544: 2016/06/11(土) 08:24:59.67 ID:DescgEB+0
小ネタ
みほ「オスシ・ウォー」

545: 2016/06/11(土) 08:30:03.10 ID:DescgEB+0
みほ「皆さんお待たせしました」タッタッタッ

まほ「遅いぞみほ!!」

ケイ「良いじゃない、待ち合わせ時間はまだなんだから」

ダージリン「それにしても戦車道協会も良い計らいをしてくれましたね、大学選抜のご褒美に寿司屋に連れて来てくれるなんて」

カチューシャ「大学選抜に勝ったんだからそれくらい当然よ」フフン

優花里「でも私が案内係で良かったんですかね」

みほ「良いんじゃない、優花里さんも頑張ってくれたんだから」

ダージリン「では揃ったことですし行きましょ」

546: 2016/06/11(土) 08:35:04.30 ID:DescgEB+0
優花里「でも西殿が来られないなんて残念でしたね」

みほ「そうだね、今度は西さんも一緒にどこか行こうか」

ダージリン「ここみたいですわね、絹代寿司。良さそうなお店ですね」

ケイ「さあ食べるわよ、スシ、、テンプラ、フジヤマ!!」

カチューシャ「さあ入るわよ」ガラガラアア

ミカ「・・・・・・・」ポロローン

絹代「いらっしゃいませ!!」

みほ「西さん!!どうしてここに??」

絹代「ささ、こちらへどうぞ」

547: 2016/06/11(土) 08:39:03.18 ID:DescgEB+0
まほ「まさか知波単の店だったとわな」ガタンッ

絹代「福田、お茶をお出ししろ」

福田「お待たせであります」カチャ

ケイ「さて、どうしましょうか、カウンターのお店なんて初めてだからどうすればいいかわからないわ」

まほ「ではおまかせで握ってもらおうかな」

みほ「そうだね、じゃあ私もお姉ちゃんと一緒で」

カチューシャ「じゃあ私もそうするわ」

548: 2016/06/11(土) 08:41:34.78 ID:DescgEB+0
絹代「畏まりました、なにか苦手な物はありますか?」

まほ「私は大丈夫だ、みんなはどうだ?」

ケイ「私も大丈夫よ」

カチューシャ「カチューシャも好き嫌いなんて無いわ」

ダージリン「カチューシャはサビ抜きにしてもらわなくても良いのかしら」クスクス

カチューシャ「大丈夫よわさびくらい・・・ちょっと少なめが良いけど・・・」ボソ

549: 2016/06/11(土) 08:53:02.60 ID:DescgEB+0
まほ「じゃあおまかせで、白身を多めにしてもらおうかな。それからシャリを小さめで、種類を増やしてくれ」

絹代「分かりました。お寿司の前に何かつままれますか?」

まほ「そうだな、少しつまんでからにしようか、何がある?」

絹代「そうですね、カツオの叩きなんてどうですか? 藁で焼いたカツオです。後はお刺身ならムギイカも美味しいですよ」

まほ「じゃあそれを貰おうか、後、焼酎を前割り、冷で貰おうかな」

ケイ「前割りってなに?」

優花里「前もって水で割って寝かせた焼酎であります、焼酎と水が馴染んでまろやかになるんであります」

ケイ「へ~面白そうね、私もそれにしようかしら」

ダージリン「お寿司や刺身には他には何が合うのかしら?」

絹代「そうでありますね、日本酒を合わせるのが良いと思われますよ。ただ、できればお酒はつまみの間だけ、お寿司が始まったら寿司に集中していただきたいですね」

551: 2016/06/11(土) 08:58:19.55 ID:DescgEB+0
優花里「寿司は握りたてが一番ですからね、飲むのに集中してしまって置き去りにされた寿司を見ると悲しくなりますね」

