日本製の陶磁器が流行していましたのよ」

優花里「ドイツのザクセ選帝アウグスト2世が日本磁器に傾倒するあまり日本宮という収集館を造ってしまったほどでしたからね」

ダージリン「そこで牛骨を使ったボーンチャイナが生まれウェッジウッドやロイヤルドルトンなどの茶器メーカーが生まれたんですの」

97: 2016/05/31(火) 09:45:03.89 ID:TblSglqv0
優花里「茶器にもいろいろな歴史があるんですね」

ダージリン「ふふふ面白いでしょ。さあ冷めてしまいますわ、いただきましょ」コクッ

優花里「美味しいでありますね、それに本当にマスカットのような匂いがするであります」

ダージリン「この香りがダージリンの特徴ですわ、それにしっかりとジャンピングが成功しないと、この香りは出ないんですよ」

優花里「甘くてフルティーな香りと力強い味わいがたまりませんね、クッキーやサンドイッチにも負けない美味しさがあります」

ダージリン「ふふふ、楽しんでくれているようでよかったですわ」

98: 2016/05/31(火) 09:51:14.27 ID:TblSglqv0
優花里「秋山優花里とダージリン殿でお送りした紅茶講座もそろそろ終了の時間でありますね」

ダージリン「今日いれたダージリンは2015年のものでしたけどもう少しすると今年のセカンドフラッシュが楽しめますわ」

優花里「新茶のダージリンもまた違った味わい何でしょうね」

ダージリン「その季節ごと農園ごとのお茶を楽しむのもまた一興ですのよ」

優花里「それでは秋山優花里の紅茶講座、司会は秋山優花里と」

ダージリン「解説のダージリンでお送りしました」

優花里「またいつかお会いしましょう、さようなら」フリフリ

ダージリン「さようなら」フリフリ

99: 2016/05/31(火) 09:52:04.00 ID:TblSglqv0
明日使えそうな紅茶の豆知識をまとめてみました
本編は夜にでも書きたいと思います

105: 2016/05/31(火) 18:29:41.23 ID:TblSglqv0
オレンジペコ「ダージリン様、今日はどちらに向かわれるんですか?」

ダージリン「今日は大洗に行こうと思います」

オレンジペコ「ついにみほさんに料理を振る舞うんですね」

ダージリン「違いますわ、まだまだみほさんに料理を出せる腕ではないですからね」

オレンジペコ「ではなぜ大洗に?」

ダージリン「最近色々と回って疲れましたからね、あそこに行けば一回で色々な料理を学べます」

オレンジペコ「何処に行かれる気なんですか?」

106: 2016/05/31(火) 18:33:48.13 ID:TblSglqv0
ダージリン「というわけでよろしくお願いしますわ」

カエサル「というわけでと突然言われてもな」

おりょう「せめて事前に伝えて欲しかったぜよ」

左衛門佐「まったくだな」

エルヴィン「まーまーこれも西住隊長のためだ手を貸してやろう」

左衛門佐「飯もろくに作れぬ者を嫁に送り出すわけにはいかんからな」

ダージリン「はい、よろしくおねがいしますわ」

オレンジペコ「ここの事だったんですね」

おりょう「所で誰から教えるんぜよ?」

エルヴィン「そうだな・・・では私から行くとするかな」

107: 2016/05/31(火) 18:39:03.37 ID:TblSglqv0
オレンジペコ「何を作るんですか?」

エルヴィン「そうだな・・・やはりここは戦闘糧食ではどうだろう、西住隊長の嫁になるなら戦闘食はついて回るからな、ここはしっかりと戦闘食の作り方を教えよう」

オレンジペコ「うちのレーションはおいしくないですからね、これはグ口リアーナのためにもなりますね」

ダージリン「ではよろしくお願いします、何を作るんですの?」

エルヴィン「ではまず主食のコミスブロートだな」

おりょう「こみす?なんぜよそれ?」

エルヴィン「ドイツのライ麦パンだな。コミスってのは軍隊のことだ」

108: 2016/05/31(火) 18:49:09.02 ID:TblSglqv0
ダージリン「パンなら私も作れますわ」

オレンジペコ「ドイツのライ麦パンは難しいですよ、特に軍隊用の固いパンは」

左衛門佐「そうなのか?」

エルヴィン「ライ麦は小麦粉と違ってグルテンができにくいからな、特に今回作るロッゲンブロートはライ麦の割合が多いから特にな」

オレンジペコ「ロッゲンブロートはライ麦割合が90%以上のパンのことですね」

エルヴィン「じゃあ早速作るか」

109: 2016/05/31(火) 19:00:22.27 ID:TblSglqv0
エルヴィン「材料はこんな感じだな」
・サワードウ・・・・80g
・ぬるま湯・・・・・120cc
・ライ麦粉・・・・・・90g
 
・ぬるま湯・・・・・70cc
・塩・・・・・・・・8g
・ライ麦粉・・・・・200g

オレンジペコ「材料の書き方が変わりましたね」

エルヴィン「読み返したら読み辛かったからな」

カエサル「何でぬるま湯が2つあるんだ?」

ダージリン「そうですね、それにサワードウってなんですの?」

エルヴィン「まてまて、順番に説明するから」

110: 2016/05/31(火) 19:05:28.15 ID:TblSglqv0
エルヴィン「サワードウってのはこれだ」ドンッ

おりょう「なんぜよこの匂いは・・・」

左衛門佐「なんだか酸っぱい臭いだな」スンスン

エルヴィン「サワードウってのは天然酵母だ、この酵母が乳酸なんかを作ることでライ麦パン独特の風味と保存性を生むんだ」

オレンジペコ「サワードウ、サワー種とも言ったりしますね、最近は百貨店でも取り扱っていたりしますね」

エルヴィン「まずこの種にぬるま湯とライ麦粉を入れてよく混ぜてラップをする。このまま温かいところにおいて発酵させるんだ」

111: 2016/05/31(火) 19:11:32.95 ID:TblSglqv0
ダージリン「随分シャビシャビですのね」カチャカチャ

エルヴィン「これはまだイーストを作っているようなものだからな、まだパン生地じゃないんだ、このまま3時間くらい置くぞ」

ダージリン「3時間も置くんですの!?」

オレンジペコ「天然酵母は発酵に時間がかかりますからね、今回も出来上がった物を用意しました」

エルヴィン「そうしたら残りの材料を入れて切るように混ぜ合わせるんだ」

ダージリン「こうですわね」クリュクリュ

エルヴィン「そのまま良く手で練るんだ、そうしたらまた発酵だな。今度は1時間くらいだ、倍近く膨らむぞ」

オレンジペコ「今時期はまだ寒い日っもありますからオーブンの発酵モードを使うといいですね」

112: 2016/05/31(火) 19:18:28.12 ID:TblSglqv0
エルヴィン「良し、よく膨らんでいるな。次はガス抜きと成型だ、そっと潰すようにまな板に広げてたら、外から丸めて円柱状にするんだ」

ダージリン「こうですね、それにしても硬いパン生地ですね」グイグイ クルクル

エルヴィン「そうしたら食パン型に入れてまた発酵だ。今度も1時間だ」

ダージリン「随分時間のかかるパンですわね」フゥー

エルヴィン「じゃあ焼き上げるぞ、230℃で20分 その後向きを変えてもう10分、最後に温度を下げて210℃で10分焼いたら完成だ」

おりょう「いい匂いがしてきたぜよ」クンクン

ダージリン「だいぶ膨らんできましたね」

113: 2016/05/31(火) 19:21:56.04 ID:TblSglqv0
エルヴィン「これでコミスブロートの完成だ!!」

ダージリン「随分重たいパンですね」ズシイイン

カエサル「それにカチカチだな」ツンツン

エルヴィン「長持ちさせるためのパンだからな、味もしょっぱいし密度も高いんだ」

ダージリン「では食べてみますか」ギコギコ

ありょう「包丁がギコギコ言ってるぜよ」

左衛門佐「本当にこれはパンなのか?」

115: 2016/05/31(火) 19:38:03.77 ID:TblSglqv0
ダージリン「ハムハム、酸味が効いていて美味しいですわね」モグモグ

オレンジペコ「ライ麦の風味もいいですね」ムグムグ

エルヴィン「この風味はサワードウを使わないと出ないんだ」パクパク

おりょう「それにしても硬いぜよ、口の中がパサパサになってきたぜよ」

エルヴィン「本来はバターを塗ったりスープでふやかしながら食べるからな」ハハハッ

左衛門佐「ならそっちを作れい」パコンッ

エルヴィン「悪い悪い、まあこれでも飲んで落ち着け」コト

左衛門佐「なんだこれ」

おりょう「真っ黒ぜよ」

116: 2016/05/31(火) 19:43:55.49 ID:TblSglqv0
エルヴィン「これはコーヒーだ」「代用の・・」ボソ

カエサル「今なにか言ったか?」

エルヴィン「なんでもない、さあ飲んでくれ」

ダージリン「コーヒーですの?紅茶が良かったですわ」クイッ

おりょう「なんだか不思議な味ぜよ」

オレンジペコ「これは本当にコーヒーなんですか?」

エルヴィン「それはたんぽぽコーヒーだ、ドイツでは大戦中コーヒーが不足してしまってな、その代用で作られたのがこれなんだ」

カエサル「悪くはないな」ズズズ

おりょう「でもどうせならちゃんとしたコーヒーが良かったぜよ」

117: 2016/05/31(火) 19:53:52.50 ID:TblSglqv0
エルヴィン「ドイツ兵にはコーヒーが必須だからな」ハハハッ

ダージリン「紅茶が切れたらイギリス兵も困りますからね」

おりょう「代用品ばっかりぜよ」

エルヴィン「ならこれはどうだ」ポイッ

おりょう「なんぜよこの小袋?」

左衛門佐「胃薬か?」

エルヴィン「それはファンタだ」

ダージリン「ファンタというとあの炭酸飲料ですの?」

エルヴィン「そうだ、ファンタも大戦中にコーラ原液の供給が止まってしまったから作られたんだぞ」

オレンジペコ「その後ビタミンなどを添加されて粉末にしてドイツのレーションにも入れられたんですよね」

エルヴィン「ついでに言うとスプライトもドイツ生まれだ、もともとはファンタレモンだったんだぞ」

119: 2016/05/31(火) 20:12:10.90 ID:TblSglqv0
ダージリン「なんだか代用品ばかり食べさせられた気がしますわ」

オレンジペコ「黒パンも今ではベーキングパウダーが発明されてので大量に柔らかいパンが作れるようになると廃れていきましたからね」

ダージリン「なにかこう、ごちそう的なものが作りたいですわ」

カエサル「では私にまかせてもらおうか」

左衛門佐「次はカエサルか」

カエサル「さて何を作るか・・・エルヴィンに習って古代ローマのパン、パニスでも作るか?」

おりょう「もうパンはいいぜよ、ほかにはなにかないのか?」

カエサル「そうだな、エスカルゴのフライなんてどうだ、香ばしくて美味しいぞ」

左衛門佐「エスカルゴってかたつむりのことだよな」

カエサル「そうだな、むき身にしたエスカルゴを軽くボイルして、刻みパセリとバターを混ぜたものをと一緒に詰めてあげるんだ美味しいぞ」

ダージリン「かたつむりはちょっと・・・」



120: 2016/05/31(火) 20:28:46.79 ID:TblSglqv0
カエサル「ん~でもご馳走か・・・フラミンゴの舌にヤツメウナギの白子、孔雀なんてのもあるぞ」

ダージリン「もう少し食べやすいものは・・・」

カエサル「ん~そうだ、ヒメジだ、ヒメジを唐揚げにしよう」ウンウン

左衛門佐「姫路?黒田勢か」

カエサル「ヒメジはローマの高級魚だ赤と白の斑で鯉みたいに2本のひげが生えているんだ、古代ローマでは生簀で買っていたり飼っていたんだぞ」

ダージリン「ではそれにいたしましょう、どうやって調理しましょうか」

カエサル「すぐ用意するから待っていてくれ」

121: 2016/05/31(火) 20:34:37.11 ID:TblSglqv0
カエサル「これがヒメジだ」バン

ダージリン「本当に鯉みたいですわね」

オレンジペコ「スズキ目の魚なんですけどね」

カエサル「まずはこいつを三枚におろすんだ」

ダージリン「魚はどうも得意になれませんわ」ビビビビ

オレンジペコ「だいぶ骨に身が残っていますねダージリン様」ツンツン

ダージリン「黙っていなさペコ」プンプン

カエサル「そうしたら一口大にそぎ切りだな」

ダージリン「すいすいっと」ストスト

カエサル「そうしたら塩コショウてガルムで味付けだ」

おりょう「ガルムってなんぜよ?」

カエサル「古代ローマの魚醤だ、日本で言うしょっつるみたいなものだな」

122: 2016/05/31(火) 20:39:24.79 ID:TblSglqv0
左衛門佐「ローマにも魚醤があったのか」

カエサル「刺し身に似た料理もあったんだ」

ダージリン「味付けが終わりましたは」

カエサル「じゃあ衣を作るか、全粒粉に泡立てた卵を入れてさっくりと混ぜるんだ、それを衣にオリーブオイルで揚げてフリッターにするんだ」

ジュワワアワワアワ
おりょう「うまそうな匂いぜよ」クンクン

左衛門佐「竜田揚げみたいな匂いだな」

ダージリン「さあ完成ですわ!!」ジュウウ

123: 2016/05/31(火) 20:49:51.61 ID:TblSglqv0
ダージリン「ではいただきますか サクッ 外はさっくり中はふっくらで美味しいですわ」

オレンジペコ「ガルムの香りもいいですね、本当に竜田揚げみたいです」

エルヴィン「このヒメジも旨い魚だな、身はふわふわだがすごいな」

カエサル「こっちも食べてくれ、ウニとオリーブの身、ブドウだ。それからウニを食べる時はガルムを少し垂らすんだ」

左衛門佐「うまそうなウニだな」ワシ  ガバッ

カエサル「こうやって横になって料理と酒を楽しみながら語り合うのがローマ貴族ってものだ」

ダージリン「このトーガという服もリラックス出来ていいですわね」

オレンジペコ「ローマの貴族のようですよダージリン様お似合いです」

ダージリン「そうですか?じゃあペコ葡萄が食べたいですは あ~ん」

オレンジペコ「そんなんでは反乱に合いますよダージリン様」グイグイグイ

ダージリン「んん!?フガ、フガフガフガ!!」プンプン

124: 2016/05/31(火) 20:59:34.02 ID:TblSglqv0
ダージリン「とても美味しかったですけど、このスタイルで毎回食事というわけには行きませんね」

オレンジペコ「そうですね、でもさすがはローマ料理に掛ける情熱は半端では無かったですね」

左衛門佐「では次は私の出番だな、私の好物でもある真田こねつけ餅を作るぞ」

ダージリン「真田というとあの真田幸村ですの」

オレンジペコ「兄の信之が弟の幸村に送ったお餅ですね」

左衛門佐「黙れ小童!!」

オレンジペコ「!?!?!?」ビクッ

左衛門佐「この料理はそんな生半可なものではないのだ」ダンッ

125: 2016/05/31(火) 21:18:40.42 ID:TblSglqv0
左衛門佐「時は慶長20年大阪夏の陣が日一刻と迫るある日、徳川方に味方して戦に備える真田信之公の元を密かに訪ねた武将がいたのだ。真田信之の弟、真田左衛門佐信繁だったんだ」

左衛門佐「徳川方につく兄信之に豊臣方につく信繁は今生の別れを告げに来たのだ。別れの杯を酌み交わす二人であったが来客が深夜出会ったために、満足なもてなしも出来なかったんだ。深夜に米を炊くわけにもいかず仕方なく残っていた冷や飯を丸めて味噌を塗って餅にし信繁の土産として持たせたのだ」

左衛門佐「戦国の世に敵、味方に分かれた兄が弟を想う精一杯のもてなしだったのだろう。真田こねつけ餅には、そんな兄弟のせつない物語があったといわれているだ」ウウウウ

おりょう「何も泣くことないぜよ」

左衛門佐「じゃあ早速作っていくか。まずは冷や飯を用意する、固くなりすぎていればお湯をかけてほぐしておくんだ」

ダージリン「洗うとパラパラになるんですのね」パラパラ

左衛門佐「そうしたら小麦粉を入れる、量は冷や飯が茶碗一杯なら100g程度だな、水も適量入れて練るんだ」

ダージリン「ネトネトですわね」コネコネ

126: 2016/05/31(火) 21:24:41.67 ID:TblSglqv0
左衛門佐「今日は甘味噌にしよう、当時は砂糖は貴重品だったから使っては無かったと思うがな」

左衛門佐「味噌と砂糖は同量だ、好みでネギ味噌やニラ味噌にしてもいいぞ。そうしたらさっきの生地で包み込んで丸く平べったくするんだ」

ダージリン「これは楽しいですね」ペタペタ

左衛門佐「最後は油を引いたフライパンでこんがり両面を焼けば完成だ」

ダージリン「もう十分でしょうか?」

左衛門佐「火を弱火にして中までしっかり火を通すんだ」ジジジジイイ

ダージリン「さあ出来ましたわ、召し上がってみてください」

127: 2016/05/31(火) 21:29:16.82 ID:TblSglqv0
おりょう「ふむふむ、おやきみたいだな」

左衛門佐「そうだなおやきも信州の料理だからな」

オレンジペコ「上田の里は山間部で水田が作り辛かったですからね、その代わりにそばやうどんが発展したそうですよ」

ダージリン「香ばしいお餅と甘味噌が合いますわね」モグモグ

左衛門佐「こっちはくるみ味噌、こっちは肉味噌にしてみたぞ」ジャーン

エルヴィン「くるみの香ばしさが良いな」モグモグ

カエサル「肉味噌も腹持ちが良さそうだ」モグモグ

おりょう「でもこれも陣中食みたいぜよ」モグモグ

128: 2016/05/31(火) 21:32:58.08 ID:TblSglqv0
ダージリン「なにか違うんですよ・・・こう、仕事から帰ってきた夫を迎えるようなそんな料理が教えていただきたいんです」

おりょう「まあここは私に任せるぜよ」

エルヴィン「頼りにしてるぞおりょう!」

おりょう「私はこいつを使うぜよ」ドーン

ダージリン「鶏ですの?それにしては大きいですね」ハテ

オレンジペコ「あれは軍鶏ですね、闘鶏ように育てられた鶏です」

129: 2016/05/31(火) 21:45:35.49 ID:TblSglqv0
おりょう「幕末の慶応3年11月15日近江屋事件の当日に龍馬が軍鶏鍋を注文するも料理屋から届く前に暗殺されてしまうぜよ」

おりょう「この軍鶏を使って最高の軍鶏鍋を食べさせてやるぜよ」

オレンジペコ「それって司馬遼太郎の龍馬がゆくでの話ですよね・・・」

おりょう「まずは割り下をつくるぜよ、しょうゆ:2 味醂:1 酒:1 水:6の割合で混ぜて一度沸騰させておくぜよ、甘めの味が好きなら砂糖を少し加えると良いぜよ」

ダージリン「すき焼き風ですのね、すき焼きといえば家族団らんの味、こういうのを待ってたんですの」カキカキ

おりょう「肉はそぎ切りにするぜよ、少し厚いくらいのほうが肉の味がして旨いぜよ」

左衛門佐「出汁やなんかは入れないのか?」

おりょう「軍鶏からいい出汁が出るからいらないんぜよ。次はネギぜよ、斜め薄切りにすると火がすぐ通る。材料はこれで全部ぜよ」

130: 2016/05/31(火) 21:49:59.71 ID:TblSglqv0
ダージリン「随分シンプルですのね」

おりょう「軍鶏の前には余計な具はいらないぜよ。次は鍋だな、専用の薄い柳川用の鍋があると良いんだが今日はすき焼き鍋でやるぜよ」

エルヴィン「みんな準備出来たぞ」

カエサル「早くしてくれ」

左衛門佐「腹が減ったぞ」

おりょう「じゃあまずは鍋に割り下を入れて沸騰させるぜよ。そこにネギを入れて、軍鶏を入れていく」

ダージリン「グツグツ言ってますね」

おりょう「ここに軍鶏をくぐらせるぜよ、火の通し過ぎは厳禁ぜよ」

ダージリン「なんだかしゃぶしゃぶみたいですね」グツグツ

132: 2016/05/31(火) 22:01:12.03 ID:TblSglqv0
おりょう「そんなもんぜよ、では召し上がれ」

ダージリン「はふはふ、ガフ」ジュワアアアア

ダージリン「はふはふ、噛めば噛むほど肉汁が出てきて・・・ものすごい鳥の旨味ですわ」

左衛門佐「軍鶏の脂がうまいな」ガツガツ

カエサル「この何とも言えない歯ごたえが良いな、軍鶏が歯を押し返してくるようだ」ガブガブ

おりょう「どうぜよ軍鶏の味は?もう次のもいけるぜよ」

ダージリン「軍鶏ってこんなに美味しかったんですのね、鶏の旨味を何十倍にも強くしたようで、この甘辛いタレともバッチリです」

おりょう「そうぜよそうぜよ、それが軍鶏の特徴ぜよ。薬味に山椒をパラリと振ると一層味が引き立つぜよ」

エルヴィン「うん!!さっきよりもキリッとした旨味だな、おりょう、もっとじゃんじゃん肉を入れろ」

カエサル「この肉の色が変わっていくのを見ているのもたまらんな、それにこの軍鶏の旨味を吸ったネギ、薄切りだから幾らでも食べられそうだな」パクパク

左衛門佐「よし、せっかくだ今日はとびきりの米ジュースを出そう」

おりょう「いいぜよ、早速飲むぜよ」トクトクトク

オレンジペコ「団欒の料理というより維新志士の会合みたいになってきましたね・・・・」

ダージリン「ええ、ここに来たのは間違いだったような気がしてきました」

左衛門佐「二人も飲んでくれ」ホイホイ

134: 2016/05/31(火) 22:05:55.35 ID:TblSglqv0
ピンポーン
おりょう「なんぜよこんな時間に・・・」

エルヴィン「どちら様ですか?」ガラガラ

そど子「風紀委員です、盗難事件が発生したため調査にご協力ください」

カエサル「随分物騒だな」

左衛門佐「して獲物は?」

そど子「まず何者かによって学園長の花壇が荒らされていたそうです、そこに植わっていたたんぽぽだけが何故か抜き取られていたんです」

エルヴィン「・・・・恐ろしい事件だな」ダラダラ

そど子「それから学園長の観賞用の水槽からヒメジが水産部のプラントからウニや貝類が盗難にあっています」

カエサル「・・・・しらないなあ」ダラダラ

135: 2016/05/31(火) 22:11:32.12 ID:TblSglqv0
そど子「それから購買部の食堂からごはんや味噌なども盗られましたね」

左衛門佐「・・・・・悪いやつも居るもんだな」ドキドキ

そど子「それから飼育されていた軍鶏が何者かによって拉致されました」

おりょう「・・・・酷い奴らぜよ」ドキドキ

そど子「何かご存知だったら連絡をください」

エルヴィン「いや~提供できそうな情報はないかな~」ハハハッ・・・

カエサル「そうだな~いや残念だ」

左衛門佐「心当たりを我々もあたってみるか」

おりょう「見かけたらすぐ連絡するぜよ」

そど子「じゃあよろしくお願いします、ところで随分美味しそうな匂いをさせているわね」クンクン

エルヴィン「いや~たまには贅沢もしようかと・・・」

136: 2016/05/31(火) 22:16:02.94 ID:TblSglqv0
オレンジペコ「ダージリン様何やら雲行きが怪しくなってきましたね」

ダージリン「そうですわね、ここは一旦退散しますわよ」
ガチャン ササササササアアア

そど子「一体あなた達何を隠しているの」ズカズカ

おりょう「何も隠してないぜよ」ワタワタ

左衛門佐「そうだそうだ、軍鶏なんてこの先にはいないぞ」

エルヴィン「おい門左」

左衛門佐「しまった・・・・」

そど子「軍鶏ってどういうことなのちょっといいから見せなさい」

カエサル「なにもないよ~」ワタワタ

そど子「良いから見せなさい「バタン

《ぎゃああああああああああああああああああああああああ》

そど子「あなた達これは一体どういうことか説明しなさい!!」

147: 2016/06/01(水) 12:25:57.85 ID:7alrB90W0
~プラウダ~
カチューシャ「アハハハハ、それでダージリンたら大洗から逃げ帰ってきたの」

ダージリン「危険に敏感だと言ってください」

ノンナ「紅茶のお代わりはいかがですか?」

ダージリン「ありがとノンナ」

カチューシャ「でも逃げたことには違いないじゃない」ハハハッ

ダージリン「・・・そう言えばカチューシャは料理の方はどうですの?ノンナと練習しているんでしょ」

カチューシャ「・・もう完璧よ、どんな料理だって作れちゃうんだから」

ノンナ「カチューシャときたら初めは真剣でしたがすぐ投げ出してしまったんです」

カチューシャ「ノンナ!!」プンプン

ダージリン「フフフ、カチューシャも逃げ出しているじゃないの」

ノンナ「ではダージリンさんもカチューシャと一緒に料理の勉強をいたしますか?」

ダージリン「良いですわね、よろしくお願いします」

148: 2016/06/01(水) 12:33:36.05 ID:7alrB90W0
ノンナ「では今日はブリヌイとオクローシュカを作りましょう」

ダージリン「ブリヌイはロシアのパンケーキでしたわね、でもオクローシュカってなんですの?」

オレンジペコ「オクローシュカはロシアの冷製スープですね、ダージリン様の好きな胡瓜も入ってますよ」

カチューシャ「ブリヌイは朝食には欠かせないわね、中身を変えればお昼にもパーティーにも使えるんだから」

ノンナ「では材料です、今日はシンプルに強力粉で作りますが、えん麦やそば粉、ライ麦粉などでも作れますよ」
・強力粉・・・250g
・砂糖・・・・大さじ1
・塩・・・・・小さじ1/2
・ドライイースト・・3g
・卵・・・・・1個
・ヨーグルト・大さじ2
・牛乳・・・・600ml

149: 2016/06/01(水) 12:37:59.30 ID:7alrB90W0
ダージリン「パンケーキを作る時は薄力粉を使うんじゃないんですの?」

オレンジペコ「ロシアの乾燥地帯では小麦は強力粉しか出来ないんです」

ノンナ「プラウダでは通常売られている小麦が強力粉、ケーキ用小麦として薄力粉が売られています」

ダージリン「小麦粉にも色々ありますのね」フムフム

ノンナ「まず牛乳を人肌に温めます。カチューシャ、火傷しないように気をつけてくださいね」

カチューシャ「わかってるわよ」カチッ ボウ

150: 2016/06/01(水) 12:43:31.58 ID:7alrB90W0
ノンナ「次は強力粉、砂糖、塩をふるいにかけてボールに入れます、真ん中を凹ませてドライイーストを入れてください」

ダージリン「サラサラになりますのね」パサパサパサ

ノンナ「温めた牛乳に卵とヨーグルトを入れてよく混ぜます、それを泡立て器で混ぜながら少しずつ粉に入れるんです」

カチューシャ「グラグラする・・・」ガチャガチャ

ノンナ「カチューシャこぼれてますよ」

ノンナ「最後にシノワで漉し、ラップを掛けて発酵させます。これで生地のできあがりです」

ダージリン「シノワってなんですの?」ヒソヒソ

オレンジペコ「漉し器のことですダージリン様」ヒソヒソ

151: 2016/06/01(水) 12:49:04.87 ID:7alrB90W0
ノンナ「温かい所に30分ほど置いて2倍くらいに膨らんでいれば大丈夫です」

カチューシャ「さて焼いていくわよ」

ノンナ「温めたフライパンにバターかサラダ油を敷いて生地を流し込みます」ジュウウウウウウ

ノンナ「できるだけ薄くしてくださいね、綺麗な焼色が付いてきたらひっくり返します」

カチューシャ「アチチ、熱くて持てないわ・・」グスンッ

ノンナ「反対側は十分、火が通っているので焼色が付く程度で十分ですわ」ペロン

オレンジペコ「綺麗な焼色がつきましたね」

152: 2016/06/01(水) 12:53:04.85 ID:7alrB90W0
ノンナ「焼けたブリヌイはお皿に移して冷めないように蓋か乾いた布巾を被せて保温しておいてください」

ダージリン「今日の生地でどのくらい焼けますの?」

ノンナ「今日の分量で18枚くらいですね、4人前といったところです」

カチューシャ「綺麗に焼けたわノンナ」

ノンナ「上手ですよカチューシャ、残りも焼いてしまいましょ」ナデナデ

カチューシャ「は~い!」トコトコ

153: 2016/06/01(水) 12:58:54.27 ID:7alrB90W0
ノンナ「次はオクローシュカですね、これも簡単ですよ」
・クワス・・・1㍑
・ハム・・・・2枚
・玉ねぎ・・・1/4個
・トマト・・・1/4個
・胡瓜・・・・1本
・ゆでたまご・1個
・ラディッシュ3個
・サワークリーム、パセリ適量

ダージリン「クワス?」

オレンジペコ「ロシアの微炭酸飲料ですね、黒パンから作られる飲みものです」

154: 2016/06/01(水) 13:05:07.73 ID:7alrB90W0
ダージリン「こんな飲み物があったんですのね」スンスン

オレンジペコ「アルコールも含まれるので気をつけてくださいね」

カチューシャ「何言ってるの?クワスなんてジュースじゃない」

オレンジペコ「ロシアでは自販機で売られてますからね子供でも買えるらしいですよ」

ノンナ「ロシアの夏の風物詩ですね、黄色いタンクで蛇口をひねればクワスが出てくるんです」

ノンナ「各家庭で造ったりもしてますね」

155: 2016/06/01(水) 13:11:05.95 ID:7alrB90W0
ダージリン「でもグ口リアーナでは売っているところを見かけませんね」グビグビ

オレンジペコ「気の抜けた酸味の強いビールと言うか、すっぱい麦茶の様な味ですね」コクコク

ノンナ「家でも手軽に作れますよ」
・黒パン・・・・・1/2斤
・りんご・・・・・1/2個
・レモン・・・・・1/2個
・レーズン・・・・30g
・はちみつ・・・・大さじ3
・ドライイースト・3g
・水・・・・・・・2㍑

ノンナ「材料はこういう感じですね、各家庭でレシピは違うのでいろいろな味がありますよ」

156: 2016/06/01(水) 13:17:30.03 ID:7alrB90W0
ダージリン「本当にパンで出来ているんですのね・・」

ノンナ「パンを薄切りにしてオーブンで焼きます、焦がさないように注意してくださいね」

ノンナ「りんごは皮を向いて角切りに、レモンも皮を向いて乱切りに、レーズンもお湯で軽く洗います」

ダージリン「何でパンを焼きますの?」

ノンナ「雑菌が繁殖しないように殺菌の意味がありますね、水も一度沸騰させて40℃位に冷ましてください」

ノンナ「後は材料を混ぜ合わせて果実酒用のびんに入れて発酵させれば完成です。気をつけないと爆発するので気をつけてくださいね」

ダージリン「爆発するんですの?」

157: 2016/06/01(水) 13:23:13.48 ID:7alrB90W0
オレンジペコ「炭酸ガスが発生してますからね、時々フタを開けるかガス抜き用の弁があるものだと便利ですね」

ノンナ「このまま2~3日発酵させれば完成です。最後に瓶の中身を漉してください、完成したら冷蔵庫で保存してくださいね」

オレンジペコ「でもこれは完全に密造酒ですね、アルコール度数が1%を超えていますね」

ダージリン「まあ自己責任ということですね」

オレンジペコ「それにとても癖が強い飲み物なのであまりおすすめもしないですね」


158: 2016/06/01(水) 13:27:59.92 ID:7alrB90W0
ノンナ「さて、話がずれてしまいましたね。オクローシュカを作りましょう」

ノンナ「材料をすべてみじん切りにしてください、卵も茹でて刻んでくださいね」

ダージリン「カチューシャにはまだ危ないかしら」クスクス

カチューシャ「なにいってるの!偉大なるカチューシャ様に出来ないことなんてないわ」フン

カチューシャ「ええっと、手を猫の手にして、トントンと・・・」プルプル

ノンナ「フフフ、気をつけてくださいね」

カチューシャ「ほら、出来たわよ」

ダージリン「随分乱暴なみじん切りですね」クスクス

カチューシャ「これくらいのほうが食べごたえがあって美味しいのよ」

159: 2016/06/01(水) 13:40:23.61 ID:7alrB90W0
ノンナ「ここにクワスを加えて混ぜあわせて塩コショウで味を整えれば完成です」

カチューシャ「またカチューシャのレシピが増えちゃったわ」フン!

ノンナ「盛り付けはよく冷やしてスープ皿に盛り付けてサワークリームとパセリのみじん切りを添えてくださいね」

ダージリン「出来ましたね」

オレンジペコ「では早速いただきましょう」

ノンナ「今日はデザートブリヌイ用にサワークリームと各種ジャム、はちみつを用意しました。食事系用にチョールナヤ・イクラーとスモークサーモンとクリームチーズです」

ダージリン「いくら?」

オレンジペコ「イクラはロシア語で魚卵のことです。チョールナヤ・イクラー、黒い魚卵という意味ですね、キャビアのことです」

カチューシャ「さあ食べましょ、冷えたブリヌイなんて許さないんだから」

160: 2016/06/01(水) 13:44:32.34 ID:7alrB90W0
ダージリン「ではまずはブリヌイを頂きますね。ジャムとサワークリームを巻いていただきましょうか」モグモグ

ダージリン「うん、これはいけますわね。濃厚なクリームとジャムの酸味と甘さがいいですね。クレープよりも皮がしっかりしていて食べごたえがありますね」モグモグ

オレンジペコ「甘すぎないのもいいですね、バターの香りもいいです、紅茶が欲しくなりますね」モグモグ

カチューシャ「やっぱり熱々のブリヌイにはジャムとクリームね」モグモグ

ノンナ「カチューシャ、ほっぺたにジャムが付いてますよ」フキフキ


161: 2016/06/01(水) 13:48:50.07 ID:7alrB90W0
ダージリン「次はキャビアをいただきますか」モグ

ダージリン「こちらもいいですね、甘めの皮とキャビアの塩気がちょうどいいですね」

オレンジペコ「スモークサーモンもいいですね、チーズともよく合いますよ」

カチューシャ「ノンナ、クラーラが持ってきたスミルノフが有ったでしょ、あれを開けましょ」

ダージリン「??」ハテッ 

オレンジペコ「ウォッカのことですダージリン様」

ノンナ「カチューシャにはまだ早いですよ、クワスで我慢してください」

162: 2016/06/01(水) 13:53:52.95 ID:7alrB90W0
ダージリン「次はこのスープですね」

オレンジペコ「スープというより飲むサラダ的な位置づけらしいですよ」

ダージリン「なんだか不思議な味ですね、酸っぱくて塩気があって苦くてシュワシュワするスープなんて初めてですわ」

カチューシャ「慣れるとこれが良いのよ」パクパク

ノンナ「少しは助けになれましたか?」

ダージリン「ええ、特にこのブリヌイはみほさんに食べさせてあげたいですね、おやつにもいいですし、朝食にもお酒の当てにも良さそうです」

カチューシャ「その時はミホーシャによろしくね」

ダージリン「ええ、よろしく伝えておきますわ」

163: 2016/06/01(水) 13:59:18.21 ID:7alrB90W0
オレンジペコ「あれ、ダージリン様このブリヌイ少し焦げてますよ」

ダージリン「それは最初に焼いたやつですね、少し失敗してしまいましたの」

オレンジペコ「ダージリン様もまだまだですね」フフ

ダージリン「ペコ、こんな言葉を知っている? ”ブリーンも最初の一枚は失敗する”最初は誰でも失敗するものなんですよ」

オレンジペコ「でもダージリン様、その下もその下も焦げてますよ」ツンツン

ダージリン「しょうが無いじゃない、ストーブで料理なんて初めてでしたのよ」

ノンナ「ロシアでは暖房器具兼調理器具のストーブが多いですからね」

カチューシャ「まあ、このカチューシャを見習って精進することね」

ノンナ「カチューシャも少し焦げたますよ」



164: 2016/06/01(水) 14:01:37.07 ID:7alrB90W0
プラウダ編完 ありがとうございました
次の高校は未定、料理も特に決めてないので 小ネタでも受け付けますよ

171: 2016/06/01(水) 17:36:12.84 ID:7alrB90W0
優花里「西殿~いらっしゃいますか~」ピンポーン

ガラガラ
絹代「これは秋山さんどうしたんですか急に?」

優花里「実は知り合いから粒うにを頂いたんですが、どう料理すれば良いのかわからないんであります、よかったら教えていただけないでありますか?」

絹代「粒うにですか、いいですよ早速作りましょう」

172: 2016/06/01(水) 17:48:57.37 ID:7alrB90W0
優花里「今日は何を作るんでありますか?」

絹代「今日は以前ダージリン殿にお教えした豆腐百珍の中から海胆豆腐と海鮮茶漬けを作りましょう」

優花里「雲丹田楽でありますか?」

絹代「雲丹田楽は豆腐百珍の中の佳品のひとつです」

優花里「かひんって何でありますか?」

絹代「百珍は天明2年に発行された、身近な豆腐を使って100通りの料理の作り方をまとめるという企画物の本です、遊び心あふれる内容に江戸で百珍ブームが起こったんです」

絹代「佳品とは味や風味がよく、見た目の形の綺麗な料理のことです」

173: 2016/06/01(水) 17:55:37.06 ID:7alrB90W0
絹代「では早速作っていきましょう、材料はこんな感じです」
・木綿豆腐
・醤油
・瓶雲丹
・酒
・卵黄
・塩

絹代「まずは豆腐の水抜きです、豆腐に重しをして一晩置きます。面倒でしたらキッチンペーパーにくるんでレンジでチンでもいいですよ」

優花里「十分抜けましたね」ツンツン

絹代「水の抜け過ぎも美味しくなくなるので注意してくださいね。高さが2/3位になれば十分です」

174: 2016/06/01(水) 18:01:08.52 ID:7alrB90W0
絹代「次は田楽に使う味噌ですね、粒うにに卵黄と酒、塩を混ぜ合わせてよく練ります」

優花里「量はどの程度ですか?」

絹代「粒うにの塩気にもよりますからなんとも言えませんね、酒はもったりとした粘り気が出る程度にしてください」

絹代「酒の肴に辛めのほうが良ければ塩を少し入れてください。酒と卵黄で粒うにの嫌な匂いを防ぎます」

優花里「なるほど、こんなもんでありますかね」ペロペロ

絹代「このくらいでいいですね、次は豆腐を焼いていきましょう。本来は焼台で作りますが今日はオーブントースターで作りましょう」

175: 2016/06/01(水) 18:06:32.23 ID:7alrB90W0
優花里「田楽といえば串ですね、関西では2つ割れの関西串、関東串は一本なんですよね」

絹代「そうよくご存知ですね」

優花里「えへへ、田楽って美味しいですよね家でもよく食べるんであります」

絹代「アルミホイルで包んだレンガをガスコンロに置いて隙間を作って焼いても美味しく出来ますよ」

絹代「ではまずは下焼きですね、いきなり雲丹を塗ろうとしても流れてしまうので一度軽く焦げ目を着けるんです」

176: 2016/06/01(水) 18:11:05.00 ID:7alrB90W0
ジュウウウウウウ
優花里「綺麗な焼き目が付いてきましたね」ジイイイ

絹代「では下味に醤油を刷毛で塗ります、塗っては焼いて乾かしてを2回ぐらいしてください」

優花里「こうでありますね」ペタペタ

絹代「次は本焼きですね、雲丹たれを塗って同じ要領で乾かしてください」

優花里「本当でありますね、一度焼き膨れを作ってあるので塗りやすいであります」ペタペタ

絹代「最後にまたたっぷりと雲丹を乗せます、今度は軽く焦げるまで焼いたら完成です」

178: 2016/06/01(水) 18:21:00.03 ID:7alrB90W0
優花里「雲丹の焼ける匂いって本当にいい匂いなんですね」クンクン

絹代「今回は豆腐ですが、これをイカの切り身なんかで作っても美味しいですよ」

優花里「それなら見たことがあります、おせちに入っているやつでありますね」

絹代「そうです、鹿の子に飾り切りを入れてウニ焼きにしたものをおせちに入れますね」

優花里「では、いただきますね」パクリ

優花里「ウニの味が濃厚になっていて美味しいでありますね」

優花里「酒も振って焼くことで嫌な匂いも飛んでいますね、しょっぱ目の味で日本酒に肴にも出来るであります」クイッ

絹代「今回は串を付けましたが、トースターで作るならなくてもいいですよ、ただ崩れないように気をつけてくださいね」

優花里「このこってりとしたウニと豆腐の柔らかさが絶妙ですね」グビッ

絹代「こうすると古くなったウニを再利ゲフンゲフン、美味しく食べれるようにできるんですよ」

179: 2016/06/01(水) 18:25:19.96 ID:7alrB90W0
優花里「おもわずお米のジュースを飲み過ぎてしまったであります」ヒック!