絹代「はい、カツオの叩きとムギイカの糸造りです」

みほ「ムギイカって聞いたこと無いね?」

優花里「スルメイカの子供でありますね、麦が採れる今の時期に取れるのでそう呼ばれるんです」

ダージリン「ではいただきますわ」パク

ケイ「ん~この藁の香りがたまらないわね、懐かしい気持ちになるわ」

絹代「藁の香りを嗅ぐとなぜか懐かしい気持ちになりますよね」

カチューシャ「このイカも甘くて美味しいわね」

552: 2016/06/11(土) 09:05:46.39 ID:DescgEB+0
まほ「熊本の甘めの醤油もいいが関東の濃口もいけるな」パクパク

絹代「関東はなんといっても濃口醤油ですね、刺身も寿司も基本は濃口です。でも今日は煮切った酒を入れてあるんですよ、刺身醤油みたいなものですね」

優花里「昔は関東では濃口ばかりでしたがお店では一手間掛けて自家製のさしみ醤油のようにしているお店も多いですよ」

ダージリン「醤油に違いなんてあったのね」パクパク

優花里「関東では濃口を使うところが多いですね、中部地方ではお刺身には甘みのあるたまり醤油を使ったりします」

みほ「九州は甘い醤油が多いかな、さしみ醤油って言ってブレンドして味付けした醤油を使うよ」

553: 2016/06/11(土) 09:12:58.80 ID:DescgEB+0
優花里「ただ甘みが強いので白身魚などでは風味や香り、白身の甘みが飛ぶからと嫌われる人もいますね」

絹代「では、お寿司の方を始めさせてもらいますね、今日は白身を多めさせてもらいます。まずはコチです」

優花里「白身を味わいたいときは味の薄いものからと言いますね」

ケイ「いきなりトロとかを頼んじゃダメなの?」

絹代「別に構いませんよ、お寿司は好きな様に楽しんでいただければ構いません。お店の中にはまずは人気のネタを食べてみてくださいと中トロや穴子が先に来るお店もあります」

ダージリン「コチってどういう魚ですの?」

555: 2016/06/11(土) 09:22:41.45 ID:DescgEB+0
優花里「夏のコチ、冬のふぐといってさっぱりとしていて歯ごたえがある白身ですね、初夏が旬で透明感のある身と爽やかな味わいが特徴ですね」

絹代「今日は薄造りにして、2枚付けにしてあります、味は付いているのでそのままどうぞ」

ケイ「本当にさっぱりね」モグモグ

優花里「コチはそんなに旨味の強い魚では無いですからね、それに身もプリプリで硬いので薄造りにするんであります」

まほ「ふぐ刺しを何枚かいっぺんに食べたみたいな贅沢さだな」モグモグ

ダージリン「爽やかな味ですわね」

優花里「コチはこんな顔をしているんでありますよ o< ´・ω・` >oビローン 」

カチューシャ「なによその顔ハハハッ」 

557: 2016/06/11(土) 09:32:13.50 ID:DescgEB+0
絹代「次はイサキです、これも味がつけてありますからそのままどうぞ」コト

みほ「美味しいねお姉ちゃん」モグモグ

まほ「ああ、口に入れるととろけるような脂がいいな」モグモグ

絹代「これでもまだ脂の少ない方ですね、冬の脂の乗り切ったものがお好きな人もいますが、この時期の麦藁イサキと呼ばれる時期が私は一番好きですね」

優花里「イサキはとっても諺が多い魚なんですよ、それだけ愛されているってことですね」

ダージリン「ねえこんな言葉を知っている、イサキは北を向いて食べろ」

ケイ「どういう意味なの?」

ダージリン「骨が硬くてキツイ魚だから何時氏んでも良いように北枕になるようにして食べなさいと言う意味よ」

カチューシャ「怖いこと言わないでよ」プンプン

ミカ「それでも食べたいくらい美味しいってことじゃないかな」ポロローン

558: 2016/06/11(土) 09:46:37.36 ID:DescgEB+0
絹代「次はホシガレイです塩昆布が乗っているのでそのままで結構です、お好みで醤油を漬けてください」

優花里「幻の白身でありますね、美味しいであります」モグモグ

ケイ「そんなに凄い魚なの?」

優花里「天然物のホシガレイはめったに取れなくなってきましたからね、特に夏場はタイがおまり美味しくないのでこの時期はよく使われますね」

絹代「これからどんどん脂が乗っておいしくなっていきますね、特に秋口のホシガレイがいいですね」

カチューシャ「これもさっきのお寿司みたいにネタが何枚も乗っているのね」

絹代「白身魚はプリプリの食感を好まれる方も入れば熟成させて旨味がを味わうのが一番だという方もいますからね」

絹代「こうして2枚付けにしてどちらも味わえるようにしてあります」

まほ「美味いな、透き通るような身と飴色の身のコントラストが良いな」

ケイ「美味しいわね、上品な甘味と風味、熟成させた魚のコクと新鮮なプリプリコツコツした触感がいいわね」モグモグ

優花里「冷蔵庫で寝かせて熟成させたんですね、養殖物だと長い熟成が出来ないので天然物ならではですね」



559: 2016/06/11(土) 09:52:20.54 ID:DescgEB+0
絹代「次は青物を行きましょう、シンコをどうぞ」

優花里(シンコは6月の終わり頃に出始めるので本来はまだ無いですけどね)