絹代「そう思って海鮮茶漬けも作っておきましたよ」

優花里「流石は西殿、グットタイミングであります」

絹代「これはさっきの余ったウニダレで作れますよ、まずはおにぎりを握ってウニダレを塗って焼きおにぎりにするんです」

優花里「いい匂いですね、このままでも十分美味しそうであります」

絹代「今日はこれにイクラと海苔、アラレ、わさびをトッピングしました」

180: 2016/06/01(水) 18:33:25.79 ID:7alrB90W0
優花里「豪華なお茶漬けですね」

絹代「最後に熱々のお茶をかければ完成です。今日は粉茶を使いましたが煎茶やほうじ茶、だし汁に粉末緑茶を混ぜたものでも美味しいですよ」

ズルルルル
優花里「濃厚なウニとお茶の旨いが最高でありますね、プチプチとイクラが口の中で弾けた時もたまらないであります」 プチプチ ジュワアア

絹代「イクラの醤油の味があるので少し味を薄めにしておくといいかもしれませんね」

優花里「わさびの風味もいいですね、アラレのカリカリ感と焼きおにぎりの少し焦げた感じもたまりません」ガツガツ

181: 2016/06/01(水) 18:36:01.43 ID:7alrB90W0
絹代「喜んでいただいてよかったです」

優花里「おいしかったであります、今日はありがとうございました」

絹代「いえいえ、何時でも来てくださいね」

優花里「小ネタ、終わりであります」

絹代「さようなら~」フリフリ

188: 2016/06/01(水) 20:29:52.18 ID:7alrB90W0
>>184
チーズは自分も好物なのでいけます、日本で手に入りやすいものでまとめていきたいと思います

189: 2016/06/01(水) 20:37:08.03 ID:7alrB90W0
優花里「さあ始まりました、世界のチーズショーのお時間です、本日の司会進行の秋山優花里です」

オレンジペコ「解説のオレンジペコです」ペコッ

愛里寿「審査員の島田愛里寿です、どうして私がここに・・・」

優花里「なんでもチーズ嫌いと聞いた各校の選手がチーズの美味しさを知ってほしいと駆けつけたそうですよ」

愛里寿「でも嫌いなものは嫌いなんだもん」ボコ人形ギュウウ

オレンジペコ「そこで親しみやすいチーズから通好みのチーズを取り揃えてみした」

優花里「ではまずそもそもチーズとはなにかでありますね、島田殿チーズとは何だと思いますか?」

愛里寿「腐った牛乳・・・」

190: 2016/06/01(水) 20:46:11.74 ID:7alrB90W0
優花里「むかーしむかし、砂漠を旅する商人が、羊の胃袋で作った水筒に山羊のミルクを入れて旅をしていました。商人が乾いた喉を潤そうと水筒に口をつけると、あら不思議、水筒の中にはミルクは入っていなかったんであります。不思議に思った商人が中を覗いてみると、中からは黄色っぽい水と白い塊が出てきたのであります。恐る恐る商人が口にするとあまりの美味しさに驚いたのであります。偶然が産んだ神様からの贈り物それがチーズなんであります」

愛里寿「長い・・・でもあの匂いが無理」ギュウウウ

アスパラガス「そこでこのチーズの出番ざます、フランスのフレッシュシェーブルざます」

191: 2016/06/01(水) 20:51:12.84 ID:7alrB90W0
オレンジペコ「フランス産のシェーブルタイプのチーズですね」

優花里「タイプといことは何種類かに分類されるんですね」

オレンジペコ「はい、まずはナチュラルチーズとプロセスチーズの2つに分類されます」

優花里「ナチュラルはそのままということですね、プロセスとは?」

オレンジペコ「ナチュラルチーズを加熱して溶かした後もう一度乳化させて固めたチーズです、この作業が入るのでプロセスチーズというわけです」

192: 2016/06/01(水) 20:58:31.19 ID:7alrB90W0
オレンジペコ「そのナチュラルチーズも硬さによって分類されます、軟質チーズ、半硬質チーズ、硬質チーズ、超硬質チーズですね」

優花里「チーズの硬さによる分類ですか」

オレンジペコ「チーズに含まれる水分量による分類ですね、今回のシェーブルは水分量48%以上の軟質チーズのシェーブルタイプのチーズということです」

オレンジペコ「後は原材料による分類もありますね。代表的なものは牛乳、水牛、羊乳などですね。今回のシェーブルは山羊乳を使っています」
 
優花里「なるほどいろいろな種類の乳を使うんですね、島田殿がおっしゃっていた腐った牛乳と言うのはすでに破綻しましたね」クスクス


193: 2016/06/01(水) 21:05:00.11 ID:7alrB90W0
愛里寿「でも臭いことには違いないもん」プンプン

アスパラガス「そこでこのシェーブルなんざます。さあ召し上がれ、今日は食べやすいナチュラルタイプを用意したザマス」

優花里「可愛らしい山羊の絵が書いてありますね」

オレンジペコ「シェーブルとはそもそもフランス語で山羊を表す言葉です。なので山羊乳を使ったものをシェーブルタイプと言うんですね」

優花里「ナチュラルとはどういうことでありますか?」

オレンジペコ「シェーブルには胡椒をまぶしたものやハーブをまぶしたもの、特に有名なのが灰をまぶしたアッシュタイプというのがあるんですが、今回は何もまぶしていないプレーンということですね」

優花里「では島田殿に実食してもらいましょう」

194: 2016/06/01(水) 21:12:28.42 ID:7alrB90W0
愛里寿「んん~でもチーズの匂いが・・・」クンクン

愛里寿「あれ?臭くない」

アスパラガス「付け合せのジャムとはちみつざます、お好みでつけて召し上がれ」カチャ

ゴクリッ
愛里寿「じゃあ食べるわ・・・・ツンツン・・本当にこれチーズなの?」

優花里「ささ、怖がらずにパクリと、まずははちみつを付けて食べてみてください」

愛里寿「・・・・パクッ・・・!?!?!?!? これ本当にチーズ?硬いヨーグルトみたい、おいしいわ」パクパク

アスパラガス「これはフレッシュシェーブル、つまりカビ付けなどを行わず熟成作業を行わないチーズ。いわば固まった山羊乳その物、臭さなんて微塵もないんざます」

愛里寿「うんおいしい、山羊乳のさっぱりとした味わいにはちみつがよく合うわ。とびきり濃厚なヨーグルトを食べているみたい」パクパク

195: 2016/06/01(水) 21:20:50.23 ID:7alrB90W0
優花里「これは高評価のようですね」

オレンジペコ「恐らく最も初心者向けのチーズの一つだと思いますね、熟成もしていないので新鮮な山羊乳の旨味をシンプルに味わえるチーズですからね」

アスパラガス「まだまだこれからざますよ、これからチーズというものをもっと詳しく骨の髄まで教えてあげるざます」

アスパラガス「次はこの”シャブルー”ざます」

優花里「今回のにも可愛らしい山羊の絵が書いてありますね。ただ形が台形ですね」

オレンジペコ「今回は先程のフレッシュなものを3~4日熟成させたものですね」

愛里寿「いただきます」パクッ

196: 2016/06/01(水) 21:30:39.94 ID:7alrB90W0
優花里「今回のも違和感なく食べていらっしゃいますね」

オレンジペコ「熟成期間も短いからですね、でも熟成したということは大きな意味を持ちますよ」

愛里寿「なにこれ・・・さっきのよりもっと味が濃く感じる・・・酸味も強くなってるけどほのかな酸味で味がまろやかになってる」

オレンジペコ「これこそチーズの良さですね、熟成させることによって旨味とコクが増すんです。このふたつを食べ比べさせるとチーズ嫌いの人には好評ですよ」

アスパラガス「そして最後はこれだ”ラフィネシャブルー”ざます」

優花里「ラフィネ」って何でありますか?」

オレンジペコ「フランス語で洗練されたという意味ですね。シャブルーに白カビを付けて1ヶ月ほど熟成させたものです」

197: 2016/06/01(水) 21:40:43.47 ID:7alrB90W0
愛里寿「クンクン クンクン」

優花里「島田殿しきりに匂いを嗅いでいますね」

オレンジペコ「白カビがついたことで先ほどとはまた違った熟成をしていますからね」

愛里寿「じゃ、じゃあいただくわ」パクリ

モグモグ モグモグ

優花里「大丈夫でありますか?島田殿」

愛里寿「・・・おいしいわ・・匂いは確かにあるけど、それを上回るコクと旨味があるの、酸味も効いていて山羊の甘みもしっかり感じる。ジャムをつけるとチーズの味がよりはっきりと分かるわ」

オレンジペコ「カビ付けをすることで水分が抜けて脂肪含有量の割合が増えるんです。なので今までのシェーブルの旨味や甘みなどの特徴がよりはっきり分かるようになるんです」

オレンジペコ「それにアスパラガスさんのチーズの管理も申し分ないですね。チーズの旬をよく理解しています」

198: 2016/06/01(水) 21:48:54.74 ID:7alrB90W0
優花里「チーズの旬ですか?それはやっぱり春とか秋が美味しいみたいな感じですか?」

オレンジペコ「熟成具合のことです、白カビチーズの様なチーズは熟成が若いと中心部分がチョークのような粒が入ってポロポロしているんです、それが熟成が進むにつれてまったりととろけるような食感になるんです」

オレンジペコ「アスパラガスさんはその熟成具合を見極めて完熟したチーズを出したんです、香りの強い外側を外しているのも良かったですね、あれならチーズ嫌いの人でもチーズの旨味をしっかり味わえると思います」

優花里「アスパラガス選手大絶賛です」

アスパラガス「これはお見上げざますじっくり熟成させて家で食べてください”クロタンド・シャビニオルA.O.C”です、ゆっくり楽しんでください」

199: 2016/06/01(水) 22:03:44.61 ID:7alrB90W0
優花里「なんですかねあのチーズは」

オレンジペコ「あれはクロタン・ド・シャビニオル、シャヴィニョルともいったりしますね。シェーブルタイプの中でも特に熟成期間が長いものですね」

オレンジペコ「あそこまで熟成したものですと山羊乳特有の発酵臭がしてきます、3~4ヶ月熟成するものもありますね」

優花里「A.O.Cというのは?」

オレンジペコ「フランスの農業製品における認証ですねA.O.Cと付いていることは厳しいAOC規定を満たしたチーズということです」

優花里「そんなに厳しいんですか?」

オレンジペコ「チーズの規定では原材料の産地から生産地域、時期や工程、保存方法など厳しい項目があります」

201: 2016/06/01(水) 22:11:15.21 ID:7alrB90W0
オレンジペコ「クロタンというのが名前でシャビニオルと言うのは生産地である小さな村の名前です、この村で作られているものだけが、クロタン・ド・シャビニオルの名を冠する事ができるんです」

アスパラガス「このチーズは焼くことによって山羊乳の臭みを抜く事ができるざます、トーストに乗せて一緒に焼くと最高ざまスよ」

オレンジペコ「チーズトーストをサラダにのせたクロタンサラダがパリで流行したことがあるそうですよ」

アスパラガス「このチーズは癖も強く愛里寿さんにはまだ早いかもしれませんが、今日からゆっくりチーズの美味しさを学んでくださいざます」

アスパラガス「そうすればそのチーズが熟成し切る頃にはこのチーズの本当の美味しさがわかると思うザマス」

202: 2016/06/01(水) 22:23:52.91 ID:7alrB90W0
優花里「以上アスパラガス殿の発表でした」

オレンジペコ「初心者向けのチーズから入って少しずつ癖の強いものに変えていくのが良かったですね」

オレンジペコ「ただどうしてもチーズ料理ではなく単体でも食べることが多いフランスらしい発表でしたね」

優花里「フランスのコースなんかを食べに行って給仕さんがいきなりチーズを進めて来た時はびっくりしました」

オレンジペコ「正式なフランス料理のコースではメイン料理の後がチーズですからね、大体は食べ放題のチーズをつまみながらワインを楽しむ事が多いですね」

優花里「料理に使う場合はどんな調理をするんですか?」

オレンジペコ「シェーブルタイプはどうしてもさっぱりしていますからね、果物やジャムなどと合わせるのが一般的ですね、あまり火を入れるよりも様のまま食べることをおすすめします。サラダにそのまま入れたり、ライ麦パンのようなどっしりとしたパンに合わせてサンドイッチにするのもいいですよ」

優花里「クリームチーズの様な使い方ということでありますね」

203: 2016/06/01(水) 22:26:35.73 ID:7alrB90W0
優花里「と言うことで、アスパラガス選手の発表でした」

オレンジペコ「今回はこれくらいにしておきましょう、チーズは奥が深いですからね、種類も多いので何回かに分けたいと思います」

優花里「それでは司会の秋山優花里と」

オレンジペコ「解説のオレンジペコでした」

優花里「次回もまたよろしくお願いしますであります」

オレンジペコ「よろしくお願いします」フリフリ

214: 2016/06/02(木) 07:57:18.90 ID:m5NE27jT0
優花里「西殿、いらっしゃいますか~」トントン

絹代「いらっしゃいませ秋山殿、それに島田殿ではないですか今日はどのような御用で?」

優花里「実は島田殿の好き嫌いの克服にご助力していただけないかと思いまして」

愛里寿「茄子がどうにも苦手で困っている、どうか助けて欲しい」

絹代「それは良いのですが一体どうしてまた?」

愛里寿「この時期にになるとお母様が味噌汁にナスを入れたり煮物の茄子を出したりしてきて・・・あのドロドロの触感と水っぽくて変な匂いがどうしてもダメなんだ」

優花里「茄子はピーマンを抜いて嫌いな野菜ワーストワンになったこともありますからね、美味しいんでありますけどね」

絹代「分かりました、微力ながら協力させていただきます」

愛里寿「ありがとう、助かる」

215: 2016/06/02(木) 08:00:35.35 ID:m5NE27jT0
優花里「それでは何を作りましょうか」

絹代「まずはあの触感ですね焼き茄子などはどうなのですか?」

愛里寿「あのぶにょっとしてて中からつぶつぶが出てくるのが気持ち悪い」

絹代「そうですか、匂いもダメとなると、まずは茄子のオランダ煮を作りましょう」

優花里「オランダ煮? オランダの料理ですか?」

絹代「洋風という意味でオランダとついているだけで和食ですよ、早速作りましょうか」

216: 2016/06/02(木) 08:05:17.91 ID:m5NE27jT0
絹代「材料は茄子と濃口醤油、味醂、砂糖、だし汁です」

愛里寿「洋風とは思えない」

優花里「そうでありますね、ただの茄子の煮物であります」

絹代「まずは茄子を縦半分に切って味が染み込みやすいよう切り込みを背中に入れます」スススッ

優花里「綺麗な格子模様ですね」

絹代「そうしたら茄子を乱切りにして水に晒します」

愛里寿「茄子も水に晒すんですか?」

217: 2016/06/02(木) 08:10:29.07 ID:m5NE27jT0
絹代「茄子はこう見えてもアクの強い野菜なんです、色も変わってしまうので水にさらしてアクを抜くんです」

優花里「あの食べた時の舌が乾く感じはアクのせいだったんですね」

絹代「5分位水に晒したらざるに空けてよく水気を切ってください」

優花里「水が紫色になっているでありますんね、これがアクなんでありますね」

絹代「次は茄子を油であげます、170℃の油で表面に色が付く程度にさっと揚げます、1分くらいですね」

優花里「いい色でありますね」

絹代「揚げあがったら熱湯にさっと潜らせて油抜きをします」

218: 2016/06/02(木) 08:15:43.14 ID:m5NE27jT0
絹代「次は煮汁の準備ですね、出汁4、醤油、砂糖、味醂を1の割合で混ぜて沸かしてください」

優花里「かなり濃い目の味付けなんですね」

絹代「それは煮込まないからですよ、揚げた茄子を水気を切って煮汁に入れます、一度火を入れてさっと煮たらすぐ火を切ってください」

優花里「もう良いんでありますか?10秒も煮てないでありますよ」

絹代「このまま冷ましながら味を含めたら完成です」

優花里「これで島田殿でも食べられるんですか?」

絹代「では召し上がったください」コトッ

219: 2016/06/02(木) 08:20:19.03 ID:m5NE27jT0
愛里寿「・・・・・」ツンツン

優花里「食べてみてください」

パクッ
愛里寿「柔らかいけど、ドロドロしてない・・・変な匂いもなくなってる」

絹代「煮込み過ぎないことでドロドロになるのを防ぐんです、アク抜きをして油で揚げることで嫌なエグミや食感も良くなるんです」

愛里寿「味もちゃんと染みてる、濃い目の味でご飯も進む」パクパク

優花里「本当でありますね、甘辛い味と茄子の風味それに油でこってりしていて美味しいでありますね」

絹代「油と茄子は相性がいいですからね、もう一品同じような調理法があるので作っておきました」

220: 2016/06/02(木) 08:26:06.16 ID:m5NE27jT0
絹代「どうぞ、茄子の翡翠煮です」

優花里「翡翠でありますか?」

愛里寿「本当だ、翡翠みたいな綺麗な薄緑色をしている、これも本当に茄子なの?」

絹代「翡翠煮は冬瓜やそら豆などを緑色を残したまま綺麗に煮る調理法ですね」

優花里「どうやって作るんでありますか?」

絹代「これも油で揚げて味を含めるんですが、皮を剥いてから揚げるんです」

221: 2016/06/02(木) 08:32:27.28 ID:m5NE27jT0
優花里「なるほどだから緑色なんですね」

絹代「皮を剥いた茄子を今回は縦に半分にします、そして今度は食べやすいように横に半分に」

優花里「結構大きく切るんですね」

絹代「この後の揚げ方はさっきと同じですね、今度は煮汁を作ります、今回は白しょうゆを使った八方だしに浸します」

優花里「八方だしですかそれに白しょうゆというのもあまり聞き慣れませんね?」


222: 2016/06/02(木) 08:41:09.62 ID:m5NE27jT0
絹代「だし汁:味醂:しょうゆを8:1:1で混ぜた煮物用の出汁ですね、これを使えば大抵の野菜は美味しい煮物に出来ますよ」

絹代「甘めが好きな人は砂糖を落としたり、濃い目が好きな人は醤油を増やしてください」

愛里寿「白しょうゆっていうのは?」

絹代「三河地方で作られる小麦割合の多い醤油ですね、色が透明な琥珀色なので食材の色を損なわずに煮ることができるんです」

絹代「最近は白だしというのが商店でも売ってますが、これは白しょうゆに出汁などを添加したものですね。これを薄めてあげれば八方だしになりますよ」

優花里「いろいろな醤油があるんでありますね」

絹代「それから今回は茄子は煮ません。煮立てた、だし汁を冷ましておいてください」


223: 2016/06/02(木) 08:45:36.13 ID:m5NE27jT0
愛里寿「煮物なのに煮ないの?」

絹代「油抜きをしてしっかりと水気を切った茄子をタッパーに並べて冷やした出汁を注ぎます。そうしたらキッチンペーパーに包んだ鰹節を一緒に入れて冷蔵庫で一晩寝かせます」

優花里「冷たい煮物なんですね」

絹代「はい、暑い夏にピッタリですよ、それでは盛りつけましょう。今日は江戸切子の小鉢に盛りましょう」

優花里「青い色がとても涼しげですね」

愛里寿「綺麗なお皿」ナデナデ

224: 2016/06/02(木) 08:51:14.95 ID:m5NE27jT0
絹代「小鉢に盛り付けて汁を張ります、最後に糸がきとしょうがを盛りつけて完成です」

優花里「これは綺麗な料理ですね、夏の夜にピッタリですね」

絹代「では召し上がり下し」

愛里寿「パクッ・・・これも茄子じゃないみたい、とろっとしててカツオの香りがいい」

優花里「皮がないぶん更に食べやすいですね、あの皮だけ口に残ったりする感じがなくていいでありますね」

愛里寿「あの皮がビローンって出てくる感じが嫌いだったけど、これなら食べれる」パクパク

225: 2016/06/02(木) 08:56:03.20 ID:m5NE27jT0
絹代「こんな食べ方も出来ますよ、茄子を薄切りにして翡翠煮を作るんです。それを寿司の要領で握ってしょうがと糸がきを盛り付けます」

優花里「茄子のお寿司でありますか美味しそうでありますね」パクッ

優花里「んん~とろっと茄子が口の中で溶けたであります」

愛里寿「美味しい、茄子じゃないみたい」

優花里「本当でありますね、まるでエンガワを食べているみたいであります」

絹代「鰹節を効かせた出汁で漬けるので魚の風味がするんです」

愛里寿「美味しい、これなら茄子も食べられる」

226: 2016/06/02(木) 08:59:13.00 ID:m5NE27jT0
絹代「喜んでいただけて何よりです」

愛里寿「知波単は料理も美味しいから、知波単に転校しようかな」モグモグ

絹代「そうしていただけると私も嬉しいであります」

・・・・「「待ったぁ~」」

優花里「誰ですかね?」

アンチョビ「愛里寿を料理で誘惑しようなんて、そうはいかないぞ。ナス料理ならこのアンチョビを忘れないでくれ」

愛里寿「あっこの前の臭い人だ」

優花里「アンチョビ殿どうしたんでありますか?」

227: 2016/06/02(木) 09:03:07.60 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「愛里寿を料理で籠絡しようなんてそうはいかないぞ」スリスリ

アンチョビ「このアンチョビも参戦させてもらう」

優花里「そんな勝負をしていたわけではないんでありますが・・・」

アンチョビ「まずはこれだ、茄子のグリルバルサミコソース掛け」

優花里「薄切りの茄子をグリルで焼いたんですね。格子状の焼き目が美味しそうであります」

絹代「この香りはにんにくとローズマリーですね。いい香りです」クンクン

愛里寿「にんにく臭い・・・」

228: 2016/06/02(木) 09:06:35.32 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「ま~ま~まずは食べてくれ」

愛里寿「パクッ」

優花里「美味しいですねこの茄子、柔らかくてふわふわです」

愛里寿「美味しい、全然臭くないしドロドロじゃない」

絹代「それにこのソースがいいですね、バルサミコ酢の酸味が焼き茄子の甘みを引き締めていて美味しいです」

アンチョビ「そうだろ~そうだろ~これは南フランスの伝統的なアンティパストなんだ」

229: 2016/06/02(木) 09:11:48.92 ID:m5NE27jT0
絹代「このソースはどうやって作るんですか?」

アンチョビ「オリーブオイルとバルサミコ酢を同量で混ぜ合わせるんだ、そこににんにくと唐辛子、ローズマリーをお好みで混ぜて焼いた茄子と絡めるだけだ」

優花里「簡単なんですね」モグモグ

アンチョビ「焼いたパプリカやかぼちゃでも美味しいんだぞ」

優花里「それにしても美味しいくて大きな茄子ですね。ふわふわな食感で美味しいであります。これは米なすでありますか?」

230: 2016/06/02(木) 09:21:42.49 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「本当はゼブラナスが使いたかったんだが、愛里寿は茄子が嫌いだって聞いたからな。今日は天狗ナスを使ってみたぞ」

優花里「聞いたことのない茄子でありますな」

絹代「愛知県で作られている茄子ですね、ふわふわな食感と薄い皮、たっぷりの水分が特徴で茄子の大トロといったところですね」

アンチョビ「白しょうゆなんて愛知の特産品を使われたらこっちも黙ってられないからな」

優花里「愛知出身のアンチョビ殿らしいですね、でも何で天狗なんですか?」

絹代「天狗の鼻のようなの奇形果が出来やすいからだそうですよ」

アンチョビ「ほらほら!この、ぴょこっと飛び出したとこが天狗の顔みたいだろ」ツンツン

愛里寿「本当だ、茄子から天狗の鼻みたいなのが出てる」

231: 2016/06/02(木) 09:30:12.97 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「次は普通の茄子を使って料理してやろう」

優花里「何を作るんですか?」

アンチョビ「夏野菜のフリットだ」

絹代「フリットってなんですか?」

アンチョビ「イタリア風の天ぷらみたいなとこかな、カリカリふわふわの茄子は美味しいぞ」


232: 2016/06/02(木) 09:34:24.68 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「じゃあ野菜の下ごしらえだな、今日はズッキーニとパプリカ、茄子、かぼちゃを用意したぞ。材料はなんでも良いからな、エビとかいかとか海鮮類でも美味しいぞ」

絹代「本当にてんぷらみたいですね」

アンチョ「問題は衣だ材料はこんな感じだ」
・サモリナ粉・・・・100g
・ビール・・・・・・200cc
・塩・・・・・・・・小さじ1/2
・こしょう・・・・・適量

アンチョビ「後は揚げ油と味付けの塩、レモンとイタリアンパセリだ」

233: 2016/06/02(木) 09:38:45.96 ID:m5NE27jT0
絹代「サモリナ粉ってなんですか?」

優花里「パスタに使うデュラム小麦の粉ですね。全粒粉で香り高い小麦粉です」

アンチョビ「無かったら薄力粉でも良いぞ。まずは材料をさっくりと混ぜる」

アンチョビ「野菜はくし切りがいいな、茄子とズッキーニは種のところの水っぽいところを切っておくと良いぞ」

絹代「ズッキーニって胡瓜みたいですね」

優花里「ズッキーニは胡瓜じゃなくてかぼちゃの仲間ですよ」

ピキーン
ダージリン「・・・誰かに呼ばれたような気がしましたわ」

234: 2016/06/02(木) 09:44:07.21 ID:m5NE27jT0
アンチョビ「じゃあ揚げていくぞ、野菜に小麦粉で打ち粉をして衣を付けて揚げるんだ。油の温度は170℃位だな」ジュワアアアアアアアア

優花里「揚がってきましたね」ワクワク

アンチョビ「もう良いかな、揚げあがったら熱々のうちに塩を振るんだ。揚げ物は熱々のうちが華だからな、好みでレモンも振ってくれ」

優花里「ではいただきましょうか」カリッ

愛里寿「外はパリってしてるのに中は柔らかくてトロトロで美味しいわ」パクパク

絹代「洋風の天ぷらもいけますね」カリカリ

優花里「こしょうがスパイシーで美味しいですね、ビールの苦味もいいであります」パウパク

235: 2016/06/02(木) 09:48:12.86 ID:m5NE27jT0
愛里寿「茄子もズッキーニも甘くて美味しい」

優花里「揚げることで野菜が甘くなっているでありますね」

アンチョビ「ワインもいいけどビールも合うぞ」

絹代「揚げ物にはビールですね、イタリアの麦ジュースもいけますね」グビグビ

優花里「島田殿どうでありますか?茄子もなかなか美味しいでありましょ?」

アンチョビ「アンツィオに来てくれれば毎日でも美味しいものが食べられるぞ」スリスリ

絹代「いえぜひ知波単学園においでください」

236: 2016/06/02(木) 09:52:17.83 ID:m5NE27jT0
愛里寿「・・・・・・すうううう」スヤスヤ

優花里「ありゃ寝てしまっているでありますよ?」

アンチョビ「ああ、ここに置いておいたビールがなくなってる!!!」

絹代「間違えて飲んでしまったんですね」

優花里「でも良い寝顔でありますね、そっとしておいてあげるであります」

アンチョビ「そうだな、また今度誘いに来るとしよう」

絹代「では我々は食事を続けますか」

優花里「そうでありますね、アンチョビ殿もっと揚げてくださいであります」

アンチョビ「よーし、今度はカタクチイワシのフリットを作ってやろう」ジュワアアアアアアアア

ワイワイ ワイワイワイ

237: 2016/06/02(木) 09:54:24.78 ID:m5NE27jT0
優花里「島田殿の茄子克服編終わりであります」ペコ

絹代「ありがとうございますた」ペコ

アンチョビ「アリーヴェデルチ!!」フリフリ

愛里寿「またね~」ムニャムニャ

238: 2016/06/02(木) 09:55:35.37 ID:m5NE27jT0
茄子編終わりです ありがとうございますた

ココナッツは夜にでも書きたいと思います、アウンさんに解説してもらおうかな

246: 2016/06/02(木) 14:20:14.57 ID:m5NE27jT0
典子「バレー部ファイトー!!いっち!に いっち!に」

「「はいキャプテン!! いっち!に いっち!に」」

妙子「流石に砂浜のランニングはきついですね」ハァハァ

あけび「これで良いブロックできそうです」ハァハァ

忍「アタックもレベルアップしますね」ハァハァ

典子「最後ダッシュ行くよ~それ!」ダダダダダ

「「はい!!キャプテン!!」」

典子「もっと足上げろ~根性だ! ギャアッ!!」ズデエエエン

妙子「大丈夫ですかキャプテン?」サスサス

典子「いてててて、なにか埋まっていたぞ」

あけび「見てくださいキャプテン椰子の実ですよ」

忍「これに足を取られたんですね」

247: 2016/06/02(木) 14:23:08.29 ID:m5NE27jT0
典子「これが椰子の実か、本物って初めて見たな」フリフリ パチャパチャ

あけび「水の音がしますね、ココナッツジュースが入ってますよ」

妙子「飲んでみましょうよキャプテン」

典子「そうだな!でも、どうやって割るんだ?」

あけび「まずは皮を剥くんじゃなかったでしたか?」

典子「でもすごく硬いぞこれ」グググググ

忍「石で切れ目を入れてみましょう」ガンガン ギリギリ

248: 2016/06/02(木) 14:25:52.20 ID:m5NE27jT0
典子「おお!切れ目が入ったぞ、ここから剥いて行けばいいんだな、根性!!」グイイイミシミシミシ

あけび「わああ剥けましたよキャプテン」

忍「でも毛むくじゃらの玉になっただけですね」

妙子「やっぱり割らないとダメですね」

典子「じゃあ、あの石壁にぶつけてみるか」ソーレ ガシン バカ

あけび「ああ、割れたけど全部こぼれちゃいました・・・」

249: 2016/06/02(木) 14:30:05.65 ID:m5NE27jT0
典子「くそおお!!なんだか是が非でも飲みたくなってきたぞ」

アウンさん「あれ?大洗のアヒルさんチームではないですか?」

あけび「あ!!竪琴高校のアウンさん、どうしてこんな所に?」

アウンさん「ここは実家の近くなんです、皆さんこそどうしたんですか?」

典子「バレー部で強化合宿をしてたんですけど、椰子の実を見つけたんですけど、なかなか飲めなくて・・・」

アウンさん「ふふふ、ココナッツは鉈かマチェーテがないと難しいですよ。あっちにお店があるので一緒に飲みに行きましょう」

250: 2016/06/02(木) 14:37:10.17 ID:m5NE27jT0
典子「そうですね、よーしここで一回休憩にしよう」

あけび「私ココナッツジュース初めてです」ウキウキ

アウンさん「こうやってすっぱりと上を切り取るんです。後はストローを刺してどうぞ」

典子「ちゅううう・・・なんだか不思議な味ですね、甘いんだけど青臭いというか」

妙子「甘いことは甘いんですけど、想像していたほど甘く無いですね」

忍「もっとトロピカルな味を想像してましたね」

アウンさん「でもミネラルがとっても豊富でスポーツドリンク並なんですよ」

典子「そう言えばそんな味だな、試合用に薄めた奴の味がする」ズズズ

251: 2016/06/02(木) 14:42:29.41 ID:m5NE27jT0
アウンさん「でも、ココナッツはジュースだけじゃないんですよ、その白い果肉のところも食べれるんですよ」

典子「そうだったんですか!? カリカリ ・・・・油っぽいような・・・青臭いというか」

妙子「硬たくて甘いアボカドみたいですね」サクサク

アウンさん「わさび醤油を付けて食べたりする人もいるようですよ」

忍「でもなんだか期待していた味じゃななかったですね・・・」ションボリ

アウンさん「じゃあ今から家に来てください、ココナッツの美味しい食べ方を教えます」

典子「ええ~!?いいんですか?」

アウンさん「はい、折角ですのでココナッツの美味しさを知ってもらいたいですから」

252: 2016/06/02(木) 14:51:09.84 ID:m5NE27jT0
アウンさん「ではまず、この白い果肉を剥がして水と一緒にミキサーに掛けます」

ガアアアアアアアア
典子「真っ白になってきましたね」

アウンさん「本当は摺り下ろすんですけど、大変ですからね、これを鍋で弱火で煮込んでいきます」

あけび「クンクン どこかで嗅いだことのある匂いですね」

アウンさん「これをガーゼで濾せばココナッツミルクの完成です」

忍「そうか、ココナッツミルクの匂いだったんだ」クンクン

アウンさん「これを焼いて食べたりもしますけど今日は料理とデザートを作りましょう」

253: 2016/06/02(木) 15:02:45.11 ID:m5NE27jT0
アウンさん「では、ミャンマーの代表的な料理”オンノカウスエ”を作りましょう、オンノというのがココナッツのことです」

アウンさん「まずは鶏がらスープで鶏肉を煮込みます、この汁が大切なのでとっておいてくださいね」

あけび「アヒルなのににわとりを食べちゃうんですね」クスクス

アウンさん「次はひよこ豆です、ミャンマーではよく食べる豆ですね、乾燥しているものは水に一晩付けて大豆のように柔らかく煮てください。水煮になったものでも良いですよ」

妙子「ひよこまで食べちゃうそうですよキャプテン」クスクス

アウンさん「ひよこ豆をフードプロセッサーですり潰します、竪琴高校では石臼を使って叩いて潰したりしますね」

254: 2016/06/02(木) 15:13:13.37 ID:m5NE27jT0
アウンさん「次は鶏肉をほぐしておいてください。後はにんにくのみじん切りと生姜のすりおろし、玉ねぎのみじん切りを用意すれば準備完了です」

典子「なんだか全然完成形が想像できないですね」

アウンさん「オンノカウスエは麺料理です、今日は米粉の麺を使います。米粉麺以外にも小麦粉の麺もありますよ」

あけび「ココナッツと麺なんて想像できない味付けですね」

アウンさん「鍋で香辛料を炒めます、今日は唐辛子を少なめにしておきますね」ファサアア

忍「・・・十分多くないですか?」

255: 2016/06/02(木) 15:18:25.99 ID:m5NE27jT0
アウンさん「じゃあ材料を炒めていきますね、この油っけが大事です」

典子「ラーメンも油が大切だからですね」

アウンさん「炒めれたらここに鶏がらスープとココナッツミルクを入れてナンプラーと塩で味をつけます」

あけび「本当にココナッツミルクが入っているんですね」

アウンさん「ひと煮立ちしたらスープは完成です。後は麺をゆでましょう。付け合せにライムとパクチーを用意しました」

アウンさん「茹でた麺にスープをかければ完成です」

256: 2016/06/02(木) 15:22:47.50 ID:m5NE27jT0
典子「よーしみんな席につくぞ」

「「はーい!!」」

アウンさん「さあどうぞオンノカウスエです」コト

「「いっただきまーす」」ズルルル

典子「んんん~美味しいですね!! 甘いかと思ったらピリ辛で美味しいです」

あけび「ものすごく辛いんですけど、ココナッツが辛味を抑えてくれてるんですね」ツルツル

忍「鶏がらだしとにんにくの風味が聴いたラーメンみたいですね、米粉麺もつるつるしていてスルスル入っていきますね」

257: 2016/06/02(木) 15:30:50.32 ID:m5NE27jT0
妙子「ひよこ豆のコクがいいですね、パクチーとライムを絞ると味が引き締まって面白いですね」ツルツル

典子「ツルツル、モチモチの麺とほぐした鶏肉を一緒に食べるのも良いな、ほんのり甘いくてまろやかなスープが絡まって美味しい」ズルズル

忍「試合の帰りに良さそうですねキャプテン」

あけび「いくらでも食べられちゃいそうですね、たっぷりのパクチーもさわやかで女の子ウケしそうな味ですね」

アウンさん「あまり食べ慣れない味ですけど、魚醤とお米、豆、塩、鶏の組み合わせなんですんなり食べれると思いますよ」

典子「ふ~美味しかったです」

258: 2016/06/02(木) 15:48:07.79 ID:m5NE27jT0
アウンさん「デザートも作っておきました、竪琴高校特製のタピオカ入りココナッツミルクです」

あけび「わ~美味しそうですね」

アウンさん「中華では椰汁西米露と言ったりしますね。タピオカの原料のキャッサバはミャンマーでも作られてるんです」

アウンさん「材料はこんな感じです、ココナッツミルクは缶でも売っていますし、ココナッツパウダーを水に溶かしても作ることが出来ますよ」
・ココナッツミルク・・・200g
・牛乳・・・・・・・・・200cc
・生クリーム・・・・・・100cc
・砂糖・・・・・・・・・50g
・タピオカ(乾燥)・・・80g
・彩りに好きなフルーツ・適量

259: 2016/06/02(木) 15:56:02.58 ID:m5NE27jT0
アウンさん「まずは材料をよくまぜ合わせて火にかけます、缶の時はよく缶を振ってくださいね、沸騰させすぎないようにゆっくり火を入れて煮立ったら冷ましてください」

アウンさん「ボールに氷を入れてそこにまたボールを置きます、ミルクを入れて混ぜながら冷ますとココナッツミルクが分離しないでうまくいきますよ」

アウンさん「次はタピオカですねたっぷりのお湯で煮ないとくっ付くので気をつけてください、ざるにあけて水で冷やしながら冷ましてください」

アウンさん「後は2つを混ぜ合わせてフルーツをトッピングしたら完成です。混ぜてから冷やしてしまうとタピオカが水気を全部吸ってしまうので注意してくださいね」

典子「綺麗ですね~いっただきま~す」パクパク

260: 2016/06/02(木) 16:00:16.79 ID:m5NE27jT0
典子「甘くて美味しい!! タピオカもプルプルツルツルで面白い」

あけび「美味しいですねキャプテン!!」パクパク

アウンさん「今日はいちごとキウイにしてしたけどフルーツはなんでも良いですよ、メロンやマンゴー、スイカなんかでも面白いですよ」

妙子「甘いモノは別腹ですね、おいひいです」パクパク

忍「自家製のココナッツミルクも保存料の変な味がしなくて美味しいです、幾らでもいけちゃいますね」

典子「うまい、もういっぱい」グビグビ

あけび「キャプテン、急いで食べ過ぎですよ」クスクス

アウンさん「まだまだあるのでたくさん召し上がってくださいね」

「「おかわり~!!」」ズイ

261: 2016/06/02(木) 16:04:52.64 ID:m5NE27jT0
妙子「おいしかったですね」

典子「ココナッツって色々な食べ方があったんだな」

アウンさん「後はタイカレーには欠かせないですね、クッキーにしたりケーキにしたりもしますよ」

忍「そう言えば白くて細長いトッピング用のココナッツもありましたね」

アウンさん「あれは白い果肉の部分を乾燥させたものですよ。後はナタデココにも使いますね」

典子「ナタデココのココってココナッツのことだったんですか?」

アウンさん「そうですよ、ココナッツを発酵させて作るんです」

262: 2016/06/02(木) 16:07:43.38 ID:m5NE27jT0
妙子「そうだったんですね、知りませんでした。ナタデココも美味しいですよね」ウズウズ

典子「カレーも食べたいな」

アウンさん「はい!!また何時でも来てください、ごちそうしますよ」ンフフ

あけび「そう言えばキャプテン、バレーボールどうしたんですか?」

典子「あああ!!海辺においてきちゃった、急いで取りに行かないと」ピュウウウウン

263: 2016/06/02(木) 16:09:55.84 ID:m5NE27jT0
あけび「ないですねキャプテン・・・・」

妙子「流されちゃったんですかね?」

忍「ああああ!!キャプテン見てくださいあそこ」

ザザァーーーン  ザザァアアアン 

典子「ああ、波にさらわれてあんな沖に・・・・・」バチャバチャ

あけび「だめですよキャプテンまだまだ寒くて風邪引いちゃいますよ」グイグイ

264: 2016/06/02(木) 16:21:15.72 ID:m5NE27jT0
典子「根性出せばなんとかなる」バシャバシャ

妙子「駄目ですキャプテン、あんなに遠くまで行っちゃたら無理ですよ」グイイイイ

典子「ウィルソオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!」ワーワー

典子「いかないでえええ、ウィルソオオオオオオオオオン!!!!」ウウウウウ・・・・

あけび「おーい、ウィルソン・・・大洗へ帰ろう!!!!」グスン

忍「仰~げば~尊し~」グスグス

妙子「うちのボールはウィルソン製じゃありません」モー

ココナッツ編~完~

271: 2016/06/03(金) 08:49:35.71 ID:zWF63Tax0
チーズの続きです
アンチョビ「まだまだだな、アスパラガス。大切なことを忘れているぞ」

アスパラガス「アンチョビ!!どういうことザマス」

アンチョビ「確かにチーズはそのままでも美味しいかもしれない、しかしチーズの真価を知るなら料理しなくてわな」

アンチョビ「次はこのドゥーチェアンチョビが相手ださあ食べてくれ、モッツァレラブファラのカプレーゼだ」ダンッ

優花里「次はアンチョビ殿のようですね」

愛里寿「アンツィオのにんにく臭い人だ・・・」

オレンジペコ「カプレーゼですねイタリアのトマトとチーズを使った前菜ですね」

優花里「明日あたりトニオさんが作ってくれるやつですね」

アンツィオ「さあ食べてくれ」

272: 2016/06/03(金) 08:56:14.06 ID:zWF63Tax0
愛里寿「トマトもチーズもきらい・・・」

アンチョビ「まあまあ、そう言わずに食べてみてくれ」

愛里寿「うん・・・パクッ」モニュモニュ

愛里寿「凄いサッパリしてる・・けどムッチリしてて不思議な触感、チーズの嫌な臭みもない」パクパク

優花里「好評のようですね、ところでブファラとはどういうことですか?」

オレンジペコ「伝統的な水牛乳を使って作ったモッツァレラということですね。本来モッツァレラは水牛を使って作られるんですよ」

優花里「そうだったんですか!!でもこのモッチリとしているのに、焼くとあんなに伸びるのは意外ですよね」

273: 2016/06/03(金) 09:08:46.04 ID:zWF63Tax0
オレンジペコ「これはモッツァレラ独特の製法のお陰ですね、モッツァレラは熱湯を入れて練りあげて作るんです」

優花里「熱湯でありますか?そんなふうに作られていたんでありますか」

オレンジペコ「乳にレンネットと呼ばれる酵素を入れて凝固したものがカード。それをさらに水分を抜いてチーズにするんですが、モッツァレラはカードに熱湯を入れて練りあげるんです。そうすることであのムチッっとした食感が生まれるんです」