ダージリン「初物のシンコですわね、ファーストフラッシュのようですわ」

ケイ「なんなのシンコって」

優花里「コノシロの子供ですね、成長するに連れて名前が変わるんです。シンコ、コハダ、コノシロと成長していきます」

みほ「やっぱりお寿司屋に来たらコハダだよね」

絹代「江戸前の代表的なタネですからね、塩と酢で魚の旨味を引き出すんです。寿司屋の力量がはっきりと出ますし、手をかけて準備しているのでぜひ食べてください」

560: 2016/06/11(土) 10:00:09.39 ID:DescgEB+0
ダージリン「カチューシャみたいに小さい魚ですね、お寿司に5枚ものっていますわ」

カチューシャ「カチューシャはこんなに小さくないわよ モグモグ 美味しいちょっぴり甘いのね」

絹代「シンコはまだまだ成虫途中ですからね、特に初物は脂ものっていないのでおぼろをはさみました」

まほ「これを食べると夏が来たって感じがするな」

みほ「この儚げな感じが良いよね」モグモグ

561: 2016/06/11(土) 10:07:30.89 ID:DescgEB+0
絹代「次はサヨリです、今年もシーズンも終わりなので名残りのサヨリです」

優花里「ハシリの後に名残りとは粋でありますね」

ケイ「魚が編みこんであるわ、ダージリンの髪の毛みたい」

絹代「網代ですね、サヨリはこうして三つ編みにしたり飾り造りにすることが多いんです」

優花里「サヨリはとっても綺麗な魚なんですよ、でもお腹の中が真っ黒なので容姿端麗でも腹黒い人を「サヨリのような人」っていうんですよ」

カチューシャ「本当にダージリン見たいね」クスクス

562: 2016/06/11(土) 10:16:20.45 ID:DescgEB+0
まほ「サヨリも軽く締めてやると旨味がはっきりするな」モグモグ

ケイ「脂も乗ってきてトロッとしてるわね、光物も美味しいわ」

絹代「次はシマアジですね」コト

カチューシャ「シマアジってアジとは違うの?」

優花里「シマアジはアジよりももっと大きい魚ですね、丸っこくて真ん中に黄色い縞があるからシマアジです」

ミカ「よく締まった良いシマアジだね、琥珀色の身がとっても綺麗だ」パクン

ケイ「脂が乗っているのに全然臭くなくて味わい深いわね」モグモグ

みほ「やっぱりこの旨味はシマアジならではだね、カンパチやヒラマサだとこうはいかないよ」モグモグ

563: 2016/06/11(土) 10:28:24.02 ID:DescgEB+0
絹代「次は赤身をいきましょう。今日は本マグロの子供のメジマグロです。トロもいいですが赤身の旨味を味わってください」