アンチョビ「つきたての餅のようになるんだぞ、それを引きちぎって丸めるからモッツァレラと言うんだ」

オレンジペコ「モッツァレラとはちぎるという意味ですからね」

アンチョビ「どうだ愛里寿美味しいだろ」スリスリ

愛里寿「このチーズは全然臭くない、このソースもとっても美味しいしトマトもこれなら食べれる」パクッパクッ

アンチョビ「イタリアで昔から愛されている料理だから、次はメインだパルミジャーノリゾットだ」

オレンジペコ「次はチーズの王様、パルミジャーノ・レッジャーノのようですね」

アンチョビ「P-40を買うために銀行に預けていたのを返してもらったんだ、とっておきのリゾットを作ってやるぞ」



274: 2016/06/03(金) 09:17:04.37 ID:zWF63Tax0
優花里「どういうことですか?」

オレンジペコ「イタリアではパルミジャーノを担保にお金を借りて次のチーズ作りの資金を借りられる銀行があるんです」

優花里「チーズが担保になるんでありますか!?」

オレンジペコ「高級なチーズで一日に作ることの出来る数にも限りが有るんです、そのため熟成を終えたチーズは高価で取引されるんです」

アンチョビ「今日はパルミジャーノをたっぷり使ってリゾットを作ったぞ!!さて仕上げだ」マゼマゼ

優花里「パルミジャーノを半分に切って出来た器でリゾットも混ぜ合わせるんですね、とっても美味しそうです」クンクン

愛里寿「凄ーい!!キャキャ 美味しそう!!」

優花里「島田殿も目の前で作られるリゾットに興味津々のようですね」

275: 2016/06/03(金) 09:22:38.84 ID:zWF63Tax0
アンチョビ「最後に黒胡椒をさっとかけたら完成だ!!」コト

優花里「これは美味しそうですね」

パクッ!!
愛里寿「ん~とっても美味しい、とろっと!こってりしてて美味しい」

優花里「このまったりとした味わいと口に広がる旨味がなんとも言えないですね」

オレンジペコ「加熱することで香りが変化しますからね、チーズの香りが苦手な方は火を通して召し上がるといいですね」

愛里寿「こうするとチーズも美味しいのね」パクパク

276: 2016/06/03(金) 09:40:12.14 ID:zWF63Tax0
アンチョビ「最後はドルチェだ今日はカンノーロを用意したぞ」

優花里「カンノーロ? カンノーリではないんですか?」

オレンジペコ「カンノーリは複数形ですね、日本では映画ゴッドファーザーでカンノーリの名で広まったと言われてますね」

アンチョビ「特製のリコッタチーズで作ったクリームにドライフルーツを混ぜたぞ、さあ愛里寿どうぞ」

オレンジペコ「リコッタチーズは再加熱したチーズと言う意味ですね。チーズ作りで出たホエーを再加熱して固めたチーズですね」

パリッ
愛里寿「甘くて美味しい!! 本当にこれチーズなの?」

アンチョビ「そうだぞ、愛里寿のために朝からリコッタチーズを作ったんだ、こっちはカスタードクリームを混ぜたのもあるぞ」

優花里「この油で揚げたパリパリの生地とリコッタチーズのさっぱりとした優しい甘みとドライフルーツがいいですね」

オレンジペコ「こっちのカスタードクリームのも美味しいですね、出来立てのカンノーロは皮がパリパリで美味しいですね」

愛里寿「こんなチーズなら幾らでも食べられちゃう」パクパク

277: 2016/06/03(金) 09:50:28.81 ID:zWF63Tax0
アンチョビ「ハハハッ喜んでくれてよかった、じゃあ私からもお土産だ」ガサッ

愛里寿「なにこれ?」

アンチョビ「ちょっと癖の強いやつかな、愛里寿がチーズが好きになったら食べてくれ」

アンチョビ「まずはロビオラフィア、いちじくの葉っぱに包んで熟成させたチーズだ。山羊乳のコクといちじくの香りと甘みが面白いぞ」

アンチョビ「これはカチョカヴァッロ、ひょうたんみたいな形で面白いだろ。ミルキーでやさいし味が特徴だな。軽く焼いてやるとプリンッ!として美味しいぞ」

アンチョビ「最後はペコリーノロマーノだ、イタリアで最も古いチーズの一つだ。ぴりっとした味と塩気が面白いぞ。ローマの遠征軍が携帯食に持っていたんだ」

優花里「どれも美味しそうですね」

278: 2016/06/03(金) 09:52:22.90 ID:zWF63Tax0
愛里寿「ありがとう、きっと食べれるようになるわ」

アンチョビ「アンツィオに転校してきてくれても良いんだぞ」スリスリ

優花里「イタリアもチーズが豊富ですね」

オレンジペコ「どれも美味しそうなチーズでしたね」

279: 2016/06/03(金) 09:53:18.43 ID:zWF63Tax0
チーズ編2終わり ありがとうございました

最近ダー様がそぼっているので次はダージリン様を書きます

287: 2016/06/04(土) 09:13:03.63 ID:pnlXhqzP0
オレンジペコ「ダージリン様、今日はどちらに向かわれるんですか?」

ダージリン「今日はあまり気が進みませんが、BC自由学園に向かいますわ」

オレンジペコ「フランス料理の勉強ですね」

ダージリン「本当に、本当に気が進みませんが、これもみほさんのためです」

~BC自由学園艦~
ダージリン「というわけでよろしくお願いしますわ」

アスパラガス「絶対にいやザマス、何で私があなたに協力なんてしなくてはいけないんザマス」

ダージリン「私ではなくみほさんのためですわ」

アスパラガス「それでも嫌ザマス」

ダージリン「そうね、どうせ此処に美味しい料理なんてなかったわね、失礼しました」

ピクッ!
アスパラガス「なんですって!?」

アスパラガス「良いザマス。フランス料理の真髄というものをその脳細胞の1片まで教えこんであげるザマス」

オレンジペコ「うまくいきましたね」ヒソヒソ

ダージリン「扱いやすくて助かりますわ」

288: 2016/06/04(土) 09:16:57.11 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「それでは何を教えてくれるのかしら?」

アスパラガス「その前に約束して欲しいザマス。一つは私達も忙しい身ですので、かかりっきりというわけにはいきませんザマス」

ダージリン「わかりましたわ、それぐらい構いませんよ」

アスパラガス「もう一つは途中で逃げなさないことザマス、一度始めたらこの厨房を出ることは出来ないザマスよ」

ダージリン「構いませんわ、さあ始めましょ」

アスパラガス「・・・・・フフ」ニヤァ

289: 2016/06/04(土) 09:41:15.19 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「今日はラング・ド・ブフ・ブルギニョンを作るザマス」

ダージリン「ら、らんぐど・・・」

オレンジペコ「ラング・ド・ブフ・ブルギニョン。牛タンの赤ワイン煮込みですね。ラングが舌、ブフが牛、ブルギニョンはブルゴーニュ風ということです」

アスパラガス「ブルゴーニュはなんといってもフランス随意一のワイン産地ザマス、赤ワインで煮込んだ牛タンは最高ざまスよ」

ダージリン「牛タンと言うと焼き肉ぐらいしか食べたことないですね」

アスパラガス「では早速作っていくザマス、まずはフォンドヴォーを作ります」

290: 2016/06/04(土) 09:48:20.18 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「牛の出汁ですね、それくらいなら知っていますわ」

オレンジペコ「正確には仔牛のフォンですね」

アスパラガス「さあまずは野菜を切るザマス、今日は5㍑ほど作るザマスよ」ドスン

ダージリン「な、何ですのこの野菜の量は・・・・・」ボーゼン

アスパラガス「フォンドボーの材料はこんな感じザマス、これは1㍑用ザマスけど」
・仔牛の骨・・・・・・・2kg
・牛すじ肉・・・・・・・1kg
・人参・・・・・・・・・2本
・玉ねぎ・・・・・・・・2個
・セ口リ・・・・・・・・1本
・にんにく・・・・・・・半分
・トマトペースト・・・・1缶
・パセリの茎・・・・・・1束分
・水・・・・・・・・・・4㍑

291: 2016/06/04(土) 09:52:54.32 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「こんなに多いんですの?」

アスパラガス「たくさん煮込んだほうが美味しいザマス、さあ早く野菜を乱切りにするザマス」

ダージリン「とんでもない量ですね・・・」トントン

ダージリン「手首がつかれましたわ」ハァハァ

アスパラガス「次は肉の処理ザマス、仔牛の骨をオーブンで焼くザマス。170℃で30分ほどじっくりと焦がすんじゃないザマスよ」

ダージリン「10キロの骨なんて・・・・」ググググ

オレンジペコ「がんばってくださいね」

292: 2016/06/04(土) 09:57:15.20 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「次はすじ肉を炒めるザマス、これも焦がしたら初めからやり直しザマスよ」

ダージリン「お、おもい・・」ジュウウウウウウ

アスパラガス「焼き上がったら肉だけこの鍋に入れるザマス、油は捨てるザマスよ」

ダージリン「大きい鍋ですわね」

オレンジペコ「ダージリン様が入れそうな鍋ですね」

アスパラガス「こびりついた汚れは旨味ザマス、水を掛けてヘラでこそぎ落として鍋に入れなさい」

ダージリン「このままでも美味しそうね」

オレンジペコ「つまみ食いはダメですよ」

293: 2016/06/04(土) 10:02:30.98 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「野菜も炒めて鍋に入れるザマス、にんにくは炒めないでそのまま半分に切って鍋に入れるザマスよ」

アスパラガス「焼けた骨も鍋に入れるザマス、天板にこびりついたものも水を掛けて刮ぐざます」

ダージリン「随分油が出ますのね」ピチャピチャ

アスパラガス「じっくり焼いて余計な油と水分を出して旨味を凝縮するザマス、後は水を入れて沸騰させるザマスよ」

ズドドドドドド
オレンジペコ「まるでお風呂ですね」

アスパラガス「沸いてきたらアクをとって火を弱めて12時間ほど煮込むザマス」

294: 2016/06/04(土) 10:07:27.27 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「凄い灰汁と脂ですね・・・」カチャカチャ

アスパラガス「脂も不要なのでしっかり取るザマスよ、火は絶対に沸騰させてはいけないザマス。90℃~95℃を保つために鍋に付きっきりザマスよ」

ダージリン「これを12時間も・・・・ささっペコ、出来上がったものを出してちょうだい」

オレンジペコ「そんなもの無いですよ?」

アスパラガス「しっかり煮こむんザマスよ、沸騰させたらただじゃおかないザマス。私たちは練習があるので失礼するザマス」ガチャン

ダージリン「はっ??」ボーゼン

オレンジペコ「ダージリン様?」ペシペシ

295: 2016/06/04(土) 10:11:34.92 ID:pnlXhqzP0
~12時間後~
フラフラ カチャカチャ
ダージリン「・・・・灰汁はもうないわね・・・火も大丈夫・・」フラフラ

ガチャン
アスパラガス「ちゃんとやっているザマスね」ハハハッ

ダージリン「アスパラガス・・・・」ギリギリ

アスパラガス「んん、いい出来ざますね」ペロ

ダージリン「当たり前よ、しっかり火の番をしていたんだから・・・・」フラフラ

アスパラガス「ではこれを漉して中身と汁に分けるザマス」

ザパァアアアアアア
オレンジペコ「良い香りですね」クンクン

297: 2016/06/04(土) 10:16:33.97 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「さてでは1番フォンが出来たので、次は2番フォンザマス」

ダージリン「は??」ボーーーーー

アスパラガス「今度は今、越した中身と野菜を先ほどの半分ほど足してまた同じ要領で12時間煮込むザマス」

ダージリン「は??」

アスパラガス「さっきとった1番フォンはしっかり冷やして冷蔵庫にしまっておくザマスよ。私たちはまた練習をしてくるザマス、しっかりやっておくザマスよ」ギイイイ 

ダージリン「は??」

ギイイイ ガチャアン!!!

298: 2016/06/04(土) 10:21:11.26 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「は??」

オレンジペコ「ダージリン様しっかりしてください」ペシペシ

ダージリン「どどど、どういうことですの?しっかりフォンは取ったじゃないですか?」ユサユサ

オレンジペコ「痛いです止めてくださいダージリン様、今とったのは1番フォン、これから2番フォンを取るんです」

ダージリン「だからどーいうことですの」フサフサ

オレンジペコ「1番フォンでは煮込みが足りなくて旨味がすべて出し切れてないんです。ですがこれ以上はフォンが濃すぎて味が出ないので、もう一度香味野菜を足して水から煮込むんです」

ダージリン「・・・・また・・・12時間・・・・」ガクッ

299: 2016/06/04(土) 10:26:55.93 ID:pnlXhqzP0
~12時間後~
フラフラ フラフラ カチャカチャ
ダージリン「・・・・・・・・・・・・」カチャカチャ

ギイイイ
アスパラガス「やってるザマスか?」

ダージリン「・・・・・・」ボーーーーー

アスパラガス「だいぶやつれたザマスね」クスクス

アスパラガス「フォンはちゃんとできているようザマスね」ペロッ

アスパラガス「ではこれをまたコシなさい、先ほどの1番フォンと合わせるザマス」

ダージリン「・・・・」ガクガクガク

アスパラガス「混ぜあわせたらもう一度強火に掛けて灰汁を取ったら完成ザマス」

ダージリン「やったああああああああ」ワアアアア

ダージリン「今度は3番フォンなどと言い出すのかとヒヤヒヤしましたわ」

301: 2016/06/04(土) 10:34:20.56 ID:pnlXhqzP0
オレンジペコ「喜ばれている所申し訳ないですが、まだフォンを作っただけですよ」

アスパラガス「そうざます、料理はこれからザマスよ」

ダージリン「・・・・・・・」ガクッ

アスパラガス「牛タンの赤ワイン煮の材料ザマス」
・牛タン・・・・・1本
・玉ねぎ・・・・・1個
・人参・・・・・・1/2本
・セ口リ・・・・・1/2本
・赤ワイン・・・・1本
・トマトソース・・30cc
・フォンドヴォー・適量

302: 2016/06/04(土) 10:39:43.52 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「たっぷり作ったほうが美味しいザマス、今日はこの倍は作りましょう。まずは牛タンの下処理ザマス。表面の薄皮を剥いぐザマスよ」

ダージリン「難しいわね・・・」ビッ ビッ

アスパラガス「お肉屋さんでは皮がすでに剥いてあるのもあるザマスからそっちを買うと良いザマスよ」クスクス

ダージリン「じゃあそっちを買って来なさいよ」ウガーーー

アスパラガス「野菜はまた乱切りザマス、肉と野菜をバットに入れて赤ワインで一晩マリネするザマス」

ダージリン「やっと休める・・・・」ハァ

303: 2016/06/04(土) 10:46:18.04 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「何言ってるザマス?今からトマトソースを作るザマスよ、フォンドボーの下処理もまだ終わってないザマス」

ダージリン「は????????」

アスパラガス「ホールトマト缶と玉ねぎを煮込むザマス、さあ鍋はこっちザマスよ」ガチャ

ダージリン「ウゥゥゥゥゥゥゥ」ガク

~翌朝~
アスパラガス「では続きをやっていくザマスよ」

ダージリン「ボーーーーーーーー」フラフラ

アスパラガス「マリネを肉と野菜、ワインに分けるザマス、このワインも後で使うからちゃんととっておくザマスよ」

アスパラガス「肉に塩コショウをして小麦粉を振って表面を焼くザマス、焦がすんじゃないザマスよ」

ダージリン「この作業をもう一度なんて絶対嫌よ」ジュウウウウウウウ

304: 2016/06/04(土) 10:50:57.18 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「次は野菜を炒めるザマス、ワインが染みていて焦げやすいから気をつけるザマスよ」

ジュウウウウウウウウ
アスパラガス「そうしたら、トマトソースを入れるザマス、しっかり炒めて酸味を飛ばすザマス」

ダージリン「あんなにたっぷりあったトマトソースがこんなちょっぴりになってしまうなんて・・・・・」

アスパラガス「次は赤ワインを入れてまた煮こむザマス、ココでもしっかり煮込まないと酸っぱくなるザマスよ」

ダージリン「どのくらい煮込むんですの?」

アスパラガス「半分ぐらいの量になるまでザマス、焦がすちゃダメザマスよ、ちゃんと底をこすってあげるザマス」

305: 2016/06/04(土) 10:55:38.88 ID:pnlXhqzP0
グツグツ グツグツ
アスパラガス「いい感じザマスね、じゃあ肉を入れるザマス」

ダージリン「この硬い舌が柔らかくなるのかしら?」

アスパラガス「するんザマス。フォンドボーをヒタヒタに注いだら、軽く沸かして弱火で8時間煮込むザマス」

ダージリン「は、8時間」ブクブクブク

アスパラガス「それが終わったら肉を一晩休ませるザンス。その間は休んでいいザマスよ」

アスパラガス「では私たちは練習があるので失礼するザマス」ギイイイイ

オレンジペコ「私も失礼しますね」コソコソ

ダージリン「ペぇぇぇぇぇぇぇぇコぉぉぉぉぉぉぉぉ」ガシッ!!!

オレンジペコ「ヒィィィィィィィ」ガッシリ!!

306: 2016/06/04(土) 11:00:42.52 ID:pnlXhqzP0
ウトウト
オレンジペコ「・・・・ハッ!!寝てしまうとこでした」ゴシゴシ

ダージリン「ムニャムニャ!!・・・もうフォンは十分ですわ・・・・」スヤスヤ

オレンジペコ「・・・・・・・・」ギュウウウウウ
ツネッ

ダージリン「うううううううう鍋がこびりついてしまいます・・・・・・・」ウーウー

~翌朝~
アスパラガス「いい感じに味が染み込んだザマスね」

ダージリン「ちゃんと火の番をしてましたからね」ツヤツヤ

オレンジペコ「・・・・・・・・・・クッ」

ダージリン「ペコ?」

オレンジペコ「なんでもないですダージリン様」ニコニコ

307: 2016/06/04(土) 11:05:33.34 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「では肉を引き上げるザマス」

ザパアアア
ダージリン「柔らかいですわね」ツンツン

アスパラガス「煮込みたては崩れやすいから注意するザマスよ」

アスパラガス「次は煮汁を漉して煮詰めるザマス、トロッっとするまで煮詰めるザマスよ、今回は牛タンザマスがこれを牛肉で作ればデミグラスソースになるザマス」

ダージリン「へー、これがあのソースだったのね」

アスパラガス「デミグラスのようになるまでしっかり煮詰めるザマスよ、くれぐれも沸かして手を抜いてわいけないザマス」ギイイイ ガチャン

308: 2016/06/04(土) 11:08:36.12 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「どういうことですか?」

オレンジペコ「デミグラスのデミは半分、グラスは煮詰めることを意味しています。半分になってトロトロになるまで煮詰めろということです」

ダージリン「また煮こむんですの・・・・・」ガクッ

オレンジペコ「焦げやすいですから注意してくださいね」コソソソソソ

ダージリン「どこに行く気ですかペコ?」ニコ

オレンジペコ「ヒィィィィィィィィ」ガクガク

309: 2016/06/04(土) 11:11:57.97 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「いい感じですわね、最近は小麦粉でとろみを付ける時もありますけどやはりこうしてしっかり煮詰めなくてはいけないザマスね」ウンウン

グデエエエエエン
ダージリン「ハァハァ、次はどうしますの?」

アスパラガス「次は料理に使うワインを煮詰めるザマス、酸味が飛んでトロっとするまで煮詰めるザマスよ」

ダージリン「一緒にやればよかったではなかったですか」ギャアアアア

アスパラガス「まだまだ素人と聞いたので、同時には出来ないと思いまして」クスクス

311: 2016/06/04(土) 11:20:47.99 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「さあ仕上げをするザマスよ。まずは付け合せを作るザマス。このじゃがいもを切っておくザマス」

ダージリン「このじゃがいもね、どうやって切りましょうか?」

オレンジペコ「シチューなどではシャトーに切った、じゃがいもや人参を付け合わせにしますね」

ダージリン「ではそれにしましょう。どうやってやるんですか?」

オレンジペコ「こうやって長細い卵のようなツルッとした感じに切るんですよ」

スイスイ
ダージリン「こうですわね・・・難しいですね」グググ

312: 2016/06/04(土) 11:23:53.88 ID:pnlXhqzP0
はぁはぁ
ダージリン「で、出来ましたは・・・・」ゼエゼエ

アスパラガス「なんザマスこのじゃがいもは?」

ダージリン「付け合せのじゃがいもよ、シャトーにしてみたの綺麗でしょ?」

アスパラガス「何でシャトーなんかにしてるんザマス!!今日のじゃがいもは採れたてで水分が多いザマス、するならジュリエンヌざます」ガシャン

ダージリン「ヒイイイイイ」

アスパラガス「早くするザマス」

313: 2016/06/04(土) 11:32:09.59 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「ジュリエンヌってなんですの?」

オレンジペコ「千切りのことです、千切りのじゃがいもを油で揚げたジュリエンヌフライにするんではないでしょうか?」

ダージリン「せ・・千切り・・・・このじゃがいも全部ですの・・・・」ハァァァァァ

ダダダダダダ ダダダダダダ
ダージリン「はぁはぁ、やっと終わったわ・・・・・」

アスパラガス「出来たザマスか?」

ダージリン「ええ、やっと終わりましたわ」ハァハァ

アスパラガス「まだまだ太さがまばらですが、まあいいザマス。早速茹でるザマス」

ダージリン「へっ!?揚げるんではないんですの?」

アスパラガス「何言ってるザマス?赤ワイン煮の付け合せと言ったらマッシュポテトに決っているザマス」

ダージリン「で、でもジュリエンヌって言ったじゃない」

アスパラガス「あれはするならジュリエンヌと言う意味ザマス、今日は茹ででピューレにするザマス」

314: 2016/06/04(土) 11:36:16.46 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「このこのこの!!」ジタバタ

オレンジペコ「ダージリン様止めてください、危ないですよ」グイイイ

アスパラガス「ささ、仕上げをするザマス、まずは牛タンをスライスするザマス、3cmといったところザマスね」

ダージリン「柔らかいですわ・・・」ストン

アスパラガス「これを鍋に入れるザマス」

オレンジペコ「可愛い小さな鍋ですね」

315: 2016/06/04(土) 11:41:01.98 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「ここに先ほど作ったソースを入れるザマス、50ccくらいザマス」

ダージリン「これっぽっちですの?」

アスパラガス「そうザマス、スプーン一掬いのソースに全力を注ぐ。これがフランス料理の真髄ザマス!!!」

ダージリン「あの苦労が・・・私の4日間が・・・・」ガクガク

アスパラガス「さあ仕上げザマスよ、ここからが本番ザマス、全神経を集中させるザマスよ」

316: 2016/06/04(土) 11:47:33.64 ID:pnlXhqzP0
アスパラガス「まずは塩と胡椒で味付けザマス。酸味がまだ残っているようなら砂糖、風味よくしたいなら先ほど煮詰めた赤ワインで調節するザマス」

ダージリン「難しいんですのね」ペロペロ

アスパラガス「あまり舐めすぎると味がわからなくなるザマスよ、行き詰まったら水を入れてみると良いザマス、ソースが濃すぎるという時もあるザマス」

ダージリン「良い感じになりましたわ」ペロ

アスパラガス「最後にバターを入れてソースと乳化させるザマス。これをバターモンテと言うザマスよ」

アスパラガス「お皿に熱々のマッシュポテトを盛りつけて、牛タンとソースを盛るザマス。最後にクレソンを添えたら完成ザマス」

317: 2016/06/04(土) 11:51:34.98 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「やっと出来ましたわ、さあ食べましょう」

オレンジペコ「いい匂いです、早く食べましょう」グウウウウウ

ダージリン「いただきますわ」パクリ

ダージリン「柔らかいですわ、こんな柔らかいお肉があったなんて」ポワァァァァァン

オレンジペコ「凄い柔らかいですね、それにこのソースこんな美味しいソースははじめてです」パクパク

ダージリン「ソースがこんなに美味しかったなんて、このソースとポテトだけでもごちそうですわ」パクパク

アスパラガス「これがフランス料理の真髄というものザマス」フフン

318: 2016/06/04(土) 11:57:26.89 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「ほんとうに美味しいですわ、ありがとうアスパラガス」

アスパラガス「構いませんザマス、こちらも助かりましたから」クスクス

ダージリン「??クイッ それにしてもフランス人は凄いですわね、料理一つにいつもこんなに力を掛けるなんて」パクパク

アスパラガス「そんなわけないザマス、フォンドボーも時間があるときに他の作業と一緒にやりながら作って冷蔵庫で取っておくんザマス」

アスパラガス「デミグラスソースも冷凍して保存するんザマスよ」

ダージリン「今日の残りはどうしたの?」

アスパラガス「もちろんしっかり保存してあるザマス、牛タンもスライスして冷凍しておけば何時でも美味しい赤ワイン煮が食べられるんザマス・・・・あっ」

319: 2016/06/04(土) 12:02:29.32 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「いいのよアスパラガス、こちらも料理を教わったんですもの、お相子ですわ」クスクス

アスパラガス「そうザマスね」ハハハッ・・・・ダラダラ

ダージリン「それにしても美味しい料理ですね、よろしかったらワインを開けてもいいかしら?この料理にとっても合いそうですね」ニコ

アスパラガス「良いザマスよ、赤ワイン煮にはその土地で取れた同じ地方のワインを合わせるのが最高ザマス、セラーから取ってくるザマス」

ダージリン「いいですわ、自分で行きますから。アスパラガスあなたも飲みますか?」

アスパラガス「いや・・この後、練習がまだ残っているから・・・しまった時間が、練習に行ってくるザマス、ゆっくりしていってくれザマス」ダダダダダダ

ダージリン「ええ、そうさせてまらうわ」ニッコリ

320: 2016/06/04(土) 12:05:11.76 ID:pnlXhqzP0
ダージリン「今日は本当にありがとうございました、とってもおいしかったですわ」ニコ

アスパラガス「喜んでもらえてよかった良かったザマス、また何時でも相談してくれザマス」

ダージリン「ええ、ではごきげんよう」フリフリ

オレンジペコ「ありがとうございました」ニコニコ

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アスパラガス「ふ~無事終わったザマス、暴れだすんじゃないかとヒヤヒヤしたザマス」フー

321: 2016/06/04(土) 12:11:18.83 ID:pnlXhqzP0
ボルドー「アスパラガス様、大変です・・・ワインが・・・セラーのワインがなくなっています」ダダダ

アスパラガス「ああ、それならダージリン達にやったんだ」

ボルドー「ち、違うんです。アスパラガス様の専用のセラーが・・・・」

アスパラガス「な、なんすって!?」

ボルドー「秘蔵のジュヴレ・シャンベルタンが・・・白のモンラッシュも何本も・・・」ガタガタ

アスパラガス「どういうことザマス、あいつらなんてものを開けてくれたんザマス」アワアワ

クンクン ペロッ
アスパラガス「・・・これは・・・・・私の楽しみにしていたジュヴレ・シャンベルタン・・・・なんてことザマス」ガックシ

322: 2016/06/04(土) 12:22:04.01 ID:pnlXhqzP0
オレンジペコ「ふふふ、美味しかったですねダージリン様」ルンルン

ダージリン「ええ、お土産ももらいましたし、来たかいがありましたね」ンフフフフフ

アスパラガス「ああああああああなんてことザマス!!!!!!!!」ギャアアアアアア

BC自由学園編~完~

優花里「ジュヴレ・シャンベルタンはブルゴーニュの王、王者のワインと言われるワインであります。あのナポレオンも愛して遠征先にも必ず持って行ったほどなんですよ」

アッサム「大戦中にドイツの傀儡政権だったBC政府もワインだけは必氏に守りましたからね」

優花里「友軍だったイギリス軍に奪われたワインの配送ルートを知らせたりしてましたからね」

アッサム「秘匿していた情報が漏れたのが仇になりましたね」クスクス

323: 2016/06/04(土) 12:27:11.68 ID:pnlXhqzP0
読んでいただきありがとうございますた 
次の行き先は未定、希望があれば小ネタでも 
チーズもまた書きたいです

331: 2016/06/04(土) 21:26:18.29 ID:pnlXhqzP0
海苔のつまみ編
カエサル「ふ~やっと開放されたな」

エルヴィン「門佐が口を滑らせたからだぞ」

左衛門佐「すまんすまん、でも罪の重さで言えば他の者のほうが重いぞ」

ありょう「まあまあ、喧嘩はやめるぜえよ」

左衛門佐「しかし、少し腹が空いたな」

エルヴィン「半日近く軟禁されて叱責を受けていたからなあ」

おりょう「仕方ない、軽く作ってやるぜよ」

左衛門佐「流石はおりょう、頼りになる」

おりょう「それにしても何もない冷蔵庫ぜよ」ガサゴソ

カエサル「そう言えばお中元でノリを貰ったな、あれは使えないか?」

おりょう「よし、ちょっと待ってるぜよ」

332: 2016/06/04(土) 21:36:56.19 ID:pnlXhqzP0
おりょう「さて、まずは佃煮を作るぜよ。醤油、砂糖、味醂を3:1:1で混ぜてっと、焼き海苔はちぎってふやかしながら煮こむぜよ」

おりょう「あとは調味料を入れて煮詰めれば完成だな」クツクツ

ありょう「さて次はっと、おお、ほうれん草ぜよそれにえのきも、これで磯和えにするぜよ」

おりょう「まずはほうれん草とえのきを切ってさっと茹でる。水に落としてよく絞ってっと」ギュウウウウ

おりょう「めんつゆでも良いけど切らしているから醤油と砂糖でいくぜよ、だしの素をちょっと入れて味を見ながらさっくり混ぜる。こんなもんぜよ、後はもみ海苔をたっぷりと入れて混ぜれば磯和えぜよ」

333: 2016/06/04(土) 21:45:38.43 ID:pnlXhqzP0
おりょう「後はそうぜよねえ、おお、こんな立派な長芋が磯辺焼きにするぜよ」

おりょう「長芋をすりおろしてっと、今日は片栗粉を入れて粘りを強くするぜよ、なければ小麦粉でも大丈夫ぜよ」

おりょう「よーく練ったら海苔で挟んで、フライパンに油を引いて焼くぜよ」ジュウウウウウウウ

おりょう「味付けは醤油でいくか、醤油と砂糖を2:1ここにごま油をひとたらし照りを出すために味醂もちょっと、こいつを流し込んで絡めながら焼きば完成ぜよ」

おりょう「佃煮もいい感じぜよ、半分は茶漬けに、半分は冷奴にするぜよ、叩いた梅と鰹節をたっぷり入れて練るぜよ、後は豆腐に乗せれば。海苔奴ぜよ、好みでネギを掛けるぜよ」パラパラ

おりょう「もう一品ぐらいいくか、あいつら肉か魚を出さないといつも怒るからなあ、よしこの冷凍のまぐろのたたきを使うぜよ」

334: 2016/06/04(土) 21:51:13.24 ID:pnlXhqzP0
おりょう「凍ったまま四角柱に切るぜよ、これにのりを巻いて、天麩羅の衣をくぐらせてさっと表面がカリッとするだけ揚げるぜよ」

おりょう「みんな~出来たぜよ~」

左衛門佐「待ちかねたぞおりょう」ドズン

エルヴィン「うまそうな匂いだな」

カエサル「おお海苔づくしだな」

おりょう「まずこれが磯会えぜよ、ほうれん草とえのきのお浸しにのりが入ったものぜよ」

パクパクパク
左衛門佐「おお、この海苔のお浸しと海苔がお浸しの汁を吸ってヘニャっとなった所が良いな」

カエサル「海苔の香りが本当に磯の香りのようだな」モグモグ

335: 2016/06/04(土) 21:58:12.48 ID:pnlXhqzP0
左衛門佐「おりょう、まだ開けてないお米ジュースがあっただろう、あれを出そう」

エルヴィン「いいな、ライスワインは私も好きだぞ」ガヤガヤ

カエサル「今日は少し冷えるから、燗でいくか」ワイワイ

おりょう「燗を作るのは面倒くさいんだぞまったく、そう言えば錫のタンポがあったはずぜよ、あれなら早いし、楽ぜよ」

エルヴィン「なんだタンポって?」

左衛門佐「取手のついた燗器だな、口が広いから酒も入れやすいし、錫だから熱伝導も良い、味も良くなるそうだぞ」

336: 2016/06/04(土) 22:07:10.63 ID:pnlXhqzP0
おりょう「燗もできたぜよ」トクトクトク

左衛門佐「お米のジュースと磯会えがなんとも言えんな」カーーー

エルヴィン「魚介なんて入ってないのに海を感じるな」パクパク

おりょう「次は海苔奴ぜよ、味は付いているからそのまま食べるぜよ」

カエサル「醤油の代わりに佃煮が乗っているのか パクッ く~この酸味は梅だな、さっぱりしていて豆腐と合うな」

エルヴィン「後から鼻を抜ける海苔とカツオの磯の香りも良いな」パク

左衛門佐「その香りが抜けないうちにこいつをやると」グビ

左衛門佐「んん~たまらんな。おりょうは食べんのか?」

おりょう「こいつが出来たらいくぜよ、叩いたマグロの天ぷらぜよ」

エルヴィン「叩きを海苔で巻いたのか、パクリ んん~中がまだ生の叩きだ」パクパク

左衛門佐「面白いな、表面はパリパリの海苔の天ぷらで中はとろっとしたマグロのミンチなのか」

カエサル「これもお米のジュースが進むな、天つゆもいいが、やはりここは塩だな」パラパラ パクリ

337: 2016/06/04(土) 22:14:47.61 ID:pnlXhqzP0
おりょう「どうぜよ少しは満足したか?」

左衛門佐「ああ、旨い肴に酒文句無しだな」

エルヴィン「んん~だが小腹がすいているな、なにか〆的なものがほしいな」

おりょう「そう言うと思って、茶漬けを用意しておいたぞ、海苔の佃煮茶漬けぜよ」

左衛門佐「なんとも言えない照りだな、紫のような黒のような綺麗な光沢だ」

おりょう「ささ、お茶を掛けるぜよ」

ズズズ ズズ
エルヴィン「ふう~やっぱり〆はこれだな」

カエサル「海苔の佃煮も旨いな」

おりょう「まだ残りが瓶に入れてあるぜよ、また今度食べると良いぜよ」

エルヴィン「トーストにも合うらしいぞ」

おりょう「んん~それは遠慮したいぜよ」


338: 2016/06/04(土) 22:21:25.45 ID:pnlXhqzP0
左衛門佐「さて喰った食った、風呂にでも入って寝るとするか」ガタ

カエサル「私はもう少しローマ史を研究しようかな」

エルヴィン「そうか、じゃあ私もドイツ陸軍の防御ドクトリンの変遷を追ってみるかな」

おりょう「まったく・・・少しは片付けも手伝うぜよ、そんなんじゃもう作ってやらんぜよ?」

左衛門佐「お皿は私が洗うぞ」テキペキ

カエサル「ここのお皿は整理して持っていく、その後はすすぎと吹上だな」テキパキ

エルヴィン「お疲れでしたおりょうさん、ささ、肩をおモミしますよ」モミモミ

おりょう「ふふふ、たまにはこういうのも悪くないぜよ」コキコキ

339: 2016/06/04(土) 22:30:03.70 ID:pnlXhqzP0
今日はここまでありがとうございました
>>324 ラーメンは難しいです、説明させるキャラがいないのと、自分が中華麺打ったことないのとあまりラーメンが好きではないので
>>325 毎年好きでポークジャーキーを大量に仕込んでますが作るのは冬場がいいですね、梅雨時期は少し怖いかな
あとは手持ちの装備によって作り方が変わってくるので今回はやめておきます、すいません

書ける小ネタにはどんどん書きたいですね、小ネタ書くくらいがちょうどいい

346: 2016/06/05(日) 05:24:04.50 ID:jiyQcP7E0
カサカサカサ
オレンジペコ「ダージリン様、距離50mほどですね、もう少し近づかれますか?」ヒソヒソ

ダージリン「もう少し近づきますわ、有効射程距離までもう少しです。幸い、向こうもまだ気づいていませんわ」ソソソソ

ダージリン「いきますわよ」カチャ
スゥゥゥゥゥゥ カチリ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
パーーーーーーーン

バサバサバサ
オレンジペコ「命中ですねダージリン様」

ダージリン「ええ、上手くいきましたわ。ローズヒップ、ゴー!!」

ローズヒップ「了解ですわダージリン様」ダダダダ

347: 2016/06/05(日) 05:37:21.53 ID:jiyQcP7E0
絹代「それがこの鹿というわけですか」

ダージリン「ええ、鹿撃ちはイギリス紳士の嗜みですわ」

福田「それで本日はそのような出で立ちなのでありますね」

ダージリン「ええ、イギリスの伝統的なハンティングスタイルですのよ」

絹代「ウールのジャケットにニッカーズとアーガイルチェックのハイソックスがよくお似合いですよ」

ダージリン「ありがとうございますわ」

福田「この帽子はホームズが被っているやつでありますね」

オレンジペコ「それは鹿撃ち帽です、銃を使わない時はそうして横の耳あてをリボンで縛って上にあげておくんです」

348: 2016/06/05(日) 05:40:26.42 ID:jiyQcP7E0
絹代「ところでそうしてまたうちに?」

ダージリン「いつもお世話になっていますから、そのお返しにと思いまして鹿のお裾分けに来たんですの」

絹代「いやあ、それは気を使っていただいてありがとうございます」ペコ

ダージリン「気になさらないで、いつもお世話になっているのはこちらなんですから」

絹代「ありがとうございました、またお返しに伺います」

ダージリン「楽しみにしていますわ、ではごきげんよう」

350: 2016/06/05(日) 05:44:47.29 ID:jiyQcP7E0
福田「隊長殿、この肉はどの部分なのでありますか?」

絹代「これは前足、肩肉の部分だな。いつも動く部位だから美味しいぞ」

福田「なるほど、肩肉でありますか、ですが肩肉だと筋が複雑に入っているので煮込み料理しかないでありますか?」

絹代「そんなことはないぞ福田。よし、今日は鹿料理を作ろう」

福田「やったであります」

351: 2016/06/05(日) 05:52:35.89 ID:jiyQcP7E0
絹代「まずは鹿のローストを作ろう」

福田「ローストというと焼くのでありますか?」

絹代「ああ、ローストベニソンと言って欧州では伝統的な食べ方だそうだ、普通はもも肉でやるが肩でも十分美味しいぞ」

福田「それは楽しみであります」

絹代「まずは下ごしらえだな、今日は肩肉だから筋切りをしよう。ミートソフターがあると簡単だが、ないなら竹串でも出来るぞ」

福田「刃がたくさん付いているでありますね」

絹代「これで筋が切れて柔らかくなるんだ、次は味付けだな、今日はシンプルに塩コショウで行こう」

352: 2016/06/05(日) 06:00:10.63 ID:jiyQcP7E0
絹代「しっかりと振って揉み込んだら、塊のまま表面をフライパンで焼くぞ」ジュウウウウウウウウ

福田「美味しそうであります」

絹代「こんなものだな、後はこれをジップロックに入れてオリーブオイルとワインを少し、後は匂い消しにしゅうがを入れて空気を抜くんだ」

福田「もう良いんでありますか?全然火が通ってないでありますよ?」

絹代「今日は低温調理で仕上げるぞ、このまま袋ごと茹でるんだ75~80℃で20分煮るぞ」

福田「そんな調理法があったんでありますか?驚きであります」

絹代「柔らかく鹿独特の香りを楽しむ調理法だそうだ、赤い肉は赤く、白い肉は白くというのが欧州の考え方だそうだ」

353: 2016/06/05(日) 06:05:22.56 ID:jiyQcP7E0
福田「鹿肉は赤いので赤身を残して調理するでありますね」

絹代「そうだ、でも野生の鹿は病気が怖いからな、オーブンだと生焼けになることもあるが、その点低温調理なら中までしっかり火が通るからな」

絹代「鹿肉が68℃になるのがベストだな、火加減や時間は大きさによっても変わるから注意するんだぞ」

絹代「よし今日はもう一品作ろう、今度は竜田揚げだ」

福田「鹿の竜田揚げでありますか?」

絹代「ああ、揚げることで臭みも抜けるし、柔らかくなるからな」

354: 2016/06/05(日) 06:10:07.47 ID:jiyQcP7E0
絹代「今日はこれを使って肉を柔らかくするぞ」

福田「何でありますかこれは?」

絹代「これは塩麹だ!!一口大に肉を切ったらこれを肉に刷り込んで1時間ほど休ませるんだ」

福田「これで肉が柔らかくなるんでありますね」

絹代「下味は醤油と酒、じょうがだな。よく揉み込んでっと」

福田「揚げ油の準備も出来たであります」

絹代「じゃあ、片栗粉をまぶして揚げていくぞ」ジュウウウウ パチパチパチ

355: 2016/06/05(日) 06:14:53.85 ID:jiyQcP7E0
福田「この醤油が揚がる香りがたまらないであります」クンクン

絹代「よし完成だな、福田みんなを連れて来い」

福田「了解であります!!」ダダダダ

玉田「おお、今日は肉の叩きでありますか、豪勢ですな」

細見「こっちは竜田揚げですな、いい香りでありますな」クンクン

福田「ダージリン殿から鹿肉を頂いたのだります。今日はローストベニエと言う料理であります」

玉田「らうすとべにえか美味そうだな」

356: 2016/06/05(日) 06:19:26.09 ID:jiyQcP7E0
絹代「本来はバルサミコソースやホースラディッシュで食べるんだがな、やはり我々にはこのわさび醤油だろ」

細見「赤い肉にわさびを乗せて醤油で食べる、最高ですな」パクパク

玉田「肉なのに柔らかいんだな」モグモグ

福田「しっかり筋切りをして低温調理で仕上げたからであります」エッヘン

細見「作ったのは西隊長だろ」コツン

福田「痛いであります」グス

絹代「まーまー。ささ、竜田揚げも美味しいぞ、冷めないうちに食べた食べた」サスサス ナデナデ

358: 2016/06/05(日) 06:27:35.86 ID:jiyQcP7E0
玉田「こっちも柔らかいな、醤油の香りも芳ばしくていいな」

細見「だがこの味はなんだろう・・・ふくよかでいて馴染み深いような・・・・」

絹代「それは塩麹の香りだな、肉を柔らかくするために入れたんだ」

細見「なるほど、麹の香りでしたか、旨いでありますな、ごはんにも酒の肴にもピッタリですね」

絹代「ダージリン殿からお土産にとイギリスのビヰルも頂いたぞ、みんなで飲もう」

玉田「竜田揚げの脂とビヰルも絶妙でありますな」グビグビ

絹代「ローストベニエにも合うな、いいものを貰ってしまったな、また何かお返しせねば」コク

細見「うん旨いなこれは。 グビグビ よし福田、何か芸をやれ」ハハハッ

福田「えええ!?自分がでありますか?」

359: 2016/06/05(日) 06:32:40.80 ID:jiyQcP7E0
鹿肉編~完~
鹿肉は近年見直されつつある食材ですね。ドイツやフランスでは高級ジビエとして有名ですが、日本ではなかなか食べないですからね
ジビエとしてもウサギや猪に押されている感じですが、癖も少ないさっぱりとしていて食べやすいのでお試しください
たまに猟師さんの手当が下手で臭いものもありますがそれも一期一会です

新茶の時期なのでお茶編も面白そうですね、ただ西隊長が活躍し過ぎで本編からずれてきてしまっている
コーヒーも好物なので多少書けると思いまう

369: 2016/06/05(日) 17:48:54.90 ID:jiyQcP7E0
チーズ道続き
優花里「いや~皆さん素晴らしいチーズばかりでしたね」

オレンジペコ「どのチーズもとても美味しそうでした」

愛里寿「うん、チーズが好きになれそう」

優花里「これでチーズ大会も終わりでありますね」

まほ「「まったぁぁぁぁ」」

優花里「西住殿のお姉さんであります」

まほ「黒森峰もこの戦い参加させてもらう」

エリカ「王者のチーズというものを見せてあげるわ」

優花里「いえ、チーズの王様はイタリアのパルミジャーノであります」

エリカ「良いのよそんなこと!!黒森峰のチーズだって凄いんだから」

370: 2016/06/05(日) 17:55:33.72 ID:jiyQcP7E0
まほ「まずはこれだ、ドイツのモッツァレラチーズ、ステッペンだ」

優花里「ドイツにもモッツァレラチーズがあったんですね」

オレンジペコ「バイエルンで作られるチーズですね。ドイツは他国のチーズを改良するのが得意なんです」

まほ「今日はステッペンをライ麦パンに載せてトーストしてみた、食べてくれ」カチャ

愛里寿「これ本当にモッツァレラなの?なんだか見た目が全然違うけど?」

優花里「とりあえず食べてみましょう」ハム

パク ビニョオオオオオン
愛里寿「んん、すごい伸びる」

371: 2016/06/05(日) 18:03:53.10 ID:jiyQcP7E0
アンチョビ「あの伸び方はまさに焼いたモッツァレラだな。ピザみたいだ」

優花里「美味しいでありますね、このチーズとても滑らかです」

愛里寿「うん、でも、アンチョビの食べさせてくれたのよりちょっぴりしょっぱくて美味しい」

まほ「ステッペンは牛乳で作ったモッツァレラを熟成させたものだ、弾力のあるフレッシュなイタリアのモッツァレラと違って塩気の効いたセミハードチーズだ」

優花里「本当でありますね、焼いてないこちらはカチカチであります」コンコン

オレンジペコ「熟成させたことによる旨味とフレッシュチーズの良いとこどりのようなチーズですね、これを料理に使うだけで一段階上の美味しさになりますよ」

愛里寿「美味しい、酸味のきいたどっしりしたライ麦パンに塩気とコクがすごくあってる」パクパク

372: 2016/06/05(日) 18:19:36.40 ID:jiyQcP7E0
エリカ「次はこれよ、ちょっぴり大人な味だから気をつけなさい」コト

まほ「ボニファッツだ今日はグリーンペッパー味を用意した」

パクリ
優花里「本当でありますね、ピリリとして美味しいであります」

オレンジペコ「グリーンペッパーが練りこまれたチーズですね、ドイツの伝統あるチーズメーカーの商品でガーリック味なんかもありますよ」

愛里寿「胡椒でぴりっとしてるけど、チーズはすごくクリーミーで美味しい」パクパク

優花里「チーズに練り込むなんてすごい発想でありますね。白カビで熟成されたカマンベールのクリーミでコクのある味がたまらないであります」

エリカ「どう?これが黒森峰の実力よ」フンッ

373: 2016/06/05(日) 18:27:43.48 ID:jiyQcP7E0
まほ「最後はこれだ、これも少し癖があるから気をつけろ。ババリアブルーだ」コト