みほ「わ~深い真紅の色が綺麗だね」キラキラキラ

まほ「口に入れた瞬間広がる鮮烈な旨味と鼻を抜ける芳醇な香り、これぞマグロと言う味だな」モグモグ

ケイ「さっぱりとしているのにコクがあって美味しいわね、脂も程よくのっていて甘みが良いわ」

絹代「やはり寿司と言ったらマグロですからね、赤身のテンバと言う部位です」

ダージリン「口の中を駆け巡るマグロの血の味がいいわね、酸味と甘味のバランスもいいわ」

564: 2016/06/11(土) 10:33:48.52 ID:DescgEB+0
絹代「次は穴子です詰めと塩でお召し上がりください」

みほ「これも口に入れた瞬間にふわっと消えるね、こってりした照りがとっても美味しい」

まほ「こっちはさっと炙って塩で食べるのか、こってりとした穴子だが全く臭みがないな」モグモグ

絹代「今は旬の柔らかい穴子が取れますからね、しっかりと仕事をした臭みのない穴子に仕上げました」

絹代「次は玉子です、今日はすり身を混ぜたカステラ風の薄焼きをくらかけにしました」

ダージリン「この薄めの卵焼きがシャリに鞍のようにかかっているからくらかけなのね」モグモグ

カチューシャ「甘くてとっても美味しい」キャキャ

優花里「厚焼玉子の玉もいいですが、やっぱりこのカステラ風好きですね」モグモグ

565: 2016/06/11(土) 10:41:47.83 ID:DescgEB+0
絹代「後は巻物で終わりですが、何か追加で握りましょうか?」

まほ「そうだな、カツオの叩きがうまかったから、あれを握りで頼めるか」

みほ「私はもうお腹いっぱいだよ」フー

カチューシャ「私は玉子が良いは、とってもお美味しかった」

ミカ「カレイと赤身それからウニが良いかな」

ダージリン「私も赤身を頂けますか」

絹代「はい! はい!! さあどうぞ」ヒョイヒョイ

優花里「こんなに食べて大丈夫でしょうか・・・・」オロオロ

ダージリン「お勘定は協会もちですから大丈夫ですわ!! 私もうに頂けますか」

優花里「では私も、トロとシマアジをお願いするであります」

「「ワイワイ ガヤガヤ も~らい ヒョイ ああ、それは私が頼んだのよ アハハッ」」

みほ「オスシ・ウォー ~完~」 
566: 2016/06/11(土) 10:48:02.68 ID:DescgEB+0
小ネタ 秋山優花里のお寿司講座

優花里「どうも秋山優花里です」

オレンジペコ「どうも解説のオレンジペコです」

優花里「今日は質問に答えていきたいと思います」

優花里「まずはコハダについてですね」

オレンジペコ「コハダは職人さんの違いがはっきりと出て面白く、美味しいネタですね、お店に言った際は是非召し上がってください」

優花里「ただ一貫目からいきなりコハダを頼まれるとこちらも気構えてしまいますからね、同業者かと思ってびっくりしてしまいます」

オレンジペコ「お店によって出し方をこだわる店もあるのでおまかせで、コハダを入れてくださいと言ってもらえると助かりますね」

567: 2016/06/11(土) 10:52:44.66 ID:DescgEB+0
優花里「次は白身の順番ですね」

オレンジペコ「白身は味の淡白なものが多いですからね、できるだけ味の薄いものから濃い物にしたほうが良いですね」

優花里「今回も味の薄いコチを先に持ってきたであります」

オレンジペコ「なにかいい白身は入っているかを聞いて、それを頼むのが良いと思いますね」

優花里「次はトロでありますが一貫目でも問題ないであります。実際に最初にトロが出てくるところもありますよ」

オレンジペコ「一番美味しい物を食べてもらいたいと考える人もいますからね」

優花里「お茶とがりでリセットして次に行けばいいであります」


568: 2016/06/11(土) 10:58:14.21 ID:DescgEB+0
オレンジペコ「次は玉子ですね、玉子は大きく分けて厚焼き風、だし巻き風、カステラ風、カステラの薄いものがありますね」

優花里「じっくり玉子と調味料だけで焼いたプリンみたいなプルンプルンの卵焼きもありますよ」

オレンジペコ「シャリと合わせるならすり身を混ぜたカステラ風の薄焼きが一番合うと思いますね、玉子だけっで締めに出てくるものもあるのでお寿司屋さんの特徴が出ますね」

優花里「よく通は玉子から食べるといいますからね」

オレンジペコ「玉子が焼けないと一人前ではなかったためそう言われることが増えたんだと思いますよ、ただ最近は専門店で買って出す店も多いのでなんとも言えませんが」

優花里「カステラ風の甘い玉子しかない店で、いきなり頼むのははっきり言ってちょっと変な人でありますね」

569: 2016/06/11(土) 11:13:17.56 ID:DescgEB+0
優花里「次は一番気を使うネタですね」

オレンジペコ「やはりマグロの赤身ですね、トロは脂で誤魔化しが効きますが、赤身はそうはいきませんからね、マグロを食べれば店の格調や方向性が大体わかってしまいます」

オレンジペコ「後はタイですね、白身といえばタイですから、どこのどんなタイを、締め方や熟成させるのか、新鮮な状態で出すのかと職人さんの考えかたが出ますからね」

優花里「次は海鮮丼についてであります」

オレンジペコ「やはり自分が美味しいと思うように食べるのが一番でしょう」

優花里「自分は酢飯じゃなくて温かいご飯の海鮮丼にわさびを溶いた醤油を回しかけて掻きこむのが一番好きですね」

オレンジペコ「よくわさびを醤油に解くと香りが飛ぶと言う人がいますが、醤油にわさびを溶いて作ったソースの美味しさも忘れないで欲しいですね」

570: 2016/06/11(土) 11:20:57.95 ID:DescgEB+0
優花里「次は骨泳がしであります」

オレンジペコ「包丁人味平に出てくる技ですね、さばいた魚が泳ぐというものです」

優花里「実はこれそんなに難しくないんであります」

優花里「活造りの捌き方で内蔵を傷付けないよう切るんであります、新鮮で元気なうちにすると泳ぎますね。普通は暴れないよう頭を叩くんでありますが、タオルで目を隠して暴れないようにしてやると気絶もしないので泳ぐであります」

オレンジペコ「泳ぐようにあえて身を残すとよく動きますよ」

優花里「ただ骨泳がしで作っても美味しい魚にはならないであります」

オレンジペコ「しっかりと締めたほうが絶対美味しいですね」

571: 2016/06/11(土) 11:25:47.10 ID:DescgEB+0
優花里「次は美味しい寿司屋の見分け方であります」

オレンジペコ「これも難しいですね」

優花里「人によって感じ方が違うのであくまでも個人的な意見であります」

優花里「まずは営業日であります」

オレンジペコ「通常市場というものは水曜と日曜が休みです。なので日曜日が休みの場合が多いですね」

優花里「なのでお店にいくのは金曜日が良いであります。月曜日木曜日では仕込みができていないですからね」

572: 2016/06/11(土) 11:33:15.77 ID:DescgEB+0
優花里「それから自分は個人店のほうが好きであります、こだわりが味わえて違いがはっきりと出るので面白いであります」

オレンジペコ「それから個人店で昼営業をしている所も避けていますね」

優花里「手を込めだしたらキリがないですが、はっきり言ってお昼に営業している暇は無いであります。どこかで手を抜くか出来合いのものを使っている可能性が高いであります」

オレンジペコ「新鮮で手を加えず生きのいい状態を良しとするお店もあるかもしれませんのでこれも好みですね」

優花里「後は清潔な店であること、後は内装などの店長とのフィーリングが合うといいですね」

オレンジペコ「最後は職人さんとの相性ということですね」

優花里「職人さんも自分が美味しいと思う方法を追求しています、それが自分に合うかが問題であります」

573: 2016/06/11(土) 11:43:42.67 ID:DescgEB+0
優花里「バフンウニとムラサキウニの違いでありますね」

オレンジペコ「ウニは世界中に900種類を超えるほど生息していますが日本ではバフンウニとムラサキウニ。特にエゾバフンウニとキタムラサキウニが美味しいとされていますね」

優花里「普段みなさんが食べているウニはウニの生殖器であります、オスもメスもほぼおなじ形と味ですね、粒がしっかりしているオスのほうが箱にした時の見栄えが良いので高い値がつきます」

優花里「ただ見た目ではわからないので割ってみるまでわからないですね」

オレンジペコ「バフンウニは12月~3月、エゾバフンウニは6月~10月が産卵期です、なのでその前の生殖器に栄養が集まる時期が美味しいとされています」

優花里「水温によって産卵が誘発されるであります。なので地域によって差が出るので使い分けています」

オレンジペコ「バフンウニは濃厚な甘みが特徴ですね、香りも高く身も赤いです、味が舌に残り粘りも強いです」

優花里「ムラサキウニと比べると単価が高いでありますね」

574: 2016/06/11(土) 11:55:42.50 ID:DescgEB+0
優花里「次にムラサキウニでありますがこちらは5月~8月が産卵期であります」

オレンジペコ「こちらは粒が大きく黄褐色ですね、白ウニと呼ばれたりもします。甘いは薄いですが癖がなく淡い味が特徴ですね」

優花里「粒が大きく見た目も綺麗なので寿司屋で使われる場合が多いですね」

優花里「よくパックの中で色が違うウニがあるでありますが、これは種類が違うわけではなくオスメスの違いであります」

オレンジペコ「メスのほうが色が濃くとろっとしています、反対にオスは黄色っぽく身がしっかりしていて味も僅かに濃厚なのでそれだけを集めた箱もありますよ」

優花里「旬によって使い分けるので自分の好みの種類の時期に寿司屋に足を運ぶのもいいでありますよ」

575: 2016/06/11(土) 12:05:12.09 ID:DescgEB+0
優花里「次は寿司についてでありますね、寿司、鮨、鮓と感じが色々あります」

優花里「鮓とはそもそもはなれずしなどの発酵させた保存食であります、それから今の形の握り寿司が生まれると鮨の漢字が使われたであります」

オレンジペコ「こちらはもともとは塩辛を表す漢字ですね」

優花里「そして江戸の末期に寿司という当て字が使われるようになったんであります」

オレンジペコ「祝寿の祝いを意味する寿詞が当てられたと言う説が有力ですね。天皇の御代の安泰・繁栄を祈り祝う言葉です」

優花里「寿を司ると言う縁起担ぎですね」


576: 2016/06/11(土) 12:06:35.64 ID:DescgEB+0
今日はここまでありがとうございました

596: 2016/06/11(土) 21:07:43.79 ID:DescgEB+0
ドゥーチェに気づかなかったので短編~バラチラシ・ウォー~
杏「や~や~チョビ、待ってたよ」