優花里「おおこれはブルーチーズでありますね」

愛里寿「臭い・・・」クシクシ

エリカ「ババリアブルーは青カビチーズだけどそれだけじゃないのよ」

優花里「ああ、本当であります!!外側は白カビチーズであります」

オレンジペコ「ババリアブルーはドイツのチーズで青カビ系と白カビ系を合わせたチーズなんですよ」

まほ「青カビチーズはどうしてもきつい酸味や匂いが気になるが、このチーズは白カビの力で青カビの刺激を抑えた入門用のブルーチーズだ」

パク
愛里寿「すごい滑らか、ちょっとピリっとするけど食べやすい」モグモグ

優花里「本当でありますね、青カビ独特の癖がありつつクリーミーで食べやすいであります」

374: 2016/06/05(日) 18:35:02.02 ID:jiyQcP7E0
まほ「ババリアブルーを作るときに牛乳に生クリームを加えて作るんだ、だから脂肪分も多くクリーミーな味わいなんだ」

愛里寿「青カビチーズってもっときついと思ったけど、これなら食べられる」モグモグ

まほ「こうした入門用チーズから始めればチーズの美味しさも楽しめるようになっていく、これからも楽しんでくれ」

愛里寿「うん、今日はありがとう」

まほ「ふふ、エリカあれを出してくれ」

エリカ「はい隊長!! これは私達からのお土産です」

まほ「ほかの学校がチーズを土産にしていたからな。我々からはチーズに合うデザートワインだ」

375: 2016/06/05(日) 18:49:03.28 ID:jiyQcP7E0
愛里寿「デザートワイン?」

オレンジペコ「食前酒などに出される甘めのワインですね」

まほ「今日は黒森峰特製のアイスヴァインとトロッケンベーレンアウスレーゼを用意した」

優花里「アイスヴァインは葡萄が成ったまま凍結してしまって出来たワインですね」

オレンジペコ「そうですね、氷点下の中凍ったまま葡萄の果肉を絞ることで糖度が高いことで凍結しない果汁のみが絞り出され、極上の甘さを持ったワインが出来上がるんです」

優花里「トロッケンベーレンアウスレーゼと言うのは?」

オレンジペコ「貴腐ワインのことですね、トロッケンは乾燥、ベーレンはぶどうの身、アウスが選ぶ、レーゼが収穫という意味です」

オレンジペコ「葡萄の身を樹になったままにして完熟させて干しぶどうのようにってから収穫するんです。糖度がとても高く特徴的な貴腐香という香りがする高級ワインですね」

376: 2016/06/05(日) 18:53:47.37 ID:jiyQcP7E0
エリカ「ワインの王にして王のワインと言われるワインよ!!まさに黒森峰の様なワインね」

まほ「クリーミーなフレッシュチーズには甘口のワインが合うからな、これで楽しんでくれ」

優花里「羨ましいでありますね」タラーーーー

愛里寿「ありがとう、大切に頂くわ」 ギュ

まほ「ああ、楽しんでくれ」 ギュ

優花里「これにて島田殿のチーズ克服大会も閉幕であります」

オレンジペコ「美味しそうなチーズばかりでしたね、私も食べたくなりました」

優花里「では司会進行の秋山優花里と」

オレンジペコ「解説のオレンジペコでした」

優花里「さようなら~」フリフリ

オレンジペコ「さようなら」フリフリ

377: 2016/06/05(日) 18:59:09.53 ID:jiyQcP7E0
~後日~
愛里寿「家出してきた、匿って欲しい」

優花里「どうしたんでありますか一体」

愛里寿「お母様と喧嘩した、もう家には帰りたくない」ボコ ギュウウウ

優花里「一体何があったんでありますか??」

愛里寿「お母様たら私のチーズとワインを全部食べちゃったの・・・・」

優花里「ええ!?あのチーズとワインを全部でありますか?」

愛里寿「大切にとっておいたのに、美味しい美味しいって内緒で食べちゃったの」

~島田家~
千代「愛里寿~ごめんなさい、出てきてちょうだい、お母さん悪かったわ~」オーーーーイ

チーズ道~完~

378: 2016/06/05(日) 19:03:38.79 ID:jiyQcP7E0
今日はここまでありがとうございました

個人的におすすめのチーズ
スチルトン:世界三大ブルーチーズの一つ他のブルーチーズにはない独特の甘みが特徴
パヴェダフィノア:フランスの石畳と言われるチーズ、完熟すると加熱していないのにチーズフォンデュのようなクリーミーな状態になる、初心者におすすめ
ミモレット:オレンジ色のチーズ熟成するに連れて固くなり風味も増していく、2年ものともなればからすみのような味わいになる

チーズ好きな人が増えると良いなと思います。日本にも面白いチーズが沢山有るので探してみてください


次はダージリン様にアンツィオ高に行ってもらおうと思います

426: 2016/06/07(火) 18:08:44.08 ID:uvgf9k/I0
~アンツィオ~
アンチョビ「それがこのワインってことか」ツンツン

ペパロニ「美味そうですねアンチョビ姐さん」ダラダラ

ダージリン「ええ、アスパラガスが快く譲ってくれましたの、今日はこのワインに合うような魚料理を教えてもらえるかしら?もちろんこのワインも一緒に飲みましょ」

アンチョビ「そういうことならこの、アンチョビに任せておけ!!最高のイタリアンを教えてやろう」

ダージリン「よろしくお願いしますわ。今日は何を作りますの?」

アンチョビ「そうだな、シーフードのパスタを2種類とピッツァにしよう」

ペパロニ「アンチョビ姐さんのピッツァですか、楽しみっすね~」

427: 2016/06/07(火) 18:19:56.30 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「まずはペスカトーレを作るぞ、魚介とトマトを使ったパスタだ。ペスカトーレってのは漁師風って意味だ。魚介なら何でもいいが、今日は旬のスルメイカとあさり、エビを使って作るぞ」

ダージリン「あのトマトと貝のスパゲッティですね、楽しみです」

アンチョビ「パスタだパスタ!! 今日は確かにスパゲッティーニを使うが、スパゲッティは麺の種類、ペスカトーレにはどんなパスタを使っても美味しく出来るんだ」

ダージリン「どういうことですの?」

オレンジペコ「スパゲッティーニは麺の種類のことですよ。1.6mm程度の太さの麺のことです、麺の太さや形で名前が変わるんです」

アンチョビ「そうだ、パスタってのが麺料理全般を表す言葉だな。ラザニアなんかもパスタになるんだ」

ダージリン「なるほどそうでしたのね、では早速作りましょう」

428: 2016/06/07(火) 18:24:03.66 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「じゃあ材料だ、今日は2種類パスタを作るから2人前にしておこう。ペスカトーレってのは、日本で言えばアラ汁みたいなものだな、魚介類ならなんでも良いぞ」
・イカ・・・・・・・・1杯
・エビ・・・・・・・・100g
・あさり・・・・・・・200g
・トマト・・・・・・・1個
・にんにく・・・・・・1欠
・白ワイン・・・・・・50cc
・スパゲッティーニ・・180g

アンチョビ「今日はこんな感じだな、ムール貝なんかを入れたりすると豪華に見えるな」

ダージリン「随分簡単ですのね」

429: 2016/06/07(火) 18:29:15.20 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「あくまでもメインは新鮮な魚介類だからな、その魚介類から出た旨味とトマトお旨味ををパスタに絡めるんだ」

アンチョビ「まずはにんにくを包丁で芽を取って潰すぞ」バンッ

アンチョビ「イカは皮を剥いて輪切りに、トマトは皮を向いておくんだ」

アンチョビ「次にフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れる。先に火をつけたらダメだぞ」

ダージリン「あらそうでしたの?」カチッ

アンチョビ「熱いオリーブオイルだと香りが出る前に焦げちゃうからな、じっくり炒めて香りと味を出すんだ」

ダージリン「いい香りがしてきましたわ」クンクン

430: 2016/06/07(火) 18:35:28.07 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「じゃあパスタを茹でるぞ、鍋にたっぷりのお湯を沸かして塩を入れる」ドサ

ダージリン「もう茹でますの?ずいぶん早いんですね」

アンチョビ「このパスタを茹でる間にソースを作るんだ、テキパキやらないと時間がなくなるぞ」パンパン

ダージリン「は、はいですわ」カチャカチャ

アンチョビ「にんにくに焦げ目がついてきたらもう出していいぞ、魚介を炒めていくんだ。汁気が出てきたらさっと白ワインを振って更に炒める」

ダージリン「味付けはしないんですの?」

アンチョビ「味付けはこのパスタの茹で汁でするんだ、だから最後に味をみて足りないようなら塩を入れればいい」

431: 2016/06/07(火) 18:41:05.84 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「あさりが開いてきましたね」ジュウウウウ

アンチョビ「じゃあここにトマトだな、手でつぶしながら入れればいいぞ。しっかり切ってもいいぞ」

ダージリン「大胆ですわね」グニュウウウ

アンチョビ「軽く煮込んでスープにしっかり旨味を出すんだぞ」

ダージリン「パスタもそろそろ時間ですわ」

アンチョビ「じゃあ少しパスタの茹で汁も入れてスープを薄めるんだ、味をみて足りなそうなら塩を振る」

ダージリン「じゃあパスタを入れますね」ジュウウウ

アンチョビ「後は軽く鍋を振ってスープを絡めるぞ。皿に盛りつけてパセリを振ったら完成だ」

432: 2016/06/07(火) 18:46:52.40 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「簡単ですのね、すぐ出来てしまいましたわ」

アンチョビ「簡単だがソースにはたっぷり旨味が出ているからな、次はカジキマグロを使ったパスタだ」

ダージリン「イタリアンでもマグロを食べるんですのね」

アンチョビ「ステーキにしたり色々な食べ方があるぞ。今日はシチリア風のオリーブとケイパーを使ったパスタだ」

ダージリン「ケイパー?ですか」

オレンジペコ「イタリア語ではカッペリにですね。ケイパーと言う花の蕾を酢漬けや塩漬けにしたものです」

アンチョビ「塩漬けのほうが塩抜きしたり面倒だが香りが良いんだ、酢漬けならそのまま使えるぞ」

433: 2016/06/07(火) 18:52:37.31 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「あらこのパスタ穴が開いていますわね」ジイイ

アンチョビ「これはシチリア発祥のブカティーニだ。パスタの中まで味が染み込むからソースとの相性がいいんだ」

ダージリン「へ~色々な種類があるんですのね」フヨンフヨン

アンチョビ「じゃあ材料だ、今日はトマトをそのまま使うがトマトソースを使ったりもするな」
・カジキマグロ・・・・・・・2切れ
・トマト・・・・・・・・・・2個
・ケイパー・・・・・・・・・大さじ1
・にんにく・・・・・・・・・1欠
・オリーブの実・・・・・・・6個
・松の実・・・・・・・・・・大さじ1
・ブカティーニ・・・・・・・180g

434: 2016/06/07(火) 18:58:49.39 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「これがオリーブですのね、黒いオリーブなんですね」

アンチョビ「黒いオリーブと言うより完熟したオリーブが黒いんだ。若いオリーブはまだ緑色なんだぞ」

ダージリン「そうでしたの、てっきり種類が違うんだと思っていましたわ」

アンチョビ「オリーブは種が入ってるから潰して種を出すんだ」プニュ

ダージリン「梅干しみたいですわ」プニュ

アンチョビ「まずはカジキを一口大に切って塩コショウをするんだ」

ダージリン「キメが細かくて美味しそうですわね」

435: 2016/06/07(火) 19:02:53.48 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「じゃあさっきの要領でにんにくを炒めるんだ。今度は煮詰めて濃いソースにするからパスタはまだいいぞ」

ダージリン「焦げ目がついて匂いが十分出ましたわ」

アンチョビ「じゃあ、にんにくを取り出してトマトを潰して淹れる、塩を少しして煮詰めてトマトソースにするんだ」

グツグツグツ
ダージリン「こんなものですの?」

アンチョビ「じゃあカジキを入れて炒め煮にするぞ、仕上げにケイパーと松の実を入れたらソースは完成だ」

436: 2016/06/07(火) 19:07:37.82 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「これも簡単ですね、美味しそうな匂いですわ」

アンチョビ「じゃあパスタを茹でたら絡めていくぞ、煮詰まりすぎていたらここで茹で汁を入れるんだ、味をみたらパスタを入れて絡める」

ダージリン「よっ!よっ!よっ!」グルグル

アンチョビ「これにもパセリを振るぞ、これで完成だ」

ダージリン「美味しそうですね、さっきのよりもトロミがあって絡まっていますのね」

アンチョビ「トマトを煮詰めたからな、酸味が飛んで甘みがいけてくるぞ」

アンチョビ「じゃあ次はピッツァだな、ペパロニが準備してくれていつはずだ」

437: 2016/06/07(火) 19:15:00.57 ID:uvgf9k/I0
ペパロニ「姐さん生地と釜の準備出来てるっすよ」

オレンジペコ「ダージリン様、生地を作っておきました」

ダージリン「釜も石窯ですのね、大きいですわ」

アンチョビ「伝統的なナポリピッツァといえるのは釜で薪を燃料にして作るものだけだからな、うちではちゃんと釜で焼いて作るんだ」

オレンジペコ「イタリアには伝統的特産品保証という認定があってナポリピッツァ協会の規定にピザの大きさから焼き上がりの高さまで細かく指定されているんですよ」

ペパロニ「今日は家庭でもできるように材料を変えてるけどな」

438: 2016/06/07(火) 19:21:12.09 ID:uvgf9k/I0
ペパロニ「これがピッツァの皮の材料だ。今日は4枚分だぜ」

オレンジペコ「ナポリではピザは一人一枚ですからね、ナイフとフォークで食べるんです」

アンチョビ「テイクアウトのピッツァには認定がおりないからな、一人まるまる一枚提供の形が基本だ」
・強力粉・・・・・250g
・薄力粉・・・・・250g
・ドライイースト・大さじ1
・ぬるま湯・・・・300cc
・砂糖・・・・・・1つまみ
・塩・・・・・・・小さじ1
・オリーブオイル・大さじ1

ペパロニ「砂糖は発酵を助けるためだな、甘くするわけじゃないから指で1つまみ入れてくれ」

439: 2016/06/07(火) 19:27:13.26 ID:uvgf9k/I0
ペパロニ「まずは粉をふるいにかけておく、ボールにお湯と他の材料を入れてイーストを作っておく」

ペパロニ「後は。ふるいにかけた粉にイーストを混ぜあわせて菜箸でよく混ぜる」カチャカチャ

オレンジペコ「いきなり手でもいいですけど、手にへばりついて大変ですからね」

ペパロニ「まとまってきたら今度は手で捏ねる。打ち粉を振った台に移したら端の方から畳み込むようにこねていく」グイグイグイ

オレンジペコ「お上手ですね」

ペパロニ「次は二つ折りにしては押し出すように伸ばす。これを上手くやらないと上手く発酵しないぞ」グイグイグイ

ペパロニ「ボールに移して十字に表面に切り込みを淹れる。後は30分~1時間発酵させたら生地の完成だ」

440: 2016/06/07(火) 19:32:52.64 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「これがピザ生地ですのね、つやつやのお餅みたいですね。パン生地みたいですわ」

アンチョビ「じゃあ伸ばしていくぞ、四等分にして残りは袋に入れておく。こうしておくと生地が乾かないぞ」

オレンジペコ「料理にかけては繊細なんですね」ボソッ

ダージリン「ペコ!!」

オレンジペコ「すいません」

ペパロニ「?? じゃあ伸ばせ、こうやって両手に移しながら叩いて伸ばす」パンッパンッ

ペパロニ「時々こうやって投げて遠心力で伸ばすんだ」ヒューン

ダージリン「おお、凄いですわ」

ペパロニ「へへへっ!!」ニコニコ

アンチョビ「こらペパロニ!! いきなり素人にそんなこと教えたら危ないだろ」

アンチョビ「こうやって台に乗せて指で伸ばすだけで良いからな」グイグイ

441: 2016/06/07(火) 19:37:21.41 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「でもあれもやってみたいですわね」ジイイイイイ

オレンジペコ「ダメですよダージリン様、どうせ滑って落とすに決まっています」

アンチョビ「今日はマルゲリータにしよう。市販のピザソースでいいぞ」

ペパロニ「伸ばした生地にたっぷりソースを塗る。モッツァレラチーズはケチケチしな~い。バジルの葉を散らしたらオリーブオイルをまわしかける」

ダージリン「綺麗な彩りですね」

アンチョビ「イタリアの国旗を表して作られたからな。さてピッツァを焼くぞ、オーブンなら250℃くらいだ」

442: 2016/06/07(火) 19:46:19.77 ID:uvgf9k/I0
ペパロニ「釜で焼いたピッツァは旨いっすよ。生地はカリッとふわっとチーズはトロトロっすよ」

アンチョビ「じゃあ全部出来たな、早速食事にしよう」

ダージリン「まずはペスカトーレですわね」パクリ

ダージリン「んん~海の味がしますわ」

オレンジペコ「美味しいですね、トマトの酸味と魚介の旨味が溶け出したスープがパスタとよく絡んでますね」

アンチョビ「そうだろ~そうだろ~、トマトを使わせたらイタリアに敵うものはいないぞ」フフン

ペパロニ「このワイン旨いっすね~」グビグビ

アンチョビ「ああペパロニ、私も楽しみにしてたんだぞ、そんなに飲むな~」

ダージリン「シーフードの香りと白ワインも合いますね」クイ

443: 2016/06/07(火) 19:51:50.75 ID:uvgf9k/I0
オレンジペコ「次はカジキのパスタですね」

ダージリン「新鮮なカジキがふわっと柔らかで濃厚なトマトソースと合いますわね」パクパク

オレンジペコ「トマトとカジキってこんなに合うものなんですね」パクパク

アンチョビ「カジキはトマトソースとのステーキにしても美味しいぞ」パクパク

ペパロニ「いや~姐さんの作るパスタは最高っすね」ガツガツ

アンチョビ「こらペパロニ、そんなに独り占めするな」

ダージリン「このブカティーニでしたかしら?穴の空いたパスタにソースが良く絡まりますわね」パクパク

アンチョビ「形によって味わいが変わるだろ!!これがパスタの面白いところだな」

ペパロニ「姐さ~んピッツァも早くしないと冷めちゃいますよ」カブリ

444: 2016/06/07(火) 19:56:28.20 ID:uvgf9k/I0
ダージリン「ピザをナイフとフォークで食べるんですのね」カチャカチャ

アンチョビ「こうやって切って巻くと刺しやすくなるぞ」クルクル

オレンジペコ「モッツァレラがトロトロですね、見ただけで美味しそうです」

ダージリン「パリッとした皮が美味しいですわね」モグモグ

オレンジペコ「大きいですけどペ口リといけちゃいますね」モグモグ

ペパロニ「いや~このチーズとサラミの組み合わせが最高っすね」モグモグ

アンチョビ「そうそうチーズとさら・・・・サラミ?? ああ、ペパロニ!お前自分だけかってにサラミを追加して焼いてるじゃないか」

ペパロニ「旨いっすよ姐さん、ワインともバッチリっす」グイ

445: 2016/06/07(火) 20:18:02.85 ID:uvgf9k/I0
アンチョビ「ああ、ワインもこんなに開けて、私だってまだちょっとしか飲んでないんだぞ~」

ペパロニ「いや~旨かったスよ姐さん」ニコニコ

ダージリン「気に入ってくれてようでよかったですわ。場所はわかっているのでアッサムに頼んで、また何時でも獲ってきてあげます」クイ

アンチョビ「獲ってきて??」ハテッ?

オレンジペコ「なんでもないです」ハハハッ・・・

アンチョビ「じゃあ最後はドルチェだ、今日はパンナコッタだぞ」

446: 2016/06/07(火) 20:27:30.90 ID:uvgf9k/I0
ペパロニ「これも旨いっすね最高っすよアンチョビ姐さん」パクパク

ダージリン「生クリームのコクとフルーツの酸味が良いですわね」パク

オレンジペコ「パンナコッタは生クリームを煮たと言う意味ですからね、プリンと違ってゼラチンで固めるんですよ」

ダージリン「プリンとは違ったこの食感とコクがいいですね」

アンチョビ「どうだこれがアンツィオの実力だ!! 今度はリゾットにするか?手打ちのパスタも教えてやるぞ」

ダージリン「良いですわね!!しばらくここに住み込もうかしら」ニコニコ

オレンジペコ「ダメですよダージリン様、作ってもらってばかりでは。みほさんのために料理を覚えるのではなかったんですか?

ダージリン「そうですわね、次はみほさんに私の手料理を食べてもらいましょう」

アンチョビ「おお!!それは良いな。頑張ってくれよ、応援してるからな」ギュ

ダージリン「ええ、ありがとうアンチョビ」ギュ

447: 2016/06/07(火) 20:28:11.79 ID:uvgf9k/I0
今日はここまで、ありがとうございました
次はコーヒーを書こうかな


615: 2016/06/12(日) 09:12:38.72 ID:mps8GU480
ダージリン「ふふふ~ん♪」サラサラ

オレンジペコ「ダージリン様随分ごきげんですね、なにを書かれているんですか?」

ダージリン「随分料理も上達したので、みほさんを食事会に招待しようと手紙を書いているんですよ」サラサラ

オレンジペコ「ついにこの日が来たんですね」

ダージリン「ええ、グ口リアーナのとっておきの料理で饗してあげますわ」

オレンジペコ「本当にやるんですか・・・?」

ダージリン「大丈夫よ、ペコにも手伝っていただきますからね、当日はこの店に来てください」

オレンジペコ「!?!?この店で良いんですか?」

ダージリン「ええ、あなたにはウエイトレスをしてもらうから、これを着てくださいね」ポスン

ダージリン「さて手紙も書けましたわ、これを大洗に届けてください」

オレンジペコ「畏まりました」ペコ

616: 2016/06/12(日) 09:22:26.46 ID:mps8GU480
優花里「それがこの手紙なんでありますね」

みほ「うん、皆も是非来てくださいて書いてあるから、今度一緒に皆で行こうよ」

華「ダージリンさんの料理ですか、楽しみですね」

沙織「でも一体何が出てくるのかな?」

優花里「ハギスや魚の刺さったパイが出てきたらどうしましょう・・・」ガクプル

麻子「なんだハギスって?」

みほ「スコットランドの伝統料理だよ、羊の胃袋に内蔵のミンチが詰めてあるんだよ」

優花里「フランスの首相がハギスを指して酷い料理を食べるような連中が信用ならないって言ったそうです、イギリス人も激怒したそうですけど、外務大臣はハギスに関しては御尤もだといったほどの料理です」

みほ「ブッシュ大統領がG8の会合にハギスが出されるか懸念しているってジョークを言うくらいだからね」

麻子「なんだか行きたくなくなってきた」ウゲ


617: 2016/06/12(日) 09:29:32.11 ID:mps8GU480
テクテク
優花里「ここみたいですね」

沙織「本当にここなの?」

麻子「どう見てもちゅ カランカラン オレンジペコ「いらっしゃいませお待ちしておりました」

みほ「オレンジペコさん、じゃあここであってたんですね」

オレンジペコ「さあどうぞ皆さん、ダージリン様もお待ちですよ」

みほ「ダージリンさん今日はお招きありがとうございます」ペコ

ダージリン「みほさんもみなさんも、いらしていただきありがとうございますわ!ささ、席にかけてください、早速食事会を始めましょう」

618: 2016/06/12(日) 09:32:30.43 ID:mps8GU480
華「一体何が出てくるのか楽しみですね」

優花里「ダージリン殿は今日のために料理修行の旅に出ていたらしいですよ」

みほ「本当なの?そんなにしてくれていたんだ」

優花里「エルヴィン殿のところにも修行に来たと行っていました」

麻子「色々回ったんだな」

オレンジペコ「お待たせしました、まずは前菜、胡瓜と蒸鶏のごまソース掛けです」カチャン

華「わ~美味しそうです」ウキウキ

619: 2016/06/12(日) 09:34:40.94 ID:mps8GU480
みほ「凄い盛り付けも綺麗」

オレンジペコ「ささ、お召し上がりください」

優花里「頂きますであります」パクリ

みほ「うん、シャキシャキの胡瓜としっとりした蒸鶏がとっても美味しいね」モグモグ

華「このソースもとっても美味しいです」パクパク

麻子「でもこれどう見ても・・・」

沙織「そうだね、あれだよね・・・」

620: 2016/06/12(日) 09:40:14.96 ID:mps8GU480
オレンジペコ「次は2種のピメントと牛肉の強火炒め、こちらは渡り蟹を揚げてピリ辛の甘酸っぱいソースを絡めました」

華「これも美味しいですね」モグモグ

みほ「ピーマンがとっても綺麗、美味しい」モグモグ

優花里「渡り蟹の甘酸っぱいソースがたまりませんね」バリバリ

麻子「美味いけどこれもあれだよな」

沙織「うんあれだね」モグモグ

621: 2016/06/12(日) 09:46:11.78 ID:mps8GU480
オレンジペコ「次はグ口リアーナ特製の酢豚です」

沙織「ついに取り繕うのもやめた!?」

麻子「まあ良い食べよう モグ 甘酸っぱくて美味いな、豚肉もカリカリだ」モグモグ

オレンジペコ「豚肉にウイスキーを隠し味にしてるんです。甘酢あんにはグ口リアーナ特製のアプリコットジャムが入ってるんですよ」

華「酢豚にジャムですの?」パク

優花里「本場ではサンザシの身を入れたりしますからね、アプリコットもあっているであります」パクパク

ダージリン「どうですか皆さん楽しんで頂けていますか?」

みほ「ダージリンさん、とっても美味しいです」

ダージリン「それはありがとうございます、では続きを持ってきましわね」

622: 2016/06/12(日) 09:51:53.70 ID:mps8GU480
麻子「美味いがどう見ても中華料理だぞm青椒肉絲に棒々鶏だったぞ」

沙織「美味しいんだけどね、美味しいイギリス料理を食べさせるんじゃなかったのかな?」

優花里「わかりました!! 英国にはこんな言葉があるんです、英国で美味しいものを食べようと思ったら中華を食べろ」

麻子「イギリス料理を食べるより中華街で食べたほうが良いってことか」

優花里「グ口リアーナは横浜中華街にも近いですからね、美味しいイギリスの料理とはこういうことだったんですね」

ダージリン「さあさあ、次はフカヒレですわよ、こちらは東坡肉、豚肉の角煮ですわ」コト

華「トロトロ、こってりでこれもとっても美味しいです」バクバク

沙織「こんな大きなフカヒレ初めて見たよ」パクパク

623: 2016/06/12(日) 09:55:39.23 ID:mps8GU480
みほ「とっても美味しいね」パク

優花里「これだけ大きなフカヒレを崩さず煮上げるのは凄い技量でありますね」パク

ダージリン「ありがとうございますわ、次は炒飯をお持ちしますわね」

カランカラン
ダージリン「あら誰か来たのかしら?」

オレンジペコ「すいません今日は貸し切りになっていまして」

ズカズカ ガシャン
しほ「私にも炒飯を」ドン

みほ「お母さん、それにお姉ちゃんも!!!??」

まほ「すまないみほ、お母様を止めることが出来なくて」

624: 2016/06/12(日) 10:00:50.86 ID:mps8GU480
ダージリン「構いませんわ、お久しぶりですねまほさん、それにお義母様も」ペコ

しほ「まずは炒飯を持って来なさい、話はそれからよ」

オレンジペコ「ダージリン様・・・」

ダージリン「心配することはありませんわ、私は調理に戻ります」スタスタ

みほ「どうしてお母さんがここに?」

まほ「みほの相手の技量を確かめると言って聞かなかったんだ」

沙織「なんだか凄いことになってきたね」ヒソヒソ

優花里「嫁と姑の喧嘩みたいであります」ヒソヒソ

625: 2016/06/12(日) 10:04:20.09 ID:mps8GU480
ダージリン「お待たせしました、今日は旬の桜えびと高菜漬けを炒飯にいたしました」コト

みほ「うわ~いい匂い」クンクン

ダージリン「まほさんも召し上がっていってください」コト

まほ「すまないな、頂くよ」

華「これもとっても美味しいですね、桜えびの香りと高菜のぴりっとした味がたまりません」パクパク

優花里「それにお米もパラパラであります、美味しいです」パクパク

まほ「美味しいですねお母様」

しほ「悪くは無いですね」カチャ

626: 2016/06/12(日) 10:08:27.43 ID:mps8GU480
オレンジペコ「良かったですねダージリン様」

ダージリン「ええ、ペコ。認めてくれたということかしら」

しほ「でもこの程度では娘は譲れないですね」ガチャン

みほ「お、お母さん/////」アセアセ

しほ「確かに美味しい料理ですわ、材料の選び方も腕も問題ないようですね。でもこんな借り物の料理ではダメです。あなたの本当の料理を出しなさい」

ダージリン「本当の料理・・・・?」

しほ「借り物ではない貴女の育った味を出しなさい。そうですね、ウナギのゼリー寄せでも出してもらいましょうか」ドカ

ダージリン「なっ!!??」

627: 2016/06/12(日) 10:11:32.80 ID:mps8GU480
しほ「美味しいウナギのゼリー寄せを食べさせることが出来たら娘とのことも考えてあげてもいいです」

まほ「お母様それはあまりにも無茶な」

しほ「あなたは黙っていなさい!! それとも作れないと言うのかしら?」

ダージリン「分かりました、少々お待ち下さい」トコトコ

優花里「ひどすぎるであります、こんな無理難題を・・・・」

麻子「どういうことだ?」

オレンジペコ「これをどうぞ、これがウナギのゼリー寄せです」

628: 2016/06/12(日) 10:15:31.77 ID:mps8GU480
沙織「いやああなにこれ1?」

麻子「うなぎのぶつ切りがセリーの中に・・・・」ガクガク

優花里「食べるともっと凄いでありますよ、うなぎの生臭さをローリエとレモン汁で消そうとしてもっと凄い匂いになっているんです」

みほ「味も塩だけだからね、これを美味しくするなんて・・・・・」

優花里「こんな難題とても無理であります、お母さんもそれがわかっていてこんな課題を出したんでありますよ」

みほ「お母さんはそんなことしないと思うけど・・・・・」

まほ「ダージリンを見守るしか無いな」

629: 2016/06/12(日) 10:19:03.30 ID:mps8GU480
ダージリン「・・・・・・・・・・」カチャカチャ

ダージリン「ダメですわこれでは香りが消せても食感が・・・・・」

ダージリン「どうすればいいの・・・・」ガン

オレンジペコ「ダージリン様・・・・」

しほ「まだ出来ないのかしら、なら私は帰らせてもらうわ」ガタッ

ダージリン「ま、待ってください!!」

しほ「みほ、まほ帰りますよ」

「「待ったぁぁぁぁぁぁ!!!」」

630: 2016/06/12(日) 10:22:07.38 ID:mps8GU480
エリカ「ここは私たちに任せて下さい」

絹代「私達も参加させていただきます」ビシ

アンチョビ「パスタの国からドゥーチェも参戦だ」

ケイ「私達も忘れてもらっちゃ困るわよ」

カチューシャ「カチューシャも助けに来てあげたわよ」

ダージリン「みなさんどうしてここに?」

しほ「なんなのあなた達?でも料理が出てこない以上帰るしか無いわよ」グイ

みほ「ああ、お母さん」グイグイ

631: 2016/06/12(日) 10:26:09.67 ID:mps8GU480
エリカ「家元、まずは私の料理を食べて頂けますか?」

しほ「逸見さんでしたね、なぜあなたの料理を食べなくてはいけないのかしら?」

エリカ「ダージリンさんの料理はすぐ完成します、それまでも繋と思ってください」

みほ「お母さん、ちょっとでいいから食べてあげて」ウルウル

しほ「仕方ないですね、食べ終わったら帰らせてもらいますよ」カタン

エリカ「は、はい直ぐに用意致します」

エリカ「私達が時間を稼ぐわ、何とかしてあなたは料理を作りなさい」ヒソヒソ

632: 2016/06/12(日) 10:31:25.13 ID:mps8GU480
ダージリン「でも私にはもうどうすることも・・・・」

アンチョビ「なにを言っている、お前の中には私達の教えた料理の技が詰まっているんだ、自信を持て」

絹代「そうであります、ここは私達が時間を稼ぎます、その間になんとか料理を」

ダージリン「わ、分かりましたは。私の一世一代の料理完成させてみせますわ」グググ

エリカ「どうぞ、ツヴィーベルズッペ、ドイツ風オニオンスープです」コト

しほ「ではいただきましわ、食べ終わったら帰らせていただきますからね」カチャン

エリカ「次はマウルタッシェ、ドイツ風ラビオリです、こちらはアイスバイン豚肉の煮込みです」

633: 2016/06/12(日) 10:38:38.96 ID:mps8GU480
しほ「私がこの程度で止められるとは思わないで欲しいですね」バクバクバク

沙織「すごい速さ・・・・みるみるなくなっていく」

エリカ「ま、まだよシュパーゲル、白アスパラのソース掛けです」

シュパンシュパン  バクバクバク

麻子「みるみるなくなっていくな、これじゃあ間に合わないぞ」

アンチョビ「私達を忘れてもらっては困るな、アクアパッツァにカルパッチョだ」ダン ダン

絹代「私は肉じゃがにほうれん草のおひたしです」

634: 2016/06/12(日) 10:43:51.10 ID:mps8GU480
ダージリン「私はやりますわ、この皿に私のすべてを出し切りますわ」グググ

カチャカチャカチャ 

オレンジペコ「ダージリン様頑張ってください・・」

シュパンシュパン  バクバクバク
エリカ「なんてスピードなの流石西住流家元・・・・・でも、まだまだこれからよシュニッツェルドイツ風トンカツです」コト

シュン パクリ
アンチョビ「本当に早いな・・・こっちはオッソ・ブーコ にカポナータだ」コト

絹代「野菜のテンプラとそばです」コト

サクサク ズズズーーー

沙織「すごい速さ、みるみるなくなっていく」

華「本当にとっても美味しいです」モグモグ

麻子「美味い」モグモグ

635: 2016/06/12(日) 10:47:42.51 ID:mps8GU480
沙織「だめじゃんふたりとも食べちゃ、ダージリンさんの時間稼ぎをしてるんだから」

麻子「いや、ここに立っているとな、自然と」モグモグ

華「いつの間にか料理を食べているんです」

沙織「なに言っモグモグ  本当だ」ゴクン

まほ「あれはまさか・・・・」

みほ「うん間違いないね」ゴクリ

優花里「なにか知っているんでありますか西住殿?」

まほ「あれは西住流格闘ディナー究極秘奥義、グルメ・デ・フォアグラ!!」

636: 2016/06/12(日) 10:52:53.81 ID:mps8GU480
優花里「なんでありますかそれは?」

みほ「格闘ディナーで対戦相手をガチョウに見立て、相手に自分の料理を食べさせる奥義です、お母さんは驚異的なスピードで料理を食べつつ観客の口に料理を放り込んでいるんです」

優花里「そんなことを、卑怯じゃないピュン モグモグ  美味しいですねこれ」ゴクン

アンチョビ「やばいぞ材料が切れそうだ」トントントン

エリカ「西住流家元がまさかここまでやるなんて」カチャカチャカチャ

絹代「流石であります」タンタン

アンチョビ「クソ、次は・・・」スカスカ

アンチョビ「しまった、材料がついに切れた」

637: 2016/06/12(日) 10:55:15.25 ID:mps8GU480
しほ「ここまでみたいですね、では帰らせていただきます。行くわよみほ、まほ」カタ

ダージリン「お待ち下さい、料理は完成しました」コトッ

オレンジペコ「ダージリン様!!」ウルウル

エリカ「なんとか間に合ったわね」

アンチョビ「全く心配かけて」

ダージリン「どうぞお召し上がりください、みなさんもご一緒にどうぞ」カチャ

638: 2016/06/12(日) 10:58:48.24 ID:mps8GU480
麻子「おお、見た目がぜんぜん違うな」

沙織「美味しいそう!!」

まほ「テリーヌ仕立てにしたのか、頂くとしよう」スッ

パク
「「「んんんん~~!!!!!」」

華「美味しいですねこれ、先ほどのとは全然違います」パクパク

優花里「こんなウナギのゼリー寄せ食べたことがないであります」パクパク

アンチョビ「うなぎをぶつ切りじゃなくて開いたんだな、しっかり掃除されているから臭みもないのか」パク

絹代「それだけではないですよ、このゼリーもとても美味しいです」

エリカ「どうやってこんな味に・・・・」ゴクリ

639: 2016/06/12(日) 11:04:54.79 ID:mps8GU480
ダージリン「まずはゼリーですがこれはゼリーではなく煮こごりです」

絹代「なるほどたしかにこれは煮こごりだ!!」

ダージリン「フランス料理のコンソメのゼリー寄せを参考にすっぽんのコンソメを作り、焼いたうなぎを固めました」

まほ「なるほど、このうなぎは煮込んだのではないんだな、だからこんなに香りが良いのか」

ダージリン「うなぎは一度白焼きにしてから、蒸して臭みを抜きました」

絹代「なるほど、関東風のうなぎの蒲焼の技法ですね、蒸すことで臭みを抜いたんですね」

ダージリン「中に一緒に詰めた野菜もそれぞれ別々の調理をしました。茄子は西さんに教えていただいた翡翠煮を参考にしましたのよ」

640: 2016/06/12(日) 11:09:01.85 ID:mps8GU480
みほ「だからこんなに茄子が柔らかくてコクがあるんだ」モグモグ

ダージリン「パプリカも一度真っ黒に焼いてマリネにしたんです」

アンチョビ「イタリアンでよくやる手だな」ウンウン

しほ「なるほど、今まで習った調理法を合わせたわけね」モグモグ

まほ「しかしこのうなぎ、どこか懐かしい味がするな」

みほ「そうだね、どこかで食べたような気がする」モグモグ

641: 2016/06/12(日) 11:16:47.20 ID:mps8GU480
しほ「これはロイヒャーアールね」

麻子「なんだそれ?」

みほ「そうかロイヒャーアールだったんだ、黒森峰でよく食べたなあ」モグモグ

まほ「ロイヒャーアールはドイツのうなぎの燻製だな、白焼きにして蒸した後、軽く燻製にしたんだな」

ダージリン「ええ、カエデの燻煙材で軽く燻しましたの、ほんのりとした甘い香りはカエデの香りですわ」

エリカ「今までの料理の集大成というわけね、それでいてみほの好みにも合わせているのね」

ダージリン「付け合せのソースはバルサミコ酢を使ったものと英国伝統のチリソースの二種類を用意しました」

642: 2016/06/12(日) 11:21:23.34 ID:mps8GU480
まほ「お母様これには文句もつけようもないですね」

しほ「ぐぬぬぬぬ」ギリギリ

しほ「仕方ありませんね、この料理に免じて交際は許しましょう」フキフキ

ダージリン「やりましたわみほさん」ダキ

みほ「ダージリンさん・・・」アハハ・・・

アンチョビ「これはお祝いしないといけないな」

麻子「でももう材料はないぞ」

ケイ「おまたせ~、サンダース特製BBQの完成よ」

カチューシャ「このカチューシャも一緒に手伝ったのよ」

643: 2016/06/12(日) 11:28:47.31 ID:mps8GU480
沙織「ははは、まだ作ってたんだ・・・」

カチューシャ「あれもう終わっちゃったの?」キョロキョロ

ケイ「せっかく美味しいローストポークを作ったのに」

アンチョビ「じゃあこれでパーティーが出来るな、乾杯だ~」シュポン

「「カンパーイ!!!」」

ダージリン「私やりましたはみほさん」グスグス

みほ「やりましたねダージリンさん」

優花里「ダージリン「これが私の料理道!!」これにて完結でありますね」

しほ「なにを言っているの、この程度ではまだまだよ、明日から西住家に泊まりこんで料理修行です、朝は4時に起きて水汲みですよ」

644: 2016/06/12(日) 11:31:54.61 ID:mps8GU480
ダージリン「みほさんと一つ屋根の下で暮らせるならそのくらいわけないですわ」フフーン

みほ「いえ、私は大洗に住んでいるので実家にはいませんよ」

ダージリン「えっ!?」

しほ「西住家の味というものをしっかりと叩きこみます」

ダージリン「そ、そんな~」ガックシ

オレンジペコ「がんばってくださいねダージリン様」フフフ

ダージリン「そんなの嫌ですわーーー---」ウエーン

「これが私の料理道!!」~完~

645: 2016/06/12(日) 11:37:07.67 ID:mps8GU480
アキ「ねえミカ?グ口リアーナのダージリンさんが料理修行に各校を回ってるみたいだけどうちには何時来るのかな?」

ミカ「料理修行、それは本当に必要なことなのかな」ポロローン

アキ「せっかくトナカイも用意したのにね、どうしようかこれ?」

ミカ「ステーキが良いんじゃないかな、ベリーソースも添えてくれるかな」

アキ「料理に興味は無いんじゃなかったの?」

ミカ「料理には人生の大切なものが詰まっているんだよ」ポロローン

アキ「お腹が減っただけでしょ、モー」

~完~

646: 2016/06/12(日) 11:37:36.91 ID:mps8GU480
読んでいただきありがとうございました
また何か思いついたら書きたいと思います

647: 2016/06/12(日) 11:49:50.87 ID:+uAlYGO3O
内容充実しまくりで、面白かった!
色んな食材のこともわかったしイギリス料理を最終的に経験を活かして美味しくするというオチもSSらしくて良い
乙でした!

: 【ガルパン】ダージリン「これが私の料理道!!」