アンチョビ「チョビって呼ぶな!!なんのようだ急に呼び出したりして」

杏「チョビには大学選抜でお世話になったからねえ、そのお返しというわけじゃないんだけどね」

アンチョビ「ん、なんだ?何かくれるのか?」ウキウキ

桃「良いニュースと悪いニュース、どちらから聞きたい」

アンチョビ「それは良いニュースからだな、いいことは早く知りたい」

柚子「アンチョビ隊長の貢献と友情に感謝し、会長がお寿司を作ってくれます」パチパチ

杏「や~や~照れるね」ポリポリ

アンチョビ「お寿司、いやったああああ!!杏のお寿司!杏のお寿司!」ワーイワーイ

桃「喜んでくれているようですね」ヒソヒソ

杏「次のが言いづらいよね」ヒソヒソ

597: 2016/06/11(土) 21:16:13.58 ID:DescgEB+0
アンチョビ「で?悪い知らせってのは何なんだ?まさか今日は食べれませんなんて言うんじゃないだろうな」

杏「安心していいよ~ちゃ~んと今日作ってあげるから」

アンチョビ「なら安心だな、でその悪い知らせって言うのは?」

柚子「実は先日戦車道協会からご褒美に選抜参加校の隊長宛に高級寿司店への招待券が送られてきたんです」

桃「ただ手違いでアンツィオ校に配送が遅れてしまったようなんだ、それで今日はそのお詫びもかねている」

アンチョビ「じゃあ他のみんなは高級寿司店でおいしいお寿司お腹いっぱい食べたってのか?」

杏「ま~そう怒らず、今日はとびっきり美味しいちらし寿司食べさせてあげるから」

アンチョビ「チラシなのか?向こうは握り寿司だぞ」ウガアアア

桃「会長の寿司に何か文句でも」ギン

アンチョビ「・・・・いえ、ないです。楽しみです」

598: 2016/06/11(土) 21:22:57.15 ID:DescgEB+0
杏「じゃあまずはシャリだな」

柚子「会長、洗米終わりました」ガシャン

桃「こちらも水出汁準備出来てます」

アンチョビ「水出汁ってなんだ?」

杏「よく寿司屋とかでお釜に昆布入れてるでしょ~あれやっちゃうとね~昆布が煮立ってエグみも出ちゃうんだよね。だからこうして水に昆布をつけて水出汁を作ってそれで炊くとべたつかないし変な匂いもなくなるんだよ」

桃「会長釜の方は我々がネタの煮込みをお願いします」

杏「了解っと!!」シュパシュパ

599: 2016/06/11(土) 21:32:54.97 ID:DescgEB+0
杏「まずはマグロだねキッチンペーパーにくるんで軽く塩をする、こうすると余計な水分が出ておいしくなるんだよ。後はこれを漬けにして賽の目に切ったら完成ね」パチャン

アンチョビ「ペロ 醤油に煮切った酒と味醂か、ほんのりわさびが効いててうまそうだな」

杏「次は海老だね、サラダなんか使う小さい海老でも良いけど、今日は豪勢に車海老にしようか」

ピョーンピョーン
アンチョビ「おおまだ生きてるんだな」ツンツン

杏「おがくずに入れて搬送すると長持ちするみたいなんだよね~。綿を抜いて串をさす、そして軽く塩茹で」グツグツ サパアア

アンチョビ「もう上げちゃうのか?まだ中心まで火が通ってないぞ?」

杏「これはね~もう一回煮汁を作って漬け込むの、こうするとパサパサになんないんだよ」

アンチョビ「なるほど、出汁のきいた醤油だしね」ペロ

600: 2016/06/11(土) 21:36:53.29 ID:DescgEB+0
杏「穴子も炊いておいたからね、これも角切りにする」

アンチョビ「さっきから角切りばっかりだな」

杏「バラチラシだからね~、次はいか、厚焼き玉子、鯛、煮込んだ海老さあどんどん切るよ」トントントン

アンチョビ「なんで自分の歓迎料理を手伝わないといけないんだ」テキパキ

杏「次はチラシの材料だね、今日はかんぴょうと椎茸にしたよ、時間かかるからこれも炊いといたから」

アンチョビ「これはどう切ればいいんだ?」

杏「かんぴょうは細切れに、干ししいたけは薄切りが良いかな」

601: 2016/06/11(土) 21:41:29.23 ID:DescgEB+0
杏「次は薄焼き卵っと卵を割ってよう混ぜる、塩を少しっと」カチャカチャカチャ

杏「後は茶こしで漉してキメの細かい卵液にする」ツウウウ

アンチョビ「これを薄く焼くのか」フムフム

杏「見ててよ~よく焼いた卵焼き器にさっと油を敷いたらよく拭き取る。温まったら卵液を入れて回して全面につけろ。余ったらボールに戻すっと」

アンチョビ「クレープなんかより全然薄いんだな」ホオオオ

杏「焼けてきたらひっくり返して軽く焼いたら完成、大きめの平ザルかキッチンペーパーの上で冷まそう」

アンチョビ「面白そうだな、私にもやらせてくれ」

杏「いいよ~あっついから気をつけてね」フリフリ

602: 2016/06/11(土) 21:44:42.49 ID:DescgEB+0
アンチョビ「卵を入れて薄く広げて余ったら戻す」ツツーーー

杏「そ~そ~上手いねチョビ!!」

アンチョビ「これをひっくり返すんだな・・・アチッ・・アチッ アチッ 難しいな」

杏「ヘヘ~早くしないと焦げちゃうよ」

アンチョビ「とりゃあ ファサ 見たか!!」

杏「おお~上手上手」パチパチ

アンチョビ「ふふ~ん」ドヤーン

杏「後はこれを細かく千切りしてっと」タタタタタタ

603: 2016/06/11(土) 21:50:12.75 ID:DescgEB+0
桃「会長、そろそろ米が炊けます」

杏「オッケーじゃあ甘酢を作ろうか、今日は関西風のチラシ用の甘いシャリだから気をつけてね、関東だと砂糖を使わないってお店もあるからね」

杏「寿司屋でよく作られる量だよ」
・米・・・・・・・・2升
甘酢
・穀物酢・・・・・・500cc
・砂糖・・・・・・・500g
・塩・・・・・・・・100g

杏「まあ2升炊きの炊飯器が家にある人はいないと思うから自分の家の量で加減してれ、甘いシャリが嫌いな人は砂糖を減らしてね」

604: 2016/06/11(土) 21:53:25.13 ID:DescgEB+0
訂正
杏「寿司屋でよく作られる量だよ」
・米・・・・・・・・2升
甘酢
・穀物酢・・・・・・300cc
・砂糖・・・・・・・300g
・塩・・・・・・・・100g

杏「まあ2升炊きの炊飯器が家にある人はいないと思うから自分の家の量で加減してれ、甘いシャリが嫌いな人は砂糖を減らしてね」

605: 2016/06/11(土) 21:58:09.51 ID:DescgEB+0
桃「シャリきりはよく濡らして拭いておくんだぞ、そうしないと米がくっつくからな」

柚子「ごはんに酢を掛ける時もシャリきりに掛けずに全部ごはんにかかるようにしてくださいね」

杏「さあシャリを作るぞ、河嶋!!」

桃「はい!」パタパタ

杏「混ぜちゃダメだからね~米を切るようにサッサッサッと」

アンチョビ「なかなか手際が良いな」フムフム

桃「会長もうそろそろいいですか」ゼエゼエ

杏「こんなもんかね、上下を返したら隅に固めて濡れ布巾を抱えてしっかり吸収させる」

606: 2016/06/11(土) 22:04:51.99 ID:DescgEB+0
杏「じゃ具材を混ぜようか、かんぴょうと椎茸の水気を切って混ぜあわせてね」

アンチョビ「こうかな?」サササ

杏「筋が良いね~ゴマも入れちゃうよ。さてこれをお皿でも良いんだけど、今日は桶にしようか」

桃「会長、準備しておきました」

アンチョビ「漆塗りなのか?表面の模様がすごく綺麗だな」キラキラ

杏「初夏用の蒔絵だよ、良いでしょ」

アンチョビ「良いなこれ、青竹の葉っぱの一本一本まで書いてある」ウンウン

607: 2016/06/11(土) 22:08:44.87 ID:DescgEB+0
杏「これにさっきのシャリを詰めたら、表面を全部、錦糸玉子で覆うんだ」パラパラ

アンチョビ「黄色一色というのも綺麗だな」パサパサ

杏「あとはチョビの感性で具を載せてくれればいいからね」

アンチョビ「私がやるのか??」

杏「そうだよ~頑張ってねー」フリフリ

アンチョビ「じゃあここにイカ、こっちはサーモン・・・・玉子はえええっと・・・・」

アンチョビ「出来たぞ!!」

杏「おお良いじゃんチョビ、美味しそうだよ~」

アンチョビ「そうかな~」テレテレ

608: 2016/06/11(土) 22:12:13.17 ID:DescgEB+0
杏「酢レンコンやイクラ、おぼろの配置も良いねえ、これなら何時でも良いお嫁さんになれるよ」パンパン

アンチョビ「そうかな////・・・・ってなんで招待客の私が作ってるんだ」ウガーーーー

杏「こっちの支度もしてたからね、ささもう準備出来てるよ」

アンチョビ「おお他にもこんなに料理を作ってたのか」ウキウキ

柚子「会長はお料理が得意なんですよ」

杏「ささ、食べよ食べよ~、河嶋~あのこも持ってきて~」

桃「はい会長!」

609: 2016/06/11(土) 22:15:43.85 ID:DescgEB+0
杏「ささ、まずは一杯」トトト

アンチョビ「なんだこれは?メロンみたいなフルーツの香りがするな」クンクン

杏「戦車道の聖地、富士の麓から届いた地酒だよ、今日はにごり酒だよ」

コクッ
アンチョビ「にごり酒って変な酸味があるって聞いてたけど、すっきりして飲みやすいな」

杏「これも富士のお山のお蔭かもね~さあさあ料理が冷めちゃうよ」

アンチョビ「そうだな、いただきまーす」ガブッ

610: 2016/06/11(土) 22:19:53.25 ID:DescgEB+0
アンチョビ「このアスパラのベーコン巻き美味しいな」ガブガブ

桃「朝採れたてをお持ちしましたからね」

柚子「会長のオクラの炒め物も美味しいです」パクパク

杏「オクラもねー豚なんかと炒めてあげると美味しいんだよね」

アンチョビ「この肉じゃがもいけるな、味がしみてて美味い」

杏「新じゃがを皮ごと使ったからね、甘くて美味しいでしょ」

桃「このチラシもいいですね、どれも一手間かけてあって美味しいです」バクバク

611: 2016/06/11(土) 22:26:48.90 ID:DescgEB+0
アンチョビ「握りもいいけどチラシも美味いな」パクパク

柚子「このミョウガの酢漬けもいいですね、がりとは違っだ爽やかさですね」

杏「ミョウガは今時期が旬だからね、こっちは鶏とズッキーニ、茄子なんかをトマトで煮てみたよ、チョビが好きかと思って」

パクン
アンチョビ「・・・お、おいひい  ヒッグッ マンマの味だ」ヒックッ ヒックッ

杏「今日は来てくれてありがとうねチョビ」ポンポン ギュウウウウ

アンチョビ「ズビィィィ こちらこしょ ズビィィ こちらこそこのような歓迎、感謝の限りだ」

杏「全くチョビは、こんなにごはん粒付けて」ヒョイパクヒョイパク

アンチョビ「・・・その・・・・こういう食事ならまたうちにも来てくれ、イタリアンをごちそうするから///」ツンツン

杏「本当!! じゃあ今度お邪魔するかんね~」

612: 2016/06/11(土) 22:33:01.65 ID:DescgEB+0
アンチョビ「ああ、楽しみに待っている////」

杏「ほらもっとチョビも飲め、飲んで食べるのがアンツィオ校だろ」トクトク

アンチョビ「そうだな、よし目一杯食べるぞ」ガブガブ

桃「会長私達はそろそろ引き上げさせていただきます」

柚子「片付けは明日しますのでゆっくりして行ってください」

杏「悪いね~じゃあまた明日ね~」

「「こらチョビそれは私のだぞ  良いの良いのササもう一本行こう 全くチョビは・・・ チョビって言うな・・・ 」」


柚子「明日の片付けが大変そうだね」

桃「そうだな、少し小腹がすいたな、少し付き合え」

柚子「いいよなにが良い?桃ちゃん」クスクス

桃「桃ちゃんと呼ぶな///」

・アンチョビ贖罪編 ~チラシ・ウォー~ 完

613: 2016/06/11(土) 22:33:52.88 ID:DescgEB+0
本当に今日はここまで アンチョビを忘れてたわけじゃないんだ、うっかりしていただけなんだ